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広がっていく『S』という問題の提示
『S』逃走から丸一日。
状況は悪化すれこそ、よくなる傾向は微塵も感じられなかった。
「……私は君を雇った覚えはないが?」
この事件の責任者と聞かされた30代半ば程の男は品定めするような視線を向けてくるが、只の役人を相手にしているのだと割り切ってしまえばありがちな物でしかない。
「解っています、今日は神内兄妹の代わりに来ました」
「本人達は?」
不快感を受け流しながら、夜倉木有悟はなんの表情も浮かべずに用意してあったかのような言葉を並べ立てる。
「神内総一は能力の欠如と頭部のケガ、神内唯は治療中によりこれませんので代わりに来たまでの事です」
デジタルの声の方がまだ暖かみがあるのではないかと言うほど冷え切った声に、彼は何か面白いものでも見ているかのように後を続けた。
「……いいだろう、特別に許可する。他人という訳ではないのだからな」
後ろの反応が気になったが、気付かない振りをして続ける。
「事件発生は神内総一他数人がナハト・S・ワーシュネーを護送中に妨害を受け、逃亡の際行方不明だと思われていた神内の能力と体を奪い、本人になりすまし行動していたようです」
「それは解っている、落ち着いてしまえば大したことではない。こちらの怪我人は神内兄弟と重傷者5人、それだけの事だ」
神内は運のいいほうなのだろう、まだ話す事が出来るのだから。
「私は病院での事を聞いている」
夜倉木に先を促し、書類にペンを走らせた。
「逃亡後は何者かの手引きにより追跡を出来ないように情報をかく乱させ、病院に訪れ当初の目的であったと思われる盛岬りょうを奪い現在潜伏中」
「……彼がここに来た時、少なくとも自分の目が奪われたらどうなるか解っていた様子ではあった。なのになぜあんな事をしたんだと思う?」
「そんな事は知りません」
「まるで自殺でもしたように思えないか?」
人の神経を逆なでする事を意図したとしか思えないようなこの台詞。
「どうでしょう?」
「相変わらずつまらない反応しか返さないな」
ギシリと背もたれに体重をかけ、彼は言葉を続けた。
「まあいい、やる事は多数ある。『S』の行動を止めて、盛岬も救出して……虚無の狙いを探ったりもしなければならないな。どうだ、報酬は出すから協力してくれないか」
「人に者を頼む態度じゃないな?」
草間の言葉に同意したい気持ちで一杯だったが、余計な事を言われる前に話を終わらせてしまいたい。
「三日月リリィの保護もお願いします」
「もちろん、彼女はしっかりと私が保護しておくよ」
瞬時に言葉を正した男は今度はあくまでも丁重に告げたが、不信めいた視線は消えていない。
「失礼、少しばかりからかいすぎたようだ。これ以上の犠牲者を出さないためにも我々に協力して欲しい」
【光月・羽澄】
状況なだけに協力しても良いが、少し事態を整理しておかなければならない。
一度胡弓堂に戻り、調査を頼むがてら服も着替える。
グレーのシャツにジーンズ、上には黒い薄手のロングジャケット。
シンプルで動きやすい格好だが、それでも青銀の髪と鮮やかな緑の瞳は町中を歩けばさぞかし人目を引く事だろう。
「調べる事は色々あるから、手分けしたほうがいいわね」
シュライン・エマの提案に頷き、光月羽澄が立ち上がる。
「私はりょうと『S』の関係を当たってみる、何か隠してる事があるみたいだから」
「俺も行く、たしか盛岬の家にまとめた資料があるから探すの手伝います」
「そうね、そっちは二人にお願いするわ」
同じく立ち上がった夜倉木、確かに一人で行動するよりは良いだろう。
「なら私も一度戻ります」
一度は奪われた本を手に持ち、綾和泉汐耶はその表紙をサラリとなぞる。
「じゃあ私たちはここで調べてみるわね」
「そうですね、ここなら情報も入りやすいと思いますし」
「まあ、他よりは多少ですがね」
海原みなもの言葉に九尾桐伯が皮肉った台詞を付け加えた。
確かに完全に信用する訳には行かないだろう、前回は簡単に逃走されているのだから。
「ま、まあ……」
草間が場を取り繕うとするが、ノックの音がそれを拒む。
「入ってもいいですか?」
「………どうぞ」
それぞれが顔を見合わせてから、どんな対処でも出来るように身構える。
控えめにドアノブが回る音がして扉が開く。
「遅くなりました、ここだと聞いて……どうかしたんですか?」
やけに真剣な視線に、斎悠也は自分の顔に何か付いているのかと疑いたくなったぐらいだった。
沈黙をうち破るように、呪文のような言葉を告げられる。
「ナハト・セイクレイド・ワーシュネー」
「………?」
何も起こらない事に対して、全員が肩の力を抜く。
「ごめん悠也くん、これみんなにやってる事だから」
「どうしたんですか?」
来たばかりで事態を飲み込めていない悠也に、羽澄が説明する。
