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学校の怪談 〜体育館裏の幽霊〜
++++オープニング++++
「それで?」
書類の整理を終え、退社の準備をしている麗香に、とても気まずい様子で三下は声をかけた。
「また来てるんです、彼女達」
「‥‥また?」
眉を寄せ、麗香は「もう」と小さく頬を膨らませる。
最近の編集部名物・私立鶯女子学園のミステリー研究会御一行。
ミーハー盛りの三人の少女が、自分の学園に起こっている奇怪な出来事を編集部に取材にきて欲しいと直談判に来ているのである。
話は何度か聞いて、そのうち取材に行くから、と答えてはあるのだが、この手の話題に想像以上だったという試しはあんまりないのだ。
「しょうがないわね〜」
髪をすくように右の手の平で持ち上げて、麗香は応接室で待つ少女達の元に顔を出した。
少女達は瞳を輝かせて、美人でスタイルもよくてカッコイイ編集長の登場に歓喜する。
麗香は苦笑して、それじゃためしに取材に行かせてみようかしらね、と根負けした感じで呟くのだった。
-----調査内容-----
「私立鶯学園は、創立から130年の歴史を持つという、名門の女子学園だ。
その学園にある体育館の裏に、最近白い制服の少女の幽霊が出るという噂だった。
出現時間は、大抵夕暮れ。放課後の場合が多いそうである。
幽霊の着ている制服は、学園の生徒達が来ている制服とはいささかデザインが異なるという。ミステリー研究会で調査したところ、どうも15年ほど前までのデザインだったようだ。
そして、その幽霊を見た生徒は必ず怪我をするといわれていた。
階段から落ちたり、車にぶつかったり、プールで溺れたり‥‥。
そしてミステリー研究会の一人、此花・桃(このはな・もも)もまた、つい先日、その幽霊を目撃してしまったのだという。
「どうかどうか、私を助けてください! 碇編集長様ぁぁぁ」
ふわふわのパーマがかった茶色の髪に、大きな瞳。小柄で可愛らしい顔立ちの彼女が、その瞳にたくさんの涙を溜めて、訴えて見つめるのを、碇は苦笑して見つめ返すのだった。
++++体育館の幽霊+++++
夕暮れを迎えた広いグラウンド。
茜色の光に包まれた、人気のない体育館の裏。
そこに彼女はいた。
静かなその場所から、そっと校舎を見上げて、小さく嘆息をつく。
ふと、賑やかな声が体育館の向こう側の通路を歩いていく。
彼女はそっと物陰に隠れるように気配を消した。
『‥‥あ』
その歩いてゆく三人の女生徒達の中の一人に、何かを見つけ、彼女は大きく目を見開く。
『‥‥い、いけない。貴方‥‥』
彼女は手を伸ばし、その女生徒に呼びかけた。
その声に気づいたのか否か、並んで歩く他の友人達と明るく談笑していたその少女は、ふと体育館の方を振り返った。
『‥‥だめ‥‥気を‥‥つけ』
「きゃあああああああっっっ!!」
彼女を見て、少女は頬に手を当て絶叫する。それに驚いたように彼女はふわりと空中に姿を消した。
「どうしたの、順?」
「大丈夫?」
他の少女達は、悲鳴を上げて突然座り込んだ少女に驚いて立ち止まり、声をかける。
少女は泣きじゃくりながら、友人たちに告げた。
「幽霊‥‥どうしよう、私、幽霊見ちゃったぁ〜‥‥」
++++鶯学園女子高校++++
「ほ、ほ、本当に来てくださったんですね!」
此花・桃は、両手を前に組み、大きな瞳をキラキラさせながら、彼等を出迎えた。
鶯学園女子高等部の校門前である。放課後を目指して車で駆けつけたのだが、予想よりも早く六時限目には着いてしまっていた。
「‥‥ゆかり先輩と華子先輩は、まだ〜授業中なので、私がお迎えに参りましたです。わぁ、嬉しいなぁ、皆さん本物の超能力者さんなんですねぇ」
ふわふわパーマを揺らしながら、桃ははしゃぐようにその場でぴょんぴょんとジャンプする。
「超能力者‥‥そういうものとは少し違うような気がするけど」
学園に駆けつけたメンバーのうちの紅一点、シュライン・エマは苦笑して、背後の仲間を振り返る。スタイル抜群の、知的さとクールな美貌を誇る妙齢の女性だ。
