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<東京怪談ウェブゲーム アトラス編集部>


消された名前

0.オープニング

今日来た手紙を読み終え、その中の一通を持って碇 麗香は椅子から立ち上がる。
傍から見れば真剣な表情で口元を押えて歩いているように見えるが……その実口
の端は笑みの形に成っているのを、編集部員は知って居た。
『来た!?あれが来たって事は、調査だ……』
編集部員長田 仁……やる時はやるが正直怖いものが苦手。そんな彼が、何故ア
トラスに居るのかは謎である。
背後に碇の気配を感じるが、気がつかない振りをして作業を続ける長田。ゆっく
りと気配が遠のく……ほっと溜息を吐いたその瞬間!
「長田君!これお願いね♪」
突如背後に気配が蘇り、碇の声と共に手紙が一枚机に置かれている。
「なっ!?俺ですか!?」
「そっ♪き・み♪」
振り返れば、ウインク一つ残して碇は颯爽と立ち去る。呆然と碇を見詰める長田
に他の編集部員はほっと溜息を吐くのだった。
「うう〜俺かよ……怖くないのであります様に……」
無理な話である。アトラスは怪奇を特集として居るのだ。手紙を取り出し読み始
める長田。手紙の文字は、然程年齢が行ってない事を物語る様に、稚拙だった。
そして、内容は驚くべきものであった。
『助けて下さい。私の名前が消えて行くんです。私の名前は、「御手洗 澄香」
と言います。私は、学校で良く名前の事で苛められます。この前、耐えかねてこ
んな名前要らないって言っちゃったんです。そしたら、「お前の名前俺が消して
やる」って声が聞こえて。その後は、何も無かったんですけど、次の日から変な
んです。何時も苛める子や、友達が私の名前を忘れるんです。最初は良いかもと
思って居たんですけど、その内先生や出席簿や下駄箱からも名前が消えて行くん
です。だんだん怖くなって……お願いします。助けて下さい。』
内容を読んで、長田は碇の元に駆けた。
「ちょっと待って下さいよ編集長!一人で出来る訳無いじゃないですか!?」
「大丈夫♪ちゃんと助っ人を呼んで上げるから♪」
すっごく楽しそうな碇を見て、長田は諦めた。ああなった碇は誰にも止められな
い。こうして、長田はこの調査をする羽目になった……

1.聖書を持つ男

  東京駅の中にある、喫茶店で長田は1人カプチーノを飲みながら、手元にあ
る写真の男を待っていた。写真を見るからに、どう見たって神父なのだが……碇
の人脈には本当に驚かされるばかりだ。だが、長田には一つの疑問が頭の中にあ
った。それは……
「何で何時も東京駅なんだろう?」
 過去何度もこう言った調査をして来た長田だが、助っ人と会うのは何時も東京
駅だった。別に東京駅が嫌いとかそういう意味ではない。むしろ、長田は東京駅
が好きだった。だから、別に良いには良いのだが、こう毎回だと少し気にはなっ
て来るのが人情だろう。しかし、長田の頭で答えも見付かる訳もなく、ひたすら
うんうん唸っているしかなかった。
「何をして居るのだ?」
 不意に声を掛けられ視線を上げれば、長髪に黒の神父服の男が目の前に立って
居た。右手には聖書を持ち、左手には何やら大きめの鞄を持っている。
「君が長田か?私は、瀬名 誉だ。」
 慌てて席を立ち、長田は名刺を差し出しながら自己紹介をする。
「初めまして、瀬名神父。仰る通り、俺が長田です。今回は宜しくお願いします。」
「挨拶は無用だ。時間が惜しい、早速行くぞ。」
 それだけ言うと、スタスタと喫茶店を出て行く瀬名を慌てて長田が追う。
「瀬名さん!こっちですよ!」
 長田の言葉に、瀬名は振り返り咳払い一つ、そして何事も無かった様に長田の
後を着いて行った。

