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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


聖なる鐘

●一枚の手紙
12月、寒い冬にロマンチックな雪。
恋人たちのクリスマスそしてイブ。
子供たちへのサンタからの贈り物。


ある日、ゴーストネットの掲示板に気になる内容の書き込みを見つけた。



『題名:子供たち、恋人たちの鐘・・・』
「はじめまして。
私は毎年、クリスマスや年越しに鐘を鳴らす仕事をしてきました。
しかし最近の出来事なのですが鐘を打ち鳴らす所にある霊が住み着いて
いるようなのです。
鐘を拭こうと作業員に頼んだのですが怪我を負って帰ってきました。
なにやら話を聴くと霊を見たと・・・。
慌てて逃げてきたため怪我を負ったものだと思うので直接的な危害を
受けてはいません。
しかし・・この鐘を毎年必ず鳴らしてまいりました。

恋人たちや子供の想いを乗せてきました。
どうか、調査依頼、場合によっては退治・除化願いをよろしくお願いします。

                               榊 雪乃」


こんな内容だ。

●手がかり
神社を見つけた瞬間、一番初めに目に映る物は大きな高台にある塔の鐘だ。
何年と言う歴史を持っているのだろうか、少し寂れていた。
けしてそれは手入れがおろそかになっている訳ではないだろう。
その鐘を七森・沙耶(ななもり・さや)が神社の鳥居辺りから見上げ見とれていた。

「この辺で一度なにか事故はなかったか?」霧原・鏡二(きりはら・きょうじ)が尋ねる。
「事件ですか?」榊は箒の先端を顎の辺りにあてて聞き返すよう繰り返した。
何か気まずい質問でもしたのかと鏡二は少し焦った。
「す・・すみません。決して質問に答えたくないと言う訳ではありませんよ」
榊はこちらの反応に気づき即座に訂正した。
「ただ、思い当たらなくって・・。そんなに大きな事故などここ最近どころから数十年以上ないかと。噂もありませんし。」
「そうですか・・。」鏡二は肩を落とし返事を返した。沙耶と鏡二は少しでも情報が欲しかった所だか諦めて例の霊を見た従業員を訪れる事にした。
何よりも手がかりがなければ霊の説得どころか正体さえも分からないし危険を伴う危険性もあり得るため聞き込みは諦めたくない。



「どんな霊だったかって?」霊を見たと言う作業員たちが耳を傾けてくれた。
「少年・・どちらかと言うと男の子だったよな?」
「ああ、8歳〜10歳くらいだった気がするなー。何しろ俺らの気も相当動転していたし・・。
はっきり言って初めての体験だったってのもある。」
従業員の1人が苦笑いしながらそう告げた。
曖昧な情報だか子供という事には間違いない様だ。

「けど、毎年掃除しに行くのに今年になって初めて霊の存在に気づいたのですか?」
沙耶の素朴な質問に従業員たちは顔を見合わせた。
確かに言われてみればどうして今まで霊の存在に気付きもしなかった筈なのに突然今年になってその存在に気づいたのか。言ってみればおかしな話である。

「違う、違う。俺らは今年が初めてだよ。それに60年間くらい鐘の掃除をしていた人がいてさー、その人が亡くなってしまったんだ。もしかしたらその小父さんなら知っていたかも・・。けどその人先日亡くなったんだ。」
その発言に他の従業員が一枚紙を取り出した。
「良かったら地図かこうか?いちを場所は知っているし。」
鏡二と沙耶はその叔父さんの眠る墓への地図を手に入れた。
もしかすると少しでも手がかりになる物があるかもしれないと思いそこへ向かうことにした。


