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<東京怪談・PCゲームノベル>


あやかし荘奇譚 温泉と松茸と山の主 2日目

〜永久秋伝承〜
四季の神と、四風神在り。
八柱が揃い日登る国に四季をもたらす。
恵みと怒りともに、人々に心の豊かさを与えた。
名知られず、八柱。
秋を司る神は、この土地の男と恋をし、人と神の間の子を得た。
其れは禁忌。残りの柱の神々は怒る。
男と子は殺され、秋の神は地に墜ちた。
秋が無くなり、流れが乱れる。
秋となる神はおらず。神々は悩み苦しむ。
遙かなる地から調停の女神が現れ、皆を諭す。
女神、子の亡骸から「愛」を取り出し、其れをもって秋の神を救う。
四季は戻った。
されど、悲しみはその場に残る。
神の力、その場に残り続ける。
今も秋の風が吹く。


【朝風呂】
「朝風呂って気持ちいいわ」
「ホント最高ですよね」
と、シュライン・エマと牧鞘子が綺麗な秋の朝景色を眺めながら朝風呂を楽しんでいた。
「かわうそ?から聞いたけど、遭難したんですって?」
「はい…そうです」
「あのナマモノっていったい何なのかしら?」
「おしりあいですか?」
「其れも何か分からないわね…ってアンタ、朝からお酒?」
「ええ」
鞘子は、朝風呂と朝酒を楽しんでいたりする。
呆れ返るシュライン。
「先客が居たのね、おはよう」
「朝風呂は気持ちいいよね♪」
と、暁アンリと海原みあおもやってきた。
「アンリさんにみあおちゃん、おはよう」
「皆さんおはようございます」
2人はニコリと微笑んで挨拶する。
アンリは昨日かなり飲んでケロってしている。
2人ともゆっくりと湯につかって、他愛のない話をして、のぼせないウチに(湯当たりしないように)上がる事にした。


【朝の散策】
天薙撫子は、永久秋温泉の近くの散歩道を歩いている。気になるのか、焔が着いてきていた。
「どうしました?」
「にゃー」
どうも、頭に乗せて欲しいらしい。
少し考えて、撫子は彼女を抱きかかえる。
「これで我慢してくださいね」
「にゃん♪」
涼しい風と、撫子の足音しか聞こえない静かな散歩道。
仕事の後に永久秋について調べていたので、彼女は色々考える。
永久的気候の変化の力は神の技。民俗学で何かあるのではと調べていた。この土地には四季神の一柱が居るとされている。春夏秋冬の神、東西南北の風神が一定の位置に季節を運ぶのだそうだ。
永久秋である事件が起こる。
秋の神とこの里の男が恋に落ちた。
子供まで恵まれたという。
しかし、四季神と四方風神には其れは禁忌とされた。
永久秋伝承では、家族はバラバラになり四季が乱れ(推測するなら日本全土)に大きな災害がもたらされた。神は後悔したのか、解決策を考えたという。
秋が好きという言い伝えとはかなり異なるのだが」
考えながらも、小さな祠を見つけた撫子。
「あの男の人を奉っているのかしら?」
撫子はその祠の前で座り祈りを捧げた。

宿に戻った撫子は、従妹の榊船亜真知に此処の伝承を話し、興味深いモノを見つけたと伝える。
亜真知も何か気になることがあるらしく、其れがはっきりしないのでもどかしそうだった。
「撫子姉さま、朝ご飯を済ませたら探索に生きましょう♪」
と、にっこり笑うのだった。
いつの間にか焔が亜真知の頭に乗って欠伸をしていた。


【調子狂わせ時空跳躍者】
加持葉霧と風野時音は、朝から山奥で漫才をしていた。
「隊長!此処にまで変な私物を持ち込まないでください!」
「やだなー、生真面目君は。そんなことでおこっちゃメ☆」
「エルハンド先生にまた〈0の世界〉に飛ばされたいんですか!」
「いや僕自身「0」だけど…。本当は茶化すつもりはなかったのだが…もってきたのは本当に只の椎茸だったんだがね…」
周り一面、鉄の棍棒をもった人型キノコ。菌人類。加持はこの永久秋で椎茸栽培をしようと考えていたらしいのだが。この男のやることなすことはた迷惑この上ない。
「秋の風情も台無し、僕と歌姫、雪香の大事なひとときが台無しじゃないですか!」
「言うようになったね♪」
「僕だって言うときは言います!滅神を倒す術を考えなきゃならないんですから!」
「もう、幸せ満面な顔になっちゃって〜既に所帯じみているか若年寄り〜」
「いきなり部屋に入ってきて、変なものもってきたんじゃないですか!僕が其れごと跳躍しなかったらどうなっていたことか!」
「そんなこと言っていると、僕が持ち込んだ『極普通の』椎茸君達が…」
「隊長の馬鹿―!」
襲い来る、ナマモノと格闘しなくてはならないと血涙し、加持に包丁と七輪をもたされ戦っている時音だった。
「なかには突然変異で松茸もどきがいるかも〜♪」
「呑気に喋ってないで責任とってください!」

