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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


迷い犬

●オープニング
「探して欲しいんです」
 そう言ったのは依頼人の影森・奈美(かげもり・なみ)。
 歳のころは20歳前後といったところだろうか。
 艶のある黒髪に、はっきりとした目元、そのハキハキした物言いが耳に心地良く響く女性であった。
 そんな彼女が口にした主語のない言葉に、草間ははっきりと首をかしげた。
「探す・・・?何を?」
「これです」
 奈美が出したのは一枚の写真。
 奈美から受け取ると、草間は写真を覗き込んだ。
 写真に写っているのは、奈美の家の中と思われる一角であった。
 洒落たふかふかのソファーに、その背後にテレビ。
 他には・・・特に何もない。
 唯一気になるのは、ソファーの上の不自然な窪みだ。
 まるで何かが座っているかのように沈んでいる。
 この写真がなんだというのだろう?
 問いかけるような視線を送ると、奈美は承知したように一つ頷いて、口を開いた。
「実はつい先日引越しをしまして。その写真は、引っ越す前の家を撮った写真です」
 奈美の言葉に、草間は再び写真に目を落とした。
 この写真が、引越しの前の奈美の部屋の写真ということは判った。
 しかし、探すというのは・・・・?
「実は・・・そこは引っ越す直前に死んでしまった飼い犬が写っていたのですが・・・その、いつのまにか」
 草間はソファーの窪みをジッと見つめた。
「いつのまにか、消えた・・・?」
 察して引き継いだ言葉に、奈美が頷く。
 なるほど、ここには犬が居たわけだ。
 ならばこれも不自然ではない。
「では、探す・・・というのは、もしやこの?」
「そうです。消えてしまった、写真の中の犬を・・・探してもらえないでしょうか」
「・・・・・・」
 もはや、どんな依頼が来ようと草間は驚かなかった。
「判りました。お引き受けしましょう」
「ほんとうですか!?ありがとうございます!!」
 こんな依頼を引き受けるのは草間ぐらいだろう。
 安心したような笑みが奈美に広がった。
「念のためお聞きしたのですが・・・。その、奈美さんの犬はどんな理由で亡くなったのでしょうか?」
「老衰でした。長く飼っていて、もう歳でしたので・・・」
 そう言うと、奈美は寂しそうに微笑む。
 長く一緒にいたからこそ、思い出もまた多いのだろう。
 それだけに、この写真は大切なのかもしれない。
 奈美は、まだ見つかったわけではないのに「ありがとうございます」繰り返し言いながら帰って行った。
 依頼人が帰った後、草間は写真片手に考え込んでいた。
「犬が行きそうな所・・・ねぇ?どこだ?」


●調査開始
「大丈夫、きっと戻ってくるよ。ね?武ちゃん、エリオット。セシルも探すから…だから、元気出して?」
 武ちゃんって誰だ、武ちゃんって。
 草間は心の中でつっこみをいれた―。
 そんな事はお構いなしににっこりとキャンディーを差し出したのは、セリシア・ローズ(せしりあ・ろーず)。
 当年とって11歳である。
 柔らかそうなプラチナブロンドに、不思議な光を宿すタンザナイトの瞳。
 無邪気に笑う顔は愛らしく、ふんわりとした白のゴスロリ風の服が、彼女を天使のように見せている。
 こう見えても、老若男女はもちろんの事、ネットの友達、はては幽霊にまでネットワークを展開させている辣腕の情報屋である。
「わんこさんはセシルが見つけてあげるから、安心して?ね、エリオット♪」
 セシリアが同意を求めたのは、その腕に抱くテディーベアであった。
 エリオットと名の付けられたテディーベアに、セシリアはにっこりと微笑む。
 その様子に、草間は小さくため息をついた。
「一人じゃ危ないな」
 誰かに連絡を…。
 そう思った時である。
 ドアが開くと一人の少女が入って来た。
「あの…すいません」
 小さい声が室内に響く。
「……」
 だが、どうした事か、つきを見た途端、草間の動きが止まった。
「あの?」
 黙り込んだ草間に、つきは首をかしげる。
 何か自分は悪いことをしたのだろうか?
 さっそく失敗をしてしまったのだろうか?
 一体何を?
 やっとの事でドアを開けたつきは、早くも自分のせいで何かしてしまったのかと慌ててしまう。
 つきの頭の中で、半ば恐慌状態になりかけた時―。
 突然、草間は手をぽんっと叩いた。
「丁度いい、一緒に行ってやってくれないか?」
「え?」
 あの?
 確かに事件の事で来たのだが、まだ行くなんて一言も…。
 その前に、一体何の事かさえ聞いてない。
 しかしつきが返事をするまでもなく、話は進んでいた。
「わーい♪ほんとう?おねえちゃんのお名前は?」
 にっこりと、まるで天使のような微笑を浮かべた少女が言う。
 何かなにやら判らぬうちに、つきはセシリアと共に、調査に出かける事になったのだった。


