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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


調査コードネーム:戦う草間猫  〜草間猫しりーず〜
執筆ライター  :水上雪乃
調査組織名   :草間興信所
募集予定人数  :1人〜3人

------<オープニング>--------------------------------------

 その日、親分の草間猫は不機嫌でした。
 大切な『鰹節』を奪われてしまったからです。
「にゅー 許せないにゅー」
 怒りの鼻息を噴き出しています。
 もちろん、怒っているだけでは解決しません。
 取り戻さなくてはならないのです。
 あの性悪な綾猫から、大切な『鰹節』を。
 しかし、魔法使いの綾猫はあまりにも強大。
 草間猫のグループでは勝てないかもしれません。
「うにゃ☆ 助っ人を集めるのにゃ☆」
 なんだかすごく良いことを思いついたみたいです。
「今度という今度は、目にもの見せてくれるにゃ! みんにゃ! 頑張って強いにゃんこを集めるのにゃ!!」
 一斉に部下猫たちが集会場を飛び出していきました。






※新シリーズです。
※童話風の、ほのぼのバトルシナリオです。
 草間猫を助けてあげてください。
 綾猫を助けるのもアリです。
※水上雪乃の新作シナリオは、通常、毎週月曜日と木曜日にアップされます。
 受付開始は午後8時からです。
※12月16日(月)19日(木)23日(祝)の新作アップは、著者、私事都合およびMT13執筆のため、お休みいたします。
 ご迷惑をお掛けして、申し訳ありません。

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戦う草間猫

 おひさまが、さんさんと輝いています。
 冬晴れの午後。
 コートの襟を立てて歩く人間たちを見下ろしながら、塀の上を猫が歩いていました。
 ふわふわと長い茶色の毛皮。黒曜石のような瞳。
 綾猫です。
 この界隈を仕切るボス猫のひとりで、今日もパトロールをしているのです。
「うにゃ☆ このまちの平和はわたしが守るにゃ」
 気合いも充分なようですね。
 なにしろ冬になると、いろいろな犯罪が起こります。
 なわばり荒らしなどは最たるものですが、そのほかにも盗難なんかも増えたりします。
「ごはんが減っちゃうからなのにゃ。暗くて寒くてお腹がすいてると、にゃんこもロクなことを考えないのにゃ」
 まったくその通りです。
 でも、食事の心配をまったくしなくていい綾猫が言っても、あんまり説得力はないかもしれません。
「食べ物は人間に貢がせるのが一番なのにゃ☆ みんにゃ可愛さで人間をローラクするのが良いのにゃ」
 なかなか高飛車なことを言っています。
 まあ、ペルシャのプライドというやつでしょうか。
「ところが、そんな悠長なことを言ってる場合じゃにゃいみたいだぜ」
 そんな声が聞こえ、柿の木の枝からシュタッと虎柄の猫が舞い降りてきました。
 引き締まった身体と赤い瞳を持った男盛りの灰滋猫。
「どうしたのにゃ? はいじ」
 こころなしか嬉しそうに、綾猫がすり寄っていきます。
 ふたりはこれでも恋人なのです。
 綾猫の方がちょっとだけお姉さんですが。
「じつはさっきシュラインに会ったんだがにゃ‥‥」
 灰滋猫も嬉しそうにひげを動かしながら、でも真面目な顔で話はじめました。
「どうも武猫の鰹節が盗まれたらしいんだにゃ。で、犯猫は綾ってことになってるにゃ」
「にゃあ? わたし武彦の鰹節にゃんて取ってにゃいよ」
「ふにゅう‥‥俺はてっきり、綾がまた弱いものいじめをしたにょかと‥‥」
「そんなことしにゃいもん」
 ちょっと機嫌が悪くなってしまいました。
 綾猫はみんなを守るボス猫なのです。
 どうして他猫様のものを盗んだりするでしょう。
「すみゃんすみゃん」
 すかさず灰滋猫が謝ります。
 いまでこそ少し落ち着いた綾猫ですが、ちょっと前まではケンカクイーンとして鳴らしていたものです。
 無闇に機嫌を損ねてよいものではありません。
「まあ、とにかく、もうちょっと詳しく聞かせるにゃ」
 ちょん、と鼻先をくっつけられ、すぐに機嫌と判断力を回復した綾猫が、やや真面目に訊ねました。
 バカでボケでネズミ以下の草間猫ですが、一応あれでもリーダー猫のひとりです。
 そう簡単に出し抜かれることがあるとは思えません。
 そんなことができるものがいるとすれば、
「わたしか‥‥一樹にゃか‥‥秀人にゃか‥‥」
 いくつか候補が浮かびました。
 でも、飢えている猫は、その中に含まれません。
 いくらなんでも貧乏王の草間猫から食糧を奪うほど、落ちぶれてはいないはずです。
「とにゃると、愉快犯‥‥まさか新規勢力とか‥‥?」
 やや深刻に毛繕いを始める綾猫。
 心配そうに灰滋猫が見守っていました。


