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「幽霊墓地の噂」
「わお、やっぱりあたしのホームページには理解者が多いわね。ついに怪奇大好き小学生までゲットじゃないっ! カウントもうなぎのぼりね!」
雫の怪奇情報満載のホームページに設置してある掲示板に、ひらがなだらけの書き込みがあった。その書き込みをチェックする雫……鼻歌交じりで機嫌がよさそうだった。
投稿者 :わたべ しょう
タイトル:お墓たんけんにいきます
うちのきんじょにはお墓があります。とっても広いお墓です。ちかくに使ってない工場があります。そこにはおばけとかユーレイが出るってうわさです。ゆらゆら光るヒトダマも出るし、一つ目こぞうとかも出るってききました。ちゃんと見た人がいます。おばけたちが「出ていけ〜、出ていけ〜」というそうです。
らいしゅうの金よう日の8時から、ともだちのかずみちゃんといっしょにそこにいってみます。ぎゃくにおばけたちをおどろかせたらいいな。ちかくにすんでるおともだち、いっしょにたんけんしませんか?
「あれ、工場の近くの墓地って言ったら……確か……」
その文章を読み終えた雫は手元においてあった自分の雑記ノートを開き、この書き込みに関係ある情報を探し始めた。彼女は該当のページを開くと、なぜか嬉しそうに笑う。
「ははっ、しょうくんは『源三じいさんの墓場』に行くのか〜。な〜んだ、これなら安心ね。出てくるのは、本物のお化けじゃないんだし。」
雫が開いたノートにはオカルト雑誌の切り抜きが貼ってあった。そこには先端にヒトダマのついた釣り竿を持ってピースしているおじいさんの姿があった。実はこの工場近くの墓地というのは、オカルト好きには有名な場所だった。彼らの呼び名にもなっている源三というおじいさんが、夏になるとはこの場所でお手製の道具を使ってヒトダマや幽霊を出現させるのだ。源三じいさんの目的は子どもたちにいい思い出を残すためで、無駄に驚かせることはしない。オカルトマニアはそんな事情を知っているから、じいさんのテリトリーを荒そうとはしない。それどころか自分で開発した道具をじいさんに使ってもらおうと必死になっている者もいる。マニアの間で『源三ファンクラブ』なるものまで結成されるほどの人気だ。
「まさか、これを鵜呑みにして慌てる大人なんかいないでしょうね……ま、ここは有名な場所だからそんな人いないだろうけど。」
雫は知らなかった。今年の夏以降、源三じいさんはぎっくり腰で一度も墓場に出ていないことを……皮肉にも彼女の予想は当たり、その書き込みに冷静なツッコミを入れる訪問者はいなかった。逆にその気分を盛り上げるため、もっと怖い話を書く訪問者たち。彼らはしょうたちを気遣っていたのだ。ふたりきりの冒険に水を差すまいと……
だが、世の中には子どものような心を持ったまま大きくなった人間もたくさんいる。芹沢火嵩もそのうちのひとりだった。彼は自室でしょうの書きこみを見て笑っていた。
「ははは……いつの時代も変わんねーのかなぁ、こういうのって!」
彼の脳裏にはいとこの女の子と一緒に遊んだ記憶が蘇った。廃工場や道のないちょっとした森の中……身体中泥だらけにして遊んだことを思い出していた。そんな記憶が彼の背中を強く押した。決行の日と集合時間を確認し、自分もその探険を楽しもうと考えた。
「よし、行ってやるか。でも、お化けが出るっていうんだったら……やっぱり桜牙は必要かな……ま、一応な。」
彼は部屋の片隅で眠っている一振りの日本刀になんとなく目をやった。しかし彼は、まさかその退魔刀が役に立つとは夢にも思わなかっただろう。火嵩はそのまま持って歩けないその刀を収めるための袋を探し始めたのだった……
まもなく集合の時間という頃、火嵩は自転車で墓地の近くまでやってきた。インターネットでは近くに使ってない工場があると書いてあったので、自転車はそこの入り口付近においた。肩にかけた刀を担ぎなおし、とりあえずは墓地を探すために廃工場の外周へと向かう。その時、目の前を小さな子どもが右から左へ駆け抜けて行こうとしていた……それらしき年齢の子どもだったので、声をかけようと走り出す火嵩。しかし、その子どもは急に振り向いて無邪気に質問をし始めた。
「ねーね、おにーさーん。かーくんね、墓地に行きたいの。墓地ってどっちにあるの〜?」
「お、おおぅ。お前今から墓地に行くのか……っておい、もしかしてお前しょうって名前じゃ……ないよな。そーいやぁ自分でかーくんって言ってるもんな。わりぃわりぃ。」
「かーくん、みさきかぐらっていうんだよ。しょうくんは〜、会いたいおともだちのなまえだよ〜?」
「おっ、なんだ! お前もお化け探険に行くガキんちょか! 俺は芹沢火嵩な。このかっこい〜いお兄さんもそこへ行くんだ。一緒に行くか?」
