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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


赤いランプ

*
 ――深夜、音もなく明滅する赤い光。
 その光に促されるようにゆっくりと遮断機が降り始めた。

 
 午後のゴーストネットOFF。雫はいつものようにあちこちの掲示板から情報収拾していた。
「あー。またこの書き込み」
 
----------
 *私も見ました   タン    3:11 Mon/11/11 

 さっき、夜食を買いに
 例の踏み切りの近くを通ったんだけど
 私も見てしまいました。
 恐くて走って帰ってきてしまいました。

----------

 最近掲示板で話題になっている噂。ある踏み切りの話。
 深夜、列車の走っていない時間帯に、音もなく踏み切りが動き出すのだ。
 警告灯が点滅し、そして一定時間遮断機が降りるという。
 ただ、カン、カン、という警告の音は鳴らないらしい。
「結構噂になってるなあ」
 雫は首を傾げた。
 2週間前にその踏み切りで亡くなった女性がいるのだが、その事と結び付けられて、噂になっている。そして、実際に踏み切りが動いているのを多数の人間が目撃していた。
 その線を運営する会社に苦情が持ち込まれた事もあったが、踏み切り自体には何も問題はなかった。また深夜ではあるが警報音が鳴る訳でもないため、さほどの問題でもあるまい、と放置されている。

 ところで、この踏み切りについてもう一つ、雫はあまり知られていない情報を持っていた。
 踏み切りが動き出す深夜、決まって近くにあるマンションの一室に灯りが点っている、という。
「でも、これって関係あるのかなあ」
 雫は言うとあたたかいカフェオレを一口飲んだ。



*+

 今夜は厚く雲がある。月の代わりに、ただ街灯の灯りがぼんやりと辺りを照らしている。その灯りに照らされて4つ、人通りのない道路に影が出来ていた。
「やはり冷えますね」
 白い息を吐いて、守屋・ミドリ(もりや・)が皆に話し掛けた。冷えるのか、その両手を擦っている。
 もう何分くらい待っているのだろう。
 肩からは薄いミントグリーンのショールを掛けていて、一応深夜の冷えに備えてはいるようだった。
「ミドリさ…」
「私、懐炉を持ってきましたので、良ければこれで手を温められますか?」
 草壁・さくら(くさかべ・)はにっこりとミドリに微笑みかけると、先程から手にしていた小さい巾着袋を握らせた。巾着袋は桜色の今夜の彼女の袷の羽織りとお揃いである。薄い桃色の糸で桜の花びらが刺繍されていて、中には使い捨てではなく昔ながらの懐炉が入っている。
「あー、あったかいですね」
 受け取ってミドリがほくほくする。布地の手触りの下からじんわりと温かい。冷えきっていた指先が解れていく。
 シュライン・エマはその袋包みを見て微笑み、こういう和風の小物がさくらには似つかわしい、等と考えた。今夜の寒さを見越してシュラインはシンプルな形だがカシミヤのコートに手袋と、しっかり重装備であった。
「かわいらしいわね、ね?神楽さん」
 シュラインの振り返った後ろ、女性陣3人の後ろに長身の男性が立っていた。神楽・五樹(かぐら・いつき)である。
「ほんまにね…」
 実は先程、寒がるミドリに『寒かったら俺のコートに入らはりますか?』等と冗談ぽく、しかしかなり本気でコートを開けて話し掛けようとしたのだが、さくらに遮られる結果となり、微妙に意気消沈しているようだ。その高い位置にある頭が少し項垂れている。
 4人は今、例の踏み切り前に立っていた。辺りは人通りも少なく静まり返っている。マンションの3階。ある一室に、今日は灯りが点っているのが見える。
 シュラインがそっと腕時計を確認すると、深夜、もう2時を過ぎていた。
 あと、数分。
「現れてくれるかしら…」
 ミドリは皆の気持ちを代弁するようにそう言い、じっとその赤い灯りが点るのを待った。



