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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


時の国のアリス − デートを邪魔しよう! −


------<オープニング>--------------------------------------


「はい、草間興信所です。」
 主である草間武彦がいないため、草間零が電話を取った。向こうからはなにやら焦った声が聞こえてくる。
「はい……はい? すみません、もう一回言ってください。」
『お嬢様が時の館からいなくなったんです!』
「はあ。」
 どうやら、最近散々お世話をしている時の館の執事のようだ。時の館では、個人の時間を司る時計を管理しており、遠くない過去、時間をずらされ、大変な目にあった人たちを助けたことがあった。
『お嬢様がいないと、時計たちが勝手に動いて大変なことになるんです。早く見つけて連れて帰ってきてください!』
「そんなこと言われても、草間さんは今いないんですけど。」
 零は草間の仕事に関与していない。どこかを探せば、手伝ってくれる人の電話番号を書いたメモを見つけることは出来るかもしれないが。
 そこまで考えて、ふと零には思い至ったことがあった。
「そういえば、草間さん、今日は誰かと出かけるって言ってましたよね……。」
 げんなりと行く気が全くなさそうな様子だったが、もしかしたら、そのお嬢様といるのかもしれない。彼女の名前がアリスで、自分で勝手に草間の妹だと言い張っていることを零は知っていた。
「……私でも、草間さんと2人っきりで出かけたことないのに。」
 曲がりなりにも妹と認定されているのは自分なのに、と思うと悔しくなってきた。
「分かりました。私がなんとかします。」
 零はぐっと拳を握った。
「草間さんのデートを邪魔してやる!」
 そして、アリスにはさっさと時の館に帰ってもらおう。



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「こんにちは〜!」
 御影・瑠璃花(みかげ・るりか)は、たまたま草間興信所を訪れた。顔を覗かせると、主はおらず、零が一人燃えている。
「ど、どうなさったのですか?」
 びっくりして問うても返事はない。奥からお茶を持って、シュライン・エマが困ったような顔をして現れた。
「武彦さんが家族サービスを怠った結果なの。」
「はあ……?」
 瑠璃花は意味が分からずきょとんとする。
「草間さんがアリスさんとデートしてるみたいなんです。でも、アリスさんがいないと時の館が大変なことになってしまうんです。」
 海原・みなも(うなばら・みなも)がシュラインからお茶を受け取りながら詳しい説明をしてくれた。
「まあ、それは大変ですわ。でも、零様はどうなさったんですの?」
「武彦さんとデートしたことないんですって。それで、邪魔してやるって燃えてるのよ。」
「デートを邪魔するのは個人的には反対なんですけど。」
 みなもは少し渋り顔だ。瑠璃花もみなもと同意見だった。
「でも、アリス様がお戻りにならないと困ったことになってしまうようですしね。」
 それに面白そうです、とは賢明にも口に出さないでおいたのに、新たな侵入者がそれを阻んだ。
「ふははは。なかなか面白そうだな。俺も手伝ってやろう。発見しだい、俺はスパイ活動に移るがな。」
 バンっと扉を開けて入って来たのは、江戸崎・満(えどさき・みつる)であった。いかにも怪しい黒スーツにサングラスという格好をしている。下手に人目を引いてしまうので、スパイ活動には全く向いていない。
 言ってあげた方がいいのだろうか、と瑠璃花は幼心に真剣に悩んだ。
 みなもはうーん、と首を傾げる。
「でも、デートってどこに行ったんでしょうね。王道の『ネズミの王国』とか『ネズミの海辺』とか草間さんに合いませんしね。」
「武彦様に主導権があるとは思えませんわ。アリス様のご希望の場所につきあっていらっしゃる感じではないでしょうか?」
「あのお嬢様の仕事を考えると、時計のない場所か広い所へ行きたがるんじゃないかしら。公園とか何でもない場所。」
 3人の女性で再びうーんと唸る。
「その辺を探し回ればいいじゃないか。」
 満が痺れを切らしたように、いい加減なことを言い出す。
「確かに、アリスさんと草間さんだったら、聞き込みしていたら結構簡単に目撃者がいそうですけどね。」
 お嬢様とおじさん系のミスマッチさに、みなもは失礼にも笑みを零す。
「すみません。こんなものを見つけたんですけど……。」
 我に返ったらしい零が恐る恐るメモ帳を差し出してきた。
「何が書いてあるの?」
 シュラインが覗き込むと、そこに書かれていたのはホテルのレストラン名だった。時間はない。
「ここに行ったのかしら? ……お金もないくせに。」
 後半部は低く吐き出されるように呟いたものであったので、瑠璃花とみなもは思わず顔を見合わせてしまった。零は自分の怒りで頭が一杯なのでシュラインの様子には気付かず、満に至ってはそんなことに頓着はしない。
「これで決まったな。そのホテル近辺を探せば捕獲できる!」
「そうですね。」
 零と満は意気揚々と部屋を出て行く。
「ちょっと待ってください、あたしも行きます。」
 それに続こうとしたみなもを、シュラインが引き止める。
「私は時の館に行って、執事さんにちょっと聞いてくるから先に行っててくれないかしら。」
「わたくしも行きますわ。」
 瑠璃花が賛同の声をあげたので、みなもは2人を見つめて軽く頷いた。
「分かりました。何かあったら連絡してくださいね。」
 そうして、シュラインと瑠璃花が時の館へと赴き、みなもと満は零を連れて、周辺を捜し歩くことになった。