「うん、いっしょいっしょ!」
火嵩は思わぬところでいい子どもと出会うことができた。神楽は普段着のままでここまでやってきたようだった。透けるように白い肌が印象的な彼は、見た目よりも幼いイメージを受ける。神楽は火嵩を先導するように前を歩き始めた。思わぬところで探険するお友達と一緒になった神楽はご機嫌だった。軽快なステップを踏む彼の後ろを火嵩が続く。そんな先を急ぐ神楽に、火嵩はいろいろと聞き始めた。
「神楽は……ここまでどうやってきたんだ?」
「いま来たんだよ〜。」
「お家の人は、ここに来てるのは知ってるのか?」
「すぐにわかると思う〜。」
「お前、それでいいのか?!」
「だってかーくん、しょうくんたちとおともだちになりに来たんだもん!」
火嵩が一生懸命話を振っても、会話がまったく成立しない。思わず顔に手を当てる火嵩。こんな調子で彼らは工場の外周を歩き、墓地へと向かった。
工場の横には墓地へと続く門があった。しかし、門とは名ばかりで屋根を支えていた柱が仲良く背比べのように立っているだけだった。その柱もすでに色褪せ、虫食いだらけになっていた。その奥には誰にも手入れされていないお墓がかろうじて昔の趣を保って建っているという状況だった。まさに、絵に描いたような幽霊墓地のイメージが目前に広がる。こんな中を探険するなら、雰囲気は嫌でも盛り上がるというものだ。神楽は墓地がここまでのものとは思っていなかったようで、きょろきょろと周囲を見渡していた。その小さな身体はわくわくで震えていた。逆に彼の後ろにいる火嵩は、変な意味で感心していたようだ。
「へぇ〜、俺が子どもの頃にイメージしてたお化けの出る墓地ってこんな感じだったなぁ。つーか、そのまんま。」
「あ〜、あそこにいる子、しょうくんかな〜?!」
神楽が指差す先には確かに子どもがいた。朽ち果てた門の近くで小さな男の子と女の子が寄り添うように立っている。それを見るなり、神楽はとたとたと走る。彼に遅れを取らないように火嵩も一緒になって走り出す。
「ねぇねぇ〜。しょうくんと〜、かずみちゃ〜ん?」
元気に話しかけるに圧倒されたのか、ふたりは順番に頷いた。それを見て、神楽は嬉しそうに話し始める。
「かーくん、みさきかぐら〜。しょうくんとかずみちゃんといっしょに探険しに来たんだ〜。いっしょに行ってもい〜い?」
「あっ……もしかして、あのけいじばん見てくれたの?」
「うんっ!」
「じゃあ、いっしょに行こ! こっちはかずみちゃん。それで……そっちのお兄ちゃんは?」
お兄ちゃんと呼ばれた火嵩は神楽の頭を撫でながら、静かに前へ出た。そして大きく一度咳払いすると、しょうたちに自己紹介を始める。
「俺は火嵩お兄ちゃんだ。ほ・た・か。しょうたちがここに来るのを掲示板で知って駆けつけたんだ。せっかくだから一緒に行こうぜ〜。ああ、別にデートの邪魔……じゃなかった、お前たちの邪魔はしないからさ。」
「お兄ちゃんも見に行きたいんだって〜、お化け〜。かーくん、いっしょに行くってやくそくしたの。しょうくん、かずみちゃん、いいでしょ〜?」
神楽も一緒になって火嵩の仲間入りを懇願する。しょうとかずみはしばらく考えた後、笑顔で返答した。
「ううん、いいよ! お兄ちゃんも一緒に行こ!!」
「よっしゃ、決まり!」
「ありがとー、しょうく〜ん。」
「あ〜〜〜ん、待ってよ〜。みあおもいっしょに行くの〜!」
冒険隊が結成され、意気上がるメンバーたち。そんな彼らに待ったをかける声があった。彼らが声の主の方を向くと、銀色の髪をなびかせて走る少女がいた。息を切らせて懸命に走った彼女は4人の前で叫ぶ。
「みあおも行く〜っ!」
「なんだ、お前も探険に行くのか?」
「うん! みあお、きょうを楽しみに待ってたんだよ〜。置いてきぼりはやめて〜っ!」
「あらあら、みあおちゃん。私たちも一緒に行くんだから、一緒に紹介してよ。」
「そうそう〜。あたしたちを忘れてもらっちゃ困るわ〜。」
「あれぇ、みあおちゃん……うしろのひとはおねえさん?」
神楽がみあおだけでなく、後ろから現れた女性たちにも不思議そうな視線を向けた。ひとりはモデルのように長身の女性で、もうひとりは火嵩よりも年下の女性だった。しょうも同じような目つきで彼女たちを見ていたが、火嵩の視線は大人びた女性に釘付けになっていた。そんな視線を受けながら、ふたりの女性は冒険隊の輪の中へとやってきた。
「私は理都……高橋理都よ。こちらは日和ちゃん。お姉さんたちもしょうくんたちと一緒に、この墓地を探険したいな。みんなとドキドキしたいって思ってるの。ダメかしら?」
「みんなとだったら楽しめるよ、きっと!」
日和も理都の言葉を受けて、しょうの仲間に入れてもらおうと声をかける。しょうがどうするか考える時間はさっきよりも短かった。
「……うん、そうだね。みんないっしょに行こ!」
