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失楽園の影
●楽園に迫る影
その日、電脳都市ＥＤＥＮの管理センターは開設以来の異常事態を迎えていた。
「娯楽総合施設＜ミレニアム＞のイメージシアターに異常発生です！」
「シアター来場中のユーザーに異常反応！」
「血圧上昇！極度の興奮状態です！」
管理センターのオペレーターの声が飛び交う。
「シアターで上映中のプログラムはなんだ？」
報告を受けていたキルカが、オペレーターに問う。
「上映プログラムはロマンスミュージカルです。興奮状態がこるようなプログラムではありません！」
「ユーザーの興奮状態が更に上昇！このままでは暴動が起こる可能性があります！」
悲鳴に近い声で、オペレーターが叫ぶ。
「仕方ない。プログラム中断！強制退避プログラム発動。イメージシアターは封鎖しろ！」
キルカは決断を下す。
アクセスしている人間と深く接続しているＥＤＥＮシステムは、ログインとログアウトには特に慎重さを要する。いきなりの切断は強いショックとなって、人体に被害を及ぼす可能性もある。
しかし、そんな悠長な事は言っていられなかった。
このままでは、以上興奮状態に陥ったユーザーが暴動を起こす可能性がある。それどころか、これ以上強制的に興奮させられると、人体に深刻な影響を及ぼす可能性がある。
「原因究明のための特別チームを編成しろ。上には俺が報告する。」
キルカはオペレーターたちに指示を出すと、管理センターを飛び出していった。
「で？何で俺が呼ばれてるんでしょーか？」
電脳都市ＥＤＥＮの統括管理研究施設＜エデン・コントロール＞へ呼ばれた高村 響は、目の前にぞろりと揃ったお偉いさんを相手に、不機嫌な顔でたずねた。
「非公式に頼みたい依頼だからだ。」
これまた同じく苦い顔でキルカが言った。いつもの白衣姿ではない所を見ると、集まった面々の地位が察せられる。
「先日、ＥＤＥＮ内に不法侵入と思われるアクセスがあった。不法侵入者はイメージシアター内で、何らかの方法を用いてユーザーに接触。その結果、ユーザーは異常に興奮した状態を引き起こした。」
「映画見てエキサイトして何が不満なんだ？」
「一部ユーザーに身体症状が出た。急激な血圧上昇による心臓異常だ。一命は取り留めたが、現在も入院中だ。」
高村はその言葉を聞いて、更に不機嫌な顔になる。
「それを有耶無耶にするために俺が尻拭いか？」
口を慎め！と言う言葉が、高村の後ろに控えていた係官から出たが、キルカはそれを睨みつけて制した。
「犯人が犯行声明を出してきた。これはＥＤＥＮに対するテロ行為であると。要求は不明だが、今後も活動を続けるとある。」
「テロリスト･･･」
「次はショッピングモールを狙うと言う犯行予告も来ている。ショッピングモールはテナントを入れている企業との兼ね合いも合って閉鎖することが難しい。不法アクセスには俺たちも防御策を考えているが、隙間がないとは言えないんだ･･･。」
キルカは唇をかみ締める。自分たちが作り出したものなのに、自分たちの手に負えなくなってきているＥＤＥＮ･･･。
「だから俺にＥＤＥＮに降りて、テロの実行犯をとっ捕まえろって事か。」
やれやれと、高村は溜息混じりに言った。
「武器の持込と、万が一の時はユーザーの強制退避プログラムの発動権を俺にくれ。あと、犯人はその場の判断で処分する可能性がある。それを承認してくれ。以上だ。」
高村の要求はのまれた。
「とりあえず、命を優先させてもらうぞ。」
そう言うと、最後まで不機嫌な顔のまま、高村は部屋を後にした。
●Digital terrorist
「テロの標的にするとは･･･考えましたね。」
机の上に広げられた資料を眺めながら、宮小路 皇騎は言った。
「人が集まるところだけど、そんなに効果があるものか？」
宮小路の言葉に疑問を投げかけるのは大塚 忍。
大塚には少し腑に落ちないところがあった。
「ＥＤＥＮでテロを起こしても、今回みたいにコントロールの方で防がれて未遂になることの方が多いんじゃないか？だとしたら、随分、割の悪いテロだと思うんだが･･･」
「未遂の場合は･･･ですよね。」
