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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡線・名も無き霧の街 MIST>
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少女がいた街
------<オープニング>--------------------------------------
娘は、大きくなりましたけれど、姿が変わっているので恥ずかしがって顔を外へ出しませんでした。けれど、一目その娘を見た人は、みんなびっくりするような美しい器量でありましたから、なかにはどうかしてその娘を見たいと思ってろうそくを買いにきたものもありました。
おじいさんや、おばあさんは、
「うちの娘は、内気で恥ずかしがりやだから、人さまの前には出ないのです」といっていました。
「こんな、人間並ではない自分をも、よく育てて、かわいがってくだすったご恩を忘れてはならない」と、娘は、老夫婦のやさしい心に感じて、大きな瞳をうるませたこともあります。
(小川未明/赤いろうそくと人魚)
職人小道に死人が出るようになった。
工房を構えていた匠から地元の買い物客など種類はばらばらだ。
彼らは元気そうに仕事、あるいは観光をしていた。夕暮れが近づくと、誰というわけでもなくぱたりと倒れる。そしてそのまま死んでしまう。一日にニ三人の割合で死んでいた。
ガーディアン本部へ連日運び込まれる死体。その中に、白と金を基調にした制服姿の死体も混ざるようになった。小道の調査任務に従事していた連中だった。
「ガーディアン内からも犠牲者が出た−−−街の人間は混乱している。一刻も早く我々の威信と彼らの平穏を取り戻さなくてはならない」
今日もまた太陽が落ちる。ヒルベルト・カーライルは五階建ての本部の頂点、巨大な窓から街を見下ろしていた。柑子色の光が町全体を切なく染め上げている。血を連想させる赤い夕日だった。
「使える『外』の人間を集めろ」
隊長室の入り口近くに立っていた、二メートルを超える身長にがっしりとした体つきの女性が頷いた。
自分の住んでいる場所から想像も出来ないほど、MISTは静まり返っていた。クリスマスという風習がないのか寒くて引きこもっていているのか、浅田幸弘にはわからない。東京を飾っている電飾やツリーが見なれているので、街道は寂しい印象だ。
静まりかえった冷たい街を歩くと、様々なことを考えさせる。革の手袋に覆われた手を、ロングコートのポケットに入れた。
と。
「むぎゅっ!」
突然、女の子が胸に飛び込んできた。
「大丈夫ですか?」
微笑んでみせると、少女は顔を赤くして小さく舌を出した。行動一つ一つが若さに溢れ可愛らしい。
「ちょっと考えごとしてて」
服装からして現地の子ではないらしい。学校帰りなのか、制服姿だ。
「観光?」
「そんなとこ」
「ご一緒してよろしいですか? ここは初めてなんです」
「もちろん☆」
どんとこい、と胸を叩いた。少女、月見里千里の話によると回数訪れているらしい。
「あたしはこれから職人小道に行こうと思ってたんだけど−−−」
「ではそこで」
幸弘はほんわりと白い息を吐いた。
霧が出やすい気候のせいか、寒さはじんわりと体に染み込んで骨を噛むようだ。空も薄曇、明るいとはいえない。小春日和は遠そうだった。
「入らないほうがいいって?」
中央街道から東に向かい、職人小道にたどり着いた二人。アーチのある入り口で止められ、千里は口を開いた。アーチの左右には白と金を基調としたロングコートを着た、ミストガーディアンと呼ばれる警察に似た職業の女性が、仁王立ちしている。
「界隈で死亡者が多発しています。自衛をなさってください」
新緑色の長い髪を纏め上げ、細いフレームの眼鏡をかけた女性が言う。
幸弘と千里はお互いを見た。
きっと飽きるほどの数説明しているのだろう、女性は滑らかに語った。
