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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


東京怪談・ゴーストネットOFF「白い牢獄」

■オープニング■
【132】無題 投稿者:さくら
ここからだして

「…まただ」
 その短い書き込みに雫は眉根を寄せた。
 その言葉通り、その短い書き込みは周期的に繰り返されていた。
 いつも同じ。件名が無くただ同じ言葉だけを繰り返す。だしてと、それだけを。
 悪戯かとも思ったが、それにしてはいくらなんでも執拗に過ぎた。あまり気は進まなかったがホスト情報を調べてもみた。毎週土曜の深夜、同じような時刻に同じ文面で同じ場所から『さくら』の書き込みは続いている。
 それで悪戯と言うのは少々無理がある。
「それに…」
 雫はマウスを動かし、画面を移動させて表示された書き込みを食入るように見つめた。

【140】病院 投稿者:白衣の天使
はじめまして、当方看護婦をしている22歳の女性です。
先日事情があって病院を変わったのですが今の職場は少し、おかしいのです。
小さな病院なのですが、それでもおかしいのです。勤めて二ヶ月になりますが、私はその間た

 この書き込みはここでぶっつりと切れている。
 こちらも悪戯にしてはおかしな文面だ。印象が堅すぎる。
 そして何よりも、
「同じなのよね」
 この二つの書き込みは同一の場所から送信されているのだ。
 雫は暫く難しい顔で考え込んでいたが、ややあってから一つ頷くと調査を依頼する旨を自ら掲示板へと書き込みはじめた。

■本編■
 あっさりと差し出された紙片に、志堂・霞(しどう・かすみ)は目を丸くした。
 そのぽかんとした顔に、雫は不思議そうに小首を傾げる。
「あれ? どうしたの?」
「……いやそんなに簡単に分かるものなのかと思っただけだ」
「聞いてきたの志堂さんじゃん」
 雫はおかしそうにコロコロと笑い転げた。
 まぁ確かに、『場所が特定できるのなら教えてくれ』と言い出したのは霞のほうなのだが。
 所在を不明にしておくのは戦略の一歩目と言ってもいい。だから聞いたのも一応と言うところがあったから霞は困惑しているのだ。
 ひとしきり笑った雫はあのね、と話を切り出した。
「うん。IPがね、ドメインだったんだ」
「ドメイン?」
「まぁ詳しい事はおいといて、ドメインだとハッキングとかそういうことしなくても登録者の情報くらいは分かるんだよ」
「そうか」
 それだけで霞は大人しく引き下がった。
 情報の入手ルートの特定は重要ではあるが、現在起きている事件に対処した後でもそれに付いての情報は仕入れることが出来る。
 それよりも助けを求める声の方が、霞にとっては重要だった。

 チャイムの音。
 それに妙に鋭敏に反応するようになってしまった自分に佐藤麻衣はかなり、かなり頭痛を覚えていた。
 極一般的何の変哲も特技もない女子高生だったはずが、このところ妙な事に免疫がついてきたり、嫌な勘ばかりが鋭くなっていたりする。はっきり言って誇れない。
 その予感を抱えたまま玄関に出た麻衣は、予感の的中にこれ異常なく大きな溜息を吐いた。
 袷着物に羽織、そしてジーンズ。おまけに目の周りを布で覆った男がそこには立っている。
「麻衣……」
「はいはい、いらっしゃい志堂さん。で、今度は何? 猟奇殺人犯? それともなんか『魔』とかでも現れたの?」
 傾向と対策マニュアルそのままに訊ねた麻衣を、霞はじっと見下ろした。見えるわけではないが、その小さな体の気配はちゃんと感じる事が出来る。これも一種の慣れかもしれない。
「麻衣……」
「だからなに?」
 実に不機嫌な声に、一瞬霞は押し黙った。
 霞とて麻衣に迷惑をかけているという意識はある。……多少は。
 当人がかけていると思っている程度と、実際麻衣が被っている迷惑は犬小屋と高層ビルほどに隔たってはいるのだが。
 まあそのギャップはそれとして、だから躊躇がないわけでもなかったのだ。
 だが、現実問題、麻衣の協力は欲しかった。自分には決定的に欠けているのだから、一般人としての視点、というものが。このまま一人病院へいっても、空回るばかりで有益な証言などは得られないだろうから。
 ごくりと唾を飲み下し覚悟を完了した霞は、不機嫌な麻衣に向かってきっぱりと言った。
「一緒に、病院に来てくれ」
「はい?」
「だから……一緒に、病院に来てくれ。頼む」
「……えーと」
 麻衣は穴の空くほど霞の顔を見つめた。確かに以前、一般常識から遠く離れた事をしでかしてくれた霞に怒りに任せて『病院に行きなさいっ!』と怒鳴った事はあったが、それはあくまで罵倒であって、まさか当人がそう言いだすとは思っても見なかったのだ。
「……とりあえず事情聞くから中入って」
 沈黙の果てに、麻衣はそう言って霞を部屋の中へと招じ入れた。

