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調査コードネーム:白物語「瓶」
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「やぁ、久しぶりだね」
最近とみに建て付けが悪く、きしまない事のない扉を静かに開いてみせた青年は、開口一番、そう宣った。
視線は真っ直ぐ上座に…所長である草間武彦に向かっている。
「あ、東…ッ!?」
行儀悪く、机の上に両足を上げて食後の一服を楽しんでいた草間は危うくバランスを崩して椅子から転げ落ちかける慌て様に、所内の視線が何だ何だと集まる。
「そんなに再会を喜んで貰えると嬉しいよ」
「いつ日本に帰って来た!?」
「ついさっき」
会話から察するにどうやら海外に居たらしいが旅の疲れは欠片も見せず、東は穏やかな微笑みのまま、草間のサングラスをすいと抜き取った。
「………さ、脱いで」
言い様、その手は草間のシャツのボタンを外しにかかっている。
背後、どこか嬉しげな女性陣の黄色い悲鳴と、心底怖ろしげな男性陣の低い呻きが上がるが、誰も草間を助けようとはしない…この場合、彼に人望がないのではなく、ただ単、得体の知れない東に近寄りたくない為だ。
「気にしないで仕事を続けて…ボク等は勝手にやってるから」
「何を勝手な…うわあぁッ!?」
怪奇探偵危うし!と、TV番組ならばそんなテロップで次週に続く所だろうが、そうはいかない。
草間のシャツをほとんど剥いた東は、首筋から肩へのラインに指を滑らせ…
「睡眠不足に喫煙量の増加?栄養状態も良いと言えない…よくもボクの前でこんな半端な健康状態晒せたものだよ」
と、円錐に丸めた艾を肌に乗せて火をつけた。
子供の頃、悪さをしたら年輩の方に「お灸を据えるよ!」と叱られた事はなかろうか。要はそれである。
脅し文句にされている為か子供相手のおしおきの感が強いが、人体の要所に存在するというツボに刺激を与えて病の回復を促す東洋医学の立派な治療法である。
ふわふわとした艾は、捩られて密度を増し、空気を含んでゆっくりジリジリ時間をかけて燃える。
「千歳ッ、熱い!避けろ!」
「静かにしないともっと大きなヤツにするよ、先輩」
草間の苦情を一言の下に却下すると、東はおもむろに振り返った。
視線は室内の面子をぐるりと見渡すのに何をするかと思いきや、穏やかな微笑みで軽く頭を下げた。
「突然押しかけてお騒がせしました。大陸で面白い物を手に入れましたので、どうぞ皆さんで」
言いつつ、来客用テーブルの上に風呂敷包みを置いた。
おそるおそる。
解けば現れたのは年代を感じさせて古い木箱。
蓋面には時経て薄くなっているが、達筆で『知魚楽』と読める。
「古い青磁なんですが、価値のない人に初めて価値の出る品、だそうです」
細首の口を油紙で覆って蝋封に施されたそれ…
「……徳利?」
誰かが呟いた。
確かに30pほどの高さの巨大な徳利に見える。
「でも未成年の方はいけませんよ?お酒は肝臓に負担をかけますからね、まだ身体が発達しきっていない方には利になりません」
めっ、と釘を差しておいて、東千歳はにっこりと笑った。
「いずれ東京に診療所を開くつもりですので、その折はどうぞ贔屓にしてやって下さい。現在は出張治療も承っておりますので」
さり気に営業をかまし、灸をすえられたまま動けない探偵を残し、鍼灸師は去って行った。
謎と瓶だけを残して…。
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てん、と。
淡い青に輪郭を澄ませて鎮座坐す一本の徳利…もとい、瓶、を前に警戒と遠慮と好奇心とがない交ぜた、微妙な視線が絡み合って奇妙な均衡を保っている。
「……………捨てて来い」
口火を切ったのは…何処か爆発物を見るように、机の影から目の下までだけを出して、瓶の様子を伺う草間だ。
