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<東京怪談ウェブゲーム アトラス編集部>


真夏の夜の夢〜後編〜
◆騒動記
「とんでもないことになって来たわね・・・」
報告を受けて、碇は驚きながらも己の勘が当たった事を実感していた。
「失われた社のご神体が暴走してしまうなんて。」
別荘を建てるために取り壊されたお社のご神木とされていた「樹」が、結界の崩壊によって暴走し、昔その社に使える巫女だったという老女に取り付いてしまったのだ。
早く暴走しているご神木の神気を抜かないと、その老女の命は危ないのだと言う。
「三下は上手いことやりますかね?」
編集部員の一人が心配そうにたずねる。
現場には三下以外にも何人か駆けつけていたが、どうにもその先頭にいるのが三下かと思うと心細い。
「何とかやってもらえるしかないわね。」
そう言う碇だったが・・・日ごろの三下を思うと不安が過ぎる。
「うー・・・ん・・・でも、やっぱり心配だから手が空いてる奴がいたら現地へ飛んで!取り壊された社のご神木の祟りなんて特ダネよ。何が何でも記事にするのよ!」
碇が激をとばすと、編集部に残っていた編集者とアルバイトたちはバタバタと立ち上がった。
軽井沢への切符を手配するもの、自分の知人に連絡し情報を集めるもの、三下が失敗した時の為に代原稿を用意し始めるもの・・・
アトラス編集部はこうして次号発行への追い込みに入った。

「これが無事記事になれば売上倍増間違いないわね。」
そして、碇はふっと目を細めるようにして笑ったのだった。

◆今できること
「翠さんの状態をどうにも出来ない以上、神様の新しい依り代を探すしか方法はないと思うんだ。」
翠麗荘のロビーに集まった面々に向かって大塚 忍は言った。
「俺が人形から聞いた話では、新しい寄り代さえ見つかれば全てが丸く収まると思うんだ。」
大塚の言葉にみなもうなずく。
翠に乗り移った御霊を封じていたという行者を浄化した御崎 月斗も同じ言葉を聞かされていた。行者たちが新たな器になると言い残していたのだ。
「新たな寄り代の在りかの方角はわかる。ただ・・・この屋敷を除いたこの辺りの地は今気脈も地脈も乱れていて、場所の特定までは出来ないんだ。」
「方向がわかるだけでも全然違うって。大体の場所がわかんなら俺がひとっ走り行って来るぜ。」
ドンと胸を打って言いのけたのは守崎 北斗。
そして、その北斗を押しのけるようにして石和 夏菜も名乗りをあげる。
「夏菜だって行くっ!絶対おばぁちゃん助けるんだもの!」
「おめーじゃ、ぜってー無理だっての!足手まといにならねぇようにここで待ってろっつーの!」
「そんなことないもん!」
あわや、取っ組み合いかというところに意外な人物が割って入った。
「喧嘩は後にして、とりあえず新たな依り代を探すことを先決しましょう。」
柔らかな男の声がそう告げる。振り返った北斗と夏菜はその声の主を見てギョッとする。
二人の後ろに立っていたのは姿も朧な幽霊の男だった。
「司・・・さん?」
面識のある大塚が男の名を呟く。そこに立っていたのは司 幽屍だった。
「新たな寄り代の気配は私にも心当たりがあります。それに、私ならば山だろうが森だろうが場所を構わず案内が出来ます。なんせ、足場に困る足がありませんからね。」
司はそう言って笑った。
「つーことで、寄り代は俺たちが探してくるからよ。ばーちゃんのこと、頼んだぞ。」
北斗もにこっと笑って立ち上がる。
「さぁ、行くぜ。時間ねーからよ。ぱっぱっと行って来ちゃおうぜ!」
そして、一同はうなづくとそれぞれの役目を果たしに立ち上がった。

◆暗夜行路
「さて、森の中へ入るわけだが・・・」
翠麗荘を一歩出ると真っ暗な森が覆い被さるように目の前に広がっている。
その森を見つめて、北斗はちょっぴり溜息をついた。
「本当についてくるのか?」
「もちろんだよ!」
北斗の言葉に夏菜が元気よく答え、その隣にいた天薙 撫子もこっくりとうなずいた。
「私も体力には自信があります。守崎様の足手まといにはなりませんわ。」
北斗はそう言う二人の格好を見て、再び溜息をつく。
夏菜も軽装といえば軽装だったが、天薙は・・・袴に襷がけと言う格好だ。
「本気?」
「もちろんですわ。」
「・・・行くか。」
三人のやり取りを見ていた司も苦笑いしながら声をかけた。
「若木は三崎さんも行ってましたが、男女の行者の魂が転生した姿で、それなりに強いエネルギーを発しているものだと思われます。私がその力を感知して案内しますので、後をついて来て下さい。」
「この暗がりで道に迷わないのかな?」
夏菜が真っ暗な森を見て少し不安そうに言う。
「大丈夫です。私が灯りをともしましょう。その後を追ってきてください。」
そう言うと司は何事か呟き印を切った。すると、淡い青い色の炎がふわりと現れる。
それは仄かな輝きだったが、暗闇の道案内には十分な明かりだった。
「では、参りましょう。」
灯りと一緒に滑るように司が盛りの中へと入ってゆく。
それを追いかけて、北斗、夏菜、天薙の三人も暗闇の中へと足を踏み入れていった。

