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水の底から見た世界。
訪れたのは、廃ビルの裏を流れる貯水槽。
数年前にここで女の子が溺れ死んでから、ここにきた者を引きずり込むという噂が流れ、マンションの経営自体から手を引いてしまったそうである。
取材と称してここにきたのは３人と一匹。
「な、なんで僕が先頭何ですかぁ〜」
「元はお前一人の仕事だろうが」
脅えきった三下とあからさまに面倒そうな盛岬りょうとナハト。
「そんな事言ったら三下さん可哀相よ」
そして偶々アトラスに顔を出したリリィがデジカメで撮影している。二人がさぼらないようにと麗香に言われているのだ。
「あああああ〜、いま赤い服を着た女の子が通りましたー！！！」
「だだの傘だろうが」
見える範囲にいれば、いくらなんでも三下よりは先に気付く。
だが念のため、いつでも対処が出来るようにタバコを取り出し火を付ける。
「もうちょっと先だな……」
事故現場の貯水槽に、噂通りその子は居た。
黄色いレインコートを着た、六歳ぐらいの女の子。
「ひぃやぁぁ〜、す、す、すッ、透けてますよーー」
「五月蠅い、リリはとりあえずここで待機な」
三下を蹴飛ばしてから、刺激しないようにゆっくりと近づく。
「だれ……？」
とろりと解けた顔と目。
「河田ジュン……ちゃん、だよな」
こくりとうなずく。
「ここにきた奴に、何かやった……じゃなくて、来た人がどうなったかが聞きたいんだけどよ、何か知らないか？」
寂しさ故に連れて行こうとしているのなら、止めさせなければならない。
そう思っていた。
「あたしじゃないよぉ……ひっ、っく」
しゃくり上げ始めた事に驚きはしたが、ナハトが吠え背後の気配に気付く。
「……そうか、他に！！」
「りょうっ！」
「で、でたぁぁぁ」
真っ先に捕まる三下。
水が、明確な敵意を持って周りを取り囲む。
「こわいよぉ……」
捕まっていたのだろう、ジュンという少女はずっとここから出られなかったのだ。
一人で、ずっとここに……。
りょうはジュンと三下を包める程度の結界を張り覚悟を決める。
「……ナハト！ リリ連れて逃げろ！」
「ちょっと、りょうはどうするの！」
「こいつ押さえてるから、なんとか出来るやつ連れて……っ！」
津波のような水が、３人の姿をのみ込む。
それが、映像に残っていた全てだった。
【日下部・更夜】
クラシカルと言えば聞こえがいい、そんな骨董品や古書に過去まり手が空いている内にと整理を行っていた日下部更夜の背に、ユラと六尾を持つ美しい女性が現れる。
「どうした、翠霞？」
「つい先ほど、妙な気配がしたので気になって」
「妙な気配、な？」
翠霞の正体は更夜の身につける腕輪に宿っていた狐であり、その所持者である更夜に憑いている存在だ。先にも触れたように６尾も持っているのだから能力は申し分ない。
その彼女が言うのだから間違いはないだろう。
「面白そうだな、行ってみるか？」
「十分に気を付けてください」
「大丈夫、大丈夫」
軽く忠告を受け流していた訳だが、問題の場所に着いた時には意外な事になっていた。
なんだか解らないが水相手に結界を張っている男と、叫いている三下。
「ぎゃー！ ぎゃー！！！」
「うるさいっっ」
それから後ろにいる……幽霊の類と思われる少女。
「何やってんだ？」
この状況でそれはあまりにも素直な意見だ。
「！？ ちょうどいい、何とかするの手伝え」
ジリジリと押され始めているのだから、助けを求めるのは当然だろう。
「翠霞、倒せるか？」
「はい。特に問題は無いと思います」
「よかった、なら早く……！」
「とは言うものの、ただ倒しても俺は何も楽しい事が無い」
平然と交わされる会話に、二人が沈黙する。
「やはりいつもの様に拘束して、妖に因果を説明させるのですね」
まぁ、ほとんど俺の趣味だが、言い分もあるだろう。相手に全ての非があるとも限らないからな」
思いっきり嫌な顔をするりょうと声も出ない三下。
「楽しまなきゃ損だろう？」
「何がだぁぁぁ！！」
ニッと笑う更夜に、りょうは当然の主張だと怒鳴る。