*+*

 平日の午後。シュラインはネットカフェ、ゴーストネットOFFに居た。常日頃から様々な情報収拾を―それは例えば執筆の為であったりするわけだが―怠らないシュラインであり、またネット環境も、自前でもちろん整っている。そんな彼女がここに来るのは雫の、彼女の持つ特異な情報を聞かせて貰うためである。
「シュラインさん、いらっしゃいー」
 シュラインがカフェの入り口をくぐると、目敏くその姿を見つけて雫が声を掛けた。
「こんにちは。雫ちゃん、空いているかしら?」
「うん。いつもの、窓際の席ね?」
 シュラインはうなづいて笑みを返すと、いつも座っているその場所へと向かった。
「で、何かあるの?」
 ブラウザを動かしながら、傍に立つ雫に声をかける。こんな風に席に着いたシュラインの傍を離れない時は、何かしら『ネタ』があるのだ。
「えへへへへー。ちょっといいかな?」
 言うと雫はシュラインの手にしていたマウスを操作する。
「これなんだけど」
 雫はある、そういう怪奇情報を扱った掲示板をモニタに出した。
「ああ、この話ね…」
 それはシュラインも知っている話だった。
 深夜に動き出す踏み切り。ただ、カンカンという警報音は鳴らないらしい。実際に何人もの人間がその現場を目撃していることもあって、噂になっている。
「最近、ちょっと噂よね。でもこれがどうかしたの?」
「実はね…」
 雫はそう言いさして、入口の人影に気が付いた。笑顔でその人物に向かって手招きする。
「あら」
 雫の様子に気付き、シュラインも入り口の方へ振り返った。和装の女性が立っている。さくらだった。
「こんにちは」
 シュラインと雫に近付くと、さくらはにっこりと挨拶した。
「久しぶりね」
 シュラインも笑顔で答える。
「シュラインさんと雫さんの姿が見えたものですから、少しお邪魔いたしました」 
「そうだね。さくらさんも、聞いてくれる?」
 雫は二人の顔をさっと眺めると話し始めた。



*+*+

「踏み切りが動くのは何時頃、って正確には分からなかったのよね…ふう。やっぱり夜は寒いわね」
 そう言ってシュラインの吐いた息が、白く街灯の光に浮かび上がる。
 ネットカフェで雫から話を聞いたシュラインとさくらは例の踏み切りへと向かって歩いていた。雫に聞いた話、ネットの情報。調べたい事はいろいろあったが、ともかく現場へと、とは二人の一致した意見であった。
 今日はその2日目である。
 昨晩もここを訪れた二人だったが、踏み切りでは何も起こらなかった。正確に何時、とは分からないが、掲示板の情報によるとおおよそ目撃情報は2時半辺りに集中しているようだった。
 昨晩は雫の言っていたマンションにも、灯りの点っている部屋はなかった。
 因にマンション自体はさほど小さいものでもなかったが、踏み切りからはちょうど建物の短い辺の側の側面しか見えない。端部屋の窓が各階に1つずつ見えるだけである。
 二人は一応3時過ぎまで待ってみたが、動きはなかった。その部屋に灯りの点っていない夜は動かない、と言えるかも知れないし、もしかしたら噂自体がガセであると言えなくもない。
 とりあえずその踏み切りが動くのを確かめよう、と今晩も出かけてきたのである。
 深夜で、噂のせいか人通りもなかったが、二人であればひとりきりよりもずっと心強い。一緒に歩く親友をにこにことさくらは眺めた。そんなさくらにシュラインが気付いた。
「何?」
「いいえ」
 さくらは前を向くと口を開いた。
「私達って、お節介焼きなのでしょうね」
「あら、さくらはそうかもしれないけれど、私は純粋に、この件に興味があるのよ?」
「ふふふ」
「本当よ?」
「はい。そういう事にしておきますわ」
「信じてないわね…」
 シュラインはそういうと照れたようにさくらから顔を背けた。そんなシュラインを見てさくらは微笑んだ。
 常に冷静であろうとする彼女が、情に厚い事をさくらは知っている。もちろん一緒に真夜中に2日もこんなところまで来ているさくらも人のことは言えないのだが。
 踏み切りが動く理由はまだ分からないけれど、もしも事故死したという女性が関わっているのならば…成仏することができずにそこに留まっているのならば、何とかしてあげたい。きっとシュラインもそうなのだとさくらは思っている。
 ふいに、隣を歩いていたシュラインが足を止めた。もう踏み切りの間近である。
「誰か、いるようね」
 シュラインの声にさくらが顔を上げると、踏み切りの向こう側に人影が二つあるのが見えた。 