月明かりも届かぬ深い闇の中を、前方に仄かに光る灯りだけを頼りにひた走る。
下生えの草に足をとられ、見えない凹凸に引っかかりながら三人は必死に走った。

「北ちゃん、ちょっと待って〜っ!」
30分ほど走ったところで、最初に夏菜が悲鳴をあげた。
「ちょっとだけ休憩しようよぅ〜っ!」
夏菜はその場にぺたんと座り込む。
30分間、先も見えぬ悪路を全速力で走ってきたのだ、もう膝が笑ってしまって立てなくなってしまった。
「何やってんだよ、まったく・・・」
北斗も足をとめて座り込んでいる夏菜の所まで戻ってくる。
「いった〜い、足にマメが出来ちゃったよう・・・」
「大丈夫ですか?」
天薙がかがみこんで夏菜の足の様子を見ると、かかとに靴擦れが出来てしまっている。
「まーったくしょうがねぇなぁ・・・ほら、おぶってやるよ。」
北斗は夏菜の前にしゃがみ込む。
「ありがとう、北ちゃんっ!」
夏菜は足が痛いのもどこへやら、北斗の背中にぴょんと飛びついた。
「うおっ!!」
夏菜が背中にのった途端に、北斗はべしゃっとつぶれてしまった。
「お、重い・・・おめ暫くあわねーうちにふくよかに・・・イテっ!」
「北ちゃんデリカシーなさ過ぎっ!女の子にそんなこと言うのは駄目なのっ!」
ぽかっと夏菜が北斗の頭を叩く。
「痛ってーっ!殴るんじゃねーっ!」
しかし、北斗の反論に耳のも貸さずに、夏菜はもう一回ぽかっと北斗を叩くと言った。
「ほらっ!急がないと困っちゃうのっ!すぐ出発だよっ!」
「おめーなぁ・・・」
北斗は夏菜を背負ったまましぶしぶ立ち上がると覚悟を決める。
「よっしゃっ!もうひとっ走り頑張るぜっ!」
「では参りましょうか。天薙さんは大丈夫ですか?」
司はそう言うと天薙を振り返る。
「大丈夫ですわ。」
天薙は一息ついたお陰ですっかり回復し、けろっとした顔で微笑んだ。
剣道部一の女傑は伊達ではないのであった。

◆若木の行方
「大分近くに感じますね・・・」
淡い炎に囲まれた司が立ち止まり言った。
気を集中するとすぐ側に熱い炎のような気配を感じる。
しかし、地脈も気脈も乱れたこの場所では一箇所に今ひとつ絞りきれない。
「もう少し明るければ探しようもあるでしょうが・・・」
天薙はそう呟く。
しかし、一刻を争う今、夜が明けるのを待ってはいられない。
しばらくそれぞれに気配を探ったりしていたが、場所の特定までは出来ずに途方にくれた。
その時・・・
強い気配が近づいてくるのを感じた。
「あら、人間だったの。つまらないわ・・・」
気配は不意に目の前に現れた。
暗がりに燐光を帯びた美しい女が浮かび上がった。
「きゃーっ!お化けっ!!」
「わっ!おい!やめろっ!」
北斗の背中で驚いた夏菜が暴れる。
夏菜と北斗はそのままバランスを崩してひっくり返る。
「大丈夫ですかっ!?」
天薙が駆け寄り、二人に手を差し伸べる。
茂っていた草のお陰で二人に特に怪我などはないようだった。
「幽霊らしいと言えばらしいですが、少々悪趣味な出現でしたね。」
現れた幽霊・・・小嶋 夕子に司が声をかける。
「失礼ね。わたくしは最初からここに居たわよ。」
小嶋は司を見てにやりと笑う。まるで舌なめずりでもするようだ。
東京でであったことのある天薙はいきなり現れた小嶋にたずねた。
「確か・・・東京でお会いした・・・どうして、こんな遠くまでお出でになってますの?」
「幽霊だって移動するわ。足がなくても動けるのよ。」
まるで皆をからかっているような物言いだ。
「おい、おばさんっ!」
背中に夏菜を張り付かせたまま、北斗が小嶋に声をかけた。
「おばさん?」
小嶋はひくっと眉を引きつらせる。
「おばさんさー、俺たち若木の芽を探してんだけど、どっかで見かけなかった?」
北斗は相手が幽霊だろうと怯みはしない。
「若木?あなたたちアレにひかれてやってきたの?」
「何か知っているのですか?」
「あら・・・」
小嶋は一同の顔を見回す。
「あなたたちの目的はアレなの?」
そして、小嶋を見て再び微笑む。
「私はあなたたちが捜しているもののありかを知ってるわ。」
「その場所を教えてください。」
司は小嶋に言った。
「一刻を争うのです。お願いします。」
「・・・いいわよ。」
しかし、小嶋はするりと手をのばして司の方へと差し伸べると言った。
「あなたがわたくしに食べられるのならば・・・ね。」
「!」
いきなりの申し出に一同はギョッと顔を見合す。
「そんなことできるわけないでしょうっ・・・」
天薙が反論しようと立ち上がったが、それを司がとどめた。
「そんなことでいいのならば。」
そう言うと、司は小嶋の爪の前に立った。
「潔いわね。」
「未練がない訳ではないが・・・死というモノは運命だと思うのでね。」
司は苦笑する。
ふと、自分が死んだ時のことを思い出す。
除霊の最中に行き成り絶たれた自分の命。
小嶋はじっとしている司に手をのばす。
その頬に触れ、艶やかに咲く花が水を吸い上げるように我が物にせんとした。
しかし・・・
小嶋は黙ってその手をとどめ、下におろした。
「未練も執着もない霊なんて美味しくもないわね。」
そして、自分が現れた方を指差すと言った。
「若木はすぐこの先の大木の根元よ。」
「小嶋さん・・・」
小嶋の言葉に司は呆然と彼女を見つめた。
北斗と夏菜、天薙はその方向へ向かって走り出す。
「いいのですか?」
司は自分を食らわなかった小嶋に言った。
「私は執念に凝り固まったようなのが好きなの。」
「それは・・・残念でした。」
嫌味ではなく、司は思ったことを素直に口にした。
小嶋はちらりと司を見ると、皮肉そうな笑みを浮かべた。
「もしかしてこうなるのがわかっていたのかしら?」
「いえ、そんなことはありません。」
「・・・本当にくえない男ね。」
そして、小嶋は暗闇の中へと静かに姿を溶かして行った。

