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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


廃病院の幽霊退治

執筆ライター  :織人文
調査組織名   :草間興信所
募集予定人数  :1人〜3人

------<オープニング>--------------------------------------
 名刺には、「毎朝(まいちょう)テレビ 番組制作部 瀬戸昌之」とあった。40半ばぐらいの、なんとなく卑屈な感じのする男である。
 彼の持ち込んで来た依頼というのは、まさに「幽霊退治」だった。
「来年放送予定のドラマの撮影に、千葉の方の……N町にある、廃病院を使うことになりましてね。クランクインは、来月なんですが、そこ、出るって噂なんですよ」
瀬戸は、両手をだらりと体の前に垂らして見せて、草間に言った。
「でまあ、クランクイン前に、調べて、もし噂が本当なら、除霊っていうんですか? そういうのをやっていただいて、きれいにしてもらいたいと思いましてね」
「はあ……」
また、そういう類の依頼かと、内心溜息をつきながら、草間は曖昧にうなずく。
「出演者の中に、ちょっと敏感な人がいましてね。クランクインしてからそんなもんのせいで、降りられたら、たまりませんからね。もちろん、謝礼ははずみますんで、お願いしますよ」
更に言われて、草間はしかたなくうなずいた。
「わかりました」
とりあえず、三人ぐらいでいいか、と胸に呟き、草間は依頼を引き受けた。






 レイベル・ラブが今回の依頼を引き受けたのは、場所が病院であり、それがたとえ人間でなくとも、そこに治療を望む患者がいると感じたためだった。彼女は、ストリートドクター、いわゆる闇医者なのである。
 もっとも、依頼そのものは、ひどく胡散臭いと感じていた。
 そもそも、病院の幽霊というだけで、充分、特集番組の一つも出来てしまうはずだし、本当にそこでドラマ撮影が行われるにしろ、それはそれで、ドラマの宣伝効果にもなる。つまり、「幽霊退治」そのものが、テレビ局にとってはネタなのだろうと彼女は踏んだ。
 彼女が草間にそれを言ってやると、彼もやっと探偵らしい目つきになる。
 その彼が、インターネットを使ってざっと調べたのは、以下のようなものだった。
 千葉県N町の廃病院というのは、おそらく「朝倉総合病院」跡だろう。心霊スポットとして有名なところで、レイベルも名前を聞いたことがある。今年の春にもテレビの心霊特番で取り上げられていたのを見たばかりだ。
 戦前からある病院で、辺鄙なN町近辺では、地元住民から重宝がられていたという。だが、10年ほど前にバイパスが通って隣の大都市への往復が容易にできるようになったことから寂れ、そこに院長の汚職事件やら、病死やらが重なって廃院になったらしい。
 その上、廃院以前から悪い噂の絶えない病院でもあったようだ。戦前は、軍部につながり、薬物兵器の実験を行っているという噂が、戦後は、臓器移植が合法化されるまでは、臓器密売や、非合法な移殖手術が行われていた、などなど。
 病院の建物は、廃院になった後に取り壊されかけたとかで、現在は、一階部分と、地下だけしか残っていないという。主に霊が目撃されているのは、その地下だ。
 つまり、幽霊自体は本物らしい。だが、依頼の胡散臭さは、残る。
 翌日、レイベルは草間の事務所で、依頼人の瀬戸昌之と顔を合わせた。彼女一人ではない。同行者の二人、真名神慶悟と笹倉小暮も一緒だった。
 だが、彼女はこの同行者たちにも幾分、胡散臭いものを感じている。
 陰陽師だという慶悟は、たしかに霊力はありそうだが、まるでホストのような外見と物腰に、一筋縄では行かないものを感じた。一方の小暮は、どう見てもただの高校生で、あまり役に立ちそうにもない。
(草間……何を考えてるんだ?)
少しだけ頭痛を覚えて、彼女は胸に呟いた。
 瀬戸の話は、草間が調べたこととほぼ一致していた。
 話を聞き終え、三人は、瀬戸の運転するテレビ局の車で、廃病院へと向かうことになった。