*+*+*
「こんばんは…」
 ミドリはその人影にそっと声を掛けた。思った通り、人影はシュラインだった。
 シュラインの方でも見知った人物と分かり、息を吐いた。
「こんな真夜中にデート、って訳でもなさそうね」
 少し斜めに神楽を見上げながらシュラインが微笑んだ。
「俺は、まあミドリさんの付き添いですわ。そちらはん二人もこの踏み切り、ですか?」
 神楽が顎で踏み切りを指して苦笑いする。神楽の言葉にシュラインの横に立っていたさくらが微笑み、軽くうなづいた。
「雫さんに聞いて、気になったので」
 さくらの言葉にミドリもうんうん、とうなづいた。
「やっぱり、気になりますよね?ほら、皆さんそうなんですよ」
 ミドリはここへ来る前、反対してみせた神楽をちらりと横目、いや横斜め上目で見た。
「いや、ミドリさんの身にもしも、って事があったらどうしようと思って、俺はですね―」
 慌てて五樹が大振りな手ぶりを交えて弁解しようとした。自分自身、霊が苦手だということも多少は関係なくもなかったが、ミドリが心配だったというのは本当である。
「ええと、こちら、神楽さんが霊感あるみたいなので、もしその事故にあわれた女性が居れば、分かるかな?って思うんですけど」
 ミドリは唇に人さし指を当ててそう言った。
「今はおられますか?」
 さくらが踏み切りの方を見て、五樹に聞いた。
「いや、特になにも感じません」
 さくらの視線を追うように踏み切りをちらっと見ると、五樹は首を振った。
 シュラインはミドリと五樹を見て口を開いた。
「とにかく、一度踏み切りが動く所をこの目で確かめたいのよね…。ミドリさん達は、一度でも見た事があるかしら?」
「いいえ。雫ちゃんに話を聞いたのが3日前で、ここへ来るのは今日が初めてです」
 ミドリは首を振った。
「私達は昨日もここへ来てみたのだけど、踏み切りは全然、動かなかったのよ」
「え?」
 思いも掛けない言葉にミドリが聞き返す。
「毎日何かがある、という訳ではないらしいのです」
 さくらの説明に五樹が少し考えて口を開いた。
「それって、やっぱ例のマンションの灯りとか、関係あるんやろか?」
「その辺りを確かめたいところなのよね…。生憎、昨晩は灯りの点っている部屋もなかったし」
 シュラインが首を振った。
「その、マンション言うんはどこに?」
「そこよ」
 言ってシュラインが振り返った先に、確かに何棟か並んでいた。踏み切りのあるここから窓が見えるマンションは1棟だけである。今日は3階にある部屋一つだけに灯りが点っている。
「灯りが、ありますね…」
 ミドリはその窓を見て言った。
「雫さんの言う部屋があの部屋であることを祈りますわ」
 さくらも灯りを見て、そう言った。
 雫の情報も、あくまでそう言った噂がある、という程度にすぎない。もし今夜この状態で踏み切りが動き出せばその噂は確証になるはずだ。
 本当に動けば、の話だが。
「これでもし本当に踏み切りが動くような事になれば、マンションの方も調べたいのよね」
「そうですね」
 シュラインの話にミドリもうなづいた。
「それに、事故に遭われた女性が現れるのなら、神楽さんに話を聞いてもらえますし…ね?」
 そう言ってミドリは五樹の方へ振り返った。
 五樹は何か別の物に意識を集中させているようだった。少し蒼い顔をし、両手を首に当てていた。
 その様子を見て、さくらが声をかける。
「神楽様?どこかお悪いのですか?」
 五樹は真剣な表情でぶるぶると首を振った。
「いや、そこに…踏み切りに何か居る気配がしますわ…」  
 五樹の言葉に、皆が踏み切りの方を向いたその瞬間、赤い明滅が始まった。