「今追ってる『S』は人の体を乗っ取る力をに手に入れたみたいなの、でも名前を言えば元の体に戻るから」
悠也がそうなるとは思えないが、念のためと言う事だ。
ちなみに会う人全員にこれはやっている。
「ああ、異魂術ですか。確かにそれは厄介ですね」
「知ってるの?」
「はい、魂を別の体に移す術でしょう、乗り移った体の身体能力や能力は使えると聞きましたが」
悠也の言うとおり、実際に体験してしまったからには……なかなかに厄介な代物なのだ。
「何か対策を考えたほうがいいですね、毎回名前を呼んでいたら面倒です」
汐耶の言葉ももっともだ、人に会うたびに緊張していては身が持たない。
「それでは常に二人以上で行動するというのはどうですか? 一人になった時は名前を呼べばいい」
「それがいいですね、単独行動も危険ですし。でも初対面の人だったらどうします?」
「それもまずいわね……」
人通りの多いところを歩く時は注意が必要かも知れない。
「じゃあこれ持ってて、防御できるから」
そう言って羽澄が持っていた鈴を全員に配る。
「結局はその場で臨機応戦に動くしかない訳ね」
掌にのせた鈴をシュラインがリンと鳴らす。
「結局は地道な手が一番と言う事ですしょう」
「いざとなっても気を付けてさえいれば対処できますからね」
防御に結界。
自分の身を守る自信があるからこそ言える言葉だ。
一応話がまとまったところで、羽澄と夜倉木はりょうの調査。
汐耶は桐伯と一緒に図書館に調べ物。
シュラインとみなもと悠也、そして草間にリリィの五人はここIO2本部に残って調べ物をする事になった。
「なにか解りました?」
車に戻ると待っていた夜倉木にそう聞かれた。
「そんなに直ぐに結果は出ないわね。今はりょうを調べたほうが効率が良さそうね」
「あいつ聞かない事まで喋んないしな」
故意か無意識か、どっちにせよ何かあるのは確かだ。
「それで色々調べてみたんだけど……微妙に手が加えられてる節があるのよね。曖昧なところが多いのよ」
「………どこら辺なんです?」
「10年前に『S』の関わった事件の頃とそれ以前、身近に関わってるらしい人が多いんだけど……守秘義務がありそうだからきっと話してくれそうにないのよね」
それにあまりにも公にすると危険泣きがしたのだ。
「何か知らない?」
「その頃……精神病院に入院してたって事は聞きました」
「りょうには悪いけど、そこら辺詳しく調べたほうがいいわね」
「なら一度あいつの家に行こう、色々手がかりがあるはずですし」
真っ直ぐにりょうの住むマンションへ向かい、夜倉木は慣れた手つきで鍵を取り出し鍵を開ける。
「………鍵?」
ためらうそぶりなんか全くなかった。
「簡単に作れたぞ」
深く聞くのは止めて、夜倉木がパソコンを起動しCDロムをセットする。
「この中にまとめたって言ってたました、あと……経歴はどうなってたっけ」
棚をあさり出す夜倉木にそっちは任せて、羽澄は目の前の作業に集中し始めた。
幾つかロックがかけてあったが、それをどうにかするのは手慣れたものである。
軽くキーを叩いていくだけで、中のデータを次々と引き出して行った。
「今まで起こった事件の事と……10年前の事も書いてある」
「どんなのだ?」
「……氷伽さんの事件の詳細と、入院してた頃の日記みたい」
悪いとは思うが、読ませて貰う事にした。
入院していた期間こそ一月ほどだったが……その間に書かれている日記は一、二行の箇条書きであったり、極端なまでに長くなっている日もあって統一性が全くない。
肝心の内容はと言うと、なまじ文章力があるだけに読んでいて後悔する事もたびたびあった。最初の数週間はまったく『S』の単語が出てこずに、自分を責めるような事ばかりを書いている。
それが少しづつ治療の経過と共に『S』の単語が出て来るようになっているのだ。
「……怒るかな」
「黙ってれば平気だろ。まあ気になるんなら気付く前に見たとか言えば、だいじょうぶでしょうし」
軽く言ってのけてから、今度は履歴書やら高校の卒業アルバムやらを引っ張り出してくる。
「そっち読みながら親に連絡取ってみたんだけど……これが出ないんですよ」
「こんな時なのに?」
「……一応は繋がったけど、海外飛び回ってて捕まんないんだそうです」
一体何をしている人間なのか。そう言えば日記に家族の事は一言も出なかったのも気になる。
「謎の多い家系みたいね」
「……そうですね」
「それで、なんて言ってたの?」
「………南極に行ったそうだ」
この分では本気で連絡を取るのは諦めたほうがいいかも知れない。
「他を当たってみたほうがいいわね、そのころの友人とかで知ってる人居るだろうし」
これだけ大きな事件なのだからとそう思ったのだが甘かった。
「……まるで別人じゃない」
10年前、高校の頃のりょうは特にイメージが残るような人では無いというのが共通の意見だった。
