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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


廃病院の幽霊退治

執筆ライター  :織人文
調査組織名   :草間興信所
募集予定人数  :1人〜3人

------<オープニング>--------------------------------------
 名刺には、「毎朝(まいちょう)テレビ 番組制作部 瀬戸昌之」とあった。40半ばぐらいの、なんとなく卑屈な感じのする男である。
 彼の持ち込んで来た依頼というのは、まさに「幽霊退治」だった。
「来年放送予定のドラマの撮影に、千葉の方の……N町にある、廃病院を使うことになりましてね。クランクインは、来月なんですが、そこ、出るって噂なんですよ」
瀬戸は、両手をだらりと体の前に垂らして見せて、草間に言った。
「でまあ、クランクイン前に、調べて、もし噂が本当なら、除霊っていうんですか? そういうのをやっていただいて、きれいにしてもらいたいと思いましてね」
「はあ……」
また、そういう類の依頼かと、内心溜息をつきながら、草間は曖昧にうなずく。
「出演者の中に、ちょっと敏感な人がいましてね。クランクインしてからそんなもんのせいで、降りられたら、たまりませんからね。もちろん、謝礼ははずみますんで、お願いしますよ」
更に言われて、草間はしかたなくうなずいた。
「わかりました」
とりあえず、三人ぐらいでいいか、と胸に呟き、草間は依頼を引き受けた。






 笹倉小暮は、どうしようもなく暇だった。だから、ふらりと立ち寄った草間興信所で、今回の話を聞いて、同行する気になったのだ。
 彼は、ごく普通の高校二年生で、当然ながら霊のことにも除霊にも詳しくない。だが、病院周辺の聞き込みだとか、どんな霊がいるのかとか、そういった情報集めや雑用めいたことぐらいならできるだろう、と考えてのことだった。
 同行者は、他に二人いた。陰陽師の真名神慶悟と、ストリートドクターだという、レイベル・ラブだ。どちらも20歳ぐらいで、レイベルは、名前からもわかる通り、金髪の白人女性である。美人だが、小暮にはちょっと怖そうに見えた。慶悟の方は、陰陽師というより、水商売系の人種かと思わせる垢抜けた美貌の持ち主で、こちらも、金髪だった。むろん、染めているのだろう。
 二人とも頼りになりそうだったが、どちらも、何の力も持っていない彼がなぜ同行するのか、不思議がっている様子がありありとわかる。
(まあ、素人でも、何か役に立つことはあるよね)
小暮は、のんびりとそんな風に考えた。
 草間興信所で、彼らは依頼人の瀬戸昌之に会って、まずは話を聞いた。
 彼の話によれば、場所は、千葉県N町の「朝倉総合病院」跡だという。そこは、心霊スポットとして有名なところで、小暮も名前を聞いたことがある。今年の春にもテレビの心霊特番で取り上げられていたのを見たばかりだ。
 戦前からある病院で、辺鄙なN町近辺では、地元住民から重宝がられていたという。だが、10年ほど前にバイパスが通って隣の大都市への往復が容易にできるようになったことから寂れ、そこに院長の汚職事件やら、病死やらが重なって廃院になったらしい。
 その上、廃院以前から悪い噂の絶えない病院でもあったようだ。戦前は、軍部につながり、薬物兵器の実験を行っているという噂が、戦後は、臓器移植が合法化されるまでは、臓器密売や、非合法な移殖手術が行われていた、などなど。
 病院の建物は、廃院になった後に取り壊されかけたとかで、現在は、一階部分と、地下だけしか残っていないという。主に霊が目撃されているのは、その地下だ。
(さすがは、テレビ局だなあ。きっちり調べてあるんだ。でも、これじゃあ、俺のすることもなくなっちゃうかなあ)
話を聞きながら、ぼんやりと小暮は思う。
 聞き終わると、小暮たち三人は、瀬戸の運転するテレビ局の車で、さっそく廃病院へと向かうことになった。

