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<東京怪談ウェブゲーム アトラス編集部>


雪の街に、消えた【完結編】
●オープニング【0】
 LAST TIME 『雪の街に、消えた』――。
 去年の年末、金沢の卯辰山展望台にて1人の青年が殺された。青年の名は森崎弘樹(もりさき・ひろき)、百万石大学経済学部の学生だ。
 月刊アトラス編集長の碇麗香から調査を引き受けた一行は、さっそく雪降る金沢の街に向かい、各々の考えの下で調査を行っていた。調査により、いくつかのことが明らかとなってゆく。
 去年の9月に弘樹の恋人だった麻生美香(あそう・みか)が何者かによって殺されたこと。今年の1月には東山のひがし茶屋街で、男が1人殺されていること。そして弘樹の部屋に何故か、東京で以前起こった怪奇事件を引き起こした画家・立岡正蔵(たておか・しょうぞう)の名前が記されたキャンバスがあったこと。そのキャンバスは白く、ただ右下に赤黒い3本の血の筋があるだけで……。
 また、弘樹と思しき青年を探し出して尾行したり、行く手に立ち塞がる者も一行の中には居た。けれども青年は、その姿を美香の物に変えてある場所を目指して歩いてゆく。
 その頃、弘樹の眠る霊園には怪し気な男の姿があった。男は誰かを待っているようだった。
 雪の降り止まぬ金沢の街。果たして一行は、この哀しき事件に終止符を打つことが出来るのだろうか――。

●雪より下で【1A】
 雪積もる日、金沢市内の下水道には普段以上の水が流れ込んでいる。理由は簡単だ、融雪装置によって生じた雪解け水と、使用した地下水が合わさって流れ込んでいるのだ。
 そんな下水道に、高速で移動してゆく影があった。
 ねずみ? いや、もっともっと大きい。
 ならばワニ? いやいや、見た目はワニみたくゴツゴツしていない。柔らかそうではある。
 それは髪の毛の固まりであった。髪の毛が高速で下水道を這いずるように移動していたのだ。
(……オ墓……死んだヒトが眠ル場所で……死んだワタシが死んだヒトを待ってル……)
 髪の毛の固まり――戸隠ソネ子はそんなことを思いつつ、ある場所を目指していた。弘樹の眠る霊園である。
 さすがに下水道を通ると、雪も信号も何も関係がない。あっという間に霊園前に辿り着いていた。
 ソネ子は霊園に入ると、不審な男が居ると聞いていた場所のそばまで、ぐるっと回って近付いていった。確かにそこには苛々とした様子の、コート姿の男が居た。
 付近の木に絡み付き、様子を窺うソネ子。とりあえず男が何者かを調べるべく、ソネ子は付近の格の低い霊に声をかけた。
「……アノ人何モノ? 近クに寄ってミテ……?」
 言われた通り、霊は男に近付いていった。当然普通の人間には見えはしない。そして霊が男の背後に来た時、男は身体を抱えて大きく震えた。恐らく霊気を感じて、悪寒が走ってしまったのだろう。
「普通ノ人……?」
 ぽつりつぶやくソネ子。悪寒の後も、男に振り返る様子はない。つまりは霊の存在が見えない普通の人間なのだろう。真っ当な人間であるかどうかは知らないが。
 ソネ子はそのまま注意深く、男の様子を窺うことにした。

●悪魔、登場【2A】
 霊園に居た男に、ゆっくりと近付いてくる者の姿があった。ごく普通の青年だ……男からすれば。
 だが隠れて様子を見ていた篤旗からすれば、驚きだった。何故ならば、その青年の顔は弘樹そのものだったのだから。
 青年は男から3メートルほどの距離まで近付くと、ぴたっと足を止めた。
「貴様か? 俺をここに呼び付けたのは」
 男が青年を睨みながら話しかけた。青年は薄い笑みを浮かべ、口を開く。
「ああ、そうだよ。お前の秘密を、知っている」
「……馬鹿馬鹿しい。そんな用件なら帰るぜ。俺に秘密なんか……」
「いや、ある。この目でちゃんと見ていたんだから」
「ふざけるな! 俺は貴様と会うのはこれが初めてだ。ふざけたこと抜かしてると、ぶっ飛ばすぞ、おい!!」
