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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


虚無狩りの刃 序章 『狩人来日』

 International OccultCriminal Investigator Organization‥‥国際超常現象犯罪捜査機構。知る者の間では、IO2との呼称で知られる、超常現象の存在を一般人から隠し、同時に超常現象犯罪や超常現象的災害から一般人を守るべく、極秘裏に組織された世界的な秘密機関である。
 そのIO2のドイツ支部から、一人のエージェントが日本支部に派遣されてきていた。
 ヴィルトカッツェの異名をとる、凄腕のエージェントが‥‥
「あれは‥‥」
 成田空港に降り立ったヴィルトカッツェが、荷物受け取りカウンターで見たのは、一人の痩せた男‥‥しかし、その男のやけに周囲を警戒している動作には不審を感じる。
 ヴィルトカッツェは、ポケットの中から小型のカメラを取り出し、何気ない素振りでそのファインダーを覗いた。
 ヴィルトカッツェの目に、カメラを通した映像が見える。白黒の色あせた映像の中、目標となる男の手荷物だけが、紫色の光を帯びていた。
「呪物反応‥‥強いな。発動したら、空港全体が呪いに汚染されるかも」
 ヴィルトカッツェは呟く。その視線の先、男はどんどん人のいない方へと歩いていく。何処かに呪物を設置するつもりだろう。
「放置するわけにもいかないな‥‥」
 言いながらヴィルトカッツェは、その男を追って歩き出した。もちろん、IO2として成すべき事を行うためである‥‥

 その頃‥‥空港の出迎えフロア。
 大型ポニーテールのお姉さん‥‥渡辺美佐は、手にした写真を見ながらニマニマとしまらない笑みを浮かべていた。
「うふふふふふふ‥‥」
 写真の中から冷たい視線でこちらを睨み付けている、喪服にも似た黒い服を着た少女。
 だが、彼女の写真を見る度に、美佐の理性は吹っ飛んでしまうのであった。
「ああ、何て可愛いのかしら。こんな子のパートナーになれるなんて‥‥キャー☆」
 一人、恥ずかしげも無く盛り上がり、写真をその豊満な胸に抱いて身をくねらす美佐。
 脳内は色んな妄想でいっぱい。だが、そんな妄想タイムも、そう長くは続かなかった。
「でも‥‥遅いわねぇ」
 ちょっと溜め息。腕の時計を見てみると、とっくに待ち合わせの時間は過ぎている。
「困ったわぁ。萌ちゃんてば、何処に行っちゃったのかしらん」
 小首を傾げ‥‥そして美佐は、たまたま視界に入った女子中学生に声を掛けた。
「ねえ、ごめんなさい。待ち合わせをしているのだけど、貴方くらいの年頃で黒服を着た可愛い女の子をこの辺で見なかった?」
「え? いえ‥‥」
 成田空港に出る幽霊旅客機というネタを調べに来ていた瀬名雫は、突然に声を掛けられて驚いた。
 変な人がいるなと言う程度には思っていたのだが‥‥まさか、声を掛けられるとは。
「ああっ! せっかく‥‥せっかく、会えると楽しみにしてるのにぃ!」
 目の前で、本気で悔し涙を流す美佐。
 何となく‥‥雫の好奇心が疼いた。この人は、きっと面白い。
「あ、あの‥‥良かったら、一緒に探しましょうか? あたしも暇だし」
「ありがとう! 貴方も可愛い☆」
 雫の提案に美佐は顔を輝かせ、そしていきなり雫に抱きついた。胸に押しつけるみたいに力一杯抱かれ、雫は呻き混じりに声を上げる。
「‥‥‥‥苦しい」

●もう一人のテロリスト
 人間に対する理不尽も良いところの復讐心に駆られた蒼乃歩は、成田空港で自分達の活動の邪魔になる来訪者‥‥つまりはヴィルトカッツェを殺せと指令を受けていた。
 その為に、空港を全体監視出来る場所に潜り込めとの支持を受けていたのだが‥‥
 空港を全部監視できる場所と言えば、警備関連の指令室か‥‥
 だが、蒼乃は破壊的能力には事欠かなかったが、潜入などの小技を必要とする能力は持ち合わせていなかった。戦闘力がどれほど高かろうと、素人同然の隠身術では潜入も何もあったものではないだろう。
 となれば、任務を達成するためにはセキュリティの中枢を力で押さえるしかない。そして、それを行うだけの能力は蒼乃にはあった。
 そして、惨劇の後‥‥肉片の浮かぶ血溜まりが足を洗うセキュリティルーム。
 監視カメラの映像を映すモニターが並ぶ部屋の中、蒼乃はターゲットを探していた。

