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クリア・ノイズ！
□■オープニング■□
インターネットカフェ・ゴーストネットＯＦＦ。
そこにあるすべてのパソコンに、ゴーストネットオリジナルオンラインゲーム『ノイズ』がインストールされているのをご存知だろうか。
そこに行かなければプレイできないにも関わらず、常時20人以上がログインしているというそのゲームは、一部のマニアに絶大な人気を誇っている。その秘密は、音のパズルという斬新な戦闘スタイルにあるのかもしれない。
面白い!! 投稿者:ミサ 投稿日:200X.02.01 10:35
面白いですね、『ノイズ』。
音のパズルなんて凄く新鮮でいい感じ♪
それにこのゲーム、戦闘のコツさえ掴めばレベル上げなくても
結構対応できるんでいいですね。どうしても苦手だったら
回数重ねてレベル上げればいいし……。
１人でも充分楽しめるのが○です(*^ー゜)ｂ
そうだね 投稿者:秋成 投稿日:200X.02.01 11:08
ソロでも遊べるってのがいいよね。
日本のネットゲーってさ、パーティープレイを推奨しすぎてて
１人じゃ強くもなれないし遠くまで行けないってのが多スギ。
その点『ノイズ』は、１人でも行く気になればどこまでも
行けるから、やれることは少なくても自由度は高いよ。
いつも友達と来れるってわけじゃないしね＾＾；
幽霊？ 投稿者:ミサ 投稿日:200X.02.01 11:44
レスありがとうございます＾＾＞秋成さん
１人でも遠くまで行けるのは嬉しいですねー
ところで、実は私昨日始めたばかりなんですが、早速妙な
噂を聞いちゃいました(>_<)
『偽りの草原』に幽霊が出るってホントですか？？
見たよー 投稿者:水城 投稿日:200X.02.01 12:13
横レス失礼★
幽霊かどうかはわからないけど、変なモノ見たよー
友達と一緒にいたんだけど、不思議なことに見たモノが違うん
だよね…… かといってイベントキャラとは思えなかったし。
あそこなんかある（いる？）のかなぁ？
ゲーム内で会ったらよろしくね♪＞ミサちゃん
さぁ、この謎を解くのは誰……？
□■視点⇒瀬水月・隼(せみづき・はやぶさ)■□
『偽りの草原』に幽霊が出る。
その噂自体は、実は結構以前からあった。
ただ俺は、それが完全なる噂だと思っていたから、まったく相手にしていなかった。
（噂だけが歩き回っていて）
実際に見たという人と会ったことがなかったからだ。
その点において、初心者のスレッドにつけられたこのレスは驚きだった。
（変なモノを見たという）
しかも噂と同じように、人によって見えたモノが違うと。
（調べる余地ができて）
俄然俺の興味がわいた。
（さて……）
手っ取り早く幽霊に会うためには、どうすればいい？
俺はページをスクロールさせて、『ノイズ攻略ＢＢＳ』のトップまで移動した。そして記事検索をクリックする。
（やっぱり、幽霊の出現条件をそろえてから行くのがいちばんだよな）
『偽りの草原』にただ行くだけでは、幽霊に会うことができないのは俺自身よく知っていた。あそこのボス箱（ボス部屋の宝箱）には高値で売れるアイテムが入っていて、よくそれを取りに行っていたからだ。
検索キーワードに、『幽霊』と打ちこんだ。
――検索開始。
（……！）
驚いたことに、ヒットしたのはあのスレッドだけだった。
（そういえば……）
ゲーム内では結構よく聞いた噂だが、何故か掲示板の話題にのぼったことはなかった気がする。それが証明されたのだ。
（直接行くか）
次に俺は、パソコンの脇からヘッドフォンを取ってかぶった。
『ノイズ』は完全に音に支配されたゲーム。よってプレイする時には、音を聞き漏らさぬようヘッドフォンをするのが普通だった。しなくてもいいのだが、しないと戦闘で勝つことはほぼ無理だ。
『ノイズ』を起動させて、アカウントとパスワードを入力する。
いつもより少し緊張して――ログイン。
『ノイズ』では、ログインすると必ずセンターに出る。センターとは、円形に店が並んだこの街の中央のこと。街自体はサークルとも呼ばれる。
あまりキレイではないエフェクトに囲まれて、センターに俺のキャラ・ファルクが現れた。レベル76の、僧侶経由魔道士。１人で行けない場所はない自慢のキャラだ。
ログインした位置のままでは、他のキャラが来た時に邪魔になるから、少しずれる。ずれても視界に入るキャラがいないのは、昼時だからだろう。
俺はチャットウィンドウを開いて、パーソナルチャットに設定した。相手名に『水城』と登録する。
『ノイズ』のチャットは３種類。同じ画面内にいるキャラと会話するノーマルチャット、指定した相手と１対１で会話するパーソナルチャット、パーティーを組んだ時にメンバー全員と会話できるパーティーチャットだ。
