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哀しい夢
＜オープニング＞
『まだ誰も知らないところへ行こう、とあなたは言うの。
そこへ一緒に行けるんだと思うととても嬉しくて、私はあなたに手を伸ばす。
けれど、そこは誰にも赦されない場所だった。
おねがい、だれか。誰か彼を止めて。一分でも一秒でも早く彼に追いついて。
誰でもいいの。誰か。だれか…………おねがい。』
「……とまあ、こういう感じなんだが」
表示された文字を指で示して、自称「紹介屋」の太巻大介（うずまきだいすけ）は振り返った。
「ネットサーフをしていると、突然画面が切り替わって、スクリーンにこのメッセージが表示されるんだな。スピーカーをオフにしていても、しっかり電源が入って音楽が流れるっつぅスグレモノだ。…で」
太巻が再びエンターキーを叩くと、スクリーンに新しい文章が浮かび上がる。
・貴方の大事なものはなんですか？
・貴方が一番心に残っている思い出は？
質問の下で、答えを待つかのようにカーソルがチカチカと瞬いている。
「コイツが一体なんなのか、確かめて欲しいって依頼だ。こんな簡単なことで小遣いもらえるんだから、ボロい商売だよ。どうだ？受けてくれるんなら、このサイトに辿り着く方法を教えてやるよ。大丈夫、コイツのせいで人が死ぬなんてことはねぇからさ。……たぶん」
最後にぼそりと付け加え、肩肘を突いた銜え煙草で太巻は返答を待っている。
□
「…うわァ」
胡散クサァ……。というのが話を聞いた桜夜の第一印象だった。桜夜の隣では、同意を示すように隼も肩を竦めている。
感想はそのまま口に出ていたらしく、それを耳に入れた太巻が鼻から息を吐いて笑った。
「胡散臭い話だから、お前らに仕事が回ってくるんだよ」
「そりゃ、そうだけどよ」
腕を組んで話を聞いていた隼は、ちらりと桜夜を見てから太巻に視線を向ける。
「簡単な依頼っつーけど、ボロ儲けかどうかはオッサンには断言できないんじゃねえの？」
「オッサン？」
銜えタバコを取り落とすほどに動揺して、太巻は恨めしげに隼を睨んだ。訂正しないあたりが、分を弁えている…かもしれない。隼は、オッサンはオッサンだろ、と鼻を鳴らして、ますます太巻を拗ねさせた。
「まあまあ、二人とも大人気ないよ！」
年下の隼を相手にムキになる太巻のほうがより大人気ないのだが、そこは彼の沽券にかけて言わないでおいてあげる。剣呑な視線を交し合っている二人の注意を逸らすべく、桜夜はスクリーンを指さした。
「でも、ここで何かが動いてるのは確かみたいね。この文章、なあんか切羽詰ってるし。第一、彼って誰よ。彼って」
文章が訴えかけてくる必死な様子は、声を聞かなくても伝わってくる。大切な人なのかもしれない。桜夜はこっそり視線を隼に向けた。……大事な人のことだったら、きっとこのコも心配だろう。
「……いよっし！」
拳を固めて気合を入れた。
「なんだか知らないけど、止めろというなら止めて見せましょう！受けて立とうじゃないの、この依頼」
「おいおいおい……」
マジかよ、と隣で隼が呆れた声で呟いている。
隼相手に拗ねていた太巻は、二人が依頼を承諾すると渋々情報を提供してくれた。といっても、隼が望んでいたような有益な情報は少ない。それを指折り数え上げながら、桜夜は片手に護符を握り締め、さっそく個室のコンピューターの前に陣取っている。
「サーバーはアドレスバーに表示されてるＵＲＬのもので特に問題なし。本来表示するべきページのかわりに、あのメッセージが表示されているだけ。ウィルス探知にも引っかからないし、出現するサイトのタイプもバラバラ。……結論、行ってみなくちゃわからない。ウヒ♪」
「あのオッサンも、よくこんな依頼とってくるよな」
ため息まじりに、隼も桜夜の隣の席についた。案外慎重派の隼は、情報の不足が気になっているのだ。だけど行ってみたら分かることもあるからいいじゃないのと桜夜は思っている。