 シュラインはもう何度目かになる時の館へと足を踏み入れた。中はいつも通り多様な時計が溢れている。だが、今日は何かが違うような気がして、シュラインは首を傾げた。やはり管理者がいないと時計もそわそわしたりしているのだろうか。
「わあ、本当にすごい数ですねえ。」
 初めて来た瑠璃花は、珍しそうに周囲を見回す。ヘイユー、と言いながら首を揺らしているサングラスをかけたミニチュア向日葵、かぱかぱと蓋を開閉している便器の置物、普通の動物にまで時計が付いている。
「すごいです! 面白いですね!」
「そうね。感動しているところ悪いけど、目的を忘れないでね。」
「はーい。忘れかけてました。」
 てへっと笑って瑠璃花はシュラインの後について奥へと入っていった。執事がおろおろしているのが目に入る。
「こんにちは、執事さん。」
「お嬢様は見つかりましたか!」
「いえ。ちょっとお話を伺いに来ただけなんです。」
「そうですか……。聞きたいこととは?」
 シュラインに促され、まず瑠璃花が質問した。
「あの、アリス様が雑誌やTVなどをご覧になって、または以前からお出かけしてみたかった場所とかないでしょうか?」
「そうですね。……お嬢様は可愛らしい小物とかが大好きですが。行きたい場所というのも……この館から出てはいけないので、聞いたことはありませんね。」
「そうですか……。」
「あっ! そういえば、お嬢様は最近なにやら雑誌のようなものを購入しておいででした。」
「雑誌、ですか?」
「なんとかスポットとかの特集があったように思うのですが……いかんせん記憶が曖昧で……。すみません。お役に立てず。」
「いえいえ。十分ですわ。」
 瑠璃花はアリスが買ったであろう雑誌はきっとデートスポット特集であると確信していた。その中でアリスが選びそうなコースは何になるだろうか。小物が好きならば、どこか雑貨屋みたいな店に入ってる可能性がある。若い女の子が集まる場所であるので、草間はことさら嫌がるだろう。なんだかその時の草間の表情が想像できてしまって笑えた。
「アリスちゃんのウサギ時計が外に出て行ったって言ったら、館に戻ったりします?」
 続いてシュラインが自分の案を執事に告げる。アリス自身の時計は本物の動物のウサギで、館の管理者がいない今、どんな行動を起こしていても不思議ではない。いなくなったと分かれば、館に飛んで帰ってくるのではないかとシュラインは思ったのだ。
 執事は前代未聞のことで、どう答えていいか分からず困惑している。
「ちょっと分かりませんが……。」
「それじゃ、話を合わせてもらえませんか? 時を管理するってとても重要で責任のあることですものね。みんなの為、彼女の自身の為にもキチンと管理してもらわないと。」
「分かりました。お嬢様の時計を探して隠しておきます。」
「ありがとうございます。……じゃあ、瑠璃花ちゃん、捜索組と合流しましょうか。」
「はい!」
 さて、シュラインの思惑は上手く行くのだろうか。



