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携帯電話
●始まり
「あれ? 携帯落ちてるー」
ひょいっと沢村佳奈(さわむら・かな)は道に落ちていた携帯を手にとった。
「……まだ使えるのかな?」
試しに友達のとこかけちゃえ、とプッシュ。
「履歴消しちゃえばわからないだろうし」
後で交番にでも届けとけばいいよね、と。
「……あ、もしもし美智? ……え?」
────あ、やっと通じた! 良かったぁ────
「え? あ、ごめんなさい。この携帯の持ち主の知り合いですか? 道でこれを拾って……」
────なかなか連絡とれないから心配してたんだ。今からそっちに行くよ。すぐに行くから絶対に待っててよ────
「あ、あの、違うんです。私、あの!」
────ああ、でも良かった……もう永遠に逢えないのかと思ったよ……────
電話は一方的に切れた。
────あ、もしもし? 今線路の前に来たんだ。踏切がなかなか開かなくてさー────
────どうしたの? 全然話してくれないね。そうそう、踏切無理矢理渡ったらなんかひかれちゃってさぁ、足とか吹き飛んで参っちゃったよ。でも必ず行くから待っててね────
────あれ? 待ち合わせ場所どこだっけ? 脳みそ半分なくなっちゃったから、ちょっと思い出せなくて……メール送って貰おうにも、目も見えないし……弱ったなぁ。でもちゃんと行くからね────
着信履歴……PM9:50
「その時間に必ず電話がかかってくるんですね?」
「……はい」
佳奈は梁守圭吾の言葉に、うつむいたまま頷いた。
「捨てても捨てても必ず鞄の中に入っていて。電源を切ってるのに、バッテリーも抜いてるのにかかってくるんです……」
膝を握りしめるようにして置かれた手の甲に涙でシミが出来る。
「大丈夫だよ。絶対大丈夫。ね?」
温かい紅茶でも飲んでリラックスしよ? とヒヨリは佳奈の顔を覗き込む。
「……ありがとう……」
涙で濡れた瞳で、やっと少し笑みを浮かべた。
────あ、やっとキミの姿が見えてきた。もうすぐ、逢えるよ────
●PM5:30
その日、時計屋の中には店主である梁守圭吾とその腹話人形であるヒヨリの他に6人の男女がいた。
一人は勿論依頼人で……この場合依頼人、と呼ぶのはおかしな話だが……テーブルの上におかれている携帯電話の拾い主である。
名前は沢村佳奈。肩より少し長めの黒い髪。それで顔を隠してしまうようにうつむいている。学校の制服であろうブレザーはさほど着崩していないようで、好感が持てた。
僅かに茶色がかった瞳には今にもこぼれそうな涙が浮かんでいた。
それでも細々と動き回るヒヨリの言葉と笑顔に、だいぶ落ち着きを取り戻したようだった。
「これがその電話って訳ね」
何事もないようにひょいっと電話を持ち上げて、シュライン・エマはしげしげとそれを眺める。
すらりとした長身に抜群のスタイルを強調する様な服装。モデルとしても充分通用しそうな彼女だが、肩書きは翻訳家。しかしその仕事より更に儲からない草間興信所でバイトをしている事が多い。儲からない上に雑用を押しつけられる事しばし。最近時計屋に出入りするようになり、更に更に奇っ怪な事件に巻き込まれる事が多くなっていた。
「あの…ね? かなちゃんね…ないたらめー、よ?」
佳奈の膝の上に手をついて、寒河江駒子が真剣な眼差しで覗き込む。寒河江家に住み着く座敷童子。見た目も言動も子供だが、ここのいる誰よりも長い年月をこの世においている。
最近仲の良い九尾桐伯にくっついてこの店にやってきた。
「…んと。かなちゃんの《けーたい》は《しんだおにーさん》とつながってるんだねぇ。こまこの《けーたい》も《いじげんのこーかんさん》とつながってるんだー」
と得意げに深雪に作ってもらったポシェットの中から携帯電話を取り出す。それはどこから見ても普通の携帯だが、異次元に持ち込んだ際にその機能をかえた。