 移動の車中は、重苦しい雰囲気に包まれていた。手紙を見せて欲しいとの瀬名
の言葉に、資料の中から手紙を引っ張り出し見せたは良いがその後瀬名ははずっ
と黙りこくったまま手紙を見詰めている。正直耐えられなくなって、長田が口を
開こうとした時、瀬名が口を開く。
「長田はこの事をどう思う?」
 唐突な質問に、長田は正直戸惑った。こんな質問をされるとは思ってみなかっ
たのだ。
「そうですね……正直有り得ない話しだと思ってます。だって、名前が消えるな
んてどう考えてもおかしいでしょう?記憶から消えるなら分りますけど、字まで
消えるなんてちょっと突拍子も無いですね。」
 長田の正直な意見だった。その言葉を瀬名は黙って聞いている。
「まあ、だからこそ調査する訳ですけど……瀬名さんは何か思う所が有るんです
か?」
「いや、別に無い。ただ言える事はある。」
「それは?」
「迷い、不安になる者を、正しく導くのが私の仕事だ。それだけだ。」
 真っ直ぐ前を見詰めて言う瀬名の言葉に、長田は少しだけ溜息を吐いた。

2.御手洗 澄香

 差出人である御手洗 澄香が住む家は、割とあっさり見付かった。集合住宅ら
しく、手紙にちゃんと棟の名前が記載されていたからだ。記載されて居る部屋番
号の集合ポストの表札を見てみるが、澄香の名前は無かった。両親の名前と思し
物の下には、二つの名前があるのだが、その二つの名前の間には不自然な空きが
ある。長田は息を呑んだ。慌てて、手紙を開いて見て見たが、そこには確かに書
いて有った筈の名前が無くなっていた。
「名前が……」
 長田のその言葉に、瀬名は口を開く。
「だから聞いたのだ、『どう思うか』と。これが現実だ。」
 瀬名の言葉に、何も言い返す言葉も無く長田は手紙を見詰め続ける。確かに有
った名前が忽然と消えるなど正直信じて居なかったのだが、突付けられた現実は
長田に認識せざるを得ない事を告げていた。
「目の前に起こっている事から目を背けるな。事実は事実として受け止めろ。人
が住む世界は、人だけの物では無い……覚えておけ。」
 それだけ言うと階段を登り始める瀬名を、長田は手紙を元に戻し後を追った。
突付けられた現実をどう受け止めて良いのか……悩む長田とは裏腹に瀬名は何食
わぬ顔で目的のドアの前に立つ。インターフォンを軽く一回押すと、「は〜い。」
と言う声と共にドアが開く。目の前に立って居るのは、恐らく澄香のお姉さんな
のだろう、学校から帰ったばかりらしく制服を着ている。ドアの前に立つ2人を
見詰め少々緊張しながら彼女は口を開いた。
「あの……どちら様でしょう?」
「失礼。俺は長田 仁。月刊アトラスの編集員をしています。こちらは、瀬名神
父。澄香さんからお手紙を頂いてお話を伺いに来ました。澄香さんは居られます
か?」
 笑顔を作り丁寧な紹介と用事を言う長田だったが、彼女の表情に些か驚いた。
澄香の名前は、彼女にとって妹の名前の筈……にも拘らず彼女は少し考え込む様
な様を見せたのだ。瀬名もその反応に、眉をピクリとさせた。
「あっ!?はい、澄香なら居ますよ。ちょっと待って下さいね。」
 何処か落ち着かない様子を残して、彼女は奥へと消える。少し待つと、何処か
元気の無い女の子が奥から現れた。短めの髪は、どちらかと言うと活発的な子だ
ろう事を示唆する物だが、その髪は些か元気が無い。目も落ち窪み顔色は蒼白で
とても辛そうに見えた。
「澄香……ちゃん……?」
 おずおずと問う長田の言葉に、少女・澄香は少しだけ頷いた。瀬名は澄香の前
に行くと、そっと頭を撫でてやる。不意な事に、驚いて瀬名を見詰める澄香に瀬
名は言う。
「安心しろ。私が、君を助ける。」
 普通の人が聞けば、何気ない一言だろう。だが、澄香は瀬名にしがみ付くと大
声で泣き始めた。そんな澄香を、瀬名は黙って受け止め優しく頭を撫でていた。

