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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


調査コードネーム:ごーごー廃墟探険☆  〜お嬢さまシリーズ〜
執筆ライター  :水上雪乃
調査組織名   :草間興信所
募集予定人数  :1人〜4人

------<オープニング>--------------------------------------

 燦々と輝く太陽。
 光を照り返す青い海。
 波飛沫が眩しい。
 にこにこと、芳川絵梨佳が笑っている。
 そして、そそり立つ不気味な廃墟。
「‥‥‥‥」
 草間武彦が、大きく大きく溜息をついた。
 海に来たのは良い。
 それも、万葉集にも歌われた和歌浦。
 風光明媚なことこの上ない。
 が、
「あれはなんだ? 絵梨佳」
 苦虫を噛みつぶしたような顔で訊ねる草間。
「あれはリゾートホテルの廃墟だねー」
 しゃあしゃあと絵梨佳が応える。
 まあ、だいたい予想内の反応である。
「で?」
「せっかく海に来たんだし、廃墟探険しよーよー☆」
「何がせっかくだ。最初からそのつもりだったくせに」
 だいたい、海にきたから廃墟探険という発想が無茶だ。
 絵梨佳が絵梨佳である理由であろう。
「まったく‥‥」
「まあまあ兄さん」
 ぽんぽんと義兄の肩を叩く草間零。
 うるわしい兄妹愛、ということでいいのだろうか。
 もちろん怪奇探偵は感動などしなかった。
 和歌山県は和歌山市のはずれ、和歌浦。
 戦後から昭和四〇年代にかけて隆盛を誇った景勝地だ。
 そしていまは、無数の廃墟たちが不気味にたたずむゴーストリゾートである。
「おかしいと思ったんだ。絵梨佳のヤツが俺たち全員を招待するなんて」
 草間の慨嘆も頷ける。
 頷けるのだが、
「それに乗ってしまった兄さんのメンタリティーはどう評価されるんでしょうねぇ」
 零の言い分の方が正しいだろう。きっと。
 いじいじと砂浜にのの字などを書いている草間。
 なかなかに鬱陶しい光景だった。
 同行していた仲間たちが、やれやれと肩をすくめる。
 どうやら、なし崩し的に廃墟探検が始まるようだ。
 上空では太陽が困ったような顔で輝いていた。







