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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


おまじない
◆おまじない
最初の書き込みは女の子らしい恋の悩みだった。

「大好きな先輩に振り向いてもらえるおまじないを教えてください。」

その書き込みにいくつかレスがついていた。
自分の知っているおまじないを教えてあげるものや、そんなまじないに頼らず自力で頑張れと励ますものまで・・・みんなその書き込みに応援の書き込みをしていた。

次に書き込まれたときはちょっと嬉しい報告だった。

「先輩とお話できるようになりました。ありがとうございます。」

みんなが口を揃えてよかったねとレスを入れる中に、一つ気になる書き込みがあった。

「彼を本当に貴女だけのものにする方法を教えます。メールください。」

雫は、なんだろう?新手のナンパだったら厄介だな・・・と思いながらBBSのその書き込みを見ていた。
メールアドレスは有名なフリーメールのアドレスだった。

数日後、女の子の書き込みが再度あった。

「彼を完全に私のものにします。私だけ、私一人だけの先輩。もう誰にも渡しません。」

その嬉しそうな文面とは裏腹になにか気の重くなるようなものを感じる。
完全に自分だけのものって・・・?
雫は何だかとても嫌な予感がした。

悪いことになってしまう前に何とかしなくては・・・

◆マイナスの力、マイナスの想い
大塚 忍はノートタイプのPCを前に苦い顔をしていた。
編集部に原稿を届けた後、編集部側の喫茶店に席を取りずっとネットを巡っていたのだ。
「嫌な予感がする・・・」
それもこれも数日前に見かけたBBSの書き込みが原因だった。
呪いを匂わせるような少女の書き込みは、大塚の勘にちりちりと触った。
「あれ?大塚さん?」
そんな不機嫌極まりない状態でモニターを睨んでいる大塚に声をかけてくるものがあった。
大塚が顔をあげると黒髪の一部を綺麗な深紅に染め上げた女性が立っている。
「あ、キミは確か・・・」
大塚はその女性に見覚えがあるのを思い出した。
いつだったか、音楽雑誌の取材を手伝った時にあったことがある女性だった。
「宝生ミナミです。どうも。」
宝生 ミナミはぺこりと軽く会釈して、大塚の勧めるままに向かいの席に座った。
「ネットやってたんですか?」
「うん、ちょっと気になることがあってね。」
「あ、そのBBSって・・・」
宝生は大塚が広げたモニターに見覚えのあるBBSを見つけた。
「知ってる?」
「えぇ・・・あたしも気になる書き込みがあって・・・」
「もしかして同じモノかな?おまじないの女の子のこと?」
「そうです。あのちょっとストーカーっぽい子の・・・」
宝生はそう言ってちょっと眉をひそめた。
最初は無邪気な書き込みがどんどん狂気を帯びてゆくようで・・・バンドのボーカルをしている宝生にはストーカーというものの存在がこうやって出来上がってゆくのかと苦い思いで見ていたのだった。
「ストーカー・・・たしかにそう言う類の固執ぶり・・・だよね。この子。」
大塚もふうっとため息をつく。
何とか想いの暴走を止められないかと、この書き込みの主と接触ために色々試したのだが・・・思いのほか上手く行かず苦い顔をしていたのだ。
「人を想うことって悪いことじゃない・・・悪いことじゃないのにこうやって何か歪んでいってしまう・・・」
「・・・」
苦々しくそう言う大塚に宝生はなんとなく好感を覚えた。
雑誌の編集なんてどこかスレた連中だと思っていたけれど、こうやって純なものを抱いている人も居る。
自分が音楽に対して真剣なのと同じように、この人は人間に対して真剣なのかもしれない。
「大塚さんはどうしようと思ってるんですか?」
「え?」
「なんか、このまま黙ってみてるワケじゃなさそうだな・・・って思って。」
宝生は運ばれてきたコーヒーを口にしながら言った。
「アタシもこの女の子にひとこと言ってやりたいですよ。このままじゃダメだってね。」
「宝生さん・・・」
大塚は少し躊躇って・・・少し考えた。
大塚がこれからやろうとしている事は少々危険な事だった。
彼女をそれに巻き込むわけには行かない・・・しかし、大塚一人の手には余る・・・
「手伝いますよ。何かあってもフォローくらいできるだろうし。」
宝生の言葉に大塚はうなずいた。
「俺の部屋、すぐそこなんだ。そこで話をするよ。」
大塚はそう言うと、荷物を片付け始めた。