「さて！」
勢い込んで、桜夜はスクリーンの前で手を打つ。それぞれのディスプレイには、太巻から教わった方法で既に例のメッセージ画面が呼び出されて二人の回答を待っていた。
「じゃあ、行くぞ。……おい、こっち見んなよ？」
「見ない見ない♪……」
「見んなっつってんだろ！！」
「はいはい、わかりましたよーだ」
隼が何かを察知して警戒しているので、桜夜は仕方なくモニターに向き合った。勿論、隼が答えを打ち始めたらすかさず画面を確かめる気満々である。絶対盗み見てやるぞと誓いながら、桜夜はキーボードに手を置いた。
「あ、あれ？」
指は澱みなくカタカタと文字を打っていく。慌てて指に力を込めようとするが、指の動きは止まらない。それどころか、手に意識を向けたことで余計にスピードを増したようである。
「うわっ！」
桜夜の隣で、隼の慌てたような悲鳴が聞こえた。
（何！？何？何なの！？）
隼が何を打ち込んだのか、どうしても見たかった。なのに手が止まらない。桜夜は視線を手から引き剥がして、ぐりっと隣の隼を振り返った。
「ちょっと、何て書いたの！？」
言ったところで、桜夜の指が操られたようにエンターキーを押した。
……気が付くと、桜夜は隼と一緒に奇妙な空間に浮かんでいた。
辺りは乳白色の靄（もや）に包まれている。そこには上もなく下もなく、不安定になった桜夜の足は地面を探して頼りなく揺れる。
一瞬前まで、コンピューターの前に座っていたのだ。ネットカフェの個室を暗くして、音が入ってこないようにドアを閉め、鈍い光を発するスクリーンに向かいあって、隼の入力する「大事なもの＆大事な思い出」を見てやろうと思って…。
「なのにここはどこなのよ」
「さあな…これはお前の得意分野じゃないのか？」
隼に問われて、桜夜は首を振る。
「霊的なものは何も感じないわよ。かといって、コンピューターの中にこんな世界があるとも思えないし」
一寸先も見えない靄の中だ。静まり返っていて人の気配はなく、風もないのに取り巻いた煙はゆっくりと移動し続けている。誰も居ない世界。どこからともなく微かに、空耳とも間違うような哀しげな旋律が流れてくる。
「これって、あのページで流れていた音楽……」
「だよな。てーかお前、呪術的なものには音楽はお約束っつってたじゃないか。コレも仕方ないのかよ」
しかめツラをした隼の眉間にいつも以上に皺が寄っているのは、わけもなく心が締め付けられるからだ。隼は何も言わないが、桜夜はそれを知っていた。音楽の微かな調べに合わせて、さっきから桜夜の気持ちも、哀しくなったり切なくなったりする。
足を踏み出しかねて佇んでいる二人を促すように、ふわりと温い風が吹いた。息苦しいほどに立ち込めている靄が、重たい腰を上げてゆっくりと揺らぐ。風の吹いてくる先に注目していると、靄は重々しく割れて前方に道を作った。
「うーん、とにかく、行こっか」
立ち止まっていても始まらない。それならば、導くように靄の退いた先を確かめてみよう、と心を決めた。足の裏が地面につく感覚がないので、漕ぐように足を動かす。周囲に立ち込めた靄がゆらゆらと移動していくので、きっと前に進んでいるのだろう。
歩いていくうちに周囲は少しずつ明るくなり始めていた。隼と二人、どちらからともなく立ち止まると、桜夜はふぅと息をついた。
「明るくなってきたな」
「うん」
相変わらず靄の中に佇んでいたけれど、辺りはさっきよりもずっと光があった。
包むように覆われていた靄が薄くなって、桜夜は突然心許無い気分になった。わけもわからないうちにどんどん息苦しくなって、桜夜は隼の服を握った拳にぎゅっと力を込めた。
耳の奥で、どくどくと心臓の鼓動がうるさい。不安で胸が締め付けられるような感じ。
「隼ぁ……」
「情けない声出すなよ、何もないって」
答える隼の声も緊張している。桜夜と同じように、彼も何か不安なものを感じているのだ。