 たどり着いた場所は、うっそうと木々の生い茂る丘の中腹で、草ぼうぼうの道といい、半壊状態の灰色の建物といい、たしかに「出そう」な雰囲気ではあった。
 だが、彼らを驚かせたのは、それよりも、そこで待ち受けていたテレビ局の面々だった。
「やっぱり、こんなことだと思ったよ」
レイベルが、見るなり顔をしかめて吐き捨てた。
 ここでドラマの撮影をするだの、出演者に敏感な者がいるだのという話は、全て嘘だったのだ。瀬戸は、愛想笑いを浮かべて、実はこれが、秋の心霊特番のための撮影であることを三人に説明した。
 最近の心霊番組は、各テレビ局おかかえの霊能力者が登場して、視聴者からの悩みに答えたり、心霊スポットを実際に除霊するといった傾向にある。毎朝テレビも、そういう方向で番組を作ることになり、調査員の中に霊能力者もいるという草間興信所に白羽の矢が立ったということらしい。
 瀬戸の説明に、レイベルは呆れたように大きく溜息をつく。が、小暮はぼやっとした目で空をふり仰ぎ、のんびりした口調で言った。
「う〜ん、別に、いいんじゃないの。お金もらってテレビに出られるなんて、ちょっとラッキー、だと思うし」
「いろいろと、テレビの仕事も大変なんだな。たしかに、正直に話して依頼してほしかったが、俺は、引き受けた以上はやりますよ」
白皙の美貌に、愛想の良い笑顔を浮かべて、慶悟も言った。
 それを見て、瀬戸はホッとした顔になる。レイベルは溜息をついたきり、押し黙ってこちらを睨み据えていたが、何も言わないので、瀬戸はそれを暗黙の了解と取ることにしたようだ。待ち構えていたスタッフに声をかけ、先に立って中へ入って行く。
 三人も顔を見合わせ、後に続いた。