◆新たなる寄り代
「あった!これだっ!」
小嶋の示した通り、大木の根元に暗闇でもはっきりとわかる気配を持った若木の芽を見つけた。
それは本当に小さく、高さも発芽したばかりのようであったが気配ではっきりと新しい寄り代とわかった。それだけ、強い生命力を持った存在であった。
「では、それをもって帰りましょう。」
天薙はそう言うと、若木の前にしゃがみ込み、懐剣を取り出す。
そして、その懐剣に気を込めると、静かに若木の横に刺し立てた。
「気を傷つけてしまっては元もこもありませんから。」
「なるほどね・・・」
天薙の気を込めた懐剣が結界を作るように芽を包み込む。
ゆっくりと懐剣で若木の芽の回りを切ると、手ですくい上げ持ってきた植木鉢の中へと芽を移した。
「しばらく狭いですが我慢してくださいませ。」
芽を折らないように鉢を袱紗で包むと立ち上がった。
「さぁ、急いで戻りましょう。」
「うん・・・でも、こんなに真っ暗で来た方向が判らなくなっちゃったよ・・・」
夏菜が森をぐるっと見回して不安そうに言う。
「大丈夫ですよ。」
天薙はニッコリ微笑むと夏菜の背後を指差して言った。
「お人形さんたちが迎えに来て下さったようですわ。」
その言葉に振り返ると、天薙が指差していた方の空からたくさんの蛍のような光が連なってこちらへやってくるのが見えた。
人形たちの精が屋敷の方からやってきたのだった。