「なかなか見つからないものですね。」
 みなもは零と聞き込みをしながら、歩いていた。満は少し離れており、あくまでもスパイ行動を貫こうとしているらしい。
 ホテルのレストランに予約があるかどうか尋ねると、すでに食事を終えた後であることが判明した。慌てて周囲の捜索に移ったが、草間とアリスという目立ちそうな2人なのに、なかなか目撃情報が得られない。
「ウィンドウショッピングしてるとは考えにくいんですけどね。公園とか、ちょっとした遊園地かな。」
「草間さんがどんなものが好きなのか、私、よく知らなくて。」
「気にしないで。すぐに見つかりますよ。」
 言外に自分は妹として失格だと言っている零をみなもは必死に慰める。
「アリス嬢はデートスポット特集の雑誌を見ていたそうだぞ。あと、可愛らしい小物が好きらしい。」
 満がふらっとみなもと零に近付いてきて、何の脈絡もなくそんなことを言い出したので、2人はきょとんとしてしまった。
「今連絡があって。執事から聞き出してきた内容だ。」
「ああ、なるほど。えーと、この近くに可愛らしい小物売ってるところってどこかにあったかな。」
 みなもは地理と店を脳裏で照らし合わせていく。満と零には心当たりがないので、みなもの答えを待っている。
「うーん……あっ! それらしい店が近くにありますよ。」
「じゃあ、そこに行ってみようか。」
「満さん、先に行かないでください。それに、そっちは反対方向です……。」
 みなもに止められ、満は何事もなかったかのようにくるりと踵を返して来た。
 その店はビルの中に入っているものだったが、1フロア丸々がその店舗になっており、所狭しとグッズが並べられている。その無秩序さが時の館に似ているとみなもはぼんやり思った。満はさすがにこの場所では自分が浮くことを了解していて、エスカレーターの方に待機している。
 零とみなもは近くの少女たちに、草間とアリスらしき人は見なかったか聞き回った。
 目撃情報がなく、この店ではないのかと半ば諦めた頃。
「きゃー、これ可愛い〜〜。武彦お兄さま、これ買って!」
「おい、それのどこが可愛いんだよ……。」
 不意に聞こえてきた声に、みなもは零を引きずって棚の後ろに隠れた。
 少女がぎゅーと不細工なカエルのぬいぐるみを抱きしめている。その前に呆れたように頭をかいているのは、この店に似つかわしくない青年だ。
「草間さん……。」
 こっそり覗き見て、零が愕然と呟く。
「アリスさん、ですね。」
 みなもも頷いた。見るからに草間は疲れ切っている。アリスの体力についていけるとは考えられないので、当然のことだろう。
「これは受け流しでさっさとデートを終わらせた方が賢明ですね。」
「どうするのですか?」
「ここで、しっかり遊んでもらってさっさと帰ってもらうんです。その前に、見つかったことを連絡しておきましょうか。」
 みなもは、零に頼んで満に伝言してもらうことにした。