桜夜は隼に身体を寄せながら周囲を見回した。揺れてたゆたう、靄。けれど桜夜は知っている。何か、とても不安なもの……見たくないものが近づいてきている。どんどん大きくなっていく胸のざわざわが、嫌なことが起こると告げている。
桜夜の見ている前で、立ち込めていた靄の一部が不吉な動きを始めた。
「ちょっと何ー？なんなのよ！隼、側を離れないでね……って、隼っ！？」
答える声がないので、ぎょっとして桜夜は振り返った。隼がいない。桜夜の手が、隼の服の裾を掴んだときのまま、虚しく靄を握り締めている。
突然心細くなって、桜夜は身体を縮めた。隼の名前を呼ぶ声は、靄にかすんでかき消えてしまう。
立ちすくんだ桜夜の背後から、声がかかった。
「おい」
それはたった今まで聞いてたはずなのにとても懐かしい声で、桜夜の緊張は途端に霧散する。
「ちょっと、隼！乙女を一人こんなところに残していくなんてひどいじゃない。こういうところではか弱いあたしを守るのがオトコノコのつとめで、……しょう……？」
安心したせいで早口になった口調は、静かに佇む隼の表情を見ているうちにゆっくりになり、桜夜は中途半端に台詞を途切れさせた。
「どうしたの？隼」
桜夜が一気に喋る間、隼は冷たい表情で彼女を眺め下ろしていた。悪態でも、悪口でも、いつもなら彼なりの優しさがうかがえる言葉を返してくれるはずなのに。向かい合った顔は桜夜のよく知る隼のものだったけれど、何かが違う。
たとえば無表情な顔に浮かんだ酷薄さとか。
(隼はあたしに、こんな顔しない）
「誰？隼だよね？どうしちゃったの、一体…」
「うるせえな」
隼の声で、ぞんざいな口調で、隼は音を立てて舌打ちした。
「もうついてくんな。お前なんかいらねえんだよ」
言うなり、ぱっと桜夜に背中を向けて走り出す。
「隼！？隼、ちょっと待って！待ってよ」
桜夜は必死で手を伸ばした。何がなんだか分からない。けれど、隼は桜夜を置いて行ってしまうのだ。「お前なんかいらねえよ」と桜夜を捨てて。
「どこ行くの！？行っちゃやだよ、隼」
靄の中に消えかかる背中を追いかけるように足を踏み出した桜夜は、突然強い力で腕を引っ張られてバランスを崩した。
「桜夜！」
容赦ない力で手首を掴まれ、引き戻されながら聞いた声は隼のものだった。追いかけなくては、と暴れる桜夜の身体を押さえつけて、隼の声がもう一度桜夜の名前を呼ぶ。
「桜夜っ。バカ、何やってんだよ。一人で行ったら迷子になるって」
「隼が…隼が行っちゃうんだよ！」
「俺はここに居るって！落ち着けよ」
懐かしい声で怒鳴られて、ようやく桜夜は暴れるのをやめた。恐る恐る声のするほうを振り返る。
そこには、確かにちゃんと隼がいた。眉を寄せて、不機嫌そうな顔をして、少し心配そうに桜夜を見つめている。隼の顔がぼやけているのは靄のせいだ、と桜夜は自分に言い聞かせた。決して泣いているからじゃない。
「隼……」
ここに居るっつーの、とぞんざいな返事が返ってきた。桜夜をほっとさせる声だ。
「見ろよ。誰かいる」
か細い旋律が再び桜夜の耳に舞い戻ってきた。途切れ途切れだが、誰かの歌声が音楽と一緒に流れてくる。哀しげな調べは、太巻が見せたスクリーンのメッセージを思い出させる。
「アキラを止めて。……おねがい」
泣きそうな歌声が祈っている。桜夜は滲んだ涙を引っ込めるために深呼吸をした。
「行くぞ」と隼が言う。
桜夜は頷いた。何のためにここへ来たのか、忘れてはいけない。両手でしっかりと隼の服を握り、桜夜は声のするほうへ足を踏み出した。
重苦しい世界に慣れていた視界が、突然広くなった。靄が晴れたのだ。靄が晴れたその先に、一人の少女が座り込んでいる。年は桜夜より少し上くらいか。俯き加減に見せる横顔がとても寂しげな印象の少女だ。白いワンピースから覗く肩が、細くて痛々しいほどだった。
いつの間にか歌も音楽も止んでいた。声を掛けるタイミングを逸して、桜夜と隼はそこで頭を垂れた少女を見つめる。視線に気づいて顔を上げた彼女は、涙に濡れた目を驚きに見開いた。