 アスファルトの道に赤く光が映る。静寂の中、遮断機の降りる鈍い作動音だけが耳に届いてくる。他には、何も聞こえない。
 無声映画。
 あるいは消音になったままのテレビジョン。
 赤いランプが鮮やかに目の前で明滅している。
 普段、住んでいる世界からは切り離されたような風景。
 4人は呆然とその光景を眺めていた。
 ネットの書き込みや噂に聞いて、あらかじめこのようなものだろうと想像はしていたのだ。しかし、話に聞いて想像するのと、実際にその目で目撃するのとでは訳が違う。
 踏み切りの遮断機の動作も、警告灯の明滅も、自分達の知っているものと変わりはない。ただカンカンという警報音が聞こえないだけだ。
 だが、それだけの事が、その光景をひどく非日常なものに見せた。日常の風景に感じた違和感は、人に異界への綻びを身近に意識させる。きっとこれが真夜中でなくても、人にある種の恐ろしさを感じさせるだろう。
 遮断機が降り切った後も、まだ明滅は続いていた。遮断機が上がるまで、続くのだろうか。
 黙ってその様子を見守る4人。その沈黙を破ったのは五樹だった。
「踏み切りの中…!」
「え!?」
 言われて、弾かれたようにシュラインは視線を巡らせた。確かに、踏み切りの中、線路の辺りに白く靄がかかって見える。
「神楽さん、何か、見えるんですか?」
 ミドリも目を凝らしてみるが、靄のようなものが見えるだけで、他には何も見えない。
「ええ?そこに、ほら、これくらいの髪の毛の女の人が居りますやん?」
 言って五樹は手ぶりで髪の長さを伝えようとする。
「いいえ、私には霞のような物が見えるだけですが…」
 さくらにも見えないようだ。
「…そうだ!神楽さん話、話。その女の人と話が出来ませんか?」
 ミドリが思い出したように提案する。
「よ、よし!まかせといてください!」
 拳で胸を叩く真似をしてそう言うと、五樹は踏み切りに近付いた。心臓の鼓動が激しくなっているのは、幽霊に接近するせいか、それともミドリにいいところを見せようと緊張しているせいか。
 とにかく踏み切り前、その女性の近くに進んだ五樹は声を掛けようとした。さすがに遮断機を跨いで越えてしまうことまでは出来ない。
「もしもし?」
 とりあえず五樹は声を掛けてみた。幽霊だが、なかなか整った顔だちの女性のようだ。年は二十歳くらいだろうか。髪を肩の下まで伸ばしている。
「あの、俺は神楽五樹って者やねんけど、お嬢さんは、ここで何したはるん?なんや困ったことがあるんやったら相談に乗ったるで?」
 相手が女性、ということもあって、なんとなくいつもの調子が戻ってきたらしい。
「なあ!」
 少し大きい声を上げてみたが、幽霊は一向に反応しない。彼女は視線を上げ、やや右手に位置する例のマンションの一室を凝視しているようだった。
 無視されているのか、それとも声が届かないのか。
 五樹は少し考えると、彼女が見上げるマンションへの視線上に移動してみた。これなら、無視できない。
 移動して改めて五樹が彼女の方を見ると、視線が合った。どうやらこちらに気付いたらしい。その表情と手振りで何かを伝えようとしていることが分かる。
「えーと、君の名前は?」
 そうやって声を掛けてみるのだが、返事が全く返ってこない。彼女の方はただ、手を大袈裟に動かしている。
 少し遠巻きに五樹を見ていた三人には、どうやら五樹がその霊に上手く接触できていないようだ、と分かった。かといって手助けのしようもないのだが。
 シュラインは腕時計をそっと見つめた。
 踏み切りが動き出したのが2時27分。時計を見ているとまもなく2時30分になる頃である。踏み切りの動く時間帯が一定しているという確信がある訳ではないが、次回への参考にはなるはずだ。覚えておく。
「あ…」
 横でさくらが小さく声を上げた。シュラインが時計から顔を上げると、踏み切りのランプは消え、遮断機がすっと上がる所だった。
「約3分ね…」
 シュラインの漏らした言葉にミドリが首を傾げる。
「何が、3分なんですか?」
「踏み切りが動作していた時間よ。思ったより、短いわね…」
「そうですね…。でも、実際に電車が走る事を考えると、普段はもう少し短いのではないでしょうか?」
 さくらがうなづいた。
 三人で話していると、すぐに五樹が戻ってきた。その顔には失望の色が見える。
「すんません。踏み切りが上がると同時に気配が消えてしもて。…全然話が通じへんかったみたいで…なんやろう?俺の声が聞こえへんみたいなんやわ」
 五樹の言を聞き、シュラインがぴくっと視線を動かした。さくらが五樹に向かって口を開く。
「神楽さんが居られる、ということにはその方は気付いてらっしゃったんでしょうか?」
「それは、はい。確かに視線が合いましたからね」
「でも、言葉は通じなかったのですか?うーん、なんでかなあ?」
 ミドリも首を捻った。
 三人のやり取りを聞いていたシュラインが五樹を見た。
「その女性は、手を、動かしていなかったかしら?」
「え?」
 五樹が驚く。
「手を、こう」
 言ってシュラインは何やら手を動かしてみせた。
「ああ、そうそう。そういう感じで動かしてましたわ」
「そう…それじゃあやっぱり…」
 言って俯くシュラインにさくらが話し掛ける。
「なにが『やっぱり』なのですか?」
「…あの踏み切りは神楽さんが見た女性が動かしているのだと思うの」
「ええ、私もそう思います」
 ミドリがうなづいた。
「私は何故警報音が鳴らないのか、考えてみたんだけど」
「え?分かったんですか?」
 五樹が驚いたように声をあげた。彼も不思議には思ったが答えを見つけられずにいたのだ。
「さっき実際に踏み切りが動いた現場に私達は居た訳だけれど、ひどく違和感を覚えなかったかしら?深夜だという時間帯を除いても」
「はい。そう…まるでこの世から音が消えてしまったような感じで…、あ!もしかして…」
 さくらは自分の考えを口にして、ある可能性に思い当たる。
「その彼女は踏み切りの警報音を知らないのじゃないか、ううん言い方が悪いわね。彼女はもしかして、耳が聞こえない方なのじゃないかしら?」
 シュラインにそう言われて、一同が絶句した。
「じゃあ神楽さんが見た、その女性の手振りは『手話』なのですね…」
 ミドリは暗い声でそう言い、溜め息を落とした。
 今の所女性の姿が見えるのは五樹だけなのだ。彼が手話をマスターしない限り彼女の話を聞く事もできない。
「うーん。とりあえずそうね、手話は神楽さんに任せるわ」
 シュラインはあっさりとそう言い五樹にうなづいてみせた。
「今日踏み切りが動いたのは、やはりあのマンションの部屋に何か理由があるのでしょうか」
 さくらがシュラインに言う。
「そちらも調べないと駄目ね」
「それなら、手話組とマンション組に分かれましょうか?」
 ミドリは少し考えると提案した。
「え?そしたら俺は…」
「もちろん手話組ね、というか、さっきも言ったけど神楽さんがマスターしないと話にならない訳だし」
 シュラインが切り捨てる。その言葉を聞いてミドリが考えた。
「じゃあ、私も手話で。マンションの方の調査はお二方にお願いしてもいいですか?」
 ミドリがそう言うのを聞いた神楽は、目の前がぱあっと明るくなった気がした。
「もともと私が言い出して神楽さんに来てもらった訳だし。それに、ちょっと考えがあるんです」
 にっこりとミドリが笑ってみせる。
「そう…それなら、マンションの方は私とさくらで。いいかしら?」
「ええ。こちらこそよろしくお願いしますわ」
 さくらは微笑むと軽く頭を下げた。
「明日は土曜で休みだし、なんとかこの週末中に解決したいものですね」
 ミドリがそう言うと皆、うなづいた。