「その携帯は元々沢村さんの物ではないわけですよね…。人違いで人一人殺されては堪りませんね」
シュラインの持つ携帯を見つつ、桐伯は佳奈に柔らかな笑みを向ける。
「心配なさらなくて大丈夫ですよ。あなたが死ぬ事は絶対にありません」
「はい……」
涙を流さない様に、と見張っていた目が細められ、頬の上を涙の粒が滑り落ちる。
「お使いになって下さい」
自然な仕草で白里焔寿が佳奈に真っ白なハンカチを差し出す。グレーのツーピースにブーツ。焔寿の印象はそのハンカチが物語っていた。清楚でしとやか。天翼の神子、と呼ばれるにふさわしい様な雰囲気。シャーマンに位置づけされるその能力はかなりの高位である。
「ありがとうございます…」
佳奈はそれを受け取り、今までたまっていた涙を全てふき取り、反対に折りたたんで返す。
「沢村さんはすぐにここに辿りつけました?」
「え、あ、はい……」
「そうなんですか。私何度も迷ってしまって大変だったんです。最後にはこの子が道案内をしてくれて…」
と愛猫であるアメリカンショートヘアーのチャームを見せる。
天然なのか計算なのか─様子を見る限りでは前者でありそうだが─、焔寿の言葉に佳奈は瞳をほころばせた。
「お前の所に来る事が解っているなら手はある。怯える事はない」
シュラインから携帯を受け取り、霊視していた真名神慶悟は佳奈を見ることなく呟くように言った。
「こういった事は取り乱すのが一番危うい。ここにいるメンツは姿形はどうであれ、霊的事件にはなれている。とりあえずこれを渡しておく」
【摩利支天の護符】を佳奈に渡すと、佳奈はそれを不思議そうに眺めつつ言われるままに内ポケットに入れた。
「穏形法の為の呪符だ。取り出さない限り、激しく動いたりしない限りは他者…特に霊障の類はお前の姿は見えなくなる」
そして慶悟は佳奈の周りを歩く。それは予め場に呪的な仕掛けを施す為に。霊的なものが触れるだけで破れてしまう様な微弱な…触れたものですら気づかない程の結界。
(結界が破れれば、例え不可視であっても何かが来た事は解る。破られた場所でどこから来るのかもな)
「もしよろしければ私が沢村さんに変装いたしましょうか?」
高校には通っていない焔寿。こんな状況とはいえ制服に憧れるものはある。
「そうね。このままだと沢村さんがいないままで困るから。白里さんに変装して貰うのもいいかもしれないわね」
「圭吾の仕事道具なら奥の部屋にあるから、それ使っていいよ☆ ウィッグとかもあるし」
話には全く出てこないが、圭吾は腹話術師でテレビにも出ていたりなんかする。その為か変装道具のようなものを持っていても……不思議ではないかもしれない。
「こまこも手伝う〜☆」
ヒヨリに案内されて女性3人は奥の部屋へと消えた。
慶悟によって術がかけられた佳奈は動く事ができないのでその場に座っている。
中ではわーわーきゃーきゃーと洋服屋の試着室のような会話が乱れ飛んでいる様子だったが、正確な事までは聞こえない。
そして戻ってきた焔寿は、どこから見ても普通の女子高生の姿になっていた。
「……どうして変装用衣装の中に女子校の制服あるのかは、問わない方がいいですよね?」
「よろしくお願いします」
冷静な声音で桐伯に言われ、圭吾は乾いた笑いを浮かべた。
「……上から気配をかぶせておくか」
言って慶悟はスッとたちあがり焔寿の周りで何かを唱える。
「これで沢村さんと同じ気配になったはずだ。ヤツも騙されるだろう。……自分で自分の身くらいは守れるだろう?」
「はい」
慶悟の言葉に焔寿はしっかりと頷いた。
●PM9:00
必ず9:50に電話が鳴る、という事で待機。
その中駒子がテーブルの上に戻された携帯電話を手に取った。
「これ、《れーかい》につながっているんかなぁ…ちがうや、《おにーさん》が《けーたいのなか》に《いる》んだね〜」
携帯電話を振り振りしながら話しかける。