そして覚悟を決めたように腕を振りかざし、一気に火を放出し水を押し返す。
このぐらいの芸当は出来たようだ。
「三下、ここは任せたぞ！」
「な、何言ってるんですか〜！？」
「うっわ、バカ！」
三下を蹴り飛ばそうとしたりょうの腕に三下がしがみつく。
「おにいちゃ……」
「すぐに誰か来るからな！」
それは少女にかけた言葉だったらしい。
結局は三下に捕まれたまま、水と一緒にこっちを目指し走ってくる。
「き、きますよーー！」
じたばたと動く三下を更夜の方へと放り降り投げる。
「お前も巻き込まれろ！」
「なに！？」
「みずでないでくだざいーーー！」
とっさに避けるが、足下に三下がしがみついてきて離れない。
「更夜様！？」
こんな暴挙に出る事は流石に予想外だった、捨て身で他の人間も巻き込むなんて普通は考えない。
持ち前の反射神経を駆使しようと試みるが……相手は鉄砲水の早さを持ち得た水である。この短距離の上、重りが付いていたのでは逃げられる物ではない。
こうして更夜と翠霞、そしてりょうと三下は濁流に呑み込まれ……どこへとともなく流されていく羽目になった訳である。
ずぶ濡れになった服の裾を絞るが大して変わりはない。
とりあえず流れ着いた場所でりょうに事情を聞く。
ここで溺れ死んだという、あのジュンという少女が人を浚っていると噂されていたようだが……真犯人はあの水霊だったようだ。
一緒に来た人間を助けに出してりょうはジュンと逃げ遅れた少女を守るために結界を張っていたとの事。
三下はすっかり使い物にならなくなっていたし、元から期待していない。
「翠霞、明かりを付けてくれ」
「かしこまりました」
明るくなる視界、足下が見えるようになり……どうして人を浚っているのかがハッキリとした。
歩きにくいのは膝まである水の所為でも、下が土であると言うだけではない。
水の底には、動物や人間の物と思われる骨がごろごろ転がっていた。
「このままだったら俺達も危険だな」
「最悪だ」
怠そうに言うりょうをジト目で睨む。
「巻き込まれたこっちはもっと最悪だ」
「悪かったな、俺だって限界近かったし……すぐに手伝ってればあんな事しないですんだんだ」
「そんな事を言うのか、人を巻き込んでおいて」
「更夜様、まずはここから出る事を考えた方がよろしいのでは」
翠霞の一言に、それもそうかと今は押さえる。
「相手は水霊か、なんであの少女霊を拘束してたんだ」
「……おとりじゃないのか？」
「そうだな普通ならそうかもしれない、けど他に理由があるかも知れないだろう。決めつけるのは面白くない」
濡れた髪をかき上げ、あたりを見渡す。
目の前に通れる道は幾つかある、ここのどこかにあの水霊が居るに違いない。
しばらくすれば食べに来るのかも知れないが、のんきにそれを待っている気にはならなかった。
「せっかくだ、こっちから出向いてやろうじゃないか」
「仰せのままに」
さっさと歩き出す更夜の後をりょうが三下を引きずり付いてくる。
「おい、待てって」
「巻き込んでくれた礼だ、役に立って貰うからな」
「………わーったよ」
不満げな声だったが、気にしない事にして、壁に触れる。
死体はここにあり、逃げられ沿う道もあるのだから誰かが通っているはずだ。それが解れば選ぶルートはずっと解りやすくなる。
「何かあったら言ってくれ」
「はい」
目を閉じ、意識を集中させていく。
これは酷く疲れるが……なんとか見る事は出来た。
「迷路のようになってるみたいだな……それから、年数が立つに連れここは広げられている」
そして何時どこから水霊が来るか解らない恐怖、これではなんの力も持たない人間なら脱出不可能に近い。
つまり弱ったところを食らっているのだ。
「最近は力を付けてまた道が増えてるようだな、それと……数人は生きてここにいるようだ」
「なら見つけたら越えかけてみよーぜ」
「そうだな」
道も増えているし、誰がどこにいるかも解らない。
結局はつらみ潰しなのだ。
「大丈夫ですか、更夜様」
「平気だ、行こう。その前に何か文字を書ける物はないか？」
「あー……解った、それは俺が何とかする」
