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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


ヘッド・コレクター

謎の女子高校生連続誘拐殺人事件。
殺された少女達は、皆首を切られて殺されていた。
首は全てなくなっている。
全く手がかりがないことにより、今回の事件が何か「非現実な存在」に関係しているかもしれないと思った担当刑事・日下京一は、インターネットで調査依頼を求めた。

「今回のその…殺人事件については完全に何も判ってないのか?」
 依頼を受けた人物の一人・葛城曜が言う。
「判っているのは被害者の名前とか、死体発見現場とか…そういうのばかりだな。犯人については顔すら判っていない」
「…じゃあ、被害者たちが最後に見かけられた場所とかは判りますか?」
 神崎美桜が言う。
「ああ。でもバラバラだな。都内という共通点はあるが」
「…そうですか」
「でも、死体発見現場は同じ公園だ」
「じゃあ、そこに手がかりがあるかも知れませんね」
 桜井翔が言う。
「それに、私の力を使えば、手がかりが得られるかもしれません」
 4人は早速、その公園に向かった。

 死体発見現場の公園に、岬鏡花はいた。
 彼女も、今回の事件の情報は掴んでいたが、敢えて日下には関わらないことを決めた。
「…ここの公園で、死体が発見されたのよね」
 彼女はふと、昔、人外の者に攫われた時のことを思い出した。
「…被害が広まる前に、解決しないと」
 そんな彼女の視界に、奇妙な光景が映った。
 一人の青年が、ベンチに女性を寝せている。青年は随分顔が整っている。アイドルや俳優顔負けの美形だ。
 …女性は、首がない。
(こいつが犯人か!)
 鏡花は青年を睨み付けた。
 彼女に気付き、青年は振り向いた。
「キミ、何しているの!?」
 青年は、クス、と笑った。
「まさか、この子を…」
「そうだよ」
 笑顔で、青年は、そう言った。
「…何者なの」
「僕のことですか?僕は、刹那。…焦熱地獄から現れた鬼です」
(鬼!?)
「何の目的で、首を?」
「可愛いからです」
 常軌を逸した理由に、鏡花は絶句した。
「…人間でも、可愛い女の子を追い掛け回して、最後には殺すというのが流行なのでしょう?人間も進化しましたよね。他人に恐怖を味合わせることを覚えるなんて。でも、鬼ほどではありませんよ。鬼は、人間の女を見初めたら、恐怖や痛みすら感じる前に殺します」
 いや、もはや、常軌を逸しているというレベルではないのかもしれない。
 善悪の価値基準が、人間のそれとは、全く違う。
「あんた、狂ってるわよ、それ」
「人間の価値基準で考えたら、ね。…あなたもそこそこに美人だから、狩って、コレクションに加えてあげますよ」
 そう言って刹那は、死神の鎌を思わせる大鎌を取り出した。
 対抗するため鏡花も、寄生防具を纏って変身した。

 その現場を、4人は発見した。
「おいおい、あんなガキが犯人なのか?」
 京一は、意外、といった風に刹那を見た。
「そんなこと言っている場合じゃないですよ」
 力のリミッタ―となっている眼鏡を外し、翔は鏡花に援護するため、走った。
「…俺も行く」
 曜も走った。

「…ふ、ははは!くだらないなあ」
 応援に向かった二人を見て、刹那は笑った。
「人間は偽善者だな。放っておけばいいのに」
「…そういうわけにも行かないのが、人間なのよ」
 鏡花が反論する。
「下らない、実に下らないね!」
 そう言って刹那は、三人に強烈な衝撃波を放った。
「これが、鬼の力…」
「そう。僕たち鬼に、人間なんかかないっこないんだ」
「しかし、人が鬼と同等の力を持ったら?」
 日下がぽつりと言った。
「何有り得ないこと言ってるのさ。キミ、頭おかしいの?」
「…氷寒地獄、って知っているか?」
 それを聞いて、刹那は目を見開いた。
「通常地獄と呼ばれているのは灼熱地獄の系列の8つの地獄のこと。しかし、地獄は灼熱系だけではなく、氷寒系の地獄も、同様に8つあるんだ。…氷寒地獄の鬼は灼熱地獄の鬼に戦闘力こそ落ちるものの、一時的だが人間に、鬼の力を与えることが出来る」
「まさか、キミは、氷寒地獄の…!」
「…まあ、正確に言うと末裔だが」
 次の瞬間、鏡花と翔と曜の三人は、自分の内側から力が溢れるのを感じた。

 戦いは圧倒的だった。
 京一が「送り込んだ」という「鬼の力」はかなり強力なもので。
 それは本物の鬼すら圧倒していた。

「く…」
「まあ、…鬼の助力があったけれど…私達の勝ちね」
 鏡花が言った。
 その時、美桜は、何か他の、「得体の知れないモノ」の気配を感じていた。
「…無様な…鬼の風上にも置けんな」
 黒い外套を纏った、男が言った。
 顔は判らない。隠れている。
「奈落!」
「…人間ども。今回は貴様らの勝ちだ。だが、くれぐれも、我々鬼を甘く見るでないぞ」
 そう言って、奈落は刹那を連れて消えた。

「まったく、どうしようもねーな。逃げられたし、まあ、捕まえたとしても鬼を立件するなんて無理だし」
 そう言って日下は、タバコを取り出して言った。
「…でも、被害者たちが浮かばれないんじゃ…」
 美桜が言う。
「そうだな。…でも、訴えるだけが、仇討ちの方法じゃないぜ?…奴らを訴えることができないということは、逆に言えば倒したって文句は言われないってこった」
「!」
「さ、行こうぜ。依頼料代わりにラーメンでもおごってやるよ」
「え。ラーメンですか?」
「…こっちも給料日前なんだよ」

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0413/桜井翔/男/19/医大生&時々草間興信所へ手伝いにくる。
0416/神崎美桜/女/17/高校生
0852/岬鏡花/女/22/特殊機関員
0888/葛城曜/女/16/女子高生
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■         ライター通信          ■
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どうも初めまして今日和、蒼華珠璃と申す者です。
今回、真面目な話です。
本気で真面目なんで、ちょっと自分のスランプを感じてます。…ギャグが書けない…(泣)。いや、シリアスばかり書いているからそんなことになっただけかもしれませんが。
では、今回はこの辺で。またお会いしましょう。