●IO2動く
 一方、IO2の方ではその大規模な破壊行為を既に掴んでいた。
 日本の要所と言える成田空港であるから、それは当然の事と言えるだろう。
 総合指揮所では、凄まじい速さで情報がやりとりされる。
「モニターの映像、ダミーにすり替えが終わりました。敵への情報流出量は0です」
「監視カメラへの割り込み完了。敵の映像出ます!」
「破壊活動時の推定魔力値が出ました! 敵は魔神クラスの魔力を保有するものと推定されます!」
「Busters一個小隊に出撃命令。急がせろ!」
「非番のシルバールーク隊員が成田に!? よし、非番だろうが何だろうが使うぞ! そいつの搭乗機を送っておけ」
 通信が錯綜する‥‥その全てが、テロリストを抹殺するための準備であった。
「飛行機到着が時間通りなら、ヴィルトカッツェがいるはずだ。連絡を付けろ! 彼女は戦力になる!」

●最初テロリスト狩り
「さて‥‥どうしようかな」
 ヴィルトカッツェは呟いた。
 背後の気配‥‥三人と言うところだろうか。
 人目が完全に無くなったら、容赦なく目の前の男を逮捕しようと思っていたのだが‥‥これでは、手が出せない。
「‥‥二人はプロ。残る一人は、素人‥‥でも、つけてきてるという事は、こちらに何か用があるって事で‥‥」
 味方‥‥と言うのは有り得ない。ならば、敵か、独自の勢力か。何にしても、仲良くは出来そうにないと考えておくのが妥当だろう。
 それ以前に、明らかに素人と見える追跡者が問題だった。もし、それがテロリストの一派ではないのだとすれば‥‥追跡者がいるという事をテロリストに気付かれてしまう。
 ‥‥その、素人の追跡者である淡兎・エディヒソイが、そのテロリストを追跡し始めたのは、ただ単に怪しい男だと思ったからだった。
 テロリストは、地下を目指している。JRか京成電鉄を使うのか‥‥バスか地下駐車場から自家用車の可能性もある。
 淡兎は、黒衣の少女‥‥ヴィルトカッツェの事も一度は怪しんだのだったが、その内に彼女の事は忘れるようになっていた。
 どうも、怪しいと言うよりもただ普通に空港内を歩いているだけに見える。恐らくは、進む方向が同じなのだろうと‥‥
 実際には、ヴィルトカッツェがきちんと尾行のセオリーを踏み、追跡者なのだと誰にも悟られないようにしているだけなのだが、そんな事は素人の淡兎にはわかる筈もない。当然、淡兎は他に二人の追跡者がいることにも気付いていなかった。
 加賀見・十蔵と有澤・貴美子。二人は、見事に尾行を行っていた。
 ただ、ある目的があって男を尾行している加賀見に対して、有澤はただ、顔見知りの加賀見の側を何も知らずに尾行しているだけに過ぎない。本来は、雫の幽霊旅客機探しのつきあいのつもりだったのだ。
「‥‥そろそろ教えて。何してるの?」
 土産物屋に気を取られた振りをしながら、有澤は土産物とは全く無関係の質問を投げかける。
 それに合わせるように土産物屋を一瞥し、加賀見は答えた。
「オカルトマニアの依頼でな。今、つけている男‥‥奴の持っている呪物には相当な価値があるらしい。それを回収しろという話なんだが‥‥IO2が鼻を差し込んできた」
「IO2って何? スパイ組織?」
 聞き慣れない名に有澤は首を傾げる。
 まあ、そうだろう‥‥普通に慎ましく生きていたのなら、一生聞かないでも生きていける名前だ。
「IO2‥‥国際的な超常現象対策機関だ。超常現象の存在を、一般人に悟らせない為のな」
「で、何処にそのIO2がいるの?」
 有澤に聞かれて加賀見は、それとなく目線だけで、前を歩く黒衣の少女を指した。
「あの子? そうは見えないけど‥‥」
「見間違えやしない。ヴィルトカッツェだ」
 加賀見がCIAに所属していた頃、ドイツを舞台にしたスパイ事件に超常能力者が絡んだため、IO2ドイツ支部が割り込みをかけてきた事があった。
 IO2の活動の方が優先される為、あの時の任務は結局、CIAにとって失敗に終わり、何年も前から行っていた準備を完全に無駄にされてしまったわけだが‥‥その事件の時、加賀見はヴィルトカッツェと呼ばれる少女を見かけた事がある。その若さには驚いたものだ。
 そして、目の前の少女には、あの日見たヴィルトカッツェの面影があった。
「もっとも、ヴィルトカッツェよりも、さっきから目の前をふらふらしている馬鹿の方が厄介だ。尾行しているつもりなんだろうが、テロリストの奴、もう気付き始めている」
 もちろん、淡兎の事である。
 素人が、爆弾を抱えたテロリストを刺激しているのだ。加賀見は気が気ではなかった。
 最悪、自爆テロを仕掛けられる可能性もある。そうなれば、被害は相当に大きな物となる筈だ。
「排除する?」
「頼む」
 有澤と加賀見の短いやりとりの後、有澤は呪を紡ぎ、光の精霊魔法を発動させた。
 次の瞬間、今までテロリストの後をつけていた淡兎が、不意にその進行方向を変えると、何処へともなく歩き出していく。
 この時、淡兎はまだテロリストを尾行しているつもりでいた‥‥だが、それは有澤の魔法によって生み出された幻影でしかない。
 淡兎が進行方向を変えたことを、テロリストは一時は怪しんだ様子だったが、任務の遂行を急ぐ事としたのか道を急ぎだした。
 男は、地下から他の交通機関を使うのではなく、エレベーターの方へと向かう。
「‥‥上なの?」
 つけられている事を悟っての攪乱だったのかとヴィルトカッツェは疑った。
 しかし、エレベーターを使うなら好都合だ。