「宇宙人にでもさらわれたとしか思えない変わり様だよな」
夜倉木の言うとおり、今の行動を考えると予想も付かなかった事である。
「やっぱりこの事件で何かがあったのよね」
「そうだろうな、よっぽどだったん……あ!」
声を荒げてから、夜倉木が電話を掛け始めた。
「聞いた事があった、幼なじみがいるって」
「なんで早く言わないのよ!」
「正義心の固まりみたいな人間だから、近づかない方がいいって言ったから忘れてたんだ」
変わりに出ろと受話器を差し出され、納得する。
何せ彼は表だって言えない職業の筆頭なのだ。
「もしもし、お電話替わりました」
今起こっている事を話して、何か聞けないかと尋ねたのだがすぐに返事が返ってこない。
「どうしたんですか?」
『助けてやってくれるか』
「もちろんそのつもりで……」
『いや、そうじゃない』
一瞬意味が解らずにいたが、すぐに言葉が続けられる。
『りょうは、エンパス能力者だ』
「……どういう事?」
『人の強い感情が『視える』んだ』
似たような能力は知っている、人や物の感情を読みとる事の出来る能力だ。
「サイコメトリーとは違うの?」
『似てはいるが、もっとおおざっぱなものだと考えてくれればいい。エンパスは能力者の意思で細かく制御できるものではない、むしろ似たような感情だった場合、気付かない内に同調する危険がある』
「『S』に同調するなんて思えないわ」
氷伽を殺した相手なのである、それに同調してしまうなんてよっぽどの事だろう。
『相手はりょうだからな、可能性の一つとしては考えといてほしい。そうなっていた場合正常な判断が出来るとは思えない』
「……解ったわ、ありがとう」
この説明は、夜倉木が見つけた履歴所を元に過去を探る事で更に危うい能力だと言う事が解った。
過去に能力の制御が出来ない事で傷害事件を起こし、その同時期に両親が離婚しているのである。
それから父親はほとんど家に帰らず、一人で過ごしているも同然だったらしい。
そうして出会ったのが氷伽という人で、周りの目から見ても本当に幸せそうに過ごしていたようだ。
頭の中を整理してみる。
あの時、殺さないと思った。
それは間違っていない自信はある。
復讐で相手を殺したところで、死者が戻ってこない事は解っているはずなのだ。
少なくとも連れ去られる直前にはいつものような余裕があったように感じられるし、止めようとしていたようにすら感じる。
そう考えていくと気になるのは、りょうの行動の意味と『S』の狙いだ。
「羽澄、電話」
無造作に突き出された携帯電話に、意識が呼び戻される。
「はい、もしもし?」
電話は桐伯からの物で、突然の依頼よりも鬼道という単語に驚いた。
店にならあるかも知れない。
「解った、探してみる。このまま向こうに戻るわ」
『そうですね、一度合流したほうがいいでしょう』
「じゃあ、また後で」
電話を切り、パソコンの電源を落としてから立ち上がる。
元々りょうの事が解り次第、可能性の一部として『人になる』方法がないかは調べるつもりだったのだ。
胡弓堂に戻り、鬼道関連の本を見つけて待ち合わせの場所へと向かう。
もう既に全員集まっていて、それぞれが集めた情報をまとめ始める。
「今揃ってる情報は『S』の事とそれに関係する呪術ね、とりあえず解りやすくするために古い情報から整理していきましょうか」
シュラインの提案に頷いたのを確認し、書類の内容をかいつまんで説明を始めた。
「名前は知っての通りナハト・セイクレイド・ワーシュネー、生まれたのは……1600年代中頃の南ドイツだそうよ。時期が悪かったようで……逃げるように世界中を点々としていたみたい」
「魔女狩り、ですね?」
「ええ、父親の方が人じゃないみたいだから余計に目は行くでしょうね」
汐耶の言葉にハッキリとうなずく。
「もしかして母親が魔女だったりしたんですか?」
なんとなく手を挙げて聞いてみる悠也。
「それは違うみたい、確かに父親の方は人じゃなかったみたいだけど……母親は疑われそうになってその時に手放してる事を考えるとなんの力も持ってなかったと考えるのが妥当ね」
もし本物の魔女ならば、捕まったりする事はないだろう。
「自分の身を守るために子供を捨てたんですか?」
「母親は教会関係者だったみたいだから、余計そうなってしまったんでしょうね」
「どっちも親としての責任なんて果たさなかったのよ、最低」
「あんまりです……」
時代背景故の出来事とはいえ、純粋に腹立たしい。
「つまり『S』は人と悪魔かのハーフなんですね」
悠也が納得したように一人ごちてから、なにかを思いついたように楽しげではあった。
「そうと決まった訳じゃないけど、多分そうじゃないかしら? でもどうして悪魔って?」
「気にしないでください、『S』が悪魔だというなら契約という手段で落とせるかも知れないと思っただけの事ですよ」
シュラインの言葉に、悠也はさも当然というように言ってのける。
