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狂いし王の遺言 =転=
■羽柴・戒那編【オープニング】
「――草間さん……新聞と一緒にこんなのが入ってましたよ?」
玄関に新聞を取りに行った零が、そんなことを言いながら戻ってきたのは、奇里が訪れた次の日の朝だった。
「何だ? ――ちらしか?」
武彦は零からそれを受け取ると、ためらいなく開いてみる。
┏━━━━━━━━┓
┃□□□□□□□□┃
┃□□□も屋□□□┃
┃□□□□□□□□┃
┗━━━━━━━━┛
「”も屋”? 何だこれは……」
白い紙に、たったそれだけが書かれていた。
そこへけたたましい電話のベルがなる。
――リリリリリリ……
いまだ黒電話なだけあって、音量調節ができないのだった。
「はいはいっ、何なんだこんな朝っぱらから」
武彦はそう文句を呟いてから受話器を取る。
『――草間さんですか?!』
名乗る前に訊いてきた声は、昨日聞いたばかりの――奇里のものだ。
「そうですが……」
『また人が亡くなりました! 今度は白鳥さんですっ』
「な……っ」
『それも一昨日とまったく同じ場所で――!!』
■追加情報【『鑑賞城』に関わる人々】
■三清・ルート(さんきょう・るーと)……元当主。享年80歳。投資家。10年前に死亡。
■三清・鳥栖(さんきょう・とりす)……現当主。56歳。人気書評家。2日前に死亡。
■三清・石生(さんきょう・いそ)……鳥栖の妻。53歳。主婦。
■三清・白鳥(さんきょう・しらとり)……長女。25歳。OL。今朝死体が発見された。
■三清・強久(さんきょう・じいく)……長男。24歳。無職。
■三清・絵瑠咲(さんきょう・えるざ)……次女。22歳。大学生。
■三清・自由都(さんきょう・ふりーと)……次男。20歳。大学生。
■(三清・)奇里(さんきょう・きり)……年齢不詳。全盲のあんま師。ルートの養子。
■影山・中世(かげやま・ちゅうせい)……60歳。家政夫。もとはルートに仕えていた。
■松浦・洋(まつうら・よう)……26歳。庭師。住み込みアルバイターの女性。
■水守・未散(みずもり・みちる)……56歳。フリーライター。鳥栖の友人。外見は20代。
■失われたバランス【マンション:自室】
「――え? また人が死んだって……?」
『ああ、鳥栖の娘・白鳥だ。しかも鳥栖とまったく同じように死んでいたらしい』
電話の向こうの草間くんの声は、重かった。
「階段の下で、か?」
『ああ。――それと、今朝新聞と一緒に妙な紙が届けられたんだが』
「? 事件と関係がありそうなのか?」
『白とも黒とも言えないな。とりあえずFAXでそっちに送ろう』
「ああ、頼む」
『ところで、鳥栖氏の知人と知り合いのようだが……そいつは大丈夫なのか?』
不意に草間くんが、意外な心配をした。
「なんだ、シュラインから聞いたのか?」
そもそも俺がこの事件にかかわっていると言うことも、聞いているからこうして電話をくれたのだろうが。
「これから様子を見に行ってみるつもりだ。その紙ってのも、水守くんに見せてみたいし」
『そうだな。じゃあ何かわかったら連絡くれ』
「そうするよ。FAXよろしく」
電話を切る。
程なくして、共用となっているFAXつきの電話に”例の紙”というやつが送られてきた。
手にとって、眺める。
「――も屋?」
それだけが書かれた紙だった。
(本当に関係があるのか?)
”屋”がついているところを見ると、ただのチラシという気もするが。
(店名だけ書かれてもなぁ)
呆れながら、俺はその紙を小さくたたんでポケットにしまった。それから再びケイタイを手に、水守くんの所へ電話をかける。
水守・未散(みずもり・みちる)――フリーライターの彼は鳥栖と幼馴染みだった。そして死の直前まで交流を続けていた数少ない(もしかしたらたった1人の)人物。彼は鳥栖の死に、精神のバランスを崩しかけていた。
(俺が今言わなくても)
いずれ耳に入るのなら、俺が告げてしまった方がいい。
そう判断しての電話だ。
「――もしもし? 水守くんか?」
『ああ、戒那くん……そろそろ来る頃だと、思ってたよ』
(!)