「みんな、なかまだ〜、みあおちゃんもお姉ちゃんもお兄ちゃんもなかま〜!」
理都たちも加わり賑やかになった冒険隊は、予定の時間きっかりに墓地への侵入を開始した……そんな中、火嵩は誰にも見えないように小さくガッツポーズをしていた。子どもたちの無邪気さの影に隠れていたが、彼の喜びも相当なものだった。
「うん、仲間……あんなきれいなお姉さんも俺の仲間……日和ちゃんもいいけど、それよりもっとポイント高いよ、理都さん!」
墓地の中は広く、探険にはもってこいだった。外周を回るだけでも十分な時間楽しめる。しょうとかずみは歩くスピードこそ特に変わりはなかったが、やはりドキドキはしているようで視線が上や下へとせわしなく動いている。そんな彼らの先頭はみあおだった。しょうたちと同じく緊張しているようではあったが、デジタルカメラを片手に歩いているのを見る限り、ある程度の余裕があるように感じられる。大人たちは子どもたちの思うままに歩かせて、その後ろからゆっくりついて来た。彼らは彼らでいろいろなことを話していた。
「日和ちゃんはなんでここに来たの?」
「なんでって〜、あたしはしょうくんたちが心配だったから……夜に冒険なんてどんな危険なことがあるかわからないでしょ?」
「あ、そうなんだ……俺なんか素直に探険しに来たんだけどな。そんなこと、あんまり考えてなかったな〜。」
「そんなこと言うわりには、ちゃんと準備はしてるじゃな〜い。これ、それ用なんでしょ?」
「違うよ。部活動の帰りなんだ……中には竹刀しか入ってないよ。」
日和は彼が担いでいる刀を指差すが、わざとまともな返事はしなかった。火嵩はこれの中身を話して子どもたちの夢を壊す結果になることを恐れたのだ。しかし、理都はそれを聞いて小さなため息を漏らす。
「どうかしたんですか、理都さん?」
「え、ああ……みんな事情を知っててここに来たのかと思ってたの。なんだ、みんな知らないのね。」
「ここの……事情ですかぁ?」
火嵩も日和も不思議そうな顔を理都に向ける。すると、彼女は少しだけ話し始めた。
「ここって、実はお手製のお化けセットを使って子どもたちを驚かせる源三おじいちゃまのテリトリーなの。マニアの人もおじいちゃまの意図を汲んで邪魔しないことで有名らしくって……しかもファンクラブまであるんですって。」
「じいさんのファンクラブぅ? 世の中って広いなぁ〜、なんでもあるんだな。」
「でも、そのおじいちゃまが『出ていけ〜』って演出をするかしら……私が調べたところだと、おじいちゃまはそんなことは言いそうにないのよ。」
「あっ……しょうくんの書きこみにありましたよね、その下り。言われてみれば、確かに怪しいけど……」
子どもたちの無邪気な声が響く中、頭を前に倒して悩む大人たち……しかし、火嵩は気楽に話す。
「どうせ日和ちゃんも理都さんもその道の人なんでしょ? だったらある程度警戒して、あとはがきんちょが怪我しないように守ってやるくらいでいいんじゃないの。気楽に行こうぜ、気楽に!」
そう言い残すと火嵩は賑やかな前の集団に向かって行った……理都も日和も顔を見合わせて、くすくすと笑い出した。火嵩の言うことも確かに正論だったからだ。
火嵩が歩幅を大きくして子どもたちの輪の中に追いついた。みあおを先頭に元気よく歩く子どもたちは火嵩の話題に乗った。
「なぁ、聞かせてくれよ。みんなの考えてるお化けって、どんなのだ?」
火嵩の言葉を聞いた子どもたちは口々にそのイメージを語り始める。真っ先に口を開いたのは主催者のしょうだった。
「おっきな口のお化けでしょ、それに子どものお化けでしょ、それと……」
「ほら、首がのびるお化けもいるじゃない!」
「みあお、肩をトントンするお化け知ってる!」
「へぇ……やっぱお化けって俺たちが考えてるのからそんなに遠くないんだな。なんか変な安心感が……ん?」
さまざまな回答をもらって納得している火嵩だったが、誰かに呼ばれたのか急に後ろを見た……しかし、手の届かない距離に理都と日和が歩いている。首を傾げながら、子どもたちに視線を戻す火嵩。
「あれ……今、誰かにつつかれたような気がしたんだけど……気のせいかな。」
だが、彼がまた前を向くと肩を何かの感触が襲う。今度はさっきよりも素早く反応するが、やはり後ろには誰もいない。するとその動作を見て、神楽がくすくすと笑い出す。
「おい、神楽。俺の後ろに何かいるか?」
「いないよ〜。だってさっきから〜、かーくんがお兄ちゃんを呼んでるんだもん。」
「えっ……まさか〜。神楽がお化けってわけじゃないだろ……」
「ちがうよ。でも、気になったんだったらごめんなさい。もうしない〜。」
火嵩は神楽の言葉の意味が理解できなかった。何度も肩を触ったりつついたりして自分の感覚を確かめる火嵩。後ろからは理都と日和が不思議そうに彼を見つめていた……いったい神楽が何をしたというのだろう。火嵩の頭の中はそれでいっぱいになった。