◆荒ぶる御霊
一方、心霊研究会たちの合宿所になっていた幽霊屋敷では別の騒ぎが持ち上がっていた。

「うわーーーんっ!」
パンツを引き裂くような悲鳴をあげているのは三下。
カレーショックから立ち直ったばかりの彼は、またもや寝込みそうなくらいの状況に追い込まれていた。
「どうして僕がこんな目にあわなきゃならないんだよぅっ!!!」
「つべこべ言わずに自転車をこぐのだっ!」
ピシッと鞭をしならせつつ、何故か黒ビキニ一枚で顔には黒い覆面という怪しさきわまった格好で海塚 要が怒鳴る。
「なんなのですか・・・これ・・・」
側で美貴神 マリヱが困惑と怖さが入りまじったような表情で必死に自転車を焦がされている三下を見ている。
「ふふふふ、これは我が魔力の粋を集めて作りあげた魔界の秘密兵器「神罰中和結界発生装置」なのだ!コレによって発生した結界があの老婆の命を守る仕組みなのだっ!」
美貴神はそう言ってふんぞり返る海塚をしげしげと眺める。
「海塚さんって・・・魔王なのに・・・。」
「うっ!」
海塚は美貴神の言葉に返答に詰まる。
「そーんな甘っちょろいことだから僕に負け負けなのさっ☆」
「む・・・その声は・・・」
「想司クン!?」
声の方を振り返り、そこに立っている人物を見て海塚も美貴神も驚きに目を丸くする。
なんと、ついさっきまであどけない笑顔の少年であった水野 想司が、なぜか身長も伸び涼しげな笑顔の青年となってそこに立っていたのだ。
「むむっ!新たなコスプレかっ!?我がライバル、水野 想司っ!」
「ふっ・・・君と一緒にしないで欲しいな、海塚クン。」
想司はふっと涼しく笑って流すと、つかつかと「神罰中和結界発生装置」の元へと歩み寄った。
しかし、何故かその足元が不安定そうだ。
「ご苦労様だね、三下クン。あとは僕に任せたまえ。」
「え?え?なに?想司クン?」
三下は必死で自転車をこぎながら想司の方見上げる。
しかし、想司はそんな三下の様子を一通りながめてボソリと呟いた。
「コレではまだ駄目だな。」
「え?どういうこと・・・?」
律儀に自転車をこぎつづけながら三下は想司を見て言う。
「大丈夫。僕に任せてもらおうか。三下クン。」
想司はそう言うと肩にかけていたバッグの中をごそごそと探る。
そして、あるモノを取り出した。
「そ、それをどうするの?」
それを見て三下は顔色を変える。長年の不幸生活が彼に危険を知らせているのだ。
想司の手の上にのせられているのは、イガイガ満載のドリアンだった。
食べれば天国の甘さといわれるかもしれないが、その匂いは激悪で、皮も硬くてとげとげだ。
「わ!わ!わ!そ、そ、そ、想司クンっ!!!」
想司は大きくそれを振りかぶり・・・おもむろに投げつけた!
「ぎゃーーーっ!」
ゴインッ!とかたく鈍い音と同時に絶叫が走る。
ドリアンは見事、海塚の脳天に直撃していた!
「三下クン1人じゃパワー不足でね。僕の設計では二人居ないとね。」
そして、ひっくり返った海塚を素早くもう一つの自転車にくくりつけると、ぴしっ!と鞭を唸らせた。

◆邪気の炎
そんな騒動の中、最初に異変に気がついたのは矢塚 朱姫だった。

矢塚は何とかして翠に憑り付いたご神体を他の器に移すことは出来ないだろうかと、外を探し回っていた。
翠麗荘の側か、元々ご神木が生えていた辺りの樹だったら、何とかなるのではないかと考えたのだ。
そして、深く生茂る雑木林の中の道を翠麗荘へと向かっている途中のことだった。
「!」
突然、背中をゾクッとつめたいものが駆け抜ける。
それは強く強く今来た方角・・・合宿所になっている幽霊屋敷の方から感じる・・・
「これは・・・なに?」
結界の解かれてしまった屋敷にはもう何も残されていないはず。
あの部屋にはもう何もいないはず。
でも、矢塚は不安にかられる。胸騒ぎがする。
「翠さんに憑りついてる、ご神体の気配に似てる・・・」
矢塚は一瞬躊躇ったが、どうしても胸騒ぎが抑えられず、屋敷への道を走って戻った。

次にその気配に気がついたのは黒月 焔だった。

黒月も矢塚と同じくご神体の新しいの器を探していた。
その為にご神木に似た気配を探っていたために、その気配に気がついたのかもしれない。
幽霊屋敷の方から膨れ上がるような気配を感じる。
「おいおいおい、何だよコレはっ・・・」
屋敷の方を振り返ると、夜目にもはっきりと炎が立ち昇るような気が見える。
「くそっ!屋敷に残ってた連中が何かやらかしやがったのかっ!?」
そう言えば出てくるときに、想司と海塚の二人がなにやら怪しい装置を作っていた。
大したことはあるまいと放って出てきたのだが・・・
黒月の頭に不安が爆発的に広がる。
「あーっ!もうっ!何が避暑だよ、チクショウっ!」
悪態を吐き捨てると、黒月は屋敷へと踵を返した。

「お。」
黒月が屋敷の前まで戻ってくると、青ざめた顔で屋敷を見上げている矢塚に会った。
「なんだ、あんたも戻ってきたのか。」
矢塚も同じモノを感じて戻ってきたのだ。その証拠に黒月と同じモノを見上げている。
「あれ・・・」
矢塚が屋敷の屋根から立ち昇る炎を指差す。
「ヤバイな。ご神体やら結界やらの強い力が動いちまった所為で、辺りの亡霊たちが動き出しちまったんだ。」
「亡霊?」
「あぁ・・・ご神木に昔食われた連中やら、ここいらで死んだ連中だろうよ・・・」
黒月の紅の瞳には苦鳴をあげてのたうつ亡霊の姿が立ち昇る炎の中に見える。
「それが・・・それがどうしてご神体と同じ気配を持ってるんだっ?」
矢塚の眼にも映るその恐ろしい炎は、翠に憑りついたご神体と同じ気配をしている。
「ちょっと待てよ・・・おい・・・」
矢塚の疑問の言葉に、黒月は気がつく。
目を凝らせば炎は翠麗荘へ向かってなびいている。
「チクショウっ!こいつらがあのバァさんに憑りついたご神木に「力」を送ってるんだっ!」
「まさか・・・」
「ここでグズグズ言っててもしょうがねぇ。あの炎は例の部屋の辺りだ。行くぞっ!」
二人は結界のあった部屋へと向かって弾かれるように走り出した。