小道で謎の死者が出ていること。直接の死因は窒息死だが、原因はわかっていないこと。調査中だということ。そして−−−。
「入ったとしても工房はどこも閉まっていますよ」
「買い物できないじゃん!」
どうどう、と幸弘は千里をなだめる。
「目処はたっているんですか?」
「たっておりません」
「エンディエンヌってあなた?」
ぽんっと輪の中に第三者の言葉が投げかけられた。三人は声の主を見る、豊満な体の線を強調する、ぴたりとしたライダースーツに身を包んだ女性だった。女性は警察手帳のようなものを取り出して、エンディエンヌと呼ばれたガーディアンに見せる。皮の手帳の中に、金色の龍を模したエンブレムが収められている。
「調査に来た岬鏡花です。それとこっちが」
「自分で言う。御崎月斗」
ライダースーツの隣にはまだ幼い少年がいた。仏頂面で同じ手帳を提示する。二人の服装はMISTのそれとは異なっており、『外』の人間らしいことがわかった。
「話は伺っております。どうぞ」
エンディエンヌは二人のときとは違い、すっと道を譲る。
「なに? なになんで?」
排他的なガーディアンが『外』の人間を受け入れている。千里は目を白黒させた。しかも見知った顔だ。
「これはもう、あたしたちも調査して事件解決して、工房を開いてもらうしかないわ!」
「そうきますか」
仕方ない、違う場所へ行こうという言葉を予想していた幸弘はくすっと笑った。
「だってクリスマスまで時間ないもん!」
持ち前の穏やかな笑顔で、幸弘はライダースーツの女性の肩を叩いた。
「お話を伺ってもよろしいですか?」
アーチの横で立ち話。ライダースーツの女性岬鏡花と御崎月斗に説明を受け、いったん二人はガーディアンの本部に戻った。月斗たちが説明すると、すぐさま調査許可が下りたのは驚きだった。
「秘密警察っぽーい♪」
「だよねー」
千里と鏡花はにこにこしながら手帳を眺めている。
「では、ささっと犯人を処分してしまいましょう」
女性たちの笑顔が幸弘の言葉で消える。
「冗談です」
幸弘の隣に立っていた月斗は冷静に言葉を返す。
「調べるのも面倒だし怪しいやついたらささっと終わらせよう、とか考えてるだろ」
「そんなことはありません」
満面の笑み。
「いや思ってる。絶対思ってる」
「そんなことはありませんね」
「……」
「ね」
背中に霜が降りてくるようだ。笑顔を向けられているのに。月斗はそれ以上言うのをやめた。
「……気取り直して小道戻るか……」
何故か自分がしっかりしなくては、という思いに駆られた月斗だった。
「ここがアギレラ工房ですね?」
先頭を歩いていた幸弘が足を止めた。片手に持った地図と現在位置を確認する。蝋燭工房アギレラは鏡花たちが怪しいと思った場所らしい、まずそこから調査することにした。アギレラは一番最初の被害者を出した工房でもある。木を縦に並べて打ち付けたドアは硬く閉ざされており、屋根から垂れていた房飾りつきの紐を千里が引っ張ってみた。謎の死者がぼろぼろ出ているのだ、住民は怖くて仕方が無いだろう。化け物のほうがよっぽどいいのかもしれない。
からりんころりんと、カウベルのように鐘が鳴る。
数分して、頭上から声が落ちてきた。
「……どちら様ですか」
扉から数歩後ろに下がり、鏡花は視線を上にする。工房の二階、小さな出窓から女性が顔を覗かせていた。長い金髪を胸の辺りでゆるい三つ網にしている、控えめだが印象に残る美貌の人だった。怯えに揺れる琥珀色の瞳に、四人が映っている。
ふと。
花びらが雨のように降り注いでくる映像が瞳の中で閃いた。
女性が姿を表した瞬間から、甘く胸が締め付けられときめくような、狂おしさを描かせる香りが体をくすぐっていた。香水にしては濃厚だ、二階と地上を隔てても薫るとは。
「我々はこういう者です」」
胸を張りつつ千里が手帳を出したので残りもそれに習う。手帳の表紙は他のガーディアンの身分証明書と同じらしい。はぁ、と女性は頷いたが窓際から動く気配はない。扉を開けるつもりはないようだ。