●消えた犬
「よろしくね。つきちゃん♪セシルがいれば、何にも心配ないから!」
 自己紹介のあと、セシリアは天使の如き微笑を浮かべると、嬉しそうに言った。
「は、はい」
 何が嬉しいのかいまいち判らないが、つきはつられて思わず返事をする。
 やはり一人では、何も出来ないのだろうか。
 こんなに小さな子供にまで心配されるなんて…。
 まるで勘違いなのだが、ブルーになるつきであった。
「でも、どうしていなくなっちゃったのかなぁ?」
 他にとっても好きな場所があったのかな?
 そんなつきの心中はまったく知らず―セシリアに原因があるわけではまったくないのだが、一通りの説明を聞いた後、無邪気に写真を眺めながら、セシリアが小首を傾げる。
「お家が好きだったら、写真から消えることないと思うんだけど…」
 なんでかなぁ〜っと悩むセシリアは、それだけで愛らしい。
 そんなセシリアを眺めていたつきは、戸惑いながらも、ゆっくりと口を開いた。
「あの…この写真の他に、犬さんの気に入っていた物とか…残っていますか?」
 おずおずと、言う。
 その声は小さく、静かな室内でも辛うじて聞こえる程度であった。
 だが、無口な少女からすれば、自分から発言するという事は、珍しい事と言えるかもしれない。
 それでも、つきは小さな声しか出ない自分がもどかしい。
「その…あの、跡を、追ってみたいので」
 式神を使えば、可能なはず…。
 だが、それすらも口から出てこない。
 満足に説明出来ない自分が嫌だったが、ここで諦めたらいつもと同じだ。
 誰かに頼るのではなく、自分の力で事件を解決したい。
 そう思ったつきは、勇気を振り絞った。
 だが草間が口を開くより先に、大きく挙手をした人がいた。
「じゃ、セシルと一緒に調べに行こうよ!」
 満面の笑みを浮かべるセシリアであった。
「依頼人のお姉ちゃんに聞けば、全部判るし♪」
 言うなり、つきの腕を取って、さっさと出て行こうとする。
「さ、行こう♪」
「え?あの…」
 その強引さに抵抗する間もなく、つきは外へのドアをくぐっていた。
 むろん、セシリアも一緒である。
「おい、ちょっとまて!」
 つきが慌てて振り返ると、ドアの向こうから、草間の声が響いていた。