 怒鳴る男。しかし青年は動じることもなく、ニヤリと笑みを浮かべた。どこか邪悪さのある笑みを。
「そうか。この姿じゃ分からないか。なら……」
 次の瞬間、男の表情が恐怖の物に変わっていた。
「あっ……!」
 驚きの声を漏らす篤旗。それはそうだ、青年の姿が一瞬にして美香の物に変貌してしまったのだから。
「……これなら分かるでしょう? あの時、お前が何をしたか……私は全て見ていた」
「ひっ……ひぃぃぃっ!! 悪魔だぁぁぁっ!」
 すっかり怯え切った様子の男。青年――悪魔はすっと右手を前に出した。するとどうだろう、右手の中に氷で作ったような短剣が出現したではないか。
「ゆっ、許してくれ! 殺すつもりはなかったんだ……殺すつもりはぁっ!!!」
 狼狽する男はその場から逃げようとした。が――何故かぴくりとも足が動かない。逃げられない。
「逃がす訳にはいかない」
 悪魔はゆっくりと男に近付いていった。
「私は契約を成就するため……お前を殺す。それが彼の男の望みなり!」
 右手を大きく振りかぶる悪魔。その時、霊園に篤旗の声が響いた。
「あかん! そんなこと、やったらあかん!」
 物陰から飛び出し、篤旗は2人の方へ駆けてきていた。
「美香さんが殺されたのは不幸な事件やけど……でも! 復讐を美香さんは本当に望んでいるんか? 美香さんの想いを……汚したらあかん!!」
 どこまでやれるか分からない。が、ともかく時間を稼ぐべく篤旗は説得を試みようとしていた。
「邪魔を……するなっ!」
 篤旗に向かって左手を突き出す悪魔。その瞬間、悪魔の足元から雪を突き崩して髪の毛が絡み付いた。
「おおっ!?」
 驚く悪魔。そしてまるで立ちくらみでもしたかのように、ぐらりと身体が揺れる。
 その拍子に集中力が崩れたのだろうか、不意に足止めされていた男の足が動いた。
「ひ……ひぃぃぃっ!!」
 これ幸いと逃げ出そうとする男。しかし、そうは問屋が卸さない。どこに隠れていたのか、智哉が男の前に飛び出してきたのである。
「逃がさないよ」
 智哉がそう言ったかと思うと、次の瞬間には男の身体は蔓でぐるぐる巻きにされてしまっていた。無論、智哉の仕業である。
「次に殺そうとするヒトの命は消えないよ」
 悪魔にきっぱりと言い放つ智哉。悪魔の足元に絡み付いた髪の毛は、次第に身体全体に及ぼうとしていた。
「……逃がサナイ……殺しタクテも、モウ殺さセナイ……」
 そんなつぶやきとともに、近くの木から姿を見せるソネ子。そう、ソネ子の無尽蔵な髪の毛が悪魔の身体に絡み付いていたのだ。

●決断【3】
「そこまでだ。邪な者をのさばらせる訳にはゆかない」
 ここで慶悟が姿を見せた。と同時に、悪魔の周囲をたちまち取り囲んだ者たちが居た。慶悟の使役する十二神将たちである。
「あるべき所に還るがいい……」
 慶悟のつぶやきに合わせるかのように、十二神将たちが十二方位に移動する。その手には2種類の符が持たれていた。邪悪を破り退ける逐怪破邪符と、悪障を祓う鎮奇怪符である。
 悪魔に対し禁呪を施す慶悟。十二神将たちが2種類の符を一気に悪魔に張り付けた。これはたまったものではない。
「ぐっ……」
 苦し気な表情を一瞬見せる悪魔。しかし――それはたちまち邪悪なる笑みに変わっていた。
「くく……この程度で私が倒せると思っていたの」
「何っ?」
 慶悟が眉をひそめる。と、悪魔が大きく身体を揺すった。身体に張られていた符が、はらりと落ちてゆく。
「はあっ!!」
 そして悪魔は気合いと共に、絡み付いていた髪の毛を引きちぎった。
「ギャアッ!!」
 ソネ子が悲鳴を上げてうずくまった。それを見た智哉の手から蔦が伸び、悪魔を縛り付けようとする。けれども、だ。
「小賢しい!!」
 左手をかざす悪魔。すると左手に見えない壁のような物が生じ、壁に触れた蔦を一瞬にして燃え上がらせていった。智哉は自らに燃え移らぬよう、慌てて蔦を切り離した。
「邪魔をするな……邪魔をするならば、お前たちも一緒に殺してやる!」
 低い声で言い放つ悪魔。冗談ではない、本気の目だった。
(もうどうにもならんのやろか……?)