*+*+*+

「幽霊にも聴覚って関係あるのですね」
 ミドリは言うとカップに入ったカフェオレを口に含んだ。
 土曜の午前、お昼少し前。ミドリと五樹は、ミドリ行きつけのカフェでブランチを取りながら、手話習得の為の打ち合わせを始めた。今日は大学も休みである。
 クリームチーズとサーモンのべ−グルサンドを片手に持ちながら、五樹もキャラメルマキアートで舌を湿らせる。
「うーん。それに関しては、なんていうんかなあ」
 少し首を捻る。
「生まれつき耳の聞こえへんかった人は、人が喋るのを聞いてもその意味が分からんのとちゃうかなあ」
「あ、そうですね。なるほどー」
 ミドリが感心したように手を打った。漢文が読めても、中国語の音で聞けば分からないのと同じ理屈である。
「文字は読めても音は分からへん訳やからね」
「じゃあ、思念等はどうでしょう?感情そのものなら届きそうじゃないですか?」
 五樹が心霊関係のエキスパートであるかのように、ミドリは質問を続ける。こういう話が大好きなようだ。
「それにしても、俺らと彼女には何の繋がりもない訳やし、見知らぬ人間にそないに簡単に心が通じるもんかな」
「ああー。それはそうですよね。うん。神楽さんって意外に頭が良いですね」
 『意外に』は余計なのだが、当の五樹はほめられた事に心酔していて気付かない。
「筆談、も考えたんやけど」
「幽霊の方が鉛筆、持てると良かったですよね」
 五樹の言葉にミドリはひとごとのように笑顔を返す。
「やっぱり手話か…うーん」
 そういうと五樹はテーブルに突っ伏した。
「神楽さん」
 落ち込む五樹にミドリが声をかける。
「手話のことなんですけど、昨日も言いましたけど、私、ちょっと考えていることがあるんです。聞いて貰えますか?」
「え?いやそれはもちろん」
 五樹は姿勢を改めるとミドリに向き直った。
「私、ある程度なら手話は分かりますし、もちろん自分でも使えます」
 初耳だった。
「今回神楽さんが手話をマスターしないといけないのは、神楽さんにしか、その女性が見えないからですよね?」
「ええ、はい」
 その通りだ。五樹はうなづいた。
「私は手話で何をおっしゃりたいのか分かりますが、その女性は見えません。でも、女性の側からは私が見えますよね?」
「多分、見えるんとちゃうかな?俺のことにも気付いたはったみたいやし…」
「良かった」
 ミドリはそういうとカフェオレに口を付けて一息吐く。
「でも、せやから言うてミドリさんが一方的にその女性にメッセージを送っても、返事がわからへんのとちゃいますか?」
「そうなの。そこで神楽さんの出番、ってわけですよ」
 ミドリはにっこりと笑った。
「俺の出番、ですか?」
「ええ。神楽さんは、その意味は分からなくても女性の手振りは『見える』わけじゃないですか。それをそのまま、その通りに真似してください」
「え?」
「自動筆記みたいな感じでしょうか?神楽さんは心をからっぽにして、あ、ここ重要ですよ?…その女性の手振りを一心に真似してくだされば、あとは私がそれを読みます。私には女性が見えないけど、神楽さんを通して、その女性が何を伝えたいのか分かるんです。どうですか?このアイデアは?」
 ミドリは五樹を覗き込むように見遣った。本人は全く意識していないが―身長差で自然にそうなるのだが―五樹には必殺の上目使いである。
「なるほどー。さすがミドリさんやなあ」
 五樹はお世辞でなく、そのアイデアに感心した。
「じゃあ俺の仕事はほとんどないっちゅうことやね。ふー。やれやれ。責任重大やと思ってたけど、肩の荷が下りたわ」
 言って五樹は肩を揉みほぐす真似をする。
「ええ?神楽さん、そんなこと言っちゃ駄目ですよ?」
 ミドリが諭すようにそう言う。
「手話って繊細なんですから。特に指文字なんかはちょっと違うだけで全然違ってくるんです。ある程度は勉強していただかないと困ります」
「ええ?まじっすか?」
「まじっす。ほらほら、ここに本を用意してきましたから。一緒に頑張りましょう?」
 ミドリはオレンジ色の表紙の本を掲げた。
 練習、と一瞬気が重くなる五樹だったが、良く考えればシュライン、さくら達と約束した時間までミドリと二人っきりなのである。ある意味ラッキー?と気を取り直して手話に挑むのだった。
 