「そうだなぁ。‥‥まあ、よろしく。アトラスからの取材ってことで、学園には申し込んであるからな」
警察官の制服を着た、緑色の瞳の男が太い腕を伸ばし、桃と握手を交わす。ゴドフリート・アルバレストだ。小麦色の肌のまぶしいカリフォルニア出身の本物の警官である。
「よ、よろしくですぅぅ‥‥」
その雰囲気に圧倒されつつ、桃が硬い微笑みを浮かべると、ゴドフリートはポケットからキャンディを取り出し、桃の手の平に乗せた。
「ご挨拶代わりだ。甘いぞ?」
「わ、ミントキャンディですぅぅ! 私これ大好きなんですよぉ」
桃はキャンディを口に含み、にっこりと微笑んだ。
だが、そのキャンディをぱくりと口にくわえた途端、彼女は突然苦痛に表情をゆがめる。
「ん、どうした? まずかったか?」
「い、いえ」
桃はまたにっこりと微笑んだ。
「一瞬おなかが痛くなっちゃって。昨日から時々‥‥でももう大丈夫です」
「そうか?」
「このキャンディ美味しいです♪ ありがとうございます」
桃は前のように元気になり、飛び跳ねながら、彼等を学校内へと案内した。
その頃校門には、見るからに不審な若者が日本刀を片手にウロウロしていた。
スーツのポケットに腕を差し入れ、くわえタバコから煙を吹きつつ、彼は校門の前を行ったり来たりを繰り返している。
その前を通り過ぎる主婦たちが、ヒソヒソとそれを見つつ眉をひそめて会話をしているのには気付いていないようだ。
彼は彼だけにしか聞こえない声と対話をしていた。
『‥‥早く行かないか。約束の時間はもうとうに過ぎておろうが』
「六時限目の後って話だろ? チャイム聞こえねーよ‥‥しっかし‥‥本気で気が乗らねぇ‥‥」
『そんなことまだ言っておるのか。浮かばれぬ霊、しかも女子ときておるのだぞ。‥‥婦女子を救うのは男子の務め。貴様、日本男児であろうが』
彼を叱咤しているもう一つの声。それは、彼が手にしている日本刀から発せられていた。
青年の名は忌引・弔爾(きびき・ちょうじ)と言う。その刀には弔丸という名があった。
「‥‥女子高にポン刀持った大のオトナが入ったら、それこそ大問題じゃねぇか。大騒ぎになるぜ?」
『見つからなければ騒ぎにもならん。素早く実行するんだな』
「‥‥ったく‥‥ん?」
弔爾は深い溜息をつきながら、ふと人の気配を感じて、視線を上げた。
そこには、茶髪の髪に左耳にピアスをつけた一見ホストのような青年が立っていた。依頼で何度か顔合わせをしたことはある。
真名神・慶悟(まながみ・けいご)。外見からは想像もつかないが、一流の陰陽師である。
「‥‥よぉ。遅いじゃねえか」
弔爾が苦笑しつつ片手を上げると、慶悟は口元を軽くゆがめ、それからその頭をぱーんと叩いた。
「っっててぇぇ!」
「女子高の入口を日本刀を持ってウロウロするんじゃない‥‥見られてるぞ」
「ん?」
言われて振り返ると、なるほど主婦たちが、かなり警戒した視線でこちらを眺めている。「警察呼んだほうがいいかしら」なんて声すら聞こえてくる。
「おおおっ!」
「行くぞ。他の面子は時間よりも先について、学園の中に入ってるらしいからな」
「‥‥そういうことは早く言えって!」
++++ミステリー研究会++++
「わっはっはっ。まったく、もう少しで警察呼ばれるとこだったな。大丈夫、俺が校門の外出て、手を振ってやったら、ミセス達も安心したようだ」
「きっと逮捕されたと思われたわね」
ゴドフリートとシュラインに笑われて、少しむくれ顔の弔爾。
彼等は、ミステリー研究会の部室に集まっていた。授業の終わりのチャイムを聞き、桃は嬉嬉として他のメンバーを迎えに行っていたので、彼等しかそこに残ってはいない。
「‥‥門から入るからいけないんだよ♪ 正義の味方なら、いきなり悪の現場に駆けつけなきゃ」
最後に到着したのは水野・想司(みずの・そうじ)。少女のような優しいマスクの色白の少年だ。
その言葉の通り、メンバーの知らない間に、そっと後ろについていた。校門の前では誰も見かけた覚えがない。彼はいつもの魔法使いの三角帽子と紫の衣装、それに先端に星のついたタクトを持ち、にこにこといつもの笑顔を振りまいている。
「‥‥正義の味方じゃないし」
『黙れ、弔爾。それで、事件の話はどうなったんじゃ?』