◆降霊
「これから、俺の体に呪詛を引きおろす。」
自室に戻った大塚は、自分がやろうとしていることを宝生に説明した。
呪詛というのは自分の魂を切り分けて相手の場所に送り事を成すことだ。
多分、この書き込みの主は何らかの呪詛を行っている可能性が高い。
だからその切り分かれた魂を自分の霊力で引き寄せて、書き込みの主と接触しようというのだ。
「それって危険なんじゃ・・・」
宝生はあまりそう言うことに詳しくなかったが、それでもその危険性は理解できた。
「わからない。実際試すのはこれがはじめてだ。」
大塚はそれでもやろうというのだ。
大塚の真剣なまなざしを見て、宝生もうなずく。
「フォローできるかわからないけど・・・」
「そこで見ててもらえるだけでも随分心強いよ。」
そう言うと大塚は静かに目を閉じて、精神を集中し始めた。

目を閉じて感覚を尖らせると、雑多な何かが大塚を取り囲んでいるのを感じる。
その目に見えないものたちはいつもそこに居る。
それを見ないように、または見ることもできずに、人間は暮らしている。
砂浜の砂のように当て所もない存在の中から一つを探す・・・いや、大塚はそれを呼ぼうとしていた。
呪詛の気配・・・強い思い・・・
「居た!」
大塚は一つの光を見つける。
大塚の求める条件に一致した砂の一粒が反応したのだった。
しかし・・・
それは大塚が思っていた少女の姿ではない。
二十歳前半と思われる青年が大塚の前に姿を現した。
『・・・彼女を止めてください・・・』
青年は必死に大塚に語りかけてくる。
「どういうことだ・・・?」
『彼女を止めてください。僕は生き返らない・・・彼女を・・・』
青年は悲しそうな顔で言う。
『彼女は僕を生き返らせようとしているのです・・・』
「彼女って言うのは?」
『貴方が探している少女です・・・』
大塚は不安定な状態で青年の姿を見ている。
意識がはっきりしない。すぐに気が散るように集中が解かれてしまう。
青年の話もなかなか聞き取りづらい。
しかし、それは青年も同じようで必死に姿を保ちながら大塚に話し掛けてるようだ。
『彼女の術では僕は生き返らない・・・術が暴走する前に彼女を止めてください・・・』

「急がないとっ!」
「わっ!」
フォローといっても何をしたら良いのか・・・心配げに宝生が見守っていると、目を閉じて身じろぎ一つしてなかった大塚がいきなり飛び起きた。
「い、急ぐってなにを?」
「女の子の居所がわかったんだ!急いで術を止めさせないとっ!」
大塚は上着を引っつかむと玄関へと急いだ。宝生も慌ててその後に続く。
「術ってやっぱり呪詛だったんですか?」
「彼女がやろうとしているのは死者を蘇えらせる術・・・反魂術だ。」
丁度停まっていたエレベーターに飛び乗り、マンションの地下の駐車場へ降りると、愛車のドアにキーをさす。
大塚に声をかけてきたのは、掲示板に書き込んだ少女が思いを寄せていた先輩だった。
その先輩は不運な事に先週交通事故に巻き込まれて死亡していた。
少女はその先輩を術によって蘇えらせ、自分の側に居てもらおうとしているのだという。
「反魂術はそんなに簡単な術じゃない。呪詛はある意味生から死へと自然な流れを作るものだけど、反魂術はその逆で全てに逆らう最も難しい術なんだ。」
宝生が助手席に飛び乗りドアを閉めるのとほぼ同時に、エンジンが唸り声を上げフルスピードで飛び出す。
「その術が暴走するってことは・・・死人の霊も巻き込んで大変な事になるんだ・・・」