パソチャ(パーソナルチャットの略)で相手を指定するには、名前を登録すればいい。『ノイズ』では同じ名前は使えない仕様になっているので、それで充分だ。たとえパソチャで迷惑行為を行う奴がいても、本人はこのネカフェ内にいるのだからすぐ捕まえられるし、簡単にアカバン(アカウント削除)できる。
（……あれ？）
登録して少し待っていると、エラー音と共に「この名前のキャラは存在しません」と表示された。
（ちっ。ＨＮでの書きこみか）
ならば違う方法で行くしかない。
今度はオプション画面を開き、プロフィール欄を更新する。
『偽りの草原の幽霊情報求む。報酬あり』
プロフィール欄は、キャラをポイントした時にステータスウィンドウの下に出る説明だ。アイテムをポイントした時にアイテム名が出るように、そのキャラが登録した文章が表示される。よく書かれるのは「初心者です」とか「友達募集中」とかの類いだ（ちなみに俺は普段何も書いていない）。
プロフィール欄を更新した後は、ただここに立ち尽くすだけ。『ノイズ』は鯖(サーバ)一つだし、ダンジョンへ行ってる奴も戻ってくる時はここに来るのだから（ダンジョン脱出アイテムはないが、ログアウト・再ログインでセンターに戻れるからだ）、実はこれがいちばん効率のいい方法だ。
俺自身、他のキャラがいるとポイントしてプロフィールを確認する癖がついていた。それを逆手にとるのも悪くない。
一応ゲーム内にも掲示板があるのだが、使っている奴は少ない。どう考えても攻略ＢＢＳの方が便利だからだろう。
しばらく立っていると、たまにダンジョンの情報交換をするエドというキャラが現れた。
向こうも当然俺に気づいて声をかけてくる。
『よぉファルク。突っ立って何してんだ？』
それからプロフィールを確認したのだろう。
『お、幽霊探してんのか(笑)』
『エドは何か知ってるか？』
『んー……知らないことはないが。どんな情報でも報酬貰えるのか？』
俺と同じくらい使えるキャラを持ってる癖に、そんなことを言った。
『あんたさー俺から貰わなくたって何でも盗れるだろｗ』
『盗るって言うな。せめて狩ると言ってくれｗ』
俺の「ｗ」に、エドも「ｗ」で返した。
俺は俺に対し「ｗ」を使う奴にしか、「ｗ」を使わないことにしている。中には気分よく思わない奴もいるらしいからだ。そんなバカげたことでゲームの楽しい雰囲気を壊したくないという、俺なりの配慮。エドは普段から「ｗ」を多用するタイプなので、俺も安心して使える。
『まぁいいか。お互い世話になってるしな。これもその世話の一部と言うことにしておこう』
『そりゃどーもｗ』
『とりあえず、もうちょい下に移動しようぜ』
エドはそう発言して、俺の返事を待たず移動を開始した。依存はないから、俺もログインしてきた奴に直接話が聞こえない位置まで下がる。
『――で、オレが持ってる情報だが、幽霊を見たって奴中心に広まってる噂なんだ』
『また噂か……でもずいぶん限定されてるな』
『ああ。幽霊の情報、ゲーム内で探して正解だぜ。ほとんど外部には漏れないだろうからな』
『え？』
『幽霊のことを外部に漏らすと呪われる』
（！）
『っていう噂なんだ。攻略ＢＢＳは外部だからな。今まであそこに幽霊ネタが出なかったのはそのせいだと思うぜ』
『……なんでエドはそれ知ってんだ？』
『知り合いに、幽霊に会ったって奴がいてな。聞いたんだよ。安心しろ、今そいつ呼び出してる』
『お』
なんだかんだ言っても、エドは協力的だった。
『さんきゅ』
おそらくリアルならば素直には言えない言葉も、互いの顔が見えないチャットだからこそためらいなく言える。そんな時ふと思う。
（だからこそ）
俺はネットゲームが好きなのかもしれない。
★
エドのおかげでずいぶん多くの情報が集まった。そして俺なりに、幽霊発生条件を推測できた。
（あとは）
実行に移すだけ。
しかしあの幽霊の性質上、１人では完全に解明できないだろう。
（どうすっかなー……）
考えながら、何となく『ノイズ攻略ＢＢＳ』を開いた。
幽霊の情報を集め始めてから、数日が経っていた。
（――お？）
『偽りの草原』の幽霊について 投稿者:ＭＯＯＮ 投稿日:200X.02.05 13:46
他のスレにも出ている、『偽りの草原』の幽霊について教えて下さい。
私は見たことがないんですけど、見るとどうなるんですか？
あと発生条件ってあるんでしょうか？
Re：『偽りの草原』の幽霊について 投稿者:みなも 投稿日:200X.02.05 13:50
私も知りたいです。
どなたか知っている方いませんか？
大胆にも、幽霊の情報を求める書きこみ。もう一つの噂を知らないのだろう。もしかしたら誰かお節介な奴がいて、パソチャで忠告とかあるかもしれない。
（……あ）