 奥歯をぎりっと噛み締める篤旗。
「待って!!」
 そこへ少女の声が響き渡った。篤旗が振り返ると、そこには息を切らせた沙耶とさくらの姿があった。沙耶は白いキャンバスを手に抱えていた。
「どうしてこんなことを続けるんです? あなたは……このキャンバスに描かれていた少女じゃなかったの? それがどうしてこんなことを……森崎さんを殺してまで」
 自らの疑問、そして想いを悪魔にぶつけてゆく沙耶。すると、悪魔に一瞬笑みが浮かんだ。
「契約よ。彼の男の生命と引き換えに、私は約束を果たすことになった……1人はもう居ない、残るはもう1人」
「……どうして?」
 美香の姿を取り続ける悪魔を、悲し気に見つめる沙耶。悪魔が静かに話し出した。
「いつのことか……私は外の世界を見ることが出来るようになっていた。そんな私を見付けてくれた同じ姿の女性……それが私の目前で殺された。私には何も出来なかった……しかし、彼女は私に力を与えてくれた……無念さと共に」
 悪魔はちらっとキャンバスを見ると、そのまま言葉を続けた。
「力を得た私は彼の男が来た時に囁いた……絵を持ち出すよう。その通り、彼の男は自らの家に私を連れていった。私は待った……より力が大きくなるのを。そして時は訪れた」
「……クリスマスや」
 ぼそっとつぶやく篤旗。恐らくは、ちょっとした奇跡だったのかもしれない。だがその奇跡はとんでもない方向へ転がっていき――。
「森崎様を取り込んだんですね……」
 さくらが悪魔を睨みながら言った。頷く悪魔。
「絵から抜け出て力を貸すと囁いたら、すぐに乗ってきた……そうして私はさらに力を、そして彼の男の姿を得た。私は契約に従って事を為しているだけだ。もう1度言う、邪魔をするな」
「ヒトの弱い心を利用して成すのはどうかな。ダメだと思うよ」
 智哉が疑問の声を挟む。極々希に、人殺しは悪いのではないのかもしれない。けれども心の弱さにつけ込むというのは、どうにも智哉に認められるものではなかった。
「理解などいらない。私は、契約を成就するだけだ……この場から、去るがいい!」
 叫ぶ悪魔。さくらがそんな悪魔に言った。
「どうあっても……ですか」
「くどい!!」
 もう話し合いの余地はないようだ。さくらが沙耶に目で合図を送る。こくんと小さく頷くと、沙耶はキャンバスを雪の上に思いきり突き立て離れた。
「……仕方ありませんね」
 さくらはやり切れないといった様子でつぶやくと、キャンバスに向かってすっと手をかざした。と――一瞬にして、キャンバスにいくつもの火がついた。狐火だ。
 それを見た悪魔の顔色が変わる。悪魔はさくらたちの方へ駆け出そうとした。が、それはならなかった。ダメージから回復したソネ子が、再び髪の毛を足元に絡み付かせたからである。
「……行かセナイ……」
 キャンバスの火は、次第に大きな炎へと変わってゆく。キャンバスを焼き尽くすがごとく。炎が大きくなるにつれ、悪魔の様子は苦し気な物となっていった。
「ううっ……ぐっ! ああああああっ!! やめろっ! やめてぇぇぇっ!!! 私は……契約を……契約をぉぉぉっ!!! 邪魔をするなぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
 頭を抱え、うずくまる悪魔。慶悟はこの瞬間を見逃さなかった。再び十二神将に取り囲ませ、先程と同じことを試みたのである。
「何をして幸福と呼ぶかは知らん。だが邪な者よ……己が欲よりの言葉で、他者の望みを弄ぶことは決して許されん!」
 2種類の符を持った神将たちが、一斉に悪魔に符を張り付けた。これが弱っていた悪魔への決定打となった。
「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
 断末魔の叫びを残し――霧散する悪魔。キャンバスもすっかり焼けてしまい、灰となって天へ昇ろうとしていた。
 霊園に居た一同は、無言で雪の舞う空を見上げていた。

●そして――雪の街に、全ては消えた【4】
 2月20日、事件解決の翌日――一同は卯辰山の展望台に居た。もう1度、花を手向けに来たのである。