大塚の話を聞いていた結城 凛が涼しげな笑みで答える。
「ＥＤＥＮの中は現実と何の変わりもないですよ。逆にプログラムという質量のない兵器で世界を破壊できる･･･専門的な知識さえあれば物資の調達や運搬の苦労などがまったくない。テロリスト達には格好の標的でしょう。」
「それに、ＥＤＥＮに集まる人間は経済的にも余裕がある裕福な人間が多い。言葉は悪いですが、貧民層の人間が存在しないという点でも、テロの標的に向いてますね。」
「なるほどね。」
結城と宮小路の言葉に、大塚も納得する。
「そのためのセキュリティは用意されているのですが･･･」
宮小路は苦笑して言葉を濁す。
そこへ、キルカがディスクを手に部屋に入ってきた。
「キルカ、データは手に入りましたか？」
キルカは手に持っていたディスクをひらひらと振って見せ、そのディスクをＰＣのスロットに挿入する。
「アクセスログと行動データバックアップだ。」
それはＥＤＥＮにおける重要な機密の一つだった。
いつ、どこから、誰がＥＤＥＮにアクセスしたかだけでなく、ＥＤＥＮの中で何をしていかまで秒刻みで記録されている。
つまり、このデータを見ればその人が何時、どこで何をしていたか、食べた食事の租借回数から無意識の癖の行動まですべてわかってしまうのだ。
「ちょっとまて！これって、トイレに入ったりなんかしたのとかも全部わかっちゃうのか？」
「まぁ、ＥＤＥＮ内では排泄行為は行えないから、そこまで下世話な覗きはできないが･･･映画を見ながら何回あくびをしたかくらいはわかるな。」
キルカは手元のモニターを見つめてキーボードを打ちつづけながら答えた。
「だから、機密なんですよ。在ってはいけないところにまで監視カメラがあるようなものですからね。」
宮小路が苦笑いしながらそう言う。
「で、何か、異常のあるデータはあるんですか？」
キルカの手元をじっと覗き込んでいた結城がたずねる。
「･･･アクセス記録はあるのに、行動データのない人間が２人居る。」
キルカの言葉に三人が顔を見合わせる。
「パーソナルパターンはわかりますか？」
宮小路は自分の手元にあったＰＣの前に座ると、なにやらキーボードを打ち始める。
パーソナルパターンとは、現実世界で言うところの指紋のようなもので、人間が発する微弱な電流をパターン化したものだった。ＥＤＥＮではそれを個人特定の会員番号のように扱っている。
「パーソナルパターンもいじってるな。同時刻に２箇所で行動している記録がある。他人のデータを乗っ取ったのか･･･」
「では、アクセス回線の所在からサーチするしかないですね･･･」
専門的な会話を交わし、次々とデータの解析を続けるキルカと宮小路。
ＥＤＥＮの開発に携わっている宮小路財閥の御曹司である宮小路は、ＥＤＥＮには開発初期から携わっていた。その為に研究者としてのアクセスパスを持っているのだ。
「１人特定しました。」
宮小路はそう言うとモニターから顔を上げた。
「俺もだ。しかも、現在、ＥＤＥＮ内に居る。」
キルカもそう言うと顔を上げる。
「じゃあ、犯人は今ＥＤＥＮに？」
ずっと話を聞いているだけだった大塚が問う。
「可能性は高いです。」
宮小路はそう言うと、ＥＤＥＮのマップを広げていった。
「犯人と思しき人間が現在居るのは、ショッピングモール内の『いこいの広場』と『空中庭園』です。」
大塚、結城は顔を見合わせると宮小路に言った。
「犯行予告の通りか！」
「急ぎましょう。」
部屋を飛び出してターミナルへと向おうとする。
そして、二人に続いて部屋を出ようとした宮小路に、キルカは声をかけた。
「皇騎！コントロールとの通信を許可する。中に入ったら俺が誘導する。」
「わかりました。お願いします。」
宮小路はそれだけ返すと、二人の後を追って部屋を飛び出していった。
●Digital terrorist
高村 響からの連絡を受け、直接ＥＤＥＮへと降り立った、高村と紫月 夾と御崎 月斗はすでにショッピングモール内へと入っていた。
「何箇所か、人の集まる可能性のある場所があるな。」
そう言うと、紫月は御崎に手元のマップの中央部分を指差した。紫月はサングラスに映るマップでモール内の構造はほとんど把握している。