そう考えて、俺は数日前に見たあのスレッドを確認してみた。
（やっぱりか）
案の定スレッドごと削除されている。
もしかしたら管理者の仕業かもしれないが……。
（こーゆーのは、好きくないね）
そう思って、さっきのスレッドにレスを書いた。
知りたいなら 投稿者:ファルク 投稿日:200X.02.05 13:57
至急センターに来られたし
（どーせメンバーは必要なんだ）
適度に興味のある奴がいい。
それにこれまでほとんど話題に上がっていない幽霊の話をＢＢＳに出すなんて、結構勇気がいることだ。何らかの理由で俺と同じように探しているのかもしれない。
俺はヘッドフォンを取って、すぐに『ノイズ』を起動させた。アカとパスを入れて――ログイン。
センターに出てから少し周りを移動してみたが、それらしいキャラはまだ来ていなかった。
（もっとも）
既に落ちている可能もなくはないが。
少し下に移動して待つ。
程なくして上からｌｉｒｖａ(リルバ)という女キャラが近づいていたが……ＢＢＳに書きこんだ奴の名前は「ＭＯＯＮ」と「みなも」だったから、関係はないのだろう。
『こんにちは』
しかし声をかけられたら、返すのが普通。
俺はキャラの身体の向きを変えてから返した。
『やぁ』
いつもの癖でプロフィールをチェックしてみるが、俺と同じで何も書いていない。
（ｌｉｒｖａといえば……）
地下では有名な凄腕クラッカーの名前だ。俺もデジタルジャンク屋をやっている以上、そっちの世界には詳しい。
だが多分、このキャラがつけたのはそっちの意味じゃないんだろう。人気のネット歌手にも、ｌｉｒｖａという名前の奴がいる。
『あんた、ｌｉｒｖａのファン？』
『まぁね』
（……？）
名前を名乗っている割には、曖昧な返事だった。
『あ、いたいた』
不意に違う色の文字が割りこんできて、また女キャラがこちらに近づいてくる。しかし名前はまた、「ＭＯＯＮ」でも「みなも」でもない。
『ねぇあなたたち、これから偽りの草原に行くつもり？』
挨拶もなく問ってきたその女キャラ・レイベルに、俺も挨拶せずに返す。
『俺はそのつもり』
キャラの向きを変えるのはプロフィールを見るのと同じくらい癖になっているから、自然にやっている。
レイベルのプロフィールには、『幽霊探し同行します』と書いてあった。
（ああ）
あの書きこみを見て、便乗しようと来たのだろう。
『あ、もしかして、あんたもそのことで俺に声かけたのか？』
ｌｉｒｖａの方もそうなのだろうかと思い至って、身体の向きを戻した。
『ああ。今、ＢＢＳに書きこんだみなもっていう子が来るよ』
『なんだ知り合いか』
すると間もなく、画面の上の方にキャラが二人現れる。一人は「みなも」だ。
『お待たせしました(>_<) 皆さんこんにちは＾＾』
駆け寄りながら挨拶をしてきたみなもだが、その後ろで変な動きをしている男キャラが気になって、俺は挨拶を返すのを忘れた。
『あんたがみなもか。ＭＯＯＮって奴は？』
その変な奴は「ＭＯＯＮ」ではない。
みなもはキャラをとめて方向を変えると。
『あたしＭＯＯＮさんとは知り合いじゃありません。あたしの知り合いは、この妙に動いてる友有さんと……』
そこで発言をとめたみなもに、ｌｉｒｖａが声をかける。
『私はこっちだよ、みなもちゃん』
『あ、ｌｉｒｖａさんの方ですか』
みなもはｌｉｒｖａに近寄った。おそらくリアルの知り合いでキャラ名を知らなかったのだろう。
『あんたはＭＯＯＮじゃないんだな？』
残る可能性を否定するために、レイベルに問った。レイベルは同じ方向を向いたまま。
『違う違う。私はあの書きこみを見て来たんだ。幽霊見物についていきたくてね』
『じゃあ来てないってことか。まぁいい』
俺はそこで切ってから。
『とりあえず移動しよう』
★
移動したのは、キャラではなくリアルの方だ。
ゴーストネット内には、広い場所に何台ものパソコンがある通常の部屋の他に、個室が用意されている。小さ目の部屋に８台のパソコンが置かれていて、小団体でネットを楽しむには最適な空間だった。通常はシート(席)１時間いくらで支払われる料金も、その部屋だけは部屋１時間いくらになるので少し得になる。
一度全員ログアウトさせた後、俺は皆をそういう部屋の一室に集めた。
それぞれに個性的なメンバーの顔を見回してから。
「まず、最初に言っておく。幽霊のことをＢＢＳでいくら訊いたって無駄だ。『偽りの草原』の幽霊の噂には、さらに噂があるんだ。『幽霊のことを外部にもらすと呪われる』ってな」
「?!」
３人が反応した。反応しなかったのは、緑の瞳をした金髪の女だ。一人だけ大人(20代？)に見える。
「でも、少し前に書きこみがありましたよね。あたしはそれを見て興味を持ったんです」
俺と同じ青い髪の、中学生くらいの女が丁寧な口調で告げた。
（やっぱり）