そんなこんなで15分くらい歩いた頃だろうか……火嵩たちの周囲を怖そうな音が包み込んだ。
『ひゅーーー、どろどろどろどろどろっ……』
「うっ、うそだろぉ……なんだよ、このわざとら……ムググ。」
「そんなこと、言っちゃダメでしょ〜?」
大人たちが誰しも思ったことを火嵩が口にしようとした瞬間、日和が彼の口を塞いだ。そんな大人を無視して、途端に盛り上がる子どもたち。
「お化けかなっ、しょうくん!」
「う、うう、うん。お化け……かなぁ……ユーレイ、かなぁ。」
「か、かずみ……ちょっとこわい〜。」
わくわくしているのはみあおと神楽だけで、しょうとかずみはさすがに驚いていた。噂が本当だったというだけでビックリしてしまったようだ。大人たちは一応、周囲の警戒を怠らない。特に日和は何かを感じたのだろうか、特にその色を濃くしていた。
すると、お墓の影から噂と同じ一つ目小僧が出てきた! それぞれに衝撃を受ける一行。それを見て満足そうに笑う一つ目小僧。
『はっはっはっはっはっはっ! はーーーっはっはっはっは!!』
「き、きゃーーーーーーっ! しょ、しょ、しょうくん……!」
「ほ、ほ、ほ、ホントにいたーーーっ!!」
しょうとかずみは本気で驚いていた。しかし、神楽は完全に興味の方が先走ってしまい、一つ目小僧の側まで走っていった。みあおもそれについて行き、周囲の大人たちを心配させる。
「おお、おいっ! 一応、そいつはお化けなんだぞ! ちょっとはビックリしろよ!」
「なぜ……こんなにいいタイミングでお化けが出て来れるものかしら?」
火嵩は難しそうな顔をして言葉を選びながら忠告するが、このふたりにかかってはどうしようもない。理都と日和は腰を抜かさん勢いで驚くふたりを落ち着かせていた。その最中、理都はどうしても気になることがあった。あからさまではあったが、急に鳴り響いたあの音はテープか何かで作られたものではないような気がした。音の響き方が不自然だったのだ。それに続いてタイミングよく出てきたお化け……理都は日和と同じく警戒心を高めていった。
『出ていけ〜〜〜っ、早くここから出ていけ〜〜〜って、聞いてるの。お嬢ちゃん、お坊ちゃん?』
「かーくん、こんなにおめめのおっきなおじさん、はじめて見た〜。」
「そうだよね〜。しかもひとつしかないんだよ! おじさん……あっ、でもこぞうだっけ。かーくん、こぞうだったらおじさんっていっちゃダメだよ!」
『いや、だから、出ていってくれないかなって。』
「やだもん。かーくん、いっぱいお化け見てかえるんだもん。まだいるんでしょ、いーっぱいいるんでしょ?」
『いるともさ! カモン、火の玉ぁ!!』
一つ目小僧が軽快に指を鳴らすと、空中から火の玉がいくつか出現する……そして一行の周囲を取り囲むではないか! それを見た理都の疑問が確信へと変わる。
「火嵩くん、日和ちゃん、気をつけて! この幽霊たちは本物よ!!」
「なな、何だって!?」
『その通りだ、俺たちは本物のお化けだ〜〜〜! 早くここから出ていくんだぁ〜〜〜!』
「やだ……やだやだやだやだっ。かえらないもん。かーくん、もっとお化け見るんだもん……グズッ。」
「あーーーっ、かーくん泣かした! わるい子なんだ、こぞうくんっ!」
『だから、危ないから出ていきなさいって言ってるの! お願いだから!』
「やだやだやだやだやだやだっ!」
神楽が駄々をこね始めた頃から、周囲の墓石が揺れ始めていた……しょうたちは今度はその現象に怯え始める。周囲はまたお化けが何かし始めたのかと不安になっていた。始めはしょうたちと同じことを考えていた火嵩だったが、さっきの突っつき事件から引っかかっていた秘密が見えてきた時、その表情は暗くなった。
「理都さん、日和ちゃん……この墓石を動かしてるのって、もしかして神楽じゃねぇかなぁ。」
「なんでそんなことが言えるのよ〜?」
「さっきさ、何度も何度も俺の肩を突っつく感触があったんだ。誰かなと思ってたら、神楽が『自分がやった』って言うんだよ……もしかしてあいつ、なんか秘密の力を持ってるんじゃないかな……」
「そのもしかしてなんじゃないかしら。例えば、無意識のうちに超能力を使ってる子ども……とか。とにかくみんな、まずはお化けよりもかーくんを落ち着かせましょ。」
神楽の才能にようやく気づいた保護者たちだったが、その時にはもう遅かった。一つ目小僧がとどめの一言を放ってしまったのだ。
『出〜〜〜て〜〜〜い〜〜〜け〜〜〜っ!』
「やーーーーーーーーだーーーーーーーーっ!」
神楽が叫ぶとともにいくつもの墓石が持ち上がり、そのすべてが一つ目小僧に襲いかかった! その恐ろしい落下スピードから逃げられるわけもなく、すべての墓石は一つ目小僧の頭にヒットしてしまう!