◆暴走する思い
スリープウォーカーが告げた場所に到着した天薙 撫子と羽島 英はあたりに漂う嫌な空気に顔をしかめた。
「もう術が始まってんのか?」
羽島は敏感にその気配を感じ取る。彼は呪詛を解呪することを生業とするものでもあるからだ。
「完成はしていないけど・・・始まってしまっている・・・」
天薙はあたりのざわめきを感じている。
それは現実世界のざわめきではなく、死したる者のこの世ならざるざわめき・・・
「いそがねぇと!」
「えぇ。」
天薙と羽島が術の気配があるほうへと足を向けた瞬間、目の前に乱暴な運転の車が飛び込んできた。

「あぶねぇなっ!こらっ!」
羽島が車から降りてくる人影に怒鳴りつける。
「すまん、急いでたんだ・・・」
車から降りた大塚 忍は途端に感じる嫌な気配に背筋をゾクリさせるものを感じた。
「術は始まってるのか・・・!」
「大塚さん・・・あ!」
助手席から降りてきた宝生 ミナミが大塚の居るほうへと回り込み、そこに居る二人の男女を見て驚きを露にした。。
「なに?知り合い?」
「ええ、ちょっと。」
天薙の方も以前別件で顔を合わせた宝生を思い出したようだ。
「貴方も同じものを追いかけていらっしゃったのですね。」
「じゃぁ、天薙さんも反魂術の関係?」
「ええ。」
「ちょっと、ちょっと!知り合いと懐かしがってる場合じゃねぇぞ!いそがねぇと・・・」
羽島が再会を喜ぶ二人に割ってはいる。
「そうだ、反魂術!」
大塚も嫌な気配がする方を振り返る。
そこにはまばらな植え込みと高い塀の向うに卒塔婆が覗いている墓地であった。

「では・・・あの少女が独占したいといっていた先輩はもう鬼籍の人物でしたの?」
その先輩の霊から事情を聞いている大塚はざっと事情を説明した。
「独占するってのは殺すってことかと思ってたが、チョット違ったな。」
「でもっ・・・生き返らせるのも間違ってる・・・」
宝生は言葉をつまらせたがそう言った。
「そうだ間違ってる。どんなに思ってても、これはしちゃいけない。このままじゃ先輩は天国へいけないからな。」
大塚は宝生の肩をポンとたたいた。
「その通りですわ。いずれにしろ呪詛は摂理を汚すだけのものですもの・・・」
天薙もまっすぐに呪詛の気配を見据えて言った。
(それに・・・あの男の思い通りにさせてはいけない。)
天薙はモニターの向うで笑う男を思い出す。
あの男のゲームに惑わされてはいけない。