◆混乱の宴
二階の一番奥、結界のあった部屋のドアを蹴破るようにして黒月と矢塚は中に飛び込んだ。
「!!」
そこには学生たちが皆一様にうつろな目をして立ち尽くしていた。
しかし、黒月と矢塚の姿を見ると殺意をあらわに襲い掛かってきた!
「ちっ!学生に乗り移りやがったかっ!」
黒月は掴みかかってくる学生に遠慮のないアッパーを食らわすが、憑依された学生たちは倒れても倒れても立ち上がってくる。
「あんまり無茶したら駄目だっ!体は普通の学生なんだよっ!」
ボカボカ殴りまくる黒月に矢塚が警告を発する。
しかし、矢塚自身も普通の学生だからといって手加減していたらやられてしまう。なまじ体育大の学生なだけに、その力も凄まじいのだ。
「どうしたんですかぁ・・・わっ!」
騒ぎを聞きつけて来た美貴神と想司は部屋の中を覗きこむと学生たちと乱闘中の二人を見て呆然とする。
「喧嘩なんて大人気ないなぁ、朱姫さん。」
事情を知らない想司が暢気な事を言う。
「ばかっ!喧嘩してるんじゃないよっ!想司もみんなをおさえて!このままじゃ大変な事になるんだっ!」
「しょうがないなぁ・・・ここは僕が・・・うわっ!」
そう言いかけた想司に学生のパンチが命中する。
「だ、大丈夫か?想司っ!」
「・・・この僕を本気にさせたね・・・」
想司はゆらりと立ち上がり、妖しげなオーラを立ち昇らせると背負っていたバッグからドリアンを取り出す。
「コレでも食らえっ!怨霊退散ーーっ!!!」
「わーっ!!」
所構わずドリアンを投げつける想司のお陰で部屋の中は凄惨極める修羅場と化した。

「おいっ!あんたっ!」
もうどうして良いかわからなくなり、呆然とその様子を見ている美貴神に黒月が声をかけた。
「急いで翠麗荘へ行けっ!ここからのエネルギーの所為で向うもパニックになってるはずだっ!」
「は、はい!でも、行ってどうしたら良いのっ?」
「同時に力を遮断する結界を張るんだ!とにかくあんたは向うへ行ってそれを伝えろ!向うには式を使える奴もいる、準備が出来たら知らせてくれ!こっちは、俺と矢塚が結界を張る!」
「わかったわ!」
黒月の言葉にうなずくと、美貴神は部屋を飛び出してゆく。
屋敷の外へ飛び出すと、夜気が肌に染みるようだ。
「普通に走ってたんじゃ間に合わないかも・・・」
美貴神は静かに自分の中に集中する・・・体中に力がみなぎってくるのを感じる。
そして、翠麗荘への最短距離・・・道なき森の中へと向き直る。
「私なら・・・ここでも走り抜けられるものね。」
美貴神の中の蟲が美貴神の体を強め支える。どんな足場の悪い悪路でも走り抜ける筋力と、どんなに傷を負っても瞬時にその傷を癒す回復力がある。
「急がなくちゃ・・・」
美貴神は躊躇いもせず、真っ暗く口を開けた森の中へと飛び込んだ。