「一樹にゃん。一樹にゃん」
 下から声が聞こえ、むくりと武神猫は身を起こしました。
 けっかくのインディアンサマー。
 屋根の上で昼寝をしようと思っていたのに、どこの慮外者でしょう。
 はちわれ模様の顔を軽く撫で、武神猫はてくてくと縁に近づきます。
「にゃんだ。シュラインじゃにゃいか。どうしたんだ?」
 軒下から見上げていたのは、真っ白い身体と青い目のシュライン猫でした。
 なんだか、少ししょんぼりしてるみたいです。
「待ってろ。すぐそっちに行くから」
 言って、武神猫は器用な身のこなしで友達の側に着地しました。
「どうしたんだ? いったい」
「あのね‥‥」
 どことなく言いづらそうなシュライン猫。
「にゅ?」
「あのね‥‥武彦にゃんがね‥‥鰹節を綾にゃんに盗まれたって怒ってるの」
「むにゅう」
「それで、武彦にゃんが綾にゃんと戦うって‥‥」
「にゃふ」
 思慮深そうに武神猫が前足を舐めます。
 喧嘩などしても痛いしお腹がすくし、良いことなどひとつもありません。
 どうもあのふたりは喧嘩を楽しんでいる節がありますが、巻き込まれる方は迷惑な話です。
「いい加減にすればいいのににゃ。あの二人が喧嘩をすると隣町のアイツが喜ぶだけにゃのに」
「にゅ? どういうことにゃ?」
「にゃんでもない。さしあたり、草間にあって話を訊いてみるにゃ」
 ほてほてと歩き出します。
 ちょっとだけ遅れてシュライン猫が続きました。
「いつもごめんにゃさい。一樹にゃん」
「いいにゃ。これも腐れ縁にゃ」
 にやりと笑って見せます。
 とっても頼りになる武神猫でした。


 そのころ、草間猫もまた、頼りになる助っ人をゲットしていました。
「よくきてくれたににゃ。おみゃえが来てくれたら百人力だにゃ」
 大げさなことを言いながら、大げさに抱きついている相手は、
「お礼は形で欲しいにゃ」
 けっこう冷めてたりします。
 ハンターみたいに引き締まった茶色い身体。深い森のような緑の瞳。
 啓斗猫といいます。
 双子の弟と一緒に晩ご飯を探しているところを草間猫の手下にスカウトされ、連れてこられました。
「にゅ。判ってるにゃ。ちゃんと鰹節を一割やるにゃ」
「‥‥にょい(御意)」
 ちょっと時代がかった仕草なのは、啓斗猫が忍者猫だからです。
 どうして忍者だと大時代的になるんだ? などど訊いてはいけませんよ。
 趣味の問題なんですから。
「にゅふふ。今度という今度は綾猫に勝つにゃ!」
 草間猫が宣言すると、部下猫たちが一斉に鬨の声をあげました。
 ひとりだけ唱和せず、啓斗猫は黙々と爪研ぎをしています。
 そう。
 たたかいはもう始まっているのです。
 爪と牙を磨き上げ、戦場に向かいましょう。
 準備を怠るものが最終的な勝利者になったことは、歴史上、一度もないのですから。
「北斗‥‥まってるにゃ。もうすぐお兄にゃんが、ごちそうをもって帰るにゃ‥‥」
 研ぎ終わった爪が、ぎらりと光ります。
 なんだかすごく強そうです。
 ええと‥‥「傘張り浪人」のように、というあたりでしょうか?
 ふむふむと頷く草間猫。
 よくわからない感想ですが、ツッコミを入れてはいけません。
 なにせ草間猫ですから。