既に遅かったようだ。
「なんで……」
『私フリーライターだよ? 情報の速さを舐めてもらっちゃ困るな』
おどけてみせる声に、しかし生気はない。
「大丈夫なのか?」
『さぁ……どうだろうね。鳥栖さんの時ほどには、揺らいでないつもりだけどね』
どちらとも取れない。
「……見せたいものがあるんだ。これからそっちに行く」
『なんだろ? 怖いな』
乾いた声で笑っている。それが余計に痛々しい。
「無理に笑うな」
『無理はしてないよ。これが今の私だ』
「今行くから、ちゃんと待ってろよ!」
俺はそう叫ぶと、電話を切った。バイクのキーを手に部屋を飛び出す。
(急ぐ時はこれがいちばん速いからな)
風であの紙が飛ばされぬよう、ポケットから取り出してジャケットの内側にしまった。
■カウンセリング【未散の家:リビング】
「水守! おい水守っ!」
チャイムを押しながら呼ぶ。けれど返事がない。
(ちゃんと待っていろって言ったのに……)
さいわい水守の家はアパートやマンションの1室ではなく、立派な一軒家だ(両親の置き土産らしい)。だから多少大声を出しても、周りの迷惑にはならない。
「いないのか?!」
本当にいないなら返事がくるはずはないのだが、思わずそう叫んだ。
ノブに手をかける。
「――! なんだ、開いてるじゃないか」
俺はそのまましばし考えて。
「入るぞ!」
誰に言うわけでもなく、もう一度叫んだ。
隙間を広げ、身体を入れる。
玄関にはしっかりと、水守の靴があった。昨日履いていたものと同じものだ。
(やっぱりいるんじゃないか)
水守は同じものを使い続ける癖がある。他にもたくさん持っているのに、そればかり使うのだ。それこそ壊れるまで。
(その執着が)
彼の取材スタイルにも現れているように思う。
「水守?」
呼びながら、中に入っていった。
カウンセリングをしに何度か来たことがあるので、大体の間取りは知っている。
(まさかまた寝たなんてことはないよな)
考えながら、リビングの方へ向かった。
「!」
リビングの扉に、何か薄明るい光が動いているのが見える。
(テレビ、か……?)
だとしたら水守がいるのだろう。
近づくと音も聞こえた。ゆっくりと手をかけて開く。
カーテンを締め切った、朝なのに暗い部屋の中で。水守は無心にテレビを見つめていた。
「水守……」
すぐ近くで声を出しても、気づかない。
(もしかして……解離か!)
「おい水守!」
肩に手をかけた。するとさすがに、俺の存在を認める。
「――え、戒那くん?!」
「なんでそんなに驚くんだ。さっき電話で今から行くって言っただろ?」
「あ……そういえばそうだった……ごめん」
水守は本当に忘れていたようだ。
(解離性の健忘、だな)
人はあまりに哀しい出来事が起こると、それを忘れようとする。自分以外の誰かがそれを体験したのだと思いこみ、その”自分”を押しこめる。それにより直接それと関係のないことまでも忘れてしまったり、忘れやすくなってしまったりすることがあるのだ。
「しっかりしろ水守! キミがそんなんじゃ、答えなんて見つけられないぞ」
「答え? 何の答え? 鳥栖さんの死が、きっとすべての答えだったんだよ」
「違うだろ。それは問題で――始まりだ。白鳥くんも亡くなった以上、これはもう事故ではない。必ず犯人はいる。俺たちはそれを、見つけなければならないんだぞ。俺たちが見つけて、他の誰にも干渉させない」
「干渉……?」
俺は既に、カウンセリングに入っていた。
「ああ。鳥栖さんはそれを嫌がっていたんだろ? ならそれから守ってあげなくちゃダメじゃないか」
「――私が、鳥栖さんを守れるの?」
「望みは叶えられるぞ。キミが望むなら」
「とりあえず、これを見てくれ」
俺はジャケットからあの紙を取り出すと、水守に手渡した。水守はなんとか冷静を取り戻していて、その紙を受け取って広げた。
「……何これ? も屋?」
その声だけで、何も知らないのだということが窺えた。
(鳥栖とは関係がないのか……)
「今朝草間興信所に届けられたらしい。タイミングからして、あの事件に関係があるんじゃないかと皆睨んでる」
「そっかー。でもこれ、本物じゃないんだよね?」
「ああ、FAXで送ってもらった。――あ」
水守が何故それを確認したのか、気づいた。
「サイコメトリーか」
「そうそう。犯人に意味を聞くのが、早いんじゃないの?」
「だな。届けたのが誰かなんていう問題じゃないな」
意味がわからなければ、繋がりもわからない。
2人して笑っているとふと、水守が思いがけないことを口にした。
「――あ、でも。もしそれが白鳥さんの遺書だったりしたら、もう訊けないよね」
「!」
突拍子もない推理だったが、話としては面白い。
(鳥栖が死んだのも朝)
そして今回白鳥が死んだのも朝。死亡推定時刻も同じくらいだとしたら、白鳥が死んだのも7時から8時の間ということになる。
(それより前に紙を届けることは――可能だ)
「いいところに気づいたな、水守くん」
「だてに色んなコト首つっこんでいないでしょ?」
「自分で言うな」