●犬の気持ち
 二人がやってきたのは、都心から少し離れた一角にある小洒落たマンションであった。
 その三階に奈美の部屋はあった。
 室内は涼しげな色で統一され、爽やかな雰囲気に満ちている。
 二人が案内されたリビングのソファーに座わって待っていると、やがて奈美が奥からお茶とお菓子持って現れた。
「わ〜。ありがとうー。エリオットもどうぞ」
 にっこり笑って奈美に礼を言うと、セリシアは出されたお菓子を腕に抱くテディーベアにそっと添える。
 つきはそんなセシリアを羨ましいと思いながらも、微笑ましく見つめた。
「あの…それで、ちょっとお聞きしたい事があって」
「はい、連絡は頂いてます」
 どうやら二人が興信所を出た後、草間が連絡したらしかった。
 突然の訪問であったが、奈美が何も言わずに室内に通してくれたのはそれもあったからのようだ。
「あ、セシルね、わんこさんお名前を知りたいの、なんていうお名前なの?」
 調査開始にすかさず振り返るセシリア。
 その目は子供らしい生き生きした光に溢れている。
「えと、犬の名前はアルっていって、ミニチュア・シュナウザーっていう犬種です。こうゆう犬です」
 そういって、奈美が出したのは、たくさんの犬が乗っている写真集であった。
 カラーの写真には、濃い眉毛のような毛と、長いひげのような毛をもつふわふわの犬の姿があった。
「あ、かわいいー!」
 そのつぶらな瞳に、セシリアは心を奪われたようだ。
「それで…すごく気に入っていた場所とか、ありませんか」
 恐らく霊となり、彷徨っているであろうアル。
 思いが強く残る場所ならなおの事、引かれやすいのではないだろうか。
「そうですね…気に入っていた場所ですか。あそこかな、散歩道の途中にあった公園。あそこがすごく好きで、行く度に、そこで遊んでました」
「公園…ですか」
 つきは考え込んだ。
 犬ならば、公園は大好きだろうし、でも、他の犬もいるだろうし、でも何か手がかりが…。
「つきちゃん、つきちゃん」
 そんな考え込んでいたつきの袖をセシリアがひっぱる。
「な、なに?」
「その公園行ってみようよ。何か手がかりがあるかも」
「……」
 しばらく戸惑っていたが、ね?っと念を押すセリシアに、つきはこくんと頷いたのだった。


●さまよう犬
 暗い暗い闇の中、一匹の犬が歩いていた。
 どこからともどこへともつかぬ道を、犬は頼りなげに歩く。
 いつの間にか居なくなってしまったあの人を探して。
 どこへ行ってしまったのか…。
 暫く寝ているうちに、居なくなってしまった大好きだったあの人。
 一緒に居られてうれしかった。
 だから、これからも一緒にいたいのだ。
 かの人の面影を追って、犬は歩いていた。
 やがて。
「わふ?」
 何か感じると、犬は立ち止まった。
 懐かしい気配がする。
 そこは―。


●その姿を求めて
 その後幾つかの質問したあと、つきとセシリアの二人は奈美から教えて貰った公園へと来ていた。
 散歩道だったという公園には、滑り台や砂場はもちろん、芝生を埋め込んだグラウンドなどがある。
 さほど大きいとは言えないが、都心の方では貴重な緑と言えるだろうか。
 つきはそんな公園のベンチに座ると心を静めた。
 その手には、アルを散歩する時に使ったという綱があった。
 残念ながら、写真などは引越しのどさくさで今は見つからないという。
 アルが使っていた首輪も一緒にお墓の中らしく、ならばと綱を借りて来たのだった。
 つきはそっと小さく口元で呪を唱える。
 この気配を辿るようにと、紡いだ言葉は、確実な力となって作用する。
 やがて綱と一緒持っていた札が、色とりどりの小鳥となって飛び立った。
 むろん、それは式神なので普通の人間には見えないはず…なのだが。
「うわ〜。つきちゃん、すごい。鳥さん出しちゃうなんて、手品みたーい」
 目を輝かせ、無邪気に言うセシリア。
「セシリア様は…見えるんですか?」
「うん?見えるよ?」
 にっこり笑うセシリアにつられて、つきも微笑んでいた。
「わんこさん、無事に見つかるといいなぁ」
「そうですね…」
 綱を貸してくれる時、ちょっと寂しそうに笑って「お願いします」と言った奈美。
 この仕事を無事にやり遂げたいと思う。
 自分一人でも、出来るんだと、証明したい。
 だが今は、それ以上に、アルを見つけ出して奈美を安心させて上げたかった。
 無事にアルが見つかって、あの微笑が、嬉しそうな笑みに変わればいい。
 そう思わずにはいられない。
 その時だった。
「あ、つきちゃん、みてみて」
 セシリアの指出すのは、人の目線よりやや上。
 そこには、つきが放った式神がいた。
 何か合図をするかのように、旋回してる。
「行きましょう…!」
 そう言って、ぎゅっとセシリアの手を握った。


