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いま一度の、ホラーナイト
<オープニング>
『……だから、あっしはねぇ、一度でいいから思いっきり悲鳴をあげてもらいてぇんですよ!』
どこか時代劇にでてくる脇役キャラクターのような口調で、男が力いっぱい訴えた。
白い着物を着込んだその体は薄く透き通り、ゆらゆらと頼りなげに揺らめいていた。
「はぁ…そうなんですか〜」
いつもの巫女服ではなく、ごく普通のワンピースを身に纏った少女……陽子がのほほんと相槌を打つ。
予約注文した本を取りに行った帰り、立ち寄った公園で出会った彼はこの世に未練を残した幽霊だった。
『あっしの事が見えるんですね?嬢ちゃん、たのんます!あっしを成仏させてくんねぇ!』
思わず目を逸らそうとしたが既に遅く、霊は開口一番にこういったのだ。
「成仏…と言われましても、わたしは巫女ですから…お祓いでしたらできますが〜?」
その場合は強制的に消滅ですよ?とおっとりと返せば、違うのだと霊はさめざめと泣き伏した。
自分は、かつてお化け屋敷のお化けをやっていた者で、お化け役に誇りを持って居たのだという。
そして、実際死んでしまってからも、人を驚かせてやろうと夜の公園で試してみたのだが、見える人間が少ない上、逆に馬鹿ップルに当てられてしまう体たらくで。
このままではお化けの沽券に関わるとかで成仏したくても出来ないのだそうだ。
「ええっと、とにかく誰かを思いっきりびっくりさせたいんですね〜?」
霊が見える知り合いに、お化けが恐い人なんていただろうか。
なんてつぶやきながら彼女は手伝ってもらえそうな人間にどう説明しようか考えていた。
<燃えろ!芸人魂!!>
「……ようするに、このオッサンを満足させられるくらいにビビれちゅう事でっか?」
早速、陽子の呼び出しに応じてやってきた淡兎・エディヒソイことエディーは、開口一番こうのたまった。
目の前では、どうみても人のいいオッサンという感じの霊がゆらゆらと頼りなげに、それでも期待の眼差しをむけ、その横では陽子がのほほんと分かっているんだか居ないんだか分からない微笑を浮かべて頷いている。
「はい〜。そういう事です〜。お願いできますか〜?」
「………オッサン」
はぁ〜〜〜〜っと、マリアナ海溝より深い溜息を吐いてエディーは陽子ではなく、幽霊に顔を向け、
「わざと驚かれて、嬉しいんか?」
「うぐっ!」
きぱりと言い放たれたそれはかなりのクリーンヒットだったようだ。言葉につまった幽霊の体が一瞬透明になって公園の植え込みが綺麗に透けて見えた。
「し、仕方あるめぇ!四の五の言ってねぇで、とっとと悲鳴をあげてくんなっ!!」
さぁ、さぁ、さぁ、とどこか芝居がかった仕草で無駄な格好をつけて凄んで見せるが、そもそもエディーがそんな事で動じるはずもない。
「アホかぁぁぁぁぁ〜!!!!それでもオッサン芸人かっ!わざと驚いてもらうお化けがどこの世界に居んねん!そんなんはなぁ、芸人の恥じや!」
かぁーッ!と問答無用の怒鳴り声が熱さ厳しい夏の午後の公園に響き渡った。
驚いた通行人が、ちらちらとこちらを見やるが、エディーは構うそぶりもなく、自分は芸人ではなく、役者だと主張する幽霊に、拳を突きつけんばかりに言い放つ。
「関係あらへん!!なんかうち、燃えてきたで。よっしゃ!オッサン、今から驚かす特訓や!うちに着いて来い!」
おらおら〜とまるで取り立てにきたヤクザのように、幽霊を引きずって公園奥へと消えていくエディー。
どうでもいいが、幽霊が見えない通行人には、彼が陽子を怒鳴っているようにしか見えなかったのだが、本人は気がついているのだろうか。
「…なんだか、頼もしいですねぇ〜」
ほんわ〜っと去っていくエディーに手を振っていた陽子だが、不意にかけられた声にゆっくりと振り返った。
「あっれ〜?幽霊さんはー?」
ひょこん、と可愛らしい声とともに植え込みの上から顔だけだして少女が手を振っている。
癖のない銀色の髪はショートで、くりくりと表情の変わる瞳は人にあらざる銀色。
一見、近寄り難い幻想的な雰囲気を持っているが、明るい声がそれをいい意味で裏切っていた。
「おや、居ないんですか?私には見えないので、分からないのですが…」