「あなたは……？」
訊かれて、顔を見合わせる。隼が桜夜にかわって少女に答えた。
「ネットに現れるメッセージを辿って、ここまできたんだ。俺が瀬水月隼で、こっちは同居人の桜夜。…あんたの名前は？」
少女は黒い瞳でじっと桜夜と隼を見つめ、震える声でかろうじて「ナミ」と呟く。それからはらりと涙を零した。
涙が漂っている靄に落ち、ふわりと靄を揺らして消えてしまうと、桜夜の胸に小さな痛みが走った。
「あの、泣かないでいいんだよ。あたしたちが来たからには大丈夫。あなたの言う『彼』を、止めるためにここまできたんだから」
彼女が涙を零すたびに、それに反応したように桜夜まで泣きたくなる。だから泣かないで、と桜夜は少女に言った。
「あなたが泣くと、あたしまで悲しくなっちゃうのよ」
もう一粒涙を零して、少女は小枝のような指で涙を拭った。
「ここにいると、誰もが哀しい夢を見続けてしまうの」
涙に濡れた瞳を瞬かせて、ナミは二人を振り仰ぐ。どう見ても年上だというのに、彼女はとても頼りなかった。
「事情を教えてくれる？彼って誰？アキラっていうのが、あなたの探している人なの？」
「…そうです」
涙を堪えるように俯いてから、少女は話しはじめた。
「アキラは……、アキラは人を操る方法を研究していました。そうすれば人は神になれるんだって言って……。でもそんなことは意味がないんだって、誰かに彼を止めてもらいたくて、私はずっと呼びかけていたの」
「それが、おれたちが見たメッセージだったってワケか」
腕を組んで話を聞いていた隼が、確認するように少女を見下ろす。
痩せて尖った顎を頷かせて、少女は目を伏せた。ぽろりと涙が睫を濡らして頬を伝う。どうしようもなく哀しくなったので、桜夜は隼の腕を取って彼のぬくもりを確かめる。引き絞られるような胸の痛みは、それで随分和らいだ。
「私は、この場所を離れられないの。だから、お願い。もしもどこかでアキラを見つけたら、彼を止めてくれますか？」
桜夜と隼は顔を見合わせた。口を結んだ隼は渋い顔をしている。そんな簡単に約束していいのか？と。
それは、確かにそうなのだけれど。
（これで断ったら男も女もすたるわよね）
断ってしまえば彼女を泣かせるばかりだけど、もしかしたらってこともある。運よく自分がアキラという人物と回り逢えたら、その時はじめてナミとの約束を果たせばいいのだ。
「うん、わかった」
考えた末に、桜夜は言った。
「あたしたちに任せなさいって！もちろん、絶対止められるなんて言わないわよ。だけど、もしアキラという人にあったら、その人を止めなきゃいけないと思ったら、きっとあたしたちがアキラ君を止めてあげる。ね？だよね、隼」
「お前ならそう言うと思ってたぜ」
聞こえよがしに息をついて、隼はナミに顔を向けた。
「ま、そういうワケだからさ。確約はしないけど、出来る限りのことはしてやるよ」
「……はい」
ほんの少し口元をほころばせて、少女は微笑む。瞳は哀しい色を湛えたままだったけれど、二人が始めて見たナミの笑顔だ。
「そのかわり、約束だよ。あなたにとってアキラ君が大切な人なら、諦めちゃだめよ。約束だよ」
桜夜の言葉に、ゆっくりと頷くナミの顔が靄に霞んで次第に見えなくなる。
はっと気が付くと、桜夜はモニターに向かったまま椅子に座り込んでいた。暗い部屋、青白い光を発して明るいコンピューターディスプレイ。周りを取り囲んでいた靄はどこにもないし、ナミという名の少女も居なかった。モニターの中には、チカチカと動画広告が切り替わる何の変哲もない検索サイトが表示されている。
長くて疲れる夢を見た後のように、桜夜と隼はしばらく椅子に身体を埋めてぼうっとしていた。と、誰かが蛍光灯の電源を入れて、部屋は突然明るくなった。
「いやァ、ご苦労さん」
桜夜が振り返ると、戸口のところに太巻が立ってタバコを燻らせている。