※水上雪乃の新作シナリオは、通常、毎週月曜日にアップされます。
 受付開始は午後8時からです。


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ごーごー廃墟探険☆  〜お嬢さまシリーズ〜

「じゃー元気に行ってみよう☆」
 鬨の声とともに芳川絵梨佳が右手を挙げた。
 燦々と照りつける太陽。
 コバルトに輝く海。
 古来からの景勝地、和歌浦である。
「へ〜ぃ」
 やる気の一グラムも感じない声で応えるのは草間武彦。
 怪奇探偵という異名を持つスゴ腕の探偵なのだが、バミューダパンツに柄シャツ、サングラスといういでだちでは、その辺のチンピラと大差ない。
「やれやれ‥‥」
 と、シュライン・エマが肩をすくめる。
 一応、草間の恋人という肩書きを持つ女性だ。
 潮風に黒髪をなびかせている。
 黒いビキニと白いパーカーが見事なコントラストを現出していた。
「‥‥世の中は不条理だ」
 ぼそりと蒼月支倉が呟いた。
 絶世の美女と称しても大過ないようなシュラインが、どうして草間などと付き合っているのだろう。
 あんなバカでボケでズボラでヘタレな探偵などのどこが良いのだ。
 まったく、世界は不思議と驚異に満ち満ちている。
 かなり得手勝手な感慨ではあるのだが、たいていの男はそう感じるだろう。
 とりあえず、少なくとも仲間内に蒼月と同意見の者が存在存在する。
 相生葵だ。
 緑に染め上げた髪と漆黒の瞳。やわらかな物腰。
 控えめに表現しても、自分の方が貧乏探偵の一八・四倍くらいは良い男だと思うのだが、どうやらシュラインの意見は異なるらしい。
 蓼食う虫も好き好き、ということだろう。
 とはいえ、相生はシュラインにだけかまっているわけにはいかない。
 ニコレット・アマーティに草間零に絵梨佳。彼が奉仕すべき女性はあと三人もいるのだ。
 ホストの業(カルマ)である。
 割とどうでもいい話ではあるが。
 ちなみに、この七人が今回の旅行の参加者である。
 ちょうど男三名女四名。
「まるで合コンみたいですね」
 と、ニコレットが罪のない笑顔で笑ったものだ。
 草間とシュラインはすでにカップル。
 相生が優雅にニコレットをエスコートし、絵梨佳は同年の蒼月とはしゃいでいる。零だけ少し浮いている。
 まあ、蒼月は後でどこぞの自称サラリーマンにボコボコにされるかもしれないが、それはまったく後日のことにしておいてよかろう。
「探険だ♪ 探険だ♪」
 謎の歌を口ずさみながら、絵梨佳がライトの付いたヘルメットをかぶる。
「‥‥用意が良いわね。絵梨佳ちゃん」
 呆れ顔でシュラインがツッコミを入れた。
「うん♪ 任せて♪」
 もちろん効果などなかった。
 嬉々として鞄から迷彩服を取り出す少女。
 だいぶ女らしくなってきた身体の上に羽織る。
 どうでもいいが、迷彩とは文字通り保護色にならなければ意味がない。
 廃墟を探険するとき、サバンナ迷彩にどれだけの意味があるのか。
 本人を除く全員の溜息が重なる。
「よーし準備完了。あの廃ホテルにいってみよー☆」
 意気あがる絵梨佳。
「ぉー」
 ものすごくやる気のない鬨の声が砂浜にあがった。


 少し離れた崖の上。
 金の髪を海風になびかせながら草壁さくらが佇んでいる。
 秀麗な顔に刻まれる微笑。
「ふふふ‥‥あのホテルですか。先回りさせていただきましょう」
 下の会話はちゃんときこえていたのだ。
 キツネイヤーは地獄耳、なのである。
 まあ、先回りする方法はキツネウイングではなく徒歩だが。
 それはともかく。
 どうしてさくらがこんなところにいるかというと、たいして複雑でもない理由があった。
 ようするに尾行してきたのだ。
 彼女のところにも招待状は届いていたので難しくはなかった。
 一緒に来ればよいという話もあるが、そこはそれ、さくらにも事情がある。
「私ははにかみ屋ですから」
 ‥‥嘘だ。
 さくらが分派行動をしているのは、怪奇探偵ご一行様を驚かすためなのだ。
 夏といえば海。
 夏といえば怪談。
 完璧な理由付けだった。
 少なくともさくら自身にとっては。
「をーっほほほほほっ」
 意味不明な笑声を残し、緑の瞳の美女が廃墟へと走る。


 びっしりと蔦が絡まった外壁。
 割れた窓ガラス。
 仄かな風に揺れるボロボロのカーテン。
 裏手から見上げたホテルは、なかなか壮絶な光景だった。
「‥‥すご‥‥」
 シュラインが息を呑む。
 絵梨佳などは、声もなく立ちつくすだけである。
 さすがに男性陣や万事超然としたニコレットなどは表面だって怯えたりしなかったが、それでも、うそ寒そうに周囲に視線を送っている。
 べつにこのホテルは神霊スポットというわけではない。
 誰かが死んだという話も聞かないし、幽霊を見たなどという噂も酔漢の戯言のように不確かなものだ。
 だが、それでも廃墟というのは、圧倒的な迫力をもっているらしい。
「こっちから侵入するしかないわね」
 蒼い目の事務員が溜息をついた。
「気は進まないけどね」
 感想を付け加えることも忘れない。
 仲間たちが頷く。
 視線の先には、苔生した非常階段が鎮座していた。
 ベストな進入路とはいえないが、まさか正面から入ることもできないのだ。
 入口にはベニヤ板が打ち付けられている。破壊などしたら両隣のホテルから警察に通報されてしまう。
 選択肢としては、目立たない裏側からしかない。
「日が暮れるまでには引き揚げるわよ」
 言って歩き出すシュライン。
 ぞろぞろと六人が続く。
 まるで引率の先生か、ツアー添乗員みたいだった。
 実際のポジショニングも、まあ、そんなところであろう。