 たどり着いた場所は、うっそうと木々の生い茂る丘の中腹で、草ぼうぼうの道といい、半壊状態の灰色の建物といい、たしかに「出そう」な雰囲気ではあった。
 だが、彼らを驚かせたのは、それよりも、そこで待ち受けていたテレビ局の面々だった。
「やっぱり、こんなことだと思ったよ」
レイベルは、見るなり顔をしかめて吐き捨てた。
 彼女が思っていた通り、ここでドラマの撮影をするだの、出演者に敏感な者がいるなどという話は、全て嘘だったのだ。瀬戸は、愛想笑いを浮かべて、実はこれが、秋の心霊特番のための撮影であることを三人に説明した。
 最近の心霊番組は、各テレビ局おかかえの霊能力者が登場して、視聴者からの悩みに答えたり、心霊スポットを実際に除霊するといった傾向にある。毎朝テレビも、そういう方向で番組を作ることになり、調査員の中に霊能力者もいるという草間興信所に白羽の矢が立ったということらしい。
 瀬戸の説明に、レイベルは呆れて溜息をつく。が、小暮はぼやっとした目で空をふり仰ぎ、のんびりした口調で言った。
「う〜ん、別に、いいんじゃないの。お金もらってテレビに出られるなんて、ちょっとラッキー、だと思うし」
「いろいろと、テレビの仕事も大変なんだな。たしかに、正直に話して依頼してほしかったが、俺は、引き受けた以上はやりますよ」
白皙の美貌に、愛想の良い笑顔を浮かべて、慶悟も言う。
 二人の言葉に、瀬戸はホッとした顔になる。が、レイベルには二人の反応が信じられなかった。
(何が『ラッキー』だよ。何が『テレビの仕事も大変なんだな』だよ。騙されたんだよ? あなたたち、なんでもっと腹立てないの? 怒らないの?)
思わず、胸に叫ぶ。たしかに、彼女にしろ引き受けた以上、最後までやるつもりではある。だがここで、ガツンと一発、瀬戸に何か言ってやるつもりはあったのだ。だのに、同行者二人がこれでは、彼女一人が怒るわけにも行かない。
 瀬戸が、彼女の反応を伺うように、こちらを気にしているが、彼女には性格的に二人のように、あっさり折れるということができない。ただ黙って睨み据えていると、それを暗黙の了解と取ったのか、待ち構えていたスタッフに声をかけ、先に立って中へと入って行く。
 彼女は、なんとなく他の二人と顔を見合わせ、後に続いた。

