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<東京怪談ウェブゲーム ゴーストネットOFF>


美味しいチョコの作り方。


●オープニング
狐族の幽霊の銀狐。
彼の名は「狐族の銀」。
彼ら狐族は、悪霊退治・依頼をする存在である。
確実な依頼を届けに来るとこでも有名だ。
なん度かゴーストネットで出会い、実際に会っている者たちもいる。
『お稲荷さん』には相変わらず目がない。
そんな銀が最近、やたらと人間界に興味津々である。


「この美味しそうなお菓子『チョコレート』って言うんだ〜」
尻尾をフリフリ振りながら「「料理雑誌」」に目を通している銀の姿がある。
小難しい本は銀にはまだまだ理解が出来ないらしく、瀬名・雫(せな・しずく)は銀が興味を示しそうな本は何かと考えた結果、写真が沢山載っている料理の本、
『人間の食べ物』という議題で学ばせる事にした。

そして今に至る。

「ボクも作ってみたい!!チョコレートって大切な人へ贈るんだよね??」
それは「バレンタイン」と言う行事だと言いたい所だが、まだ理解力に欠ける銀が理解するには難しいので、今はそういう事にしておこう。
チョコを作ろうにも漢字が殆ど読めない銀には分からない。
作るにはお菓子作り(チョコレート)を教えてくれる先生が必要のようだ。



●チョコは甘〜い想いを込めて。
5人のお菓子作りの先生を前にして銀は作る気満々でとても上機嫌のようだ。
「チョコレートは愛を届ける贈り物である時もありますからね」
海原・みなも(うなばら・みなも)は微笑しながら銀の言葉を受け取った。
材料や道具はみなもが用意してくれていた為、買い物には行かなくて済む様だ。
早速お菓子作りを開始しよう。


まずは秋月・霞波(あきづき・かなみ)先生による講習から。
初めてのチョコ作りに緊張して肩に力の入っていた銀だが霞波の事を知っている為か少しだけリラックスできた。
「霞波お姉さん!ボク頑張るね!!」
銀とは何度も会っている為、銀の事はある程度把握出来ている霞波はチョコだけではなく全く料理を作った事がない素人の銀が作る事を考慮に入れて、全くこらずにシンプルなチョコを教える事にした。
「チョコを湯煎にかけて溶かして、型にはめるだけよ」
以上。
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チョコを片手に持ちながら微動だにしない銀の顔色を窺う。
「それだけなの?」
「うん、それだけ・・簡単でしょ??」
「ボクにも出来そうな気がしてきたよ!」
霞波は銀の心理を突くのが上手いのか、銀は自分に自信を持ったようだ。

所で銀は湯煎の意味を知っているのだろうか。
因みに、湯煎とは【火で直接熱する代わりに、湯の中に入れて間接的に加熱すること】の意である。
やはり、知らないらしく、目が点になっている銀の背後に回り手を動かしてあげる。
「銀君、こうやってチョコを溶かすのよ」
優しく誘導しながら何とか通常より、時間を掛けながらも霞波の親切で優しい指導によりチョコを溶かす事に成功した。
必死に混ぜていた為、無意識に混ぜる速度があがっていたものの、霞波がしっかりと手を握っていたので一定を保つ事ができた。
「こうやってハートの形とか星とかに作ったら可愛いでしょ?」
見本に女の子らしいハートの型を取り出して、チョコを流し込み手本を見せると銀は興味津々にチョコを流す瞬間を眺めていた。
当然、甘い匂いがするチョコ。銀の興味を更にそそるらしい。
尻尾が自然に揺れている姿がなんとも愛らしい。
興味津々の銀を見て霞波は可愛らしい、取って置きの型を用意してきた為、銀に使わせてあげる事にした。
「銀君、何ならこういうのも用意してきたから使ってみる?」
霞波が取り出したのは銀と同じ狐の形をした型だ。
「わぁーボクと同じ形だね!!!」
「銀君チョコね」
自分とよく似た形に何かを思ったのか、少し照れた表情で頬っぺたをほのかに、赤くする。
「それから・・・いっぱい自分の想いを込めて作るともっとおいしいチョコレートができるのよ。隠し味かな」
「うん。いっぱい想いを込めるよ」
銀に狐の型を渡す時にそう告げると、銀は万遍の笑みで受け取り、霞波が見せてくれた手本通り・・とまではいかないが重いボウルを持ち、震えながらもゆっくりとチョコを注ぎ込む。零しながらも何とか最後まで自分で入れることが出来たせいか満足気な表情だ。