日本刀の弔丸が、持ち主をしかりつけ、声を張り上げて仲間に問う。
「事件ねぇ‥‥それがまだよくわからないの」
シュラインは苦笑する。校舎のロビーにあった自動販売機で購入してきた缶ジュースのプルリングを引き、彼女は続けた。
「校舎裏にも立ち寄ってきたのだけど、特に何もなかったわ」
「出現時間は大体夕方の6時過ぎらしい。‥‥もう少し待つべきだろーな」
ゴドフリートが大きな声でいい、皆に「まあこれでも」とキャンディを配る。
キャンディを受け取り、シュラインは頷いて立ち上がった。
「そうねぇ‥‥まだ時間があるのよね。私、図書館に行ってみるわ」
「図書館か。古い資料調べるならそれが一番だろうな」
弔爾も頷き立ち上がる。
やがて、桃が他の二人を連れて戻ってきた。桃は一年生だが、他の二人は二年生で神田橋・華子と瀬名・ゆかりと名乗った。
腰まである黒い長い髪を持つ日本人形のような少女が華子、ポニーテールの活発そうな小麦色の肌の少女がゆかりだ。
「‥‥どうか桃を宜しくお願いいたします」
「助けてあげてよ、お願いっっ」
二人にとって桃は妹分なのだろう。真剣な表情で改めて言われ、一同は改めて小さな緊張を覚えた。
「もう少し詳しく聞きたいのだけれど、いいかしら? 桃ちゃん」
「‥‥はい」
桃は二人の先輩に両肩を支えられつつ頷いた。
「その幽霊‥‥ただ姿を見せただけだったのかしら?なにか喋っていたとか‥‥そういうことはない?」
「‥‥いえ、特に。何か口を動かしてたような気はするけど‥‥」
桃は思い出しながら呟いた。
「何て言ってたと思う?」
シュラインに問われ、桃は首をかしげる。
あの時の幽霊の口の動き。
‥‥キヲ‥‥ツケテ
「‥‥ってことはないか」
桃はコンと頭を叩いた。
「よくわからないです」
「‥‥案外当たってるかもしれないわよ」
シュラインは苦笑した。ゴドフリートも腕を組んで息をつく。
「15年以上前に、何か事件があったとかそういう話は無かった?」
「‥‥噂ならいっぱいあるけど‥‥例えば、体育館の裏に大きな銀杏の木があるんですけど、そこで首を吊った1年生の子がいたって‥‥」
「え、私、3年生って聞いたよ?」
「わたくしは新任の教師の方と伺いましたわ」
「‥‥こんな風に、人によって話が違うんです〜」
桃は泣きそうな表情で小さく答えた。
「‥‥ちゃんと調べてみるしか無さそうね」
シュラインは皆を振りかえり、肩を上げた。
「図書室には私がご案内いたしますわ」
制服よりも和服が似合いそうな少女は、足音も立てずに廊下を歩き、シュラインとゴドフリートを案内していった。
「それじゃ‥‥俺は体育館裏に行ってないんだが、案内してもらえるか?」
慶悟が言うと、ゆかりが頷いた。
「いいよ♪ボクが案内してあげる。 本物の陰陽師さんなんだよね!すごいなぁ。帰る前にサインもらってもいい?」
「サイン?‥‥‥‥」
何かと勘違いしてるんじゃないのか、という渋い表情の慶悟。
けれど元気娘はそのまま腕を引っ張るようにして、慶悟を連れていった。
「さて」
仲間達が出て行った部屋で、ゴドフリートは荷物からスケッチ・ブックを取り出すと、桃を振り向いた。
「その幽霊の似顔絵、協力してもらえるかな?」
「う、うん‥‥」
桃は微かに緊張して頬を赤らめた後、こくりと頷いた。そして、教室の壁の方に立っていた想司を見つめる。
「あなたは?」
「ん? ボクはここにいるよ。‥‥ちょっと考えてることがあるんだ」
想司は桃にウインクを決めた。桃は「そう」と首を傾げて、席に着くと、ゴドフリートに幽霊の顔立ちを説明し始めた。
「‥‥顔はなんだか面長で、目はちょっと優しそう‥‥だったかな‥‥。髪型はストレートで‥‥背中の真ん中くらいまで‥‥だったと思う‥‥」
++++図書室++++
「こちらでございます」
案内された図書室は、とても広大なものであった。
お嬢様学園としても有名な学園ではあるが、こんなに施設が整っているものであろうか。
「‥‥昔の資料ですよね。‥‥こちらです」
華子は迷わずに広い図書室の中を奥へ奥へと進む。規模の小さな公共の図書館並みの広さがありそうだ。