3.消え行く存在

「これ……見て……」
 そう言って差し出された澄香の右手。そこに、在るべき筈の指は存在していな
かった。長田は目を背け、瀬名は眉をしかめた。握ったり開いたりして居るのだ
ろう、時折手の平が凹んだりして居るのを見るとまだ感覚は残っている様だ。だ
が、小指の部分にだけその凹みは見られない。
「何時頃からなのだ?指が消えたのは。」
 瀬名の問いに、俯き澄香は答えた。
「……一週間前……最初は親指……次は人差し指……どんどん消えて行った……
最後の小指が消えたのが昨日……今日は小指の感じがしないの……」
 再び涙が溢れ出す目を、澄香は袖で必死に拭う。不安と恐怖……誰に相談出来
る訳でもなくただ耐えて来た少女の苦しみと悲しみの涙だ。
「左手はどうなのだ?左手はまだ大丈夫なのか?」
「左手はまだ大丈夫……でも、多分消えちゃう……」
 その言葉を聞いた瀬名は、ある物を澄香の前に差し出した。それは、一本のマ
ジックだった。
「握れるか?」
 だが、澄香は首を振る。
「駄目……握れないの……指の感じは有るけど……取ろうとしても取れない……」
「利き手は?右か?」
「うん……」
「なるほどな……」
 澄香の前からマジックを鞄に仕舞いながら、瀬名は呟いた。その言葉に、長田
は反応する。
「何か分ったんですか?」
「私の予測が外れてなければ、恐らく……字を書かせない為だ。」
 瀬名の言葉に、2人ははっとする。
「そっそうか!他人は記憶を消せば名前を書く事は無い。忘れてしまえば、それ
で終わり。だけど、澄香ちゃん本人は自分の名前を忘れる訳が無い!だから、指
を消したのか!」
「でも……そしたら何で私を消さないの?その方が早いよ?」
 澄香の言葉に長田は止まる。そんな長田を見ながら瀬名は溜息を一つ吐き、口
を開く。
「それは意味が無い。人が1人消えたとなると、大問題だ。確実に捜索願等が出
され、彼方此方に名前が出るだろう。そうなれば、世間的に名前が知れる。それ
は奴が望む事ではない筈だ。ひっそりと、静かに……名前も存在も消す……それ
が狙いだと思うがな。」
 瀬名の言葉に2人は黙りごくりと息を飲んだ。確かに瀬名の言う事には、筋が
通っており最もな意見だ。長田は、この神父の意外な一面を見た気がしてその横
顔をじっと見詰めていた。その視線に気付いたのか気付いて無いのか、瀬名は徐
に立ち上がると一言告げた。
「行くぞ。」
「へっ!?何処にですか?」
「決まっている。声が聞こえた場所だ。案内頼むぞ。」
 澄香は、ゆっくりとそして確実に頷いた。

