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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


retaliation

***オープニング***

この所、妙な事故が続いている。
そして、草間はその事故を悉く目にしていた。
鳴り響くクラクションと急ブレーキ、悲鳴。
突然ざわめき始めた雑踏で、草間はふと顔を上げる。
「……また、か?」
角にある自販機で煙草を買ったところだ。
小銭をポケットに押し込みながら首を回すと、人だかり。
少し背伸びをして覗き込む。
買い物袋を道路に投げ出した主婦が、しきりに誰かに背中を押されたのだと訴えている。
幸い、車とぶつかってしまった訳ではなさそうだ。
「これで6件目か?」
この数日で目撃した事故を、草間は頭の中で数える。
6日前に、歩道橋の階段から転げ落ちた子供。
誰かに足を引っかけられたのだと泣きながら言った。
5日前に、自転車で転んだ学生。
タイヤに何かが引っかかったのだと訴えたが、何も見当たらなかった。
同じ日に、地下鉄の構内で線路に突き落とされた中年男性。
こちらも誰かに背中を押されたと訴えた。
3日前には、乳母車毎連れ出された赤ん坊の首に縄が絡まった状態で発見された。
幸い命に別状はなかったが、首に少し傷が残った。
買い物中の主婦が少し目を離した隙の出来事だ。
2日前、公園で昼寝をしていた老人の頭にナイロン袋が被せられ、ガムテープでぐるぐる巻きにされた。
目覚めて懸命に抵抗したが、抗えなかったと老人は言った。
しかし、日曜日の賑わう公園で、犯人らしい人物はどうしても見付からなかった。
そして、今日。
怪我はなさそうだが念の為にと救急車で運ばれていく主婦。
「一体、何なんだ……?」
見送って、草間はふと視界の隅に入った小さな影に視線を移動させる。
子供が1人、笑っていた。
憎悪に満ちた目で、笑いながら救急車を見送っていた。


**********


「天狗の妖具の仕業じゃなさそーだが、これはこれで面白そうな話じゃねェか」
「ええ、面白そうな事件ですね」
草間の前に立って笑みを浮かべる2人、天波慎霰とラスイル・ライトウェイに草間はそっと溜息を付いた。
「面白そう、か……?」
言いながら、煙を吐き出す。あんな目の子供を見た後では、何だかあまり旨くない。
「有力な目撃情報は子供か。行動そのものはガキそのものとはいえ、ガキの悪戯の域を出ているものもある」
「うん、その草間の言う、憎悪の目の子供……ナニモノだろう」
応接椅子に座って煙草を吸う真名神慶悟の言葉に頷く慎霰。
「何だかね、武彦さんがこの所目撃してる事故からふと連想したのが動物の虐待…と言うか、事故というか…そういう事柄ね」
草間と他の3人にコーヒーを差し出しつつ、シュライン・エマ。
「動物の虐待?」
「ええ。この所の事故は大事にはなってないけれど動物達だとかなり酷い事になってそう。武彦さんが見た子供は、そんな動物達の残された子供や意識とか?」
何の根拠もないのだけれど……と苦笑してから、シュラインは自分のコーヒーに手を付ける。
「しかし、被害者を殺しきれないのは詰めが甘いのか、それとも殺すほどの覚悟がないのか……」
確かに、草間が目撃した6件の事件では、1人として死者がいない。階段にしろ道路にしろ線路にしろ、一歩間違えば確実に命を落とす可能性のある場所だ。そこにおいて、誰もが怪我だけで済んでいるのは一体何故なのか。
「……まぁそれはさておき、狙われているのは一体誰でしょう?被害に遭われた方々か、それとも現場を目撃している草間さん?」
「そうねぇ。何故悉く武彦さんが目撃しちゃってるのかしら?6日前に何かあった?」
2人揃って首を傾げるラスイルとシュライン。
「余程日頃の行いが悪いんだろう」
ボソリと呟いて慶悟は煙草をもみ消す。
「……と言うのは冗談で。動物の仕業にしろ霊の仕業にしろ、相手が子供ならそれを諌めるのは大人の仕事だ。死人が出ても困る」
「お前が調査してくれるのか?」
草間の質問に慶悟は頷いた。
「ああ、勿論報酬はがっちり貰う」
「俺も手伝うぜ。面白そうだからな」
にこりと笑って見せる慎霰。
「そんな現場ばかり見ていては草間さんも気分がいい筈ないですし。手伝いましょう」
こちらもにこりと笑うラスイル。
「それじゃ、早速調査を始めましょ」
言って、シュラインはまず事故現場を見る為に地図を取り出した。