これで固まるのを待つ事にしよう。


次に矢塚・朱姫(やつか・あけひ)先生による講習だ。
「んと、銀君にチョコの作り方を教えるぞ。甘い生チョコだ」
黒色の長く綺麗な髪を弓道をする時と同じ様にポニーテールに結ぶとチョコを手にする。
「まずは湯煎で溶かす。溶かしたチョコに冷ましたエスプレッソコーヒーを混ぜてくれ」
「うん!まずは溶かすんだね!!・・溶かす・・溶かす」
先ほど霞波に湯煎でチョコを溶かすやり方を教教わったばかりなので、割とてきぱきとスムーズに銀はこなしていく。
真剣にやっている事だし、チョコがエプロンに跳ねまくっているのは大目に見よう。
おまけに朱姫のエプロンにまで跳ばしているのに気付いていないだろう。
ここまで跳ばせるとある意味天才である。

必死にボウルの中でチョコを溶かしていくと段々溶けてきてスムーズになってきた為、必死だった銀も楽しくなってきたようだ。
「・・・・・朱姫お姉さん〜」
「なんだ?」
朱姫より先にチョコを溶かし、エスプレッソコーヒーを加えていたはずの銀の顔が渋く、涙目になっている。
「銀君?!火傷でもしたか??」
「苦い・・・」
よく見れば口の周りが汚れている。
顔色からしてチョコではなく、コーヒーを味見してしまったらしい。

エスプレッソコーヒーは濃い苦味が特徴だ。
ストレートのエスプレッソコーヒーは子供の銀には苦くて飲めないはずだ。
おまけに銀は甘党。
「銀・・汚いぞ。これは濃くて苦いから飲んじゃ駄目だ。いいな?」
注意しつつも何事も無くて、少しほっとしながら銀の口周りを拭くと、銀はコクリと朱姫に頷き再び混ぜだす。
先行きが思いやられるが聞分けはいいらしい。
「バターと粉砂糖は別のボウルで白っぽくなるまで混ぜ、これに卵黄を少しずつ入れて更に混ぜるぞ」
お菓子作りは見た目以上に体力を消耗するだけではなく根気と忍耐力も必要だ。
混ぜる反復作業に根をあげる者も多いが銀は楽しそうに混ぜる。
「銀君、楽しそうだな」
「うん。お料理って自分の想いを込めるともっと美味しくなるんだって。霞波お姉さんが教えてくれたんだよ。だから皆が笑ってくれるように想いを込めて作るんだ!
朱姫お姉さんも沢山想いを込めて作ろうね」
「うん・・」
納得しながら朱姫は大好きな恋人の昴の事を思い浮かべると心がふわふわした様な気分になる。
甘い空気とチョコの甘い香りが交錯しながら和やかな雰囲気でチョコ作りは進められる。
「そのくらいでいい。それから、さっきのチョコと混ぜるんだけど、ラム酒も忘れちゃダメだぞ」
「は〜い♪」
「・・・・で、コレを30分冷蔵庫に入れて待つんだ」

こちらも固まるまで少しの間、別の先生に教えてもらう事にしよう。


次は今川・恵那(いまがわ・えな)先生による講習だ。
「銀さん、チョコレートケーキを作りましょう」
恵那がエプロンを付けると、握力の低下からか、エプロンの紐がなかなか上手に結べない銀の紐を無言で結わえてあげると銀が笑顔で微笑む。
先ほどエプロンにチョコを思う存分(?)跳ばしまくったので新しいエプロンと取り替える事となった。
「まずはスイートチョコを刻みます。銀さんは少し待っいてくださいね・・」