 その病院は白衣の天使という戯けたHNで書きこんだ看護婦の記述通り、小ぢんまりとした佇まいを見せていた。
 正面の出入り口から入ると総合病院らしくすぐに会計と薬局、そしてロビー。ロビーの革張りのソファーは古く艶がなく、その数も決して多いものではない。柱に隠れるように売店があり、そのすぐ脇に古ぼけたエレベーターがあった。エレベーターの上部に点滅する数字に、紫ははあと息を吐き出した。階数を示すその数字は1、2、3、4。幾度数えてもそれだけしかない。たった四階建、外観も決して大きいとはいい難い様子だったから、本当に小さな病院だった。
「ふうん」
「どうした?」
「うん、割と小さいなーって思っただけ」
「そうだな」
 傍らの麻衣に頷きを返すと、霞はゆっくりと首を巡らせた。目を覆う布は相変わらずだが、服装は普段の羽織姿からフリースへと着替えさせられている。
『服装何とかするなら協力してもいいけど』
 と麻衣が頑迷に主張したからだ。拒むほどのことでもなかったので大人しく着替えたが、思うところがないわけでもなかった。
 街を歩いていて奇異の視線に晒される事に霞はすっかりと慣れていた。だが麻衣の兄の服を借りて着替えただけで、視線の量が明らかに減ったのだ。病院内に入ってからは更に減少した。そこが腑に落ちない。
「……珍しい事もあるものだな」
「なにが?」
 エレベーターのボタンを押しながら、麻衣が問い掛けてくる。それに霞は小首を傾げて見せた。
「いや…視線を感じないのでな」
 正直に答えると、麻衣がはーっと大きく息を吐き出した。
「そりゃそうでしょ」
「そうなのか?」
「街中だと包帯がまだ邪魔だけど病院なんかに入っちゃえば患者だと思われるもん。誰も見やしないわよ」
「ふむ」
 一つ頷いた霞は麻衣に続いて下りてきたエレベーターに乗り込んだ。
「つまり俺の服装が目を引いていたということなのか?」
 途端に麻衣ががっくりと膝をついた気配がする。霞は慌てて麻衣に手を差し出した。
「どうした!?」
「……今頃気付くな今頃」
 力なく答える麻衣に、霞の困惑は更に深まったがそれ以上の詳しい説明をする気力は麻衣にはないようだった。