適当に拾った石で壁に文字を刻んでいく、いまいち不安だったが仕方ない。
「じゃあ今から言う印を残していってくれ、進行方向矢印、一の数字」
こんな風に通ってきた道に印を残していく、こうすれば来た道も解るし誰かが見れば気付くだろう。
更夜は再び水霊を目指して歩き始めた。
元もと、そう遠くない位置には居たのだろう。
気配が、強くなっている。
「そろそろの様だな」
水も冷たくなっているし、出来れば早めに決着を付けたい。
「出来れば何かで引きつけてから一気に叩きたいところだが……」
そう言って三下とりょうの方を見る。
もっとも三下は気絶しているのだから言いたい事は限定された。
「おとりになれって事か？」
「それぐらいは役に立ってもらはないと困る」
「無茶言うな、結界とさっきの火で疲れてるしタバコがないと使えない」
「戦えとは言ってない、気をそらせと言ったんだ」
沈黙。
それは言い方を変えるのならば……。
「特攻しろって言いてぇのか？」
「気に入らないのか？」
「当たり前だ」
さぞかし目だってくれるだろうと思ったのだが……説得から始めなければならないらしい。
「そもそもここにいる原因はなんだった、翠霞？」
「落ち着いて対処できずに、予想外の行動をしたためかと思われます」
「お、俺か？ 俺が悪いのか！？」
当然だ。
焦らした事にも原因の一旦はあるが、それはなかった事にする。
「もう３０秒待てば全ては何事もなかったように穏便に解決できたんだ」
「だからって……」
「切れて無茶さえしなければ十分に結界はもっていただろ、とても大人の行動とは思えないな」
「それは、まあ……」
自覚はあるらしい、それなら話は簡単だ。
「人一人まで足止めした結果がこれか？ 責任の取り方ぐらい解らない訳じゃないだろう」
多少毒はある物の、正論だ。
「………わかった」
渋々了承するが、ハタと顔を上げる。
「あーー……三下を投げるとかは？」
「鬼か？」
即座にその案は却下のは言うまでもない。
気配を殺し、ギリギリまで近づく。
「何時でもいいぞ」
出来たら一瞬で終わらせたい、だから見えない位置から飛び出したからには重要なのはタイミングだ。
意識を集中させ、呼吸を整える。
「力で押さえ付けておくと精気の消耗も激しいですが、大丈夫ですか？」
翠霞の力の媒介は更夜の精気であり、あまりの消耗が激しく後が辛い。
ただし、回復は可能だが。
「分かってるよ。欲しいなら欲しいといえ、全く……稲荷寿司忘れるなよ」
「畏まりました」
少し嬉しそうに微笑んでから、こくりとうなずく。
「よし……いいぞ」
更夜の言葉を合図に、りょうが飛び出していく。
そして……。
チリと、視界がぶれる。
発したのは危険信号。
見えたのは幾つも別れた水霊の核。
「……まずい、戻れ！」
「ーーーっ！」
一撃では、終わらない。
そうなれば対処できないと死の危険すら有る。
「行ってくれ、翠霞」
「はい」
計画変更せざるを終えない、りょうを引かせて可能な限り翠霞に片を付けさせる。
一気に疲れが押し寄せるのを感じたが、ここで膝を付く訳には行かない。
心配をかければその分翠霞の注意が逸れる事になる。
一つ、二つ……三つ。
未来視で見えたのは全部で五つ。
残り二つ。
「どこだ！？」
「まずい、一つ逃げたぞ！？」
「どこに！？」
いや、それ以前に逃げなかった方はどこにある。
それを捜すよりも早く、時間切れだ。
「更夜様！」
押し寄せる水から庇うように、翠霞が更夜を抱き留める。
再び……目眩がするほどの水に包まれどこかへと流されていく。
出来るなら意識がある内に、呼吸が持つ間だになんとかなって欲しいものだが……。
藻掻いている内に見えた光に手を伸ばす。
外へと触れた気がした。
途端、誰かに腕を掴まれ引き上げられる。
「……大丈夫か？」
どうやら、別の箇所に繋がっていたらしい。
と言うのも……目の前の光景が廃墟じみたマンションにの一室にだったからである。
「助かった、ありがとう」
とりあえずそう言った。
同じく事件を調べていたらしい。
ここに更夜がいる事を気付いたのが海原みそのと天薙撫子。
腕を掴んだのが真柴尚道である。