皆最初のあの書きこみで興味を持ったんだ。
「その書きこみなら、既に削除されているわよ」
そう応えたのは俺ではなく。さっき俺の発言に驚かなかった女だった。その発言から、そいつも幽霊について調べていたことが窺える。
俺は頷いて、言葉を続けた。
「あの投稿者は、おそらく知らなかったんだ。投稿した後に親切な奴が教えて、慌てて消したってところだと思う」
皆が納得したように頷く。
「――それで？ キミは何を教えてくれる？」
次に口を開いたのは、やけに鋭い雰囲気を纏っている銀髪の女だ。美人――だと思う。
俺はにやりと笑うと。
「外部がダメなら内部――俺はゲーム内で幽霊に接触した奴を探しまわり、話を訊きあさった。内部なら皆口が軽いもんさ。ただ皆一貫して、『幽霊のようなモノは見たが、はっきりと見たわけじゃない』と言う。噂があやふやなのは、その出所自体がもともとあやふやだったからってワケ」
「出現条件はわかったの？」
すぐ口を挟んだのは金髪。
「だからここに呼んだんだ」
俺は平然と答えた。
「これから俺はあんたたちにそれを教える。あんたたちは俺と一緒に幽霊見物に行く。ＯＫ？」
ここに集められた時点で薄々気づいていたのか、俺の出した条件に戸惑ってるような奴はいなかった。
「いいだろう」
「わかりました」
「最初からそのつもりよ」
それぞれに答えて、俺以外一人だけの男は頷いた（多分そいつがうろうろしていた奴だろう）。
（俺が何故同行を求めるのか）
誰も訊かなかった。おそらく皆わかっているからだ。
（見る者によって）
姿を変えるというそれを、確かめるため。
そして同じ部屋でやることにも意味がある。それがキャラによって違って見えるのか、それとも同じプレイヤーにはすべての画面が同じに見えるのか。それを確認できるからだ。
「じゃあ、とりあえず自己紹介でもしておこうか。俺は瀬水月・隼(せみづき・はやぶさ)だ。キャラは魔道士のファルク」
「あたしは海原・みなも(うなばら・みなも)といいます。キャラは収集士です。よろしくお願いします」
「私は光月・羽澄(こうづき・はずみ)。キャラは転調士のｌｉｒｖａ。よろしく」
「お、俺は赤埴・友有(あかはに・ゆう)。キャラは……よくわかんないけど多分無職？ よろしく……」
「私はレイベル・ラブ(れいべる・らぶ)よ。キャラは創曲士。よろしくお願いするわ」
一通り自己紹介を終え、お互いの顔を確認するように見合わせる。
そして誰からというわけでもなく、それぞれパソコンの前に座り始めた。知り合い３人組は並んで座り、その向かいに俺とレイベルが座った。
ヘッドフォンをかぶり、いつもと同じように。アカとパスを入力し――ログイン。
……したのだったが、センターで偶然光月の知り合いを発見して、結局もう一度ログアウトしてリアルへと戻るはめになった。
光月の知り合い――御影・瑠璃花(みかげ・るりか)もこの部屋に呼び、同時にログインすることにする。瑠璃花のキャラはＭＩＣＨＡＥＬといって、人気モデルと同じ名前らしい（俺はよく知らないが）。人気モデルと人気歌手の名前をつけている２人が知り合いとは、世間は狭いもんだ(？)。
そんなこんなで人数が６人に増え、いよいよ。
俺たちは幽霊の謎を暴くため、『偽りの草原』へ出かけた。
★
俺をリーダーに６人パーティーを組んで、『偽りの草原』目指して走っていた。ちなみに６人が、パーティーを組める最高人数だ。
俺は敵とのエンカウント(遭遇)率を下げるアイテム・Ｎジャマーを装備していたから、結構遠いにも関わらず短時間で目的の場所へ到達した。
『偽りの草原』はセンターから見て北西の奥に位置する。敵のレベルが高いため、初心者や低レベルでは気軽に入ることはできない。ただパーティーを組んでいると別だった。
パーティー戦闘は二つのモードから選べ、一つはパーティーパズルといって、全員で一つのパズルを解くモード。もう一つは、個人パズルといって個々にパズルを行い、いちばん早く勝敗の決まった者の結果をそのままパーティーの勝敗にしてしまうというモードだ。
個人パズルでは初心者及び低レベルキャラが瞬殺されてしまう恐れがあるが、パーティーパズルならば何もしなければ足を引っ張ることはない（ただし経験値も入らないが）。
そんなわけで、このパーティーの戦闘はパーティーパズルモードに設定されていた。一人うろうろしていた友有は、案の定まるっきり初心者で、それこそ瞬殺もあり得るからだ。
『偽りの草原』の入り口は、古城の門をかたどっている。俺には見慣れたグラフィックだったが、皆は来たことがないらしかった。
『偽りの草原は、その名のとおり草原じゃないのさ。城の壁に描かれた草原は永遠に続いているように見えて、実は部屋でいくらでも区切られてる』
『部屋を移動する度に、繋がった部屋ではなく離れた部屋に飛ばされる仕組み――だったわよね。攻略ＢＢＳにボスまでのルートは載っていたようだけど？』
