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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


ドリームランド

記入者が無い書き込みが雫のBBSにかかれていた。

この地に現実を離れ、架空の世界に骨を埋める。
かつての偉大なる王がそうだったように…
ドルイドにして偉大な魔術師は永久に塔に幽閉されるように。
人は夢見る。夢と現実の境目で生きる。
つまらぬ時代で命を無駄にするより…ここに来ないか?
ドリームランドに…

レス1:そこってどこ?

レス2:A区4丁49番らしい。

レス3:そんなところあった?

レス4:俺の連れが行って帰ってこないぜ?本当にあるようだ。

「こまったわ」
雫はこの「ドリームランド」が気になって仕方ない。下手すれば帰ってこれないとも考えられる。
しかし、もうすぐしたらゴールデンウィーク。遊びに行くところなんてどこも人ヒトひと…。
「知り合い集めて真実調べた方がいいわね」
善は急げ、早速メールを送る雫であった。

−ところでよ?雫ちゃん。
「何?」
−中間試験とか進路どうするんだ?
「まだ大丈夫。成績はあれだけど…内申は大丈夫よ♪」
−親御さんが可哀想だなぁ…
「よけいなお世話よ!ぷん!」



●参加者募集…なんだけど…
メールを送ってみても、殆どの人がすでに予定が入っているようなので雫一人自宅で悩んでいた。
「こまったなぁ」
サイト運営と宿題…そしてテスト勉強…「ドリームランド」の調査…。やっぱり忙しい。
肝心な「ドリームランド」の調査を手伝ってくれる仲間がいないことには危険だ。
ため息ばかりである。
そんな、ブルーな時だった。
メールが2件入ってきた。
期待を寄せて見てみるとビンゴ!
「一人参加♪」
名前を見ると…海原・みあお…
「あ、海原さん家の末っ子さんだ。しかし、いいのかな〜お姉さんの許可受けたのかな?」
そう考えたのは、みあおが使ったメールは次女のメールアだからだ。姉の性格からして、大丈夫だろうと判断。たぶん、彼女から話を聞いて参加したいと申し出たのだろう。
内容も楽しそうに書いている。遠足気分のようだ。
『はじめまして!(中略)おっもしろそ〜! 行く行く! 『ドリームランド』があるかどうか調べればいいんだよね。うんと、まずは食べ物だよね。なにがあるかわかんないから沢山もっていこう。あとはおやつかな(予算500円(税抜き)で、バナナはおやつに入りますか?)。ジュースもね。カメラも要るかな。使い捨て2・3個もって行くから、よろしくね〜。』
「初めて会うから緊張しちゃうなぁ♪」
期待一杯に胸踊らせる雫だった。
残ったメールである。
「あ、これは!」
参加表明ではなく…「ドリームランド」から戻ってきた人物がいる情報を送ってきてくれたのだ。
『D病院にてA区4丁49番地から戻ってきた人物がいます。其れは私の友達だけど、かなり怪我を負って集中治療室に…。貴女を信じて、病院と彼の名前、詳細を教えます…』
「これは…急がなきゃ!」
雫は、上着をきて、急いで病院に向かった。
両親は…
「…あの好奇心を勉強に使ってくれればねぇ」
彼女の行動にはあまり文句は言わない(自己責任で夜の外出を許可している)。それは勉強以外ならば、しっかり家のこともしているし、行動時には信頼おける保護者がいること、彼女自身を信じているからだ。なかなかいない良い両親である。