……
―馬鹿ですかあんたら。


【山の散策:カップル】
朝食を済ませた皆は色々と、永久秋のことに興味を持っているようだ。
四季がありながら秋の気温。謎が多く残っている。
「散策行こう、昴」
「はい朱姫さん」
矢塚朱姫と天樹昴は、極普通のカップルのように、山の散策を楽しむことにした。
「此処の山の主って秋が好きだから、ずっと秋らしいぞ。本当かどうか調べてみないか?」
「面白そうですね」
他にも散策隊がいるようだが、2人に気を遣って別行動をとってくれている。

山道に入る前に、興味在る祠を見つけた。
「なんだろ?」
2人はその祠を眺める。
『秋神愛男子鎮魂之碑』
と、石碑に刻まれていた。
「これってどういう事だろ?」
「秋に思い入れがあるイコール秋が好きではなさそうですね」
「うん」
2人は祠に祈ってから更に進む。

秋の気持ちよい風を受けながら、朱姫は小走りに先を行き、昴は「月読」を使い、真面目に山を調べていた。もちろん朱姫に危険がないか注意を怠らない。
「あ、松茸〜」
「いえ其れは、其れに似たキノコかと思いますよ。赤松に生えてないですし」
「そうと限った訳じゃないだろう〜。あ毬栗♪」
楽しんでいる恋人を微笑ましく見守る昴。
しかし、朱姫には其れがつまらなかったのか、
「昴はつまらない」
と拗ねて元来た道を戻る。
「ちょっと、朱姫さん、まって…」
「またない!」
とご機嫌斜めのお姫様。
所が…彼女は落ち葉で足を滑らしてしまった。
既に「月読」で予知していたので彼女を抱き止める昴。
しかし、焦っていたのか抱き止めるどころか強く抱きしめてしまった。
「あ…」
朱姫は真っ赤になって固まってしまう。
彼は真剣になり、
「いつも綺麗ですけど、肌、綺麗ですね」
と恋人にいう。
固まってしまっている朱姫は何も言えない。
丁度、昴は月読から声を聞いた。
―大事に幸せに…私達の様にならないで―
「そうか、この山は…」
「…昴…」
「はい…?」
怒られるかな…と少し不安になった昴だが…、
「いい加減…いや暫くこのままで」
「はい…」
2人は、そのまま抱きしめ合っていた。
秋の風は、彼らを祝福するかのように優しく吹いている。


【草間興信所の面々はお買い物】
シュラインと草間、そして零と五月は少し離れたお土産の通りまで向かう。
「季節はあるのに、秋の気温っておかしいわね」
「確かにそうだ。しかし、山の主はそのことを考えて一部だけコントロールしているんじゃないのかな?」
とシュラインと草間は話し合っていた。
五月は前にいた「退魔の里」、零は「中の鳥島の森」を思い出しているのか、周りの景色に魅入っていた。
「2人を連れてきて正解だったな」
と草間が言った。
「そうね…自分なりに楽しんで居るみたい」
よく見ると、五月と零は、仲良くお土産屋を眺めていて色々話をしている。
「家族同然ってやつだな」
「え?」
いきなりの草間の言葉にビックリするシュライン。
「そうだろ?結局俺たちはいつも一緒にいる。家族だよ。ま、焔は亜真知の方に行ってしまったようだが」
シュラインは無言で頷いた。
「あ、そうだ。此処で籠とかお土産買っておきましょ♪」
「他の連中に面白いって言われる土産って無いものかな?」
「にいさーん、此処の店、草履を自分で作る事が出来るみたいですよ〜」
と妹が手を振って兄を呼んでいる。
「シュライン、俺草履作りに挑戦してみる。どうだ?」
「良いわね。昔の人の知恵はすばらしいと言うし、あたしも」
といって、零に誘われ、草履作りに夢中になった。
完成後、零と五月は既に草履を履いて歩き回る。
一緒に、資料館で山のことを調べてみたり、籠細工を買ってわいわい楽しんだりした。
「楽しい♪」
五月がにっこり微笑む。
零も満足げに兄の腕を掴んでこの里の民謡を歌っていた。
他の旅人からすれば、(五月は見えなくても)仲の良い兄妹と兄の恋人との楽しい買い物と見えていることだろう。