●友達に聞く
 二人は、式神を追い、少し離れた交差点まで来ていた。
 この時二人は知らなかったが、二人が到着したのは、引越し前に奈美が住んでいたという家の近くであった。
「あれ?鳥さん、いなくなちゃった…」
 交差点の辺りまで来た時、式神の姿は消えていた。
「…このあたりである事は間違いないと思うんですが…」
 式神が消えた以上、このあたりに手がかりがあると思って間違いない。
 だが、これからどうしろというのだろう?
 つきは戸惑いがちにあたりを見渡した。
 が、何も手がかりらしきものはない。
「じゃ、今度はセシルがおともだちに聞いてみる!」
「え?お友達…?」
 つきが疑問をはさむ間もなく、セシリアは道端に寝転がる猫に近寄っていった。
「……?」
 まさか…?
「ねぇねぇ、アルさんを探してるの。誰か心当たりはないかな?」
 セシリアがそう言った途端、猫は大きな欠伸をすると、立ち上がった。
 ちょこんと座り、セシリアを見上げ、にゃーんと鳴く。
 その声に、セシリアはふんふん?と頷いた。
「あの…もしかして…セシリア様は猫の言葉が判るんですか…?」
 まさか、と思う。
 だが、つきの言葉にセシリアは顔を輝かせた。
「そうよ。セシルは誰とだってお話できるの♪ねー、エリオット」
 にゃーんと、猫は嬉しそうに鳴いた。
「あ、でね。アルさんはあそこのおうちにいるんだって」
 セシリアが指出したのは、数メートル先にある建物。
 それこそが、奈美が引越し前に住んでいた家であった。


●懐かしき
 そこは小さな一軒屋だった。
 塀に囲まれて、家の中は伺い知る事は出来ない。
 二人はかろうじて開いていた表のドアからそっと中に入った。
 引っ越して間もないのか、中はそんなに荒れた様子もなく、整然としている。
 その中に、一匹の犬がいた―。
 犬は、くーんと鳴くと、二人を見た。
「いた…」
 二人は、そっとアルに近寄ると、手を伸ばす。
 アルは嫌がらなかった。
 むしろ、嬉しそうに尻尾を振り顔を摺り寄せてくる。
「お姉さんが心配してるよ。お姉さんの所にお帰り?」
 そっと優しく言うセシリアに、アルはくーんと鳴く。
「どうしたの?」
 優しく、アルに話し掛ける。
 表に人の気配がしたのはその時だった。
 つきとセシリアと同じ、開いていたドアから入ってきたのは、シュライン、みなも、慶悟の三人であった。
「あんた達も、消えた犬の写真の調査に?」
 意外な先客に慶悟は思わず驚きの声を上げた。
「貴方達だけなの?」
 少女二人だけで調査に出すなんて、とシュラインは眉をしかめる。
 ちょっと迂闊じゃない。
 心の中で、ここにいない草間興信所の所長にそっと呟いた。
「そうよ、セシルもわんこさんを探してたの。ねー?エリオット」
 ふんわりとした白い服装の少女は、腕に抱くテディーベアに「ねー」と話しかける。
「あの、私も一緒に…。それで、ここにたどり着いたんです」
 ここに、という足元には、一匹の犬がいた。
 ふさふさの、小型犬。
 奈美が探してるいる犬、写真から逃げたアルであった。
「まさか…迷子になってたわけじゃないですよね?」
 みなもがアルを覗き込む。
 その瞳は寂しそうで、どこか途方に暮れた目をしているように思えた。
「寂しかったんでしょうか…」
 つきはそんなアルにそっと手を伸ばすと、頭を撫でた。
 死してなお、寂しさに捕らわれるなんて、悲しすぎると思う。
 できることなら、違う理由であって欲しい。
「あのね、アルさん、お姉さんを探してだんだって」
「お姉さん…奈美様を?」
 つきの言葉に、セシリアは無邪気に頷いた。
「うん、そうだよ。寝てたらいつの間にかいなくなっちゃんだって。だから、探して、ここに来たんだって」
 かつて自分の居場所だったここに。
 奈美が引っ越した事を知らなかったアルは、奈美を求めて、家に帰って来ていたのだ。
「そうか…」
 アルはアルで、写真の中から抜けし、探していたのだ。
 奈美の姿を。
 写真から消えたアルを探している奈美のように。
 少し見当違いの結果となったが。
「しかし、どうしたものかな?このまま浄化するのは簡単だが」
 慶悟がちょこんと座るアルの横に立つを、アルを覗き込む。
 このまま元へ戻すのは簡単だ。
 でもそれでは、アルの飼い主に会いたいという気持ちは叶わないのではないだろうか?
 むろん、元に戻れば、それは奈美の手元に帰ったという事になる。
 けれど…。
 その時である。
「じゃぁ、新しい家に案内してあげましょうよ」
 そう言ったのはシュラインであった。
「新しい家?」
 そうは言っても、ここからは遠い。
 どうやって…?
 一同が首をかしげていると、シュラインが取り出したのは、一枚の写真だった。
 写真は奈美の新しい家の室内を撮ったもので、ソファーには奈美が腰掛けていた。
 そしてその隣には、ちょうと小型犬が一匹座れるほどのスペースが。
 シュラインは奈美の家を訪れた時、アルを発見出来たら移動するよう説得出来るようにと、写真を一枚撮っていたのだ。
「さぁ、ここが新しいお家よ?」
 そっと写真を差し出すと、優しくシュラインが囁く。
 懐かしい飼い主の姿を見たせいか、アルは乗り出してくーんと鳴いた。
 興味を示したように、くんくんと匂いをかぎながら、写真に鼻を摺り寄せる。
「あ、帰るって。新しいおうちに」
 動物達の言う事が判るセシリアが嬉しそうに「えらいえらい」とアルを撫でる。
 その言葉を合図に、慶悟とつきが真言を唱え出した。
 アルが心静であるように。
 もう寂しくはならないようにと、願いを込めて。
 帰ろうとするアルを助けるように、真言を紡ぐ。
 やがて、ゆっくりとアルの姿が薄れていく。
 次の瞬間、写真の中には、奈美と共に嬉しそうに映っているアルの姿があった。
「お帰りなさい。アル」
 誰ともなく、そっと呟いて、シュラインの手の中の写真を眺めた。