 病院の常として階が上がるごとに外来から病室へとフロアの使われ方は変化する。この小さな病院は3階と言う段階で、そこは既に病室とナースセンターのみの階層になっていた。
 その部屋はこの古ぼけた病院のにあるにしては妙に新しい香りのする部屋だった。長方形の部屋の一面は全て窓、廊下に面した部分もガラス張りになっている。光彩をよく考えられたその部屋の中にはずらりとパソコンが並んでいる。入院患者用の娯楽の一環なのだろう。
 その部屋に入るなり、霞が眉を顰めた。
「気配が、あるな」
 その言葉に麻衣が思わず身を竦ませる。
 細かい非常識さは置いておくにしても、この志堂霞という男は腕だけは確かだ。その辺りは既に麻衣も学習している。
 それが『ある』と言う気配など、どう安く見繕ってもありがたいものでなど在り得ない。
「……ちょっと。マジで魔だとか言うんじゃないでしょうね?」
「いや」
 一旦言葉を切った霞は布の下の目を閉じ、周囲の気配を辿る。
「そこまではっきりとした気配じゃない。悪意と言うよりは……悲しみだこれは」
「悲しみ、ねえ」
 ふうんと鼻を鳴らし、どこか含むように麻衣は言う。霞は傍らの麻衣を見下ろした。
「なんだ?」
「ちょっとさっきの事思い出しただけよ」
「さっき?」
 問い返すと麻衣の表情が強張ったのが分かった。麻衣はぎっと拳を握り締め、わなわなと震えだした。
「血の匂いがするって言って輸血パック破壊しようとしたり、死の香りだって言っておじーさんたちの病室乱入しておじーちゃん達凍りつかせたりとかね!」
 そりゃ怒る。
 だが例によって霞には通用しなかった。ただ、小首を傾げた。
「だが……麻衣には無理を言って付き合ってもらっているのだし、その安全を確保する義務が俺にはある」
「だったらいらん恥かかせんなぁあ!」
 麻衣の怒鳴り声がパソコン室にこだました。

「……こりゃもう突入しかないわねー」
 草間興信所のソファーに陣取った冴木・紫(さえき・ゆかり)は大きく溜息を吐いてテーブルに果てた。
 因みにそこらの喫茶店に入らなかったのは言うまでもなく幼児にも劣る紫の懐事情の為である。それを見つめるシュライン・エマ(しゅらいん・えま)と鬼頭・なゆ(きとう・なゆ)の眼差しは心なしか生ぬるい。
 霞とは別口で、この三人も病院の調査に当たっていた。
 それでわかった事と言えば件のパソコン室とあの病院でここのところ退院患者がどうやらでていないという、それだけである。
 三人で病院内をそれとなく見て回った。なゆのテレパスの能力が頼みの綱だったが、
「……だっていっぱいなんだもん」
 なゆはぷうっと頬を膨らませる。
 つまり病院なのだ場所は。
 癒しの場所はしかし、終焉の場所でもある。医者にかかったもの総てが健康を取り戻せる訳ではなく、そして総ての死者が静かに終焉を受け入れる訳ではない。
 その場にはその思いの残滓が、ヘドロのように蟠っていて当然、なゆが神経を張り詰めさせれば張り詰めされるほど、そのヘドロにどんどん足を取られてしまう。
 なゆはすっかりお冠だった。だがそれは紫も同じである。
 へたっとテーブルに懐いた紫は草間の冷たい視線など勿論物ともせずに、ぐだぐだとそのままくだを撒いている。
「居ないしー。化粧品代もままならないってのにフルメイクで化けてったってのに居ないしー……」
「あのね……」
 紫の横に紅茶のカップを置いてやりながら、シュラインは呆れた眼差しで紫の後頭部を見やった。
 その愚痴を聞くだけでもう問いただす必要もない。紫が何の目的でゴーストネットの書き込みに飛びついたかなど。
 自分も紅茶を片手に紫の前に腰掛けたシュラインはとりあえず紫の惨状は無視する事にしたらしい。こくりと一口紅茶を飲み下した。
「まあ、土曜の深夜に忍び込んで見るって言うのは賛成ね。他に手の打ち様がないわ」
「そうだねっ! さくらさんも来るかも知れないしねっ!」
 両拳を握り締めて勢い込むなゆに、シュラインは曖昧な笑みを返した。なゆの相手を紫に任せ、それとなく病室前のネームプレートを確認してみた。『さくら』と言う音を持つ名前は二つほど見かけた。一つは整形外科病棟の集団部屋、ちらりと中を覗いてみたが居るのは老齢の男性ばかりだった。骨折などの患者が多いらしく、まともに動き回れるとは到底思われない。もう一つは新生児。全く話にならない。
「さて、現れるのはどんな『さくら』かしらね」
「……医者ー…医者がいいー、若くて騙しやすそうで白衣が似合う医者ー……」
 間髪入れずに紫が呻いた。
 はあと息を吐き出したシュラインがなゆに向かって、
「こういう大人にだけはなっちゃダメよ」
 と人差し指を立てたのが視界の端に写ったが、とりあえずもうどうでも良かった。