確かに悪魔というのは契約というのは重要な事柄であり、真名を呼ぶ事で無力になる所か使役する事も出来る。
だが『S』相手にそれをやろうとは考えもしなかった。
「それは面白いですね、試してみる価値はあるでしょう」
同意した桐伯の笑みに、寒い物を感じるのは気のせいではないだろう。
なにをする気なんだろうかという思考や、末路という単語が似合いそうな展開を想像するのを押さえて話を元に戻す。
「ええと……」
「確か人と魔のハーフかも知れないと言う事までは解りました」
「そうよね、ありがとう汐耶さん」
使役発言から気を取り直し、書類を目で追ってから続きを読み上げていく。
「なにがあったたまでは正確には書かれていないけれど、そのころは疑われるだけでも十分に驚異だったから。一人じゃ逃げるのは大変だったんでしょうね」
魔女狩りというのは、人が犯しただろう罪の中でも愚かしいとしか形容の出来ない事柄だ。
一は本の些細な不安感から発生した事が、やがて形を変え誰かの出世や権力のために……あるいは憎い人を陥れるために。
彼女、また彼は怪しい。
たった一言の悪意だけで、無惨に殺された人の数は何万にも及んだのである。
現代にだって自分とは違う、特殊であると銘打った者を排除しようとする人間はいるのだ。
それが迷信を信じ、盲目的な時代の人間相手なら閉鎖性は増し……他者を排除するために行っただろう事はハッキリと想像できる。
能力者であるからこそ、色々な過去を持つ事があるかも知れないが……能力を持たない時だってなにかが起こる事はあるのだ。
そんな理由で誰かを殺し続けていたら、争いは永遠に終わらない。
仕方ないと言ってしまえる。
上手くまとめられる方法を探す。
そんな事は気にしない。
認めてくれる人がいるなら、大丈夫。
もっと別に大切な物があるはず。
受けた傷は、共存してしまえばいい。
それらは……強い意志やなにかを守り、守られているからこそ言える事。
特異を受け入れる事が出来ない人がいるように、受けた痛みを傷つけ返す事しか耐えられない場合もあるのだ。
「だからといって、殺したってなにも変わるはず無いわ」
羽澄の言葉に桐伯が答える。
「そうですね、ですがこれで仮説は立てられましたよ」
「仮説?」
オウム返しの言葉に頷いてから、それぞれが気持ちを切り替えたのを見計らい。話を元に戻す。
答えを出すのが難しい問題を考えるよりも、今起きている事件の解決を考える事が先なのだ。
「人以外を狙い続けていたのは、近親憎悪かも知れません」
「確かに考えられない事じゃないわね」
「むしろ可能性としては十分にあり得ます」
シュラインと汐耶の言葉に頷く、桐伯の言葉はまだ仮説だと言っていたが信じられるだけの根拠はある。
「はい、例えば他者から人格や思想容姿などを否定され続けている内に、言われ続けていた本人がそれを憎むようになり……その自分が感じたくない部分を人の中に見つけてしまう、自分が視たくない部分を他人の行動と言う事によって見せつけられるんです。するとどうなると思いますか?」
「あたしが狙われた時のように、なるんですね」
みなもは少し考えてから、顔を上げる。
「確か始めてあった時に言ってたんです『祈る必要もなければ、悔い改める必要もない……なぜならこれは、罰なのだから』って」
「よく覚えてたわね、みなもちゃん」
「印象的だったんでなんとなくですよ」
羽澄の言葉にみなもが照れたように笑う。
「そう考えると『S』が本当にそうなるべきだと考えているのは自分だと言う事になりますね」
「まあ事の真偽は『S』を捕まえてから確かめればいい事ですよ」
「そうね、とにかく目的や場所が解らないと動きようがないわ」
シュラインの言葉に、悠也がニコリと微笑む。
「それなら『S』の方を探している最中です」
「私ももう少しで盛岬さんの居場所が絞り込めそうなんで、その間に話をまとめてしまいましょう」
さも当然のように言ってのける悠也と汐耶の二人に感心する。
「まあ犯行の理由としてはこの線でしょうね……どうしました羽澄さん?」
考え込んでいる様子のは耳に声をかけると、嫌な予感が的中してしまったかのような顔をしていた。
「りょうが飛び出した理由が解ったかも知れない」
「え!?」
重要な事なのだが、羽澄はため息混じりに言いづらそうにしながらも説明する。
「詳しい説明は省くけど、りょうはエンパス能力があったみたいだからきっと『S』の過去を視たんだと思うの」
「………まさか?」
「意外に色々な能力持ってますね……」
リリィが感じただろう嫌な予感は、大体同じような答えを出したと考えて構わないだろう。
「そのまさか、りょうも色々あったみたいだから『S』の感情にシンクロしていてもおかしくない状況なの。まあエンパス能力って言っても普段は強くはないみたい」
エンパス能力、つまり精神感応は相手の感情を感じ取る能力だ。
似たような境遇故に感情が引きずられたのか?