 そして決戦の日。
 すでに草間猫の軍勢は、空き地に布陣を終えています。
 その数じつに二〇匹。
 なかなかの大部隊です。
 一糸も乱れぬ陣形で‥‥といいたいところですが、配置はけっこうでたらめです。
 まあ、猫ですから集団行動は苦手なのかもしれません。
 ともあれ、数の上では綾猫の一派を大きく凌駕するはずです。
「断固として勝つにゃ!」
 鼻息を吹き上げる草間猫。
 やれやれ、と、啓斗猫が尻尾を振りました。
 覚悟だけで勝てるなら、世の中に負け戦など存在しません。
 綾猫というのがどれほど強いか判りませんが、
「力押しだけで勝てる相手なのかにゃ?」
 ぼそりと呟きます。
 聞くところによると、綾猫のグループの兵隊は一〇人もいないといいます。
 あとは、女性と子供だけです。
 にもかかわらず、綾猫の勢力圏は小揺るぎもせず健在なのです。
 これは、よほどの強者が顔を揃えているからなのでしょう。
 単に数で上回ったからといって、それだけで勝てるとは思えません。
「やっぱり奇襲しかにゃいかな‥‥」
 独り言のようにいうと、啓斗猫は土管の中に伏兵します。
 これぞ土管遁の術☆
 それほど立派なものでもないですが。