 時と場所を違えて、同じ決意を固めた男がもう一人いた。言わずと知れた志堂霞である。
「突入する」
 佐藤家のリビングで、霞は麻衣にそう宣言した。結局こちらも麻衣の協力あって尚芳しい情報は得られていない。
 麻衣は高校三年。自由登校期間にはまだ入っていないが既に短大への推薦入学が決定しているため比較的暇である。そうでなければ霞に付き合ったりはしなかったろう。
「ってあの病院へ?」
「そうだ。書き込みが行われた時刻を見計らって突入する。……途中で途切れた書き込みの人間も気にかかる」
「はー、そりゃお疲れ様」
 一々怒る事にも飽きたのか、麻衣は適当に相槌を打って霞の前に紅茶のカップを置いた。
 何のかんのと怒鳴り散らしながらも麻衣が霞を突き放さないのは、なんだかんだ言って霞が真剣に他人を案じている事を知っているからだ。
「済んだら報告に来る」
「構わないけど。私も気になるしどうなったかは」
 それに頷きを返し、きちんと紅茶を飲み終えてから霞は席を立った。
 居れ違いで帰ってきた兄の和明がその後姿と麻衣とを見比べてぼそりと言った。
「……お前大分絆されて来てるだろう?」
 その発言に麻衣の鉄拳が飛んだことなど言うまでもない。

 病院と言う場所のセキュリティは場所にも選るが実の所甘い場合が多い。基本的に人の出入りは自由だし、監視カメラや警備員もさほど機能していない事が多いからだ。
 だがセキュリティがどうだろうと空間を渡れる霞にはあまり意味がない。ザルなのはありがたい事ではあるが。
 しんと静まり返った病院の前に立った霞は、その瞬間途方もなく嫌なものを感じて肌を粟立てた。
 あのパソコン室で感じた微弱な気配などではない。
 もっと明白で、もっと殺伐とした、
 そして良く知る、その気配。
「……ま、さか…」
 頬を冷たい汗が伝う。
 身が竦んだのは一瞬、霞はすぐに瞑目し意識を集中した。
 そこにある、感じるものは確かに。
 自分が敵と呼ぶべきものの気配だった。

『ここからだして。ここをでたいの。』

 まんまとパソコン室に侵入を果たしていたシュライン、紫、なゆの三人はその場で『さくら』と対峙していた。
 それは声ではなかった。その明確な意思が伝わっては来ても、耳で聞いた音ではない。だがそれは霊感と呼ばれる感覚には乏しいシュラインや紫にさえはっきりと聞こえた。
 ただ切ないほどの、渇望。
「……この病院に入院してたみたい。だけど…」
 なゆの声の続きは聞かなくとも分かる。嘗ては少女であったのだろうこの白い何かは退院することが出来なかったのだ。

『どうしてでられないの……でたいの、ここから』

 紡がれる言葉に、胸が押される。
 どう言ってやればいいのだろう。恐らくはなゆほどの年齢のまま永久にその時を留めてしまった、この白い牢獄の囚人に。
 白い何かはふっと遠くを見つめるように首を擡げ、そして透き通るその口元を歪めた。

『わたしがでれないなら……だれもださないの』

「それは…っ!」
 音を立ててシュラインが立ち上がった。その刹那、それは起こった。

「…誇り高い意志を持て。踏み潰されたくなければな……否最早そんな気概はないか」
 低い男の声がした。紫は思わずシュラインを振り返った。シュラインは怯えるなゆを抱きしめ、ただ首を振る。
「なんなの!?」
「ないなら消えるがいい」
 再び男の声が響く。同時に、空間が割れた。
 夜の闇を引き裂く一条の光は、その後ろの男の姿を真っ暗な部屋に浮かび上がらせながら一閃される。
 そして、白い何かは真っ二つに断ち割れた。