◆暴走
黒月が予感していた通り、翠麗荘では翠に憑りついた力が暴走していた。

「だめっ!結界でもおさえられないわっ!」
大矢野が必死に暴走する神気をおさえんと結界を張ろうとするが、張っても張ってもすぐに打ち破られてしまう。
「どこからか外部から力が流れ込んでるんだっ!このままじゃ埒があかない!」
御崎も必死に結界を張るが、今この場から神気を逃がさないだけで精一杯だ。
式を放って、外部殻邪魔をするように流れ込んでくる力の流れを辿ることも出来ない。
「人形たちの力を借りたら・・・」
人形たちと深くシンクロできる大塚が提案する。
「駄目だっ!人形の力は神気を神体に移すのに使かうんだ!今ここで使ってしまうわけにはいかんっ!」
「でもっ・・・」
「御崎さんの仰る通りですっ!大塚さんは今無理はしないで下さいっ!」
御崎も大矢野も大塚の提案は却下した。
しかし、このままではどうしようもない・・・
このまま神気が暴走を続ければ、憑依されている翠の体が持たなくなってしまう。
それに、暴れ狂う神気を新しい器に移すことも難しいだろう。
「一体どうしたら・・・」
若木の芽を探しにいった面々もまだ戻らない。
その時、別荘の階段を勢いよく上がってくる音が聞こえた。
「若木の芽を探しにいった連中が帰ってきたのかっ?」
大塚が部屋を飛び出しすと、そこには息を切らせてよれよれになった美女が立っている。
「・・・間に合ったのね。」
髪を振り乱して駆け込んできたのは、美貴神 マリヱだった。
「向うの土地からここへ亡霊たちの力が流れ込んでいるのっ!同時に結界を張っておさえない限りこの暴走は収まらないって・・・誰か!向うの屋敷と連絡をとって結界を・・・っ!」
「わかった。俺が式を送る。その間誰か・・・」
「俺が手伝う。」
御崎の言葉に答えたのは、守崎 啓斗だった。
「どこまで出切るかわからないが・・・こいつも神様なら何とかなるはずだよな。」
そう言うと北斗は持っていた忍者刀を抜くと、すうっと深呼吸して刀を構える。
そして優雅な動きで奉納舞を真似た剣舞を舞い始めた。
力の流れに逆らうのではなく、流れに身を任せ、しなやかにその力を導く舞は、その場を保たんと必死に堪えている大矢野の力とあわさって、その暴走の力を弱める。
大矢野もそれに合わせて再び結界に取り掛かる。
鈴を構える前に、胸ポケットに入れた御守りをぎゅっと握る。
(大丈夫・・・頑張るのよ・・・)
それあ大塚に渡された眼鏡だった。気休めかもしれないけど・・・御守りにと渡された眼鏡が自分にはついてる。
そして、一回大きく呼吸すると大矢野は気合を入れた。
「今のうちです!御崎さんっ!」
大矢野の声に御崎はうなずくと、符を取り出し式を呼ぶ。
「こちらは準備か整ったと向うへ伝えろ。若木の芽が届き次第、儀式ははじめられる!」
御崎の呼んだ式は細い光の矢に変わると、主の言葉を伝えるために素早く飛び去った。

◆地の亡霊
「来たっ!向うからの知らせだっ!」
窓から飛び込んできた光の矢を、矢塚がすかさず見つける。
御崎の放った式は、翠麗荘の状況とおさえるために結界の準備が出来ていることを伝え、今、荒ぶる御霊の受け皿となる依り代を探しに行っていることも伝えた。
「上等だ。こっちでもおっ始めるぞ!想司っ!海塚っ!お前らも手伝えっ!」
黒月は部屋の入り口から覗き込んでいる海塚と、学生とドリアンまみれで乱闘中の想司を呼んだ。
「ん〜、しょうがないなぁ。この僕の力が是非必要なんだね☆」
「魔王に命令するなっ!」
もったいぶってなかなか言うことを聞きそうにない二人の頭を、後ろから矢塚が叩いた。
「魔王でも何でも言うこと聞く!ほらっ!グズグズしないっ!」
そして、黒月のところまで猫でもつれてくるように襟首を掴んで引っ張ってきた。
「これから俺が結界を張ってこいつらの行動を弱めるから、お前ら片っ端からこいつらをぶん殴って気絶させろ。」
この学生たちはこの地の亡霊たちの力を吸い上げて、ご神体へと送るアンテナのような役目をしている。
そのアンテナを残らずぶっ倒して、強制的にアンテナを排除するという強引な作戦だった。
「え〜っ、胡散くさーいっ!」
「そうだっ!魔王に命令するなっ!」
ぶーぶー文句を言う二人を今度は黒月が叩き倒す。
「やかましいっ!さっさと準備しろっ!」
そして、二人が準備を整え、矢塚も竹刀代わりの棒切れを構えるのを確認すると、黒月は紅に光る眼を学生たちへ向けた。
「お前らに俺の神様を拝ませてやるぜっ!」
そして、黒月のなかの気を極限まで高めてゆく。
それは金色の光の帯になり黒月の体を取り囲んだと思うと、ゆっくりと首をもたげる龍の姿になる。
龍の目をもつ黒月に睨まれた学生たちにはそれが恐ろしい気迫をもって自分たちに襲い繰るように見えるのか、学生たちは一瞬怯んだ。
「今だっ!やれっ!」
黒月の言葉を合図に、矢塚、想司、海塚の三人が学生に飛びかかる。
学生たちは最初のような抵抗は殆ど見せず、5分もしないうちに全員が床に倒れた。
「黒月さんっ!」
矢塚が倒れた学生たちの中に閉じ込められ動けなくなっている亡霊を確認すると黒月に合図した。
「よし・・・」
そう言うと黒月は静かに部屋の中央に立つ。
そして、自分の周りに纏わりつかせていた光の帯びをゆっくりと部屋中にめぐらせた。
「綺麗・・・」
その姿をはっきりと見る力のある矢塚は思わず感嘆の声を零した。
美しい金色の龍がゆっくりと亡霊たちの上を巡っている。
それは威圧的に力あるモノが行える力による癒しにも見えた。
こうして、幽霊屋敷の亡霊たちは静かに結界の中に収められたのだった。