「武彦さん、そろそろ服来たら?」
シュライン・エマの言に草間は眉を顰めた…彼の背ではまだ、艾が煙を上げている。
「灸を除けてくれ…」
額には脂汗が浮いている。かなり熱いらしい。
上部を炭化させた黒と、艾のクリーム色との境を明確にした火の赤に、どうやって除ければいいのか分からないまま、面々は所長の要望に応じられずに顔を見合わせるしかない。
「ふ、いい様だ、草間♪」
そんな戸惑いとは無縁に、それはそれは極上の笑顔を向けたのは、いつもの着流しに時節から羽織を肩にかけた美少…年、スイ・マーナオ。
「大人な草間さんがああいうおもしろ…珍しい対応するなんて、いいですねぇ」
海原みなもは肌をさらす草間を正視しかねる風に、微妙に視線を泳がせ少女らしい恥じらいに染めた頬をパタパタと手で顔を仰ぐ。
何がどういいのかは知れないが。
「耐えろ、草間ちん!」
力の抜ける愛称で激励を送る神薙春日、両拳を握ってのエールだが、最早、灸の熱さに誰の声の聞こえない域に行ってしまっているらしく、草間からの答えはない。
「最近疲れやすいのって、煙草でビタミン破壊されてるのよ、武彦さん。同じ煙の出る草なら、たまには健康に良いのもいいんじゃない?」
一応のフォロー…らしきものに味方のいない怪奇探偵。
ちなみにこの場に居れば敵だったか味方だったか判然としないが、義妹である零は、本日は親しくなった調査員の家にお泊まりの為、孤立無援の草間であった。
そしてもう一方…こちらは草間に欠片の注意を払う様子もなく、少し垂れがちの目をキラキラと輝かせる、月見里千里。
その眼差しの先には、少し忘れられかけいてる、瓶。
「いっただっきまーす♪」
狭い事務所に止める暇もない。
はっし、と細首を掴んだ手は蝋封を何の迷いもなく解き、一気に傾けようとし…たのをみなもの手が取り上げた。
「ちょっと待って下さい!千里さんダメですよ!」
その手から、スイがひょいと持ち上げる。
「ちょっと待てって。いくらなんでもそりゃねぇだろ」
トプン、と液体を揺らす瓶を胸に押しつけられた春日は、更にそれを遠ざける。
「ちょっと待ったって逃げやしねーって」
千里の手の届かない距離…シュラインの元へ見事なリレーで遠ざけられる。
「そうよ、千里ちゃん」
受け取ったシュラインが片掌で支えて、先の東のようにめっ、と目角を強めてみせた。
「あたし未成年じゃないもーん…昔は15歳で元服だったんだしぃ」
瓶を取り上げられ、ぷぅ、と頬を膨らませた千里に、ふるふると首を振るのは4名。
「女の子がラッパ呑みなんていけません!」
異口同音の主張は、実はそういう事だったらしい。
『知魚楽』という言葉の哲学的概念を、現役高校生が中学生向けに説明するとこうなる。
「アレだ…荘子っつーおっさんが魚が楽しそうに泳いでるなっつって、恵子っておっさんに言ったら、相手が魚でもねーのに魚の気持ちが分かってたまるかってぇ憎まれ口を叩いたって話で…」
虫の居所でも悪かったんだろーな、と春日は金の眼差しで瓶をためつすがめつ検分しながら、当たらずも遠からぬ意訳をみなもに告げる。
「ダーメだ、何にも視えねぇ」
もとより、春日の持つ能力は対人仕様の為か、物を視るのは不得手だ。
「よっぽど強い思い入れみたくのがありゃ、まだ違うんだけどよ…」
けれど、古い器物にありがちな…人の寿命を越えて存在する物に託されがちな念なども、きれいさっぱりない。
諦め気味に瓶を置く。
「『価値のない人に初めて価値の出る品』でしょ?そんなのに思い入れる人なんて居たのかなぁ?…そしたら荘子ってオジサンも負けず嫌いでね、キミはボクじゃないから魚の気持ちが分かってないとは分からないだろうって、ホント大人気ないよね☆」
中途半端な春日の説明を、千里が続ける。
日本の未来が心配になる一瞬だ。