「随分長いトリップだったから、そろそろ起こさなきゃならんかと思ってたとこだ。無事でなにより」
言いながら、両手の指を耳に突っ込んで詰めていた耳栓を外している。
（っていうか、耳栓て…）
耳栓とは音を遮断するためのものだ。太巻は、耳にしたくない音があったから耳栓をしていたのだろう。たとえば…強制的に流れる哀しげな旋律とか。
「おい……」
隼は椅子から立ち上がりながら、太巻に向かって剣呑な声を出した。
「あんた、なんで耳栓してんだ？このサイトについて説明した時、音楽の事は話題に出さなかったよな？」
「そうだっけ？」
そらとぼけながら、太巻は手の中の耳栓をズボンのポケットに入れた。
「あのページには視覚と聴覚を刺激して、人間の脳波をある特定の幅に持っていく仕掛けがしてあった。いわゆる催眠状態になりやすい脳波だな。つまり、あの音楽を聴きながらスクリーンを見てると、催眠に掛かりやすい状態になっちまうわけだ。……あれ？言ってなかった？」
「言ってねえよ！」
依頼を断られては困るから、はじめから教える気などなかったに違いない。桜夜は呆れて太巻を見つめた。
「根性悪いなァ！何かあったらどうしてくれるのよ」
「ヤバそうだったら、起こしてやるつもりでいたさ」
まあ、その為に桜夜と隼が帰ってくるまで、こうして待っていてくれたのだろう。性格がいいんだか悪いんだか、今ひとつ分からない男である。太巻は無精ヒゲの浮いた顎を撫でて笑った。
「まあそう怒るな。貧乏学生には、依頼遂行祝いに焼肉食いに連れていってやるからさ」
「ねえねえ、隼〜」
太巻の奢りで腹十二分に焼肉を詰め込んだ帰り道。明るいネオンの入り乱れる通りを歩きながら桜夜は隼を見つめた。
「あの靄の中で、あたしたちは現実になったら哀しい夢を見たよね」
「ああ」
桜夜にとっては、それは隼に「もういらねえよ」と言われてしまう夢だった。背中を向けて駆け去ってしまった隼のことを思い出すと、今でも心細くて思わず隼の腕に捕まる。何も言わずに、隼は桜夜の好きにさせてくれた。
「隼は、あの時何を見たの？」
「…言わねえよ」
なんともいえない表情を隠して、隼はそっぽを向いて桜夜の視線を避けた。
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■ 登場人物（この物語に登場した人物の一覧） ■
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ＰＣ
【整理番号 0444／ ＰＣ名 朧月桜夜／ 性別 女？／ 年齢 16／ 職業 陰陽師】
【整理番号 0444／ ＰＣ名 瀬水月隼／ 性別 男／ 年齢 15／ 職業 高校生】
ＮＰＣ
太巻大介（うずまきだいすけ）/ 性別 男/ 年齢 オジサンと言われてショック/ 職業 紹介屋
備考：タバコ狂・コーヒー狂・スピード狂
ナミ/ ネット「哀しい夢」で哀しい夢を見続けている少女
アキラ/ 委細不明。神になる方法を探している。
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■ ライター通信 ■
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はじめまして！
依頼をお受けいただいてありがとうございます。
せっかくの二人の世界に出張っている阿呆（太巻という）が居たりしてすいません！お邪魔になったら視界から蹴り出していただいて結構です。
タイプが違うのに妙にお似合いの魅力的なお二人、楽しんで書かせていただきました。気に入っていただけたら幸いです。
機会がございましたら、また無い文才を振り絞って魅力的なお二人を書かせていただきたいと思います。
ではでは、本当にありがとうございましたー。
在原飛鳥
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