俺の説明に繋げたのはレイベル。中に入ったことはないが、下調べは充分。そんな発言だった。
『俺たちは、ボスを倒しに来たんじゃないんだぜ？』
リアルでにやりとしながら、俺はそう打ち返した。さっさと入ろうとすると。
『ちょっと待って。幽霊の出現条件は？ 教えてくれるんでしょ？』
ｌｉｒｖａ――光月のログが流れ、俺は身体の向きを変えないまま答えた。
『移動しながらな。時間かかるかもしれないんだ。――あ、初心者は無理に合槌とか打たなくていいからな。俺を見失わないようにだけ気をつけてくれ。２部屋離れると自動的にパーティーから外れるぞ』
長文でログが一気に流れる。
そしてそのまま、今度こそ中へ入った。
入ってすぐ、Ｎジャマーを外して集音器を装備した。まったく逆の効果をもった、エンカウント率を上げるアイテムだ。
『ファルク……集音器を装備したの？』
回数の増えた戦闘の合間に、それに気がついた光月のログが流れる。
『そう。幽霊発生条件その１だ』
草をかきわけるように先頭を走りながら、すぐに返事を返した。実際は草に見えているだけでそこには何もないのだが。
『幽霊に遭遇した奴らは、大抵二つに分けられる』
そのまま説明を続ける。
『レベル上げに入った奴と、ボスを倒した後の奴』
走っている最中なので発言は途切れ途切れだが、誰も口を挟まなかった。しばらくは俺の発言だけが続く。
『共通点は集音器だったんだ』
『レベル上げに来る奴らは当然集音器を装備してくる』
『ボスを倒しにきた奴らは当然倒した後宝箱を開ける』
『ここのボス箱は集音器かＮジャマーどちらかが出るんだ』
『たまたま集音器を手に入れた奴らが、ついでにここでレベル上げしちまおうって考えたら』
『結果は同じだろう？』
皆が理解する間を少し置いてから。
『逆にな、幽霊を探しに来た奴らは集音器なんてつけない』
『戦闘は邪魔なだけだからな。つけるならＮジャマーの方だろう』
『だからこそ会えなかったんだ』
つけ加えた。
（俺が考え抜いた末の結論）
幽霊に興味を持った奴はたくさんいるのに、それで遭遇したって奴がいないことが気になっていた。
（幽霊の発生条件に気づいた時）
同時にそれも解けたのだ。
だからこそ思える。
（外れてはいないだろう）
『では、その２は？』
俺の緑の文字色に染められたチャットウィンドウに、不意に水色の文字が割りこんだ。みなもだ。
俺は走り続けるまま。
『ランダム』
『なるほど。レベル上げをする時は適当に移動するものね』
短く答えた言葉に、レイベルが先を続けた。
『そういうこと』
『でもそれじゃあ、本当にいつまでかかるかわからないね』
その光月のログが流れた後だった。
（！）
『……そうでも、ないみたいだぜ？』
不意にＢＧＭがやみ、俺の発言音が酷くクリアに聞こえた。
立ちどまった俺の近くに、皆が集まってくる。
とても静かだった。
『羽澄おねーさま……』
心細そうなログが流れた。瑠璃花だ。
（そういや……）
戦闘がやけにうまかったから忘れていたが、瑠璃花も初心者らしかった。移動中の発言がなかったことが何よりの証拠だろう。そしてそれ以上に。
（どう見ても小学生だしな……）
当然のように連れてきたが、一緒に来たことにちょっと後悔した。
『あっ……』
そんなことを考えていると、誰かの発言音。
思考はすぐに戻った。
『あれか！』
そこには何か、実体のないモノが浮かんでいた。『何』とは言えない。明確に何かを形作っているわけでもない。確かにそれは、『幽霊』としか呼びようのない代物だったのだ。
「…………」
（本当に出た）
何だかわからないモノ。ただ俺自身、あまりそれに恐怖を感じなかった。
（でも目は放せない）
凍りついたように、皆動かなかった。そしてその幽霊(？)も、動かなかった。
『そう言えば、何かをされたとか言った奴はいなかったな』
俺は独り言のような発言をした。
（この幽霊には）
何の意味があるって言うんだ？
考えても無駄なような気がして、俺は気を取り直す。
『まぁいい。とにかく、今のうちに確認しよう。どんなふうに見えてる？』
折角大勢で来たのだから、ちゃんと目的をこなさなければ。
俺の発言で皆我に返ったのか、一斉にログが流れた。
『何か白いモノが見える。うまく表現できないけど……幽霊と言えなくは、ない』
『あたしには黄色い……猫みたいなモノに見えます』
『私は赤に見えるわ。しいていえば、人間みたいな形してるけど』
『わたくしには、ピンクのもやもやに見えますぅ……』
それは確かに違っていた。
俺も自分の目に映っている光景を打ちこむ。
『俺には青く見える。青い火の玉』
（残るは……）
『お、俺にはみなもと同じに見えるんだけど……？』
『えっ?!』
友有の発言に、皆が驚きのログを流した。