「学園の古い資料や、新聞の縮小版などはここです」
華子が立ち止まる。そこは図書室の中に作られた別室だった。
シュラインと弔爾は頷きあい、中に進んだ。
埃っぽく何か嫌な感じのする部屋であったが、今は気にしている場合ではない‥‥それよりも。
「何、コレ?」
シュラインは、その戸棚の中の一つを見て絶句した。
そこにはこの学園の長い歴史の資料の他に、『全国小中高等学校・怪奇事件簿』というタイトルのものが、全46巻手書きの資料として置いてあったのである。
「‥‥?? なんだそりゃ」
「‥‥それは、学園長の趣味で‥‥」
華子は頬を赤く染め、俯きながら呟いた。
「学園長?」
シュラインが問い返した時、突然背後のドアが開いた。
「いかにもぢゃ」
「はっ?」
二人は同時に振り返る。そこには杖をついた初老の老人が着物姿で立っており、ニヤリと笑っていた。
「お宅様たちか。月刊アトラス編集部からいらっしゃったというのは」
『‥‥こやつ妖気を感じるぞ、油断するな、弔爾』
弔丸が弔爾の手元で気を放つ。弔爾は、呆気に取られつつも「お、おお」と頷いた。
「うちの学園長です‥‥。すみません」
華子は申し訳無さそうに深く頭を下げた。
「そ、そうなの? すみません、お邪魔してます」
とりあえず丁寧に頭を下げるシュライン。
老人は胸を張って答えた。
「ふぉふぉ。体育館裏のかわいこちゃんを調べておるそうじゃな。‥‥そういう話をわしに聞かずに誰に聞くというのか」
「何か知ってるのか?爺さん」
弔爾は頭を掻きながら尋ねた。警戒心を露わにしている弔丸を押さえているだけでも、彼に対しての礼儀といってもいいだろう。
「知ってるも何も‥‥あれは」
学園長は右腕を上げ、大きく口を開いた。
「あれは?」
シュラインと弔璽は声を揃えて問い返す。老人は腕を上げたまま、しかし、その口元をぱくぱくさせる。
「あれはじゃ、‥‥‥あれは‥‥あれは‥‥なんじゃったかのぅ」
「‥‥学園長っっ!」
華子がより一層頬を赤くしながら叫ぶ。そして、その背中を資料室の外に追いやった。
「すみません‥‥あまり気にされないで下さい。‥‥えーと、15年前の学園アルバムはこれですね」
「い、いいの?」
シュラインが問い返すと、華子は強く頷く。
「変な人なんです。いつものことですから‥‥」
『あの妖気は只者ではないぞ』
「‥‥まあ、いいと言うのだからな」
資料室の中央には小さなテーブルと椅子があった。そこに資料を広げ、彼等はアルバムや新聞資料としばらく奮闘することになった。
「ん、コレは?」
++++似顔絵++++
「‥‥こんな感じ‥‥でいいか」
ゴドフリートは鉛筆を机におき、スケッチブックを桃の方に見せた。
「似てますぅぅ! うん、こんな感じですぅ! そのものですっ」
「へぇ」
想司も近づいてきて、そのスケッチブックを覗き込んだ。
そこには細面の眼の細い少女が描かれていた。
「‥‥どこか寂しそうな表情してるね‥‥」
「そうか?」
想司の意見にゴドフリートは首をかしげる。言われるままに描いただけで、そこまでは思っていなかった。
「ふぅん‥‥」
想司は何か思うように呟いて、桃を見つめた。
見つめられ、きょとんとする桃。
「一緒に来てっ‥‥」
想司は桃の手を突然掴むと、一気に駆け出した。
ふわりと空を舞うような軽快な動きで、桃を引っ張り階段を駆け下りていく。
「きゃあああああっっ、なんですかぁぁっっ」
「おい、ちょっと待てっ。坊主っ」
ゴドフリートもスケッチブックを脇に挟み、その後を慌てて追いかけた。
++++体育館裏++++
「これで‥‥良しと」
夕暮れの体育館裏。
部活の生徒達の掛け声が校庭の方から響いてくる。
体育館も、2階建ての大きな建物であった。スポーツ校としても知られているそうで、設備も充実しているようである。
しかし体育館の裏手には、人気はまるで無い。変な噂がさらに生徒を近づけにくくしているのかもしれない。
茜色に染まり始めた空気の中で、慶悟は、辺りを念入りに歩き回り、それから取り出した符にさらさらと何やら筆で書き込んでいる。
「‥‥すっごーい。なんだか陰陽師さんみたいですね♪」
それを背後からキラキラした瞳で見上げ、ゆかりが呟く。