「『いこいの広場』とその屋上に当たる『空中庭園』だ。どちらもこれからイベントが開催され人が集まると考えられる。」
「これは･･･手分けしたほうがよさそうだな。」
御崎はマップを見て言う。
人が集まり、イベントが行われる。この条件は前にシアターが襲われた時と一緒だ。
テロが起こる可能性はどちらにもある。
「とりあえず、二人はそのどちらかに行ってくれないか？俺はそこ以外の場所を見回ってくる。何かあったときは通信機で呼んでくれ。」
そう言うと高村は、二人に渡した通信機を指差した。
二人の手の甲にギターピックのような薄い三角形が張り付いている。こんな薄型のものでもＥＤＥＮ内では十分にデータをやり取りできるのだった。
「他の連中が降りて来たら、そっちに合流するように言うから、二人はとりあえず現場へ行ってくれ。」
「わかった。では俺は室内の『いこいの広場』に向おう。俺のほうが狭い場所での戦闘は向いているだろう。」
暗殺を生業とする一族の出である紫月の攻撃ならば、狭い場所でも活かす事ができる。
「じゃあ、俺『空中庭園』だ。」
そう言って御崎は手に持った小さな熊のキーホルダーを握り締める。
ＥＤＥＮに降りるときにキルカから渡されたＥＤＥＮの中での特別な『式神』だ。
「じゃ、お互い気をつけてくれ、何かあったらすぐ連絡な。」
そう言うと、高村は踵を返し、人ごみの中へとまぎれていってしまった。
●いこいの広場
紫月はサングラスに映し出される情報をチェックしながら、『いこいの広場』へと向かった。
広場に到着し、あまり人目につかない死角を選んでそこに立つと、広場の状況を見渡す。
これから始まる子供向けのキャラクターショーを見るために親子連れが、集まり始めている。
（子供か･･･）
いざ何か起こったときに、身動きが取れなくなった子供に被害が及ぶ可能性は高い。
未然に防ぐような手立ても考えなくてはならないかもしれない。
そんなことを考えていると、不意に後ろから声をかけられた。
「紫月さん･･･ですね？」
若い男はゆっくりと目立たぬように紫月の方へ歩み寄ると言った。
「＜エデン・コントロール＞に依頼されて来た宮小路といいます。」
宮小路 皇騎はそう言って名乗ると、手首に装着されていた小型のモニターに、マップを映し出して紫月に見せた。
「犯人はすでにこの場所に入り込んでいます。」
「･･･面倒だな。」
宮小路の示したモニターを眺めながら、紫月は呟く。
この人数の中では、そこに示された人物が誰であるのか探り出すのは難しい。
考え込む紫月の顔を覗き込んでいた宮小路は、紫月のサングラスを見てあることを思いついた。
「ちょっとサングラスをお借りしてもいいですか？」
「ああ･･･」
紫月はサングラスを外すと、宮小路に手渡した。
宮小路は自分の装着しているモニターとそのサングラスをコードで繋ぎ、何か操作を始めた。
「このサングラスに、このモニターに写されているのと同じデータを転送するようにします。そうすれば、このサングラスをかけていれば、容疑者の位置を知ることができる。」
「なるほど。しかし、この人込みでは判別は難しいのではないか？」
紫月が宮小路の作業を見守りながらそう言うと、宮小路はふっと微笑んで答えた。
「人込みの中では難しいですが･･･人込みから誘き出すことはできます。」
「誘き出す･･･？」
「さて、これでいい。このサングラスで容疑者の動向を監視してください。私がこれから彼を誘き出します。」
宮小路はサングラスを紫月に返すと、広場の人込みの方を見ていった。
●狐狩り
宮小路は紫月にサングラスを渡したあと、１人、いこいの広場のこれからショーが始まるステージへと歩み寄った。
（上手く行くといいのですが･･･。）
ステージにはショーのスタッフと思しき人物が準備のために忙しく歩き回っている。
宮小路はそのうちの１人を呼び止めた。
「すみません、＜エデン・コントロール＞から派遣されてきたのですが･･･」
そう言うと、宮小路が開発員の一人であることを証明するカードをスタッフに提示した。
スタッフはＥＤＥＮ内にいる人工知能型ＮＰＣだったが、そのカードを見てきちんと対応する。