そうして思い描いた可能性は、あまりにも突飛過ぎる。
「助けようとしてるんですか?」
「それは本人に聞かないと解らないわ。過去を踏まえて考えれば復讐したいと考えてもおかしくないし、病院で飛び出していった時は確かに止めようとしていたとも考えられるの」
「色々な意味で凄い人の気がします」
「こうも単純すぎると返って行動は読めない物ですね」
微妙に褒め言葉を掠めた言葉は、本人が聞いていたら今頃逃げる準備でもしていた事だろう。
「だとするとあたしに聞きかけた止めた事ってその事でしょうか?」
「そういえばそうね」
みなもとシュラインと草間は僅かだが話をしているのだ。
「どう思うって聞かれて、すぐになんでもないって……気になりますよね」
「その直ぐ後に死にに行くような言葉の連続よ『誰もがなりうる状況』って……そう言う事だったのね」
今なら少しは理解できる。
能力者であると言う事で『S』やりょうが背負っている過去は、まさに誰もがなり得る状況なのだから。
「でも自分から行ったって事は死なないと言う自信があったと思うのよね、たぶん」
羽澄の言うとおり、ある程度の確証がなければ『S』の前に飛び出す事なんてできないだろう。
「その自信が俺達に助けられる事前提だったりって事は……」
ポツリと言ってみる悠也。
「ま、まさかそんな事」
「だとしたらずいぶんいい度胸ですね」
前にあったのだ。
殺される予知夢を不特定多数に流し、否応なしに巻き込んで自分を助けに来させると言う事が。
これは自分の能力と人の善意を信じないと出来ない、なかなか大胆な方法だ。
「まあ……多少は何か考えてるわよ」
「そうですよ、きっと……」
シュラインとみなもがフォローを入れるが実際に怪しいところである。
「今は生きてるわよね?」
念を押す羽澄の質問に汐耶がハッキリと頷く。
「まだ大丈夫です、前に施した封印の痕跡はまだ感じ取る事が出来ますから。でも場所は妨害されているようで細かくは限定できません」
「結界が原因ですよ、どうやら向こうに呪法を扱える能力者がいるようで……少し手こずってます」
「悠也君でもそう言う事あるのね」
「多少厄介な術を使ってましてね、結界を破れない事もないですがそれは近づいてからでも構わないでしょう」
「ということはもう場所が解ったのね?」
「はい、そろそろ先手を打ちに行きましょう」
「盛岬さんの居場所は結界の中でなら解ると思います」
「じゃあ続きは移動しながら話すとして……」
リリィは必然的にこの場に残る事になる。
危険だからだ。
「りょうをお願いします」
「もちろんよ、任せて」
念のために結界は張ってあるし、本部の中では大丈夫だろう。
「まあ念のため夜倉木さんはここにいて」
「わかった、何かあったらすぐに……そうだ、これ」
思い出したように羽澄にタバコのケースを放り投げる。
「あいつがよく吸ってる銘柄だ、見つけたら渡してやってください」
「そうね、これがないと力出せないし」
「今頃吸いたいとか言ってる頃かも知れないですね」
そう言いながら草間に視線が行ったのは、いつの間にか灰皿が山盛りになっていたのが原因だろう。
IO2から借りたワゴン車で悠也が示した場所へと向かいながら、話は残った疑問である白い手の持ち主についてになっていた。
「頼まれてた本持ってきたわ、これでいい?」
「はい、ありがとうございます」
「鬼道ですか、また面倒な物を使ってくれますね」
羽澄が持ってきた本を全員でのぞき込む、とは言っても草間は運転中で見れないのだが仕方ない。
「鬼道は本来卑弥呼が使っていたほど歴史がある物なんです、人を鬼にかえたりする様な呪術ですが……人にする方法が難しいんですよ」
元からある物に何かを付加するのは簡単だが、特定の物だけを選んで捨て去る事は難しいのだ。
例えるのなら、AB型の血液をAとBに分けろと言っているような物だと考えて貰えれば解りやすいだろうか。
そのぐらい難しい事なのだ。
「そうだ、その本を見た時に気になってた事があったのよね」
「なんですか、羽澄さん?」
「どうしてりょうは連れて行かれたかって事よ」
言われてみれば、そうかも知れない。
「確かに、贄にするためだとは言ってましたが、何かの統一性は必要ですね」
「この場合考えられる事は……能力者である事でしょうか?」
「さっきエンパスだって言ってましたよね、それとかも関係があるんですか?」
「それもあるかも知れない。それにこれならりょうが色々できる理由が解るから……」
「なんですか?」
「後ろから二ページ目に触媒能力者って……」
「草間さん!」
言いかけている途中、突然悠也が草間からハンドルを奪い方向を変えさせる。
「なっ、なに!?」
耳障りな音がして、大きく車体がぶれて危うく車が横倒しになりかけるが、なんとかそれは免れた。
「いきなり何を……」
驚いている草間を後部シートに引っ張りながら手早く指示を出す。
「車から出てください! 結界が急に広がって……」
ドン!