●彼の眠りし墓
「ここね!」沙耶はしゃがんで手を合わせた。
「沙耶・・残念みたいだな。この人は成仏しているみたいだ。」鏡二は沙耶の隣にしゃがみ拝みながら言った。
墓石に刻まれたその名は『2002.11.21 船橋道隆 永眠』と言う文字。
ずっと鐘の音を守り続けた人である。
「けど、それが本来あるべき姿。だから成仏した事に私たちは一切文句をいえませんね。」
そう霊が成仏する事が本来の自然とも呼べる循環だ。無に帰り新しい人生を無から初めまた新しい命と道を積み上げて行く。
「あの・・」突然後ろから女の声がした。15・6歳の少女だ。
「お祖父ちゃんのお知り合いの方ですか?」なんの疑いもなく少女は微笑みこちらに話しかけてきた。
鏡二と沙耶は立ち上がり一礼をした。すると少女も丁寧に返してきた。
「初めまして。私は沙耶、こちらは鏡二さん。私たちはある一つの依頼を受けて、貴方
のお祖父さんを頼って来たんですけど・・。貴方に少しお尋ねしてもかまいませんか?」
「ええ、少々急いでいますが構いませんよ。」
そう言うと少女は首を傾げこちらをじっと見てきた。
「俺たちは高台の上にある鐘の音を鳴らさせるためにここに来た。けど噂によると霊が住みついているらしく鐘の音をどうやら鳴らせないみたいだ。しかしその音を毎年鳴らしてきたあんたのお祖父さんのためにも鐘の音を鳴らしてやりといと思ってる。
だからなにかお祖父さんから聞いてないだろうか?」
少女は突然の質問に少し動揺を見せてはいたがすぐに答えてくれた。
「詳しくは覚えていないのですが、私が8歳くらいの時にお祖父ちゃんに鐘に住む少年のお話しを聞きました。とても仲良くしていたと聞いていましたが物語かと思っていたため私もそれしか覚えてません。」
少女は情報提供が出来ずすみませんと軽くお辞儀をした。そして去ろうとした時になにかを思い出した
のかこちらを振り返った。
「あっ!もう1つ。その少年はお祖父ちゃんの子供の頃と、うり二つだっていってました。まるで血の繋がっているようだって・・・」
そう告げると急いでいるのか再び少し早歩きでこの場を去った。
少女が見えなくなるため黙って2人は少女を見届けた。しかし2人に笑みはない。
「いい情報だよな。ただその少年が彼と仲が良かったのなら少し不安な事も予想できるな」
「鏡二・・それは・・つまり最悪の事態だと言う想定ですよね」
鏡二の言葉に沙耶が質問をした。
「沙耶も予想がつくか?」
「仲の良かったぶんだけ会えなくなると言う事は少年が情緒不安定に陥ると言う事がありうる・・ということですよね。」
沙耶は正直の所、戦闘はこのまず説得で解決させたいという気持ちの方が強い。
「そうだな。もしかすると戦うはめになるかもな。」
鏡二は沙耶の気持ちを読みとってか優しく頭を軽く撫でた。
つらい選択になるかも知れないが最悪な事態を頭の片隅にいれて2人は墓を後にした。


●偽りの心と真実の心
「さてっ・・準備万全!!」
鏡二は気合を一つ入れて言った。これから鐘のある所まで階段を上らなくてはいけない。
目の前にする意外と高い塔と鐘に沙耶は圧倒された。階段はグルグル巻きになっており狭いが相当の歩数が必要だ。
鏡二と沙耶は長い階段を登り始めた。登っても登ってもはっきり言って同じ光景。
大きな壁に阻まれ景色も見えずただ同じ光景を同じように歩く。
そしてやっと目の前に光が見えてきた。
「はぁはぁ・・疲れたーー」
沙耶が鐘の前につき巨大な美しい景色に目を奪われながら大きく背伸びした。
塔から見える景色は巨大な大海原の海、山、町・・・すべての物が自分の物になったかのように思えるくらい圧倒される景色だ。
「沙耶誰かいるか?」
鏡二の言葉に沙耶は我を忘れていた自分を取り戻した。そして辺りを見渡すが誰もいない。
「いいえ、誰もいない様です。鏡二・・」沙耶がそう答えようと振り向くと見知らぬ少年がこちらを見ていた。