「おに〜さ〜ん? かなちゃんは《ちがう》んだよ〜」
必死に呼びかけてみるが応答はない。
それに駒子はむむ、と眉根を寄せて唇を尖らせる。
そして今度は異次元電話の方を取り出した。
「《こうかん》さーん! こまこと《でんわのなかのおに〜さん》つないで──! あったまきたから《ほんとのこと》いっておこらせちゃうもーんっ!」
「本当の事って??」
いきなり飛び出した駒子の言葉に桐伯は目をぱちぱちさせる。
「まぁ、あと50分ここでぼんやり待つよりいいかもしれないわね」
あっさりと加勢してシュラインは先ほどから電話を使って何かを調べているようだった。。
「依頼人は死守するから大丈夫だ」
「みなさん……」
更に加勢した慶悟に、焔寿は困った様な顔になったがとめることはしなかった。
【キョウのテンキはユキ。まちあワセにおくレルとたいへんデス。まちびときタラズ】
意味不明な言葉を異次元電話が発すると、どこかでピ────と甲高い音が聞こえた。
「おにーさーん、《かのじょ》と《れんらくとれな》かったのはねー《かのじょ》がおにーさんから《にげてた》からなのー! おにーさんは《ふられた》のにきづかなかっただけー…あ、あれぇ?」
「駒子ちゃん、一体そんな話どこから……?」
桐伯が呆然と呟いた瞬間、駒子が持つ携帯電話が鳴りひびた。
時計の針はまだ9時50分をさしてはいなかった。
「私が出ます」
佳奈になりすました焔寿が電話に出る。
「……も、もしもし?」
────もしもし? そろそろそっちに着くんだ。折角買ったプレゼント、さっきの事故でどこかにいっちゃったんだ、ごめんね……でもさ、キミを素敵な場所に連れて行ってあげるよ。とっても綺麗な場所だよ────
プツン、と一方的に電話が切れる。
瞬間。室内の空気が唐突に冷えた。
「調べはついたわ」
メモ帳に書き留めていた暗号じみた文字を横に清書してみんなに見せる。
「色々調べて貰ったの。それで、これがそれ」
少しクセのある右上がりな文字で書かれた紙を全員が見つめる。
さすがはすでに専門職、というか。最初は自分で足で調べようとしたが携帯を拾った場所まで遠かったので諦め、かわりに草間興信所にいるメンバーに頼んだのだ。
いっそ彼女の声を覚えてかわりに、と思ったが、彼女は電話には出てくれなかった。
[故:寺沢亮(てらさわ・あきら) 没20XX年12月24日
死亡時刻 21時50分 踏切に飛び込み電車にはねられ死亡。
辺りにはバラの花びらと、通話が切られた状態の携帯電話が落ちていた。
彼女の名前は大上美和子(おおがみ・みわこ) 友人の証言ではその日、彼に電話で別れを告げ、待ち合わせの場所にはいかなかった、と言う事だ]
不意に再び着信音が響き渡った。
更に室内は寒くなり、息をはけば白くなりそうなくらいだ。
そしてそれは、誰が出る事もなく勝手に喋り始めた。
────やっとついたよ。ずいぶん長く感じたなぁ。迎えに行くから、綺麗にして待っててね……あれ? 待ち合わせの場所とは違うようだけど……まぁいいか。今行くよ────
やはり電話は一方的に切れた。
しかし。
次の瞬間。
ずるり、と何かが地を這う様な音がし、携帯がゆれた。
「これは……」
音とともに臭ってくる血臭と腐臭。それにシュラインは眉間に皺を寄せた。
まず携帯から出てきたのは血に濡れた指先。それさえも少しとけかかっているように見えた。
佳奈は完全に顔の色を失い、気を保っているのがやっとのようだった。
指の次は手首。そして腕。肩がでてきて小さな携帯のどこから出てくるのだろうそれは、次々とその姿を現していく。
血にまみれた姿。体の方々がちぎれ、すでに凝り固まった血液。
顔半分がかけたそれが見えた時。確かに焔寿を見て笑った。
「やっと会えたね……ずっと捜していたんだよ……」
普通の女子高生であれば、完全に気を失っていた所であるが、焔寿は気丈にも見返し、手を胸の前で組んだ。
