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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


呼び声

+++++オープニング+++++

草間は枕元に人形を置いて眠っていた。
断じて、そんな趣味があるワケではない。
依頼人から預かった大切な、古びた市松人形だ。
依頼人の話によると、何でもこの人形は言葉を発するらしい。
それは偶然なのか理由があるのか、夜。
依頼人が眠っていると必ず声がする。
人形が何故喋り始めたか調べて欲しい、と言うのが依頼内容なのだが、草間と依頼人が話している間には喋る様子がなかった。
そこで試しに一晩預かってみる事になった。
依頼人が祖母から譲り受けたと言う市松人形を、草間は枕元に置いて眠りについた。
それから数時間……
―――まりちゃん
―――まりちゃんどこにいるの、あそびましょう……
草間は飛び起きて電気を付けた。
人形は確かに枕元にあり、動いている様子はない。
「……何なんだ、この人形は……」
決して気味が悪いと言った印象はない。一見はごく普通の人形だ。
「うーん……何で喋るんだろうなぁ……」
夜も更けた部屋の中、人形を目の前に置いて草間は首を傾げた。


++++++++++

「……依頼とはいえ武彦さんがこのコ置いて寝てると思うと妙な感じね?」
ペタリ、と冷蔵庫にメモを貼り付けてシュライン・エマは振り返る。
「好きで寝た訳じゃない……、断じてっ」
応えるのは勿論、草間武彦。つい力強く言ってしまう彼の目の前には今も古びた市松人形がある。
「随分古そうですね」
と言うのは、月刊アトラス編集部から『珍ネタ・心霊ネタなら草間を訪ねろ』と言われてやってきた雨柳凪砂。
「現実的に考えれば時限式のテープレコーダーでしょうけど……」
と言いつつ、内心ではここが噂通りの場所ならば心霊的な原因かと考える。
「そやなぁ、でも単純に考えるなら、人形に魂が乗り移ったか魂が宿ったか、かな」
凪砂の横で興味深そうに人形を見つつ、大曽根つばさ。
「でも、もしそうやったら嫌な言い方やけど、この世に順応できん奴なら消えてもらわなかんのやろね」
勿論、心霊的な原因だった場合は除霊なり何なり施せば良いのだが……。
「依頼はどう言った内容だと仰いましたか?」
細い指先で人形に触れながら言うのはセレスティ・カーニンガム。
「ただ、人形が喋るようになった原因を調べて欲しい、でしたか?人形をどうこうして欲しいではなく?」
「いや、正確に言うと喋るようになった原因を突き止めて解決して欲しい、だそうだ」
草間が応える。
一体どんな顔で人形を枕元に置いて眠ったのだろうか、どうも想像に難しく首を傾げつつシュラインは全員に冷えた麦茶を振る舞った。
「喋る人形ねぇ……、以前あやかし荘で出会ったテディベアを思い出すわね……。あの時は子供の霊だったけれど今回はどうかしら?」
「市松人形て言うたらお菊さんを思い出すわぁ、ほら、髪が伸びるって言う」
ちょんちょん、と人形の髪に触れて、つばさが笑う。
こちらの人形は髪が伸びたような形跡はないようだが。
「昔、市松人形で講義があったような気もするんですけど……。これだけ古い人形でしたら造り手は限られているでしょうから、大学の教授からそういう人形師の方を紹介していただいて、この市松人形についてお聞きしたいと思います」
凪砂の言葉に、セレスティが頷く。
「私もこの人形について、調べてみたいですね。モデルや作られた時代、作者……着物の由来なども分かれば良いのですが」
「そうそう、市松人形って元は誰かに似せて作とった人形らしいね。せやったら、これは誰に似せて作られたんやろか。調べたら、面白いかも知れへんね」
言ってから、つばさはつい正直な口で言ってしまう。
「まぁ、そこまで歴史のある人形やったら、こんな探偵事務所なんかに持ちこま……あぁ、なんでもあらへん」
そして、草間に軽く睨まれて慌てて口を噤んだ。
「私は、人形についても勿論興味があるけど、それよりも『まりちゃん』について調べてみたいわね。そう言った名前の方がいたのか……、或いは、まりちゃんと呼ばれてた別の人形といつも一緒だったのか……」
言いながら、シュラインは首を傾げる。
「兎も角一方的に喋るだけならじっくり内容を聞いてみて、会話が可能なようならまりちゃんとは誰か、寂しいから喋る様になったのか、他に何か理由があるのか等々そのまりちゃんに会いたいのなら探すからと色々質問してみるわね」
「古い人形というのは時代を経て様々な場面をその目を通して見てきた証人なので、物語のような出来事があるのかもしれませんね」
さて、この古びた市松人形の目にはどんな物語が刻み込まれているのだろうか。
セレスティの横で、凪砂が言った。
「草間さん、このお人形、お借りは……出来ないですよね?」
「ああ、それはちょっと無理だな。他にもこの人形に興味を持ったのが3人ほどいてね……、今日明日にも見てみたいと言うんだ」
それならば、と凪砂は人形の写真を撮り始めた。
いくら喋るからと言ってモデル代を請求する事はあるまい。
前から後ろから、斜めから……、顔や着物、手足や髪型に至るまで詳細に撮影し、凪砂はセレスティと共に人形の由来調査をするべく出掛けて行った。
「さて……どうします?うちは人形そのものよりも過去を洗ってみたいけど……」
シュラインと草間に問うつばさ。
「武彦さんは私達と今日明日に来るという人に任せるつもりでいるみたいだし……、取り敢えず、依頼人とかその御家族にでももっと詳しい話を伺ってみましょ」
早速出掛けて行くシュラインとつばさ。
草間は人形とともに残りつつ、残り3人の到着を待った。