◆天の神気
「新しい依り代を持ってきたぜっ!」
夏菜を背中に背負ったまま北斗と天薙が別荘の中へ飛び込んでくる。
「ご苦労様っ!守崎クン、夏菜ちゃん、天薙さん、司さん!」
「早くっ!ご神気を!」
天薙は待ち構えていた大塚に袱紗に来るんだ若木の鉢を渡した。
大塚はそれを受け取ると二階へと駆け上がっていった。
北斗と天薙は若木の芽を渡した途端に体中から力が抜けて、その場にへたり込んでしまう。
「お疲れ様でした。忍びとしての力、見事でした。」
夏菜ごとへたり込んでいる北斗に、司が声をかける。
「いやー、もう、コイツが重いのなんのって・・・」
「それは北ちゃんの修行が足りないんだもんっ!」
背中の夏菜が反論する。
「天薙さんなんて、北ちゃんより早かったのだもの!女の人に負けちゃってるよっ!」
「うるせー、お前を背負ってなきゃ、俺だってもっと早いんだよ・・・」
そう言いながら、体力の限界が着たのか北斗はその場でへたったまま眠り込んでしまった。
気がつくと天薙もソファにもたれて眠っている。
夏菜はそれを見て、みんなを起こさないように静かに立ち上がった。
「みんなご苦労様。夏菜、みんなが起きた時に何か食べられるように夜食作っておくね。」
そう言うと、静かに足音を立てないように気をつけながら玄関ホールを出て行った。

「若木の芽が届いたよっ!」
大塚が部屋に飛び込むと、大矢野の鈴の音と啓斗の剣舞で作り出した結界がちょうど神気の暴走を押さえ込もうとしているところだった。
「あ、力が・・・弱まった・・・?」
大矢野は微妙な力の変化に気がつく。
それと同時に連絡役をかっていた御崎が式から連絡を受ける。
「向うの結界が完成したようだ。こちらも結界を作っちまおう。」
そう言って御崎は立ち上がり結界を張るために符を取り出す。
「待って!力が弱まってる今こそ若木の芽にご神気を移すべきだ。」
一旦、結界を作って日からを弱めてからの方が確実ではあるが、今の暴走で大分翠の体力を消耗させてしまった。事態は本当に一刻を争う。
「危険かもしれないけど・・・時間がないんだ・・・」
大塚の言葉はもっともだった。
その証拠に弱まったとは言え、暴走に苦しむ翠の顔色がさっきより悪くなってきている。
「急ぎましょう。御崎さん。ここは私と北斗くんで持ちこたえます。御崎さんと大塚さんはご神気を!」
大矢野も北斗もそれには同意だった。
結界を作っているからこそ、事態の進行は良くわかる。このままでは結界にすら翠が絶えられなくなる。
「わかった。では、俺がサポートする。準備できるか?大塚・・・」
大塚はうなずく。
「始めよう・・・」
そして、翠の枕もとに鉢を置くと大塚は大きく深呼吸をした。

◆人形の見る夢
大塚は深い闇の中に沈んでいた。
深い深い水のそこに沈んで、遠くに水面を見上げているような・・・そんな感じだった。
『力を貸してあげるわ・・・』
そう言って小さな女の子が大塚の手を握る。
見れば小さな人形のようだ。
『道を作るのよ・・・』
人形たちはあわのように暗闇から仄かに浮かび上がってくる。
『邪気も神気も二つで一つ・・・』
人形たちの声が囁くように語り掛けてくる。
『二つの道を一つにまとめて・・・』
『若木への道を作り出すのよ・・・』
『若木に封じるのではなくて・・・』
『導くのよ・・・』
(若木に・・・導く・・・)
力に逆らい力でもって封じるのではなく、今ある流れを若木へと導く・・・
大塚の中に光の流れがイメージされて来る。
「この流れを・・・若木へ・・・」
大塚と人形たちがその道しるべになる。
大塚がうねるようなその流れを受け入れるために大きく手を広げる。
人形たちは大塚の手を握っている。
大きな流れは大塚の中いっぱいになると静かに若々しい青い光の元へと流れ去っていった。

◆神の姿
「力が・・・」
人形とシンクロした大塚の体と翠の体をつなぐ役をするために、意識を集中していた御崎がポツリと呟いた。
それはまるで水が高いところから低いところへと流れてゆくような・・・自然な姿だった。
あれほど荒れ狂っていた力は静かに全て若木へと注がれてゆく。
それだけではない。
幽霊屋敷のほうから流れ込んでいた亡者の力すらも全て若木へと流れ込んでゆくのだ。

「すげェな・・・これは・・・」
自分の結界の中から流れ出してゆく力を黒月は静かに見守った。
この地に残されていた不浄にも思えた亡霊たちが清い流れとなった力の道に導かれてゆく。
行き先は新しい神の寄り代の元だろう。
全ての力が浄化され神の元へと集ってゆくのだ。
「伊達にこの地にしがみついてた訳じゃないんだ・・・」
矢塚もその美しい流れに魅入る。
黒月の持つ龍の気も美しいものであったが、地霊とも言える神の力の流れは更に美しいものだった。