少女の後ろから、長身の若者がのんびりと顔を覗かせる。
黒髪、黒目に銀縁眼鏡、そして身に付けているのは白衣……柔和で温和な雰囲気をかもし出して居なければ、恐らく怪しい人と思われるであろう青年はにっこりと笑みを浮かべると、のほほんと立ち尽くす陽子に礼儀正しくお辞儀をしてみせた。
「はじめまして、神野さん。久遠 樹と申します。よろしくお願いいたしますね」
「はいはーい!海原 みあおだよ〜。みなもお姉さんがいつもお世話になってまーすっ!よろしくね〜、陽子お姉ちゃん」
二人二様の挨拶をされて陽子は、嬉しそうに微笑むと、こちらも丁寧に腰を折ってお辞儀をしてみせる。
「よろしくおねがいします〜。幽霊さんは、今、エディーさんの特訓を受けて……」
「……なんや、あんたも来とったんかい」
陽子が何かを言うよりも早く、特訓を終えたらしいエディーがずりおちた眼鏡のフレームを上げながら、軽く驚いたような声をあげて久遠を見つめていた。
「やあ、エディー君。……ええ、丁度薬の調合も終わって、暇でしたからね」
「おう、元気しとったか」
どうやら友人らしい二人が、二言三言会話をしているのに、ぴょんと跳ねながらみあおが首を突っ込む。
「ねぇ、ねぇ、お兄ちゃん、特訓はどうなったの〜?」
ちらちらとエディーの背後を気にしながらみあおが言うと、久遠もぽん、と手を叩いて頷いた。
「そうでした、まずはそれが先ですよね」
「おう。このエディー様にまかせとき。……オッサン!まずはテイク1やっ!」
威勢よくエディーが指をぱちんと鳴らすと、いきなりみあおの前にドロン、と幽霊の男が現れた。
しかもただ現れただけではない。ご丁寧に黒服・サングラスのオプション付である。
「……おう、じょうちゃんよぉ、あんま舐めた真似しくさると、耳の穴から手ぇつっこんで奥歯ガタガタいわせんでぇ〜」
おるぁぁ!なんて男臭い雄たけびを上げて見せるが、
「………?」
凄まれたみあおの方は、きょとんとしていたし、霊が見えない久遠に至っては声だけしか聞えず、やはり困ったような微笑を浮かべるだけで、恐怖におののくという事は無かった。
「……くっ。駄目か、オッサン!テイク2やっ!」
全く効果が無い様子に焦ったようにエディーが、次の策を指示する。霊は頷くとドロン、と変身し、
「……あたし、こんな体だけどアンタを死ぬ程すきやねん…」
ゴツイ親父の顔に、既に死語となっているボディコンスーツを纏い、どぎつい厚化粧の……今時オカマバーにも居そうになさそうなそれが、久遠に向けしなを作って潤んだ目を向けてみせる。
「…………」
しかし。先程言ったように久遠は霊が見えない体質なのだ。そして、声しか聞えない。
確かに、膝上10センチのスカートから伸びるすね毛の伸び放題のゴツイ足、髭の剃り跡も鮮やかな顎とこれ以上はないというくらい塗りたくった口紅で、野太い愛の言葉を囁かれれば恐怖の悲鳴の一つも上げるだろうが……。
いかんせん、相手が悪かった。
「きもい〜」
「……エディー君、かなり方向性を間違ってると思います」
前者はみあおで、後者は至って冷静かつ平静な久遠である。
「あいかわらず、アンタ、きっついな〜」
色んな意味で立ち直れないほどのダメージを受けて打ちひしがれている霊の男の頭を、溜息交じりに撫でてやりながらエディーはそろそろと反論を試みる。
しかし、久遠はそれを綺麗に無視して、
「…だいたいですね、こういうものは姿が見えなくては話になりませんし、これなんていかがでしょう?」
何が起きたのか分かっていない様子で立ち尽くす陽子に白衣のポケットから、小さな香のようなものを示して見せた。
「樹お兄ちゃん、なにそれ〜?」
「この香の煙を吸うと、視覚神経や潜在能力を刺激して一時的に霊的な物が見えるようになる特殊な調合をしたものなんですよ。これならあとは演技力でカバーでしょう?」
にっこり、と笑いながら説明すれば、みあおも頷いて、
「オッケー!そんじゃ、あたしは幽霊のオジサンに演技指導するね!」
しくしくと凹んでいる幽霊を手招き、相談をし始める。
「ね、オジサン、どういう感じで驚いて欲しい?今時柳の下でうらめしや〜じゃ、誰も驚かないよ?あとねぇ、言葉遣いかな。言われても意味わかんないと驚きようがないし……やっぱ、見た目的にもう少し攻めてみよっか……」