また笑った。
(いい雰囲気だ)
これなら大丈夫だろうと思って、俺は口にする。
「鑑賞城へ行こうか」
水守は笑ったまま。
「何をしに?」
「答えを、確かめるために」
■隠された扉【鑑賞城:大階段】
さすがに死体が見つかった当日だけあって、鑑賞城の中にはうようよと人がいた。もちろんほとんどが、警察の関係者だ。
「入れないかと思いましたよ」
水守が、城門前で騒いでいた俺たちを中に入れてくれた影山に声をかけた。
「お前たちも相当物好きだな。なにもこんな時に来なくてもいいものを」
「こんな時だから、来たんですよ」
厭味を気にせず返すと、影山は少し笑って。
「疑われているぞ? 鳥栖の知人だからという理由だけで、入れたわけではあるまい」
そう、警官に俺たちのことを説明したのは影山だが、入ることを許可したのは警察の方だ。それも、あとで話を聞かせるという条件つきで。
「自分たちが何もしていないことは、自分たちがよく知っていますから。心配はご無用ですよ」
水守が微笑んで返すと、影山は「ふん」と鼻を鳴らして1人どこかへ行ってしまった。
「やるじゃないか」
「これから戒那くんに負担をかけるわけだから、これくらいはね」
目的の階段にも、人の山。
「さすがに下の方は無理か」
「でも戒那くん、落ちた原因を見るなら上じゃないと意味ないよね?」
「確かに――そうだな。上に行こう」
そうして3階まで、足元に気をつけてゆっくりと上がってゆく。
3階に着くと、鳥栖の部屋以外にもう1部屋ドアの開いている部屋があった。きっとそこが白鳥の部屋なのだろう。そちらも入れそうにない。
(――やるか)
俺は視線を手すりに戻して、それのいちばん高い部分に触れた。
(記憶を)
キミの見た記憶を。
(どうか俺に、教えてくれ――)
きつく目を閉じた。
脳裏に同じ世界が、浮かび上がる。
時を隔てた、同じ場所が。
(! 影山か……)
もっともこの階段を多く使っているのは影山のようだった。全員の食事をそれぞれの部屋のドアの前まで運んでいるらしい。そして食べ終わったあとその食器を下げに来ている。
(なるほど)
確かにおかしい話だ。
影山がこれまでずっとこんなことを続けていたというならば、階段から落ちたのが影山でなければ不自然なのだ。
(お)
時折影山以外の見覚えのない人物が見えた。きっと三清たちだろう。彼らが部屋から出るのはほとんどが夜のようで。
(影山たちに会わないようにしているのか?)
実際奇里だって近頃は全然会っていないと言っていた。
(――それにしても)
あの場面が、訪れない。時折警察の姿も見えるから、決まった瞬間しか見えていないわけではないと思うのだが……。
(あれ?)
一瞬おかしなものが、見えた気がした。
途端に集中力が途切れる。
(! 長時間やりすぎたか……)
目的のものが現れないもんだから、少々無理をしてしまった。
「わー、戒那くんっ」
ふらりと階段側に傾いた俺を、水守の細い手が支えた。手は細くともさすがに男だ。俺はあっさりと引き戻される。
「ごめんごめん。ありがと」
「……やっぱり気持ち悪いものが見えたの?」
心配そうな水守の顔に、少し申し訳ない気分になる。
「いや――見えなかった」
「え?! それって、落ちたのがここからじゃないってこと?」
「その可能性もある、ということだな」
答えながら、俺の視線は階段を上がりきった正面の所にある大きなタペストリーに向いていた。不自然なくらい、大きい。
「? そのタペストリーがどうかしたの?」
水守の問いには答えず、俺はタペストリーを挟むように置いてある観葉植物をよけて、タペストリーを捲ってみた。
「!」
「え……ドア?!」
その後ろにはドアがあった。最後にチラリと見えた、映像のとおりに。
「――そこはルート様の部屋だ」
振り返るまでもなく、影山の声。
「ルート様が亡くなった時からずっと、隠されている」
「入っても、構いませんか?」
「何もないがな」
「ふっ」と笑ったが、ダメとは言わなかった。俺はタペストリーを捲り上げたまま、ノブに手を伸ばす。捻ると、何の抵抗もなくドアは開いた。俺が入り、代わりに水守がタペストリーを抑える。水守が入ろうとすると、今度は影山がそれを抑えてくれた。
「なんだ、鳥栖さんの部屋とずいぶん違うな」
同じ感想を、水守がもらした。
(ホントに……)
鳥栖の部屋は本とパソコンしかなかった。他人を大きく拒む部屋。しかしここは違う。まるでどこかの社長室のように、来客用の大きなソファとテーブルがある。そして他人の目を楽しませるための装飾品の数々。
「干渉嫌いとは無縁の部屋だな」
あまりに違いすぎて、別の意味で呆れた。
「本棚に本がいっぱいだ。本好きはルートさんの影響だったのかな」
本棚に近づいた水守が呟く。
部屋の中はよく片付いていて、目に付くようなものはなかった。
「ルート様が消えただけの部屋だ。当時から何も変わっていない」
ドアのところから影山が告げた。
「誰も入っていない?」
「――私だけは、掃除のために時々入っている」
(だからこのドアが)