恵那が簡単に刻んでいく中、包丁を片手に息を呑み真剣に睨めっこしている銀の姿がある。
上手に出来るように一種のイメージトレーニングのような物をしているらしい。
恵那はいつの間にか刻み終え、銀の手に手を重ね合わせ、包丁指導をしてあげる。
「ボクに出来るかな??」
「はい、大丈夫ですよ。任せてください・・」
母に仕込まれた為、教えるのは実に上手い。
2人でリズミカルに切り出す。少々危なっかしい銀の手つきを、さり気なくカバーをする恵那の指導により、手を切りはしなかったものの恵那は体力を随分と使った。
体力を消耗しつつ、次の工程へと進む。
「次にボウルに無塩バターとショートニング、砂糖と合わせて、湯煎で溶かします」
「恵那お姉さん、大丈夫?疲れちゃった??」
少しの間俯いていたら銀の顔が突然視界に入り、恵那は首を縦に振り、大丈夫だとテレパシーを送り主張する。
銀は心配しながらボウルに無塩バター、ショートニング、砂糖を合わせ、慣れてきた湯煎の工程をスムーズにこなしていく。
「それから、卵を割ってほぐして、ボウルに少しずつ加えます。ふるった小麦粉・・えっと薄力粉と、ベーキングパウダーを少々混ぜます」
卵を意外と上手に割れ、満足しながらボウルに少しずつ加えていく銀の姿を見て、恵那の方も自分のボウルで作業を始める。
「くちゅんっっ!!!!」
「へぇ?銀さん・・・」
突然のくしゃみに驚き銀の顔を見ると粉で真っ白な銀。
銀は放心状態で目が点になっているようだ。
真っ白な銀を見て、苦笑の中にも笑顔を溢しながら粉をタオルで拭き取ってあげる。
お陰で恵那の疲れも一気に吹っ飛んだようだ。
「恵那お姉さんありがとう♪」
「いいえ」
何より、笑顔を見ると楽しく感じる銀はなんだか幸せな気分になったらしい。
「最後に紙を敷いたオーブン皿に流して、ガス高速オーブンで焼きます。銀さん、オーブンは熱くなるから気をつけて・・」
「オーブンに触れたらいけないって事だね」
「はい。美味しく出来ると良いですね♪」
「うん、恵那お姉さんが丁寧に教えてくれたから大丈夫だよ!」

こちらも少し待った後、冷めるのも待とう。


次の先生は葛城・樹 (かつらぎ・しげる)先生による講習だ。
「僕はドイツ人の母が良く作ってくれたザッハートルテを教えましょう」
材料はバター、粉糖、卵黄、チョコ、生クリーム、卵白、砂糖、小麦粉、ベーキングパウダー、ココア、それから生クリーム、チョコ、杏ジャムを使う。
一番材料数が多いだけあって難易度が少し高くなっている。
気のせいかもしれないが段々、難しくなってきている気がするのは銀だけだろうか。
「まずはバターと粉糖をよく混ぜて卵黄を加え更によく混ぜ湯煎で溶かしたチョコと生クリームを加えます」
笑顔で銀に微笑む樹の優しい容姿に銀はつられて微笑み返す。
お陰で頭の片隅にあった疑問は一気に吹っ飛びお菓子作りに再び専念する。
「樹お兄さんこれでいい??」
ボウルに言われた通りに銀は加え、混ぜた後に樹にボウルを高く持ち上げて、見せると樹からOKサインが出て嬉しそうに微笑む。
「次に小麦粉・パウダー・ココアを一緒に篩うんだよ。その後に卵白を十分に泡立て砂糖を加えます。それからそれを最初のボウルに入れてよく混ぜたら、篩った小麦粉とパウダー・ココアを加えて混ぜ型に流しこむんですよ」
ちょっと混乱しながらも手慣れた樹の手つきを見て銀は必死に見様見真似で、何とか頑張る。
「ふぅー出来た・・・」

楽しそうなため息をつきながら、相変わらず台所を銀は汚しているようだ。
粉が初めは上手に篩えずに沢山溢した為、量が少々減ってしまったが、みなもが沢山用意をしていてくれた為困る事はなかった。
丁度、卵白を泡立て始めた時に樹が口を開いた。
「銀君、少し疲れましたか?銀君は歌は好きかな??」
「うん!人間界の歌はあまり知らないけど好きなの、沢山あるよ」