「なんだかじゃなく、本当の陰陽師なんだがな」
苦笑して慶悟はそれを懐に閉まった。
「それは何ですか?」
「ん‥‥形代ってわかるか?」
問い返すと、ゆかりは顎に手を当てて唸った。
「‥‥聞いたことあるような気がするんだけど」
「身代わりってことだ。もし自分やキミたちに危害が及んだときに、そのダメージを引き受けてくれる」
「‥‥へぇ‥‥」
解っているのかいないのか、大きな瞳を丸くして、ゆかりは慶悟を尊敬するように見つめた。
「やっぱり本物の陰陽師さんはかっこいいです〜。ね、私も弟子入りさせてください」
「‥‥そいつは無理だな」
慶悟はさらに苦笑する。
「えー、どうしてですか?」
「そんなに簡単になれるものじゃないし、興味だけじゃ無理だからな‥‥ん?」
慶悟は軽くあしらいながら、校舎の方から駆けてくる三人組を見つけて、首をかしげた。
水野想司に腕を引かれ、桃が驚いたような表情で走ってくる。さらにその後をゴドフリートが追いかけている。
「なんだ、あれは?」
慶悟は苦笑する。
息もつかせぬ様子で想司は、彼等の前に止まると、にっこり微笑んだ。
「到着♪っと」
「‥‥はぁ、はぁ、はぁ‥‥」
桃は胸に手を当てて、息をついている。
「何やってるんだ、お前は」
慶悟が尋ねると、想司は体育館裏の奥を見つめた。
「真名神さんにはそろそろ見えてるよね♪」
「ん?」
言われて見つめる慶悟。その瞳が一瞬で研ぎ澄まされたものになる。
体育館奥にある古い銀杏の木。
その前にグレーの制服を着た少女が、どこか寂しげな表情で佇んでいた。
「いるな‥‥」
「うん。‥‥ちょっと話を聞いてくるね♪」
想司はタクトを振り回しながら、その少女の側へと駆け出していく。
「お、おい、待てっ、坊主っ」
ゴドフリートも、その後に続く。慶悟もその後をゆっくりと足を踏み出しながら、ふと気がついたように振り返って、ゆかりに告げた。
「ゆかり、桃の側にいろ。いいな」
「う、うんっ。桃っ」
「ゆかり先輩」
二人は寄り添うように立ち、三人の背中を見送った。
++++幽霊++++
「まったくひどいよね。‥‥せっかく心配してくれてるのに、みんなで怖い怖い言うなんて。幽霊なんてやってられない、そう思わない?」
想司は額に指をつきながら、彼女に微笑んだ。
『‥‥』
少女の表情は暗い。
そして何か思いつめたように右の手首を左手で握り、俯いている。
「おい、坊主」
ゴドフリートが想司の肩に手を置いた。
「‥‥♪」
想司はにっこり微笑んで見せる。それはどこか無邪気で、かすかに邪気を含んでいるように見えなくもない。
「‥‥わからん奴だ。‥‥何か知ってるのか」
「ん。わからないよ。‥‥でも一つだけわかるのはね」
想司は幽霊の少女を見つめた。
「この人、悪い人じゃないよ」
聞こえているのか居ないのか、幽霊の少女はぼんやりと前方を見つめていた。
何を見つめているのだろうと、想司とゴドフリートは一緒にその視線の先を振り返る。そこには、桃の姿があった。
キヲ‥‥ツケ‥‥テ。
少し離れた後ろから、その様子を見つめ、慶悟は眉を寄せていた。
邪気は感じない。けれど、先ほどから何やら感覚を濁らせている何かがあるのが気になっていた。
この学園の空の色。茜色の美しい空なのに、どこか曇りがかっている感じがする。
気にしなければ気にならない。けれど、気にすると気になりすぎる。
++++ 教諭 ++++
シュラインと弔爾は、放課後の学園の廊下を歩いていた。
弔璽の手には18年前、昭和60年の卒業アルバムが握られていた。
「職員室はこちらです」
「金本先生、呼んでもらっていいですか?」
「金本君か」
ガラリとドアが開き、先ほどの学園長が現われた。
「‥‥またアンタか」
弔爾が額を押さえつつ苦笑する。学園長はコホンと咳をして、二人を見上げた。
「‥‥思い出したのぢゃ。そうか、あの子は、そういう子であったかのぉ‥‥。金本君、こっちに来たまえ」
「何ですか?」
職員室の奥から声が響く。金本は、体格のいい壮年の男子教諭であった。
学園長はシュラインと弔爾の表情を眺めつつ、金本に背中を向けたまま語った。