『・・・あんた誰?』
幼い少年は沙耶にこう尋ねてきた。


「んん・・しっかしいい景色だな」鏡二は背を伸ばしながら言い後ろを振り向いた。
「「鏡二、誰かいましたか?」」沙耶が目の前に居て鏡二は少し驚き焦った。
「ううん・・誰も・・いないみたいだな」
「「そうですか。では後日もう一度来ますか?」」
鏡二は沙耶に違和感を感じた。なんだかさっきまでの沙耶と何か違う。もっと暖かい目をしていた気がする。それにもっと優しい感じをしているはず・・。
目の前にいるのは確かに沙耶であることに間違えはない。ではなにがそんなに違和感を与えるのだろう。
「・・沙耶?」
「「なんですか?」」
「あんた・・誰??」
沙耶と距離を空け鏡二は眉間にしわを寄せそう尋ねた。
「「えっ?」」
沙耶は突然の言葉になにを言い出すのかと驚いた。
「あんた沙耶じゃないだろ?」
「「なに・・・言ってるんですか?」」
警戒してくる鏡二に沙耶はくすくすと笑い微笑した。
次の瞬間大きな風が吹荒れ沙耶の頬をかすめバランスを崩しかけた。流石の沙耶も笑顔ではいられない。

『・・・あんたすごいな。俺の正体をきっちり見抜くなんて。』

沙耶の体は宙に浮いていた。恐らく沙耶の体の中に入った霊の力だろう。
「沙耶の体から離れろ!」
鏡二は霊に向かって忠告のように見上げて発した。
『でも、この人はあっさり俺のこと受け入れたようだけど?』
「どういう意味だ・・」

-----数分前
「どうしてここに住み着いちゃったの?私たちはクリスマスの夜やお正月にこの鐘を鳴らしたいの。あの・・わかってくれますよね?」
少年は軽く微笑み沙耶の言葉に耳を傾けた。
『うーん・・・気づいたらここに居た。俺はおじさんを待っているんだけどどうやら会えそうもないみたいだな。あんたらここに来たってことは・・・』
「けど分かってくれますよね?皆の想いを守ってあげたいの!!」
『分かるよ。じゃー俺のお願い一つだけ聞いてよ。そしたら成仏できそうだし』
「本当?」
『うん』
嬉しそうに聴く沙耶に少年は微笑んだ。