 二階の割れたガラス戸から侵入を果たす。
 内部は、思った通り荒れていた。
 廃墟になってからずいぶんと時間が経過しているのだろう。
 時という名の汚泥が堆く積もっている。
「まずはこのホテルの全体像を掴まないとね」
 蒼月が言った。
 正論である。
 廃墟探険はちょっとしたアドベンチャーだ。闇雲に動き回るだけでは迷子になってしまう。
「ロビーに行けばフロントがあるかもしれません。パンフレットなどが残っていれば、なにかと助けになるでしょう」
 微笑を絶やさぬままニコレットが提案する。
 仲間たちが頷いた。
 どうでも良いことだが、探険に向いた服装をしている人間はいない。
 行きがかりで付き合うことになってしまった六人は当然として、準備していたはずの絵梨佳も、ヘルメットと迷彩服の上着を羽織っただけだ。
 なかにはビーチサンダルのものまでいる。
 これでは本格的な探険などできるわけがないが、そこはそれ、あくまでも遊びである。
「和歌浦が栄えていたのは、だいたい昭和の五〇年代くらいまでなんです」
 女性陣をガードするように歩きながら相生が告げる。
 浮き沈みの激しい水商売の世界に生きる彼は、経済というものにもそれなりに精通していた。
 ちょうど泡沫経済に差し掛かる頃の話だ。
 日本が狂熱のような好景気になり、観光客は国内より海外へと赴くようになった。
 国内旅行など貧乏くさい。
 端的に表現するならそういう時代である。
 人々は金を使うことが格好いいと考えた。
 そうして、国内の景勝地は見捨てられ、忘れられていったのだ。
「時代の流れなんでしょうねぇ」
 芝居がかった仕草で髪を掻き上げるホスト。
 やがて一行はロビーへと辿り着いた。
「お☆ はっけーん☆」
 ばたばたと絵梨佳が走る。
「おーい。危ないよー 絵梨佳ちゃん」
 そのあとを蒼月が追う。
「あらあらまあまあ」
 と、ニコレットがあまり意味のない事を言いながら笑う。
 なんともほのぼのとした光景だった。
 幸い窓がほとんど破られているので採光は悪くない。
 床に散乱する瓦礫を視界に入れなければ、それなりにくつろげそうな場所だ。
「でも臭いがねぇ」
 シュラインの嘆息。
 廃屋というのは、なにかと悪臭がするものである。
 大気循環がないから、空気が腐ってゆくのだ。
「パンフレットあったよー☆」
 絵梨佳が歓声をあげた。
 なんだか宝物を発見したアドベンチャラーみたいである。
「ふむふむ。ホテルスシヨシっていう名前だったんですね。ここ」
「うわっ このロビーの写真っていかにも一九七〇年代って感じだな」
「ボーリング場が二〇レーンですか‥‥」
 相生、蒼月、ニコレットもパンフレットを受け取り、口々に感想を漏らしている。
 小さな漁村に大きなボーリング場。
 これだけでも倒産の理由が判ろうというものだ。
 ブームの時は良いが、それが去ってしまえば意味がなくなる。
 だいたい、ボーリングをするために海を訪れる観光客がどれほどいることか。
「客室を見に行っても、たいして面白くはなさそうね。どうする?」
 シュラインが訊ねる。
 まあ、どこを見に行ったって面白くはないだろうが。
「ボーリング場と大浴場。そのくらいまわればほどよい時間になるでしょう」
 ニコレットの言葉である。
 電気もきてないのだから上下の移動は階段を使うしかない。
 となれば、どこに行くにもそれなりに時間がかかるのだ。
「では、ボーリング場に行ってみましょう」
 軽く頷いた相生が女性陣をエスコートして歩き出す。
「独占禁止法違反だぜっ」
 仏頂面で、バスケット少年が最後尾についた。