「じゃぁ〜『美味しいチョコの作り方』という歌を即興で作りました。一緒に歌いますか??」
微笑しながら銀に短めの歌詞カードを書き差し出す。
まずは樹がお手本に歌うと、銀に合わせて作ってくれた易しめの明るく軽快なリズムが、銀は好きになり、リズム感をすぐに取れた。
なにより、樹のプロ並の声に銀は魅了された。
早速、一緒に歌う事にしよう。
その間にも卵白は泡立ち、砂糖を加え、篩った小麦粉とパウダー・ココアを加えて混ぜ型に流しこむ作業はあっという間に終了した。
歌が好きな銀は楽しむ事が出来、また自分の曲を誰かに歌ってもらう事がとても幸せに感じる樹にとっても楽しい一時を過ごす事が出来た。
「中火で35分ほど焼けるのを待ち、その後冷めるのを待ちましょう」
こちらも待つだけとなった。


最後に海原・みなも先生による講習だ。
専門の方や上手な方がいるのならその方々にお任せして、自分は雑用や食器並べなんかのお手伝いをしようと考えていたみなもだが、銀がせがんだ挙句、諦めたと思ったら悲しそうな顔をして見てくる為、心優しいみなもは教えてあげる事にした。

「では、折角興味を持ったのですから、あたし程度の腕前ですが、教えてあげたいと思います・・」
本当はカカオ豆から作って教えてあげたい所なのだが流石にやった事もやり方も知らないので残念ながら教えてあげられず、みなもは少し残念に思った。
「まずは湯煎でチョコを溶かしましょう〜」
みなもは自分の持ってきたお鍋と調味料を取り出す。自分の鍋は使い慣れている為、使いやすい。
銀はみなもの鍋を使い、湯煎で溶かす方法は大分手慣れてきた為、テキパキと落ち着いた手つきでこなしていく。
一応、成長は見られるようだ。
「みなもお姉さんはブラックのチョコなんだね??」
湯煎で溶かしながら銀が尋ねると少しだけ苦笑交じりの笑顔をみなもは溢す。
「うん、ブラックとビターチョコにしようと思ってますから・・」
「へぇー・・でも、ブラックもビターチョコもホワイトも大好きだよ♪甘くて美味しいもん」
頬っぺたを触りながら味を思い出す様に銀も蕩けそうな顔をする。
みなもの苦笑交じりの笑顔にはそれなりの理由がある。
ホワイトは焦がすと目も開けられないので、今回使わなかったというのは銀に秘密にしておこう。
後はみなもが手順よく、計量カップで量を測りながら誘導する通りに銀は従っていく。
「銀君、型はどれがいい?沢山作るのもいい手だと思いますよ」
ハート型や、星型や魚型などの可愛い型を沢山、銀の目の前に差し出すと銀は一番気に入ったのを手に取る。
「ボクはこれがいいな〜」
「魚型ですか?」
「みなもお姉さんと同じ青を思い出すんだ。きっと部活している時のみなもお姉さんはお魚さん見たいに綺麗な気がするんだ」
みなもは部活に二つ所属している。
その一つが水泳部である。
銀が何故知っているのか不思議だが、人魚の末裔であるみなもの泳ぐ姿は美しいに違いない。
銀の中でみなもは「「青」」というイメージが強いらしい。
早速、魚の型にチョコを注ぎ込む。

「中に入れるのはミニボトルのブランデーとかナッツ系がいいでしょうか・・」
雑用をしていたみなおは皆の作る姿を見ていた為、違う物を入れるのがいいと考えてこの2種類を選んだ。

「後は待つだけですね・・・」
みなもの方は焼いてブランデーを入れて完成となった。

これで一通りは完成に近づいてきたようである。


●仕上げ。
全部が焼きあがるにはもう少し時間が掛かりそうな為、みなもと樹が紅茶を用意する事にした。
みなもが綺麗なカップを選択し、カップに樹が慣れた手つきで温度管理が美味く飲むコツだと言われる為、しっかりポットを暖め注いでいく。
さり気ないこの行動も温度差を無くし急激にお湯が冷えることを防ぐ事が出来るのだ。
そういう訳で、ティータイムをする事になった。
「折角時間もありますし良ければ皆さん、どーぞ」
みなもが樹の注いだ紅茶を運びテーブルに並べる。
「はい、頂きます」
「紅茶、美味いぞ」
恵那が紅茶を手にすると、先に飲んだ朱姫が絶賛した。
恵那も「「美味しい」」とテレパシーでではなく、口に溢した。
それもその筈。樹はウェイターのアルバイトをしており、軽食・菓子を作るのが得意なだけでなく、珈琲・紅茶を入れるのもプロ並に上手い。
「銀君は多めに砂糖を入れないとね・・このくらいでいいかな?」
「うん、すごく美味しい♪」
霞波が銀の砂糖の量を調節する。冷めない内にと思い、早く溶かしてあげると銀は美味しそうに飲み乾した。