++++++++++

「……え、いるんですか?」
「まりちゃんて、言わはる人が?」
依頼人宅の、応接間。
有名な焼き物らしいカップに注がれたコーヒーを受け取りながら、シュラインとつばさはポカンと口を開けた。
「はい、すみません……、草間さんの所から帰った後になって分かりまして」
と、応えるのは現在の市松人形の持ち主である依頼人。20代後半と思しき女性だ。
「この人です」
2人の前に古い白黒写真を置いて、指さす。
晴れ着を着た幼い少女の姿がそこにある。
「この子が『まりちゃん?』……?」
その少女の腕に抱かれているのは……、
「あの、人形?」
シュラインとつさばの言葉に、依頼人は頷く。
「昨日、遠縁の者が久し振りに訪ねて来まして……もしかしてと思って、『まりちゃん』と言う人が親族にいないか聞いてみたんです」
そこで、出てきたのがこの写真の少女。
祖母の2つ下の妹……依頼人から見れば、大叔母にあたる。
「人形は元々御祖母様の物で、譲り受けたと伺いましたけど?」
「ええ、そうです。写真では『まりちゃん』が人形を抱いていますが、祖母の物に間違いはありません」
「そしたら、今はこの『まりちゃん』は何してはるんですか?お話とか聞けるんやったら……」
つばさの言葉に依頼人が表情を曇らせる。
「それが……」
既に亡き人だった。
「実は、この写真を撮った翌年に亡くなってるんです。ええと、写真が1942年ですから、1943年に」
「病気か何か?それで、人形が寂しがってるのかしら」
「いえ、病気ではなく……その、空襲で」
「空襲!?」
思わずシュラインとつばさは顔を見合わせる。
「はい、えっと、『まりちゃん』が3歳で、祖母が5歳の時ですね」
因みに、人形の持ち主であった祖母も既にこの世にいない。
「はぁー……、気の遠ぉなりそうな話やな……」
自分たちが生まれるよりも遙かに昔の出来事。
そんな昔に亡くなった『まりちゃん』に会いたいと言われても無理な話。
「ところで、人形が喋るようになったのは何時頃からかしら?」
シュラインの問いに依頼人は首を傾げる。
「祖母から譲り受けたと言っても、最近なんです」
祖母は昨年病気でこの世を去った。
一周忌を終えて、何気なく部屋に入った所で棚に飾られていた人形を発見。
その古さと可愛らしさに惹かれ、両親の許可を得て移した。
「ですから、もしかしたらもうずっと前から喋っていたのかも知れません。私が気付いたのは、1週間程前なんですけど」
「ふぅん……」
溜息とも応答とも取れる息を付いて、つばさは写真に見入る。
『まりちゃん』と言う名の少女と、喋る市松人形。
「どうして喋るようになったのかしらねぇ……」
そっと、シュラインは溜息を付いた。