【遭難者とみつきとかわうそ?】
「手伝いたい〜」
「むり」
かわうそ?に止められているバケウサギの白兎みつき
「あららどうしたの?」
秋葉が喧嘩の仲裁に入る。
独りぼっちなので、永久秋温泉を探検したのだがすぐに飽きて、店の手伝いをしたいというのだ。
「お客様にはそのようなことは…」
と秋葉は言う。
「えー」
ウサギの耳をたれてションボリするみつき。
四足歩行で何か考えてうろうろしているかわうそ?は
「かわうそ?の簡単な手伝いなら良い」
「やった!」
「大丈夫かしら?」
「多分…大丈夫と思う」
「あなたにしては自信がないのね」
「つい最近にあったばかりこのみつきとは」
と、秋葉はかわうそ?との会話。
「ねね、どんな手伝い?」
みつきは目を輝かせてかわうそ?に訊いた。
「遭難者…探す」
思いっきり難しい仕事ですがな…。

ファルナはファルファと共に恵美を引っ張って山の散策に出かける。
「やっぱり紅葉は良いですねぇ」
「ええ」
「あ、あそこにキノコが…」
とファルナが大きな松茸を発見する。
しかし、思いっきり落ち葉で足を滑らしてしまった。
「あれ〜〜」
「ファルナさん!ってあ―っ!」
「ファルファ!」
崖一直線に滑り落ちていく2人をファルファが見事にキャッチするも…
その先は泉だった…。
ファルファもろとも、泉に沈む…。

「ごめんなさいです」
笑いながらも、謝るファルナ。
恵美は怒って黙したままである。
たき火を起こして、肌着のまま暖をとっている。
「ちゃんと乾けばいいのですけど〜」
と、この苦しい状況を楽しんでいるかのように喋り続ける。
「念のため、永久秋のかわうそ?に連絡を入れました。あの謎の生物なら…」
とファルファが説明しかけたとき…
秋の風が…軽く吹いた。
「へっくしょん!」
恵美がくしゃみをする。かなり寒いのだろう。
「お風邪を…大丈夫デスかぁ」
「大丈夫じゃありません!…もう、いい加減にしてくださいね」
「気を付けます〜」
ニコニコ笑うファルナ。

30分もしないウチに、かわうそ?とみつきが救助隊としてやってきた。
「美人がたき火を囲んで裸で発見」
「なにしてるのー」
「…」
かわうそ?は淡々と仕事をしており、みつきは2人の異様な風景に興味津々だった。
服を乾かしているというので、みつきは
「手伝う〜」
という。
「何もしなくていいからって…あうー」
かわうそ?は2人に着替えの服を渡そうとしているところ、みつきが、乾かしている服に手を伸ばし…転けて頭から泉に落っこちてしまった。
「あうー耳に水が入ったら死んじゃう〜」
ともがき苦しむみつき。
ため息混じりで、かわうそ?がファルファと恵美をみる。
ファルファがみつきを救い出して難を逃れた。
「山道注意。わかった?」
「はぁいですぅ」
秋の風は寒かったが、不思議と暖かくかんじた。


【心霊写真?】
高遠紗弓と暁アンリは、二人して栗を拾いに行った。
見晴らしの良いところにたどり着いた紗弓は、やはり妹のことが気になるらしく…元気がないように見える、アンリには。
栗の他にアンリはキノコ数種、何故か網焼きと七輪を持っていた。
「さゆみん、さゆみん」
「なにアンリさん…いきなり『さゆみん』だなんて…」
「このキノコ食べない?」
「其れって…」
「新種のキノコかもしれないし」
見たところ、どうしてもワライダケにしか見えないキノコ…。
食べたら…この先どうなっているか分かったものではない。
「うーん…其れは止めていた方がってもう焙ってるー!其れかでは止めてー!」
其れが木霊となって、永久秋に響く。全く持って虚しい…。
なんとか、アンリの恐ろしい頼みを断るが、アンリは不満だった。
―松茸に似た毒キノコ:症状が軽いもの:在れば良かったんだけどなー(アンリさんの心の声)