D病院に急いだ雫は、驚くべき事を知る。
重傷だった「ドリームランド」から帰ってきた患者がすでに一般病室にいると言うことだ。
「どうしてかな?」
関係者以外面会謝絶という貼り紙はあったが…、目の前に高校生らしい少女がいた。
「貴女が雫さんですか?」
「はい、ひょっとして、先ほどメールしてくださったヒト?」
雫が訊ねると、少女は頷く。
「私も不思議で…。ご両親はお医者さんとお話ししている様です」
改めて二人は挨拶し、しばらく、この事件についての詳細を訊ねる雫であった。
まず、彼の趣味が『卓上RPGや80年代前半に流行ったゲームブック』というものだ。
彼女もそう言った趣味を持っているが、ゲームブックの存在は知らないらしい。
担ぎ込まれたところ、彼は一言こういったそうだ…。
「あいつを倒せば…皆…たすかる…魔術師…」
途中で意識を失ってしまった。
持ち物は何かのカードと何か数字が刻まれている腕時計らしい物体。
カードには、RIPと198と書かれている。
「なんなのだろう?」
「私もさっぱり?」
二人して悩むわけだが、答えがでるわけではなかった。魔術師とこの物品はいったい…。
雫は背中に悪寒が走った。幽霊がいるときのアレだ!
後ろを振り返ると…安堵した。知ってる幽霊だった。
「驚かして済まないね」
「お久しぶりかな?夢野さん」
少女はいきなり現れた幽霊にびっくりして気絶している。
「あちゃ〜しまった〜」
頭をかく幽霊、未来の退魔剣士の夢野・静音である。訳あって肉体が滅んだが幽体として生きている。宿敵の魔について調べているのだ。
「う〜ん、ひょっとして、重症患者の「彼」を治したのあなた?」
「そうです。お節介やきですが」
「でも、最後が悪かったね。情報提供者気絶させるのって」
「ははは…(汗」
のんびりと話している…此処病院ですが…と突っ込みいれたい。
「お話は聞かせていただきました。気になりますからご一緒させてください」
「でも、霊力がつきちゃうと本当に死んじゃうんじゃ?」
「なので、あなたのリボンに憑依させていただければと」
「「ドリームランド」に行く時に憑依してね。他に一緒に来てくれる人がいるから」
「わかりました僕はこれで」
幽霊はお辞儀して帰っていった。
病院と幽霊、切っても切れない縁…。たぶん誰かがネタとして書き込むことだろう…。



●集合!
雫がよく使うネットカフェで待ち合わせをすることになった。途中で静音にあったので、彼はリボンに憑依している。
ふと思ったのだが、彼がそこから現れた時「雫の霊が頭(耳)からでている」と驚かれそうだ。
「こんにちは〜!はじめまして!」
みあおが姉のお下がりのお気に入りで大きなリュックサックを背負ってやってきた。
「はじめまして、みあおちゃん」
雫はどう見ても6歳児西か見えない少女に挨拶した。13歳と言うのはいったい?
リボンから静音が声をだした。
「はじめまして、夢野静音です」
当然、みあおは雫が男の声を出したとおもって驚く。
「リボンに助っ人がいるの…」
「そ、そーなの?」
怖がるみあおに事実を見せるためか、リボンから静音の幽霊が出てきた。
「きゃーーー!」
「とって食べないから大丈夫だから…あーあ…ないちゃった…」
「うっかりしてました」
みあおは机の中でふるえている。やはりそうなったか…。
彼女が落ち着くまでカフェにいるしかないようだ。雫はため息をつく。


例の番地を探し当てるのはそう難しくなかった。空間に関してのエキスパートがリボンに憑依している。
時空跳躍者の静音が空間歪曲を感じ取って案内すれば良いだけなのだ。
リボンが喋ることを除けば(其れを知っているから、耳元で囁くわけだ)。
「ついたね…」
「ついた〜!」
4丁49番地…。その先は霧に包まれていた。
「ん〜お化け屋敷みたい!」
みあおが先にある危険など意に介さず、楽しそうに言った。雫にしてみても同じだ。
「さ、中に入ろう!」
二人は嬉璃にお構いなく先を進んだ…。
霧が晴れる…。
そこは、昔の村だった。村と言っても、日本の村ではなく、中世ヨーロッパの村だ。
村の真ん中に、井戸があり、周りに藁ふき屋根の家が建ち並ぶ。その先には小高い丘があり、立派な城が建っていた。
標識があり、英語で「この先にキャメロット城」と書かれている。
「何処かで見たような世界よね…」
「アーサー王の世界かな?」
「そうかな?少し違うみたい」
「しかしなぜ霧の先がこの世界なのでしょう?」
村の中心まで進んでみる一行。
広場の井戸には、可愛い女の子が隠れていた。年は雫と変わらない。いかにも魔法使いのとんがり帽子をかぶって、少し露出度のある魔女っ子のような服を着ている。
「いらっしゃい!おねーさんたち!」
「おねーさん??」
「私のお師様が大変なの!なので、これとこれを持ってこの世界を救ってね?それと、その腕輪はさいころのうでわよ。そのカードはあなた達の生命点…いまではHit Pointと言った方が良いのかな?」
こちらの質問には答える気はないように、魔女は喋る。
「ちょっとまってよ!」
みあおが魔女のおしゃべりを止めた。
「ん?なに?」
「ここってどこ?」
「あーごめんね〜ちゃんと説明するの忘れちゃったね」
彼女は気がついたようだが、いたずらっぽく謝る。確信犯らしい。
魔女はお辞儀をして案内を始めた。
「私はメアリー。ようこそ、つまらぬ時代からお越しの勇者様達。ここはひと味違う「アバロン王国」。冒険をして楽しんでくださいね」
「ということは?異世界のテーマパーク?」
雫が訊ねると、ま、そんなところねと言った感じに頷いた。
「ちなみに基本的なお約束は、そのカードから検索できるので大丈夫。ただ、ちゃんとクリアしないと、帰られないからね。でも本当に死ぬことはないから。無理にこの世界からでない限りね…」