開いているのが見えたのか。
それから少しその部屋の中を調べてみたが、不審なものは何もなかった……。
■謎の遺言状【清城法律事務所:応接コーナー】
「ルート様は、自分の子供たちに1つの遺言を残した。私はそれが何であったのかは知らない。奇里からも聞いていない」
影山が突然そんなことを言い出したのは、俺たちがルート氏の部屋を出ようとした時だった。
「内容が気になるなら、弁護士に会ってみるといい。役に立つのかはわからないがな」
言い方は相変わらず気に入らないが、どこか協力的な態度。
「こう言うのも失礼かもしれないが、今日はやけに協力的なんですね?」
俺が先に厭味を投げると、影山は笑って。
「奇里に釘をさされたからな。――それに、2人も死んだら私とて疑うさ」
「犯人がいると?」
その問いには、答えなかった。
――そんなわけで、俺たちは三清家お抱え弁護士として紹介された清城(きよしろ)弁護士の所に来ている。
「僕はルートさんと、昔から知り合いだったわけではありません。ルートさんが僕の名前を気に入って下さって、僕に仕事を頼んだのです」
思ったよりも若い茶髪の弁護士は、笑顔でそう告げた。
(確かに暗示的だな……)
清城なんて、三清の城を略したみたいな名前だ。ちなみに清城というのはこれで姓名らしい。つまり清(せい)が苗字で城(じょう)が名前だ。それをあえて”きよしろ”と読ませているのは。
「その方が僕の顔に合っているから」
だそうだ。
「僕は確かにルートさんの遺言を預かっていましたし、ルートさんが亡くなった時にはその遺言どおり、三清家の人たちだけにそれを口頭で伝えました。口頭で伝えたのはそれも遺言のうちだったからです。しかし、鳥栖さんの遺言に関しては……」
清城弁護士の声が小さくなる。
「まだ伝えていないんですか?」
「伝えられないのです」
即答した清城弁護士の顔から、笑みが消えていた。
「鳥栖さんは、事故で亡くなった場合と誰かに殺された場合とで、公開する遺書を指定していたのです」
「?!」
「どちらかわからない今はまだ、公開できません」
それは弁護士の瞳だった。
「――じゃあルートさんの方だけで構いません。何が書いてあったか、教えていただけませんか?」
すがるような瞳で頼んだのは水守だ。すると意外にもあっさりと、清城弁護士は頷いた。
「構いませんよ。もうあれから10年も経っていますし――何せ内容の、意味がわかりませんから」
「え?」
「きっと三清の者にしかわからない内容なのでしょう。ですから聞いても問題ないと思うんです。では取ってきますね」
立ち上がった清城弁護士はどこかへと向かった。その隙に、俺と水守は顔を合わせる。
「三清にしかわからない、か」
「もしかしたら”も屋”も、そういうたぐいのものだったりして」
今日の水守はなんだか鋭い。
「! 可能性はあるな。影山さんには見せるの忘れたが」
「あの部屋のせいで、それどころじゃなかったからね」
そう、そこまで気が回らなかった。
「――お待たせしました」
戻ってきた清城弁護士の手には、1通の封筒が握られている。その中から1枚の紙を取り出すと、テーブルの上を滑らせて俺たちに見せた。
その紙には――
Hortが欲しければ Nibelungenを倒せ
「…………」
確かに意味がわからない。
「このHort(ホルト)というのは、独和辞典を引いてみたら”黄金”とか”宝”のことでしてね。多分遺産のことだと思うんですけど」
清城弁護士の推理に、聞き忘れていたことを思い出した。
「そういえばルート氏の遺産って、一体どれくらいあるんですか?」
「今はそれほど多くありませんよ。この10年の間は減っていくばかりですし。大学生2人の授業料なども遺産から出ているんです」
「今は誰のものに?」
「全員に平等にという話でしたので、鳥栖さんと白鳥さんが亡くなったことで、残りの方でまた分け合うことになりますね」
「なるほど」
俺が清城弁護士と問答をしている間、水守は本棚から失敬した独和辞典を片手に何かを調べていた。きっとNibelungenの方だろう。探し終えるのを待っていると。
「――あ」
「あったか?」
「うん。ニーベルング族のことで、”黄金の宝を所有するドイツ伝説の小人族”だって」
「!」
「あと、1つ思い出したよ。ワーグナーの楽劇にさ、『ニーベルングの指環』っていう全部を上演するのに15時間もかかる凄い作品があるんだ」
「15時間?!」
いくらなんでも、それは長すぎる。タイトルを聞いたことはあったが、そこまで長いものだとは知らなかった。
「昔それを1日で見せられたって、鳥栖さんがぼやいてたのを聞いたことがあるよ。その作品とも関係があるのかもしれないね」
(黄金を守る小人の物語?)
その黄金が欲しいなら、小人を倒せばいい?
「――ちょっと待て。その理屈でいくと、遺産が欲しいなら遺産を持っている奴を倒せってことにならないか?」
「!」
水守どころか、清城弁護士までも息を呑んだ。
「だとしたらこの事件は……」
(三清たちの殺し合い……?!)