その間に、焼きあがり、取り出したものを並べる。
後は見栄えがよくなる様に仕上げに取り掛かるだけだ。

「銀君、さっき言った事覚えてる?最後の最後までいっぱい自分の想いを込めて作るともっともっと、美味しいチョコレートができるのよ」
「覚えてるよ。美味しいチョコのコツなんだよね」
銀の頭を優しく撫でると最後の仕上げを行う。
「仕上げに粉砂糖の雪とかココアパウダーをまぶしてキメ☆」
銀にとっては魔法の粉に見えるらしく、チョコにかける時に目を輝かせ見ていた。
霞波の方は完成のようだ。

朱姫の方は最初の方で講習した為、30分冷蔵庫で固める時間があり固めていた。
冷凍庫から取り出したチョコに触れると、ひんやりとしていて気持ちいい。
「朱姫お姉さん、固まってちゃってるよ?」
「うん、それでいいんだ。最後に適当な大きさに切り分けピスタチオ散らして出来上がりだ」
焦っている銀を見て苦笑しながら朱姫は言った。
ピスタチを砕き、散らす事により、見栄えがより一層よくなった。
朱姫の方も完成だ。

焼き上がり、冷ます時間が必要だった恵那だが2人が先に仕上げを教えた為、良い感じに冷めた。
「紙を外して端を切りそろえ、16個に切り分けます」
恵那は16個が食べやすい大きさだと考え、16等分にする事にした。
一度、銀が包丁を握ったとはいえ、危ないので一緒に包丁を再び握る事にした。
包丁を握っている最中は真剣な面持ちだったが綺麗に切り分ける事が出来ると銀は思わず笑顔を溢す。
恵那の方も完成だ。

最後は樹だ。
「十分冷ました後は三枚にスライスして杏ジャムを塗り、生クリームを沸騰直前まで火にかけた後、チョコレートを加えて溶かし、3枚にスライスしたこれを、ナイフで平らに伸ばし固めて完成です」
樹に三枚にスライスしてもらった後、銀は杏ジャムを塗り、ナイフで溶かし混ぜた物を丁寧に塗る。
樹ほど綺麗に塗る事は出来なかったものの、必死に完成させる事が出来た。
樹の方も無事に完成した。

爆発事故とかが起こる事無く、無事に完成させる事ができた。
「皆さん、折角だから包まない分は綺麗なお皿に並べるといいですよ」
いち早く仕上げを終えたみなもはその間に、皆の道具や食器洗いをしたり、机を拭いたりして片づけをしていた。
全員が仕上げたのに気付いたみなもは何枚か皿を持ってきて、それぞれの形や色、雰囲気に合った皿を何枚か選び出し渡す。
みなもも、銀の作ったみなもをイメージして選んだと言う、魚型の可愛いチョコを可愛い皿の上に乗っけてあげた。


●甘〜いお魚。
「みなもお姉さん、綺麗に出来てるね。お魚さんになってるよ」
結局、銀は型を一つしか作らなかったが満足しているようだ。
「早速食べましょうか」
「うん」
魚型になってもチョコの甘い味がする事は当然だが、銀はチョコを食べるのは初めての体験な為、不思議な感覚を覚えた。
「おいしいですか?」
「甘くてすごく美味しいよ。みなもお姉さん、今度、白色のお魚さんの作り方も教えてね」
白い魚はホワイトチョコのことだろう。
「では、一生懸命練習して自信が付いたら、銀君に教えてあげますね」
今度はブランデーの方を口に付けると、銀には少しだけ早い大人の味がほんのり広がる。
「ちょこっとだけ苦いけど美味しいね」
「銀君が大人になったら、もう少し美味しく感じると思いますよ」
銀はチョコを食べながらみなもの言葉に首を傾げた。
みなもの言葉が理解できたかは別とし味には満足したらしい。
先ほどみなもには気になっていた事がある一つあるので最後に訊いておこう。
「所でどうして、私が水泳部所属だと知っているんですか?」
「・・・・さぁ?」
銀はいつ知ったのか分からないらしい。
それもそれで銀らしい。