「……空が泣イテル……」
 金沢市街を見下ろしていたソネ子は、顔を空へ向けた。雪は積もってはいるが、灰色の空からは今は雪は降っていない。だがまたいつ降り出してもおかしくはない状況だった。
「悲しい事件やったな」
 沙耶が花を手向ける様子を見ながら、篤旗がぼそっとつぶやいた。
「どっかでボタンが掛け違ったんかもなあ……」
 悪魔が妙なことを考えなければ、また弘樹が復讐など望まなかったら……違った未来があったのかもしれない。でも今となってはもう過ぎてしまったことである。
「これ読んでみな」
 十三が1冊の文芸誌を取り出した。それは弘樹の所属していたサークル『文学研究会』が、学園祭で発行した物であった。
 智哉が受け取り、弘樹の作品を探して目を通した。最後の一文にはこう書かれていた。
「『悪魔の誘惑に耐えられる者が居るだろうか』か……意味深な言葉だね」
「こっちも見てみな」
 十三がまた別の本を取り出した。今度はシュラインが受け取って、開いてみる。
「これっ……日記?」
「ああ。カバーかけて、本棚にあった」
 短く答える十三。文芸誌はサークルで、日記は弘樹の部屋から探してきた物であった。
 日記を読み進むシュライン。そこには美香との恋愛の様子が記されていたが、美香の亡くなる前日から少し様子が変わっていた。
 前日の日記には美香が立岡の絵画を見付け、明日買って見せてくれるということが。当日の日記は白紙で、その翌日の日記には美香の部屋から絵画を持ってきてしまった後悔の念が綴られていた。
「『どうして僕は約束の時間に遅れてしまったのか。悔やんでも悔やみきれない。出来ることなら犯人を見付け、この手で殺してやりたい』……読んでて辛くなっちゃうわね」
 溜息を吐くシュライン。それ以上読み進めることはなく、パタンと日記を閉じた。
「でだ……これが今朝、旦那から送られてきたファックスだ」
 十三が折り畳んだファックス用紙を取り出した。偶然仕事で大阪に居た草間から送られてきた物だ。さくらはそれに目を通すや否や、目を細めた。
「これは……」
 沙耶が横から覗き込み、はっと息を飲んだ。
「美香さんの写真ですか?」
 ファックスには顔写真が写っていた。不鮮明だが、美香のように見える。だが十三はそれを否定した。
「そいつァ、祖母だ。そっくりだろ」
「え、じゃあ……?」
「ああ。あの絵は祖母を描いたもンだ。あいにく、糞爺とはそういった関係はなかったようだがよ。年代が合わねェしな」
 少し残念そうに言う十三。これも草間の調査による物である。
「……霊園に居た男は、自供したのか?」
 無言で空を見上げていた慶悟が、尋ねるようにつぶやいた。十三がそれに答える。
「古田の旦那曰く、らしいなァ。泥棒に入ってた所に美香が帰ってきて……ブスリ、だとよ。たく、つまんねェ理由で殺りやがって……」
 何か思う所があるのか、吐き捨てるように言う十三。篤旗が小さく頷いた。
「……また雪が降ってきましたね」
 さくらがそう言ったように、空からはまた雪が舞い降りてきていた。空のダイヤも、鉄道ダイヤも、大混乱の最中。この分では、明日まともに帰ることが出来るかどうかも怪しい。
「うー、寒っ。そろそろ降りて街で土産物でも買って、今夜はパァっと飲むか。懐もあったけェしよ」
 ポンポンっと懐を叩き、ニヤッと笑う十三。美香を殺した犯人を古田刑事に引き渡したことによって、情報屋としていくばくか報酬を得ていたのだった。
「……若ェ2人の冥福でも祈りながら、な」
「付き合おう」
 十三が先に歩き出すと、すぐに慶悟が続いた。そして様々な思いを抱えつつ、他の皆も後に続いて歩いてゆく。
 やがて展望台から一同の姿は消え、辺りはしんと静まり返った。
 未だ雪舞う金沢の街に、悲しき悪魔の姿は――もうない。

【雪の街に、消えた【完結編】 了】


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【 整理番号 / PC名(読み) 
                   / 性別 / 年齢 / 職業 】