 病院の中は、なんとなく空気が重く淀んでいるように感じられた。
 まずは、何度も霊が目撃されている地下へ行くことにした。瀬戸と、ハンディカメラを下げたカメラマンが同行することになった。なるべく霊を刺激したくないという慶悟の言葉を入れてのことだ。
 他のスタッフを残して、五人は懐中電灯を片手に、地下への階段を下り始めた。
 地下へ行くほど、空気が重くなるような感じがする。怖いわけではなかったが、いつもの癖で、小暮はついつい並んで階段を降りる慶悟にぴったりくっついて、腕を取る。他意はないのだが、人にくっついているのはおちつくのだ。
 だが、慶悟は嫌だったようだ。眉をひそめて問うて来る。
「あんた、怖いのか?」
小暮はきょとんとした。
「さっきから、俺にくっついて歩いてるだろ」
「う〜ん、違うけど〜、なんとなく」
再度問われて、のんびりした口調で小暮は答えた。慶悟の眉が、更にしかめられた。
「だったら、離れてくれないかな。あんたも、どうせくっつくなら、俺より、綺麗なお姉さんの方がいいんじゃないのか?」
視線でレイベルの方を示して、慶悟は言った。小暮は、少し考えてから正直に答えた。
「あの人、なんか怖いし、真名神と一緒の方がいいな」
年上の相手を呼び捨てにするのも、他意はない。慶悟は、再び眉をひそめたものの、何も言わずに溜息をついた。
 やがて彼らは地下へ降り立った。階段は建物の端にあり、そこから廊下が真っ直ぐに伸びて、その廊下に沿って、幾つかの部屋が並んでいる。どれも、ドアは錆びて壊れてしまっており、中にはなくなっているものもあった。
 その惨状に、小暮は思わず目を見張る。と、慶悟がふいに廊下を歩き出した。腕を取っていたせいで、彼はそれに引きずられるようにくっついて歩き出す。
 慶悟が足を止めたのは、廊下の突き当たりだった。彼の腕をふりほどき、壁に懐中電灯を近づけ、手でなぞり始める。しばらくそうしていたが、なんらかの異変を感じたのか、慶悟は一同をふり返った。
「この壁を壊せないか?」
誰にともなく言う。
「いいよ、どきな」
レイベルがうなずいて、傍の部屋の壊れて取れかかっていた鉄製のドアを手に取った。それを、まるで紙のように丸めて棒状にする。驚いて彼らが下がったのを見届け、彼女はそれを壁に叩きつけた。すごい音がして、壁一面がひび割れる。
 果たして、その下から鉄のドアが現れた。彼女はドアの周辺のコンクリートを難なく剥がし、南京錠の掛かったドアを無造作にこじ開けた。
 慶悟が、懐中電灯を中へとさしつける。ひんやりと冷たい空気に包まれたそこは、ただっぴろく、床には厚く埃が積もっていた。中央に、ぽつんとベッドが置かれ、何か白いものがその上に乗っているのが見えた。彼は、中へと足を踏み入れた。小暮は、その後に相変わらずぴったりとくっつくようにして続き、最後にレイベルと、瀬戸、カメラマンの三人が続いた。
 慶悟の後ろからベッドに歩み寄った小暮は、光の輪の中に横たわっているものを見やって、小さく首をかしげた。それは、白いネグリジェらしいものをまとった白骨死体だった。カメラマンが、それへビデオカメラを向ける。途端、小暮は背筋がぞくぞくして、派手なくしゃみをし始めた。
(やばいな〜。もしかして、またなんか嫌なことが起こるのかも)
くしゃみをしながら、ぼんやりと考える。彼のくしゃみは、警報装置のようなものなのだ。
「あなた、大丈夫?」
レイベルに問われて、いつもの口調で答えた。
「大丈夫だけど〜、なんか嫌なことが起こるかも」
 その言葉が終わらないうちに、室内に、低いすすり泣きが響き始める。
『痛い……苦しい……』
どこから聞こえて来るのか、はっきりしない声が、同時に響いた。それは、頭の中に直接聞こえているようにも思える。幾分幼げな少女の声だった。
『誰か……私を助けて……』
すぐ傍から聞こえた気がして、ベッドを見やった小暮は、さすがに驚いて目を見張る。白骨だったはずの死体は、15、6歳ぐらいの少女となって、慶悟の手にすがりついていた。その手は病的に白く、彼を見上げる顔も、肩のあたりで切りそろえられた髪も白い。だのに、こちらを見上げる目だけが、うさぎのように赤かった。
「あんたは、誰だ? いったい、何を苦しんでいる?」
少女は人間ではないと察したのか、慶悟は問うた。
『私……朝倉いずみ。苦しいのは、この体のせいよ。私の体には、心臓が二つあるって……。それは、神様が私に下さったものだから、多くの人々のために役立たせなければならないって、そうお父様は言ったわ。』
 朝倉いずみと名乗る少女の霊の言葉に、小暮は、小さく首をかしげた。その内容に疑問を抱いたわけではない。どうして、霊感などないはずの自分にも、少女の声が聞こえ、姿が見えるのだろうと、怪訝に思ったのだ。だが、すぐに気づく。
(あ、そうか。俺、真名神にずうっとくっついてるからだ〜)
なにやら、現在の状況とはずれたところで、感心する彼だ。
 だが、その間にも、いずみの言葉は続いている。
『だから私、がまんしたの。嫌な薬も、注射も、体を何度も切り開かれることにも。でも……ある時、私、知ってしまった……。お父様は、私を人間だと思っていないんだってことに。薬や注射のせいで、髪も肌も真っ白になって……私は、この地下に閉じ込められたわ。そして、ここで、まるでモルモットのように、いろんな実験の道具にされた……』
 彼女の言葉は、病院にまつわる噂が、本当だったことを物語っていた。いや、噂以上のことが、ここで行われていたのかもしれないと、聞いた者に思わせる。
「そうか……。それは、たしかにひどいな。でも、あんたはもう死んでるんだ。その体のことで苦しむこともない。あんたさえ承知なら、俺がちゃんと、あんたの行くべきところに送ってやるよ」
慶悟は、おちついた口調で言った。
 だが、その口調が、いずみの魂を逆撫でしたようだ。形相が一変し、愛らしかった顔が醜く歪んだ。
『たしかに、ひどい、ですって? やっぱり、あなたも同じね。みんな、そう言うわ。でも、私の苦しみなんて、本当には誰もわかってはくれないのよ。みんな同じだわ! お父様や、私をモルモットにした医者たちと、全然変わらないのよっ!!』
脳裏に響く声は、次第にヒステリックになり、最後には絶叫になった。いつの間にか、いずみの手は、慶悟の首にかかっていた。
「なっ……!」
彼はもがきながら、ジャケットの内ポケットから、呪符を取り出そうとしたようだが、遅かった。いずみの手が、その首を締め上げる。
(え〜、幽霊なのに、こんなことできるんだ〜。でも、こっちからは、手の出しようがないよね?)
小暮は、彼なりに慌てながら、胸に呟く。見れば、レイベルも手を出しかねているようだ。実体のあるものならば、彼女の怪力で引き剥がすこともできるだろうが、実体がないのでは無理なのだろう。それでも。
「人に悪意持ちたるもの、朝倉いずみ、この印より後に、退け!」
とっさに彼女は、空中に結界を現すルーンを描き、魔法の呪文を唱える。さすがに、これは効いたと見えて、いずみの体は、見えない手によって慶悟から引き離され、弾き飛ばされた。
 途端に、慶悟もその場に崩れ落ちた。
「大丈夫?」
小暮が、顔を覗き込むようにして声をかける。レイベルは、ちらとそれを見やっていずみを睨み据えた。
 慶悟はしばらく咳き込んでいたが、やがてどうにか立ち上がった。それを見やって、いずみの目が、再び燃え上がる。
『誰にも、私の苦しみなんかわからない! おまえたちみんな、いかにもわかったふりをして、でも本当は――!』
「それはだって、しかたないんじゃないかなあ」
ヒステリックな絶叫に、小さく胸に溜息を落とし、小暮はのんびりとした口調で彼女の叫びを遮った。いずみは、驚いたようにそちらを見やる。慶悟とレイベルも彼をふり返った。だが彼は、二人の視線も、いずみの驚きも意に介した風もなく、ただ、真っ直ぐに彼女を見詰めて続ける。
「だって、俺たちはいずみじゃないもの。いずみの辛い気持ちも、苦しさも、受けた痛みも、何もわからないよ。ただ、想像してみて、辛かったろうな、苦しいだろうな、痛かったろうなって思うだけ。でも、だからってそれを替わってあげられるわけじゃないから、せいぜい、『大変だったね』って言ってあげるぐらいしかないんだよ」
 のんびりと、それこそ世間話でもするかのような口調で綴られた言葉を、いずみは目を見張り、息をひそめるようにして聞いていた。だが、その言葉の何が彼女の魂の琴線に触れたのか。その目から、涙がころがり落ちた。レイベルと慶悟が、思わず顔を見合わせる。
 小暮は、それへ更に言った。
「……あのさ、こんな所にいつまでも留まっているよりも、ちゃんと行くとこ行って、それで、また生まれ変わって来る方が、いいと思わない? そしたら、辛かった分、苦しかった分を取り戻せるかもしれないじゃない」
『本当に、そう思う?』
いずみが、涙を流しながら訊いた。
「うん。少なくとも、今のままよりはいいと思うな、俺」
小暮は、本心から言った。たしかにこの世はしんどいことも多いけれど、それでも、死んで、こんな所にとどまっているよりは、ずっといいと思う。
『わかったわ。そうする』
彼女はうなずくと、ふいに気付いたように頭上をふり仰いだ。
『ああ……光が見える』
「その光に向かって行けば、あんたの行くべき所にたどり着ける」
その呟きに、慶悟が言った。
『こんな近くに、道は開けていたのね……』
彼女は呟き、三人をふり返ると微笑んだ。
『ありがとう……』
囁くような声と共に、彼女の姿は消えた。
 後にはただ、ベッドの上の白骨死体だけが残された。