 他の客を排除すれば、エレベーターは完全な密室となる‥‥警備のカメラくらいなら、後で幾らでも黙らせる事が出来るのだから。
 そんなヴィルトカッツェの読みに気付かず、テロリストはエレベーターに向かい、到着待ちの列に並んだ。ヴィルトカッツェはその背後に立ち、時を待つ。
 そして‥‥エレベーターは扉を開く。
「!」
 ヴィルトカッツェは、エレベーターのドアが開くと同時にテロリストをその中に突き飛ばした。同時に、他の客を後ろに押し、足を止める。
 更に、ヴィルトカッツェは客を押したその反動を使い、自らの体をエレベーターの中に転がり込ませる。
 直後に立ち上がったヴィルトカッツェは、素早くエレベーターの“閉”ボタンを押した。
 そして、スカートを跳ね上げ、太股につけられたナイフホルダーから高周波振動ダガーを抜き出し、静かな声で恫喝する。
「手を挙げ、口を大きく開けて。それ以外の動きをとったら即座に殺しますよ」
 客は、あのタイミングでは入れないはず‥‥テロリストとの一対一が成立したとヴィルトカッツェは考えていた。
 だが‥‥エレベーターのドアが閉まる寸前に、二人の人間が中に身を滑り込ませる。
「!?」
「待て、敵じゃない‥‥少なくとも今の所はな。だから、ナイフを下ろしてくれ」
 加賀見は、喉元に突きつけられたダガーを見ながら、ヴィルトカッツェに言ってやった。
 閉まりゆくエレベーターに有澤と一緒に飛び込んだ直後‥‥ヴィルトカッツェの攻撃を受けたわけだ。殺すつもりのない攻撃であったので、命拾いをしたのだが‥‥
「それよりも、その男を見ていろ」
「逃げちゃうわよ。ま、そうはさせないけど」
 加賀見の言葉を受け、有澤が呪文を唱える。
 ヴィルトカッツェの注意が加賀見に向かった隙に、その手を呪物にのばそうとしていたテロリストは、その瞬間に動きを止め、ぐったりとその場に崩れ落ちた。
「おやすみなさい。良い夢を」
 光の精霊魔法を催眠術に使い、テロリストを眠らせた有澤が勝利の笑みを浮かべる。
 その時、加賀見の後ろでエレベーターのドアが開いた。階は1階‥‥想像通りの階に止まったようだ。
 外で、エレベーターの乗り込み待ちをしていた一般人達が、中で倒れるテロリストを見て驚き、足を止めた。
 ヴィルトカッツェは何事もなかったかのように普通の少女の仮面を被って、申し訳なさげに言う。
「叔父が急に倒れたんです。はい‥‥お待ちしています」
「‥‥すいません。皆さん、他のエレベーターを使って下さい」
 とりあえずは人払い‥‥その必要性を悟り、有澤がエレベーターの外に声を掛けた。
 人々は好奇の視線を投げかけながらも、他のエレベーターを使うために離れていく。
 やがて、エレベーターの扉は再び閉まった。
 直後、ヴィルトカッツェは高周波ダガーを一閃させてエレベーターの操作盤のカバーを壊し、操作盤を弄ってエレベーターを停止させる。
「これで、邪魔は入らない‥‥」
「これで、お終いってわけ‥‥」
 有澤はヴィルトカッツェを見て言う。
「私達は、貴方をお手伝いして上げたって事になるのかしら」
「‥‥ご協力は感謝しますが、以後、この様な事はしないで下さい」
 ヴィルトカッツェは有澤に、毅然とした態度でキッパリと言い切った。有澤はその言葉に憮然としたが、加賀見は気にも止めずに言う。
「まあ、そう言うものだろうな」
 単純な話、IO2の捜査官が民間術者に協力を求めることは出来ない。
 警察が犯人逮捕に向かう時に、空手10段の民間人が協力を申し出たとして、彼に協力を請うか‥‥と考えるとわかるだろう。
 もちろん、例外的に協力を求める場合は在るし、緊急で他に手段がないなら別だ。だが、その場合に置いても民間術者はIO2が守るべき存在であるという前提は崩れない。
 守るべき存在と同じ戦場にいると言う事が、どれだけ厄介かは説明する必要もないだろう。
 協力には感謝するが、協力はしてくれるなと‥‥そう言うしかないのだ。
「まあ、元来、俺達は協力しに来た訳じゃない。こいつの持ってる。これに用があってね」
 加賀見は、そう言いながらテロリストの持っていたバッグを拾い上げる。だが、その腕に、高周波ダガーが押し当てられた。
「これは、テロ未遂の証拠としてIO2が預かります。異議は認めません」
 ヴィルトカッツェと加賀見の視線が交錯する‥‥そして、溜め息をついたのは加賀見だった
「‥‥わかった。こちらの手で処分するつもりだったんだが‥‥専門家に任せた方が良さそうだからな」
 これは仕方がない。クライアントだって、IO2を敵に回すことは喜ばないだろう。
 ついでなので、クライアントや自分に捜査の手が及ばないように嘘をついておく。
 ヴィルトカッツェは、その嘘を信じたのか、それとも深く追求する必要を感じなかったのか、その嘘については何も言わなかった。
 ただ、彼女は一礼する。
「では、確かにお預かりしました。逮捕への協力、感謝いたします」
 そう言ってバッグを拾ったヴィルトカッツェ。
 と‥‥その時、ヴィルトカッツェは不意に胸の辺りに手をやった。
 そこから取り出されたのは携帯電話‥‥に似せた通信機。それは小刻みに振動して、着信を伝えていた。
「はい‥‥ヴィルトカッツェです」
『よかった、捕まったか‥‥現在位置を教えてくれ。今、成田空港でテロが発生した』
 通信機の向こうの声は慌てている。
 ヴィルトカッツェは、側に転がるテロリストを見下ろし、呟いた。
「別件‥‥?」