大人気ない、と評された過去の偉人と張り合うつもりはないのか、スイのこめかみあたりに我慢の青筋がちょっぴり浮いてたりする。
「さて、『知魚楽』…荘子…秋水か」
少し遠い目で、得意分野の記憶を手繰りつつ、簡素な瓶の銘であるらしいそれを示した桐の箱を取り、鑑定の真似事よろしく検分する。
骨董となれば、品自体の価値を定めるに、納められた箱こそが鑑定の決め手となる場合が多々ある。
こと、ある時期を境に作風の激変した作家などは偽造も多く、その自筆による質し書きこそを証明として初めて価値が見出されるのだ。
けれど、簡素に名だけを記した物に、特に作者を確とする情報はない。
「本の様にはいかねぇな」
諦めの息を吐くスイが支える箱の下、応接テーブルをふきんで拭きつつのシュライン。
「第十七篇の最後の一節のアレよね?」
それに、両手に毛布を抱えたみなもが首を傾げた。
「謎の言葉と組み合わせて考えたら、とっくりとしても用を持たず、魚を知る事を楽しめる…ってコトかな?」
「もしくは魚を知って楽しむ…?違うか、んな単純なわきゃねーわな」
「魚は知らなくても、肴は楽しめるよねー♪」
小鉢を乗せた盆を支える春日に、それを手際よく机上に配して行く千里が強引に結論付ける。
「お酒や徳利に利用価値見出さない人にも価値ある何かを起こす事が出来る…一緒に呑んだ人皆が其々の楽しみ方を共感出来る…とか。ま、美味しくお酒頂ければそれで良いような気もするけれど」
シュラインは事務所の小さなキッチンで作った簡単なツマミを運んで並べる横には箸と小皿、テーブル下には胃腸薬の入った救急箱、脇に積まれた毛布にと、瓶をに完璧な布陣が敷かれた。
「どちらにせよ面白そうですね。きっちりと楽しみましょうか♪」
両手を合わせて嬉しげなみなもに応意が返るに唯一、苦い反応が帰る…草間だ。
「お前等…本気で呑む気か?」
「居たのか」
スイに言わしめてしまう程に存在感の皆無だった草間はゆらりと…妙に血色のよくなってしまっている顔色で立ち上がった。
「好きにやっててくれ…俺は調査に出てくる」
「え、草間さん、もう6時回ってますよ?」
時計を見上げるみなもに、草間は「それでもだ」と、ちょっと使い所を間違って渋い台詞を残して事務所を去ろうとする…手首をスイが掴んだ。
「酒を前に退くこたねーだろ。不粋な男だな」
その反対側の腕を春日が取る。
「そうそう♪とりあえず、真っ先に草間ちんに酒呑ませよーぜぇ♪」
言うが様、春日はガポリと草間の口に瓶を突っ込んだ…草間の喉が動き、間違いなく口中の酒を嚥下したのに瓶はそっと外され、草間が片手で口を押さえて…待つ事5秒。
心配と期待と不安と好奇心と無関心と、何かしらのリアクションが待たれる中、草間は信じられないという風に頭を振った。
「………美味い」
みなもを除く全員が、一斉に猪口を手にした。
「で」
スイは短く言葉を切った。
ほんのりと朱に染まった肌が襟元から覗く様が、妙に艶めかしいのは和服姿の利点…だが、どっかと片胡座をかかれては風情も台無しである。
「草間、あの鍼灸師、お前のこと先輩とか言ってたけど何の先輩後輩だ?」
「酔いの醒めるよーな事聞くなよ…」
ちりめんじゃこを山椒と一緒に醤油で煮たツマミを口に運んで草間が眉根を寄せた。
「あ、あたしも興味あります!東洋系のお医者さんってこういう趣味…」
みなもはシュラインに口を押さえられ、もがもがと不明瞭な言葉を最後まで吐く事は出来なかった…が、男性陣は聞かなくて良いような事だと半ば本能で察する。
「みなもちゃん、呑んでないのにねぇ…あ、シュラインさんももっぱいどーぞ♪」
「未成年はちょっとだけになさい」
シュラインが窘めるが、それも今更、である。
クピ、と杯を傾けて虹色の息を吐く春日、先ほどからかなりの杯を注しつ注されつ重ねているが回っているように見えない。
「で、草間さん真相は!?」