 朝倉いずみの霊は、瀬戸とカメラマンにはまったく見えず、声も聞こえなかったようだった。いったい、どんなやり取りがあったのかと首を捻る二人を尻目に、慶悟とレイベルは建物全体の清めを行うことにした。
 一階をレイベルに任せた慶悟は、まず、今いる部屋で水と線香をたむけ、盛塩をし、室内に陽気を奉じた札を貼った。そこから、階段に向かって並ぶ部屋を同じように清めて回り、同時に玄関ロビーに向けて札を貼り、一方通行の霊的な道を作る。
 当然のように小暮は、その彼にくっついて回っていた。
 作業を終えて慶悟と小暮、それに瀬戸とカメラマンが一階へ戻ると、すでにレイベルも戻っていた。彼女も、彼女なりのやり方で、一階の各部屋を清め、玄関ロビーへの一方通行の霊的道を作っていた。
 その道に沿って、建物中の霊が集まって来る。それを、二人はせっせと説得できるものは説得し、そうでないものは、力づくで浄化して行った。
 そんなこんなで、建物内がすっかりきれいになった時には、日はとっぷりと暮れていた。
 三人は、来た時と同じく、瀬戸の運転するテレビ局の車で、草間興信所の前まで送ってもらうことになった。
 その車中で、慶悟が瀬戸に、簡単に自分たちと朝倉いずみの霊の会話の内容を話し、あの白骨死体のことを警察へ届けるように頼んだ。
 その後、レイベルは瀬戸に暗示をかけて、自分の記憶を消した。どうやら、建物を離れる前に、カメラマンにも暗示をかけ、記憶を消すと同時にデジタルビデオカメラのメモリーからも、自分の映っているものだけを消去して来たようだ。
「まさか、何もかも全部忘れたんじゃないだろうな?」
慶悟が、それを見やって問うと、彼女は笑って答えた。
「大丈夫、あなたたちと、あの少女の白骨のことはちゃんと覚えてるよ」
「ならいいが」
うなずいて、慶悟は吐息をつく。