*+*+*+*

 お昼少し前。シュラインとさくらは例のマンションの前に立っていた。今日朝からは事故に遭った女性の事を一調べして、ここへと来ている。
 夜、暗い中で見た時は良く分からなかったが、どうやら単身者用のマンションのようだ。同じようなマンションが何棟か並んで建っている。
 二人は並んだメールボックスを眺めた。どうやら各階に10部屋づつあるらしい。三階なら301〜311号室まで。縁起を担いでいるのか、いわゆる4号室に該当する番号が飛ばされている。
「たしか、端の部屋、でしたよね?」
 さくらがそのボックスの番号を見ながら口を開いた。踏み切りからはこのマンションの短い辺の側の側面しか見えない。
「ええ、301号室か、311号室か。どっちだと思う?」
 シュラインがさくらの方を見た。
「そうですね…。通常廊下から向かって右から順に部屋が並んでいますわよね?そうすると…こう…あの窓はベランダから見ると右手にありますから…」
 扉が並んでいる所を思い浮かべる。
「多分311号ではないかと思います」
「私も、そう思うわ」
 二人は顔を見合わせてにっこり笑った。
 最近では珍しくないが、このマンションはオートロック仕様である。見知らぬ人間を訪ねるのにはいろいろと制約があり、とりあえず部屋番号がわからなければ話にならない。
 シュラインは311と呼び出しのボタンを押した。
 ピンポーン、とスピーカ部分から呼び出し音が聞こえてしばらくすると、男性の声で応答があった。若い声だ。
「はい、古川ですが…」
 良かった、とさくらは息を吐いた。万一留守だったら出直しだ、と思っていたのである。
「こんにちは。私は草間興信所の調査員をしているシュライン・エマと申しますが」
 わずかに高い声は営業用のものだろうか。一般人が事情を聞く訳にもいかない。シュラインは興信所所員を名乗った
「興信所…?あの、興信所が何の用ですか?」
「ええ、井本・良恵(いもと・よしえ)さんの事について、少しお聞きしたい事があるのですが」
 ここで女性の名前を出したのは賭けだった。
「!…どうぞ、上がってください」
 スピーカからそう声が聞こえると、カチャリと入り口の鍵が外れる音がした。

 二人が部屋に通されると古川・貴之(ふるかわ・たかゆき)がお茶を出した。男性の一人暮らしにしては部屋が整頓されている、さくらは部屋を軽く眺めてそう思った。
「それで、良恵の件でっておっしゃいましたよね?」
 古川は自分もお茶を手にそう聞いた。
「良恵さんが…今から約2週間前、踏み切り内での事故で亡くなられてますよね」
 さくらとシュラインは静かに話を始めた。
 目の前に居る古川は、おそらく良恵の恋人だったのではないか。そう思うとまだ癒えない傷を持つ古川に質問を重ねるのは、酷なことかも知れない。だが、良恵があそこに彷徨っているのも事実である。できれば、なんとかしてあげたい。

 良恵はこの近くのアパートに住んでいた。ごく幼い頃に耳が聞こえなくなりそれ以来聞く事も話す事もできない、聾唖者となった。今回の事故もその事が大きい要因の一つなのである。

 運転手は話した。
 踏み切りに侵入した所、歩行者がいたのでクラクションを鳴らし脇へ避けてもらおうとしたが、一向に端に寄る気配がない。急いでいるし、このまま進んでもきっと気付いて避けるだろう、とスピードを落とさなかったと言う。
 後に被害者は耳が聞こえなかった、と言う事を聞き「クラクションを鳴らしているのに無視されているようで苛立った」とも語ったらしい。
 事故の目撃者の話では、クラクションの音に振り返ると、車が踏み切り前でも減速せずに良恵の肩を掠めて走っていったとの事である。
 死因は転倒時の頭部損傷。事故時刻は午後5時過ぎだった。