*****


草間から聞き出した事故現場を順に回るところから調査は始まった。
子供の出現場所に法則性がないかどうかが分かれば、多少行動範囲を特定出来るのではないかと言う慶悟の言葉で、草間から詳しく話を聞こうとしたのだが、実際草間が子供を見たのは今日、ついさっきの事故の現場だけだ。
「まぁ、取り敢えず全ての事故がその子供が原因だとして、」
と前置きして慶悟は言う。
「出現情報にとりとめがない分、既にこの世の者ではないかもしれない。何かに対して不満を残し、こういった行動に出ているのかも知れない」
「歩道橋は、あの南の方のですね?自転車で転んのは商店街の近く、赤ん坊が連れ去られたのはスーパー、見付かったのは近くの神社、今日はすぐそこ……」
駅に公園に……と指折り数えるラスイル。たしかに出現場所にとりとめがない。
「ああ、でも商店街の近くなんだな、全部」
事故現場に×印をつけた地図を指して、慎霰。
「あら、本当ね」
シュラインが頷く。確かに、×印は商店街の付近に記されている。
「商店街で聞き込みでもしてみるか?霊とかそう言う存在なら、バイクでその辺ひとっ走り見てくるぜ?」
「そうねぇ……、取り敢えずは事故現場を全部回って見てみたいわね。その道中で、もしかしたら子供に遭遇出来るかも知れないし……」
地道な調査だがどうかと目で尋ねるシュライン。
ふと、ラスイルが口を開いた。
「草間さんと子供は全く面識がないそうですね。被害に遭われた方達に共通点はないのでしょうか?」
子供と学生と中年男性と赤ん坊、老人、主婦。
この6人と犯人と思われる子供。
「そうか……そうだな、全く接点がないとは言い切れないな」
少し考え込む慶悟。
「現場近くに行ったらその被害者を知ってる人がいるんじゃねぇか?話を聞いてみよう」
取り敢えず、動かなければ調査にならない。
4人は順番に現場を歩いて回る。
途中、慶悟は事故の現場と通りから死角になる場所に式神を配した。
これで、4人が通り過ぎた後に何か起こってもすぐに分かる。
歩道橋、商店街、地下鉄の構内と回りながら、慎霰と慶悟が霊視をし、シュラインとラスイルが目撃者から話しを聞く。
事故を知っている者は多かったが、本人を知る者がすくなく、子供と被害者との接点は掴めない。
最近起こった子供の死亡事故や妙な事件、事故現場付近で起こった動物虐待の話も聞いてみたが、生憎それらしい話は聞こえてこなかった。
人に影響を及ぼしそうな霊の類は数え切れない程いたが、今回の事故に関係する子供らしい姿は見当たらない。
「野犬ですか?」
と、シュラインが声を上げたのは3日前スーパーから連れ去られた赤ん坊が発見された神社。
偶然外を掃除していた神主に話しを聞くことが出来たのだが……。
「その母親が通報したのか?」
神主は事故現場で妙な子供は見かけなかったと言った。しかし、シュラインが動物虐待の話を切り出すと、すぐに最近野犬狩りがあった事を思い出した。
攫われた赤ん坊とその母親はすぐ近くのマンションに住んでいる。
神主の娘夫婦が同じマンションに住んでおり、安産の祈願に訪れ、その後お宮参りに来た事もあり、よく知っているのだとか。
野犬と言っても、やせ細った野良犬が2〜3匹、餌を求めて彷徨っていた。
初めは水を掛けて追い払っていたが、キリがなく、保健所に通報したのだと。
「この当たりには動物が沢山いるのですか?そう言った、野良犬や野良猫の類が?」
ラスイルの質問に、神主は頷く。
野良犬や野良猫どころか、神社の境内には捨てられた兎が住み着いているし、近くの公園の池にはこれまた捨てられたカメが住み着いている。
「虐待の話も?」
慶悟が尋ねると、神主は再び頷く。
溜息をついて、慎霰はシュラインを見た。
「おまえの言う通り、もしかしたら本当に犯人は動物なのかもな」
「しかし姿は子供ですよ?動物が子供の姿で悪さをしていると?」
ラスイルが言うと、慶悟が頷く。
「ああ、そう言う事もある。しかし、もしかすると相手は1人じゃないのか……」
「似たような子供が沢山いるって事?」
「そうかも知れないし、もしかしたら複数の意識が一つになって子供の形状を取っているのかも知れない」
小さく溜息をついて、慶悟は続けた。
「本当に動物の仕業だとしたら……これは結構手強いかも知れない。畜生霊ってのはしつこいからな」
「6度目があったと言う事は7度目があってもおかしくありませんから……出来るだけ早くその子供を見つけだした方が良さそうですね。今は、まだ生命の危険にまでは至っていませんが、もしかするとこの次は……」
「あり得ねぇ話じゃねぇからな。よし、急ごう」
公園と興信所近くの自動販売機の場所を回って更に詳しい目撃情報を集める。
同時に他の被害者と子供或いは動物との接点を調べる。
「でも……本来悪い事するような子じゃないんじゃないかな……」
出来る事なら、怒りを和らげてあげたいと、シュラインは呟いた。