ふと友有のキャラを見ると。
『って、おい。あんたキャラ重なってるじゃん。それって結構失礼なことなんだぜ？』
『えっ？ ごめん』
幽霊に気を取られて見逃していたが、友有のキャラはみなものキャラと重なっていた。操作に慣れていないだろうから仕方がないが。友有はみなもの上から避けようとして、また必要以上に動き回っている。
（やれやれ……）
とりあえず無駄に、その場は和んだけど。
『――ねぇ、それが重要なんじゃない？』
発言したのは、その様子を見守っていたレイベル。
『こいつが出現した時に立っていた場所によって、見え方が違うんだとすれば……』
（！）
その発言を光月が繋ぐ。
『なるほど。それならお互いの画面を見て証明できるわね』
返事もなく、皆すぐに自分の画面から目をそらした。お互いの画面を見合って、確かに自分が見たモノとは違うことを確認する。
『ビンゴ★』
しかしそうすると、他の疑問が浮かぶのだ。
『ちょっと待って下さいよ〜？ イベントアイテム(集音器)が必要で、ランダム移動必須で、こんな演出っていったら、すごぉ〜くレアイベントっぽくないですか？』
俺の考えを的確にログに流したのは、意外にも瑠璃花だった。友有のおかげで恐怖は和らいだのだろう。
『同感』
二文字だけ、応えた。
（そもそも）
このゲームは遊ぶ人数が限られている。ネカフェ会員以外がプレイすることはまずないから、それ以下だ。通常のＭＭＯＲＰＧなら、全国からそれこそ数え切れないほどの人数がプレイしているが、それに比べれば微々たるもの。発見されていないイベントがあったとしてもおかしくはない。
（でも）
気になることもある。
『だとしたら何故皆、イベントキャラではないと思ったのか』
俺の疑問を光月が代弁した。
少し間を置いて。
『ホントは怖くて逃げちゃっただけかもしれませんよ』
みなもがそんなふうに答えた。
『あたしたちは、最初から幽霊を探しに来たから逃げなかった。でも他の人が違う目的で来ていきなり音が飛んであんなリアルなモノ見たら、びっくりして引き返しちゃうんじゃないかな。人によって見えるモノが違うというのも、やっぱりとっさには怖いだろうし』
『それで、逃げたってバレるのが嫌で、わからないけどとりあえず嘘ついたわけか』
俺がまとめた。ありえそうな話だった。
『それにしても……本当に何もしないな、あの幽霊。何のために出てきたんだ？』
会話が切れて口を挟んだのは友有。今はちゃんと一箇所に止まっている。
『うーむ』
チャットならではの言葉を打ちこんで、俺は幽霊に近づいてみた。実際の視点ではないから、近づいても大きさは変わらない。
『ノイズ』においてイベントキャラは、大抵ＧＭ(ゲームマスター)が操作している。よって向こうから何のアクションもないというのはおかしいのだ。それではただのＮＰＣ。しかし逆に、『ノイズ』には時間の概念がないから、ＮＰＣが出たり消えたりすることはない。ずっと同じ場所に在り続けるはず。つまりこの幽霊は、どちらにも属さない不可思議な存在と言える。
（そーゆー意味では）
幽霊と呼ぶに相応しいのかもしれない。
近づいても反応がないから、俺は隣のマスに立って、ＮＰＣにするように話しかけてみた。俗に接触と呼ばれる、右クリック行為だ。
『?!』
（えっ?!）
驚いたことに、その瞬間。
（戦闘画面に切り替わった?!）
『きゃ〜〜〜』
『えっ？』
『何?!』
様々な声が飛び交う。
『いきなりかよ！』
そう発言しながらも、俺は既に戦闘態勢に入っていた。耳を澄ましてキーボードを操る。
（イベント戦闘なら、強さはボス並みだろう）
その覚悟で戦う。
しかし何故か、こちらのＭポイントがどんどん減っていくのだ（ゼロになるとセンターへ強制送還）。これまで雑魚を一掃してきた俺の得意技・リバーサーを連発しても。
『何だよこれぇ……っ』
瑠璃花も賢明に俺をサポートしてくれるが、状況は一向に良くならない。幸いパーティーパズルに設定していたおかげで、こちらのＭポイントは全員分のＭポイントを足したものだから余裕はあるのだが。いずれにせよこのままでは負けてしまう。
（何なんだこの敵……）
まさかバグ？
誰もこの戦闘をしたことがなかったから、気づかなかったとでも言うのか。
（くそ……っ）
たとえバグだとしても、今は戦闘を続けるしかない。勝つか負けるかだ。
戦闘組がとりあえず頑張っている中。
『なんでこっちのポイント減りまくってるんだ？』
邪魔をするだけなので戦闘に参加できない友有が、そんな発言をした。
『多分、拾い切れていない音があるんだと思います。でも、あたしには聞こえない……！』
同じく見守るしかできないみなもが返す。
（そう、そうなんだ）
こちらのＭポイントが減っているということは、俺がリバーサーで返している以上に、こちらで拾えていない音があるということ。