【 0060 / 渡橋・十三(とばし・じゅうぞう)
           / 男 / 59 / ホームレス(兼情報屋) 】
【 0086 / シュライン・エマ(しゅらいん・えま)
  / 女 / 26 / 翻訳家&幽霊作家+時々草間興信所でバイト 】
【 0134 / 草壁・さくら(くさかべ・さくら)
         / 女 / 20前後? / 骨董屋『櫻月堂』店員 】
【 0230 / 七森・沙耶(ななもり・さや)
                   / 女 / 17 / 高校生 】
【 0389 / 真名神・慶悟(まながみ・けいご)
                   / 男 / 20 / 陰陽師 】
【 0516 / 卯月・智哉(うづき・ともや)
                 / 男 / 16? / 古木の精 】
【 0527 / 今野・篤旗(いまの・あつき)
                   / 男 / 18 / 大学生 】
【 0645 / 戸隠・ソネ子(とがくし・そねこ)
           / 女 / 15 / 見た目は都内の女子高生 】


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■         ライター通信          ■
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・『東京怪談ウェブゲーム』へのご参加ありがとうございます。本依頼の担当ライター、高原恵です。
・高原は原則としてPCを名で表記するようにしています。
・各タイトルの後ろには英数字がついていますが、数字は時間軸の流れを、英字が同時間帯別場面を意味します。ですので、1から始まっていなかったり、途中の数字が飛んでいる場合もあります。
・なお、本依頼の文章は(オープニングを除き)全11場面で構成されています。他の参加者の方の文章に目を通す機会がありましたら、本依頼の全体像がより見えてくるかもしれません。
・今回の参加者一覧は整理番号順で固定しています。
・大変お待たせいたしました、足掛け3ヶ月かかりましたこの一連の物語の完結編をここにようやくお届けすることが出来ます。もう5月手前ですからねえ……ともあれ本当に、皆様お疲れさまでした。
・皆さんのプレイングによって、この一連の物語は高原の思惑より深い所に入った展開になったように思います。立岡の絵画についてのことは『参考依頼』でしたので、当初は深く触れようとは思っていなかったのですが……不思議なものです。
・今回は大きく3つに分かれるのではないかと思います。まず悪魔と向かい合う人、次いで立岡の方面から絡む人、そして件のキャンバスに着目した人と。他の方の文章で補完するような形になっていますので、もしよろしければそちらもお読みください。
・一応、ここで流れをまとめておきましょう。本文で触れていないことも合わせて書かせていただきます。まず、美香の祖母が立岡に神戸で絵を描いてもらいました。その絵は引っ越しなどのどさくさで行方不明になり……回り回って、金沢の古道具屋に来ていた訳です。それを美香が見付け、その翌日に事件が起こってしまった訳ですね。後の流れはもうお分かりかと。
・本文中『悪魔』とは表現していますが、本当に悪魔かどうかは分かりません。が、そういった類の存在ではあるのでしょう。
・あと『文学研究会』。これは高原が大学時代に所属していたサークルが元ネタで、名前はそうなんですが別に文学の研究なんかはやっていませんでした。本当に部室にこたつがあったんですよ。
・戸隠ソネ子さん、10度目のご参加ありがとうございます。本文では触れていないんですけど、悪魔に対して同様のことをやったら霊が嫌がりました。ゆえにああいう行動になる訳ですね。ダメージを受けたのは……やっぱし相手の力が強かったのでしょう。
・感想等ありましたら、お気軽にテラコン等よりお送りください。
・それでは、また別の依頼でお会いできることを願って。