魔女は再度説明した。
まず、この王国にいる偉大な魔法使いが行方不明になり、この国に帝国の大軍がやってくる危機的な状況らしい。彼女は、魔法使いの弟子であり、参加者の「妹」でもあるそうだ。なので、この世界に入った参加者は魔法使いを捜し出す「勇者」となって冒険にでないといけない。
3人は先日に情報を仕入れていたので気づいた。過去にこういった類のゲームブックがあった。今でも一部熱狂的ファンがいる。しかもこれは最終冒険の模様だ。しかし、この題材を扱っているゲームブックはユーザーフレンドリーではなく他のゲームに比べ「ゲームオーバーになりやすい」すなわち死亡率がたかいのだ。カードはステータスとルールが書かれているしおり、腕輪はさいころ作動装置ということだ。

「一応、ネット検索などで調べたけど…かなりやばい処ね…」
雫がつぶやく。殆どの運試し。この世界で「死んで」しまったらやり直しということだ。何とか取り寄せた作品の一部に記されている数字と文章の意味がすごくわかる。
「これは私もしっかり参加しないと」
静音がつぶやいた。彼の分は渡されていないからだ。
「じゃーさっそく魔法使いさんを探しに行こう!」
あおみが楽しそうにいった。
「この世界では死なない=外に出られないのよ?平気でいられるね…」
雫が半分不安になってみあおに訊いた。
「大丈夫、大丈夫!」
みあおは物珍しいものをカメラにとっていく。
この先どうなるだろうか?

●冒険は辛いが
雫のカードのRIPカウンターが14を指した。14回「死んだ」事になる。
「大丈夫?」
へばっている雫を心配そうにみるみあお。彼女も7回は「死んで」いる。
暗号を解き間違えたり、いきなり老婆に殴られたり、どう猛な鶏の群れにつつき殺された。
「他のゲームよりきついよー」
雫は叫んだ。どうも、静音の能力はこの世界では殆ど通用しないらしい。静音は役に立たないことで黙ったままだ。
「やっぱりすでに死んでいるからかな?」
みあおが言った。其れは彼に追い打ちをかけたのでリボンが震えてしまってる…。
「あ、悪気はなかったの…ごめんなさい」
みあおは謝った。
みあおは、機転を利かせる行動をとりつつけていたし、運動神経が鳥と同じように鋭い。
しかし雫はただの中学生。肉体的にも精神的にもこの冒険は酷だった。しかし、事件解決のために勇気をだす。
そんなときだった…。
上から他の「勇者」が落ちてきた。
首から鈍い音がして…動かない。
しかし、
「まただ…」
「喋ってるよ!」
雫達は驚く。
「棺桶の釘のように死んでいるってこのことかもな」
死んでいる「勇者」は言った。
「さてと、やり直すか…やれやれ」
Hit Pointを決めるためにさいころの腕輪をいじった。がっくりと項垂れる…。
雫達は覗いてみた…出目が2…カードには8とでている…最低のHit Pointだ…。
「躓いただけでしんじゃうよう〜」
雫は同情して泣いた。彼女も3回は8でスタートしている。
「ところで…すみません」
リボンから静音が「勇者」に訊ねた。
「ん?なに?」
彼は完全にこの不可思議な冒険になれているためか、リボンが喋ることなど気にもしていない。
「何回この冒険をしてますか?」
「記念すべき140回目」
「………」
嬉しそうに答えている彼に皆は時間が止まる。
「しかししばらく疲れたし…こんな状態じゃすぐ戻ってきてしまうな…」
さすがの彼も困っているようだ。
「そうだ…一緒に旅をしませんか?」
みあおが「勇者」を誘ってみた。
「ああ、構わないよ。」
あっさりOK。
「とりあえず…君たちにこれを渡すね」
と一振りの剣を渡した。
「普通は喋る魔法の剣で切れ味が良いのだけど、今回は彼、ボイコットしているんだ」
「どうして?」
「彼を無理矢理蜘蛛と戦わせたのが気に入らないらしく…そうこの剣は蜘蛛嫌いなんだ」
変な魔剣があるもんだ…。
それでも、雫達には重要なアイテムである。軽くて使い勝手がよいのだ。
静音はひらめいた
「その剣に憑依します」
「それは良い考え!」
この世界のアイテムに憑依すれば一応何かの役には立つと考えたのだ。
「リベンジいこ!」
皆でエイエイオーと叫んだ。