「お話を聞きたいのでお邪魔してよろしいでしょうか?」
優しく幸弘が語りかける。
「それは……」
言葉に詰まる女性。千里が小さな声で囁いた。
「家の中に入れたくない理由があるのかなぁ。怪しいね」
「女性相手に無理もしたくありませんしね」
「貴方以外誰もいないの?」
鏡花の問いに表情をより曇らす。
「父も母も先週亡くなりました。その話はガーディアンの方々にしたはずです」
「ここでヒルベルトならなんて言うと思う?」
問われ、月斗は花鏡に答える。
「つべこべ言うな、ここを開けろ」
「……だよね……」
怯えた兎に無理を押し通すようで、四人の間にどうしようかというムードが漂う。その気遣いが彼女に届いたのか、
「外は寒いでしょう、中へお入りください」
と言った。
工房はがらんとしていた。真っ白い蝋燭が大小さまざまな姿を見せながら棚に並んでいる。棚は全て壁にはめ込まれて納まっており、部屋の真中に小皿が沢山並べられたテーブルがあるだけだった。月斗が小皿の中を覗くと、乾いてかぴかぴになった絵の具が入っていた。皿の数だけ色が出してある。
そしてくらくらするほど濃厚な花の香り。
濃すぎて頭がうねるようになるが、ずっと嗅いでいたいと思わせる。危ない薬のように肺に満ちてくる香り。外のときとは比較にならないほどだった。
「どうぞ」
強い芳香が流れた。盆を持った先ほどの女性が、五つのコーヒーカップを運んでくる。
足音がしない−−−。
幸弘が女性の足元を見ると、下半身はびっしりと紫色の鱗で覆われた太い蛇だった。
「!」
千里が一歩下がる。
「寒かったでしょう?」
悲しそうな笑みを零し、女性は四人にコーヒーを進めた。それぞれがカップに口をつけるのを、女性はじっと見つめている。それぞれ居心地の悪さを感じた。
「あの……私のこと、捕まえにきたんじゃないんですか?」
沈黙に耐えられなかったのか、女性が口を開いた。
「話を聞きに着ただけだって言ったじゃん」
ぶすっとしたまま月斗が答えると、そう、と鱗を撫でた。
「なんの匂い?」
部屋を見回すがこれといって花などは見つからない。鏡花は一番初めにコーヒーを飲み干した。話し掛けるたびに女性は縮こまってしまうようだ。
「匂いますか?」
うん、と千里が頷くと女性は手のひらを向けた。素直そうな手のひらから香りが強く放たれている。
「……貴方の体臭か」
「そうなんです……日を追うごと強くなって……」
「下半身のことも聞かせてもらっていいかしら」
「これは生まれつきなんです。私は捨て子だったので、詳しいことはわかりません」
冷たい部屋を見回し、家族といったものに敏感な幸弘はなるほどと思った。室内の荒れていないところや亡くなった両親が使っていたであろう絵の具を出してあることなど、まだ拭えないものがあるのだろう。
「多発している事件のことについては?」
「あまり知りません。最初の犠牲者が両親だったことぐらい……私は体がこうですので、外にでるなと育てられましたから……」
味わうように女性はコーヒーを飲み込んだ。
「これで、最後の豆もなくなった」
羽織っていたカーディガンからは驚くほど細い手首が覗いていた。線も細い、顔色も良いとはいえない。
「最後?」
千里の問いかけには答えず、四人は長い間話を聞いて家を出た。
ガーディアンの一室に戻ってきて、月斗と幸弘はああだこうだと相談を始めた。千里や鏡花が入ろうとすると一言で追い払われてしまう。二人はテーブルで静かな口調ながら熱い討論を重ねていた。
「男同士でなにやってんだか。やらしー」
ストーブに石炭を放り込み、乱暴に蓋を閉める。窓の外を眺めていた千里が、鏡花の側にやってきた。
「静かだと思ったら、雪降ってるよ!」
「本当?」
二人は窓際に並び、ひらひらと落ちてくる柔らかそうな羽根雪を愛でた。積もるにはまだ時間がかかるだろうが、石畳の道は黒から灰色、やがて白へと変っていく。
「ロマンチックねー」
はぁっと千里は窓ガラスに息を吐きかけ、曇った部分を指でなぞった。