----現在----
『どんな霊も必ずしもいい霊とは限らない・・だから成仏させる。奇麗事だと思わない?無理やり成仏させられた霊ほど悲しい物はないよ。』
まるで過去に成仏されたかのような口調で少年は言った。沙耶は比較的信じやすく相手を悪だと思わないタイプなのでそれを少年は利用したのだ。
「俺の名は霧原鏡二。お前の名は?」
『そんなもの知ってもなんの徳にもならないよ』
耳を傾けるものの無関心に答える少年に鏡二は違う質問をする事にした。
「あんたがこの世に残っている理由はなんだ?」
鏡二は少し落ち着いて少年に尋ねた。そもそもこの世に残る霊にはそれなりの成仏できぬ理由が存在する。
『さー。ボク自身もはっきり言ってわからない。ただ・・この景色が好き。それだけだ・・それなのに成仏が必要なのかなって思ってさ・・・』
「別に害がない者を成仏させようとは思っていない」
そう答える鏡二の顔を見て少年は少し冷たいような目をしたように見えた。
『・・信じられない。似たような事を言われてボクと一緒に居た奴は攻撃され苦しみこの世を去った。だから誰も寄せ付けるつもりはなかったんだけどあの人が優しくしるもんだから・・』
「船橋道隆?」
鏡二の言葉に少年は反応した。ずばり的中だ。もともと少年は心優しかった筈だ。それを繋ぎ止めていたのが小父さんだったのなら少年の中でもしかすると歯止めが利かなくなっているかもしれない。
「じゃー何故、沙耶を殺さない?」
本当に誰も寄せ付けたくないほどの憎悪があるのならば体を取り込むなんていう面倒くさいことよりもよほど殺した方が早いだろう。
『別に殺したりはしないよ。彼女自身優しすぎてボクには重たすぎる・・。』
優しい考えを持っている少年なのに鏡二を警戒しているためか沙耶の体から離れようとはしない。
その為下手に攻撃ができない。攻撃した所で沙耶が傷ついてしまうだけだ。そのためどうしても彼に納得のいく説得が必要だ。
『誰かを守ろうなんて思ってたら犠牲が増えるだけだよ』
まるですべてを見透かしたように少年はそう言葉を発した。
鏡二は少しの間無言になった。その間ただ風の音だけが耳に響いた。
「・・・それもそうだな・・。」
俯いて答えた鏡二だが確かにそう言った。予想もしていなかった言葉に少年はビックリした表情を見せたがすぐにまた笑みをこぼした。
『へぇー、だったらこの体に攻撃すればいい。ボクは痛いって言う程度ですむけど彼女の体から抜け出した時、彼女は傷ついて最悪死ぬかもなー。それに沙耶は私に構わず霊を倒して欲しいっていってるけど?』
淡々と少年はそういうが鏡二にはどうしてもそれが少年の本心には思えなかった。
そもそも沙耶が本当にどうしようもない悪霊なら受け入れはしないだろう。きっと少年のどこかにある優しさを見たのだろうと思う。自分の直感と沙耶の直感、それを信じたい所だ。いや、一か八かの勝負!沙耶の見る目を信じようと鏡二は心に誓った。
鏡二は左手に埋め込まれたアメジストの「悪魔の卵」を少年の方へ向けた。
風精霊呼び出し緩やかなその風を疾風へと牙をむかせ少年に攻撃する。
『なっ!!』
少年は慌てて沙耶から体を離し攻撃を受け止めた。そのせいで沙耶の体は空中から地面へと向かって落ちていく。
少年が急いで助けに行こうと沙耶に手を伸ばす。しかし沙耶は気を失っており人形のように落ちていく。
間にあわないと思い少年は目をぎゅっと瞑った。
「風精霊ウェルザ!」
鏡二の一言で沙耶の周りに風がおき地面ギリギリの所で沙耶の体が浮きゆっくりと地面に下ろした。
「っっあぶね・・まじやばいかと思った・・」
沙耶の安全を確認するとその場に鏡二は腰を下ろし脱力した。
『・・・なんで?そこまでして彼女を助けたかったの?』
「なに言ってんだか。お前もそうだっただろ?沙耶から体を反射的に離した」
『そうだな。結局ボクは完全な悪霊にはなれないみたいだ』
少年は座りこんでいる鏡二の前でちゃんと地面に足をつけ前に立った。もしかすると初めて目を合わせたかもしれない。
それは先ほどとうって変わって温かい目で優しい霊気さえも感じられるほどだ。
『あんたたちは不思議な人だな。沙耶もそうだが鏡二も不思議だ。』
鏡二の頭にそっと触れて少年はそう言った。
「・・・もう一度きいてもいいか?」
『なにを?』
少年は首を傾げじっと優しい目で鏡二を見つめた。
「貴方の名前は?」
その時後ろから沙耶の声が聞こえた。その声に2人は振り向き沙耶のほうを見た。
「鏡二と同じ質問。貴方の名前をなんですか?」
確かに鏡二も沙耶と同じ質問をしようとしていたのは間違えない。
「沙耶!動いて大丈夫なのか?・・衝撃はくらっただろう?」
鏡二は心配して沙耶の元に近づきかすり傷を負わせてしまった頬を気にした。
「大丈夫。かすり傷程度だよ。鏡二のお陰で助かりました。傷も全然残りそうにもないようですし。」
沙耶は鏡二と少年に笑顔で元気な姿を見せた。少年と鏡二は沙耶の反応にほっと胸を撫で下ろした。
「それで?・・・あんたの名は?」
再び鏡二が繰り返す。そして少年は1度目の質問の時みたいに『「そんなこと知ってもなんの徳にもならない」』なんて言う言葉はなんて吐かなかった。
少年が吐いた言葉は名前だ。
『船橋 瀬乃』
その名に2人は驚きと動揺を隠せなかった。
「「「えっ???」」」
2人はこの事件に関わってからと言うもの、よく耳にしおまけに一番関係の深かい小父さんの名字と同じである。
『そんなに驚かなくっても・・。ボクは君らの言うおじさんの兄。ってもおじさん気付かないだろうね。
もともと小さい頃にボクは病死で死んだんだ。だからボクのこと覚えてないだろうからね。』
その言葉に沙耶が少女の言った言葉を思い出し反論した。
「そんなことないです!だって・・だって小父さんは貴方の事血の繋がってるみたいだって・・」
沙耶が少年に必死に言った。
「もともと気付いてたんじゃないか?兄弟だって・・。そう言うのって言われなくても気付いたりするもんだと思うし・・。血の繋がりってそれほどやわなもんじゃないぞ。」
鏡二も沙耶と同じように少年の言葉に反論をした。
『・・だと嬉しいな。ボクはこの海も山も町も守って行きたい・・・。自分が自分らしくあるために・・いつか自分で成仏を望む日まで』
少年は宙に浮き大海原に手を伸ばし嬉しそうに行った。
「いいじゃない?俺らは害のない奴を無理やり消したりしない。」
「うん、私もそう思います」