 ピッピピー、ターゲット捕捉。
 気付かれないよう限界点まで接近。可聴域に達す。
 おお、本当にスパイみたいだ。
「こんなものが好きなのか? 今頃の若い女の子は。」
「武彦お兄さま、その発言自体がすでにおっさんよ。」
「ほっとけ。……しっかし、こんなものが好きなんだったら、零にもなんか買っていってやろうかな。」
「零って妹さんよね? うーん、これなんてどう? チビトラの人形、可愛いでしょ〜〜〜。」
 少女が両手で包めるくらいの人形を持って、にこやかに笑っている。さては、その中に零を呪うアイテムでも入れる気だろうか。
 当の零はみなもと一緒に逆側から草間とアリスを見守っている。
 逃げられそうになれば束縛用の結界で封じればいいので、現在はみなもの提案通り、早く買い物が終わって帰らすように仕向けなければならない。
 しかし、それだけでは面白くないので、アリスに何か小さな災難でもあわせることにしよう。
 満は、壊れなさそうな商品を選んで、棚から大量に落とし、アリスの進行の邪魔をしてみる。
「きゃあっ!」
 ふらついたアリスを草間が支える。というより、アリスが草間にしがみ付いたように見えた。向かいで零の眉が曇る。なんだかちょっと可哀相だ。
 しかし、恋人でもあるまいし、そこは反応するところではないと考えられるのだが。もしや、零は妹を何か勘違いしているのかもしれない。それともただ単に、仲がいいことに嫉妬しているだけか。
 いいことを思いついた満は、早速それを実行に移してみた。
 零の近くで、商品が崩れて床に転がる。お人好しの零は思わず、それらを拾い集めてしまった。もちろん、品崩れなど目立つので、草間に発見されてしまう。
「……零……みなもも。」
 どうやら満には気付かなかったようだ。スパイ行動が上手く行ってることが証明されて、誇らしい気分になった。
「何だ? 2人で買い物にでも来たのか?」
 言いながら、草間な何故か逃げ腰だ。みなもはちらりと満を睨んできた。計画失敗を咎めている。
「ちょうど零に何か土産でも買って帰ろうかと思ってたんだ。どれがいい?」
「このチビトラにしてよ。ねえ、可愛いでしょう?」
 アリスがにっこり笑って零に、ぬいぐるみを差し出してくるが、その目は笑っていない。
 うむ、心地よい空気だ。こういう妹たちの戦いが見たかった。どうやったらさらに油を注げるだろうか。
 険悪なまま店に留まるのはよくないと判断して、草間はアリスが示したのとは違うぬいぐるみを手にした。
 お、朴念仁ではなかったようだ。女性関係で苦労した経験でもあるのかな。
 零は、普通のクマのぬいぐるみを買ってもらい、嬉しそうに小さく笑った。その表情を見て、みなもも一緒になって笑う。アリスは面白くなさそうに膨れていた。