「そんなの――そんなのありえないよ」
最後まで言えなかった俺の言葉を、きっぱりと否定したのはやはり水守だ。
「三清たちを見てよ。――ごめん、まだ一度も見てなかったね」
「おい」
「わかってる、冗談じゃないんだよ。三清の人たちが遺産なんて……お金なんて欲しがっていると思う?」
「! 言われてみればそうだな……」
そんな様子は微塵も見えない。そのためなんかに殺人などしないだろう。だいいちお金がほしいなら、いくらでも稼ぐ方法はあるはずなのだ。干渉嫌いさえなおせば。
「驚かせないで下さいよ、お2人とも」
清城弁護士が長い息を吐いた。もしそれで殺人が起こっていたとしたら。たとえ清城弁護士に直接的な原因がなかったとしても、いい気はしないだろう。
「この遺言を聞いた時の、皆さんの様子はどうだったんですか?」
「どうもこうもありませんよ。皆さん事前にそのフレーズは知っていたようでしたから。それが遺言だとは知らなかったようですが」
「! じゃあ既に説明がされていたということですか?」
水守の問いに、清城弁護士は頷く。
「そうなりますね」
■鎖された部屋【鑑賞城:ルートの部屋前】
翌日再び、俺と水守は鑑賞城へと向かった。
(今日ならきっと)
昨日よりは警官も減っていることだろう。昨日見れなかった白鳥の部屋も見てみたい。
そんな思惑で行ったのだが、着いてみるとなにやら騒がしい。
「……何だろアレ……」
目の前を、斧を持って走る女性が通った。
(あれは松浦だ)
俺はサイコメトリーの映像で見ていたからわかった。
とりあえず彼女について走っていくと、階段の下で影山が待ち構えているのが見えた。
「持ってきたわよ〜影やん。まったく、乙女にこんな重労働させないでよ!」
「お前が自分の好きな場所に持っていくからだろう? ……それより、後のは何だ」
「え?」
振り返った松浦は、そこでやっと俺たちに気づく。
「いつの間に……何よ、あんたたち」
「ずいぶんと騒がしいが、何かあったのか?」
松浦を無視して影山に問い掛けると、影山は意外なことを口にした。
「――ルート様の部屋に鍵がかけられている」
「え?!」
「内側からしか、掛けられない鍵だ。貸せ、松浦」
影山は言い終わると、松浦から斧を奪って階段を駆け上がっていった。
俺と水守はすかさず後を追い、ワンテンポ遅れて松浦も追ってくる。
「ちょっと待ちなさいよ〜」
ドタバタと必要以上に音を立てる階段に、3階の何人かがこちらを向いた。
「! 戒那さんと水守さん……」
誰かが俺たちの名を呼ぶ。見ると3階の顔ぶれは、昨日とまったく同じようだ。
俺は3階にたどり着くと。
「ルート氏の部屋に鍵がかかってるって?!」
すぐにドアに駆け寄りノブに手をかけた。勢いよくそれを回そうとするが、回らない。
(昨日のようには)
いかない。
「……! どうして……昨日は鍵なんて……」
「さがってくれ。これでドアを破る」
影山が前へ出ると、皆少しずつドアから離れた。タペストリーは邪魔なので取り払ってしまう。
影山は意を決したように、大きく斧を振り下ろした。その音につられるように、下から数人の警官も何事かと顔を出す。
何度か斧を振り下ろすと、ノブの脇に小さな穴ができた。影山は斧を松浦に手渡すと、その穴から手を差し入れ、鍵を外そうと試みる。
――カチリ
簡単に、鍵の外れる音がした。
穴から手を抜いて、今度は外側からノブを握る。
「気をつけた方がいい。誰かがいるかもしれない」
俺の忠告に、影山は無言で頷いた。
少し軋んだ音を立てて、ドアは開かれる。
■残されたもの【鑑賞城:ルートの部屋】
足を踏み入れたルート氏の部屋には、誰もいなかった。
(何も変わっていない)
机を見るまでは、そう思った。
「ルートさんが干渉嫌いじゃなかったって、部屋を見れば丸わかりですね」
海原・みなも(うなばら・みなも)が発した言葉に、セレスティ・カーニンガムが頷いて応える。
「応接用のソファとテーブル……それに来客を楽しませるための装飾品の数々。まるでどこかの社長室のようですね」
「……そっか、この部屋は防音加工されてないんだ。だからドアに簡単に穴開けられたんだねー」
キョロキョロと部屋を見回していた瀬川・蓮(せがわ・れん)は、そう納得した。
物珍しそうに部屋を眺める皆とは対照的に、俺たちは机の上を見つめ、そこから一歩も動けなくなっていた。
そんな俺たちの様子に、気づいた影山が声をかける。
「どうした?」
机の上の一冊の本に、皆の視線が集まる。
俺はゆっくりと、唇を動かした。
「――昨日はこんな本、なかったんだ」
「?!」
水守がその本を手にとって、ぺらぺらとめくった。ページの間から1枚の紙が落ちる。
「!」
まるでそこだけスローモーションのように、ゆっくりと、ゆっくりと。
その紙は、俺たちに何かを主張するように。文字をこちらに向けて着地した。
水守の手から、本が落ちる。
「ど、どうして……?!」
俺はそんな声すら出なかった。
(信じられない――)
何故”これ”がここにあるんだ。
”これ”の意味は一体……?
