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調査コードネーム:蒼い印に気づいた猫の目
執筆ライター :小椋みほ
調査組織名 :ゴーストネットOFF
募集予定人数 :募集予定人数 :1人〜10人
------<オープニング>--------------------------------------
いつもと変わらない、人ごみの中をぶらぶら歩く。
鴉の羽音が時折、聞こえてついてきているのがわかる。
「クリスマス近いのに、僕も、ヒマなの考えもんかなぁ」
あくびをかみ殺しながら、鴉魍八咫は小さく呟いた。
「なんか、面白いことないかなあ。相談事とかでもいいけど、まあ、嫌なことじゃないこと」
ぼんやりと空を見上げると、なにか、空の色が違って見えた気がした──。
そんな、退屈な散歩の途中。
八咫はいつものネットカフェ──ゴーストネットOFFに立ち寄った。
「なんかなぁ。最近、ヒマなんだよねぇ?」
ちょっとぼやくように呟いて、だらっとあいている椅子に腰かける。雫がちらっとこちらを見たのに、八咫は軽くウィンクを返した。
なんとなく眺めていたBBSにふと、気になるキーワードを見つけた。
[・・・・・・・・・・・タ ス ケ テ ・・・・・・・・・・]
思わず、首をかしげる。
「ええっと……困ってる人がいんのかなぁ?」
改めて、BBSをじっくり眺めてみる。
冗談なのか、本気なのか、さっぱり区別がつかない。わからないのは、面白そうだ。
「まあ、用事があるんなら聞いてあげなくもないかな。遊ぶとか伝言とかなら構わないしね」
満足げに八咫は小さく頷く。
いいかげん、退屈にも飽きた頃合いだ。
「雫ちゃん、ちょっと、遊びに行ってくるけど、ヒマな人いる〜?」
大きく伸びをして、雫の方に声をかける。友達の多い雫のことだ、ヒマ人やら心配性やら、いくらでも役に立ちそうなのは用意してくれるだろう。
「ま、無理させる奴とか、無茶言う奴とか、役立たずとかは、容赦なく振り切っちゃうけど」
八咫は、目を細めてぼそっと小声で呟く。
雫が、ぱっと顔をあげて、きょろきょろと周囲を見回しているのを眺めながら、直感を頭の中で整理してみる。
別に特別なものではない。
でも、気になった。今まで、気になったことで、なにもなかったことはない。それなら……助けろって言うなら、助けてあげてもいいじゃない。
「みんなー! なんかヒマな人いるー? あと、なんかその、手伝える人!」
慌てたように早口な雫をちょっと、苦笑してみているうちに、なんだか楽しい気分になってきた。たまには『人のためだけにがんばろう』ってのもいいかもしれない。
「今、とりあえずメール出して見るから、その間に集めるんでいいよ」
雫に言って、改めて腰を降ろして、メール覧をクリックする。
メーラーの起動するまでの数秒。
「………………なにこれ?」
メールアドレスではなく、そこには住所が書かれていた。
東京のド真ん中。バブルの頃に地上げされたっきり、すっかり取り残されて無人になっている新宿の少し外れ。
そこのどうやらマンションらしい住所が書かれている。
「ブラックドックハイツ666号室なんて、デキ過ぎ……。けど、いいじゃん、おもしろそうじゃない」
挑戦を受けたような気分で、頷く。
鴉魍 八咫、15歳。これでも立派な水を司る巫女なのだ。いや、でも、炎を使う方が楽だけど。
「僕に挑戦するとはイイ度胸じゃん」
にやりと笑って、腰に手を当てる。
「行く人、ついて来てよー。僕、もう先行くよー!」
宣言してから、ふと、薄汚れた部屋が頭を過ぎって、げんなりする。幻視に近い感覚で視界に飛びこんできた、「何か」はかなり陰鬱で厄介そうなものだった。
思わずやっぱりやめたと言いそうになるのを、なんとか踏みとどまる。
「まあ、いざとなったら、建物事焼き払っちゃうか……」
外で待たせている鴉が、カァと大きく鳴いた。
これから、何かが大きく動き始める。そんな予感が、した──。
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
2302/鴉魍・八咫 / 女性 / 15歳 / 高校生・占い師兼拝み屋
NPC / 瀬名雫 / 女性 /公式設定参照
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■ ライター通信 ■
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鴉魍八咫さま。
ひさしぶりにOMCに戻ってこれて、最初のお仕事でした。
未熟な文章ではありますが、
これからも、八咫ちゃんの物語を綴っていければと思っています。
ぜひ、これからもよろしくお願いします。
まだまだ、巫女服でのバトルも書いてませんしね!
小椋みほより
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