 やがて、綾猫たちが姿を現しました。
「たったふたりで来るとはいい度胸だにゃ! それとも、俺たちをそこまで嘗めてるのにゃ?」
 草間猫が大見栄を切りました。
 なんか悪役みたいです。
「そうじゃないにょ。わたしの話を聞いてにょ。武彦」
「この期に及んで言い訳とは見苦しいにゃ」
「言い訳じゃないにょ。わたしはホントに武彦の鰹節なんてとってにゃいよ‥‥」
「問答無用にゃ! 俺の鰹節を返すにゃ!!」
 さっと前足を振り上げると、兵隊猫たちが一斉に綾猫に襲いかかります。
『うにゃにゃにゃにゃ〜〜』
 と、喊声をあげながら。
「もう! わからずにゃ!!」
 身構える綾猫。
 でも、数の差は二〇対一です。
 あわれ綾猫はやっつけられてしまうのでしょうか?
 と、そのとき、彼女に影のように付き従っていた虎柄の猫が動きました。
 灰滋猫です。
「俺の綾に手を出してみにょ! てめえら、一人残らず黄泉平坂に送ってやるからにゃ!!」
 猛烈な勢いで唸り声をあげます。
 兵隊猫たちがたたらを踏みました。
 あまりの迫力にたじろいだのです。
「いまにょ! みんにゃ!!」
 綾猫が、ぴぃんと尻尾を立てました。
 すると、草間猫の軍勢の左右から、なんと綾猫軍の兵隊が現れ、突撃してくるではありませんか。
 数は一〇にも届きませんが、三浦猫やサトル猫といった一騎当千の強者たちで構成された超精鋭部隊です。
 質が違いすぎます。
 そう。
 綾猫は、たったふたりでのこのこ敵陣を訪れるほど愚かな猫ではなかったのです。
 話し合いで解決できなかった場合に備え、ちゃんと兵力を伏せていたのでした。
「こしゃくにゃ小娘め〜〜」
 地団駄を踏む草間猫。
「おんなじ歳にょくせに〜〜」
 言い返す綾猫。
 そうこうしている間にも、両軍は衝突しました。
「うにゃ〜!」
「にぱぱぱぱぱ!!」
「きしゃ〜」
「ふか〜」
 勇ましく猛々しい声が、戦場に木霊します。
 飛び交う猫パンチ。
 荒れ狂う猫キック。
 戦場は、血生臭さたけなわとなってきました。
 一滴の血も流れていませんが。
「ふ‥‥綾猫というにゃんこ‥‥にゃかにゃかやるにゃ‥‥」
 ごく小さな呟きが土管の内壁に跳ね返って消えました。
 緑の瞳が、じっと戦場見つめています。
 まるで総大将を虎視眈々と狙う忍びのように。
「でも、たったひとつの誤算は‥‥」
 にやりと笑います。
 そして、
「俺がいたことにゃ!!」
 土管から飛び出した啓斗猫が、一直線に綾猫を目指しました。
「お命頂戴なのにゃ!」
 閃いたパンチが綾猫に迫り‥‥
「させるにゃ!!」
 灰滋猫の放ったキックと交錯します。
「ち!」
 空中で二転三転と回転し、すちゃっと着地する啓斗猫。
 失望が、瞳のあたりにたゆたっていました。
 まさか邪魔が入るとは。
「綾は俺が守る。小指の先も触れさせにゃいぜ」
 なんだか決めポーズを取っている灰滋猫。
 ふん、と、啓斗猫が鼻先で笑い飛ばしました。
「俺とやるってのにゃ?」
「降りかかる火の粉は払うだけにゃ」
 どうじに動く二人。
「にゃつまきにゃんぷうきゃく〜〜」
 竜巻のように回転しながら、啓斗猫の蹴りが繰り出されます。
「うにゃにゃにゃん!」
 それを大きくのけぞってかわす灰滋猫。
「ニャトリックスみたいにゃアクションだにゃあ」
 やたらと悠長な感想を、綾猫が漏らしました。
 それどころでは無いはずなのですが。
「ぼけっとしてにゃいで、はやくこのバカ騒ぎをやめさせるにゃ」
「そーにゃ」
 いきなり声が聞こえ、綾猫の耳がぴくぴく動きます。
 振り向いた先には、
「一樹にゃ!? シュラインにゃ!? どうしてここに」
 はちわれ模様の猫と白い猫が立っていました。
 苦笑を浮かべながら。