++++++++++

「それで、本当に喋ったのですか?」
シュライン・エマの煎れたコーヒーを口に運びながら訊ねるセレスティ・カーニンガム。
「ええ、本当」
「本当に本当!私、自分の頭がどーかしちゃったんじゃないかと思ったんだけどさ、確かに喋ったんだよね」
と、答えるのは向かいに腰掛けた冴木紫と村上涼。
2人は昨日、真名神慶悟と共に人形との直接会話を試していた。
「念の為、結界を貼っておいたから他の者の声と言うのは考えられない。間違いなく、人形の言葉だと言って良いだろうな」
言いながら、慶悟は煙草に火を付ける。
「そちらはどうでした?人形の事、何か分かりました?」
セレスティの横から、雨柳凪砂が訊ねる。
「分かったって言うてええんかなぁ……」
言いながら、シュラインの隣に腰掛けた大曽根つばさが1枚の白黒写真をテーブルに置いた。
そこに写っているのは、目の前に鎮座する市松人形を抱いた幼い少女。
「まりさん、と言うそうよ。この当時3歳……、依頼人の大叔母にあたる人物」
シュラインとつばさは昨日、詳しい話を聞く為に依頼人宅を訪ねていたのだが、そこで分かった事実を手短に話した。
写真の中の『まり』と言う少女は元々の人形の持ち主であった依頼人の祖母の2歳下の妹だ。
この写真を撮った翌年1943年に、3歳で空襲で亡くなっている。
「空襲ですか……」
溜息混じりにセレスティが呟く。
「あたし達は昨日、人形師の方にお話を伺って来ました。この人形は、素人の作りだそうですよ」
「もしかしたら、依頼人の身内の方……例えば、御祖母様の母親あたりが作ったのかも知れません」
2人が昨日会った人形師は、実物を見てみなくては分からないと前置きして言った。
市松人形の表情は昭和初期頃の流行のものに似ているが、着物は明治から大正の、人間用の着物だろう、と。
「そやね。そんな歴史のある立派な人形やったらこんな探偵事務所には持ち……あ、何でもあらへん」
草間がいないのを良いことについ正直に言ってしまいそうになるつばさ。
それに気付いて、涼はにやりと笑った。
「ちょっと待って」
不意に紫が声を上げる。
「『まりちゃん』と人形についてはよく分かった。でも、問題があるわね」
その言葉に涼と慶悟が頷く。
「何なの?」
4人を代表して訪ねるシュライン。
「人形は、『まりちゃん』じゃなくて『まりぃちゃん』て言ったわよ?」
「金髪碧眼のお友達だって」
紫と涼の言葉に顔を見合わせる一同。
「その、『まりぃちゃん』とやらは栗の木の下の墓に眠ってるんだそうだ」
「え。って事は、うちらが調べて来た『まりちゃん』やのうて、他に『まりぃちゃん』て言う子がいるって事……?墓って言うんやったら、もう亡くなってるって事ですよね?」
つばさが首を傾げる。
「まりぃちゃん……マリーちゃんでしょうか?金髪碧眼……、当時では少し考えられませんが……?」
セレスティの言う通り。
例えば写真の中の『まりちゃん』が空襲で亡くなったと言う1943年。
日本は戦争の真っ直中だ。
金髪碧眼の子供と一緒に遊んでいられる訳がない。
「一緒に遊んだのがこの写真より前と言う可能性は?」
「1943年に3歳と言う事は御祖母様は5歳……」
紫の質問に、シュラインは頭の中に年表を思い起こす。
「太平洋戦争は1941年からよね。その前って言うと……1939年には第二次世界大戦が始まってるわね……」
外国の少女が民間人の側にいたと言うのは考えにくい。
加えて、それ以前と言うと、肝心の人形の持ち主である祖母が誕生していない。
「はぁ……何や、うち頭が痛ぉなって来たわ……」
「私もー……」
太平洋戦争だの第二次世界大戦だの、半世紀以上も昔の事を言われても訳が分からない。
つばさと涼は揃って頭を抱えた。
「ところで、その依頼人の家の墓は栗の木の下にあったりするのか、実際」
「さぁ……どうかしらね。電話して聞いてみましょうか」
慶悟の質問に、シュラインが受話器に手を伸ばす。
それを、慶悟は手で制した。
「大人数になるが……、直接訪ねていった方が早いだろう」
「そうですね。『マリーちゃん』?についても聞いてみた方が良いでしょうし……」
と凪砂。
「一応、今から伺っても良いか確認してみましょ」
シュラインがダイヤルを回す。
返答は、可。
7人は市松人形を持って急いで依頼人宅へ向かった。