言い終わる前に草間が座っていた運転席が紙でも潰すようにひしゃげていくのを見て、一斉に車から飛び降りる。
ドン! がしゃん! ガガン!!
瞬く間に元の大きさの三分の一になっていく車に呆然としていたが、すぐにやるべき事を思い出し全員が無事かを確認する。
車の中と外。
どう考えても……三人しか居なかった。
「どうやら車の向こうとこっちで分断されたようですね」
「通れたら良かったんだけど……」
自分の背丈の半分になっているワゴン車なんてどうにか出来る物ではない。
そしてそれはもう少し脱出が遅れていた場合の自分の姿も想像させるもので、今さらのように安堵する。
「ケガはないようで良かった」
「はぐれてしまいましたけどね」
「そうね、状況をまず把握しないと」
ここにいるのは桐伯とみなもと羽澄の三人だけなのである。
念のためと桐伯が耳を澄まし車の中や辺りの気配を探ってみるが、どちらにも居ない事がハッキリしただけだった。
「状況から察するに結界の中に入ってしまったんじゃないかと思うんですが?」
不安げに言うみなも。
一瞬前の事を考えれば、そう考えても構わないだろう。悠也は確かに言っていたのだ『結界が急に広がって……』と。
「まあ目に見えて解りやすい異変ではありますね」
夏が終わる頃だとは言っても雪が降っている上に無人の街である、これで怪しまないと言う方がどうかしいてるだろう。
「個々が結界の中だとすれば下手に動くのは危険か知れないわ」
手に持っていたのは鬼道の本。
何か参考になればとは思うのだが、結界の見極めが出来るはずもない。
「そうだ、羽澄さん。さっきは何を言いかけていたんですか?」
「そう、そうね……触媒能力って言うのは、力の融合や増幅が可能みたい。結界が急に広がったのもそれが原因ね」
「そうすると盛岬さんは危険なのでは」
一瞬の沈黙。
羽澄がページを捲り息を付く。
「生きてないと駄目だから、無事よ」
「そうなんですか、良かった」
素直に安心みなもに対し、怒るかも知れない状況を並べてみる桐伯。
「盛岬さんの力を利用して力が上がったというのに、直接来ないと言う事はまだ儀式の途中経過かも知れませんね」
「……なんでこう次から次へと厄介事を起こすのよ」
ここまで大事になる前に、助けを求めるなりしていればもっと楽に事件が片づいていたかも知れないのだ。
「それは助けた後で責任を取らせれば済む事ですよ。いまは向こう側と合流するか、結界をどうにかすれば合流も出来るでしょう」
「それもそうね、でも何処にいるのかが……」
話すのを止めて、耳を澄ませる。
声が、聞こえた気がしたのだ。
「……罠でしょうか」
「難しい所って言いたいけど、動かない事にもどうにもならないし」
意を決した羽澄が回りに気を付けながら、声がした方角の道を進むとうっすらとした靴跡が残っている。
それも小さな物が一人分。
「そうだ、これ!」
パッとみなもが取りだしたのは一冊の地図帳、それをパラパラと捲って地図と辺りの様子を確かめる。
「見てください、結界の中の街と地図は大きくは変わってません。何か役に立ちませんか」
準備の良さに感心しながら、地図を見て足跡の進行方向を指で辿っていった。
「車で進もうとしてた方向ともあってるわね」
「あっ、病院かも知れませんよ! 目を取り出すのなら医療機関じゃないと危険ですし」
確かにそう言う考え方もある。
地図の進行方向と一致しているし、病院と言う場所なら何かの儀式をするにも都合が良さそうな場所である事は確かだ。
「それにあまり迷っている時間もなさそうですしね」
桐伯が鋼糸を繰り、周囲を見渡す。
白く覆わて居る地面を踏みしめうなり声をあげる数え切れないほどの獣の群れが、三人を取り囲んでいる。
「や、野犬の群!?」
正確に言えば犬とは微妙に違う部分は所々に見受けられたのだが、一言で言ってしまえば確かに犬の群だった。
低いうなり声をあげて威嚇をされる、飛びかかってくるのは時間の問題だ。
「犬をの丸焼きはあまり気が進まないのですが」
「そう言う場合?」
そんな事を言っている間に、飛びかかってきた野犬の群を羽澄が音の壁を作りはじき飛ばす。
「ギャインッッ!」
弾かれたように鳴く声は非常に嫌な物で、思わず眉をひそめた羽澄に変わり桐伯が鋼糸を振るう。
「早く終わらせてしまいましょう」
言葉通り、次の瞬間には声を上げる事もなく非常に苦しそうにのたうち回る犬の群。
「………これもどうでしょうか?」
「ごめんなさいーー!!!」