「……おじょうちゃん、すまねぇな、すまねぇなぁ…!!」
てきぱきと方向性について語りだした、外見を裏切るみあおの頼もしい姿に、幽霊の男は目を潤ませ感動している。
「いいって、いいって。困ったときはお互い様って、みなもお姉さんも言ってるし。ん〜、血は必須だよね。あ…首にちぎれたロープなんてくっつけて、自殺者なんてどう?自殺者の霊がでる〜って噂なら直ぐ広まりそうだし」
そんな霊の背中をぱんぱんと叩くような仕草を(もちろん触れられはしないが)しつつ、みあおは更に建設的な意見を続ける。
「ごらぁ〜!!無視すんなや〜!」
一人、取り残される結果になったエディーががなるが、みあおも幽霊の男も聞いちゃいない。久遠に至っては冷ややかな笑みを浮かべ、
「……エディーさんは、重力を操ってお客さんの体の自由を効かなくさせて置いてください。それ以外は結構ですから」
「なんでやねん!」
思わずお笑い系のノリでツッコミを入れたところで、不意にぞっとするような寒気というか、雰囲気が漂ってきた。
「……人を怖がらせられない幽霊……。木幡小平次を見習いなさい………」
ぽつり、と耳障りがいいが、平坦な声が騒いでいた一行に投げかけられ、一斉に振り返った。
「ひっ…!」
「…でよった!?」
「ギャッ!でたぁ〜!?」
「……貴方が怖がってどうするんですか」
そこに立っていたのは、長いウェーブのかかった黒髪をゆらりと額から垂らし、人形のように整った白い表には何の表情も浮かばず、血のように赤い瞳をじぃっと4人と幽霊に向ける黒衣の青年の姿だった。
そろそろ西日がきつくなって、暑さもまだまだ厳しいというのに、その青年の周りだけ背筋が寒くなるような、ぞわりとした冷気が漂っているように思え、みあお、エディー、そして幽霊までもが蒼白になっていた。
他の二人のうち、久遠は自らに姿が見えることで相手が人間だとわかっていたし、陽子に至っては、
「あ。九尾さん、こんにちは〜。お忙しい所ありがとうございます〜」
と、呑気にひらひらと手を振って見せている。
そう、この世のものとは思えない冷気を発している人物はれっきとした人間である。
「はじめまして、ですね?私は九尾桐伯と申します。こういうものを営んでおります…」
生気の通わない唇にうっすらと微笑みを浮かべて、九尾は黒衣のポケットから名刺を取り出して3人に配る。無論、幽霊には配っても仕方が無いので渡す事は無かったが。
「バー・ケイオスシーカーのマスターさんですか……、あの、先程仰っていた、木幡小平次とは?」
あくまで冷静な久遠がすっかりいつものペースを取り戻し、疑問に思っていたことを九尾に問う。
「あ、みあおも知りたい〜、なぁに?それ〜」
「江戸時代の代表的な怪談話っすよね、あっしも知ってまさぁ」
九尾が彼岸のものではないと知って安心したのか、ゆらゆらと頼りなげに揺れながら、首を突っ込む。……結構、順応性が高いのかもしれない。
「そうです。生きている小平次という話の主人公で大体の話の筋は、ある日、ドサ廻りの旅役者・木幡小平次の妻おちかが太九郎という男恋仲になり、駆け落ちを相談するのですが、小平次という男、それはそれはしつこく執念深い男でこれ迄何度も殺されてその都度生き返ったという噂があるそうで、おちかも彼が全身傷だらけなのを知っていて、逃げればどこまでも彼が追ってくるだろうと怯えていました」
「……そりゃ、怯えるわな」
殺されても生きかえる、なんて人間が居たら本当に恐ろしい。しみじみとエディーがいうのに九尾は頷いて、
「それならば、と二人は小平次を確実に殺そうと相談し、酔った小平次を押さえつけ二人掛かりで包丁をつきたてたが、それでもまだ、抵抗を続ける……しぶとさに驚きながら、その咽をかき切ると、やっと静かになったので二人はそのまま逃げ出し、翌朝早く、朝もやの中を二人は宿場を出立していきます……」
「なんだ、やっぱり死ぬじゃないの」
どこかホッとしたようにみあおが相槌を打つのに、九尾はにっこりと底の知れない笑みを浮かべて、しかし、と話を続けた。
「──その後を追うように、朝もやのなかから一人の男があらわれます。……笠で顔を隠してはいますが、咽から顎にかけて真新しい……深い刃物の傷がある男──その男は、何も言わず出立した二人を追って朝もやの中に消えていくのでした…」