●沢山の大切な人たちへ。
「あたしはお姉様に妹に、お母さんにお父さんに、そして、お世話になった方々に送りましょう・・」
みなもは一つ一つに想いを込めて丁寧にラッピングしていく。

Message card

日ごろの感謝を込めて。
       
 みなもより。





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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
0550/矢塚・朱姫(やつか・あけひ)/女/17/高校生
0696/秋月・霞波(あきづき・かなみ)/女/21/自営業
1252/海原・みなも(うなばら・みなも)/女/13/中学生
1985/葛城・樹(かつらぎ・しげる)/男/18/音大予備校生
1343/今川・恵那(いまがわ・えな)/女/ 10/小学四年生

                      申込み順。

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■         ライター通信          ■
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お疲れ様でした。チョコ作りはどうでしたか??
全員成功と言う形になってとっても嬉しいです。
何回か参加いただいておる霞波さんとみなもさんは気付いた
と思われますがいつもと少し違った形式で書かせてもらいました。
個人・個人がほぼ7・8割占めていると思います。
調べたりしてくださり、知っている作り方をプレイングに沢山書いて
下さったので出来るだけ、それぞれのチョコの個性を全面的に押し出す
ためにいつもと違う形で書かせていただきました。
気に入っていただけると嬉しいです。


私はお菓子作りをあまりしないので私自身もどんなチョコが
あるのか学ぶ事ができました。

朱姫様へ
初めまして。
今回、チョコ作りの依頼を受けていただきありがとうございます。
朱姫さんみたいな女の子はとても好きです。
弓道で出来るなんて羨ましいです。私は高校に入ったら
弓道をしたいなって思っていたのに高校にありませんでした。
少しでもいいので体験があれば弓道は体が動くうちにやって
見たいです。
さすがに歳をとるとぎっくり腰が・・・ぎっくり腰。
怠けていないでしっかり運動をしなければ(汗)


霞波様へ
こんにちは。
いつも依頼を受けていただきありがとうございます。
黄色いチューリップって綺麗ですよね。
チューリップは花壇に植えられる事が多いですよね。
霞波さんの全身図を見ると黄色いチューリップ(ですよね?)を
手に持っていてとても綺麗で、霞波さんも可愛らしいです。
そうそう、最近髪を切っていないので伸びてきました。
霞波さんみたいな綺麗な髪を目指して伸ばしたいです。


みなも様へ
お久しぶりです。
チョコ作りの依頼を受けてくださりありがとうございます。
銀くんの言っていた青のイメージは私が思うイメージでもあるん
ですよね。
人魚が海で泳ぐ姿は実際には見た事がないのですが、きっと
美しくて神秘的だと思うんですよね。
私はどちらかというと水系操れる者に憧れるタイプです。
だからみなもさんのもつ力はすごく好きですよ。
(手違いで名前間違いが生じてしまいました。訂正版を送らせていただきますね)

樹様へ
初めまして。
今回、チョコ作りの依頼を受けていただきありがとうございます。
音楽系の方ってすごいですよね。
私は小さい事にピアノを習っていました。
歌は・・・(滝汗)・・・・音痴に近いかもしれません(小声)
でも、歌詞作りはできますよ。
楽譜は作成する能力はないんですけどね。
でも、音楽は聴くのも歌うのも大好きです。

恵那様へ
初めまして。
今回、チョコ作りの依頼を受けていただきありがとうございます。
テレパシストなんですね・・(ほぅ)
私もテレパシーを送ってみたいです。
こう・・・言葉のない会話。
(テレパシーじゃなくても何故だか通じてしまう事もありますが・・)
小さい頃からお料理が出来るのはすごくいいですよね。
小四だった頃の私・・・思う存分遊んでました(ぇ)