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<東京怪談ウェブゲーム アトラス編集部>


ウサギがいっぱい【アトラス篇】

------<オープニング>--------------------------------------
いきなり現れた、ウサギの群れ…。
この謎のウサギの群れは実は草間興信所からだと聞いていた。
元は月見ウサギ一口饅頭という話らしいが…定かではない。
「何かの嫌がらせ?」
「違う、どこかの誰かが持っていったんだろ?俺は知らん」
「責任取って貰うわよ!」
「犯人は目星がついている。…が、そいつがお前の所に隠れ潜んでいるからそうなっただけだ。俺には一切責任はない。大体、全く分からないそのナマモノを飼う気にもならないしな」
と、碇と草間の喧嘩が延々続く。
怒りにまかせて受話器を切る碇は…
ウサギに和んでいる三下に怒鳴った。
「いい!どんな方法でも良いから、この饅頭ウサギがどういう理由でウサギになったか確かめるのよ!いいわね」
その怒号で三下とウサギは怯えてしまった。


1.暴走する加持葉霧
「残念だよ、Sexy草間君…」
馬鹿な加持はウサギがいっぱいの地下秘密基地で嘆いていた。
草間興信所ウサギ事件で、何故か知らないが此処に無数のウサギ送られてきたのだ。その数…不明。何となくであるが…増えている。
今では白王社アトラス編集部と加持の秘密基地にウサギがいっぱいいるのだ。足の踏み場のないほどに。
皆大きさはおなじで、1日ごとに数羽増えているかんじだ。
考えてみたら…『某火星大接近☆君も火星人と握手だ』オフ会で買った月見ウサギ一口饅頭セットが自分の部屋、碇のデスクに置いてあったのを思い出した。
電波で増えたのだろうか?しかし、加持にとって其れは些細なことである。
「妹萌えの第一人者でもある君が、ウサギをナマモノ呼ばわりするなんて。ウサギには妹萌えに…(以下略)…」
―省略だ、こん畜生。
「何故だ!なぜ!説明を省くんだい!君!」
―萌えの論理につきあってられるか。
「そこの君も萌え者ではないのか!」
―違うねー。
「…いいさ、僕があの草間君にバニー萌えを開花させてやる!」
―結局そうなるんだな。何のために未来から来ているのか…まともな人間になれよ。


2.碇は…
「どうにかして欲しいのだけど…あなたしか頼めないわ」
と、碇編集長は有る人物に電話をしていた。
「三下君に原因を突き止めるよう命令したけど、其れは他の人が手伝ってくれるわ。だからあなたは…」
[そうか…わかった。要はウサギの原因というかこれに便乗し、混乱を巻き起こす馬鹿ども…要は萌え者を始末するんだな?]
「そうよ、私の知っているなかで、ああいう馬鹿な連中を始末できるのはあなたしかいないから」
[生死は問わなくて良いよな?私も事情で怒り心頭だからな…実は草間からも頼まれているのだ]
「あらそうなの。じゃ、お願いね…」
と電話を切った。
「まったく、いい加減にして欲しいわ…」
ウサギの群れにため息をつく碇…。
助っ人達や遊びに来る人たちはまだのようだ。


3.馬鹿、ウサギに倒れる。
加持は計画を練った。
メカ草間というまた奇妙なロボットを作り上げている。それはまるでブリキ人形だ。
卵形の胴体で、草間とは似てもにつかない顔。時折…、
「ま゛」
と叫ぶ。
それが、今ウサギを愛でて草間の興信所に向かい煙草をめちゃくちゃにする計画だ。
その準備が今、整った。
「リベンジだよ!草間君!待っていてくれ!」
機動スイッチが握られた。
仰々しくも核爆弾の発射スイッチのようなもの。
「メカ草間君バニー軍団発進!カウントダウン!」
と彼はスタッフに向かって言った。
「10…9…8…7…6…5…4…3…2…1……」
スイッチを押す。
轟音が響き渡るはずが…沈黙していた…。
「どういう事だ?」
加持は不思議がった。
「隊長!電源が…電源が入っておりません…」
「お約束な事を☆では敷き直しだよ♪」
「はっ!」
急いで、家庭用電気コンセントを差し込み…電気が通った。
「では…改めて発進!」
再びスイッチを押す…。
ロボットアニメのように、コンピュータのランプやパネルがメカの状態を知らせる。
しかし…