（でも俺にも聞こえない……！）
誰にも聞こえていないのだろう。雑魚戦では見物だけだったレイベルも、たまに手を出しているがそれでも足りないのだ。
（耳に届く音は）
確かに拾えている。
（じゃあ届かない音は？）
……そんな音が、あるのだろうか？
（――！）
やがて突然、見守っていただけの光月の音が鳴り始めた。最初はその音に戸惑った。何故なら、在り得ないはずの音を奏でていたから。
でも。
（何だ……?!）
これまで減り続けるだけだったＭポイントが、何故かぴたりと止まった。逆に敵のＭポイントが徐々に減り始め、俺も余裕ができたので回復音階を奏でる。それによりこちらのＭポイントが、少しずつ回復してゆく。
『素晴らしいです〜羽澄おねーさま！』
瑠璃花の発言が見えた。それに２人の応援が重なる。
『頑張って！』
『もう少しだ』
流れるログの中を、やがて一つのメロディが流れてゆく。さっきまでは、タイトルも知らないおそらくオリジナルの曲だったのだが。敵のＭポイントが残り少なくなって、突然チェンジした。
『あれ？ 何か聞き覚えのある曲だな』
最初に反応したのは友有。
それは俺ですら、聞き覚えのある曲だった。
『これ、ジュ・トゥ・グゥですわ』
応えたのは、いかにもクラシックに詳しそうな瑠璃花。みなもが続ける。
『確か意味は――君が欲しい、でしたよね』
それから先は、戦闘に似合わないゆったりとした曲が流れる中、皆が画面に集中していた。奏でられる音を、誰も邪魔しなかった。
やがて戦闘が終わり、勝利のファンファーレが流れる。
そしてその瞬間。
（?!）
もしかしたら、誰かが驚きのログを流したのかもしれない。けれど画面から溢れ出る光が、見ることを許さなかった。
顔をそむけ目を覆う。
（眩しい……）
その光は数秒で輝きを失い、画面に目を戻すと。
『ここは……?!』
それが誰の発言でも構わなかった。誰もがそう思ったから。
（草原――！）
俺たちはどこまでも広がる草原の中にいた。それが城の中ではないのは明らかだ。
（どちらも創られた世界なのに）
空気が全然違う。
空はどこまでも高く、緑は風に揺れていた。
『ここが偽りじゃない、本当の草原？』
そんな発言をしたのはみなもだった。
『偽りの草原のイベントをクリアして、本当の草原に来たっていうのか……？』
『こんなイベントがあったなんて』と繋げた。俺は『ノイズ』のイベントを、ほとんどクリアしたつもりだったから。
『ノイズ』の奥深さに驚いて、俺はそこから動けなかった。皆も同じなのか、俺の周りで同じように立ち尽くしている。ただ友有だけは、どこか変な場所をクリックしてしまったのか、ちょろちょろと動き回っていた。
『友有様大丈夫ですの？』
瑠璃花が問いかけても、答える様子はない。おそらくそれどころではないのだろう。
しかしやがて。
『あれっ？』
短いログが流れた。
『何か人がいる』
『え?!』
『どこ？』
『またイベントキャラか』
皆がやっと止まった友有の傍へ行くと、確かに画面ギリギリにキャラの姿が見えた。
『行ってみる？』
問ったのはレイベル。
『行くしかないだろ』
答えて先に進むのは、もちろん俺だ。
（行くしかない）
この空間には出口が見あたらないのだ。しかしただログアウトするのでは、ここに来た意味がない。
俺たちはまるで儀式のように。
一列でそこへ向かった。
★
しばらくして、光月が目を覚ました。
「あっ、羽澄おねーさま！ 大丈夫ですか？」
最初に気づいた瑠璃花が声をかける。
光月は横になっていた自分を不思議に思ったらしく、呟いた。
「――私は……？」
その問いに答えるように、レイベルが口を開く。
「集中力が限界以上に引き出された状態が続いたんだもの、倒れて当たり前よ。でも安心なさい。ちょっと休んだからもう良くなったでしょ？」
その表現がおかしくて、俺は口を挟んだ。
「それ言うなら、『ちょっと休めば良くなるわ』じゃないのか？」
しかし肝心の光月は、どうやらさらに混乱したようだった。みなもが何か耳打ちしている。おそらく、レイベルが医者であるという驚きの真実だろう。
「ありがとう、ございます」
その証拠に、光月はレイベルに軽く頭を下げた。
「いえいえ、こちらこそ。いいモノ見させていただいたわ」
レイベルは笑って返す。
その言葉に、俺はついさっきまでのことを思い出した。
（――あの時）
俺たちは草原で、本当の『幽霊』に出会ったのだ。
『ようこそいらっしゃいました。真実の草原へ――』
そんな言葉から、その幽霊は一方的に話し始めた。
『ノイズ』はゴーストネットのオリジナルゲームではあるが、その開発は完全にＮファクトリーというグループに任されているのだという。会社ではなく、単なる趣味の集まりに。
