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<東京怪談・PCゲームノベル>


夏だ!海だ!草間兄妹の海水浴 3日目

■深淵の早朝
皆は朝の朝食前に起きていた。窓から見える蒼は世界の果てまで続いている。
空鯨に愛されている土地。
皆は最後に何を楽しむだろうか?

●撫子と亜真知、みなもの早朝お散歩、辻占いに遭う
涼しい夏の朝、潮の香りが心地よい。
撫子と亜真知は、この涼しい時間を使い、浜辺を散歩することに決めた。
「洞窟までいきましょう、お姉さま」
「分かりました亜真知サマ」
出かける時に、玄関でみなもが出かけるところだった。
「みなもさん、お散歩ですか?」
亜真知は不思議そうに尋ねた。
「はい、あまり海辺を散歩したことがないのですよ」
みなもはニッコリと笑って答える。
事件などではそんな余裕もなく、朝早く海辺に行くとしても自分の姉に会いに行く時だけだ。
なので、ゆっくり朝の散歩をしたことはない。
3人で祠のある洞窟に向かうことにした。
祠で手を合わせ、先日の騒ぎを謝ると共に感謝する。
相変わらず洞窟は念が籠もっているので、亜真知はいつの間にか開いている天井の穴などを利用し、念が洞窟内に溜まらないように理力変換した。
外に出た時…空鯨の鳴き声がしたようだ。
「ありがとう」
と。
みなもは漂流物の手紙入りの瓶を見つけた。
「SOSボトル?」
かなり珍しいものだと思われる。中に入っているのは羊皮紙…
「ひょっとして難破船かなぁ」
瓶を開けたら中の手紙が風化しそうだったので、記念として持っていくことにした。

「もう少し、先に行きたいなぁ」
と、亜真知が言った。この磯部の先にも浜辺があるらしい。
しかし、其処に不自然とも言うべき易者がいた。繁華街でテーブルを構えているアレそのものだった。
「其処のステキなレディ達!この先より良いところを教えてやろうではないか!」
静かに話しているわりに、ハァハァ喘いでいる、おかしな易者。
「電波なひと…」
みなもは、ぽつりと呟く。
何か祈祷し始める電波易者。かぁ〜とか気合いの入っていない様で入っている…かけ声を上げた。
「其れは深淵の露天風呂!高きところは絶景であり、神も気に入っておるぞ!…それでは、さらば!」
律儀にテーブルをたたみ、右腕を斜め45度前にだして、手首を数回回し敬礼して去っていった…。
「面白い易者さん。帰りましょう、姉さま、みなもさん」
亜真知はすっかり先の浜辺にいくことを忘れていた。



■朝の行動
朝食を済ませ、それぞれ3日目を楽しむ方向に海に向かう者、土産屋に向かう者がいる。
シュラインはカメラをもって皆のさりげない姿を撮っていく。
焔と草間が朝のおかずを巡ってにらみ合っている隙に、零がひょいと彼の焼き魚をとり、猫に与えた。
とまぁ、ほのぼのとした風景が撮れたと思われる。


●撫子さんの手料理
しばらくは荷物番をしながら、『Holy』を読み終えた。
しかし…この小説には知っている人物が2〜3人でているのには驚きを隠せない。
いや、エルハンドが「異世界の神」であるならば、理由はわかる。
吟遊詩人にしても…時間神にしても…。
時間的にそろそろ支度の時間だ。
前もって夏江や紅葉に許可を受けて、昼ご飯を作る事にしていたのだ。
雪が代わりに荷物番をしてくれるので彼女は礼を言って、深淵に帰っていった。
汗を風呂場で洗い流してから、腕まくりをして料理に取りかかった。
後には女性陣のほとんどが参加してにぎやかになった。


●海岸での出来事
イヴ・ソマリアはアイドルである。この謎の海岸にいるのはおかしいが。
隣町でコンサート巡業をしているのだが、コピー能力で現場には「身代わり」をおいてお忍び。
サングラスと深くかぶった麦わら帽子、と如何にも姿が怪しく見えるわけだが。
実際彼女は、異世界の者であり、自分の故郷が崩壊すると言うことで第二の故郷を探しているのだ。
しかし…美貌のせいか今ではアイドルである。それで自分の力と「食事」に困ることはなくなったが…。
休みがほしいと思っていた。
かわうそ?の運営する海の家で焼きそばとソフトクリームを持ってそこらをうろうろしている。
すると、ぼけーっと歩いている男…草間武彦と見事にぶつかってしまった。
空を舞う焼きそばとソフトクリーム。それがお約束に彼女の頭や服にかかってしまう。
「すまない…」
「すみません…」
「どうしたの?あらら…ひどい格好」
シュラインが新調し水着(ビキニ)にパーカーを着てやってきた。
この状況で、すぐ2人とも気がつかずぶつかったのだろうと納得するシュライン。
それより驚いたのは、焼きそばまみれの少女がトップアイドルのイヴ・ソマリアだと言うことだ。
近頃草間の周りには萌え者が増えつつあるからある意味困った状況だ。
「ああ、服が…」
イヴは困っている模様。
かといって彼女のサイズにあう着替えがあるのか疑問だ。
そんなときに亜真知がやってきた。
「どうかされました?あらら大変ですね…」
草間とシュラインが事情を話す。
「ああ、それなら簡単ですよ♪」
亜真知が指を鳴らした瞬間、イヴの服はきれいになった。
少し理力変換を使えば洗濯程度は簡単なのだ。
そのあと、事情を話していくうちにすっかり皆と仲良くなったイヴだった。
証拠が…焔が彼女の頭に乗っているからだ。