まだ無事であった野犬をみなもが水がペットボトルから地下を通っていた水道管というように、見る間に体積を増大していく水で押し流していく。
そうしてなんとか病院にたどり着き、なだれ込むように門を飛び越えて桐伯が鋼糸を張り巡らせてバリケードを作る。
だか、一息すら付けない状況である事はハッキリと解った。
「どうやらここで間違いないですね」
「なに、これ……」
耳鳴りがしそうなほどの陰鬱とした気配。
「儀式? それとも力が強まってる?」
「中に入れば解りますよ」
意を決したみなもは周囲に浮いていた水を操り防御を固める、霊的防御に良く聞くのだろう。
おかげでだいぶ楽になった。
「ありがとうございます」
「助かったわみなもちゃん、念には念を押しておいたほうがいいわよね」
羽澄も持っていた鈴を渡し、更に防御率を上げておく。
こうしてみると意識さえしっかりしていればどうと言う事はなかった。
「それじゃあ行きましょう!」
力強く前を進むみなもの後に続く。
場所は……すぐに解った。
目の前の手術室の向こうから聞こえる、耳障りな不協和音と空間が軋む音。
「準備はいいですか」
「はいっ」
「……行きましょう」
三人で頷きあいてから羽澄が扉を開く。
「想像していたよりも、早かったですね」
そう言って振り返ったのは、一人の幼げな少女だった。
もっとも見た目で本当の年齢や能力を判断する気にはならなかったが。
「後はこっちで終わらせる、メノウは向こうへ」
『S』が手を軽くあげると、メノウと呼ばれた少女はスウッと姿を消した。
「本来なら、精気の手順で目を返して貰う予定だったのにな。早すぎたおかげで乱暴な手を取らなくなった」
顔を上げた『S』の右目には赤の彩を持った右目がしっかりと治まっている。
「りょうさんの目を奪ったんですか!?」
「たった今、な」
『S』が静かに手術台から立ちあると、そこには微動だにしないりょうが眠っていた。
「それならもうりょうはいらないでしょ、返して貰えない?」
状況からすれば自然な流れではあったが、羽澄の能力は『音』である。
時間をかせげばりょうを回復し、自分からこっちに来て貰えればそれだけでだいぶ状況が有利に進められるのだ。
「それは出来ない、目を返した後はメノウに渡す約束だからな」
「約束? どんな約束をしたんですか?」
「力を取り戻せば……完全になれば、これを移せ、る」
様子がおかしい。
困惑し始めたように、話す言葉が途切れ途切れになって行っている。
「さっきのメノウって言う人に聞いたんですか」
「移す?」
「それは……っ!」
話が出来たのはそこまでだった。
「っが、あああああああ!」
右目を押さえた次の瞬間、床へと膝を付き崩れ落ちる。
「な、なに!?」
「下がってください!」
桐伯が羽澄とみなもを庇うように前に出ると、りょうの体がビクリと跳ねた。
「りょう!」
「ーーっ、う……」
具合悪げにそれでも起き上がろうとする様子を見かねて、それと今の内だという考えも手伝って駆け寄ろうとするが……。
「っ、ふっ………ははっ、お前も苦しめ!」
第一声ではこれでは、そう思わずには居られない気がしたがそれでもりょうと『S』との距離を取らせ、桐伯が鋼糸でしっかりと『S』の体を縫いつける。
「何やったのよ?」
「……目を盗られるのは解ってるから、人間じみた感情を感じ取れるようにな」
「……本当にろくな事しませんね」
「いや……」
口ごもるりょうに、みなもが真っ直ぐな視線を向ける。
「あの時、何を聞こうとしたんですか」
気になっていたのだ。
「それは、まあ……」
「もしかして、助けようとしてた事と関係あるの?」
「なっ、なんで解ったんだ!?」
とりあえずカマをかけてみただけなのだが、何て解りやすい。
「どうなんですか?」
みなもの問いに、少しばかり悩んでから口を開く。
「……一度は命を狙った相手のことを聞くのはどうかと思ったんだ」
「それはそうでしょうね」
桐伯に断言され黙り込む。
「それはそうと、盛岬さんが目を盗られたおかげで『S』の正体が解りましたよ」
「は?」
声が重なる。
桐伯の鋼糸で床へと縫いつけられていた体が、ギリギリと嫌な音を立てて膨らんでいく。
その体は、病院の外まで終われていた獣の姿によく似ていた。
「そうか、ワーウルフ!」
「う、あ……ぁ!」
桐伯があたえた傷も瞬く間に再生していく。
「羽澄さん、さっき盛岬さんが触媒能力者だと言いましたよね」
「……あっ」
嫌な予感の答えはみなもの言葉が的中してくれた。
「つまり『S』は力が増してるって事じゃないんですか!」