 病院の中は、空気が重く淀んでいた。
 まずは、何度も霊が目撃されている地下へ行くことにした。瀬戸と、ハンディカメラを下げたカメラマンが同行することになった。なるべく霊を刺激したくないという慶悟の言葉を入れてのことだ。
 他のスタッフを残して、五人は懐中電灯を片手に、地下への階段を下り始めた。
 だが、降りるごとに空気は重くなる。なんとなく先頭に立つ形で降りて行きながら、レイベルがちらと後ろをふり返ると、なぜか、小暮が慶悟にぴったりくっつく形で歩いていた。怖がっているのかと思えば、そうでもないらしい。小声で話しているが、周囲が静かなせいで、二人の会話が漏れ聞こえて来る。小暮の、妙に間延びした緊張感のない口調のせいで、彼らの会話は、妙におかしかった。
 だが、小暮に「あの人、なんか怖い」などと言われて、レイベルはちょっとムッとする。少なくとも、外見からは、他人に、ましてや高校生の男の子に怖がられるような要素はないと自負している。
 やがて彼らは地下へ降り立った。階段は建物の端にあり、そこから廊下が真っ直ぐに伸びて、その廊下に沿って、幾つかの部屋が並んでいる。どれも、ドアは錆びて壊れてしまっており、中にはなくなっているものもあった。
 レイベルは周囲を見回し、軽く眉をひそめた。重く淀んだ空気は、廊下の突き当たりの壁周辺で、渦を巻いているように感じられる。だが、彼女が動くより早く、慶悟がそちらを目指して歩き出した。同じものを感じているのかと、彼女も後に続く。
 やがて、突き当たりの壁を調べていた彼が、何かを見つけたのか、一同をふり返った。
「この壁を壊せないか?」
誰にともなく言う。
「いいよ、どきな」
レイベルはうなずいて、傍の部屋の壊れて取れかかっていた鉄製のドアを手に取った。彼女には、サリイサの守護の他に、怪獣なみの腕力があるのだ。手にしたドアを、まるで紙のように丸めて棒状にする。驚いて彼らが下がったのを見届け、彼女はそれを壁に叩きつけた。すごい音がして、壁一面がひび割れる。
 果たして、その下から鉄のドアが現れた。彼女はドアの周辺のコンクリートを難なく剥がし、南京錠の掛かったドアを無造作にこじ開けた。
 慶悟が、懐中電灯を中へとさしつける。ひんやりと冷たい空気に包まれたそこは、ただっぴろく、床には厚く埃が積もっていた。中央に、ぽつんとベッドが置かれ、何か白いものがその上に乗っているのが見えた。彼は、中へと足を踏み入れた。相変わらず小暮が、ぴったりとくっつくようにして続き、最後にレイベルと、瀬戸、カメラマンの三人が続いた。
 小暮の隣に立って、ベッドの上を見やり、レイベルは眉をひそめた。そこには、白いネグリジェらしいものをまとった白骨死体が横たわっていたのだ。カメラマンが、それへビデオカメラを向ける。途端、小暮が派手なくしゃみをし始めた。
「あなた、大丈夫?」
幾分驚いて、彼女は声をかけた。
「大丈夫だけど〜、なんか嫌なことが起こるかも」
小暮は、冗談とも本気ともつかない口調で答えた。
 その言葉が終わらないうちに、室内に、低いすすり泣きが響き始める。
『痛い……苦しい……』
どこから聞こえて来るのか、はっきりしない声が、同時に響いた。それは、頭の中に直接聞こえているようにも思える。幾分幼げな少女の声だった。
『誰か……私を助けて……』
すぐ傍から聞こえる声に、レイベルはぎょっとしてベッドの上を見やった。白骨だったはずの死体は、15、6歳ぐらいの少女となって、慶悟の手にすがりついていた。その手は病的に白く、彼を見上げる顔も、肩のあたりで切りそろえられた髪も白い。だのに、こちらを見上げる目だけが、うさぎのように赤かった。
「あんたは、誰だ? いったい、何を苦しんでいる?」
少女は人間ではないと察したのか、慶悟が問うた。
『私……朝倉いずみ。苦しいのは、この体のせいよ。私の体には、心臓が二つあるって……。それは、神様が私に下さったものだから、多くの人々のために役立たせなければならないって、そうお父様は言ったわ。だから私、がまんしたの。嫌な薬も、注射も、体を何度も切り開かれることにも。でも……ある時、私、知ってしまった……。お父様は、私を人間だと思っていないんだってことに。薬や注射のせいで、髪も肌も真っ白になって……私は、この地下に閉じ込められたわ。そして、ここで、まるでモルモットのように、いろんな実験の道具にされた……』
 朝倉いずみと名乗った少女の霊の言葉は、病院にまつわる噂が、本当だったことを物語っていた。いや、噂以上のことが、ここで行われていたのかもしれないと、聞いた者に思わせる。レイベルは、思わず顔をしかめた。彼女自身も、治療のためなら、さまざまな手段を使う。そもそも、彼女は非合法の闇医者だ。だが、他人を騙して人体実験を繰り返すなど、許せることではない。
 一人ふつふつと怒りをたぎらせている彼女の傍で、慶悟が冷静に言った。
「そうか……。それは、たしかにひどいな。でも、あんたはもう死んでるんだ。その体のことで苦しむこともない。あんたさえ承知なら、俺がちゃんと、あんたの行くべきところに送ってやるよ」
 だが、その冷静さがいずみを逆上させた。形相が一変し、愛らしかった顔が醜く歪んだ。
『たしかに、ひどい、ですって? やっぱり、あなたも同じね。みんな、そう言うわ。でも、私の苦しみなんて、本当には誰もわかってはくれないのよ。みんな同じだわ! お父様や、私をモルモットにした医者たちと、全然変わらないのよっ!!』
脳裏に響く声は、次第にヒステリックになり、最後には絶叫になった。気づいた時には、いずみは身を起こし、彼の首に手を回していた。
「なっ……!」
彼はもがきながら、ジャケットの内ポケットから、呪符を取り出そうとしたようだが、遅かった。彼女の手が彼の喉を締め上げる。
 小暮もそうだが、レイベルも手を出しかねた。実体のあるものならば、怪力で引き剥がすこともできるだろうが、実体がないのでは無理だ。だが、彼女はとっさに思いついた行動を実行に移す。
「人に悪意持ちたるもの、朝倉いずみ、この印より後に、退け!」
空中に結界を現すルーンを描き、魔法の呪文を唱えたのだ。さすがに、これは効いたと見えて、いずみの体は、見えない手によって慶悟から引き離され、弾き飛ばされた。
 途端に、慶悟もその場に崩れ落ちた。
「大丈夫?」
小暮が声をかけ、安否を確かめている。レイベルは、ちらとそれを見やっていずみを睨み据えた。
 慶悟はしばらく咳き込んでいたが、やがてどうにか立ち上がった。それを見やって、いずみの目が、再び燃え上がる。
『誰にも、私の苦しみなんかわからない! おまえたちみんな、いかにもわかったふりをして、でも本当は――!』
「それはだって、しかたないんじゃないかなあ」
ヒステリックな絶叫が、ふいに、のんびりした声によって遮られた。いずみは、驚いたようにその声の主を見やる。レイベルと慶悟も、同じくそちらを見やった。
 言ったのは、小暮だ。彼は、二人の視線も、いずみの驚きも意に介した風もなく、ただ、真っ直ぐに彼女を見詰めて続ける。
「だって、俺たちはいずみじゃないもの。いずみの辛い気持ちも、苦しさも、受けた痛みも、何もわからないよ。ただ、想像してみて、辛かったろうな、苦しいだろうな、痛かったろうなって思うだけ。でも、だからってそれを替わってあげられるわけじゃないから、せいぜい、『大変だったね』って言ってあげるぐらいしかないんだよ」
 のんびりと、それこそ世間話でもするかのような口調で綴られた言葉を、いずみは目を見張り、息をひそめるようにして聞いていた。だが、その言葉の何が彼女の魂の琴線に触れたのか。その目から、涙がころがり落ちた。レイベルと慶悟が、思わず顔を見合わせる。
 小暮は、それへ更に言った。
「……あのさ、こんな所にいつまでも留まっているよりも、ちゃんと行くとこ行って、それで、また生まれ変わって来る方が、いいと思わない? そしたら、辛かった分、苦しかった分を取り戻せるかもしれないじゃない」
『本当に、そう思う?』
いずみが、涙を流しながら訊いた。
「うん。少なくとも、今のままよりはいいと思うな、俺」
『わかったわ。そうする』
彼女はうなずくと、ふいに気付いたように頭上をふり仰いだ。
『ああ……光が見える』
「その光に向かって行けば、あんたの行くべき所にたどり着ける」
その呟きに、慶悟が言った。
『こんな近くに、道は開けていたのね……』
彼女は呟き、三人をふり返ると微笑んだ。
『ありがとう……』
囁くような声と共に、彼女の姿は消えた。
 後にはただ、ベッドの上の白骨死体だけが残された。