パネルには、ウサギの姿が映った。
「なに?」
「た、大変です隊長!」
「どうしたんだい?」
「う、ウサギが、そこら中のコードを囓り尽くして…メカ草間君が起動しません!」
「な、なんだって!?」
たしか、掃除するために…電源室にまとめていたっけ?
「ウサギがコンピュータハックして来ました!ウサギウィルスで我々の全てのデータが食べ尽くされて…!」
「あーおれの大事な萌え萌え同人誌が!食われている!」
「冷蔵庫がウサギの糞の形をしたあんこでいっぱいです!」
「メカ草間君が爆発しました!」
ウサギが大暴走しているらしい。
デスクに置いてあった、饅頭は…からになっている。
電波でコンタクトをとろうとする加持…しかし、ウサギは全く反応を示さなかった。
所詮はウサギ。気ままでデリケートな生き物、イヤこの場合ナマモノだ。
いつの間にかメインコンピューターに群がり破壊活動を起こすウサギ。真の謎のナマモノ・かわうそ?も参加している。
加持の暴走より、先に電波で暴走したウサギたちにより…加持のアトラス秘密基地は壊滅した。
「はっはっは…☆まさか…飼い犬…いや、ウサギに噛まれてしまうとは…恐れ入ったよ。はっはっは」
と加持はいすに座ろうとするが、其れもまたウサギに脚を囓られており…重さで崩れた。当然加持はしりもちをつく。


4.加持の最期
只で転んでも起きない、否、転んだら逆に地面に穴を掘り続けるのが加持の性格。
ギャグな存在はシリアスさえも台無しにする。
其れで、自分の弟子達がどれほどストレスを感じていたことか。
銀髪隻眼、黒いマントの男…エルハンドはため息を漏らした。
「存在自体がやはり危ない。悪いが…死んで貰おう…加持」
手には、様々な力を宿した宝石を埋め込んだ剣が握られていた。
ウサギの群れは、彼にとって視界外。生物なのかナマモノなのかはこの際どうでも良かった。とりあえず、前に進む邪魔になる訳でもなく、ウサギたちは怖がって道を開けてくれるのだ。
加持の秘密部屋は地下に有るらしい。どうやって作ったのかは不明だが。
「失礼するよ」
ドアを開ける。
すでにウサギたちにより、制圧された加持の部屋。異空間化しているのは見ても分かる。
ウサギたちは今まで何事もなかったように…鼻をひくひくさせていたり、あんこの糞をしたりと…ウロチョロしている。
「このウサギの原因は興味深いのだが……今は碇の頼みを優先だ」
加持は、まだあきらめていないのか…コンピュータを修理整備している。どうやっても、馬鹿な行動は止めないつもりのようだ。
「はっはっは!やあ、エルハンド君か?どうしたんだい?こんな所まで?」
歯を光らせながら、70年代劇画調のポーズをとった。
「君は…こんな事をやって楽しいか?」
「はっはっは☆君らしくもない、其れは分かり切っていることだろう。萌えを追求することはすばらしい事だよ?」
「愚かな…。君の行動や無慈悲な計画がどれほどまで人々に迷惑をかけているか分からないとは…。草間もお前の(一部の)部下も、真剣に物事を取り組んでいる。もちろん碇も、雫も…」
エルハンドは体に神格オーラを纏った。怒りに依るものか、深紅である。
「まさか?僕と戦う気なのかね?」
笑いながらも得意な特殊格闘の構えをとる加持。
「お前は世界にとって有害きわまりない。ウサギの件は今回関知しないが…お前は死ぬべきだ」
エルハンドは、剣を構える。
ウサギたちは、並ならぬ殺気を感じ…部屋から逃げていく。
先に動いたのはエルハンドだった。
素早い斬撃をいとも簡単にかわす加持。しかし、間合いに入れない。
そして2人は飛び退いた…。
加持の首に、赤い一筋。
「さすが…天空剣…。僕に傷を負わせるなんて…」
笑う加持とは対照的に、エルハンドはため息をついて…そのまま後ろを振り向いた。
「どうしたんだい?殺す気ではなかったのかい?」
「暗黒天空剣究極奥義天地崩壊。お前はもう…その空間から出られない。空間崩壊と共にお前は死ぬ」
「まさか?」
「この秘密基地の空間の一部を崩壊させた。お前がいる地点を中心に、そして傷を負った箇所からお前は魂もろとも塵となり死ぬのだ…永久に…」
とエルハンドは言い残し…崩れていく。いや…加持にはそう見えただけだった。
空間が崩壊し、加持も魂もろとも…崩壊していくのだった。
「な…なにがいけなかった?」
加持は崩れていく空間で考えていた。
「行動がさ…。過度の暴走は怒りを呼ぶ…。碇と草間の依頼だ」
エルハンドの声がした。
「まさか…そんな…」
すでに空間崩壊で加持の声は誰も聞くことはできなかった。

加持を中心に3mはぽっかりと球体でえぐられた後がある。
エルハンドの周りに、ウサギ達は集まり、不安そうな顔つきで見つめていた。
「お前達には罪はない。どういういきさつでその姿になったかは分からないが…あまり迷惑はかけるなよ?」
と、1羽の頭を撫でて…彼は去っていった。
ウサギたちは彼の後をついて行った。

この日から加持葉霧を見た者は誰もいない。

End

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【1376 / 加持・葉霧 / 男 / 36 /謎の指揮官A氏(自称)】

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■         ライター通信          ■
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行動が、他の方々と相容れない内容でしたので、別口にて執筆致しました。
過度の暴走はとんでも無い目に遭いますので。結果こうなりました。


滝照直樹拝