●渡辺美佐
 その頃、出迎えフロア。
「あの〜歩けるんですけどぉ」
 瀬名雫が情け無げな声を上げた。
 渡辺美佐は、大きな縫いぐるみでも抱えているかのように雫を抱きかかえ、ニコニコしながら歩いている。
 いくら雫が小柄だとはいえ、女の子一人を持ち上げながら平気で歩き回れるというのは、なかなか普通の女性ではない。
「雫さんを下ろしてくれませんか?」
 困っている様子の雫を見かねて、天薙撫子が美佐に頼む。美佐は要求を聞き入れず、雫をしっかり抱き締めた。
「えぇ〜〜? こんなに可愛い雫ちゃんを放すなんて出来ないわ」
「うぅ〜〜ちょっと、関わった事を後悔〜」
 雫は、美佐の腕の中で泣いた。そんな雫に、天薙はそっと口を寄せて聞く。
「幽霊旅客機はよろしいんですか?」
「良いの。ハズレだったみたいだから」
 雫はどうという事もなく答えた。実際、ゴーストネットOFFに寄せられる話にはハズレも多いので、今更特に気にすることもない。
「あ、内緒話? 二人だけで、ずるいなぁ〜」
「!? あひゃひゃひゃひゃひゃ! や、やめて! くすぐらないでぇ〜!」
 内緒話を見とがめた‥‥と言うか、目の前で繰り広げられてるわけだから内緒話でも何でもないわけだが、とにかくそれを口実に美佐は雫をくすぐってみる。悲鳴と奇妙な笑い声を上げながら、雫は為す術もなく身を捩った。
「これはもう、一刻も早く目標の女性を捜し出すしか在りませんね。出来れば、雫さんが笑い死ぬ前に」
 海原みそのは、雫の惨状を見かねて溜め息をつき、そして未だ雫をくすぐり続けている美佐に聞いてみた。
「探している少女ですが‥‥何か、特徴的な波動を持っていませんか?」
 海原の問いに、美佐は首を傾げる。
「波動? 何それ」
「‥‥失礼。確かに無理な問いでしたね」
 海原は思い直した。
 いきなり波動がどうとか問われて、答えられる人間はまずいないだろう。
「霊力とか魔力とか、人外ならばその種族とか、そういった事でよろしいのですが。波動を追って、探し出すことが出来ますので」
「そう言うのはちょっと‥‥普通の子だから」
 美佐は言葉を濁す。実際には、色々と“普通じゃない”所がある事も知っているが、かといってそれを公言して良い筈もなかった。
 IO2の任務は超常現象を秘する事。自分から必要もないのに振りまいていては世話がない。
 ただ、美佐は職務上、海原の発言は少し拙いかなと思った。
「それからね‥‥そう言う超常的な力を開けっ広げに使ったらダメよ? 普通の人は、そう言う力の事は知らないから、驚かせちゃうでしょ? それに、力を悪用しようとする人が来るかも知れないじゃない? ある程度は自分達で気をつけないと」
 力を使う事が犯罪行為ととられる事はないが、あまりに酷いとIO2もしくは公的な退魔団体が逮捕して厳重注意と言う事は有り得る。
 他の平穏に暮らしている超常能力者の為にもならないし、一般の人々に不安を与える事にもなりかねないのだから。
「お姉さん‥‥何なの?」
 雫に聞かれ、美佐はクスクスと笑う。
「世の為、人の為に働く公務員。まあ、警察みたいなものね。後は秘密」
 と‥‥その時だった。美佐の胸の辺りで、電子音が鳴り響く。
 着メロでも何でもないその無粋な音に美佐は顔をしかめ、雫を腕の中から解放すると、胸ポケットから携帯電話‥‥のように見える通信機を取り出した。
「はい、渡辺です」
『私だ‥‥』
 美佐が今一番、聞きたくない声‥‥自分を戦場へと誘う声、つまりは上司の声だった。
『今、成田空港のセキュリティセンサーが反応した。現在、襲撃が行われている最中らしい』
「空港はいつも通り、ちょっと込んでるかな」
 美佐は軽く周囲を見渡して言う。空港の中で何かが起きている様子はない。
『敵の能力は魔神級と推測される。Bustersを投入したが、最悪の場合はシルバールークの出動が有り得る。Bustersと一緒にそちらへ運ぶので、お前は早急に滑走路に出てシルバールークを起動させておけ』
「はい、わかりました」
 命令に答え、美佐は深い深い溜め息をつく。
 これで、休日返上は決定したわけだ。
「さて‥‥と、危険があるようですから、皆さんはここから避難して下さい」
 美佐はついでなので雫と天薙と海原に言う。
「オカルトテロリストが、セキュリティルームを占拠中みたいで‥‥まあ、すぐに私達が制圧しますけど。万一の事がありますので」
「それって‥‥」
 海原は、事の大きさに表情を曇らせた。
 この空港を、大規模な術で攻撃でもされたら、どこまで被害が出るかわかったものではない。
 もちろん、天薙も雫も、その事実に気付いている。天薙は、一見は平和な空港内を見渡してから美佐に聞いた。
「他の人の避難は良いんですか?」
「私達に何か出来ることは‥‥」
 天薙と雫の言葉を制して、美佐は言う。
「オカルトテロなんて説明しようがないし、下手に伝えたらパニックで凄い被害が出るから‥‥それに、本職がすぐに事件に当たるから大丈夫。手出しされると、かえって危ないわ」
 事件現場からの民間人の隔離などはIO2の捜査官達‥‥いわゆる黒服達が行っているだろうから、美佐がしなければならない事はない。
 下手に手を出せばこじれるだけなので、その辺りは本職の連中に任せようと言うのは順当な判断と言えた。ただ、逃がせる限りは逃がしておくに越したことはない。
「今は、貴方達だけでお逃げなさい。雫ちゃんを守って上げるのも、大事な役目でしょ?」
 最後の言葉は、海原と天薙に向けたもの。
 二人とも雫を守るという事を優先的に考えていたので、それに異論はなかった。
「では‥‥これで」
 とりあえず、避難するために雫を引っ張るようにして走り出した天薙。海原もそれに従って走る。雫は、最後まで心配そうに美佐の方を見ていたが、やがて彼女らの姿は人混みの向こうに消えた。
「じゃ‥‥行きますか」
 そして渡辺美佐は、待合室でぼぉーっとしていたヴィヴィアン・マッカランの存在には何一つ注意を向けることなく、滑走路へ出るために空港を駆け出ていく。残されたヴィヴィアンは、何が起こっているのかを全く知らないまま、ぼぉーっとし続けていた。