『ゴンゴンゴンゴン、ゴゴゴゴゴゴゴン!!』
一般の小学生では決して見ることのできないあまりに凄惨な映像が広がったためか、しょうとかずみは泣き出してしまっていた。人間があれを食らえば、間違いなく死んでいる。大人たちも十分に血の気が引いてしまっていた。それでもさすがは妖怪というべきだろうか……一つ目小僧はたんこぶだらけの頭を墓石の山から出し、最後の警告を発した。
『ここには……レギオンが……いるから……早く、逃げろってば……ガックリ。』
そう言い残し、舌を出して気絶する一つ目小僧。その瞬間、墓地のあちらこちらから幽霊たちが出現し、中央の空中に集まり始めた! その量は半端ではなく、力も一つ目小僧の比ではなかった。今度は保護者たちが身震いを始める……生きているものすべてに差し向けられる憎悪を感じた彼らはすぐに戦闘の準備を始める。火嵩は抱えていた袋を取り、中から退魔刀の『桜牙』を構える。理都も霊能力を使い、鋭い煌きを保った霊刀を出現させた。
『オゴオオオオ……生ける者の身体を……俺たちに捧げろォォォ!!』
霊の集合体であるレギオンは貪欲な霊たちを使って、攻撃を仕掛け始めた! しょうとかずみは自分たちを襲う悪意に圧倒され、すでに動けない状況までになっていた。邪霊たちは真っ先にそちらへ向かう! そしてみあおや神楽たちが集まった場所を取り囲み、徐々に輪を縮めていく……
「しょ、しょうく〜〜〜んっ、うわ〜〜〜ん!!」
「し、しまった! しょうたちがあぶねぇ、理都さん早く!!」
『そうは行くかァァァ……!』
レギオンは自らを形成する無数の霊を理都と火嵩の周囲にも飛ばし、足止めし始めた! 火嵩は桜牙で、理都は霊刀で敵を斬り進むも、そう簡単には前に進めない。しかも集合体から吐き出された霊は多角的に襲ってくる。気を抜けば自分がやられてしまう状況に陥ってしまっていた。
「これじゃ……きりがないわ!」
「く、くっそぉ……ま、間にあわねぇ! しょう、早く逃げろ!」
「お、お兄ちゃ〜〜〜ん、に、逃げられないよ〜〜〜!!」
火嵩は予想通りの答えを聞いて絶望した。子どもたちを取り囲む霊の輪は徐々に縮まっていく……理都も軽い身のこなしで回転しながら周囲の邪霊を祓っていたが、自分ほど前には進んでいない。子どもたちの悲鳴が火嵩を奮起させ、斬りつける速度を早めるのだった。
しかし突然、剣を一心に振るいながら前進する火嵩の目前に道ができた……彼は一瞬、剣を構えたまま止まってしまった。目の前には印象のわずかに違う日和が立っていたからだ。彼女は手に持った鉄扇で自分の肩を叩きながら言った。
「しょうがないな……火嵩、これは貸しだからな。今度返してくれよ。日和じゃなくって、俺にな。日向だ。」
「あ、ああ。お前……にな。」
話し言葉まで変わってしまった彼女を見て、言われたことをそのまま返す火嵩。日向と名乗った彼は火嵩に続き、今度は子どもたちを取り囲む霊と戦い始めた。
円の中は風前の灯火だった。邪霊たちは不気味な声を発しながら、その円を描いている。しょうとかずみは耳を塞いで地面を見ていた……そうでなくては意識を保つことすらできない。そんな時、みあおがふたりの前に立った。しょうはそれを見て大いに驚いた。
「みあおちゃん、ダメだよ! 危ないよ!!」
「何っ、みあおだって! おい、後ろに下がれって! 俺たちがなんとかしてやっから!!」
「だいじょうぶっ。みあおお姉ちゃんだもん。しょうとかずみを助けるんだもん!」
『ウグワアアアアァァァ!!』
「みあおちゃん、危ないっ!!!」
元気に答えるみあおを嘲笑するかのように、一体の邪霊がみあおに突撃する……しょうやかずみの警告も無駄になってしまったと思われた。しかし、悲鳴をあげたのは邪霊の方だった……しょうの目の前に、美しく揺らめく青い羽があった。
「みあお、がんばる!」
透けるような青に身を包んだみあおは鳥の姿に変化していた……その姿は二十歳半ばの女性と青い鳥が合わさったものだった。みあおはその大人びた笑顔をしょうたちに振り撒き、霊力のこもった羽を敵に飛ばす!