それだけでも充分驚きだが、さらに。そのグループの最終目的は、音による感情操作だというのだ。そのための実験の場としてとりあえず『ノイズ』を作り、ゲームの中に人を集めていたということらしい。
（ただ）
実験はまだ、行われていない。
俺たちにそれを伝えた幽霊――藤堂は、肝心のその音を作る大事な役についていた。初めはただ面白そうという興味だけで参加していた藤堂だが、徐々にその目的の恐ろしさに気づいてゆく。
「抜けたい」
そう告げた藤堂に仲間が出した条件は、後釜を見つけることだった。藤堂自身と同じ能力を持つ人材を。
それで作られたのがあのイベントだ。
イベント遭遇自体に高い条件をつけたのは、あまりに遭遇される回数が多くてもまずかったから。
（何故なら）
その力を持った人物がメンバーにいなければ、100％戦闘に勝つことができない。あの戦闘をバグだと思い苦情が殺到することは目に見えていた（実際俺も疑ったし）。いくらバグではないと言ったところで、聞こえている音はすべて拾えているはずなのだから、明らかにこちらの言い分の方が説得力がない。
そうして自分の後釜を探すイベントを作り上げた藤堂だったが、実は最初からそのつもりはなかったのだと言う。だから真実を伝えるために用意したこの草原のフィールドにプロテクトをかけて、自分以外には削除も変更もできないようにした。
そして逃げた。
『皆さんには、ご迷惑をかけてしまいましたね。お詫びといっては何ですが、イベントクリアの報酬として、レアアイテムを用意してあります。どうぞお持ち下さい』
すべてを話した藤堂はそう言って、皆にそれぞれアイテムを手渡した。そして最後に光月に。
『あなたにはこれを。先程の戦闘データを改竄するプログラムです。聞こえないはずの部分はすべてカットされて、戦闘に負けたとして処理されるようになっています』
光月はそれを受け取った。それは多分、光月が藤堂を許したという証拠だろう。
それから俺たちは、再び光に呑まれた。来た時と同じように数秒で輝きが消えた後、俺たちが立っていたのはセンターの中央だった。他の人から見れば、ダンジョンからログアウトで帰ってきたようにしか見えないだろう。
その時既に、光月は意識を失っていたのだった。
それから俺たちは、色んなことを話し合った。『ノイズ』自体はとても素晴らしいゲームで、それを悪用されるのは嫌だったから。
（藤堂が言っていたような）
実験的な現象が何か起こったら。
どうせなら、自分たちで解決していこうと。
（『ノイズ』自体を消してしまうのは簡単）
でもそうしたところで、きっと何も変わらない。Ｎファクトリーは新しい実験フィールドを作り出すだけだろう。それならば、今あるこのフィールドで何もさせないことの方が、遥かに意味のあることのように思えた。
（藤堂も）
それをわかっていて、この世界を消さなかったのだろう。
（俺はもっと）
この世界を楽しみたい。
下心なんかナシの、マジなグレードアップを望んでる。
（俺がこれだけはまったゲームなんだ）
そう簡単に悪用なんかさせない！
(了)
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■ 登場人物（この物語に登場した人物の一覧） ■
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【整理番号/ ＰＣ名 / 性別 / 年齢 / 職業 】
【 1282 / 光月・羽澄 / 女 / １８ /
高校生・歌手・調達屋胡弓堂バイト店員】
【 1252 / 海原・みなも / 女 / １３ / 中学生 】
【 0072 / 瀬水月・隼 / 男 / １５ /
高校生(陰でデジタルジャンク屋)】
【 1316 / 御影・瑠璃花 / 女 / １１ / お嬢様・モデル】
【 0606 / レイベル・ラブ / 女 / 395 /
ストリートドクター】
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■ ライター通信 ■
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初めまして。若葉マークライターの伊塚和水といいます。
この度はご参加ありがとうございます_(_^_)_
全員のプレイングを最大限活かしたところ、多少長くなってしまいましたがいかがでしたでしょうか？ 少しでも『ノイズ』の世界を楽しんでいただけたなら幸いです。
瀬水月様のプレイング、キャラの名前や職業・必殺技まで指定して下さってとても助かりました＾＾ ありがとうございました〜
それでは、またお会いできることを願って……。
伊塚和水 拝
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