●迷惑な護衛志願者
 ここで‥‥逃げ出した雫達と、逆方向に駆け出した美佐を見て、困惑の表情を浮かべた者が居た。
 風野時音‥‥彼が受けていた命令は雫を守れと言うものだったので、そのまま雫の護衛をする為に雫の方へと走った。
 意味は分からないが、雫の行く方で事件が起こるのだろうと判断して。
 だが、その行動はあまりにも不自然なものとして写っていた。
「ちょっと、お待ち下さい。貴方はどうして、私達の後をつけて来るんですか?」
 走って逃げる最中、ずっと後を追ってくる者‥‥その存在に気付いた海原は、雫を庇うようにしながら振り返ると、風野に言った。
「返答によっては、この世から消えて貰う事になりますよ?」
 海原、天薙、雫と、三つの不審感を露わにした目が風野に向けられる。
「僕は‥‥その子を守ろうとしていたんだ」
「その言葉、信じる価値はありませんね」
 天薙が緊張を解かずに言った。
 何も言わずにつけ回していたのではストーカーも同然である。天薙の中には、『守る』と称して人をつけ回すストーカーの姿が浮かんでいた。
 本人の知らない所でコソコソしてる奴にろくな奴はいない。護衛なら、ちゃんと護衛すると言えばいいのだ。誰もそれを止めたりはしなかったろう。
「なぜ、守る必要があると思ったんです? 今日の事件を知っていたからでは? なら何故、危険な場所に行く雫さんを放置したのか‥‥本当に守るつもりがあったとは思えませんね」
 守る‥‥護衛というのは、対象が危険な場所に近寄らないようにする、または対象の移動先を調べて危険が在ればあらかじめ排除しておく等、事前に危険を減らしておく努力をするもの。
 護衛対象が危険に遭遇するまで野放しで、危険に在ってから助けるなど、護衛としては3流以下の仕事と言えよう。
 しかも、風野は事前に空港で何かが起こるというような情報は掴んでいた。危険が予測される場所で、実際に危険が発生するまで何もせずに放置したわけだ。
 本人の意図や事情がどうであれ、その仕事ぶりは評価するのも馬鹿らしい。
 行動が伴わない相手の言葉は信用できない。
「貴方が、この事件を起こそうとしている‥‥そうなら、私達は貴方を許しませんよ?」
 海原が実力行使に出ようかと考え始めたその時‥‥雫が彼女の袖を引いて止めた。
「ダメだよ。こんな所で超常能力バトルなんて‥‥他の人を巻き込んじゃうし、アトラスのTOPがあたしなんて嫌だからね」
 まあ‥‥それは確かに嫌だろう。雫の緊張感の無い言葉が、高ぶった空気を押し流した。
「では、どうするんです?」
 小首を傾げて聞く天薙。それに、雫は自信満々な様子で歌うように言った。
「こんなとぉ〜き、こうするの〜っと、『きゃああああああっ! この人、痴漢ですぅ!』」
 雫が悲鳴を上げ、風野を指さす。
 途端に、辺りの視線が風野に集中した。
「で、逃げる!」
 雫は、風野がたじろいだ隙に海原と天薙の手を引いて走り出す。そうして雫は、はしゃいだ声で言った。
「あれだけ目立っちゃえば、追ってこられないから! 逃げるチャンス!」
 3人は、ここぞとばかりに逃げていく。
「く‥‥」
 逃げていく雫と海原と天薙を見送り、風野はどうしようかと迷った。
 所詮は普通の少女の脚力なので、風野にとって追いつく事は簡単だが、今の風野には痴漢の濡れ衣がかけられている。痴漢が少女三人を追うという構図はあまり嬉しいものではないし、何よりも警察などの介入の可能性もある。
 事を大事にしないためにも、今は雫達が逃げた方向とは逆に逃げるしかなかった。
 しかし、てっきり雫の周辺で何かが起こると思っていた手前、雫から離れてしまっては何が起こるかはわからない。
 風野は広い成田空港の中で途方に暮れた。