それを知るために、俺は影山に告げた。
「奇里くんを……呼んできていただけませんか?」
「何故だ? その紙と関係があるのか?」
俺は頷く。何故なら紙の内容は――
「”Hortが欲しければ Nibelungenを倒せ”――これはルート氏が亡くなった際に”三清”にのみ明かされた、ルート氏の遺言です」
「な……っ」
「しかも清城弁護士の話によれば、遺言の公開は口頭でのみ行われた。よってこの紙を、誰かが持っているはずはないんだ」
「! ということは、その紙は……」
合いの手を入れたセレスに頷く。
「昨日見たルート氏の筆跡と、まったく同じように見えるよ」
奇里は既に、青ざめた顔をしていた。きっと来る途中に影山から話を聞いたのだろう。
「奇里ちゃん大丈夫?」
松浦が心配そうな顔で奇里を迎えている。
「奇里くん、これはルート氏の筆跡に間違いないね?」
俺がさっきの紙を渡すと、奇里は文字の部分を指でなぞり始めた。それで内容を読み取っているらしい。
やがて。
「――間違いありません。そしてこの内容も……遺言のままです」
「!」
「影山くんは?」
渋い顔をしていたが、それでもこくりと頷いた。
「筆跡は、ルート様と酷似しているようだ」
「では奇里くんに訊こう。この遺言の意味は、一体なんなんだ?」
皆の視線が奇里に集中する。奇里は既に、いつもの冷静さを失っていた。
「知りませんよ! それを聞いた時、私だって困惑したほどです。知りたいならば他の三清に訊いて下さい! 皆に三清であることを隠していた私は1人だけ別の日に聞きました。その遺言を聞いた時彼らがどんな反応をしたのか私は知らない。けれど自分の反応はよく知っている! 清城さんに訊いてみればいいでしょう?!」
「落ち着け、奇里!」
影山さんが宥めるように声をかけた。
しかし俺は、攻撃をやめる気などない。
「訊いたよ。キミは困惑したはずがない。何故ならそのフレーズを、既に知っていたはずだから」
「?!」
「説明されたのでは? 事前にルート氏から」
「違う! それはルート様の口癖だったのですっ。だから私たちは全員知っていた!!」
「それは嘘だ」
「な……っ」
(だって知らなかったから)
「キミは知りませんでしたよね? 影山くん」
俺は影山に振った。
(同じようにルート氏に仕えていた影山)
その影山は、さっきそれを聞いた時何の反応も示さなかった。
「――ああ。私は聞いたことがない」
案の定影山は頷く。
「ちょっと影やんっ」
「でも今は……それ以上の追及を許してくれないか。奇里を休ませたい」
しかし続けた言葉は、奇里を疑うものではなかった。
「影山さん……」
「お前も冷静になれ。私とお前では、最初から立場が違うのだから」
「――すみません」
そうして2人は、部屋を出て行った。
「いいの? 戒那くん」
「仕方ないだろ。ああ言われて続けるわけにはいかない」
水守の言葉に、俺はため息をつきながら返した。
「それに、逃げられるわけじゃないものね」
シュライン・エマが付け足す。
(そう)
きっと逃げられない。
この城からも。ルート氏からも。
だからあの人たちは、皆ここに残っているのだ。
★
「――ところで、紙が挟まってたのは何の本なの?」
気まずい雰囲気を払拭するように問ったのは蓮。一度は床に落とした本を拾っていた水守が、タイトルを読み上げた。
「ええと……『狂王ルートヴィヒ』。ルートヴィヒ2世に関する本ですね」
すると。
「あら、あたしその本読みましたよ」
驚いたことに、みなもがそんなことを口にした。
「えぇ?!」
「一昨日図書館で借りたんです。今回のこと、ルートヴィヒ2世と関わりがあるから、何か役に立つかなーと思って」
「――で、役に立った?」
シュラインが問うと、みなもは少し頭を傾げた。
「うーん……実際のところよくわからないんですけど、何故ルートさんがルートヴィヒ2世を好きになったのか、わかるような気がしました」
「へぇ。2人は似ていたの?」
まったく違う2人では、憧れにはなっても理想にはならない。
案の定俺の問いが的を射ていたようで、みなもは嬉しそうに説明を始める。
「そうなんです! ルートさんは小さい頃に母親を亡くしていて、日本人だった父親について日本に戻って来てからは、本当に窮屈な生活を送っていたようなんです。家はドイツ人と結婚し子供までもうけた父親を恥ずかしく思っていたし、ルートさんもその対象だった。でも子供はルートさんしかいず、後継ぎは自然ルートさんということになって……ルートさんは自由を封じられていながら様々な教育を受けることになったんです」
「そっか。王様の息子――王子なら、最初から自由なんてないし、無理やり教育もさせられるよね」
蓮が同情した面持ちで告げた。
「そう。でもルートヴィヒ2世は、芸術と――ワーグナーと出会うことでそれを乗り越えていった。戦争を嫌い、それはもうやりすぎなくらい芸術の振興に力を注いだんです。国庫のお金を使い切ってしまうほど」
「――それっていい話なの?」
呆れたように口を挟んだのは、残って話を聞いていた松浦だ。それにセレスが返す。
「そうやって造った数々の城も劇場も、今ではドイツの観光産業を支える大きな目玉になっているんですよ。それらは現在のドイツに、莫大な収益をもたらしている」
「だからこそ今もなお、ドイツの人々に愛されているんです。ルートさんはきっと幼い頃の境遇を重ねて、自分もそんな存在になれたらと思ったんじゃないでしょうか」
みなもはそう終えた。
(そう……彼は夢を見たのだ)
同じような過去を持つ2人は、同じようになれるのだと。
(同じように)
なろうとした。
むしろそれを、超えようと――?