●後日
「これからも大事にしてあげてくださいね」
 みなもはそう言うと、奈美に写真を渡した。
 奈美と共にアルが写っている写真である。
 写真を受け取ると、嬉しそうに奈美は微笑んだ。
 その微笑みはほんとうに嬉しそうで、二度と忘れないと思う。
 探し出せてよかった。
 一同はほっと息をついた。
「さて、じゃ、帰るか」
 仕事も終った事だしと、慶悟が煙草を取り出す。
「帰りましょうか」
 借りて来たカメラをしまいながら、シュラインが。
「あ、どうせだから、みんなで写真撮りませんか」
 学生らしい発想で、みなもがシュラインが持つカメラを示した。
「あ、セシル撮る撮るー!つきちゃん、一緒に撮ろうよ♪」
「え、あの」
 セシリアにひっぱられ、つきが慌てて前に出る。
「じゃ、行くわよ?」
 シュラインがカメラを構えた。
 カシャ。
「もちろん、現像料は、草間さんもちですよね?」
 間髪入れないみなもの言葉に、一同に笑いが起こったのだった。


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0086/シュライン・エマ /女/26/翻訳家&幽霊作家+時々草間興信所でバイト
0389/真名神・慶悟  /男/20/陰陽師
1174/セシリア・ローズ/女/11/情報提供業
1252/海原・みなも  /女/13/中学生
1320/久坂・つき   /女/14/中学生(陰陽師)

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■         ライター通信          ■
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 ども、こんにちは。かなりひさしぶりのしょうです。
 セシリアさん、つきさん、初めてのご参加ありがとうございます。
 シュラインさん、慶悟さん、みなもさん、いつもありがとうございます。
 大変遅くなりましたが、「迷い犬」お届けしたいと思います。
 今回、このようなラストになりましたが、いかがでしたでしょうか?
 ご意見ご感想等聞かせていただければ幸い。
 かなりマイペースに依頼を出していますが、、またお会いで出来ましたらうれしいです。
 では、今回は私の依頼にご参加頂き、本当にありがとうございました。