「何か御用ですか？」
「緊急事態が起きましたので、私のコマンドを最優先にしてください。」
宮小路はそう言うと、スタッフを押し退けるようにしてステージの上へと上がった。宮小路を優先とするという命令はすべてのスタッフに伝えられ、宮小路を止めるものは誰もいない。
そして、宮小路はステージの中央に立つと自分の身分証をかざして、大きな声で観客に向かって言った。
「こちらは＜エデン警察＞です。この会場に爆弾が仕掛けられたという予告が入りました。これから私の指示に従って非難を開始してもらいます！」
警察と爆弾という言葉に反応し、観客は動揺の声を上げたが、自分の子供を抱きかかえると皆その場でどうしたらいいのかと立ちすくんでしまった。
（なるほど。そう言うことか。）
宮小路がステージの上で大声でわざわざテロを告知した時、紫月は宮小路の目的をさとった。
宮小路の作戦は見事成功したのだ。
子供を抱えてなす術もなく立ちすくんでいる観客の中から、すっと１人の人間が現場を離れようとした。
サングラスの中のレーダーもそれを示している。
動き出した印は･･･容疑者の物だった。
紫月は容疑者に気づかれないように、人込みから抜け出した黒尽くめの男のあとを尾行し始めた。
男は後ろも振り返らず、黙々とショッピングモールの中を抜けてゆく。
そして、ショッピングモールから外に出たところで立ち止まった。
「お前が、テロリスト対策･･･と言う訳か？」
男は振り返りもせず、紫月に聞こえるように言った。
尾行には気づいていたということか。
「では、あんたがテロリストって所だな。」
紫月は迷わず物影から男の側に姿をあらわした。
気がつかれている以上、姿を隠す意味はない。
黒尽くめの男はそれに合わせるように紫月の方を振り向いた。
黒尽くめの姿に白い顔が仮面のように見える。しかし、それは仮面というには表情がありすぎた。
「自己紹介をするべきかな？俺はダークネス。『失楽園の影』の魔術師の1人。以後お見知りおきを。」
ダークネスと名乗った男はそう言うと端正な顔をにやりと歪めた。悪意の塊のような嫌な笑顔だ。
「狂人のナルシシズムに付き合う趣味は無い。大人しくその口を噤んでもらおうか。」
紫月はそう言うと、すうっと空を切るように腕を横へと滑らせた。
その指先からは目に見えぬ狂刃が迸るように、ダークネスへと襲い掛かる。
「くっ！」
ダークネスは体を捻るようにしてバック転でその見えぬ刃を交わす。
「糸か！」
ダークネスはその手口を見破るが、紫月は攻撃の手を休めはしない。
横に薙いだ手を返す勢いで、もう一度鋼糸をダークネスに向けて放つ。
それを体操選手のような身軽さで、ダークネスは交わして行くが、ついに袋小路へと追い詰められてしまった。
「抵抗を止めろ。」
紫月は追い詰めたダークネスにそれだけ言うと、もう一度糸を放たんと構えた。
「抵抗を止めるのはお前の方だ。」
袋小路で壁を背にして、ダークネスはにやりと笑うと言った。
「結界束縛！」
ダークネスの言葉を合図に、紫月の足元から光が舞い上がる。
「！」
足元から舞い上がった光は檻のように紫月をその場に捕らえてしまった。
ダークネスは移動中に術をかけつづけていたのだ。
「俺のほうが一枚上手だったな。」
「それはどうですかね？」
勝利を確信して、囚われた紫月を見て笑うダークネスだったが、その表情はすぐに凍りついてしまった。
「もう一人いるのを忘れられては困ります。」
ダークネスの背後の壁から溶け出すように姿を現したのは宮小路だった。
●デジタルな術
「お前は･･･」
背後をおさえられたダークネスは唇をかみ締めている。
「ハッカーが相手だというので、こちらも相応な術を使わせてもらいました。」
宮小路は召喚した『髭切』を構え、隙を見せないようにダークネスの前に回りこむ。
「紫月さんの術を解いてもらいましょうか？」
宮小路はまず術の解除を命じた。
他人の術を無理やり解くということは、やはりこの世界でも危険が伴うからだ。
ダークネスは刀の先を睨みつけたまま、ゆっくりと腕を上げた。
「！」
しかし、それは術を解くためではなく、目の前の障害を取り除くためだった。
ダークネスは素手で刀の刃を払いのけた。