神社を後にして、4人は公園へ向かう。老人が被害にあった場所であり、さっき神主が言っていた池にカメが住み着いているところだ。
しかしこちらは誰かに話を聞こうにも夕暮れ近い時刻柄、人影がない。
「ここで老人をぐるぐる巻きに……凄い霊力だな。まさか、天狗じゃねェだろうな」
ベンチの前に立って、慎霰が苦笑する。
その間にも慶悟が2つの出入り口と中央付近に式神を配す。
「近所の方に話を伺ってみますか、それとも先に今日の事故現場に行きますか?」
北出口から出れば事故現場ですが……とラスイルが指差す。
「そうねぇ……どうしましょ……」
と、頬に手を当ててシュラインが口を開いた時。
何か堅い物が割れる音と共に悲鳴が起こった。
北出口の反対……、南出口の方から。
「何だ?事故か?」
慶悟が口を開くと同時に、式神が反応を示す。
「どうやら7件目の事故みたいだな」
慶悟の言葉に頷いて、慎霰がいち早く南出口へ向かう。
公園を出るとすぐ隣にマンションがある。
そのマンションの1階に人だかりが。
近くの人に事故の内容を聞き出し、すぐ側のマンションから落下した植木鉢が歩行中の人の頭に当たったのだと分かった。
「式神が反応してるって事は、子供が近くにいるって事でしょう?」
シュラインの言葉に慶悟は頷き、周囲に視線を走らせた。
そして。
「アイツだ!」
慶悟は人混みの中を指差した。
そこに、子供が立っていた。
ショートヘアに黒い洋服。
10歳程度の少女が、怪我人とそれを取り囲む人々に冷たい視線を向け口の端に笑みを浮かべている。
とても人の生死に関わる事故を目撃したとは思えない楽しげな目。
その子供が、突然人混みに消えた。
「追い掛けましょう!」
言って、ラスイルが走り出す。
シュラインと慶悟、慎霰も慌てて後を追った。