『グオォオオオォォォ……!!』
「みあおちゃん、すごーーーい! かーくんもやる〜〜〜!」
しょうとかずみは信じられないといった表情でみあおの姿をぽかーんと見ていた。しかし、神楽はそんな彼女に負けじと唸り始めた……近くにいるふたりは気づかなかったが、彼の身体には今まさにすさまじい力が宿り始めていた。
みあおの攻撃で子どもたちを囲む邪霊の輪が乱れたのを見た火嵩と理都は大きく跳躍した。彼らはほぼ同じ場所を狙っていた。
「今しかないわ! 火嵩くん、あそこを狙って!!」
「わかってるって、理都さんっ! うおおおおぉぉぉっ!!」
ふたりの背後には当然のように邪霊が列になってついて来る……危機的状況には変わりなかった。ふたりは子どもを救うために賭けたのだった。輪を形成している邪霊群が慌てた隙をついたのだ。だが後ろに迫る霊たちも、人間が背中を見せたことを見逃さなかった。今までにない速度で襲いかかる霊たち……!
『ウオオオォォォオオォォ!!』
しかし、霊たちの目の前を鉄扇が舞う……投げたのは日向だった。彼はそれに追いついて再び手中に戻すと、不敵な笑みを見せた。
「お前らにはやらせねぇよ。あいつらには借りがあるんでな。」
日向が鉄扇でその列の先頭を全力で叩き、火嵩たちの行く手を守りきった! 速度を緩めた霊たちはその輪が崩されるのを黙って見るしかなかった。
「とおぉぉぉーーーーっ!」
「うりゃああぁぁっ!!」
『グ、グゥギャアガアァァァ……ッ!!』
桜牙と霊刀は寸分違わぬ場所を切り裂いた! その瞬間、子どもたちを捕らえる檻になっていた邪霊の輪は四散し、いずこともなく消え去ってしまった。なんとか無事に子どもたちと再会することができ、火嵩は胸をなでおろす。しょうとかずみも理都の姿を見ると安心してしまったのか、声高に泣き出してしまった。理都は身を屈め、ふたりと視線の高さを合わせて言った。
「大丈夫よ。私たちが助けてあげるから。」
そう言って再び立ち上がった理都。その凛とした姿を見たしょうたちも涙を拭って立ち上がる……まだ空中にはさっきほどではないにしろ、ある程度の勢力を保ったレギオンがいるのだ。しかし、そんなレギオンに向かって神楽が怒りの声を上げた。その言葉には恐ろしいほどの力がこもっていた!
「しょうくんを泣かしちゃ……ダメーーーーーーッ!!」
「かーくん、がんばれっ!」
「もう、わるい子は……どっかーーーんだっ!」
神楽がそう叫んだ瞬間、レギオンは突然の大爆発に巻きこまれた! 神楽の中で蓄積されていた怒りが一気に具現化してしまったのだ! 周囲は力のない邪霊が四散していく……大きな塊が一度ほころびを見せると、もはや止めようがなかった。さすがのレギオンも爆発の中で悲鳴をあげる。
『グ、グヌ……せっかく蓄えた浮遊霊どもの力が……アガガ……』
「そこか!!」
『ゴオオォォ……ぬ、ぬかった……ぁ!』
声の方向に火嵩が作り出した火球を打ちこむ……するとそこには、他の力のない邪霊とは明らかにサイズの違う赤い揺らめきを見せる霊が炎に包まれていた!
「てめぇが元凶か……手間かけさせやがって……」
周囲にいた邪霊を鉄扇で必死に弾いていた日向は額に血管を浮き上がらせて怒り狂う。その声に合わせて、今度は戦いを決するために全員が赤い邪霊を狙う。火嵩は華麗なジャンプを見せながら桜牙を振り上げ、宙を浮く邪霊に向かう。それを見て逃げようとした邪霊だったが、その腕にみあおの青い羽を刺されてしまい、簡単には動けなくなってしまった!
「当たった〜!」
『グ、奢るな人間……お前みたいな若造など……グゴォォォ!!』
徐々に間を詰める火嵩を迎撃するためにその鋭い爪を構える邪霊……しかし、それさえも思惑通りに進まない。今度はひとつではなく無数の火球が襲いかかってきたのだ!
「おにーちゃんの出した火の玉なら、かーくんにだって出せるよ〜〜〜!」
『ガアァアッ、じゃ邪魔だ……!』
「おとなしくっ、成仏ぅぅぅしろよぉ!!」
『ガアァ、させるがぁ!!』
神楽の火球は狙いが定まっていなかったのか、赤い邪霊の注意を完全に引くことはできなかった。しかし、そのまま火嵩が全身全霊を込めて桜牙を振り下ろそうとする……邪霊は鋭い爪を伸ばし、火嵩を八つ裂きにしようとした……!