「‥‥金本クン、君が18年前担当した生徒で‥‥あの事故で亡くなった子、名前はなんと言ったかのぅ」
「事故!?」
金本は明らかに動揺したような表情を見せた。
シュラインと弔爾は学園長を見つめた。
二人が見つけた卒業アルバム、そこには椅子に腰掛けて皆で撮った集団写真の上に、丸囲みで映った少女の姿があった。
また新聞の縮小版で捜した過去の記事の中には、鶯学園の女子生徒、叶みのりという少女が、工事中の体育館の中で亡くなっていたという記事を見つけたのだった。
「‥‥あれは‥‥」
言いよどむ金本。
「‥‥体育館裏の幽霊があの子だったとはのう。‥‥そうかそうか」
学園長は深く嘆息しながら、一人でスタスタと廊下の奥に消えていく。弔爾はその襟首を後ろからぐいと掴み、引き寄せた。
「行かせるか。‥‥説明してもらおうか、爺さん。‥‥何が事情を知っているようだが」
「‥‥くぅ。捕まってしもうたか」
学園長は深く息をついた。そして、金本を振り返る。金本は溜息をついて語り始めた。
「あの事故を忘れることはないですよ。
叶は看護婦の専門学校に進学が決まっていた高校三年生でした。その頃、体育館はまだ工事中で、鉄筋が組まれていて、外側にはビニールがかけられている状態でした。
もちろん立ち入り禁止で、中に入り込む生徒がいるなんて思いもしなかった。
しかし、彼女のその中に入り込み、上から落ちてきた器材で強く頭を打ち、亡くなって発見されたのです」
「事故‥‥で間違いないのよね」
シュラインの質問に、金本は強く頷く。
「警察もさんざんその時期調査していったのです。けれど事件性はないということで決着がつきました。彼女は生徒会に所属していて、ちょうど会議で一人遅くまで残っていたそうなんです。
なんでそんなところにもぐりこんだのかは解りませんでした。
工事の人が足場用の板の上に、木材や金槌やらを忘れて帰っていて、それが何かの拍子で彼女の頭上に落ちてきた、ということで処理されたはずです」
「‥‥なるほど‥‥」
シュラインは頷いた。
「‥‥どうするよ、おい」
弔爾は、息を吐いた。不慮の事故で死んだ女子高生。その幽霊が生徒の不幸を予告する。
『男子たるもの‥‥その婦女子を救わねばならんぞ‥‥弔丸』
「うるせぇ、‥‥」
「体育館裏に戻りましょ」
「ああ」
二人は金本に礼をいい、体育館裏に急いでいた。
++++激痛++++
「この学園変なとこだよね? 君はもともとこの学園の人なのかな?」
想司が明るく話しかけ続けるのを、少女は静かに無視し続けた。
他の者も静観する中、想司は、それならっと、星のタクトを高く振り上げる。
「‥‥ふふ。振り向かないなら、振り向かせてみせよう、ホトトギス♪」
星のタクトを振り下ろす。大小の光る星のカケラが突然辺りに広がった。
さすがの幽霊少女も目を丸くして、その星を見つめる。
『あなたは?』
「通りがかりの魔法使いさ。やっと口を開いてくれたね♪」
想司は優しく微笑むと、背後の人々を振り向いた。
刹那。
「‥‥い、痛いぃぃぃっっ」
おなかを押さえて悲鳴を上げる桃の声。
「桃? どうしたのっっ。しっかりしてっっ!!」
ゆかりが支えようとしても、彼女はおなかを押さえたまま動けない。
「‥‥大丈夫かっっ」
慶悟は側に駆け寄ると、辺りに散らせておいた式神達の気配を読む。
怪しい存在は近くにはない。‥‥幽霊の少女を除いては。
『‥‥あの子‥‥病院に‥‥』
「ん?」
「病院だっ」
ゴドフリートが慶悟に叫ぶ。
慶悟は頷いた。彼の視線は、桃が腹を抑えている場所に向けられていた。
「痛むのはそこか‥‥?」
「う‥・んぅぅ。痛いよぉっ‥‥」
「ゆかり。救急車を呼べ。早くっ」
「えっ!? 救急車?」
「すぐにだ!」
「う、うんっっ!!」
ゆかりは校舎の方に向けて、全速力で駆け出していった。
ゆかりとちょうど行き違いに、シュラインと弔爾、それに華子が戻ってきた。慶悟はシュラインと華子に彼女の介抱を任せ、懐から数枚の符を取り出した。
それぞれの名前が書いてある形代のうちの一枚を取り出す。それだけがやけに傷んでいた。
特に体の下腹の位置が変色している。
「なるほどな。‥‥えいっ」