*****


人混みに子供の影を探しながら慶悟は公園内に配していた式神を急遽移動させる。
そして新たな式神にも命令を下す。
「ああ、クソッ、何だってこんなに人ばかりいるんだよ!」
人の波に逆らって進む慎霰が苛立たしげにぼやく。
「仕方ないわよ、丁度そう言う時間帯なんだもの」
「本当に、悪い時間帯に遭遇してしまいましたね」
応えて溜息を付くシュラインとラスイル。
「式神にも追わせている。配置も少し変えたから……すぐ捕まるだろう」
と、慶悟が口を開いたその時。
「あれ?慎霰?」
「あ、シュラインさん達も……!」
背後から自分達を名指しする人が。
「あら、どうしたのこんなところで?武彦さんまで……」
草間と海原みなも、真迫奏子、伍宮春華だ。
「どうしたもこうしたも、草間さんが見たって言う子供を捜してるの」
肩で息を付きつつ、奏子。
「今、そこで見かけて追い掛けてるところなんだ」
「ああ、俺達もそうさ」
春華と慎霰の言葉に、ラスイルが前方を見る。
「見失ってしまいましたね……、ところで、そちらで何か分かった事は?」
問われて、みなもと奏子、春華、そして草間が首を振る。
関連のありそうな事故を新聞で探し、草間自身が霊に取り憑かれていないか調べ、事故現場を順に子供の姿を探し歩き……今見つけたばかりなのだそうだ。
「それはご苦労様」
言って、シュラインは自分達のおれまでの結果を話す。
虐待された動物の仕業か、或いは何かが理由で亡くなった子供の仕業か……と、被害者と犯人の繋がりも考慮に入れつつ現場付近で聞き込みをし、4番目の事故の被害者(性格にはその母親)が犬を虐めていたと言う情報を得た。
「それじゃ、犯人は動物と言う事ですか?」
「……完全にそうだと言う訳じゃないが……その可能性が高い」
みなもの質問に慎霰が答える、その時。
「見付かったぞ!」
慶悟が声を上げた。
彼の放った式神が子供を捕まえたらしい。
人の間を擦り抜け、式神と子供のいる場所へ急ぐ。
「……この子供が本当に、犯人……?」
古いビルとビルの間の細い道の端に子供がいた。
自分達を見つめる目こそ憎らしげだが、外見はごく普通の何処にでもいる子供だ。
しかし、その口から出る言葉は子供の物とは思えないしゃがれた声だった。
「捕まえに来たのか」
両脇と背後を式神に押さえられて、逃げようとする様子はない。
「7つもの事故を起こしたんだから、捕まえられても仕方がないと思うけど?」
溜息をついて、奏子。
しかし子供は声を立てて笑った。
「いい気味……見ていてとても楽しかった」
「酷い、人が怪我するのが楽しいなんて……、どうして……」
一体どんな理由があってこんな事故を起こし、それを楽しいと感じる事が出来るのか。みなもは少し腹が立っていた。
「……無下に誅しても仕方がない。拠所無い理由あっての事だとは思うが…悪戯は終わりだ。何があったか言え」
慶悟が言うと、子供は口を閉ざした。
言うつもりがないのか、理由などないのか……。前者だった場合には一発殴ってでも喋らせてやろう、とラスイルは心の中で拳を握る。
殴られるだけの事はやったのだから。
しかし、子供はゆっくりと口を開いた。
「人間の命の長さは誰か決める?」
「そ、そりゃあカミサマとかホトケサマとか……じゃねぇのか?」
慎霰が答えると、子供は続けて尋ねた。
「なら、私達の命は?」
「……カミサマとかホトケサマ……でしょうね」
シュラインの答えに子供は首を傾げ、春華に尋ねた。
「運命は誰が決める?それも、カミサマやホトケサマが決めるのか?」
「どうかな……人によって意見が違うだろうけど、命の長さを決めるのが神様や仏様だってんなら、運命もそうじゃないか?」
「それをどうして私達が決めていけない?どうして私達が人間の命を断ってはいけない?人間は簡単に私達の命も運命も決めてしまうではないか。同じ事をして何故私達が責められる?私達は仕返しをしているだけだ」
そこで暫く黙っていたラスイルが口を開く。
「責めてなどいませんよ。理由があるなら聞いて、協力したいとは思いますが……、取り敢えず仕返しは辞めて欲しいですね」
それを子供は鼻で笑った。
「私達に石を投げた人間や、生まれたばかりの私達をゴミと一緒に捨てた人間、私達を傷付けた人間に仕返しをして何が悪い?お前達にその権利があるのか?」
「権利なんて問題じゃないわ」