 一通り昨晩の出来事について古川に話したシュラインは一つ、質問をした。
「これはまだ確実ではないかもしれないのだけど、良恵さんは、午前2時27分辺りに現れているの。てっきり事故のあった時刻がそうなのだと思っていたのだけれど、違うみたいだし。…古川さんは何か心当たりはありませんか?」
「2時…」
 聞いて古川は固まった。



*+*+*+*+

「で、これがその良恵さんの写真です。古川様よりお借りしてまいりました」
 さくらが五樹に見えるように、その写真をテーブルに置いた。シュラインが五樹の顔を見つめた。
「神楽さんが見たって言う、踏み切りに居た女性はこの人で間違いないかしら?」
「せや、この人や」
 五樹はさくらの差し出した写真をじっとみつめ、やがてうなづいた。五樹の隣でミルクティーで手を温めていたミドリが写真を見、口を開く。
「この方が、事故に遭われたという…」
「はい。井本良恵様です。やはり聾唖の方、ということでした」
 さくらは答えて、そしてシュラインと調べた事、マンションで聞いた話を続けた。

 4人は約束通り、踏み切り傍の深夜レストランで待ち合わせた。シュラインとさくらは情報を、ミドリと五樹は手話訓練の成果を持って。
 もう深夜1時を過ぎた頃だと言うのに、店内はカップルや友達連れで賑わっている。その様子を見て、明日は休日だからか、と五樹が得心する。

 古川と良恵が恋人であったこと。良くその踏み切り前で話したり待ち合わせしたりしたこと。そして古川が良恵の死後、踏み切りを通るのを避けていること。
 部屋へ上がって聞いたことをシュラインとさくらは簡潔にまとめて話して聞かせた。
「あの、2時27分…でしたっけ?それは関係あったのですか?」
 一通り話を聞いてミドリが聞く。シュラインはどこか寂しそうに笑った。
「おつきあいの始まった日が、2月27日だったんですって。その日を忘れないように、待ち合わせは昼でも夜でも2時27分にって…」

―――『つまらないことだと思われるでしょうが…』
 シュラインは、そう言って泣きそうな顔になった古川の顔を思い出した。

「やはり、良恵様は何か古川様に伝えたい事があるのではないでしょうか?」
 ほんの3分しかこの世に姿を現せないとしたら、さくらでも因縁のある時間を選ぶだろう。深夜なのは、やはり明かりが見えやすいからだろうか。
「その、古川君はもちろん手話とかってできるんですやろ?」
「はい。そういうボランティアをされていて、知り合ったそうです」
 五樹が聞くとさくらがうなづいた。
「そしたら、俺とミドリさんの特訓も無駄になってしもたね」
 笑顔でミドリに向かってそう言った。もちろん、二人で長い時間一緒に居られたのだから、五樹にとっては全く無駄では無い訳であるが。
「それは…」
 シュラインが首を振った。
「古川さんは、その場に赴くのが辛いって、考えさせてくれってそう言っていたのよ…」
「そんな…」
 ミドリが声をあげる。
「あの踏み切りも…時間も…、窓に灯りのある時だけというのも、全部古川さんの為なのは明らかじゃないですか…」
「私達もそう申してみたのですが…」
 さくらは言って俯いた。
 気落ちするミドリの肩を軽く叩いて、五樹が言った。
「とにかく、今日は良恵さんの話も聞けるわけやし、それで俺らが手伝えることがあるなら、手伝ったったらええんとちゃいますか?今日の所は、ね?」
 ミドリを見る五樹の目は優しげだった。
 しばらく考えていたミドリだったが、やがて渋々うなづいた。
「さて、そろそろ出ましょうか」
 シュラインが時計を見せて、皆を促した。