塚を握る手に重みを感じ、その刃に鮮血が飛んだ。
「次は無いぞ！」
ダークネスは鮮血の滴る腕を抱えたまま、強制的にテレポートをかけた。
「無茶なっ･･･！」
宮小路は掻き消すように消えたダークネスを見て呟いた。
ＥＤＥＮの中で怪我をするということは、実際の世界体も怪我をするのに等しいショックを受ける。実際に傷口が開くことは無くても、麻痺や痺れ、痛みといった症状が出るのだ。
その上、傷を負ったデータでテレポートなんて許容範囲外の行動を仕掛けたら、本人のデータにどんな影響がでるかわからない。
「レーダーに反応は無い。」
ダークネスが消えると同時に術から解き放たれた紫月が、サングラスに映るデータを確認すると言った。
「強制退去したようだ。」
「そうですか･･･」
宮小路はそれだけ言うと黙って刀を下ろした。
壁を抜けるという、人間の認識範囲以上の行動をした反動が宮小路にも現れていたのだ。
●失楽園の影
「奴らは「失楽園の影」と名乗っていました。」
宮小路はレポートデータのディスクをキルカに渡すと、溜息混じりに言った。
「ＥＤＥＮ（楽園）に対して失楽園か･･･趣味のいい名前だな。」
キルカは他のメンバーから提出されたデータと一緒に、宮小路のレポートデータをＰＣの中に入れる。
「今回現れたテロリストは３人、３人ともがハッカーで、そのうち二人は陰陽術に近い法術を使っているな。」
「ＥＤＥＮのシステムの穴を上手く潜っているようですね。ＥＤＥＮの中に存在する理論的に解明がなされていない部分と、プログラミングによる術の混合とは･･･考えるだけで頭が痛くなりそうな話ですね。」
宮小路は涼やかないつもと変わらぬ表情に、少しだけ皮肉な笑みを浮かべて言った。
「彼は次は無いと言っていましたが･･･次が無いのは彼らの方です。」
「ゲームの相手は強いほど燃える･･･か？」
キルカがモニターから顔を上げて宮小路を見上げる。
「ゲームとは思っていません。人の命がかかっていることです。」
宮小路は入力を終えた手元のモニターのスイッチを切る。
「手加減なしで戦える相手というのも貴重な存在だ。」
それまで黙って報告を聞いていた紫月がポツリと呟いた。
「次は･･･無い。」
紫月の言葉に、宮小路もうなずく。
「そう･･･ありたいものだよ。」
キルカはそう言うと大きく伸びをして言った。
「世界の創造主って言うのも楽な仕事じゃないもんだよな。」
紫月と宮小路はその言葉にかすかに苦笑したが、これからも来るであろう「世界を脅かす影」のことを思うと、その笑顔も少し曇りがちになるのだった。
The End ?
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■ 登場人物（この物語に登場した人物の一覧） ■
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【整理番号 ／ ＰＣ名 ／ 性別 ／ 年齢 ／ 職業】
0778 ／ 御崎・月斗 ／ 男 ／ １２ ／ 陰陽師
0054 ／ 紫月・夾 ／ 男 ／ ２４ ／ 大学生
0461 ／ 宮小路・皇騎 ／ 男 ／ ２０ ／ 大学生
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■ ライター通信 ■
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今回はＥＤＥＮにアクセス頂きありがとうございました。
大変遅くなってしまい、申し訳ありませんでした。
今回はテロリストとの対決でしたが如何でしたでしょうか？
今回はくしくも逃してしまいましたが、電脳世界での戦いはまだリエーションというか、色々できるのではないかなと思います。特に宮小路さんはデジタルな戦法とアナログな戦法を併せ持っているので、これから先を楽しみにしております。これからも頑張ってください。
それでは、またどこかでお会いしましょう。
本日はアクセスお疲れ様でした。
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