 悲鳴にあわせて部屋が振動を繰り返す。
 その危うい床にどうにかバランスを取って立ちながら、紫は現れた壮年の男に向かって叫んだ。
「なに…してくれてんの!?」
 怒鳴り声に、男はふっと遠くを見る目つきをした。
「さあ、何をしているんだろうな私は」
「自分が何をしたかもわかってないの?」
 かっとなりかかる紫を抑え、シュラインが冷たく言い放つ。こちらもまた腹に据えかねて居るようだ。しかし男は一向に動じた様子もなくただ泰然と三人を見下ろすばかりだった。
「ひど…ひどいよこんなのっ!」
「そうだな、酷くは見えるかもしれないな」
「…っ!」
 物の一つもぶつけてやろうかとしたその時、次の来訪者がまたしても空間を断ち割って現れる。
「式!」
 怒鳴り声と同時に新たな光が一閃される。
 かっと光輝に満ちる室内で、紫はただ一瞬、その壮年の男が笑んだのを見た気がした。
 そして光輝が去った後に、室内には男の姿はなかった。

「式…」
 屋上に跳躍した霞は静かに男の名を呼んだ。
 式顎。嘗ては共に戦ったその男の名を。今や退魔剣士を付狙う存在となった男の名を。
「何故……こんな所に!」
 搾り出すような霞の声に、顎はふっと笑んだ。
「キミが首を突っ込みたがるような話だと思ったまでのこと。思っていた以上につまらない『犯人』だったがね」
「何故…」
 霞は目の覆いを取り払い、真正面から顎を睨み饐えた。死を与えるその眼光も顎には通用しない。
 顎は僅かに眉を顰めただけだった。
「何故、か。その問いかけは無意味だな。私は答えを持ってはいない」
 顎はぶんと音を立て手の中の光刃を揮う。
 霞は手の中に光刃を呼び出し、身構えた。
 屋上を吹き抜ける夜風に、取り払い投げ捨てた目の覆いが飛ばされていく。
 視界の端に写ったそれに、霞はふと思った。
 そう言えば自分はまだ麻衣の顔を見た事がない、と。
 刹那、二つの刃が空を切った。

 白い牢獄の屋上に咲いた闘気の花は、どちらとも散ることなく二つに分かれた。

 ボロボロになってやってきた霞を見ても、麻衣は悲鳴一つ上げなかった。完全に慣れである。
「お疲れ様」
 そう言った麻衣を、霞は震える手で抱きしめた。麻衣が暴れても、蹴られても、殴られても、引っかかれても、離すことは出来なかった。

 掲示板に一つの書き込みが増えた事に霞が気付いたのは翌日の事。
『ごめんね。さよなら』
 人事不省の看護婦が病院前に倒れていたと言う情報と相俟って、その書き込みは少しだけ、霞を慰めた。

「…きっと」
 さくらは出られたのだ。そう、信じる事ができたから。
 そう、さくらの決着は、優しい形でついたのだと、そう。

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【0935 / 志堂・霞 / 男 / 19 / 時空跳躍者】
【0969 / 鬼頭・なゆ / 女 / 5 / 幼稚園生】
【1021 / 冴木・紫 / 女 / 21 / フリーライター】
【0086 / シュライン・エマ / 女 / 26 / 翻訳家&幽霊作家+時々草間興信所でバイト】
【0970 / 式・顎 / 男 / 58 / 未来世界の破壊者】

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■         ライター通信          ■
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 こんにちは、里子です。今回は参加ありがとうございました。
 今回納品がギリギリになってしまいまして申し訳ありません。

 病院って言うのは結構特殊な空間ですよね。閉塞してると言うか。
 なんか治療に行ってるはずなのにあの空気吸ってるだけで逆に病気になりそうな気分がすると言うか。
 いい年こいて医者嫌いの私は、どうしようもなくなってから医者へ行って医者に怒られるというしょうもない特技を持ってたりします。

 今回はありがとうございました。また機会がありましたらよろしくお願いいたします。ご意見などお聞かせ願えると嬉しいです。