 数日後。
 廃病院で発見された白骨死体が新聞やテレビを騒がせた。
 警察の調査で、白骨は、死後50年以上経っていることと、10代から30代までの女性であるらしいことが判明した。だが、それより詳しいことはわからなかったらしい。
 その後、放送された毎朝テレビの心霊特番によって、彼らがこの白骨を見つけた一部始終が明かされ、更に騒ぎを煽った。
 が、その特番によってわかったこともあった。
 戦前、朝倉総合病院を創設した院長の朝倉竹彦が、孤児院から一人の少女を養女として引き取った記録が残されているというのだ。その少女の名は、いずみ。小暮たちが出会った霊だった。
 ちなみに、あの白骨は、結局引き取り手がなかったため、瀬戸が慶悟のたのみで引き取り、彼の紹介した寺で供養してもらったと、小暮は後に聞いた。
 特番の放送後、小暮の元には、クラスメートや友人たちから、幾つかの心霊相談が持ち込まれた。だが、ごく普通の高校生である彼に、そんな相談に乗れるわけもなく……彼は、その相談の大半を慶悟に紹介した。中には、小暮ではなく最初から慶悟目当ての女子生徒などもいて、しばらくの間、彼の周辺は賑やかだった。
 だが、その中心たる彼自身は、今日も今日とて、教室の片隅で、教師の講義を子守唄代わりに、居眠りなどする日々である――。



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【0389/真名神慶悟/男/20歳/陰陽師】
【0990/笹倉小暮/男/17歳/高校生】
【0606/レイベル・ラブ/女/395歳/ストリートドクター】

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■         ライター通信          ■
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依頼へのご参加、ありがとうございます。
今回は、ただ単純に「幽霊退治」とするつもりだったのですが、
レイベル・ラブさまのプレイングに、「なるほどそういうのもありか」と
【テレビ局の陰謀】をプラスさせていただきました。
少しでも、楽しんでいただければ幸いです。

笹倉小暮さま、はじめまして。
小暮さまのマイペースさや、ちょっとずれた感じをがんばって書いてみたのですが、
いかがだったでしょうか?
またの機会がありましたら、どうぞよろしくお願いします。