しばらくして

亜真知は焔を捕まえて
「一緒に海に行こう」
と誘っている。
「にゃ〜!」
流石に海の底には行きたくないらしい。
反対に七式は早く海に入りたくてうずうずしていた。
「耐水心臓安定装置・試作」を装着し、稼働チェックも終えている。
みなも、シュライン、イヴ、亜真知は先日行った人魚の都市へ向かうのであった。
七式はそのまま海底を歩いて子供のようにはしゃいでいる。ほかの人は亜真知の耐水シールドのおかげでおぼれることもなく気楽に泳ぐ。
七式は見るものすべてが新鮮だった。
空鯨の力でこの地域の生き物が喋ることは当たり前だった。なので、ヤドカリやサメも
「ぉぅぃぇ〜」
と謎の挨拶を交わしていくのも当然。
焔は怖がっていたモノの、なれるとお得意の猫かきで七式と同じようにはしゃいでいた。
この地域との人魚の挨拶も終わり、近くにある小島(子鯨島といわれている)の探索を楽しんでから、海から戻る一行。
パラソルでは撫子ではなく、草間と雪が荷物番をしていた。
雪曰く、
「撫子様は今お料理を作っておられます」
と言うことだ。

●ゆっくりと露天風呂
シュラインとみなも、亜真知は深淵に着くと疲れをとるために露天風呂に入った。
極普通の岩場を削り、加工した露天風呂。効能は『お肌によく効く』とだけだった。
お肌を気にする方には良い効能では無かろうか?
この露天風呂から見る風景はなかなかのモノで
「あのおかしな易者さんの言っていたことは本当だったわ」
とはしゃいでいる。
先ほど探検した子鯨島がはっきりと見える。
丁度、あがれば撫子の手伝いもできるので、みなもと亜真知は撫子の手伝い。シュラインはカメラを持ってその風景を撮っていた。


■深淵の人たちと昼食、そしてかわうそ?と別れ。
撫子が作ったのは素麺と精進料理の野菜の天ぷらだった。
イヴは用事があるから帰ったと草間が告げたので、いつものメンバーと深淵の家族で食事となった。
素麺もさることながら、天ぷらは好評。夏江がレシピを教えてほしいと言うぐらいだった。
猫にはマタタビをあげて酔っぱらっている。
退魔の赤子は時音の腕の中ですやすやと眠っている。
和気藹々と会話しながら食事を済ませ皆で後かたづけ。
その風景をシュラインと焔寿は手伝いながら写真に納めた。

一段落ついた後、3時には焔寿がこっそり海水で冷やしていた西瓜を食べる。
町内の人々は草間一行が帰ると言うことを知り、わざわざやってきてくれた。
人情あふれる海水浴場で…
いろいろなものにふれた零、退魔の赤子。
2人は何を見たのだろう?感じたのだろう?
最後に、かわうそ?がやってきた。
「また…どこかで」
といって彼は去っていた。

最後に皆は深淵の人たちに礼を言って土産屋に一度よってから、買いそびれていたお土産も買い終えて…(萌え萌えな人魚のぬいぐるみを買うみなもの姿は特筆すべきで)。
この町を去っていった。


End

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【0086 / シュライン・エマ / 女 / 26 / 翻訳家&幽霊作家+時々草間興信所でバイト】
【0328 / 天薙・撫子  / 女 / 19 / 大学生】
【1219 / 風野・時音 / 男 / 17 / 時空跳躍者】
【1252 / 海原・みなも/ 女 / 13 / 中学生】
【1305 / 白里・焔寿 / 女 / 17 /天翼の神女】
【1376 / 加持・葉霧 / 男 / 36 /謎の指揮官A氏(自称)】
【1510 / 自動人形・七式 /女 /35 /草間興信所在中自動人形】
【1548 / イヴ・ソマリア / 女 / 502 / アイドル兼異世界調査員】
【1593 / 榊船・亜真知 / 女 / 999 / 超高位次元生命体:アマチ…神さま!?】
【1678 / 黒乃・楓 /男 / 17 / 賞金稼ぎ】

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■         ライター通信          ■
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こんばんは
滝照直樹です。
『海水浴3日目』に参加してくださりありがとうございます。
ノベル参加者最大記録を更新しました。
プロットなどまとめるのにかなり時間がかかり、納品に間に合うのかという不安もありましたが、何とかきたようです。(時間により公開が来週になるかもしれませんが)
どうも参加ありがとうございます。

また機会が有れば宜しくお願いします。

滝照直樹拝