++++++++++

シュラインとつばさは昨日にも訪ねて行ったので知っていたが、依頼人宅はなかなかの旧家だった。
そして、名家でもある。
格式張った日本家屋はよく手入れされている。
広い敷地には住居である母屋と、離れ、倉。
「マリーちゃん、ですか?」
『まりちゃん』ではない少女の名前に、依頼人は首を傾げる。
「さぁ……、聞いた事がありません」
「ご迷惑でなければ、御家族の……出来ば、御祖母様のアルバムを見せて頂きたいのですが」
「それは構いません、でも、『マリーちゃん』と言うのは金髪碧眼の女の子ですよね?」
依頼人は昨日シュラインとつばさが帰った後、自分でも何か手がかりを捜そうと祖母のアルバムを片っ端から捲ってみたのだと言う。
「いませんでしたか……」
そっと、凪砂は溜息を付く。
「因みに、こちらの家の墓地の側に、大きな栗の木があったりはしませんか?」
慶悟の質問に、依頼人は都内でも有名な霊園の名を告げる。
大きな木など1本もない整然とした墓地だ。
「栗の木なら、うちにもありますけど……、」
言いながら依頼人は窓の外を指さす。
確かに、指された方向に大きな栗の木があった。
「お墓なんて、ありませんよ。祠も」
言いながら、少し笑う。
「……マリーちゃんが人間の少女だと決まった訳ではありませんね……」
セレスティの言葉に、シュラインが頷く。
「人形の友達は人形ってね……」
「あの木の下に、埋まってるかも知れへんの?」
「それは分からないが……、何か手がかりが見付かるかも知れない」
つばさと慶悟の横で、凪砂が訪ねる。
「あの、木の下を掘り返して見ても構いませんか?」
依頼人は快諾し、一同は依頼人に借りたスコップやら除草用の鍬やらを手に、栗の木の下に移動した。
「わー……、大きな木……」
「ここまで大きくなるには随分時間が掛かるんでしょうねぇ?」
感心する涼と紫。
「ええ、祖母が子供の頃からありました。古い写真の中に、祖母とまりちゃんがこの木の下でおままごとをしているものがありました」
栗の実や虫にさえ気を付ければ、快適な木陰が提供される。
遊ぶにはもってこいの場所だ。
「早速掘ってみようよ」
言うや否や、涼はスコップを土に突き立てる。
9月も下旬に近いと言うのに真夏に近い気温。
7人は依頼人とその腕に抱かれた市松人形が見守るなか、せっせと土を掘り返した。
やがて。
「あ、あったっ!?」
涼が声を上げる。
全員の視線が涼の手元に集中した。
「ちょっと、誰か手伝って」
言われて、つばさが涼と一緒に土を掘り起こす。
と、茶色の木箱が姿を現した。
「まさか、死体なんか入ってないでしょうね……」
呟きながら、注意深く箱を取り出す。
ちょうど、涼の腕に治まる大きさ。箱自体は結構重いが、中身は軽そうな感じがする。
「開けてみましょ」
シュラインが言い、丁寧に土を払い腐った蓋らしい所にスコップの先を押し入れた。
釘などでは留めていなかったらしい。
蓋はアッサリと開き、中から新聞紙に包まれた四角いものが出てくる。
依頼人に確認を取って、幾重にも巻き付けられた新聞の包装を解く。
と、中から何重もの油紙に包まれた黒い丹塗りの箱が出てきた。
「開けますよ?」
凪砂が代表して蓋を開ける。
そこにあったのは。
「人形……、これが、『マリーちゃん』?」
紺色の風呂敷に包まれた金髪碧眼の西洋人形だった。
「写真が……」
風呂敷の間から落ちた数枚の写真を慶悟が拾い上げる。
色褪せた白黒写真。そこに写っているのは……
「市松人形とこの人形と……子供が2人……」
子供の方は、依頼人の祖母と3歳で亡くなったと言うその妹らしい。