とにもかくにも、2人の散策は続いた。
紗弓はカメラを取り出し、景色を撮っていく。
そして、鮮やかな朱の紅葉を拾って、大事にメモに終った。妹のためのお土産だ。
又何かたくらんでいそうなアンリに向かって…
「そろそろ時間だとおもうし、記念撮影どうかな?」
と、誘ってみるとアンリは承諾する。
セルフタイマーをセットして、2人で記念撮影を撮った。
「現像するには時間がかかるけど…良いモノが写ってればいいよね〜」
と、わくわくしながら宿に戻る紗弓。
「さゆみん元気になったのでいいかな」
と、ちょっと物足りないアンリ。
秋の風は彼女と戯れるように吹いていた。


【亜真知達の散策】
頭に焔を乗せた亜真知が率いる山の散策部隊は、撫子、嬉璃、焔にすぴ、そして鈴代ゆゆ、海原みあお、牧鞘子というメンバーだ。五月は丁寧に断りを入れて、草間達の買い物にいったのだ。
すぴは、野生丸出しでかけていく。やはりウサギ、しかし元は饅頭。どっちつかずの存在だが…。
「山の神様かぁ…やっぱり一年中秋、っていうのも不思議な話だし、会ってお話とかできればいいんだけど…」
「ですわね〜」
と、ゆゆと亜真知は会話をする。
「みあお、許可貰って秋の山菜を詰めるの」
「それは良いですわね」
「にゃー」
「鮎が欲しいの焔ちゃん」
亜真知が焔に訊いた。
「にゃん」
肯定の鳴き声。
「あるかしら」
「無いと思う」
「なー」
「悄気ないのー」
賑やかな探検隊だ。
亜真知とみあおは山道を歩き、秋の山菜を採っていく。
撫子と鞘子はこの地域の伝承について話し合っていた。
ゆゆは、自然の木々に「神様見なかった?」と訊きながら予め持ってきた「御神酒」を大事そうに持っている。
神社は歩いて1時間程度の山の中にあった。
常に誰かに手入れが為されており、綺麗である。しかし、誰も住んでいない。住職すら居ない。
里の話によると、新しい神社が里の近くに建てられたので、此処は何もないというのだ。
しかし手入れされているのはおかしい。
亜真知は過去のことを思い出そうと必死だった。デジャブのような感覚に襲われている。
「ここどこかで見たような気がします」
と、撫子にこっそりと話す。
「そうなのですか?」
「かなり昔のことなので…うろ覚えで…あーもう!」
と、珍しく困った顔をする亜真知。喉から答えが出かかっているのはもどかしい。
「なにかわかったの?」
みあおが、駆け寄ってくる。
「アルシュ君が木から落ちたとき助けた女の人って覚えている?亜真知ちゃん」
「あー!」
大きな声を上げる亜真知。
「あの人、山の主ですわ!秋の女神!」
「え?」
亜真知は、全てを思い出す。
皆は神社の真ん中でソレを聞いて驚いた。
秋の神を救ったのは他でもないこの亜真知だったという。
「流石に死んだ男の人は救えなかったですが…」
「では『子の亡骸から愛を取り出す』というのは?」
「皆を説得致しましたことだと思います。なにぶん古いことですし」
「わしも昔のことを覚えておらぬ事がある」
「すぴぴー」
嬉璃とすぴが頷いている
「あやかし荘に関わる人達って凄い人ばかりなのね…」
鞘子が感心していた。

ふと枝を踏み折る音がした。
「まって!」
ゆゆがその方向を叫んだ。
怖ず怖ずと、前日の女性が姿を現す。
「あなたですか?秋の神…」
「本当に神様に会っちゃった…」
ビックリする一同。そうそう土地神に会うことはないものだ。
「この神社を綺麗にしているのはあなたですか?」
と鞘子が訊くと女性は頷いた。
どうやら投影体(アバター)の様だが喋ることは出来ないらしい。
しかし、彼女の雰囲気から、亜真知に千年ぶりの挨拶と感謝、先日の失礼をわびているようだ。
「此処であったのも何かの縁。暫く皆と一緒に山を歩きませんか?」
撫子が、彼女をさそった。
断ることもなく。彼女は頷いた。
彼女は歩きながら、秋の風と共に真実を皆に伝えていったのだった。
当然、その話は、昴にも届いている。
秋の風は哀しく切ない感情を運んでいく…。