(この部屋で)
俺たちはよりルート氏に近づいたのかもしれない。
「――なんだ、まだここにいたのか」
不意にドアから影山が顔を出した。奇里をおいて1人で戻ってきたようだ。
「白鳥の部屋を見るなら見れるが……どうする?」
「もちろん見ますよ」
シュラインは即答した。
そうしてぞろぞろと、ルート氏の部屋を出る。
「――あれ? この鍵……」
ドアを通る時、蓮のそんな声があがった。
「ああ、だから中に人がいなくても鍵をかけれたんだ」
「?」
昨日は気づかなかったが、内側のノブにはなにやら小さなボタンのようなものがついていた。
「きっとこれを押すと、ノブが回らなくなるんだよ。それでそのまま部屋の外に出てドアを閉めれば、さっきの状況になるよね?」
「それが正解だ、ボウ――蓮。以前は鍵などつけていなかったのだが、亡くなる直前にルート様の希望で私が取り付けた鍵だ。取り付けたと言ってもノブ自体を取り替えただけだがな」
■絶え間なく襲う謎【鑑賞城:白鳥の部屋】
白鳥の部屋は、鳥栖の部屋と酷似していた。――いや、本の数は全然少ないのだが、パソコンと本以外他には何もない。
「やっぱりSOHO系の本が多いわね」
本棚を眺めていたシュラインが呟く。
「こういう本って、全部ネット通販なんですか?」
みなもが訊ねると、影山さんは。
「まぁ大体はそうだが、たまに頼まれて私が買いに行くこともある」
「――そういえば」
白鳥のパソコンを眺めていた水守が、思い出したように口を開いた。
「鳥栖さんのパソコンの中身って、警察が持っていったままでしたよね? 何か残っていたんですか?」
問われて影山も、思い出したようだ。
「ああ……いや、中身はまっさらだったそうだ」
「まっさら?」
「私はパソコンに詳しくないのでな。よくわからないのだが、何も残っていなかったと。白鳥のパソコンも同様で、だからそれの中身はそのままだぞ」
「!」
言われて水守は、パソコンの電源を入れた。もどかしい数秒間が過ぎ、立ち上がった画面は――
「……ご丁寧に再セットアップされてる……」
つまりは何も、残っていないのだ。
「目的は情報だったんでしょうか……」
セレスが呟く。次から次と、変わってゆく状況。
(白鳥のパソコンと同様だったってことは)
「鳥栖氏のパソコンも再セットアップされていたというわけか」
「でも……再セットアップって簡単に言うけど、あれって結構面倒な作業よね。もし情報を奪ったのだとしても、わざわざそんなことするかしら」
俺の言葉にシュラインが続けた。
(確かに不自然なんだ)
盗みに入った者が、そんな面倒なことをするだろうか。
(そんな馬鹿げた考えよりむしろ)
「……自殺をする人って、自分の身の周りを片付けたりしますよね……」
「!」
みなもが口にした言葉は、俺が考えていたことと同じだった。
(そうむしろ)
自分の意思でやったという方が、まだ信じられるのだ。
皆が皆の、顔を見合う。
静寂が部屋を包んだ。
(――やるしかない)
「サイコメトリー、してみるか」
誰の言葉も待たず、パソコンに触れた。
ゆっくりと目を閉じる。
(このパソコンは)
一体何を見たのだろう――
しばらく脳裏に像を映していた俺だったが、やがて手を離した長い息を1つ吐いた。
「――このパソコンに触ったのは、おそらく白鳥しかいないだろう」
白鳥の姿しか見えなかった。
「じゃあ!」
「だがこうも考えられる。2人のパソコンが同時期に厄介なウィルスに感染したため、再セットアップせざるを得なかった」
事実が見えても答えが1つとは、限らない。
「あ……っ」
「なにやら慌てていた様子が見えたから、こちらの方が信憑性が高いように思う」
それはある意味、初めてもたらされた答えだった。
■絶対に解けない【鑑賞城:応接間】
応接間へ行くと、先ほどよりもずいぶんと落ち着いた感じの奇里が待っていた。
俺たちを前に、もう一度同じ言葉をくり返す。
「私は――本当に知りません。あのフレーズがルート様の口癖であったということは本当なのです。おそらくルート様は、”三清”の前でだけそれを口にしていたのでしょう」
「だがそれは、口癖とは言わないだろう? それがもし本当であるのなら、ルート氏はあえてそれを”聞かせている”ように思える。キミたちだけに」
隙のありすぎる奇里の証言に、俺は攻める手を緩めなかった。
「ですが――」
「その人の言ってることは本当よ」
「?!」
不意に聞いたことのない声が割りこむ。振り返ると、戸口に人が立っていた。
女性だ。
「わたしにはわかるもの。本当よ」
もう一度くり返す。
「絵瑠咲……?!」
名を呼んだのは影山。
(あれが絵瑠咲?)