 戦いは終息にむかっていきます。
 はちわれの調停者の計らいで、綾猫が軍を退き始めたからです。
 この場合、草間猫に働きかけても無意味なのでした。
 敗勢のはっきりした軍勢から講和を申し出ても笑殺されるだけなのですから。
 正直いって、草間猫の軍団でまともの戦えていたのは啓斗猫だけであり、時間の経過とともに、あとは追いつめられていくだけだったでしょう。
「武彦にゃん! 大丈夫にゃ!」
 シュライン猫が、草間猫に駆け寄ります。
「にょ‥‥シュライン‥‥」
 元気なく草間猫が応えました。
 また負けたのです。
 倍以上の数を揃えながら。
 鰹節も取り戻せませんでした。
「ごめんにゃ‥‥シュライン‥‥」
 なぜか謝る草間猫。
 シュライン猫が身体をすり寄せ、草間猫の傷を舐めはじめました。
「どうして謝るにゃ? 武彦にゃん」
 怪訝そうな顔で訊ねます。
「クリスマスに‥‥シュラインと食べようと思ってたのににゃ‥‥」
「私プレゼントにゃんかいらにゃいよ‥‥武彦にゃんが側にいてくれたら‥‥」
「シュライン‥‥」
「武彦にゃん‥‥」
 なんだか、バカバカしいほど良いムードです。
 とりあえず当分は現実世界(こっち)には帰ってきてくれないでしょう。
「にゃかにゃかやるにゃ。おめぇ」
「アンタこそ、けっこー良い動きだったにゃ」
 他方、灰滋猫と啓斗猫の間にも、友誼めいたものが生まれていました。
 本気で肉球を交えたものだけに芽生える、相手を尊敬する気持ちというやつです。
「おれは灰滋だ。おめぇほど強い猫は初めて見たにゃ」
「灰滋か。俺は啓斗。よろしくな」
 握手が交わされます。
「ところで、言っておくが鰹節を盗んだのは綾じゃねぇぜ」
「たたかって判った。アンタらほど漢たちが従う女が、盗みなんかするわけないにゃ」
 にやりと笑い合う猫戦士たち。
 穏やかな空気が漂っていました。
「でも、いったい誰が武彦の鰹節を盗んだにょかしら?」
 綾猫が小首をかしげます。
「それ以前にょ問題として、よく草間みたいな貧乏猫が鰹節なんてもってたにゃ」
 いつの間にか側に寄ってきた武神猫が、当然の疑問を呈しました。
 たしかに、草間猫が鰹節みたいな高級品を持っているというのも、おかしな話です。
「そうにゃあ」
「そしてここに、とある領収書があるにゃ」
 言って、武神猫が背負った風呂敷から紙切れを取り出しました。
「にゅ?」
 まじまじと綾猫が見つめます。
「シュラインから話を聞いて、少し調べてみたんにゃ。そしたらこれが草間の寝床からでてきたのにゃ」
「えーと、嘘八百屋にゃの領収書にゃのね‥‥鰹節とマタタビ酒、たしかに交換いたしました‥‥?」
「ま、そういうことにゃ。問題というやつには全て原因があるにゃ。その原因を解決してやれば問題は解決するのが道理というものなのにゃり」
 えらそうに頷く武神猫。
 ようするに、草間猫は鰹節を使ってマタタビ酒を手に入れたのです。
 で、そのマタタビ酒は何処へ消えたかというと、
「‥‥もちろん、武彦にゃんの胃袋のにゃかよね‥‥」
 シュライン猫の耳が、ぴくぴくと動いています。
「怒ってる怒ってる」
 綾猫が苦笑を浮かべました。
 まあ、普通は怒るでしょう。
 これだけ大騒ぎを起こしておきながら、じつは全部勘違いだったというオチでは。
「‥‥あれ? そうだったかにゃあ?」
 しかもマタタビに酔っていた草間猫は、どこかに記憶を落としてしまったようです。
「‥‥‥‥」
 圧倒的な沈黙が、空き地を満たしました。
「‥‥武彦にゃん☆」
 シュライン猫が笑います。
 怖いです。
 かなり。
「‥‥にょ?」
 ぎこちない笑顔を、草間猫が返しました。
「‥‥‥‥」
「あの‥‥シュライン‥‥?」
「‥‥星になれ♪」
 にこにこ笑顔のまま放たれたシュライン猫のコークスクリュー猫パンチ(肉球スペシャル)が、草間猫の顔面を的確に捉えました。
「おお〜 良く飛ぶにゃあ」
「たまにゃ〜」
「悪は滅びたにょ」
「ま、自業自得にゃり」
 灰滋猫、啓斗猫、綾猫、武神猫の順で、勝手なことを言ってるみたいです。
 暮れなずむ空、高く高く飛んだ草間猫がきらりと瞬きます。
 まるで一番星のように。
 そしてシュライン猫が、
「めでたしめでたしにゃん☆」
 とびきりの笑顔でウインクしました。






                          おしまい

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

0086/ シュライン・エマ /女  / 26 / 翻訳家 興信所事務員
  (しゅらいん・えま)
0173/ 武神・一樹    /男  / 30 / 骨董屋『櫻月堂』店主
  (たけがみ・かずき)
0143/ 巫・灰慈     /男  / 26 / フリーライター 浄化屋
  (かんなぎ・はいじ)
0554/ 守崎・啓斗    /男  / 17 / 高校生
  (もりさき・けいと)

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■         ライター通信          ■
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お待たせいたしました。
「戦う草間猫」お届けいたします。
ええと、今回はちょっと特殊なお話ですので、キャラクター名の表記が普段とは異なります。
楽しんでいただけたら幸いです。

それでは、またお会いできることを祈って。