「あそこだ!」
最初に少女を見つけたのは羽島だった。
入り組んだ墓石の迷路を抜けると真新しい墓石の前に一人の少女が座り込んでいる。
「墓を漁ったのか・・・」
墓石に納められた遺骨を取り出したのか、泥ですす汚れた少女は小さな白い壺を抱きしめていた。
「貴方たちは・・・誰?」
少女はうつろな瞳で4人の方を振り返る。
「私に何か・・・用?」
4人は何と答えたらよいのか戸惑う。
刺激するのは絶対にマズイ。
何とか刺激せずに少女を説得できないだろうか・・・?
そう思案をめぐらしていると、少女の後ろにすっと男が現れた。
「スリープウォーカー!」
彼の顔を見知るものたちはその姿に凍りつく。
面倒な場面に現れてくれた・・・
スリープウォーカーは4人を見てにやりと笑うと呆然としている少女に囁いた。
「貴女の恋人を奪いに来たんですよ。」
まるで悪しき心が悪行をそそのかすように。
「なんですって・・・」
少女はその言葉を聞いてワナワナと震えだす。
「あなたたちも・・・あなたたちも私から先輩を奪うの・・・」
「そうじゃない・・・貴方がしてることはいけないことなんだ・・・」
宝生が何とか気をなだめようと少女に語りかけるが、その言葉は少女の耳には届かない。
「やめてっ!私から彼を奪わないでっ!彼は私と一緒に暮らすの・・・彼は死んでいい人じゃないのっ!!」
少女の気持ちが高まる。
少女は抱えていた骨壷を高く空に掲げると、その場に投げ下ろした。
骨壷は小さい破片を散らして割れた。
「生き返って!ここへ来て!先輩!」
割れた骨壷からモウモウと瘴気が立ち上る。
「うわ・・・」
「術はほとんど完成してたのかっ!」
その瘴気に4人は怯む。
「完成はしてねぇ・・・いや、術は失敗だ!見ろ!」
羽島が瘴気を立ち上らせる地面を指差した。
そこはまるで湯が煮え立つようにボコボコとあわだって、地中から次々と白い骨を剥き出しにした手が現れる。
「あらら、失敗しちゃったね。この手は亡者の手だ。」
スリープウォーカーはニコニコしてその様を見ている。
「中途半端に生気を与えられた亡者たちが、もっと生気を求めて現れてきてしまったねぇ。」
それは、まるで何か教育番組のお兄さんが生徒にモノを教えるような暢気ないいっぷりだった。
そして、生気を求めて現れた亡者の手は身近な生気・・・そこに立つ少女に向けてのばされた。
「あの女の子が引きずり込まれるっ!」
宝生が駆け出そうとするのを大塚がとどめた。
「ダメだ、行ったらキミも巻き込まれる!」
「でもっ・・・」
「彼女だけじゃないよ。放って置けばこの手は貪欲に生気を求めてこの場所から広がってゆくよ。」
スリープウォーカーが楽しそうに笑いながら言う。
「それに、この亡者たちは別に罪科があるわけじゃない、たまたまこの地に居ただけの罪もない眠れるものたちだ。彼らをお払いしちゃうわけにも行かないよねぇ?」
悪霊でもない彼らを法術でなんとかすることは、墓を暴くに等しい行為だった。
下手に彼らに法術を使って破魔を強行すれば、彼ら自身を悪霊にしてしまいかねない。
「どうしたら・・・」
天薙は目の前に広がる光景に手も出せずに唇をかんだ。
「出番みたいだな。」
その時、じっと状況を見ていた羽島が一歩前に歩み出た。
「歌を歌うのは俺の仕事だし、御霊鎮めも俺の仕事だ。」
そう言うと羽島はいまや少女を引きずり込まんとしている亡者たちに向けて、自慢の声を震わせはじめた。

◆鎮魂歌
羽島の歌う美しい旋律は澱みを吹き抜ける風のようにあたりに響き渡った。
その旋律にあわせ少女を襲うざわめきも落ち着きを取り返し始める・・・
「なんだ、呪歌士がいたのか・・・」
その声を持って呪を操り、鎮魂も呪詛も行う。
スリープウォーカーは収まり始めた怪異を見つめてつまらなそうに呟く。
「これではあまりにもつまらないな。少し力を貸してやろう。」
そう言って、取り出した一枚の符を亡者たちの上にふわりと落とした。
その呪符が亡者たちに触れるや否や、亡者たちは再び勢いを取り戻してしまった。
「なんてこと!」
これで、均衡は崩れ、羽島の声に眠り始めた亡者たちが再び蘇えろうとしている・・・
(ち、俺一人じゃヤバイか・・・)
必死に歌いながらそう思った時、羽島の声に新たな旋律が加わった。
「!」
歌いながら振り返ると、羽島の旋律を追いかけ歌っている宝生の姿があった。
宝生の高い声は低く歌う羽島の声と見事に共鳴し、羽島の鎮魂歌の効力を高めた。
天薙と大塚も思わず聞き入ってしまう。
光と風が世界を清めるような歌声が墓地の荒くれた気配をなだめ落ち着かせる。
宗派も何も関係ない、真の祝福と安寧がその歌によってもたらされた。