●テロリスト狩り 二匹目
 IO2本部の指揮所に情報が飛び込む。
「Busters一個小隊ならびにシルバールーク改D、空港に到着しました!」
「ヴィルトカッツェと合流。同時に、彼女が独自で逮捕したテロリストの身柄を確保」
「渡辺美佐隊員、シルバールーク改Dに搭乗。情報収集に入りました」
 IO2は動き出す。憎むべきテロリストを逮捕するために‥‥
「突入準備完了。作戦開始まで秒読み!」

「これは‥‥!?」
 蒼乃は異変に気付いた。
 監視カメラの映像を映し出すモニターが、一斉に無数の魔法陣を映し出す。
 その一つ一つが、能力封じの強力な力を持っていると気付く間もなく‥‥今度は、ドアのノブの辺りが小さな爆発を起こした。
「な!?」
「突入!」
 ドアを蹴破って部屋に突入する、12人の男達。つなぎの戦闘服に背に背負ったジェネレーターパック姿‥‥それは、IO2のテロリスト制圧部隊、Bustersだった。
 彼らは飛び込んだ直後に、各々が構えるキャプチャービームガンで、蒼乃に素早くビームを浴びせかける。避けようと身を翻した蒼乃だったが、魔法陣による能力封じの効果は普段の素早さを失わせており、また蛇のようにのたうつキャプチャービームの動きは予想しきれず、一本のビームが蒼乃をかすめた。
 直後、蒼乃の動きが急激に鈍る‥‥
「くっ‥‥!」
 蒼乃は敵を殲滅しようと、破壊的な力を誇る自らの力を発動させようとした。蒼乃の能力ならば、突入してきた全員を一瞬で消し飛ばすことが出来ただろう‥‥
 しかしその時、蒼乃の背後の風景が僅かにぶれる。次の瞬間、そこに突然姿を現した黒いパワードプロテクターを着た人間が、蒼乃の背を高周波ブレードで断ち割った。
「あああああああぁっ!?」
 苦痛が、能力の発動を妨げる。直後、残りのキャプチャービームが次々に蒼乃を捉えた。
 蒼乃の体を拘束する10本に及ぶキャプチャービームが、魔法陣の効果と合わせて蒼乃の動きはおろかその超常能力までもを完全に押さえ込む。
「そんな‥‥人間に!?」
「プラズマケージ展開!」
 身動きできない蒼乃に、Bustersの隊員の南雲・綜弐がティッシュ箱ほどの大きさの箱を投げる。
 蒼乃の足下に滑り込んだ金属製のそれは、次にパックリと上部の扉を開き‥‥直後、蒼乃を吸引しようとする凄まじい力を発した。
 悲鳴を上げる暇もなく、蒼乃はケージの中に吸い込まれる。そして、ケージはその扉を閉じた。
「お前は、やり方が甘いってんだよ」
 南雲・綜弐は、プラズマケージを拾い上げながら言う。
 隠密能力がない故に自分の存在をさらけ出さざるを得ない相手に対して、奇襲が完全に成功した‥‥まあ、この結果は当然か。
 ケージは強大な力を持つ蒼乃を吸収しても何も変わらず、軽々と持ち上げられた。
「ご苦労様。さすがは、ドイツ一のNINJAだ。助かったよ」
「いえ、職務ですから」
 返事をしたのは、南雲の側に立つ、蒼乃に攻撃を仕掛けた黒いパワードプロテクター。
 それは、本来の装備品を身につけたヴィルトカッツェだった。
 NINJA。それは、光学迷彩や呪的隠身を施したステルス性が非常に高いパワードプロテクターを装備し、潜入捜査や凶悪犯の逮捕‥‥時には暗殺などを任務とする、IO2の特殊捜査官である。
 この姿こそが彼女の本当の姿であり、世に知られるヴィルトカッツェの姿であった。
 突入からすぐに事態を収拾したBustersは、素早く撤収を開始する。同様にこの戦いの場を出ていくヴィルトカッツェの背後、黒服の男達が後始末を始めていた。