他にもここに来ているようだが、今は別行動をしているとの事。
ちょうど今から気配の方へと行くつもりだった所へ更夜が流れてきたと言う事だ。
「盛岬や三下と一緒にいたのか？」
「ああ、巻き込まれたというのが一番正しいな」
核を見つけて奇襲を書けたはいいが、分裂していたのは予想外である。
「大丈夫なんでしょうか？」
心配する撫子にみそのが微笑む。
「それは後で確認すればよろしい思いますが」
更夜が後を続ける。
「そうだな……倒し損ねた核の内の一つがこっちに来ている」
「まあ、逃がしたのは後で片づければいいだろ」
槍のように伸ばされた水を尚道が素手ではじき四散させた。
触れる物を破壊できる力は、水とそれを操る怪異には十分に有効である。
「核はどこですか？」
「あの丸い奴だ、質が違うから解るだろ？」
ほとんど水と同化している上に動いているのだから、別れというのにも難しい物があるがみそのはすぐに解ったようだった。
「解らないのでしたらお教え致します」
軽く手を挙げるだけで、水霊の操る水の流れの一部が逆流しうねりとなって核を取り囲む。
不自然な流れ方の水はハッキリと核の場所明らかにしていた。
「じゃあ、一気に行くか」
「はい」
狙うのは、核だけで十分。
尚道が水を破壊し、撫子が礼符の炎を持ってしてただの水へと戻していく。
浄化された水は、ただの水でしかないのだ。
瞬く間に逆転していく状況に、水が脅えたように後退していく。
このまま下がればフェンスしかないのだから逃げられてしまう。
「私が封じます」
撫子の持つ妖斬鋼糸でフェンスを囲い、結界を針逃げ道を無くし更に火炎陣で大きくなぎ払った。
「今です！」
合図を受け、水を避けて尚道が核の前へと飛び込み拳を叩き込む。
直前。
「待った！」
「は？」
勢い場止まらず当たってしまうが、核の消滅には及ばなかった。
「ぜったかくだ弱ってる様だから、なんでこうなったかは聞いておいたほうがいいんじゃないか？」
「まあ、それもそうですわね」
更夜の意見に、みそのがあっさりと同意する。目の前の水に妖に、推理物の犯人よろしく話を聞こうというのだろう。
尚道と撫子は地面へと落ち、魚のように藻掻いている姿を見て……とりあえず大丈夫だろうと思う事にした。
「それ以前に話とか出来るのか？」
「それは、平気のようですね」
「話す事は出来るか？」
更夜が語りかけると、反応を返す。
ゆっくりと体を起こしたのは、水と同じ物で出来ている小さな人。
手の平に乗りそうな透明な人間が口を開く。
「力を乗っ取られていたそうです」
みそのが言葉を察し事情を説明する。
「元もとここに建てられていた社の主だったそうですが、ここが出来た事で崩されてしまったようですね」
それは、酷くありがちな話。
どちらにも同情してしまえば、答えは出せない類の問題だろう。
「守る物が無くなった事で、陰の気が集まり悪い物に操られてしまったそうですが、力を奪われた事で正気を取り戻せて助かりました、ありがとうと」
誰もが悪いと言われれば言葉はなく、誰かに悪いと言う事も出来ない。
「それでも辛いと感じるのは……」
「間違ってないだろ、誰も」
「そうだな」
更夜が水たまりを踏み、水霊を手の平にすくい上げる。
「ちょうどいい、俺の所に来たらどうだ」
意外な申し出に驚きはしたが、特に反対はなかった。
「同じ水に使えるものとして、大切にしてあげてくださいませ」
しっかりとみそのに釘は差されていたが。
「っと、電話！」
連絡用にと持たされていたものだ。
相手は、流された二人を探しに行った羽澄とメイカと要。
「もう一つは向こうが倒したみたいだ、それと三下と盛岬も見つけたと」
だったら、とりあえずは水霊の件は買い付けできたと言う事だ。
やる事は、まだ残っている。
全ての準備は整った。
もうジュンを縛る物は何もない。
「ありがとう……」
そして、この地で命を落とした人々の魂も同様に空へと導く。
「お母さんが待っていますから」
撫子が手を差し伸べると、生前の可愛らしい顔へと戻る。
「うんっ」
少女もまた嬉しそうに光へと透け、その姿が消える間際。確かに少女が母親の元へ走って飛びつく姿が見えた。