指先で念をこめる。桃のうめき声が突然止まった。
「‥‥あ、え‥‥痛いのよくなった‥‥かも」
「‥‥」
慶悟は苦笑する。
「痛いのはいつからだ?」
「‥‥結構前から‥‥でも、いつもはそんなに痛くなかったけど‥‥」
「救急車が来る。‥‥保健室で待ってるといい」
華子が立ち上がり、桃の肩をそっと支えた。
「桃、大丈夫? 手を貸しますわ」
「華子先輩‥‥ありがとう」
「保健室に連れて参ります」
華子は一礼し、桃を連れて校舎の方向へ去って行く。
「‥‥まったく」
慶悟は息をつく。
「形代が役に立ったのね」
「そういうことだな。役に立ったというべきか‥‥どうか、わからないけどな」
シュラインに答えて、慶悟は幽霊少女の方を見やった。
「大丈夫だ‥‥」
『‥‥ありがとうございます』
少女は慶悟に一礼した。
++++少女++++
やがて救急車のサイレンが、鳴り響き、桃と二人の先輩、それに保険教諭が慌しく乗り込んでいった。
興味本位で集まっていた部活の生徒達も、教室に戻り、再び静けさと夕闇が辺りを包んでいる。
薄暗い体育館の裏側では、小さな街灯が一つあるきりで、その照明ではお互いの表情がやっと見えるほどにしかならない。
しかし、少女は別だった。
ほの白い光に包まれた少女は、静寂さが取り戻された後に、今度は自分からぽつりと話し初めていた。
『‥‥私、この学園が好きなんです‥‥。ずっとみんなと一緒にいたかった。だけどどんどん時間だけが過ぎて、誰にも気付かれずに、私だけ忘れて行かれてしまう。それがとても寂しかったんです』
「‥‥18年ずっとここにいたの?」
『はい‥‥気付いてもらえなかったけど』
シュラインを見つめ、みのりはにっこり微笑んだ。
『でも、こうして毎日みんなを見ていたら、時々どうしても気になってしまって‥‥さっきの子みたいに、体を包む光が弱くなっていたり、睡眠不足ばかり続いてるような子を見つめると‥‥気が気でなくなってしまって‥‥。「気をつけて」って注意したくてたまらなかったりしました。気がついてもらえたかどうかはわからないけど」
「見えてたようだぞ」
弔爾が答えると、みのりは『本当ですか?』と首をかしげた。
『それじゃ、みんな怖がったかもしれませんね。だって私、幽霊だし』
++++天国++++
あの時。
帰り道。思ったよりも帰りが遅くなって、辺りはもう真っ暗で星すら出ていて。
急いで帰ろうとしたの。
鞄をもって猛ダッシュ。
校門を抜けるところまでは、この学園なんだか気味悪いんだもの。
特に今は体育館が大工事中。大きく作りかえるとかって学園長、張り切っちゃってるみたい。でも私には関係ないの。出来上がった頃にはもう私達卒業しちゃってるじゃない。
白いビニールで覆われているそれははっきり言って不気味。
夜の闇の中に浮かぶまるで巨大なオバケみたい。
早く駆け抜けなきゃ。駆けて、駆けて‥‥。
あれ。今、何か聞こえた。
‥‥なに? 本当に出た? うそでしょ、嘘。
‥‥キュゥゥゥン。
何? 猫? 犬? どこにいるの?
‥‥キュゥゥゥ
どこよ?
響き渡る鳴き声を聞き捨てるわけにもゆかず、なつみは辺りを見回した。
そしてその声が、白いビニールの向こうの工事現場の中ということにやがて気付いた。
彼女は意を決して、その中にもぐりこんだ。悪いということは百も承知だ。けれど、助けてくれそうな人は周りには誰もいなかった。
ここで見捨てて、後で死んじゃったりしたら、ばつが悪すぎる。なつみはそんな考え方をする少女だった。
しかし、懐中電灯も持たずに入ったことは、すぐに後悔することになった。
骨組みが邪魔をして前にも進めないどころか、少し進んだら、後ろに戻ることすら絶望的になってしまった。しかし、鳴き声は続く。
ガシャン!!
何かにぶつかった。多分、何かの細い骨組み。
壊してなきゃいいなぁ。
ガシャン!
まただ。
ゴン。
今度は何? えっ!?
強い痛み、否、吐き気がするほどの鈍痛が彼女の体を襲い、その体はぱたりと地面に崩れた。
次に訪れたのは眩暈、そして寒気。遠のく視界と聴覚。キュゥゥ、キュゥゥという鳴き声だけはずっと聞こえていた。
何、何が起きたの。
私、どうなるの?