 その指揮を執るIO2の捜査官アルベルト・ゲルマーは、通信機を口元辺りにおき、報告を送る。
「心霊テロリストの逮捕、封印に成功。これより、事後処置を行います。情報操作は、中東系のテロという事で‥‥」
 かくして、一般市民が知る必要のない情報は、IO2の手によって闇に葬られる。

『事件は無事解決した』
「あ、了解です。では、これで‥‥」
 本部からの連絡で、事件が無事に終了した事を知り、シルバールーク改Dのコックピットの中の美佐は、小さく安堵の息を付いた。
 だがそれは、すぐに落胆の息に変わる。
「あー‥‥でも、結局は萌ちゃんに会えなかったなぁ‥‥」
 どうせこの後は、非番とか関係なく、ミッションに参加した者としてブリーフィングだの何だのに強制参加なのだ。
 そうなると今日は一日潰れてしまうだろう。
「萌ちゃんに会いたかったよぉ〜」
 美佐の悲痛な声は、コックピットの中に響くにとどまった‥‥

●IO2の肖像
 エレベーターでヴィルトカッツェと別れた後、加賀見と有澤は空港近くのホテルに場所を移し、バーで杯をかわしていた。
 話題は、今日出会ったヴィルトカッツェという少女と、彼女の所属するIO2について。
「IO2の話だけど‥‥どうして怪奇現象の存在を隠すなんて事を?」
「色々だ。軍事面での都合や企業の利益なんかも絡んでるが‥‥わかりやすい所では、超常能力者や妖物の保護だな」
 “人間を超えた力ある存在”が明るみになった時、何が起こるか‥‥理想や希望を語らないのであれば、その存在は弱者である人類を支配するか、逆に人類の奴隷または敵となる。
 共存は絶望的なまでに有り得ない。これは、様々な神話や昔話が、真実として伝えている。神と人類‥‥魔物と人類の平和で対等な共存などという前例は殆ど存在しない。
 仮に、その存在を受け入れた社会を構築したとしても、“努力では絶対に超えられない存在”がいる社会など、健全な発達はできまい。
 基本的に人間である為政者達は、人間以外の者による支配など望んではいないし、かといってその存在の抹殺等という無駄極まりない戦いを始める事も望んではいない。
 結局、超常能力者など存在しない事にし、その影で様々な恩恵のみを受け取るという形が、人間側としては都合がよいと言う事になる。
「で‥‥IO2が存在する最大の理由は、アメリカを中心に日本を含めた世界各国が、超常現象の存在を隠す事は国家の利益になると判断した事だ」
 戦後、国家観の秘密会議の席で、IO2の設立が決定した。
 それ以降、彼らは国境を越えて超常現象の隠匿工作やオカルト犯罪の摘発を続けてきている。
 世界的に決められた法を守る為に戦う組織‥‥もっとも、彼らの司る法は、あくまでも人間の国家を運用する者達の望んだ基準で作られたものなので、超常能力者にはかなり窮屈な面がある事は確かだった。
 とは言え、世界が人間の手の中にある以上、戦いを避けるならば、人間の法に従う事が全ての存在に求められてもそれは仕方のない事なのだろうが‥‥
「IO2は、軍や警察や諜報部のエリートおよび超常能力者や妖物からなる数多くの捜査官を抱え、オカルトと科学の融合による超技術を所有し、さらに各国の警察組織や諜報組織および軍隊までもを動員する事が許されている」
「要するにオカルト界の警察なわけね。規模と権限と戦力は、とんでもないみたいだけど」
 有澤が言う。それに加賀見は頷き、グラスの中の液体を飲み干した。
「とまあ、知っているのはここまでだ。実際の組織がどうなのかは‥‥知っている者は少ないだろう。何せ秘密組織だからな」