春日から瓶を奪った千里が手にするのは既に杯でなく、硝子のコップになみなみと酒を注ぎ、一息に煽るとマイクよろしく、瓶を草間に突きつけた。
みなももコップを前に据えてはいるが、こちらの中身はオレンジジュースだ。
「お前ら…誰にも言うなよ?」
酒の席は、不思議と人の口を軽くする…最も、その場で語られた極秘事項は、翌日誰も覚えていないか、極秘であった事を忘れられているかの二つに一つなのだが。
「…………子供ン頃、親に放り込まれたピアノ教室で、俺が三日だけ先輩だったんだ」
嘘だろう、信じねぇ、草間さん酔った?、うわぁ今度弾いて下さい♪との、それぞれの反応に
草間は酒気でなく頬を染め「親に無理矢理通わされたんだ!」と、その期間が僅か1ヶ月であったと弁明する…のに、肌の白さに薔薇色の頬を目立たせたシュラインが呟く。
「武彦さん、カワイイ…♪」
何処らへんがどの辺りが。ツッコミたい気持ちはあるが、シュラインの遠い視線になんだか声をかけ辛い。
「それにしても、東さんのお灸気持ち良さそうだったなぁ…肩こり酷いのよぅ、最近。今度出張治療してもらおうかしら」
「やめとけ!」
間髪入れない草間の否定。
「あんなヤツに身体を任せるくらいなら俺がやってやる!」
酔いの為か、その気じゃないのにかなりアブナイ風に聞こえる言を吐いているのに気付いていない様子の草間。
「え…ホントに…?」
「任せとけ」
頬を染めたまま見つめ合う二人。
「ガンバレ草間ちん!骨は拾って捨ててやる!」
「シュラインさん、そのまま押し倒しちゃえ〜♪」
GoGo!と片拳を振り上げての春日と千里の声援に、みなもがどちらを止めるべきかおろおろと悩む。
「ま、俺ァこの上ない健康体だし、…アレ以外の医者にでもかかろうもんなら煩くてしかたねぇし…行きゃしねぇだろうが」
会話にあぶれてちょっと寂しいスイは、思わず押し掛け専属医の存在を思い出すとふるふると頭を振った。
すると一気に酔いが回って傾ぐ身体を咄嗟にソファの背を掴んで支える…のを「スイっちょん、だっせぇ〜」とツボに嵌ったらしく、ケラケラ笑って指差す春日にゆらりと…スイは怒気に輪郭を揺らめかせて立ち上がる。
「…その呼び名はナンだ…カマドウマの別名か!?あン!?」
春日自身、もうちゃんと呼びたかったんだか、さんと呼びたかったんだか。
酒癖なのか、しつこい笑いに腹を抱えて床に転がる春日をスイが上から蹴立てる…当社比、3割増に荒くたい、彼は今虎である。
「みなもちゃんわね、あんな大人になっちゃダメなんだからね。い〜い?」
指を立ててチチチと横に振る千里…飲酒年齢に達しさえしていない身で大人を語るとは何事か。
「大人はね、もっとステキに包容力があって経済力も大事だけどやっぱり愛がなきゃ愛が!………ちーちゃんの愛はいつ報われるのかな〜?」
しくしくと泣き出す…暴れる場を先取られて、泣くと絡むに走る千里。
スイに蹴立てられてテーブル下に潜り込んだ春日がけたたましく笑う声が、ガツンと大きな音に激しくテーブルを持ち上げた直後にぷつと途切れた途端、端に置かれていた瓶がテーブル落ちた。
みなもが咄嗟に手を伸ばすも間に合わず。
幾つにも分かれた青磁の破片を散らして一瞬、中に封じられた酒が中空に歪な広がりを見せて、次の瞬間。
室内を満たした、水。
揺らぐ視界、大気に変わって濃密に肌を覆う感覚に混乱を生じさせる間はなく、カシャン、と青磁の割れる音がようやく、耳に届いた。
これは南の海だ。
髪を広げる水流の柔らかさ、暖かさ。
彼女が生まれた場所ではない、けれど血が、魂の根源から繋がる流れが覚えている。
ここは、本来の彼女の一族が生まれ、育ち、老い、還る、大いなる厳しさと安らぎに満ちた故郷だ。
「魚の、楽しさを知る…?」
呟きは気泡となって水面に昇る。
みなもは『知魚楽』に込められた酒を、一滴も口にしてはいない…が、その濃密な水の記憶を呼び覚ますに取り込む必要はない…元々に近しい、水の、海の民であるが故に。