*+*+*+*+*

 手先が解れていくのを感じるとミドリはさくらに借りた懐炉を返した。
「ありがとうございました」
「いえ」
 さくらが返事をしてにっこり笑う。
「古川君はどんな気持ちで、あそこに、部屋に居るんやろうか…」
 灯りのついた窓を見遣り、五樹が言った。
「きっと、まだ良恵さんの死を認めてしまいたくないのでしょうね…」
 シュラインは言って、それがあまりにも哀しいことだと思う。
 辺りは相変わらずしんと静まり返っていた。
 不意にすっと五樹が顔を上げる。
「来たのね…」
 五樹の様子をみてミドリが顔を上げた。
 赤く明滅が始まった。
 五樹はその気配に身震いした。苦手な五樹にとって、霊とは何度遭遇しても慣れるものではない。今袖を捲れば鳥肌が立っているだろう。しかし、それを人に、とりわけミドリに気取られる事のないように、五樹はゆっくりと唾を飲んだ。
 良恵はやはりマンションの一室、古川の部屋に視線を向けていた。
 五樹はその視線を遮るように、ミドリを誘導する。良恵が気付いたようだ。首を傾げている。
「ミドリさん、始めてください」
 五樹の言葉にこくりとうなづいて、両手を伸ばすミドリ。
「こんばんは」
 そう、口にだしながら両手のひらを交差させ、右手を掲げる。五樹はミドリの動きを見届けると踏み切りの中へと視線を戻し、その手振りを真似る。
 同じ挨拶だ、「こんばんは」
「あなたは、ここで、何を、している、の?」
 ミドリが一語ずつ区切りながら手話を続けて行く。
 神楽は良恵が手を上げるのを見た。ゆっくりと指を曲げて行く。指文字だ。
 一語ずつ、間違えないようにこれも真似ていく。
「た、…か、ゆ、き、待つ」
 ミドリの読む声を聞いて、さくらが表情を曇らせる。
「やはり…、私今からでも古川様を呼んで参りますわ」
 自分達のできることなどたかがしれている。やはり、本人が居なければ意味がないのではないか。
 シュラインが止める間もなくさくらが身を翻すと、その前方から人が駈けてくる所だった。古川だった。
「古川様…」
 古川は息を切らして、踏み切りへと向かって駈けて来た。
「あなた…」
 シュラインが声を掛けた。
「…、灯りが、…本当に見えたから…」 
 それだけ言うと、古川は五樹の傍に立った。
 
 
 二人は会話しているようだった。
「古川様には、やはり良恵様が見えるのですね」
 さくらの言葉にシュラインが微笑んだ。
「彼の為に、彼に見つけて欲しくて現れていたのですものね」
 本当にそうだ。さくらはうなづいた。
 古川に場所を譲った五樹とミドリも遠巻きにその光景を眺めていた。ミドリが微笑んでいる。古川が何を言っているのか分かるのだろう。
「ミドリさん、後で何言うてたか教えてもらえます?」
「あら、そういうのをプライバシーの侵害って言うんですよ?」
 め、と軽く五樹を睨んだ。そのしぐさに五樹が微笑する。
 踏み切りが動き出して、まもなく3分になるだろうか。
 シュラインが時計を見ようとした時、五樹が声を上げた。
「あ」
 ふっと良恵の気配が薄くなった。別れの時なのか。
 良恵と古川も察したように、顔に寂し気な笑みを浮かべている。
 古川の様子を見て、シュラインも気付く。
 このまま時を留められればいいのに…。そう思った。

 その姿が消えてしまう間際、良恵は右手を軽く左手の甲に当てて、手刀を切った。
 ―あれは覚えてる。『ありがとう』や。
 五樹はそのまま薄く消えて行く彼女を見守った。



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「どうも、ありがとうございました」
 古川は皆の前に頭を下げた。少し、その目が赤いのが分かった。
 


*+*+*+*+*+*


「よほど心残りだったのね」
 4人で夜道を行く帰り道、古川からほんの少しだけ事情を聞かされてシュラインが呟いた。
「ええ」
 さくらも遠くを見るように囁く。夜中だから声が通るのだ。
―『彼女は僕との約束が果たせないことを伝えに…。理由はこれくらいで勘弁して貰えますか?』
 古川は少しだけ微笑んでそう言った。
「約束…」
 ミドリが呟く。
「信頼する者どうしでするから約束、なのですよね…」
 さくらは言って闇夜を仰いだ。その言葉にシュラインもうなづいた。
「そうね」 
 軽い約束が世間には溢れているが、本来はそう言う物であるのだろう。

 約束…ね。
 草間武彦を筆頭に、多くの人と交わすいろいろな約束。
 それは例えば励ます為であったり、戒めるためであったりする。時には疲れる事もあるけれど…。
 しかしそのどれもが、お互いに信頼する者どうしで交わす真摯な約束であることをシュラインは幸せに思った。
「今はミドリさんと将来を約束したいわ…」
 ふいに五樹の漏らした声が聞こえてくると、思わず微笑んだ。
 

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【0086/シュライン・エマ/女/26/
       翻訳家&幽霊作家+時々草間興信所でバイト】
【0134/草壁・さくら  /女/999/ 骨董屋『櫻月堂』店員】
【0557/守屋・ミドリ  /女/23/       図書館司書】
【0703/神楽・五樹   /男/28/      大学助教授】

※整理番号順に並べさせていただきました。

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■         ライター通信          ■
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 大変お待たせいたしました。すみません。

 PC名で失礼いたします。
 神楽さん初めまして。
 守屋さん、再びお目にかかれて嬉しく思います。
 シュラインさん、草壁さんいつもありがとうございます。
 皆様この度はご参加ありがとうございました。

 設定や画像、他の方の依頼等参考に
 勝手に想像を膨らませた所が多々あると思います。
 イメージではないなどの御意見、
 御感想、などありましたらよろしくお願いします。
 
 それではまたお逢いできますことを祈って。

                 トキノ