 当たり前の話だが、ボーリング場は稼働していなかった。
 うち捨てられたボールとピンが、ただ虚しく転がるだけである。
「えへへー☆ 記念記念♪」
 などと言いながら絵梨佳がピンを一本ゲットしたことだけが、まあ収穫といえば収穫だろう。
「これも窃盗になるのかなぁ?」
「さあ? すでに持ち主もいないからね」
 蒼月の素朴な疑問に、シュラインが苦笑で応えた。
 すでにパンフレットも盗んでしまっているのだから、いまさら盗みを咎めても仕方がない。
 むしろ、建造物不法侵入のほうが怖いだろう。
 たいして離れてもいないところにあるホテルは営業しているのだ。
 通報などされたらアウトである。
 その意味では、一行はそれなりにスリルを味わっている。
 まあ、幽霊などより生きている人間の方が怖い、というやつだ。
「次は大浴場ですね」
「少し急ぎますか。だいぶ陽も傾いて参りました」
 相生とニコレットが会話を交わす。
 さすがに日が暮れたら厄介だ。
 視界も悪くなるし、瓦礫につまずいて怪我でもしたら、それこそ馬鹿らしい。
 一行は最後の目的地である大浴場を目指す。
 ‥‥それほどたいしたものでもないが。
 そして、彼らがそこで見たものとは‥‥!!
「ずんちゃっちゃずんちゃっちゃ!」
「うおりぁぁぁぁ!」
「あっはぁ〜〜ん!」
 玉のような汗を飛び散らせたマッチョマンふたり、ヒンズースクワットしている!?
「な、な、な、な‥‥」
「支倉さん。おちけつおちけつ」
「まずは相生さんの日本語を落ち着かせてくださいな」
 混乱の極みに叩き落とされる高校生とホストと音楽ジャーナリスト。
 まあ、かなりの線で当然だ。
 ちなみに絵梨佳と零の目は点になっており、かくーんと音が聞こえそうな勢いで口を開いている。
 マッチョたちが一行に気づく。
「兄貴〜〜〜!!」
 マッチョ一号が叫んだ。
 きらりと光る白い歯が美しかった。
「姉貴〜〜〜!!」
 マッチョ二号も叫んだ。
 微妙に湿った感じのする六尺フンドシが、素晴らしかった。
 ピンクの乳首をぴくぴく動かしながら、ヘンナノたちが近寄ってくる。
 ニコレット、相生、蒼月。いずれも臆病とは程遠い者たちだが、生理的嫌悪を刺激されて二歩三歩と後退する。
 勇気だの義侠心だのという問題ではない。
 こんなものが近寄ってきたら普通は逃げる。
 仲間を見捨てたって良い。卑怯と呼ばれたって良い。
 絶対に関わり合いになりたくなかった。
 じりじりと接近するマッチョたち。
 が、彼らの前進は長続きしなかった。
 赤く細い光が、二匹のマッチョ生命体の額を正確にポインティングしている。
 埃が鮮やかに、レーザービームの軌跡を宙に映し出す。
 ビームの発生源はマッチョたちの前に立ちはだかる男女。
 ふたりの手に握られた拳銃。
 草間の黒い瞳とシュラインの蒼い瞳は、完全に据わっていた。
「ブッ殺ス‥‥」
「この悪戯女帝め‥‥」
 誰の目にも本気だということが判った。
 不穏当である。
 そもそも、拳銃を持ち歩いていたという時点で、ものすごくアブナイ人たちである。
 マッチョ生命体の頬を冷や汗が伝う。
「兄さん‥‥シュラインさん‥‥」
 零が怒濤の涙をながしていた。
 じつは、彼女だけが、ふたりが切れた理由を知っている。
 とある事件以来、草間もシュラインも、力士とかマッチョとか暑苦しいものが「大嫌い」なのだ。
「ここで死ぬか、そのバカバカしい扮装を解くか、どっちかだ。悪戯女帝」
「一樹さんには私から謝っておいてあげるわ」
 怖い事を言っている。
 なんだか室温が一二度ほど下がったような気がする。
 残余のメンバーが、思わず身を寄せ合った。
 ややあって、
「まあまあ、そんなに怒らないでくださいな」
 マッチョの姿が消え、流麗な美女が現れる。
 悪戯女帝などというありがたくないニックネームを奉られたさくらだ。
 にこにこと笑っているが、頬を伝う冷や汗が彼女の劣勢を示していた。
「ちょっと怖がらせ過ぎましたでしょうか。てへ☆」
 笑って誤魔化そうとする台詞が哀しかった。
「怖さの質が違うわっ!」
 シュラインの音速ツッコミが炸裂した。
 肩をすくめる仲間たち。
 赤い赤い夕日が、誰も訪れることのないホテルを照らし出していた。