その傍では慶悟が札になにかを書きこんでいた。梵字、と呼ばれるそれは、わかるものしか読みとる事は出来ないが、どうも男の名前と没日時が書かれているようだった。
(これから私にもてだてはありますね)
霊ではない、完全ではないにしろ肉体を持った、それはすでに化け物、と呼ばれる物。桐伯はじっと見据えて糸を指にからめた。
発火製の糸。桐伯はそれに自在に火を付ける事ができた。
駒子は佳奈をかばうようにして立ち、皆と同じように男を見つめる。
男はよたよたした足取りで、しかしまっすぐに焔寿のもとへと歩いていく。
佳奈の口元はかみ合わないくらいに歯がガチガチとなっている。
「かなちゃんぜったいうごいちゃ《だめ》だらかね」
駒子の言葉に頷く事さえできない。
「あなたの捜している人物はもういません。帰るべき場所へとおかえりください」
「なにを言っているんだ? そこにいるのに。駄目だよ。わかってる。大丈夫だよ。あそこは素晴らしい場所だ。きっとキミも気に入る。ずっと一緒にいよう。あの日約束したように……」
焔寿と男の距離はほんの数十センチ。しかしなかなか近づく事ができない。
「……誰だ邪魔をするのは!」
「きゃああ!」
ぐわっと目を見開いてあたりを見回した男の形相に、佳奈は文字通りとびあがり、部屋の隅へと逃げた。
「あれ? ……なんだそっちにいたのが本物だったのか。ごめんね、見間違えるなんて……」
にこり、と笑ったそれは不気味でしかなく。
佳奈は腰をぬかしてその場に座り込み、頭を抱えてうずくまってしまった。
「いやー! 来ないで────」
「何をそんなに怖がっているの? 愛する人が迎えに来たんだよ。さぁ、たちあがって」
「来ないで来ないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
叫ぶ声はすでに嗚咽混じりで何を言っているのかわからなくなっている。
そして男が佳奈に手を伸ばした瞬間、男の手がぐしゃり、と床の上に落ちすぐさま火を吹き上げた。
桐伯の糸が腕を切り落とし、再生不可能にしたのだ。
「あなたの思いをとげさせてあげたい気はしますが、このままでは害にしかなりません。浄化いたします」
「おし、書けた」
ようやく全てが書き上がった慶悟が、無言の視線を焔寿に送ると、焔寿は察した様に頷いた。
「悪障為せば救い無し。ここに問う…汝の望みは如何なるものか!」
慶悟の恫喝。と同時に動きを封じる【禁呪】が放たれる。
「我、汝在るが様をここに禁じる!」
「望み……望みなんて決まっている。彼女と一緒に行く事だ。永遠の地に。誰にも邪魔されない、僕らだけの世界……」
最後の方はのびきってテープのような声音になり、男は再び佳奈へ向けて歩き出した。
「妄執は焼くか祓うか、か……」
それは引き金のような言葉だった。駒子は精一杯の力で佳奈の前にたちはだかる。
桐伯の糸が男をとらえて発火させ、それに慶悟が書き上げた札を投げ込み呪言を唱える、そして更に焔寿の体が金色に光り、浄化の光が放たれる。
ほんの一瞬のできごとだった。
男の体は焼けこげ、ぷすぷす、と音をたてたと思うと、携帯もろとも砂にかえり、消えた。
残ったのは何も見ていなかった佳奈の、言葉にならない声と、安堵した様な周りの息づかいだけ。
「……お店の中に砂が残っちゃって。掃除も楽じゃないのに」
プンプン、とおどけた口調でヒヨリがいい、暖かい紅茶をテーブルの上に置いた。
「かなちゃんもう《だいじょうぶ》だよ。《こわい》おにーさんはもう《いない》から」
ポンポン、と駒子に背を叩かれ、佳奈は涙でぐしゃぐしゃになった顔のまま、ようやくそれをあげた。
「紅茶でも飲んで落ち着きなさい」
スッとシュラインにまだ湯気の熱い紅茶を差し出されて、佳奈はそれを受け取り、顔の前にもってきた。
息を吹きかけて軽く冷まし、ゆっくり口をつける。
暖かいそれがのど元を降りていった頃、ようやく佳奈は自分を取り戻した。