陽炎のような、その姿。
辺りに訪れるのは深い静寂。
「お母さんもって？」
「さっき会った、娘が心配だったらしい」
「引っ越された先で、病で亡くなってしまわれたようです」
羽澄の問いに帰ってきたのは、気落ちせざるを得ないような結果。
「そう、なんですか……」
救われなかった命のなんと多い事だろう。
だからこそ……ここではない場所では安らげるように。
心から、そう願う。
「しんみりしたい所だけど、生きてる奴を捜したほうがいいんじゃないか？」
「その意見には賛成だ、翠霞手伝え」
「かしこまりました、更夜様」
翠霞と共に表れたのはあの水霊。
「あーーー！！！」
「悪い物は払った、それに中の事ならいた方が楽だろう」
それもそうだが………。
「悪どいわね……」
そう言いながらも、羽澄も捜すのだとばかりに立ち上がる。
「………い、今から行くのか！？」
「む、無理ですよぉ〜！！！」
話の流れについてこれない男が二人。
毛布にくるまって、暖を取るのに専念していたのだからそれも仕方ないだろうが………。
「情けないな」
「そうですわ、これぐらい耐えてくださいませ」
「もう少しですから」
「早いほうがいいだろうしな」
「彼は同じぐらい濡れてるのに平気そうじゃない」
「十分休んだしな」
「もう少しですから」
まさに満場一致の意見。
隠して地下水脈の探索に乗り出し、比較的最近の行方不明者は無事救出されることになるわけだが………。
その事件の裏に風邪を引いた人が二人ほど居たとか居ないとかは、また別の話。
事件が落ち着いてから、翠霞の入れた二杯目のお茶をすする。
「お代わりは如何ですか？」
「そうだな、もう少しいただこう」
流石に今回は力を使いすぎた。
いなり寿司を食べながら、どうしようかと考えたのは今回の件でちゃっかり手に入れた水霊の事。
大切にしろとしっかりと釘をされたのだから、そうするべきだろう。
「あのー……」
恐る恐るかけられるのは三下の声。
「なんだ？」
「もう予算ギリギリなんですが〜」
「ギリギリと言うことはまだいけると言うことだな、いなり寿司お代わり」
「そんなぁ〜！？」
三下の話が聞かなかった事にされたのは、当然の話である。
【終わり】
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■ 登場人物（この物語に登場した人物の一覧） ■
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【整理番号 ／ ＰＣ名 ／ 性別 ／ 年齢 ／ 職業】
【０３２８ ／ 天薙・撫子 ／ 女性 ／ １８歳 ／ 大学生（巫女）】
【１２８２ ／ 光月・羽澄 ／ 女性 ／ １８歳 ／ 高校生・歌手・調達屋胡弓堂バイト店員 】
【１３８８ ／ 海原・みその ／ 女性 ／１３歳 ／ 深淵の巫女 】
【１３５８ ／ 鬼柳・要 ／ 男性 ／ １７歳 ／ 高校生 】
【２１５８ ／ 真柴・尚道 ／ 男性 ／ ２１歳 ／ フリーター（壊し屋…もとい…元破壊神）】
【２１６５ ／ 梅田・メイカ ／ 女性 ／ １５歳 ／ 高校生 】
【２１９１ ／ 日下部・更夜 ／ 男性 ／ ２４歳 ／ 骨董＆古本屋 『伽藍堂』店主 】
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■ ライター通信 ■
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参加していただいた皆様、ありがとうございました。
今回はマンション編と水路探索編と拉致編です。
エンディングは個別になってます。
お暇な時にでも読んでみると何か解る事があるかも知れません。
何か心に残る者がありましたら、嬉しい限りです。
今回は初めて参加される方が多かったですが、イメージは大丈夫だったでしょうか？
それでは、ありがとうございました。
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