奏子が言った。
「やられたからやり返して、それで何の問題の解決になるの?自分達を虐げた人間に仕返しをして、それで気が済むの?冗談じゃないわ」
「そうです、仕返しなんてイヤな思いが残るだけじゃないですか。一方的に許して欲しいとは言いませんけど、こんなやり方じゃなくて、もっと他の方法があるんじゃないでしょうか?」
「そうだ、仕返しなんかじゃなくて、別の方法で思いを伝えられないのか?」
みなもの言葉に頷きつつ春華。
「いたずらに手を下したのではいずれ俺達以外の人間に見付かり、消されてしまうだろう」
問答無用で強制的に存在を浄化させる能力を持った人間だって沢山いるのだ。
しかし、慶悟の言葉に子供は首を振る。
「簡単に消せやしない……私が消えても次の私が出てくる。今までの事故は、殺せなかったんじゃない……警告だ。これくらいで済むとは思わない事だ」
人間と動物の主権が交代する事などあり得ない。人間がこの世に存在する限り自分達もまた存在し、何処かで必ず報復するのだ、と子供は言った。
「しかし、全ての人間が悪いと言う訳ではないでしょう。何故良いところは認めて貰えないのです?」
「そうだ。お前達を守って大事にしてる人間だっているじゃないか。そう言う奴らにも報復するのかよ?」
ラスイルと慎霰の言葉に子供は少し笑った。
「5人良い人間がいるから残りの5人も許せと?随分都合の良い話だな」
8人は無言で顔を見合わせた。
決して許しては貰えないのか、と。
もしここでこの子供を浄化すれば人間の身勝手さを強調するに過ぎない。かと言って、人間に害を及ぼす存在を見過ごす訳にはいかない。
「……私達があんた達の為に出来る事はないの……?」
シュラインが口を開く。
子供は8人を見回して再び笑った。
「馬鹿ではないようだ。私の扱いに困っているのだろう?」
「それもあるけれど……」
と、シュラインは素直に求める。
「それもある、でも何か俺達に出来る事ってないのかよ?」
「自分の胸に手を当てて考えてみる事だ」
言って、子供は突然消え失せた。
「え、何……?」
「どうして?」
顔を見合わせるみなもと奏子。
「もしかして、浄化したのですか?自分で?」
「そうらしい……」
「え、マジ?そんな事出来んのかよ?」
「でも突然消えたし……」
逃がしたのもなく、逃げられたのでもなく、強制的に浄化した訳でも分かり合えた訳でもなく、自ら浄化を選んだ子供に、ラスイルと慶悟、そして慎霰と春華は顔を見合わせる。
「……悲しい存在ね……」
シュラインが言った。
人を恨み、仕返しする為だけの存在。
「あたし達に出来る事って、何でしょう?」
みなもは言われた通り胸に手を当てていた。
「そうね……何かしらね……」
隣で奏子も胸に手を当てる。
ついさっきまで確かに子供が立っていた場所を8人は見つめる。
「せめて……せめてあんな悲しい存在をつくりだすきっかけにはならないでおこう」
深い息を吐きながら、草間が言った。




end



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

0086/シュライン・エマ   /女/26/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員
1650/真迫・奏子      /女/20/芸者
0389/真名神・慶悟     /男/20/陰陽師
1252/海原・みなも     /女/13/中学生
1928/天波・慎霰      /男/15/天狗・高校生
1892/伍宮・春華      /男/75/中学生
2070/ラスイル・ライトウェイ/男/34/放浪人

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■         ライター通信          ■
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地方祭を終えてもう1年が終わった気になってる佳楽です、こんにちは。
この度はご利用有り難う御座いました。
10月も中旬を過ぎ、すっかり秋らしくなりました。
食欲と睡眠の秋を貪っております。
皆様もどうか楽しい秋をお過ごし下さいませ。
とか言う訳で。
また何時か何かでお目に掛かれたら幸いです。