4.大切な物

 夕暮れに染まる古ぼけた教室の床板が、ギシギシと音を立てる。澄香が通う学
校の旧校舎は、築何年かは分らないが、傍から見てもかなりの年数が経っている
様に見える。校舎内も、外見に違わずかなり古びており使われているのが不思議
な位だ。そんな教室の一室に三人の姿は在った。
「此処か?」
「うん……此処で聞いたの。」
 澄香の言葉を受け、瀬名は鞄を開き何やら物を色々出し始めた。聖水・聖なる
文字の刻み込まれたナイフ・ノートと油性マジック、そしてロザリオ……そのロ
ザリオを澄香に握らせる。
「何が起こっても、これを離すな。良いな?」
 瀬名の言葉に澄香は頷くと、ロザリオをギュッと握った。何が始まるのか、長
田はオロオロしながら瀬名に問う。
「あの〜瀬名神父?何をするんですか?」
「決まっている。奴を呼び出す。」
「で、ですね……俺の分のロザリオは無いんですか?」
「無い。」
「そっそんな!!じゃ〜俺はどうすれば!?」
「其処に居ろ。狙われてるのは澄香だ。長田ではないからな、危害は無い。」
「本当ですか!?」
「多分な……」
 その一言に混乱する長田を他所に、瀬名は準備を始める。澄香と一つの机を中
心に聖水で円を描く。途中、人が通れる位の隙間を作り作業を終わらせた瀬名は、
ノートにマジックで澄香の名前をデカデカと書いた。その文字に、聖水を垂らし
目を閉じて何事か唱えると、聖水が文字をなぞり消える。その様子を見終えて、
瀬名は椅子に腰掛ける。
「後は待つだけだ。」
 どれほど待っただろう?夜の気配が濃厚に成り始めた頃、灯された蝋燭の明り
が揺らめき始める。瀬名は何か感じたのか徐に立ち上がると聖水の瓶を掴む。
「瀬名神父!?来たんですか!?」
「ああ……」
 その言葉に澄香と長田の顔が強張る。辺りに満ち始めた妙な空気が、何かしら
居る事を告げるかの様だ。ピクリと瀬名が動いたかと思うと、その手に握られた
聖水をノートの前に振り掛けた。パシャ!?っと水音が中空から響いたかと思う
と、聖水が中空から滴るのが見て取れた。そして、其処に居た者の姿が現れ始め
る。容姿はまだ幼い男の子。短めの髪と、悪戯好きそうな顔立ちが印象的だ。髪
の毛から滴る、聖水を手で必死に拭おうとしている姿が見て取れた。
「へっ……この子ですか?」
 長田の素っ頓狂な声が響く。恐怖に慄いていた長田にとっては確かに拍子抜け
だろう。だが、瀬名は表情を緩めない。
「お前が澄香の名前を奪う者だな。これ以上は止めておけ。でなければ、消える
事になるぞ。」
 瀬名の言葉に、動きを止めて瀬名を見る男の子はにやりと笑みを見せた。
『ふん、ちったぁやる人間が来たようだな。失敗したぜ、まさかこの間抜けな奴
がこんな奴を連れてくるとはな。』
 到底子供の声では無い声がその口から漏れる。長田は再び戦慄に凍りつく。
「何故、名前を奪う?答えろ!」
 厳しい表情で見詰める瀬名の視線を、鼻で笑うとそいつは口を開く。
『要らないって言ったからさ。要らないなら俺が貰う。わりぃか?俺達「名無し」
はそうやって成り代わるんだぜ。てめぇらが知らない所で、幾人も幾人もな。』
 にたりと気味の悪い笑みを見せる名無し。
「ちょっと待て!?じゃ〜名前を奪われた者はどうなるんだ!?」
 戦慄に慄いて居た長田だが、流石に聞かずには居られなかった。そんな長田を
見詰め、名無しは笑う。
『馬鹿かてめぇは?「名無し」に名前奪われたら今度はそいつが名無しよ。今度
はそいつが名前を奪うのさ。他の誰かのな。』
 澄香を指差し、ニヤニヤする名無しを見詰め瀬名は更に問う。
「何故名前を欲する?」
 その言葉に、名無しの表情が一変した。笑みは消え、怒りの形相だ。
『何故〜?てめぇらに分るのか!?名前も無く消えていく者達の声が!!存在す
る事さえ出来なかった者、名を付けるより先に命を落とす者!!そんな奴らの事
がてめぇらに分るのか!?名を付けて貰った事の恩を忘れ、その名を汚す!自分
の存在を示す物を自分から否定する!!そんな奴らに、名前なんぞ不要だ!!だ
から、俺達が貰うのさ!!そして、名を持たない想いを味合わすのさ!!』
 息を荒げ言う名無しの言葉は、その場に居る者全員に響いた。澄香は俯くしか
無かった。正に、自分の事だからだ。そんな中、瀬名は少しだけ表情を緩め言う。
「確かに、お前の言う通りだろう。だが、この子は自分の存在を否定しては居な
い。今回だけは、見逃す訳には行かないのか?お前も、そんな中の1人なのだろ
う?だから、歯痒いのではないか?」
 瀬名の言葉に、名無しは苦悶の表情を見せた。名無しの元がどうであれ、幾年
もの刻が流れている筈である。幾ら名無しが多く存在して居るとは言え、ずっと
同じという事は有り得ない。瀬名の考えは的を得ていた。
「望んで名を汚すものは居ない。それには、理由がある。それが正しい事ではな
い事は分って居ても、どうしようもない時とてある。この子はまだ若い。せめて
チャンスを与えても良いのでは無いか?」
 名無しは押し黙ったままじっと澄香を見詰めていた。澄香もまた、俯き加減で
は有るが名無しを見詰めた。静かな時が流れていく教室の静寂を破ったのは名無
しの声だった。
『お前は、自分の名前が嫌いだと言ったが、本当か?』
 問われた澄香を、瀬名と長田は見詰める。一瞬の静寂の後、澄香はおずおずと
口を開いた。
「嫌だった……いっつもいじめられてばっかりで……何も悪い事して無いのに、
何時もいじめられて……嫌いだった……でもね、貴方に言われて一つだけ思い出
した事があるの。」
『それは何だ?』
「……『澄香』って名前は、澄んだ空気の様に綺麗な心に成りますようにって、
お母さんが付けてくれたんだって……それを思い出したの。その時、私凄く嬉し
かった。だから、名前が無くなるのは嫌だし、私はここに居たい!」
 強くはっきりした澄香の言葉に、瀬名は微笑み頷いた。その言葉を受け、名無
しは暫く考え込んでいたが、不意に澄香に背を向けた。
『……一つだけ言っておくぞ。二度目は無い!!覚えておけ……』
 それだけ告げると、名無しはその場から去る為に円の外に出ようとした。瀬名
は、力を解放し名無しを通す。そして、名無しの姿は消えて行った……
「終わったんですか?」
「ああ……」
 辺りに満ちる妙な空気も気配も消え去り、瀬名は緊張を解いた。慌てて澄香か
らの手紙を見た長田は、其処に名前があることを確認した。校舎を回り澄香の名
前がある事を確認して回る。下駄箱も、机もちゃんと澄香の名前が戻っていた。
全てを確認し終えて、澄香を送る道中瀬名は澄香に告げた。
「良い名前なのだ、大事にしろ。奴の言う通り、名を付けられずに亡くなる者も
居る。名がある事を感謝しろ。」
 瀬名の言葉に澄香は頷き、真っ直ぐ前を向いた。そんな澄香を見て、長田はニ
ッコリと微笑むのだった。