「雪って一人で見るには綺麗過ぎるよね……」
育ててくれた両親に先立たれ、一人きりで雪を眺める女性。それを思い出し鏡花はなんと答えていいかわからなかった。
「最後の豆ってことはさ、食料がもうないってことだよね」
「調達できないんじゃない……?」
買い物にいける体ではない。
「じゃ食べ物持っていってあげなくちゃ!」
「こんばんはー」
明るい声が響いて、ガーディアン制服を着た少年が入ってきた。
「ご注文の軽食、持って来ましたよー……くっ?」
部屋に入った瞬間、少年が激しく咳き込んだ。
「大丈夫?!」
喉に何がが詰まっているような咳に、二人は駆け寄る。背中をさすったり上着のボタンを外したり。仮眠室のベッドに運んでから数分して、咳が収まった。
「ぜんそく?」
ベッドの脇に座り、千里が少年の髪を撫でる。触れるとまた激しく咳き込んだ。
「何か……香水つけてますか?」
むせて切れ切れに、少年が問う。鏡花は自分の手のひらや袖口を鼻に押し当てた。微かだが、女性の芳しい香りが残っていた。表情が凍りつく。
「いまいやーな予感が」
「同じく……」
がちゃっと扉が開く音に、二人は飛びそうに驚いた。
「どうやら解決しそうですよ」
相変わらず優しそうな笑顔の幸弘が入ってきた。案の定少年はまた咳き込む。
「苦しそうですね」
ニコニコしながら少し体を揺らしてみる。面白がっているらしい。
落ち着いたところで、少年を部屋から出した。彼にとってはここにいるのが一番体によくないらしい。
四人は運んできてもらったサンドイッチを食べながら、資料室に行った。
初めて入った資料室は真っ白な部屋だった。外注を受ける『外』の人間専用に用意されたらしい。その奥に玉座を思わせる巨大な椅子が置かれている。そして、闇が立ち上がったような巨大な人影が椅子に腰掛けていた。座っていても三メートルあるだろう身長は、どうやって部屋の中へ入って来たのか訪ねたくなる。男か女かわからないのは、普通顔がある部分、首から上が鳥の巣のように藁を巻きつけているからだ。引きずるような黒いローブで全身を多い、巨大な肩幅に鳥が止まっている。
右肩に左翼のない巨大な鳥。左肩に右翼のない巨大な鳥。くっくっと鳥特有の止まったり動いたりを繰り返しながら、四つの瞳は品定めをするように輝く。
被害者リストに目を通していた幸弘は、ぱさっと書類を膝の上に置いた。
「確かに、外の人間は死んでいない」
「あたしたちにはただいい匂いだったのにね」
「体質の違いじゃないか?」
月斗の一言に全員が頷く。
「半蛇に強烈な匂い」
「そしてメス。ってことはあれだ」
二匹がぴーぴーと喋る。
「ジーマだ」
「魔物だ」
「主に泉の近くに生息する、個体数が少ない為メスは強烈な芳香を放ってオスを集める。その香りは古来から香水として用いられてきたが、濃度を薄くしないと呼吸困難などを起こす。多くのハンターも命を落としたという」
四人の話を聞いた鳥は高らかに鳴いた。
「ってことは彼女をどうにかしない限り、被害は広がるということ」
重苦しいため息をつく鏡花。どうにかするとは、どうするのだ。多分彼女は知らずに人を殺めたことを知らない。突然他人に、貴方が生きているから人がばたばた死んでいるのですといわれたらどう思うだろう。しかも両親もその中にいるとしたら。
「言いたくない……」
千里が俯いた。
「でも誰かが言わなければならないでしょう。出来るだけ早くに」
冷たくきっぱりと言い放つ幸弘。それを優しさや厳しさと呼ぶか、相手の気持ちがわからないというかは、分かれるところかもしれない。
少しでも被害を少なくする為、四人は深夜霧が出ているにもかかわらず工房へ戻った。冬のせいか霧は上着を通して染み込んでくるようで、しっとりと肌が濡れる。数匹の魔物に襲われたが、雑魚ばかりで問題なかった。四人は言葉を交わすことなく黙々と進んでいく。手にしたカンテラの光が、列のように繋がっていた。