【一方時空跳躍者の昼】
満身創痍の風野時音と加持葉霧が板前のコスプレを永久秋の前でしながら…
「取れたてピチピチのキノコ弁当!いかがですか〜」
と変な商売をしていた。
一応、永久秋の女将には許可を取っているらしい。
―どうして僕は…のんびりしたいのに…(風野時音の声)
他の客が興味を示してまずまずの売れ行きを見せた。

「さて、任務完了!後は頼んだよ、てっ…ごふ!」
「逃げては駄目です加持隊長!」
加持はささっとその場を去ろうとしたが…時音の「天空流」突っ込みがクリーンヒットする。
そこでノックダウンする加持だった。
「う、腕を上げたね…がくっ☆」
「隊長は後片づけしてからです。罰として、全部これ食べてくださいね」
と言って時音は弁当を家族分だけは持って行き、宿の中に戻るのだった。


【帰り】
各々、身支度を済ませ、バスを待つ。
お土産のチェックもOK、思い思いの行動が取れて満足だったと思われる。
恵美にしては災難だったと。
シュラインの助言により既に荷物を纏めている者が多くそれほど混乱はなかった。

あやかし荘一行に紛れ帰ろうとする鞘子は、かわうそ?に止められる。
「暫く此処で働いてもらう」
「え―!」
「鞘子の仲間は宿賃のバイトで頑張っている。逃げるの駄目」
「わかりましたぁ」
とほほと頭を垂れる鞘子だった。


【後日談…:さゆみんの記念写真】
景色の写真はコレといって何もないのだが、アンリとの撮った記念撮影には…。
其処に居なかった女性が写っている。白いセーターに短パン、玉のネックレス。スニーカーを履いている極普通の格好だが、何かしら不思議な感じのする女性。
そのことはまだ良い。念じて撮ったのだから。しかし、永久秋でバイトしているかわうそ?が一緒に写っていた…のが不思議なのだ。
しかもくっきりと…。
「しかし意も反して…かわうその霊が写ってるのは何故?」
「其れ霊じゃない。実物。シャッターチャンスの時に時空を越えて割り込んだ…」
いつの間にか、紗弓の部屋に永久秋で会ったナマモノ…つまりかわうそ?が居たのだ。
「うわー!どこからきたのよ!って、時空を越えて写りに来たってどういう事よ!」
と驚き叫ぶ紗弓だった。
確かに目をこらすと、時空の裂け目が写真にあったりする…。
これはこれで、面白い記念写真だろうか?


〜終わり無き秋の地〜
今も風は秋を運ぶ
此処は永久に思い出を忘れないために
楽しき日々を留めておくために
秋と終
時の流れ終わりの節目
されど、この里は終はなし
かの人が心から笑っている季節は…私が居た秋…


End

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【0086 シュライン・エマ 26 女 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
【0157 ファルナ・新宮 16 女 ゴーレムテイマー】
【0187 高遠・紗弓 19 女 カメラマン】
【0328 天薙・撫子 18 女 大学生】
【0428 鈴代・ゆゆ 10 女 鈴蘭の精】
【0550 矢塚・朱姫 17 女 高校生】
【1219 風野・時音 17 男 時空跳躍者】
【1376 加持・葉霧 36 男 ステキ諜報員A氏(自称)】
【1415 海原・みあお 13 女  小学生】
【1593 榊船・亜真知 999 女 超高位次元知的生命体・・・神さま!?】
【2005 牧・鞘子 19 女 人形師見習い兼拝み屋】
【2014 暁・リンネ 19 女 大学生】
【2093 天樹・昴 21 男 大学生&喫茶店店長】
【2099 白兎・みつき 5 女 バケウサギ…って職業じゃない】

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■         ライター通信          ■
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滝照直樹です。
『あやかし荘奇譚 温泉と松茸と山の主 2日目』に参加していて頂きありがとうございます。
やはり大人数は纏めるのに苦労しましたが、何とか書き上げることが出来ました。
そして、冬本番になる前に仕上げることが出来たことにホッといきをなで下ろしています。

では、機会が有ればまたお会いしましょう。

滝照直樹拝