「……一体どうしてこんな所に埋めたのかしら……。お墓って事は、葬式ごっこか何かだったの……?」
その写真を覗き込んで、紫が呟く。
―――まりぃちゃん会いたかった―――
「キャッ」
突然の声に、依頼人は胸に抱いた市松人形を落としそうになった。
「喋った!」
実際に人形の声を聞いた事がなかったシュライン、つばさ、セレスティ、凪砂も思わず声を上げる。
「市松人形をこっちへ」
慶悟が人形を受け取り、今、土の中から出てきたばかりの西洋人形と並べて木の根本に置いた。
「どうしてこんな所に埋められてたの?」
小さな二つの人形を見下ろす凪砂。
―――見付かったら、燃やされてしまうから―――
確かに、人形が答えた。
「燃やされる?何で?」
西洋人形は。
マリーちゃんはくるくると巻いた金髪の長い髪に、濃い睫毛に縁取られた青い瞳。
うっすら赤みのある頬と、白い肌。
少し黄ばんでいるが、レースのドレスを纏った様子がとても可愛らしい。
何故、この人形が燃やされなければならないのか。
―――あの時、沢山燃やされたから―――
「あ」
と、シュラインが声を上げた。
「何て言うのかは知らないけど、戦争ものの映画でそんなシーンを見た事があるわ……、こんな西洋人形や外国語の本を燃やすのよ……」
「……そんな愚かな時代もありましたね」
横で、セレスティが頷く。
この可愛い西洋人形が。
妹と似た名前を持つ青い目の人形が、燃やされてしまわないように。
誰に見咎められる事なく、誰に触れられる事なく、誰にも取り上げられないように。
子供の頃の依頼人の祖母は、木箱を柩に見立て、この西洋人形の為だけのお墓を作ったのかも知れない。
―――まりぃちゃん、会いたかった―――
―――また一緒に遊びましょうね―――
可愛らしい子供の声で、市松人形が告げる。
パッチリと開いた青い目に、微笑が浮かんだ。
「仲良しなんやね。まりちゃんとお祖母さんもきっと仲が良かったんやと思うわ」
つばさの言葉に、全員が頷く。
もしかしたら。
もしかしたら、この人形達にはまりちゃんとその姉の魂が宿っていて。
奪われた子供時代を、やり直そうとしているのかも知れない。




end





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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

0086 / シュライン・エマ     /女/ 26 / 翻訳家&幽霊作家+時々草間興信所でバイト
1021 / 冴木・紫         /女/ 21 / フリーライター
0381 / 村上・涼         /女/ 22 / 学生
0389 / 真名神・慶悟       /男/ 20 / 陰陽師
1847 / 雨柳・凪砂        /女/ 24 / 好事家
1411 / 大曽根・つばさ      /女/ 13 / 中学生、退魔師
1883 / セレスティ・カーニンガム /男/ 725 / 財閥総帥・占い師・水霊使い

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■         ライター通信          ■
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バルサンを焚いたのにゴキブリが出てきて吃驚してる佳楽です、こんにちは。
この度はご利用有り難う御座いました。
今回、書いてる間中ずーっと、「青い目の人形」「大きな栗の木の下で」が
頭の中でぐるんぐるん回っていました……。
ではでは。
また何時か何かでお目に掛かれたら幸いですv