3人と一振りの剣になれば冒険はスムーズに運んだ、なにせ一人は140回も「死んで」いるのは、殆ど運が悪かっただけで、全ての行動ルートは知っているのだ。それにみあおの特殊能力が徐々に効き始めている。
やっと魔法使いの捕らわれている塔までたどり着いたのだ…。
…ドルイドにして偉大な魔術師は永久に塔に幽閉されるように…
「これだ。」
雫たちは掲示板の言葉を思い出す。
此処にいるのは魔術師マーリン。様々な伝説があるなか、邪悪な魔女に塔に幽閉されるという説がある。
「魔女が何処かにいるはずね」
雫が言った。
「私が調べてくる」
みあおは、小鳥に変身し、塔の周りを調べる。門も窓もない石造りの塔。
しかし、屋上に一人の女性がいた。黒いドレスを着た…。
「あ!あれがボスだわ!」
みあおは急いで皆の元に戻り、状況を説明する。
「たぶん交渉決裂だから、一気に倒しちゃいましょ」
「うん!」
「そうだな…でもどうやって登る?」
仲間の「勇者」が訊ねた。
「それなら私が何とかします」
剣に宿った静音が剣自体を媒体として、光刃をだした。
「あ〜なるほど〜」
雫は頷く。
退魔剣の光刃…万物分解の恐怖の剣。初めて役に立った事に感激を覚える静音だった。
「張り切って壊そう!」
「オー」
雫が静音を一振り…。塔は塵の如くつぶれた。
行きなりのことだったのか、屋上にいた魔女は対応できなくて落下死してしまったようだ。
「あらあっけなかったね…」
皆は言った。
そして、魔術師マーリンを救出することが出来たのだった。

そこから、歓迎を受け国の危機を救った英雄としてたたえられる。
村の中央…
「どうやって帰るのかな?」
「簡単じゃあそこのドアをくぐればすぐじゃ」
みあおの疑問にマーリンが指さした。今まで無かったドアが現れている。
「なんかよくわからないね?」
雫は最後があっけなかったのかしっくりこない。
魔術師はその質問に答える。
「はやりだけで廃れてしまうモンが多い中、この作品はまだ愛されている。別の所で儂が居るような世界があるかもしれん。其れでできたのじゃよ、嬢ちゃん」
「そうかぁ」
「でも、冗談にもならないです…」
静音はリボンに憑依しなおしていった。
「おぬしらの詰まらぬ時代よりは楽しめたじゃろ?しばらく閉店じゃ。機会があればまた会おうぞ」
と、魔術師は手を振って雫達を見送った。


この「世界」の危機を救ったことで、この「ドリームランド」の話は無くなった。
また平穏で退屈な日々を送る。
「…つまらない時代」
そんなことがあるのだろうか?今の時代に?
皆それぞれ考えながら日々を過ごす…。

答えを見つけるのはあなた自身だ…。

End


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【1197 / 夢野・静音 / 男 / 19 / 時空跳躍者】
【1415 / 海原・みあお / 女 / 13 / 小学生】

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■         ライター通信          ■
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滝照です。
今回参加していただきありがとうございます。
今回の舞台は、私自身の好みを存分に使わせていただきました。
そのぶん苦労致しました。

風野静音様
最後の最後で役に立ちました。文中に書いているとおり、おかしな状況ばかりになりましたね。

海原みあお様
楽しい遠足のつもりが奇妙な冒険ものに。しかし、能力などを使うことにおいては一番出番が多かったので書きやすかったです。

では機会があればまたお会いしましょう。


滝照直樹拝