鏡二と沙耶は少年にまた来るからと告げ塔を後にした。

●報告
「えっ?守護霊?」
榊が2人から聴いたのは悪霊ではなく守護霊という言葉だった。
「そうですか。なら安心です。」
以外にも榊は霊の存在を奇妙がらずに受け入れてくれた。
「けれどすべての人が守護霊だからって言って受け入れてくれないかも知れない。」
鏡二は榊の承諾は得たが掃除する人たちのことも考えそう言った。
誰しも心が広いとは限らないし霊を恐がらないとも限らない。
「あら、子供を虐めるなんて許せないわ!大丈夫!私がいるもの。文句なんていわせない。」
榊は笑顔でそういい心からそう言ってくれてると2人は安心した。
「彼の名は船橋・瀬乃くんです。」
沙耶からその名を聴いた榊は嬉しそうな顔をした。
「本当ですか?すごいです!小父様の血筋をもった方なのね♪小さい頃から小父様に世話になってたの。だからすごく嬉しいです。この神社に訪れる人たちや周りの人たちだって小父様にはものすごくお世話になりました。だから安心して!!皆暖かく見守ってくれるわ」
榊は本当に嬉しそうな顔をした。



【報告書:12月23日
 「聖なる鐘」事件無事解決。霊に関して:少年の名は「船橋 瀬乃」。我々は彼を守護霊としてこの報告書に示す。彼の優しき心は鐘、人々、山、海、木々、町を守ってくれるだろう。
これから1ヶ月間だけ霧原鏡二の扱う風精霊ウェルザを監視として随時報告を続ける。その時少年を本物の守護霊として彼を認め記録書に記す。

以上。
報告者:七森沙耶、霧原鏡二】




----その後----
「お兄ちゃんたちメリークリスマス♪」
沙耶は兄たちとクリスマスディナーを楽しんでいた。
今年のクリスマスは沙耶にとって特別でもあるかもしれない。
それはここまであの鐘の音が聞こえてくるからである。
風がここまで音を運びとどけ今まで以上に今年はその鐘が優しく耳に入ってくる。
「沙耶?どうした?」
兄が聞いてきた。
「なんでもないよ。ただ・・お兄ちゃんたちが私の恋人だなって思って」
沙耶は笑顔でそういい兄たちと素敵な食事のひと時を過ごした。



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0230/七森・沙耶(ななもり・さや)/女/17/高校生
1074/霧原・鏡二(きりはら・きょうじ)/男/25/エンジニア

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■         ライター通信          ■
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新年明けましておめでとうございます。葵桜です。
実のところ去年の間に納入したかったのですが間にあわずに
年を越してしまって申し訳ありません。(ヘコヘコ)
っと言うわけで今年初のライター通信になるわけですね。
二人は鐘の音の音は聞こえましたか??
それぞれによいクリスマス・お正月が過ごせたでしょうか?
今年は「「メールが遅れないーー!!」」って大一発に目に
ケータイに話しかける始末でした・・(苦笑)


それでは本年もよろしくお願いします。(ペコリ)
今年が2人にとって良いお年になる事を願って・・・(願掛け)

                    葵桜