千里が白い吐息を零す。視界に、家の明かりが入った。本部から工房にくるまで、光りを一度も見なかった。扉の近くにあった窓を覗くと、先ほどの女性がテーブルに座って蝋燭を灯していた。棚にあった沢山の蝋燭を愛でるように、一つ一つ丁寧に火を入れている。ちらちらと揺れるおぼろげで暖かい光りが部屋を満たしていた。
視線に気づいたのか、工房の扉が開かれた。
「今晩は」
丁寧に挨拶する幸弘。女性も頭を下げる。
「綺麗ー」
部屋の中に通されて、鏡花はつい漏らした。蝋燭がただ沢山あるだけなのに、幻想的でうっとりしてしまう。揺らめく炎はこんなにも人を安心させるものだとは知らなかった。
「身辺整理をしていたんです。両親の残したものは全て使い切ろうと思って」
はかなげに笑う彼女に、月斗は言うべき言葉が見つからなかった。
その後のことは、ちょっと思い出したくない。
辛らつとも言える幸弘の先刻に女性は嘆き悲しみ、血を吐くように辛そうに泣いた。
「貴方が嘆いても死んだ人は戻ってきませんよ。これからをどうするか、考えたほうがいいのではないですか」
涙でぐしゃぐしゃになった顔を手で覆って、彼女は何も言わなかった。
拝啓 浅田幸弘様
お久しぶりです。その節はお世話になりました。
はじめ、私は貴方を恨みました。私の気持ちなんてわからないくせに、ひどいことばかり言う人だと思っていました。でも、今は感謝しています。あのとき教えてくれなければ、自分の罪も気づかなかったでしょう。
世の中には自分の犯した罪を知らない方もいます。贖罪は遠いですが罪を知ることが第一歩。私は幸せものです。
自分のことを知って−−−両親や沢山の人を殺めてしまったことを知って、死のうと何度も思いました。もとよりそのつもりでしたし……。
人を傷つけてまで生きたいとは思っていませんでした。
でも、千里さんが言ってくれた言葉のおかげで、今私はこうして手紙を書くことが出来ます。
東京は不思議な所で、生活道具の使い方もまだあまりよくわかりません。でも、鏡花さんが紹介してくれたところで働いています。私のような異形の人が沢山いるなんて、びっくりしました。さすがこの国で一番人が多いところですね。
同封した蝋燭は、私が作った物です。この国にある私が一番好きな花を蝋燭に描いて見ました。まだ両親のように上手くはありませんが、気に入ってくださると幸いです。
蝋燭職人に伝わる言葉があります。人は消えない蝋燭のように、誰かの心に灯る、と。同じデザインの蝋燭を家族や恋人同士で分けることにそういう意味があるんです。よろしければ誰かと分けてください。
とても、とても感謝しています。
この国の人は私の香りでも死ぬことはない。これからゆっくりと、殺めてしまった人たちのことを考えながら贖罪の道を探していこうと思います。
千里さんの言葉は忘れません。
誰かを傷つけて泣くことはないんだよ、外に出たら……。
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0767 / 浅田・幸弘 / 男性 / 19 / 大学生
0165 / 月見里・千里 / 女性 / 16 / 女子高校生
0852 / 岬・鏡花 / 女性 / 22 / 特殊機関員
0778 / 御崎・月斗 / 男性 / 12 / 陰陽師
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■ ライター通信 ■
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こんにちは、和泉基浦です。
依頼のご参加いただきありがとうございました。
今年最後の依頼となりますがいかがでしたでしょうか?
来年もまたお気に召しましたらご参加のほうよろしくお願いします。
お時間がありましたら他の方のノベルもご覧くださいませ。
冒頭に添えた文章は小川未明著、赤いろうそくと人魚からお借りしました。
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