「怖かったわよね。ご苦労様」
ねぎらう様なシュラインの声に、佳奈は再びボロボロと涙をこぼした。それは安堵の涙で。焔寿はそっとハンカチを差し出し、微笑んだ。
「これか、核は」
「何かありましたか?」
「ああ。ほら」
床から何かを拾い上げた慶悟は、問い返した桐伯にそれを軽く放った。
「……指輪、ですね」
「大方結婚でも申し込もうとしてたんだろ。気の毒なヤツだ」
呆れた様に言い放ったが、どこか苦い色が浮かんでいた。
「これにて《いっけんらくちゃく》」
少し芝居がかった駒子の口調に、皆の顔に笑顔が浮かんだ。
●後日
その後携帯電話を拾った辺りへ一行は調査に行ったが、霊障を見る事はなかった。
佳奈も通常通りの生活に戻り、携帯電話は愛用しているようだが、これからは落ちてる携帯は拾わない、と真剣な面差しでいった。
それに周りは「拾ってもすぐに警察に届けろ」と苦笑したり。
なにはともあれ、悪夢様な一夜は過ぎ去った。
「みーちゃんはねーこういうのが《すき》かなー」
「……結構いける口なんですね、実は」
「よくわかんないけど、《これ》が《かわいい》からこまこがほしい」
時計屋の近くの輸入酒店にて、桐伯と駒子の会話。
駒子の言葉に苦笑しつつ、桐伯はそれを手にとった。
アルコール度数70%。
はてさて、どうやって飲むのやら。
「んじゃまた来るわ」
「あ、ちょっと待ってー。これこれ」
「お、さんきゅー」
渡されたのはお弁当箱。中身はぎっしりつまっている。
「この間リクエストのあった合鴨のローストもいれたよ☆ でもね、料理の本みて注文するなら、その本買ってきてね?」
ヒヨリに見上げられて慶悟は苦笑する。
「ま、金のある時は買ってくるわ」
じゃあな、と言葉を残して店を後にした。
今度はどんな料理をリクエストするかなぁ、と思いつつ。
「私もおいとまいたします」
「お疲れ様でした」
圭吾に微笑まれて、焔寿も笑い返す。
「なかなか貴重な体験もさせて頂きましたし」
さしているのは制服の事だろうか。
事件の間おとなしく片隅で眠っていたチャームも、今はしっかり焔寿の腕の中におさまっている。
「それでは、またの機会寄らせて頂きます」
「おいしい紅茶用意してまってるねー☆」
ヒヨリに見送られ、焔寿は時計屋を後にした。
そして夜遅い事もあってか、焔寿の元にすぐさま迎えが現れた。
「それじゃ、私もそろそろ帰るわね。こんな時間だけど……仕事たまってるんでしょうね、きっと」
大仰にため息。
「大変だねー。これ、少し前にいい豆が入ったから、どうぞ」
ポットにいれられたコーヒー。外まで良い香りが漂ってくる。
「ありがとう。今度ポット返すわね」
言ってシュラインは自宅ではなく、草間興信所へと向かって歩き出した。
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【0086/シュライン・エマ/女/26/翻訳家+時々草間興信所でバイト】
【0291/寒河江駒子/女/218/座敷童子/さがえ・こまこ】
【0332/九尾桐伯/男/27/バーテンダー/きゅうび・とうはく】
【0389/真名神慶悟/男/20/陰陽師/まながみ・けいご】
【1305/白里焔寿/女/17/天翼の神子/しらさと・えんじゅ】
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■ ライター通信 ■
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初めまして&こんにちは、夜来聖です。
今回は少しホラータッチに書いてみましたがどうでしょう?(^_^;
改めて表現の難しさを痛感してみたり。
それでは、またの機会にお目にかかれる事を楽しみにしています(*^_^*)
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