5.編集後記

 瀬名の下に、一通の封筒が届いたのはあの事件から1週間程してからだった。
宛先はアトラス編集部の長田から、中身は月刊アトラスの今月号。瀬名は興味な
さ気にページを捲っている。そして、長田が書いた記事を見つけ取り敢えず目を
通してみる。
「なかなか上手く纏まっているじゃないか。」
 呟く瀬名の手元から、挟まれていたのだろう手紙が零れた。差出人は、御手洗
澄香……封を切り中を読む。あの後の事が書かれているが、どうやら頑張ってい
る様だ。その内容に、瀬名は目を細め見詰めていた。あの事により、少女はほん
の少しだけ成長したのかも知れない……瀬名はそう感じた。だが……
「もう少し、字を綺麗に書く練習をしないとな。」
 瀬名は苦笑いと共に、手紙を机に置くと礼拝堂へと歩き出した。まだまだ、救
われない人は多い。そんな人々を多少なりとも救うのが、瀬名の勤めだからだ。
瀬名は、礼拝堂の扉を開いて中に入る。救いを求める人々の、声を聞く為に……





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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

1209 / 瀬名 誉 / 男 / 29 / 神父

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■         ライター通信          ■
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どうも、初めまして凪 蒼真と申します。
この度は、御参加有難う御座います(礼)

この度の依頼は如何だったでしょうか?
結構シリアス傾向に走っていたのでプレイング掛けにくかったかもですね(苦笑)
今後は、もう少し分りやすくし、プレイングを掛け易くしようかと思っています。
御一人だけの参加でしたので、殆どのプレイングを入れさせて頂いたつもりです。
今回は話で解決しましたので、能力は使えませんでしたが次回以降の作品とかで
使う機会が有るかもですので、またどうぞ宜しくお願い致します。

最後に成りますが、少々お時間掛かってしまった事お詫び申し上げます。

それでは、また宜しくお願い致します!(礼)