 シュラインと瑠璃花は、草間たちが店から出たところに、ばったり出会った。満が連絡をしておいてくれたので、苦もなくたどり着けた。
「ああ、ちょうどよかったわ。アリスちゃん、探してたの。」
 シュラインの出現に、草間がぎょっとしたように顔を歪めた。一応、この状況を見つかりたくなかったらしい。シュラインはそんな草間の心境を理解しながら、敢えて無視した。
「アリスちゃんの時計が逃げ出したって、執事さんから連絡があって……。早く帰ったほうがいいんじゃないかしら?」
「まあ! それは大変だわ!」
 アリスは驚愕に目を丸くした。
「武彦お兄さま、事件よ。さあ、一緒に来てちょうだい。」
 草間の腕に手を回して、アリスが引きずる。その様子を見た零は、むっと唇を噛んで、もう一方の手を掴んで阻止する。
「零?!」
 誰よりも草間が零の行動に驚いた。
「ちょっと離しなさいよ。武彦お兄さまはこれからお仕事なのよ!」
「お仕事なんて思ってないくせに。どうせ何か考えがあるんでしょう?」
 零の目が据わっている。アリスはふふふん、と鼻を鳴らして、胸を張っていた。
「シュライン様、もしかしてバレてません?」
「そうみたいね。」
 瑠璃花の呟きに、シュラインは口の端を引き攣らせる。どうやらアリスにいい口実を与えてしまっただけのようだ。
「武彦お兄さま、来るわよね? 可愛い妹のお願いだもんね。」
「あ、ああ。まあ……。」
 草間が言葉を濁す。
「まさか、武彦さん、あのカエルで脅されてるの?」
 シュラインの瞳がきらーんと光る。
「カエルってなんですの?」
 瑠璃花が不思議そうに尋ねた。確かに、アリスはカエルらしきぬいぐるみを抱えている。
「時の館にたくさん時計があったでしょう? あれは全て誰かの時間なんです。それで、草間さんの時計はカエルの形をしてるんですよ。」
 実際に見たことのあるみなもが説明してくれた。
「まあ、どんなのですの? わたくしも見たかったですわ。」
 瑠璃花がきらきらと目を輝かすので、アリスは上機嫌になった。カバンから、間抜けな顔をしたカエルの形の時計を取り出して掲げる。
「これが武彦お兄さまの時計よ!」
「ひどいっ! それで草間さんを引きずり回したんですね!」
 零が噛み付く。アリスは堪えた様子もなく、にやりと笑った。
「あら、でも、このぬいぐるみ以外、私が武彦お兄さまの分もお金を出したのよ? 言ってみれば、お仕事ってことね。人との付き合いもお仕事のうちよ。」
「……それを引きずり回すって言うんじゃないんですか?」
 みなもが居たたまれなくなって話を終了させようとしたが、見事に黙殺されてしまった。満は物陰からわくわくして妹たちの争いを見守っている。
 2人が言い争いに夢中になっている間に、瑠璃花がこっそりと念動力を使った。能力は滅多に使わないと従兄と約束しているので、ばれないようにさりげなく時計を揺らす。
 アリスの手からカエルの時計が転がり落ちる。あっとアリスが言う前に、零がそれを受け取っていた。
 形勢逆転。
 だが、我に返ったアリスが零から時計を引っ手繰ろうとしたので、危険と見なし、満の結界が作動した。
「きゃああああ!!」
 束縛結界がアリスの身体に絡みつき、動きを封じる。封じられたアリスはあまりのことにしくしく泣き出した。
「……満……。」
 恐ろしく目立つ格好をしているので、いるのは知っていたが、無慈悲な攻撃に草間は言葉がない。
「ちょっとひどくないですか?」
 瑠璃花がアリスと一緒に泣きそうになっている。シュラインがよしよしと頭を撫でて慰めた。全員から白い目で見られ、さすがの満も身の置き場がない気分になる。
「えーと、俺としては草間にもお灸を据えたいんだけどな。」
「うっ。」
「でもまあ、ちゃんと零にもお土産を買ってやってたし。見逃してやろっかな。」
「分かったから。とりあえず、彼女を離してやれ。」
 開放されたアリスは力なく座り込んで、項垂れた。
「でもまあ、零ちゃん、アリスちゃんの気持ちも分かるし、武彦さんの日程見て、何とか仕事の空き時間を使えるようスケジュール調整してみましょっか。これから時々は出かけられるように。」
 シュラインもさすがに不憫に思って、そう提案してみる。私には時間が割けないのかなあ、とぽつりと呟いたりした。聞こえたらしい草間が微妙な顔をする。
「美味しいものでも買って、館でもみんなで一緒に食べましょうよ。アリスさん、帰らないと大変なんでしょう?」
 みなもが手を出して、アリスが起きるのを手伝った。
「……うん。帰る。零さんも私と仲良くしてね。」
「はい。」
 そうして、2人の妹たちは和解の握手を交わしたのだった。しかし、それにしてはお互い手に力が入っていたように見えたのは気のせいだろうか。



 *END*



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【0086 / シュライン・エマ / 女 / 26歳 / 翻訳家&幽霊作家+時々草間興信所でバイト】
【1252 / 海原・みなも(うなばら・みなも) / 女 / 13歳 / 中学生】
【1316 / 御影・瑠璃花(みかげ・るりか) / 女 / 11歳 / お嬢様・モデル】
【1300 / 江戸崎・満(えどさき・みつる) / 男 / 800歳 / 陶芸家】
(受注順で並んでいます。)

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■         ライター通信          ■
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こんにちは、龍牙 凌です。
この依頼に参加していただき、どうもありがとうございます。
「時の館」シリーズ(?)も3作目となりました。シュライン・エマさま、海原・みなもさま、いつもご参加、本当にありがとうございます。
御影・瑠璃花さま、江戸崎・満さま、初めまして。
デートを邪魔する、ということですが、みなさん嬉々としてやるのかと思ったら、案外気が進まないもんなんですね。ちょっと意外でした。
如何でしたか? 楽しんで頂けたら幸いです。
それでは、また機会があったらお目にかかりましょう。