やだな、このまま明日朝になっちゃって、みんなが登校しても、ここに私倒れてるのかしら。
もうすぐ卒業なのに。
生徒会の引継ぎもすんだし、今日頑張って作った卒業アルバムの文章、明日いちばんに先生に見せてOKをもらえたら、もうお仕事も全部終わり‥‥。
‥‥ああ、寒いよぅ。毛布が欲しいなぁ。
‥‥寒い‥‥。
それから18年。
『よく思うの。あの時のみんなどうしてるのかなぁって。‥‥もう生きていたら36歳でしょ。ママになったりしてるのかなぁって』
少女は饒舌だった。
生前は明るい少女だったのかもしれない。
「そうか、そうか。きっとみんな上手くやってることだろうよ。‥‥嬢ちゃんのことも忘れちゃいないと思うぞ?」
ゴドフリートはその側に膝を折り、笑顔で話を聞いていた。
『本当かなぁ‥‥』
「本当に。さっき、金本先生に会ってきたんだから、先生ちゃんと忘れてなかったわよ」
シュラインが言うと、みのりは目を丸くした。
『金本先生! うっそお。こないだ見たけど、すごいおじさんになってた。‥‥私の担任の先生の時、まだ先生になりたての頃だったのよ』
「‥‥」
体育館の壁に背をつけたまま、吸っていた煙草を足で踏みつけ、慶悟は立ち上がった。
その向かい側にいた想司が、慶悟の様子を視線を光らせる。
「ん?」
慶悟の前に想司は出て、みのりに話しかけた。
『‥‥君に魔法をかけてあげる』
「どんな魔法?」
『幸せの魔法だよ、見てて♪』
想司はひらりと舞うようにして、古い銀杏の上に飛び上がった。そして、その先端でひらひらと星のタクトを舞わせる。
先ほどと同じ星の粒子がキラキラと輝きながら辺りに飛び散った。そして星は小さな光となり、光は蛍のようにふわふわと宙を流れる。
みのりは手の平に光を包み、目を細めた。
『‥‥ずっと夢だったわ。‥‥誰かに気付いてもらいたかった。‥‥こうしてお喋りがしたかったの』
みのりの視線は慶悟に向けられた。
『私を‥‥成仏‥‥させてください』
「‥‥いいのか?」
『うん』
小さく頷き、みのりはマブタを閉じた。その頬に一筋の涙がゆっくりとつたっていく。
「絶対、生まれ変わってこい。‥‥待ってるからな」
ぐす、と鼻を鳴す大男。みのりは涙を拭って、うん、と微笑んだ。
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東の空に一筋の流れ星。
銀杏の木の頂上に腰掛けたまま、想司は小さく息をついた。
「願い事が叶ったら、さよならの時間‥‥か」
少女は天国に行くだろう。
天国が寂しいところでなければいい。
ずっと楽しくて微笑んでいられるところだといい。
でも誰も見たことのない場所。
もし、天国も寂しかったら、いつでも生まれ変わっておいで。
「おーいっ。早く降りてこないと、置いてくぞっ」
弔爾が木の下から大きく手を振っている。想司は手を振り返すと、まるで跳び箱を飛ぶように鮮やかに跳躍を決めて、彼の横に降りた。
「‥‥うーん、10点♪」
「あのなぁ」
苦笑する弔爾に想司は微笑む。弔爾もニヤニヤと笑う。
なんとなく胸につかえるような、つかえきったような変な思い。
生きている人間が抱えてゆかなければならない、今はもう亡き人々の優しさと願い。
「‥‥なんか疲れたな」
ポキポキと肩を鳴らし、ゴドフリートは笑った。
「そうだな」
苦笑する慶悟の横で、シュラインの携帯電話が鳴り響いた。
「‥‥麗香さんからだわ。‥‥もしもし?」
電話機の外からでも、その声が微かに聞こえる。
手術、成功。‥‥盲腸だから、すぐに退院できるらしい。
「‥‥退院したら見舞いにでも行くか?」
「甘いもの持って行ってやらなきゃな」
苦い顔の慶悟に、乗り気で答えるゴドフリート。慶悟は破顔し、コートのポケットに両手を突っ込んだ。
「‥‥半分冗談だったんだが」
「編集部に帰りに寄って欲しいって。‥‥編集長が奢ってくださるそうよ」
電話を切って、シュラインが二人に告げる。返事は同時に帰ってきた。
「ほぉ」
「そいつはいいな」
朧月夜の春の夜の話であった。
+++了
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0086 シュライン・エマ 女性 28 翻訳家&幽霊作家+草間興信所でバイト
0424 水野・想司 男性 14 吸血鬼ハンター
0389 真名神・慶悟 20 陰陽師
0845 忌引・弔爾 25 無職
1024 ゴドフリート・アルバレスト 男性 36 白バイ警官
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■ ライター通信 ■
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こんにちわ。ライターの鈴猫です。
学校の怪談〜体育館裏の幽霊〜をお届けします。
(ごめんなさい、元のタイトル失くしてしまいました(TT))
久しぶりに長いお話になってしまいました(汗)
ちょっと癖の強いNPCが、鈴猫の話にしては多かったせいもあります。
ごめんなさい。しかしこの学園の話は、ライターになりたかった時から、書いてみたかったお話でありました。
真名神さんの形代が果たして、病気の痛みに効くのか、とか、もろもろ、説得力の弱い部分があるかもしれない、と自省しつつ、今回はこの辺りで占めさせていただきます。
もし文章や描写にご不満、ご意見などございましたら、是非是非教えてくださいませ。
それでは皆様のご活躍、これからも応援しています。
また違う依頼でお会いできれば幸いです。
ご参加本当にありがとうございました。
鈴猫 拝
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