 朝倉いずみの霊は、瀬戸とカメラマンにはまったく見えず、声も聞こえなかったようだった。いったい、どんなやり取りがあったのかと首を捻る二人を尻目に、レイベルと慶悟は建物全体の清めを行うことにした。
 慶悟が地下を清めるというので、レイベルは一階へ上がった。こちらも、残ったテレビ局のスタッフたちがカメラを回している。あとで、必要な部分を編集するのだろう。一人が、彼女を撮影しようと近寄って来たが、レイベルは断固として断り、一階の奥から順番に清めて回る。慶悟との打ち合わせ通り、各部屋を清めながら、玄関ロビーに向けて、一方通行の霊的な道を作って行くのも忘れない。
 終わったのは、彼女の方が早かった。玄関ロビーで待っていると、慶悟と小暮、それに瀬戸とカメラマンの四人が地下から上がって来た。むろん、慶悟も地下から一方通行の霊的な道を作っていた。
 その道に沿って、建物中の霊が集まって来る。それを、レイベルと慶悟はせっせと説得できるものは説得し、そうでないものは、力づくで浄化して行った。
 そんなこんなで、建物内がすっかりきれいになった時には、日はとっぷりと暮れていた。
 三人は、来た時と同じく、瀬戸の運転するテレビ局の車で、草間興信所の前まで送ってもらうことになった。
 その車中で、慶悟は瀬戸に、簡単に自分たちと朝倉いずみの霊の会話の内容を話し、あの白骨死体のことを警察へ届けるように頼んだ。
 その後、レイベルは瀬戸に暗示をかけて、自分の記憶を消した。建物を離れる前に、カメラマンにも暗示をかけ、記憶を消すと同時にデジタルビデオカメラのメモリーからも、自分の映っているものだけを消去して来た。
「まさか、何もかも全部忘れたんじゃないだろうな?」
慶悟が、それを見やって問うと、彼女は笑って答えた。
「大丈夫、あなたたちと、あの少女の白骨のことはちゃんと覚えてるよ」
「ならいいが」
うなずいて、慶悟は吐息をつく。