しーん。と耳が痛くなるほどの静寂と、肌寒いほどの冷気があたりを包んだ。
ふふふふ…と怪しい笑みを浮かべて、艶やかな声で語られる怪談話は臨場感がありすぎて、涼しすぎる話題だ。
「都市伝説のはしりのようなお話ですね。面白いです」
最後まで楽しそうに聞きいっていた久遠がなるほどと頷いて、やっとその場の妙な緊張感はほぐれる。
「…ええっと、それじゃ!みあおは噂ばらまいてくるね〜」
「私も、香炉を準備してきますので……」
「あ、みあおさんわたしもちょっと家に忘れ物を取りに行きますので、ご一緒しましょう〜?」
ばたばたと各自、まるで蜘蛛の子を散らしたように去っていくみあお、久遠、陽子。
一人、タイミングを逸してしまったのが、エディー。
「……兎に角、己自身から、生気を消しなさい…恨み、辛みもなく、ただ虚無の視線を相手に向けましょう…。そして、一番大事なのは言葉を発してはいけないという事……」
霊を相手に、いかに人を怯えさせるか、霊の霊たる所以について語りだす九尾。
その姿は、相変わらずこの世のものとは思えない雰囲気をかもしだしている。
しかし、逃げるタイミングを逃してしまったエディーに今更、そこから姿を消す事など恐ろしくて出来るはずもなく。
「人は理解できない存在を受け入れず、排除しようとします。言葉が通じれば、恐ろしさは薄れましょう……生者と死者の距離を表現するのです…。そう…彼の岸の者となって……」
(……こ、言葉が通じたって恐ろしいもんは恐ろしいんじゃ〜!!!)
艶然と微笑みながら、九尾の薀蓄は途切れる事無く続く。それを見つめるエディーに初めて恐怖という感情が浮かぶ。
きっと、本能的に危険を感じているのかもしれない。
「……さぁ、ともに参りましょう?」
「はいっ!師匠っ!あっしはあんさんに死ぬまでついていきまさぁっ!」
───…お前はもう、死んどるやろがっ!
そう裏拳付きでツッコミを入れることは、その時エディーには出来なかった。
<エンディング>
「……ひ、ひぃぃぃ〜〜!!!」
「うわぁぁぁぁぁ〜!!!」
その夜の事。いつもの馬鹿ップル共の憩いの場であった夜の公園は阿鼻叫喚の恐怖の坩堝と化した。
「いやぁ〜〜〜!!か、体が動かないっ」
「助けてぇ〜!」
互いに抱き合って逃げようとするもの、一人だけ置いて逃げるもの……今後の馬鹿ップルの愛の行方が心配されるものもあるが、勿論この騒ぎの元凶は、幽霊よりも幽霊らしい九尾と、その彼に教えを請うた幽霊であり、更に、自在に重力を操るエディーの『擬似金縛り』と、久遠による特別調合の香の強力なバックアップによるものである。
「あはは、おもろいな〜」
「…しっ、聞えますよ、エディー君」
その見事な逃げっぷり、おびえっぷりに思わず笑いを零すエディーを同じく物陰で楽しそうに笑みを浮かべていた久遠が嗜める。
しかし、じきにそれも必要がなくなった。
「………おや。誰も居なくなりましたね」
やれやれ、なんて肩を竦めながら九尾がやってくる。先程までの冷気は影を潜め、どうにか人間らしい雰囲気をかもしだしている。
「いやぁ〜!!も〜、気持ちいいくらいの悲鳴で〜、あっしはもう、嬉しくって、嬉しくてっ!!」
涙を流さんばかりに感激した面持ちで、幽霊がふよふよと飛んできた。その体はいつのまにか薄く透き通り、淡い金色の光に包まれていた。
「良かったですね。幽霊さん」
香のお陰で一時的だが、姿が見えるようになった久遠が、鼻の頭を赤くして感激に咽ぶ幽霊にそう声をかける。ハイタッチでもしようというのか手を上げれば、幽霊も威勢よく「おう」なんて言いながら手を出してくる。
実体があれば、ぱちん、といい音がするだろうに、などとエディーが思いながらややグロッキー気味にベンチに腰掛けて居ると公園の入り口に二つの影がやってくるのが見えた。
「みんな〜どうだった〜?」
みあおと陽子である。二人はおそろいの浴衣に身を包んで、なにやら荷物を抱えて駆け寄ってくる。
「いや〜、お嬢ちゃんたちもありがとうなぁ〜。そろそろあっしもお迎えがきたみてぇで…」
ぺこぺこと嬉しそうに何度も頭を下げる幽霊の姿は、どんどんと空気に溶けて消えていく。
思う存分、悲鳴を上げる人々を見て、成仏できるのだろう。
「そうですか。こちらも楽しい思いをさせて頂きました、ありがとうございます……そういえばお名前は?」