やがて、泡立っていた地面は元の平面を取り戻し、全ての亡者は眠りの地へと戻った。
そこにはもうスリープウォーカーの姿はなかったが、泥に汚れた少女が無事座り込んでいた。
「私・・・」
少女は駆け寄った4人の姿を見ると緊張の糸が切れたのか、ぼろぼろと涙をこぼし始めた。
「私・・・先輩とずっと一緒に居たかっただけなのに・・・先輩と・・・」
「わがままを言ったらいけないわ。」
天薙は泣き崩れる少女の肩を抱いて言った。
「あなたがそんなだから、先輩は行くべき場所へ行くことも出来ないで、ここで迷っているのよ・・・」
「・・・」
「ほら、ご覧なさい。私が触れていれば見えるでしょう?」
そう言うと天薙は大塚の頭上をしめした。
そこにはおぼろげな姿をした先輩の姿があった。
波長の合った大塚についてくることでこの場に姿が現せたのだ。
「先輩・・・」
先輩の霊は今の鎮魂歌で半分以上姿を失おうとしている。声も言葉ももう通じない。
しかし、それでも彼女が心配でこの地に残っている・・・
「先輩・・・いかないで・・・私を一人にしないで・・・」
「このままじゃ、先輩はこの地に囚われて自縛霊になる・・・そうなったら生まれ変わることもかなわず、この地に縛り付けられ苦しむことになるんだ・・・」
大塚も言葉を添える。
大塚にももう先輩の言葉は聞こえない。そのくらい遠いところに以降としている存在なのだ。
「でも・・・」
「甘えてはダメです。人間は誰もが誰かと別れなくてはならない時が来る。それを拒むことは誰にも出来ないんです。」
「でも・・・」
「あなたももうお行きなさい。行くべき道はさっきの歌によって開かれたはずです。」
天薙はおぼろげな姿でこちらを見ている先輩の霊に言った。
「あなたがそこに居ることで彼女は思い切ることが出来なくなっている・・・もう心配は要りません。お行きなさい・・・」
そして、天薙は拍手を一つ打った。
パァンという澄んだ音と共に先輩の霊はかき消すように姿を消した。
「先輩ーーーーっ!」
少女は号泣し地面に伏せて叫びをあげた。

◆そして・・・
「あの子、大丈夫なのかな・・・」
宝生が置いてきた少女を案じる。
「今は何を言っても無駄だよ。ああ言う時は人の言葉なんか聞こえねぇんだ。」
羽島は吐き捨てるように言う。
人を思うあまり呪詛の手を借りたくなる気持ちはわかる。
だが、ほとんどの人間はそんなことに手を染めずに乗り越えてゆくのだ。
それを乗り越えることもせずにグズグズしている人間に同情の余地はない。
「それよりアンタ、いい声してたな。」
羽島はさっき歌ったときのことを思い出す。
呪歌・・・というには少し難しいが才能がないワケではなさそうだ。
何より、宝生の声には十分な魅力があった。
「すこし私も歌をかじってるんでね・・・」
宝生はあの時つい思わず歌ってしまったのだった。
羽島の歌いだす旋律の美しさに自然と声が出たのだ。
「ふぅん・・・じゃあ、またどこか出会うことになるかな?」
「・・・かも知れないな。」
二人はそう言って笑うと、軽く手を振って別れた。

二人が同じライブハウスで鉢合わせるのは・・・そう遠くない話だろう。

The End ?
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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

0795 / 大塚・忍 / 女 / 25 / 怪奇雑誌のルポライター
0800 / 宝生・ミナミ / 女 / 23 / ミュージシャン
0871 / 羽島・英 / 男 / 23 / インディーズバンド・ボーカリスト&呪歌士
0328 / 天薙・撫子 / 女 / 18 / 大学生(巫女)

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■         ライター通信          ■
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今日は。今回も私の依頼をお引き受けくださり、ありがとうございました。
なんとも歯切れの悪いラストになってしまいましたが、如何でしたでしょうか?
今回は音楽関係のPCさんがもう一人いたのもあってデュエットさせていただきました。
宝生さんの可能性の一つになるんじゃないかなぁと楽しみにしております。
これからも頑張ってください。
それでは、またどこかでお会いしましょう。
お疲れ様でした。