◆目覚め
「うー・・・なんか、体がいてぇ・・・」
玄関ホールの床の上で目が覚めた北斗は、きしむ体を伸ばすように大きく深呼吸した。
辺りを見るとすっかり夜が明け、清々しい日の光がホールへと差し込んでいる。
「うわっ!もう朝かよっ!ご神木はどうなったんだっ・・・」
北斗が事態を思い出し慌てて起き上がると、通路の向うから夏菜が顔を覗かせた。
「やっと起きたのね、北ちゃん!もうみんな起きて食堂にいるよ!」
「起きてって・・・終わったのか?」
北斗の言葉に夏菜はニッコリと微笑む。
「もちろんっ。おばあちゃんも啓ちゃんもみんな無事だよっ!」

北斗と夏菜が食堂へはいると、そこにはもうみんな揃っていて、テーブルの上にはたくさんのおにぎりと惣菜が並べられていた。
「遅いぞ、北斗。」
啓斗が吸い物の入った椀を盆に並べて運んでくる。
その後ろには翠さんが立っていた。
「ばあちゃん!もう良いのか!」
翠はその言葉に目を細めて笑うと答えた。
「おかげさまでもうすっかり元気なのよ。みんなにはまた命を救ってもらってしまったわ。」
「よかったーっ!どうなることかと思ったぜ・・・」
「ありがとうね。北斗ちゃん。これからもあの若木と一緒にここで頑張るわ。」
そう言うと窓の外を指差す。
北斗が窓から外をのぞくと、中庭の日当たりの良い場所にあの若木が植えられている。
北斗も素直に喜びの笑みを浮かべ、食卓につく。
「朝からご馳走だし、終わりよければ全て良しだなっ!」
「夏菜ちゃんがおにぎりを作ってくれたんだよ。」
向かいに座った大塚が受け皿を手渡しながら言う。
「私たちが疲れて寝てしまった後、夏菜ちゃんがみんなの為にって頑張ったんですって。」
お皿に惣菜を取り分けていた天薙も言葉を添える。
「向うのお屋敷の人たちの分もおにぎりを握ったんですって。私、さっき届けてきたんです。」
大矢野もニコニコしながら言う。
もちろん、皆の誉め言葉に夏菜も満面の笑みを浮かべている。
「私だってやる時はやるもんねっ!さ、みんな食べようっ!啓ちゃんが作ってくれたおかずも冷めちゃうよ。」
一同は全ての心配事が終わって心から落ち着いた様子でそれぞれの席につくと、夏菜の「いただきます。」を合図におにぎりに手をのばした。
「!」
「ん!」
「こ、コレは・・・」
みんなはおにぎりにかぶりつくと、一様に言葉を失った。
御崎は口の中を飲み込むか吐き出すかを悩んだ後、無理やり飲み込んで言った。
「変わった具を入れたおにぎりだな・・・」
皆も複雑な顔をして食べたおにぎりの中身を見た。
そこには・・・
「夏菜っ!おにぎりに梅干の代わりにプルーンを入れるのはよせっ!」
北斗が中身を吐き出すと同時にそう言うと、食卓は再び笑いに包まれた。

こうして軽井沢の夏は楽しい思い出を皆の中に残したのであった。

The end ?
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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

翠麗荘宿泊組
0554 / 守崎・啓斗 / 男 / 17 / 高校生
0568 / 守崎・北斗 / 男 / 17 / 高校生
0846 / 大矢野・さやか / 女 / 17 / 高校生
0795 / 大塚・忍 / 女 / 25 / 怪奇雑誌のルポライター
0921 / 石和・夏菜 / 女 / 17 / 高校生
0778 / 御崎・月斗 / 男 / 12 / 陰陽師
0328 / 天薙・撫子 / 女 / 18 / 大学生(巫女)

幽霊屋敷宿泊組
0442 / 美貴神・マリヱ / 女 / 23 / モデル
0550 / 矢塚・朱姫 / 女 / 17 / 高校生
0424 / 水野・想司 / 男 / 14 / 吸血鬼ハンター
0759 / 海塚・要 / 男 / 999 / 魔王
0599 / 黒月・焔 / 男 / 27 / バーのマスター

???
0382 / 小嶋・夕子 / 女 / 683 / 無職?
0790 / 司・幽屍 / 男 / 50 / 幽霊

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■         ライター通信          ■
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今日は。最後までお付き合いありがとうございました。
本当に一夏かけての物語になってしまいましたが、如何でしたでしょうか。
今回は皆さんの全ての物語を見て欲しくて、あえて分割せずにお届けします。
全ては皆さんの力の賜物だと思います。重ねて御礼申し上げます。
ありがとうございました。

御崎クンは中編からの参加お疲れ様でした。
途中からの参加・・・だったのですけど、かなり良いところをついたプレイングで活躍していただきました。設定にもある通り、本当に小学生とは思えない機転の持ち主でした。これからの活躍も期待しております。頑張ってください。
それでは、またどこかでお会いしましょう。
お疲れ様でした。