二周りほど大きくなった体を起こし、飛びかかるために体を屈めた一瞬に桐伯は鋼糸を抜き取り今度は結界のように前へと張り巡らせる。
流石にあれと力比べをする気にはなれなんった。
「なんでこう次から次へと面倒事を増やしていくんですか」
「悪気があった訳じゃ!?」
「勢いだけで行動するのはもっと質が悪いのよ!」
「っ、っをおおおおおん!」
遠吠え。
来ると確信し、おしゃべりを止め真剣に向き直る。
「とにかく後でキッチリ話を付けましょう」
「今は何とかしないと」
ポンっと、羽澄がりょうにタバコを投げてよこす。
その時だった。
ガラスの割れる音。
一瞬だけ意識がぶれるような感覚のあと、室内には一気に人数が増えていた。
「ーーーー悠也君!?」
「羽澄さん、無事で良かった」
離ればなれになった4人とご対面。
だがそれは一瞬にして困難が深まっただけだった。
獣姿の『S』を始めて見る4人に素早く注意を呼びかけながら、目の前の相手に意識を集中させる。
「気を付けて、あれが『S』よ」
とは言っても直ぐ近くにいる相手にも注意しなくてはならないから一瞬の事ではあったが。
「彼を盗られたの?」
「ッ、だまれっメノウ!」
仲違いしそうな勢いではある。
もっともそこまで上手くは行かなかったが。
「とにかくりょうさんをこっちに、ケガを治しましょう」
「立てますか?」
「や、ちょっと無理……」
「武彦さん、お願い」
「解った」
素早く半を下す汐耶にみなもがりょうを引きずろうとするのを見てシュラインと草間が手伝いに行く。
「とにかくこっちはこっちで思い切りやらせて貰いましょう」
真剣に向き直る羽澄の直ぐ後に、桐伯が一言。
「悪魔でなくって残念ですね」
「そうですね」
あくまでも余裕を忘れない二人である。
三対二。
とはいっても相手はパワーアップしたワーウルフと得体の知れない相手。
油断は出来ないと身構えた瞬間。
「ーーーっ、皆さん伏せてっ!!!」
それは、みなもの声だった。
下から響く地響き。
「……まさか?」
「力の増幅!」
敵味方問わず、視線が集中する。
片手をりょうの背に乗せ、もう片方の手を前へと突き出す。
「上手く、制御できませんから!」
「早く固まって!」
とっさに指示に従って距離を詰め、周囲に結界を張り巡らせたその直後。
下から上へと全てをのみ込む濁流が吹き上げ『S』とメノウの姿をのみ込んでいった。
【続く】
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
【0086 / シュライン・エマ / 女性 / 26 / 翻訳家 興信所事務員 】
【0164 / 斎・悠也 / 男性 / 21 / 大学生・バイトでホスト】
【0332 / 九尾・桐伯 / 男性 / 27 / バーテンダー 】
【1252 / 海原・みなも / 女性 / 13 / 中学生 】
【1282 / 光月・羽澄 / 女性 / 18 / 高校生・歌手・調達屋胡弓堂バイト店員 】
【1449 / 綾和泉・汐耶 / 女性 / 23 / 司書 】
【1510 / 自動人形・七式 / 女性 / 35 / 草間興信所在中自動人形 】
NPC
盛岬りょう:ひとまず無事でした。触媒能力者だと言う事が発覚。
ナハト・S・ワーシュネー:西洋風の魔術に似た能力を使い、ワーウルフの血を引いている。
メノウ:鬼門遁甲等の術を使う。見た目は幼い少女
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■ ライター通信 ■
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ご参加いただいた皆様。ここまで読んでいた方々。
ありがとうございました。
なんだか書いている最中に深いところまで行ってしまったのではないかという気がします。
過去の問題に、それぞれが背負っている宿命。
魔女狩りやら鬼門遁甲。
やたらと時間がかかったのは気が付いたら手が上の二つを調べていたからだと思います。
おかげで梵字の良いサイトに巡り会う事が出来ましたが。
とにかく次回でラストです。
受注開始は月曜日か火曜日の夜9時を予定しておりますので、よろしければそちらにも参加していただけたら幸いです。
それでは、本当にありがとうございました。
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