だが、爪は伸びない。彼は自分の霊体が真っ二つにされていることに気づかなかったのだ……視界が崩れていく中で、邪霊はふと後ろを振り向いた。そこには必死の形相で霊刀を振り上げた理都の姿があった。彼はその時、すべてを知った。神楽やみあおはおろか、目の前にいる火嵩でさえも囮であったことを……
「おおおおおおおおおおぉっ、おりゃああっ!」
『ギャアアアハアガガアッガアァァァッ……ガァ!!』
そして最期は火嵩の気合いの一閃を受け、絶叫とともに消えていった……それを聞いた取り巻きたちは蜘蛛の子を散らすように消えていった。その場にはやっと静かな空間が戻ってきた。みあおはガッツポーズをかわいくすると、そのまま近くのお墓の影に向かった。そして次に姿を現す頃には、さっきまでの銀色の髪を持つ女の子に戻っていた。彼女は興奮覚めやらぬ様子で話し始めた。
「すっごいね! ほんとにお化けがいたんだ〜。ね〜、かーくん、しょうくん、かずみちゃん!」
「かーくん、たのしかった〜!」
みあおの明るい言葉が周囲の緊張を和らげる……神楽は満足そうな笑顔を見せた。みあおはまだ戸惑いを見せるふたりの手を取って、小さく跳ねていた。その時、遠くから老人の声が響いてきた……
「だ、誰じゃあ……子どもに悪さする化け物は……ひぃ、ひぃ、ひぃ……」
その老人は竹やりに鉢巻という戦争中を思わせるようなスタイルで走ってきたようだった。ステテコに安物のシャツという姿はまさにじいさんという言葉がピッタリだった。今まで気絶していた一つ目小僧がその老人の声で目を覚まし、一声上げる。そして必死の形相で墓石の山から脱出し、小僧はじいさんに駆け寄った。
『げ、源三じいさん……! 何しに来たんだ、腰は大丈夫なのか?!』
「源三おじいちゃま……もしかして本当にここでお化けの演出をなさっている源三おじいちゃまって……」
「ああ、わしじゃよ。最近は持病の腰痛でここを留守にしておったが、まさか悪い霊が住みついとるとは思わなんだ。通報を受けて、すぐさま飛んできたんじゃよ。」
理都は今になってやってきた人物が、ここで有名な脅かし役の源三じいさんであることを明かした。それを聞いて日和は大いに驚く。
「と、飛んで来たって……誰がおじいちゃんに通報したんですかぁ?」
「あんまり言いたくはないんじゃがな……実はわしのファンクラブのメンバーが教えてくれたんじゃ。」
「確かにじいさんのファンクラブがあるのは知ってんだけどさ、じゃあ誰が教えるんだよ。」
『俺たちが教えるんだ。』
「俺たちってよぉ、一つ目小僧さんよ。『たち』っていうのは複数いる場合に使うんだよ……って、おお、なんじゃこりゃ!!」
火嵩が返事をした小僧に日本語の講釈を垂れようと振り向いた時だった。小僧の近くにはたくさんの化け物が寄り添っていた。カラス天狗にからかさお化け、お岩さんやろくろ首たちがその周囲を賑やかにしていた。神楽は思わぬところで望みが叶い、大喜びだった。しょうやかずみも彼らとの出会いは恐怖を通り越して驚きに変わった。みあおに引っ張られるようにして、お化けたちと楽しく会話を始めるのだった。
その時、理都は源三とお化けとの関係に気づいた。
「おじいちゃま。もしかしてファンクラブの会員には……」
「そうじゃ。彼らお化けたちも混ざっておったんじゃ。人間に紹介するのはあんたたちが始めてじゃがの。こいつらは田舎の開発とかで棲家を追われた本物のお化けじゃ。最近じゃ、お化けにも棲みにくい世の中になっとるようでな……各地を転々としている時、ここに来たところをわしがかくまってやったんじゃ。すでにここは、わしが近所の子どもたちを脅かすがためだけに使われている場所だというんで有名じゃったからな。わしにとっては一石二鳥じゃよ……ここにはわしが子どもの頃に出会った風景が、あるんじゃからの。夢のような場所じゃわい。本当ならわしらが、あんたらと小さなお客さんを歓迎してやりたかったんじゃがな……」
源三じいさんは周囲を眺めながら、時には遠いあの日を懐かしむように話した。しかしその目はいつも、子どものような輝きを秘めていた。そんなじいさんの恩を受けていたお化けを代表して、一つ目小僧がばつの悪そうな顔をしながら話し始める。
『俺たちはじいさんが倒れた時に約束したんだ。ここに来る人間たちを驚かすってな。もちろん食ったりなんかしないぞ。本当は楽しんで欲しかったんだけど、最近になって浮遊霊が集まるようになってきたんだ。たぶん、あいつらにとっても居心地のいいとこだったんだろうな……そこへさっきの親分肌の邪霊がやってきて、そいつらを取り込んで悪さをしようとしたんだ。俺たちは危ないから警告してただけなんだよ。悪気はなかったんだ、許してくれよ〜。』