胸を締め付けるのは、乾いた陸に覚えざるを得なかった郷愁を満たされ、哀しみに似すぎた喜びが溢れる。
みなもは薄く指の間に張る、透明に青い皮膜を広げて顔を覆った。
この感情に名前などつけられない。
溢れる涙は珠を結ぶ…水の中で、人魚の涙は真珠になる。
泡沫の虹を閉じ込めたように、溢れる涙は白い砂にぽとぽとと落ち、みなもは母の腕に抱かれる幼子のように、ただ涙を流し続けた。
朝の光が、室内を満たす。
カチャ、と軽い音で回るドアノブに続いてそーっと事務所を覗き込む…東が居た。
「あぁ、やっぱり…」
予測していた様子で、微笑みに撃沈する面々を見回す…項垂れるように眠る草間の肩に凭れるシュラインの膝を枕にみなもが眠り、その横では千里がまるまって猫のよう。
ソファの背もたれに腕をかけ、身体を伸ばしているスイに、テーブルとソファの間、狭い床に挟まって眠る春日、と六者六様の光景だ…その表情はどれも楽しげだが。
東は割れた筈だが、テーブルの中央にてん、と座する瓶、を取り上げる。
「いい夢は見られましたか?」
元の通りに蝋封のされたそれを取り上げ、木箱に収めると、彼はおもむろに腕を捲った。
「さて、それでは始めますか」
春日のずれた毛布を直してやり、空になった皿を重ねて運び、手早く片付けていく。
蛇口から流れる水音はわりと耳につくものだが、誰もが深い夢の内に居るのか目覚める気配はない。
「先輩はもう少し血流を良くして、あの女性はちょっと凝り性ですか。あれも辛いですからきちんと治してあげないと…セーラー服の子はちょっと面白い気の流れをしていますねぇ、興味はありますが、お酒も呑んでいないようですし。着流しの方は、ちょっと怒りっぽいようですね。でも精神に悪い影響を与えるような代物ではなさそうですし…」
今日は諦めますか、と口中に呟く。
そして残る二人。
「未成年者の飲酒はイケマセン、と、明言してましたよね、ボク」
にっこりと…それは楽しげに微笑む東。
爽やかな朝だ。
空は晴れてほどよく雲も流れているし、風は穏やかだし、花のつぼみもふくらみ始めてうきうきと心楽しい陽気だ…が、爽やかなままであるかは、後に待ち受ける運命を担う鍼灸師にかかっているのを知らず、面々はただ夢の中、であった。
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【1252/海原・みなも/女/13歳/中学生】
【0086/シュライン・エマ/女/26歳/翻訳家&幽霊作家+時々草間興信所でバイト】
【0165/月見里・千里/女/16歳/女子高校生】
【0821/スイ・マーナオ/男/29歳/古書店「歌代堂」店主代理】
【0867/神薙・春日/男/17歳/高校生・予見者】
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■ ライター通信 ■
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大変にお待たせしました…<m(__)m>
私事ながら身の空かぬ事態が勃発し、大変に時間を食ってしまいました事、深く陳謝申し上げます。
久方ぶりの依頼、楽しんで執筆させて頂きました…で、結局謎の鍼灸師は何をしに出てきたんでしょうかねぇ…ホントに顔見せだけで終わっている男ですが、腕はいいらしいので如何ですか、ご自宅に一匹。雨期に勝手に増えるので好きに持って帰って…(待て)スイマセン、冗談です。
各人の個性が出せていればいいな、とか思いつつ、魚の楽しさを知って頂きました。ご自身以外がどんなお魚さんになっているか、見て頂くのも楽しいかも知れません。
ご参加ありがとうございました。
それでは、また時が遇う事を願いつつ。
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