絵瑠咲はそこから動かない。口だけが、切り離されたように動いていた。
「でもあなたたちには、絶対わからないわね」
クスクスと笑う。
「絶対に解けないわ」
そこからはとまらなかった。
「真実を知っても、絶対に解けない」
「この事件の犯人は、ルートヴィヒ2世よ」
「彼が殺している」
「おじい様も、お父様も、皆」
「皆同じなんだもの」
「同じ場所を目指しているから」
「誰も逆らえないのよ」
「――あ」
「喋らないで!」
声を発しようとしたシュラインを、蓮が言葉でとめた。
「問いかけちゃダメだよ。問われるのを待たなきゃ」
その言葉に、「干渉するのは構わない」と言っていたのを思い出す。
すると絵瑠咲は、にこりと笑った。
「ねぇ蓮くん。今度ゆっくりとお話をしましょう? 明日――いえ、明後日がいいわ。また来てね?」
蓮の名前を知っていたのか、絵瑠咲がそんなことを告げた。蓮は頷き。
「わかったよ」
返事だけ返す。
「子供同士、話をしましょう」
子供とは思えない声で、笑みで、蓮を誘う。
「ずっと子供でいたいと、願う者同士、ね」
そう言い残すと、絵瑠咲は戸口から離れた。
「絵瑠咲さん!」
水守が部屋の外まで追っていく。けれどすぐに諦めて戻ってきた。
「自分の部屋に戻ったみたい」
「――蓮くんを誘うために来たのかしら」
シュラインが発した言葉に、蓮がピクリと震える。
「明後日、ね。何が起こるんだ? 3日前に死んで昨日死んで、もし明日また人が死ぬなら……その後、ということになるが」
俺がわざとそんな言葉を選ぶと、影山はキッと顔を上げて。
「物騒なことを言わないでもらおう。今夜は警察も何人か残ることになっている」
「それなら安心ですね」
胸を撫で下ろすように、みなもが呟く。
「……蓮くん? どうしたんですか?」
セレスが声をかけた。蓮は先ほどから俯いたまま。セレスはその沈んだ感情を敏感に読み取ったのだろう。
「――多分」
蓮はゆっくりと口を開く。
「あの人は……人の心が読めるよ」
■終【狂いし王の遺言 =転=】
■登場人物【この物語に登場した人物の一覧:先着順】
番号|PC名 |属|年齢
職業|
1252|海原・みなも |女|13
|中学生
1883|セレスティ・カーニンガム|男|725
|財閥総帥・占い師・水霊使い
1790|瀬川・蓮 |男|13
|ストリートキッド(デビルサモナー)
0086|シュライン・エマ |女|26
|翻訳家&幽霊作家+時々草間興信所でバイト
0121|羽柴・戒那 |女|35
|大学助教授
※NPC:水守・未散(フリーライター。実は超絶若作り(?)の56歳)
■ライター通信【伊塚和水より】
この度は≪狂いし王の遺言 =転=≫へのご参加ありがとうございました。
やっとこさ無事に2日目・3日目の捜査を終えることができました。重ねて、ありがとうございます^^
今回の調査でそれぞれのPC様が入手した情報は、各ノベルを見ていただくか、次回オープニングで確認することができます。物語をより深く楽しんでいただけると思いますので、よろしければご覧下さいませ。
さて羽柴・戒那様。未散くんのお守り、お疲れ様です(笑)。そしてサイコメトリーも。それだけで事件が解決してしまわないよう話を組み立てることによって、私にも想像のつかなかった深いお話になっていくのがとても楽しいです。今後ともバリバリ使わせていただきますよー。
それでは、またお会いできることを願って……。
伊塚和水 拝
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