●事後
 ぼーっとしていたヴィヴィアンが気付いた時、既に外は真っ暗な時間になっていた。
「‥‥今日は平和で良かったって言うかぁ‥‥まあ、そんな感じぃ」
 立ち上がり、ゆっくりと伸びをして体をほぐしたヴィヴィアンは、さて帰ろうかと出口の方を見た。と‥‥
「あ、怪しい奴‥‥何処、行くねん。もう、何時間、歩けば気がすむんや‥‥」
 ブツブツ言いながら、虚空をじっと見つめ、疲れ切った様子で歩く淡兎‥‥
 いかにも変な人と言った感じの彼がノロノロと歩いていくのを見送り、ヴィヴィアンは首を傾げた。
「あの人は何処へ行くんでしょう‥‥?」


●報告
 なお、成田空港で逮捕されたテロリスト「蒼乃歩」は、プラズマケージに封じられた状態で搬送中、搬送車がテログループの襲撃にあい消息不明となった。
 襲撃現場に空のプラズマケージが存在していた事から、現場で開封された後に逃走したものと推測される。
 これにより蒼乃歩は、テロリストとして世界的に指名手配される事となった。



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

1388/海原・みその/女/13/深淵の巫女
0328/天薙・撫子/女/18/大学生(巫女)
1219/風野・時音/男/17/時空跳躍者/
1355/蒼乃・歩/女/16/未来世界異能者戦闘部隊班長
1402/ヴィヴィアン・マッカラン/女/120/留学生
1313/加賀見・十蔵/男/45/情報屋
1207/淡兎・エディヒソイ/男/17/高校生
1319/有澤・貴美子/女/31/探偵・光のウィッチ

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■         ライター通信          ■
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 シナリオへの参加、ありがとうございます。
 これは、東京怪談外伝『虚無狩りの刃』の開始前のストーリーとなります。
 どうか、是非お一つご購入くださいませ。

海原・みそのさん
 雫を守る事は成功です。
 今回は、超常能力を使う機会が無くて残念でした。今後のご活躍を期待してます。

天薙・撫子さん
 雫を守る事は成功です。
 空港に御神刀を持ち込めないと言う判断は正解でした。銃刀法違反はこの世界にもありますので、大問題に発展した可能性があります。
 そこはさすがでした。

風野・時音さん
 護衛系の「何かが起こったら‥‥」というプレイングをかけるコツは、『確実に襲撃される事が予想される相手を護衛する』事です。
 でないと、「何も起こりませんでした」という結末も有り得ます。特に、今回の雫は明らかに襲撃対象じゃありませんので、テロの鎮圧に集中した方が出番は多かったかと思います。

蒼乃・歩さん
 幾ら設定上で強くても、プレイングできっちり行動プランを立てないと敗北する事がございます。今回は、潜入に使える能力が全く無い歩が、どうやって潜入をするのかが欠けていたのが残念です。
 発見されれば、それなりの反撃は来ます。

ヴィヴィアン・マッカランさん
 美佐に、ヴィルトカッツェと間違えられると言う事でしたが、『美佐は写真を持っている』『ヴィルトカッツェとヴィヴィアンの外見年齢は6歳以上違う』『体型や髪型等が全然違う』『同じ黒の服でもゴスロリは絶対に喪服に見えない』等の理由から、その展開は有り得ないと判断しました。ご了承下さい。

加賀見・十蔵さん
 元CIAという設定を活かし、ヴィルトカッツェを知っているという展開とするのはさすがです。

淡兎・エディヒソイさん
 淡兎さんには、他人を尾行する能力がありませんので、今回は役立たずで終わってしまいました。それが非常に残念です。

有澤・貴美子さん
 最後はバーで閉めました。如何でしたでしょう?