 数日後。
 廃病院で発見された白骨死体が新聞やテレビを騒がせた。
 警察の調査で、白骨は、死後50年以上経っていることと、10代から30代までの女性であるらしいことが判明した。だが、それより詳しいことはわからなかったらしい。
 その後、放送された毎朝テレビの心霊特番によって、彼らがこの白骨を見つけた一部始終が明かされ、更に騒ぎを煽った。
 が、その特番によってわかったこともあった。
 戦前、朝倉総合病院を創設した院長の朝倉竹彦が、孤児院から一人の少女を養女として引き取った記録が残されているというのだ。その少女の名は、いずみ。慶悟たちが出会った霊だった。
 ちなみに、あの白骨は、結局引き取り手がなかったため、瀬戸が慶悟の頼みで引き取り、彼の紹介した寺で供養してもらったと後に聞かされ、レイベルは胸に呟いた。
(ま、それもいいだろうさ。テレビ局の連中は、あの子のおかげで美味い汁を吸ったようなものなんだから、それぐらいしてもバチはあたらないよ)
 たった一つ誤算だったのは、完全に自分の姿を消し損ねたことだ。どうやら、一階を清めて回った時に、カメラに撮られていたらしい。しかも、スタッフの記憶は消しているのだから、ややこしい。彼女の特徴的なその姿もまた、「病院の霊」として番組中で紹介されてしまったのだ。
 だが、事はそれ以上大きくなる様子もない。それならばいいかとレイベルは小さく肩をすくめ、その件は自らの記憶の底へと沈めた――。



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【0389/真名神慶悟/男/20歳/陰陽師】
【0990/笹倉小暮/男/17歳/高校生】
【0606/レイベル・ラブ/女/395歳/ストリートドクター】

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■         ライター通信          ■
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依頼へのご参加、ありがとうございます。
今回は、ただ単純に「幽霊退治」とするつもりだったのですが、
レイベル・ラブさまのプレイングに、「なるほどそういうのもありか」と
【テレビ局の陰謀】をプラスさせていただきました。
少しでも、楽しんでいただければ幸いです。

レイベル・ラブさま、はじめまして。
いただいたプレイングより、このようにしてみたのですが、いかがだったでしょうか?
またの機会がありましたら、その時は、どうぞよろしくお願いします。