出ていけと一方的に叫んだ事情を正直に話す小僧は深く頭を下げる。日和は楽しく話をしているみあおと神楽を小僧の前に連れていき、わかりやすく事情を説明した。そして許してあげようねと促されると、ふたりは大きく頷いた。
「いいよ〜。こんなにたくさんのお化けさんたちと会えたから!」
「うん、かーくんもゆるしてあげる〜。」
『ありがとう、ありがとうなぁ!!』
ふたりの小さな手を握り締め、文字通り大粒の涙を流す一つ目小僧。
「でも、ひとつだけお願いがあるの! おじいちゃん、い〜い?」
感慨にふけっていた一つ目小僧の涙がみあおの言葉で一瞬にして引っ込んだ。みあおは嬉しそうな顔をして、背負っていたリュックに手を突っ込んだ……
『は〜〜〜い、みんな笑って笑って〜。』
みあおのデジタルカメラを構えるのは一つ目小僧だった。彼は人間よりもカメラが撮りやすいという利点を生かして、カメラマンを買って出た。その先には無数のお化けたちと火嵩たち人間がいた。もちろん横には源三じいさんもいる。みあおはこの墓地で記念撮影がしたいとお願いしたのだった。
そしてそこにいる全員が小さなお菓子を持っていた。みあおと理都が持ってきたお菓子を全員で分けたのだ。お化けも嬉しそうにそれを食べている。大口のお化けが小さなクッキーをちまちま食べている姿は周囲の爆笑を誘った。火嵩はそんな楽しい空間で菓子の袋を開けようとしたが、ある人物にそれを取られてしまう。
「おいっ、それは俺んだぞ! 返せよ、バカ!!」
「おっと、悪いな……借りは返してもらうぞ。日和にはお菓子が回ってきたが、俺には回ってこなかったんだ。お前には貸しがあってちょうどよかった。」
「お、お前! お前、食欲はふたりでひとつじゃないのか!?」
「……いいじゃない、火嵩くん。理都さんと同じ写真に収まるんだから。」
「ドキッ。」
日向とスイッチした日和は鋭いツッコミを火嵩に送った。図星を突かれた顔を見て、日和はくすくすと笑いながら神楽たちの元へ行った。火嵩が顔を赤らめている横に、お目当ての理都がやってきた。
「戦いではありがとね。なかなかいいセンスしてるじゃない……息もあってたし。」
「はいっ。あ、ありがとうございます……」
「またピンチになったら、助けてくれるのかしら……ふふふ。」
「そ、そりゃもちろ」
『はい、撮りますよ〜〜〜。はいっ、チーズっ!』
小僧がシャッターを勢いよく押す……目の前にはお化けと人間が仲良くお菓子を食べて笑っている奇妙な風景が広がっていた。神楽はしょうたちと一緒に最前列でお菓子を頬張っていた。食べているものは違っても、嬉しそうな笑顔だけはみんな同じだった。源三もお化けも神楽も、みんなみんな真夜中のピクニックを楽しんでいた……
世にも奇妙なその写真は、火嵩の宝物のひとつになった。しかし、写真の映りだけは気に入らなかった。まさか頬を赤らめたままの状態で写されるとは思っていなかったからだ。
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
1415/海原・みあお /女性 /13歳/小学生
0366/高橋・理都 /女性 /24歳/スチュワーデス(FA)
2036/御崎・神楽 /男性 /12歳/小学生
1111/芹沢・火嵩 /男性 /18歳/高校生
2021/馬渡・日和(日向)/女性(男性)/15歳/中学生(淫魔)
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■ ライター通信 ■
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皆さんこんばんわ、市川 智彦です。今回のテーマは『ノスタルジック』でした。
個人的にも東京怪談で初めて戦闘シーンを書かせて頂きました。いかがだったでしょうか。
読んで下さった皆さんには、テーマより戦闘シーンの方が印象的かと思います(笑)。
火嵩くんは自由に書かせてもらいました。特に戦闘シーンでは活躍してもらってます。
同じ刀を操る理都さんとコンビでがんばってもらいました。火嵩くんは大満足だと思います(笑)。
日向との掛け合いも好きです。同年代の男の子同士ではまた違った一面を見せてくれるんでしょうね〜。
なお、他の皆さんとシナリオ展開や活躍の仕方が若干変わっています。
どこがどう変わっているのかを楽しんで頂けたら幸いです。物語の数だけ楽しめるようがんばります。
皆さんにはぜひ記念撮影の構図を想像して楽しんで欲しいなぁ〜と思っています。
この写真のイメージがキャラだけなく、皆さんにとってもいい思い出になることを祈って。
今回は本当にありがとうございました。また別の作品でお会いしましょう!
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