  エピローグ

 まっくらな海。
 寄せては返す波の音。
 この惑星の往古から続く、それは営みの音。
 恋人の腕に自らの腕を絡ませ、シュラインはそっと目を閉じた。
 近く遠く、潮騒がきこえる防波堤。
「珍しいな。シュラインがそんなに甘えるなんて」
「‥‥いいじゃない‥‥たまには」
「たまにじゃなくて、いつもの方が嬉しいけどな」
「‥‥ばか」
 草間とシュラインは、恋人同士。
 それは誰もが知っていることだ。
「ねぇ‥‥」
「どうした?」
「えっと‥‥」
 口ごもる蒼眸の美女。
 本心を口に出すのは恥ずかしい。きっと人前で裸になるよりずっと。
「なんていうか‥‥その‥‥私たち付き合い始めてからけっこう経つわよね‥‥」
「ちょうど一年半くらいか?」
「うん‥‥だからその‥‥そろそろけじめっていうか‥‥」
 なんだか、自分でも言ってることが良く判らない。
 そういえば、付き合い始めるときもこんな感じだったような気がする。
 まったく進歩できていないわけだ。
 そう考えると、少し情けなくなるシュラインだった。
「あの‥‥」
「なんやかやで、来年の頭くらいになるかな。式は」
 ふっと微笑む草間。
「あ‥‥」
「前にも言ったろ。女に恥を掻かせちゃいけないって祖母さんの遺言なんだ」
「‥‥ぅん」
「シュライン。俺と、結婚してくれないか?」
「‥‥ばか‥‥答えのわかってる質問するなんてフェアじゃないわ‥‥」
 微笑をつくる。
 そうしないと、全然違う表情になって恋人を困らせてしまいそうだったから。
 無骨な手が、そっとシュラインを抱き寄せた。
 かさなる唇。
「もぅ‥‥こんなところで‥‥」
「誰も見てないさ‥‥」
「月と海が見てるわよ‥‥」
「そうか‥‥じゃあ俺たちの幸せを見せつけてやろう‥‥」
「‥‥ばか」
 ゆっくりと。
 ゆっくりと倒れてゆくふたりのからだ。
 見せつけられた月が、少しだけ照れたように雲間に隠れた。











                         終わり


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

0086/ シュライン・エマ /女  / 26 / 翻訳家 興信所事務員
  (しゅらいん・えま)
0134/ 草壁・さくら   /女  /999 / 骨董屋『櫻月堂』店員
  (くさかべ・さくら)
1653/ 蒼月・支倉    /男  / 15 / 高校生・籠球選手
  (あおつき・はせくら)
1441/ ニコレット・アマーティ/女/300 / 音楽ジャーナリスト
  (にこれっと・あまーてぃ)
1071/ 相生・葵     /男  / 22 / ホスト
  (そうじょう・あおい)

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■         ライター通信          ■
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お待たせいたしました。
「ごーごー廃墟探険☆」お届けいたします。
まーいつものことなのですが、怪談的な要素はないです☆
楽しんでいただけたら幸いです。

それでは、またお会いできることを祈って。