確かに楽しんでたね、とツッコミが入りそうな事を悠然と微笑みながら言った九尾が、ふと、相手の名前を聞いていなかったことに気がついて問う。
聞かれた幽霊は、一瞬、意外そうに目を見開くも、笑って、
「───小仏 小平でさぁ」
消え入る間際のその名前に、九尾はくすりと笑みを漏らした。
「……なるほど。本名だったら、これ以上はないくらいの因縁ですね」
「みなさーん、お疲れ様です〜、ラムネと、スイカもってきましたよ〜」
「それから、花火も買ってきたの〜!みあお、これやりたいな♪」
九尾の言った言葉の意味を問いただそうと久遠が口を開く前に、陽子とみあおの明るい声がかかる。
「お。ええな、それ。うち、ロケット花火がええな」
すかさずエディーがベンチから身を起し、みあおの持つ花火を物色する。
「……丁度、誰も居なくなりましたし、夏の風物詩、堪能する事に致しましょうか」
どこか鬼畜な事を言いながら、九尾が提案し、久遠も破顔して頷いた。
────降って沸いた、真夏の夜の幽霊騒ぎのお陰で貸切状態になった公園にて、彼らは冷えたスイカとラムネ、そして花火という夏の風物詩を満喫したのだった。
〜おしまい〜
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【0332/九尾 桐伯 / 男 /27/バーテンダー】
【1415/海原 みあお / 女 /13/ 小学生 】
【1207/淡兎・エディヒソイ/ 男 /17/ 高校生 】
【1576/久遠 樹 / 男 /22/ 薬 師 】
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■ ライター通信 ■
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お待たせいたしました!!聖都 つかさです。
「いま一度の、ホラーナイト」お楽しみいただけましたでしょうか?
今回は、良い感じにプレイングが重なっておりましたので、全員共通文という事になりました。
もうギリギリまでねばって小ネタもみっちり詰め込みましたし、個性的な皆さんの会話での掛け合いが楽しく、また止めることもしなかったので……かなりの長文になってしまいましたが、最後までお付き合いくださいますと幸いです。
ではでは、参加していただきありがとう御座いました。
またどこかでお会いできましたら、嬉しいです。
<各PL様へ>
■九尾 桐伯様■
いつもお世話になっております。
黒モードのアップ(当社比)、お許しいただいたので今回も突っ走らせて頂きました。
かなり怯えられております(笑)生きている小平次、京●さんバージョンとはまたちょっと違ったバージョンですが、九尾さんに語って頂きました。いやはや、江戸時代の都市伝説恐るべしです。
因みにラストの幽霊さんの名前は、四谷怪談でのお岩さん役の人が早がわりで演じるというアレです。
■海原 みあお様■
みなもさんにはいつもお世話になっております〜。
今回は三姉妹の二人目にお会いできて幸せです。彼女の可愛らしさにかなりめろめろになりつつラストではつい、浴衣を着せてしまいました(笑)。
みあおさんの「幽霊の噂をばら撒く」というバックアップもあり、大成功でした。ありがとうございます。
■淡兎・エディヒソイ様■
お久しぶりです!!
プレイングがあまりにテンポ良くお笑い系でしたので、特訓の成果もついつい遊んでしまいました(笑)。
コテコテですね(汗)。わ、笑って許していただけたら……。
相関図を拝見し、久遠さんがライバル兼友人とありましたので、お二人の掛け合いに力を入れてみましたです。
■久遠 樹様■
初めてのご参加、ありがとうございます。
薬師さんということで、矢面(?)ではなくサポート的なプレイングで、とても助かりました。
爽やかに黒いお兄さんという雰囲気で、知将もとい参謀的ポジションで描かせて頂きましたがいかがでしょうか?
相関図でみあおさんとは顔見知りとあったので、ほくそえみながらの一緒の登場でした。
女性に優しいという所をもっと表現したかったのですが…。
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