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<東京怪談ウェブゲーム 神聖都学園>


いもうとごっこ
------<オープニング>--------------------------------------
「子供が、学校に入り込んでくるのね」
「ええ」
 学園の教師である響カスミの前に立つ、高等部の女生徒2人。
「幼稚園から紛れ込んだ子じゃないの?」
 顔を見合わせる、少女2人。その視線は、躊躇いと、不安。それに…怯え?
「…、」
 1人が口を開きかけて、閉じる。
「山根さんの…妹だって言ってます」
「…それって、この間の事故のマユリさんのこと?」
「はい。…お姉ちゃんに会いに来たって…」
 何故、躊躇うのか。語尾を濁しつつ、何かを伺うように上目遣いで。
「妹なんていない筈なのに。…あたしたちのせいなのかな…全部」
 小声のつもりか、それとも聞いて欲しかったのか。それ以上は聞き出せず、2人は授業があるからと逃げるように走り去ってしまった。


「手伝ってくれない?子供が1人紛れ込んでるだけだと思うんだけど。全く、保護者は何やってるのかしらね」
 響がそう言って差し出したのは、一枚のメモ。それに、生徒から聞いた話を付け加える。
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・相談者は神聖都学園高等部2年D組女子数人。代表の2人に話を聞く。

相談内容
・高等部校舎に出没する幼児の正体を明かし、再び来ることのないよう諭すこと。

補足
・D組の生徒「山根マユリ」の妹と名乗っているらしいが、当人に姉妹はいない(名簿の家族構成で確認済み)
・名乗られた当人は現在怪我で入院中のため、直接のコンタクトは取れず。
・今までの出没時間は主に放課後。場所は、D組の教室、廊下、階段、物置等。夜間はそもそも生徒がいないので未確認。
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「それじゃあ、宜しくね」


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・おさんぽ
 ――歩いていた。
 何処、というわけではなく、自宅から、道から、屋根から――学校から。
 御崎神楽にとって、道のない場所はない。…強いて言うなら、生き物の背。あれは、揺れるし足元が生暖かくなるから苦手だった。
 だから、いつものように散歩していた。楽しそうに。
「……あれ?ここ…どこ?」
 適当に選んだ今日の場所は?ときょろきょろ辺りを見回す。
 其処に、人の声が聞こえ、
 ――なんだろう?
 興味を引かれながらも、突然現れた自分の姿を――自分の力を他の人間に見られないように気をつけろ、と常に兄達に言われ続けているのを思い出し、こっそりと陰に隠れて耳だけそばだてる。
 ――怪我した、お姉ちゃんがいるんだ。
 いじめだろうか?神楽にとってそれは、『悪い事』の範疇に入る。入れば…怒っても良い、と思っている。
「イジメだったらかークンがぶっとばしてやるんだから〜」
 ぐ、と拳を握って、でも見つかると困るので小声で宣言。

「カスミ、駄目だよー」
「…おい。生徒にお願いして自分は高みの見物…とは言わないよな?」

 会話は続いていたが、神楽に取ってはもうどうでも良いことだった。目的は、その子を探すことなのだから。
 そして、神楽はその場から消えた。
 足を踏み出せば、其処は別の場所。それに関して違和感を感じることなく、ごく自然に瞬間移動を使いこなす。
「やだなぁ、急にさむくなっちゃった…」
 ぶるっと、コートも着ていない普段着の身体を震わせる。ここは屋上…放課後、冬の夕暮れ、屋上と来れば誰かいることの方が不自然。――普通の、人間なら。
「だーれか、いるかな〜」
 のほほんとした神楽の呼びかけに答える声は、残念ながらなかった。つまらなさそうに口を尖らせると別の場所へと移動する。
 空気が暖かい。
 人の気配のする場には行かず、今度は特別教室へ。
「あ。これいいなぁ」
 科学室の中にある様々な実験器具に目を輝かせる。ひとつ欲しいな、と手を伸ばしかけて…ぴたりと止めた。
 ――怒られちゃう、かな。
 持って帰って秘密の場所に隠しても、何故かすぐ見つけられて怒られてしまう。それはあまり面白いことではなく、また、そこまでして持って帰りたいものだろうかと思いながら器具を見るとそれほどでもなくなっている。
「ん〜〜〜」
 唇に指を当て、それでも好奇心いっぱいの瞳で室内を見回す神楽。
 だが、此処にも目指す子供の姿はなかった。
 ――話半分だったせいか、神楽は何処の場所に多く子供を見たと言われたか覚えていない。少なくとも、科学実験室に来たという話は無い筈だった。が、それはあまり気にしてないらしい。
 あ。
「そうだ、階段」
 山根マユリとかいう『おねえちゃん』が転んで怪我をしたという階段に、行ってみようと思いつく。
「かいだん、かいだーん」
 妙な節を付けながら、目の前にある机に向かって足を踏み出した。
 目の前の景色が変わり、とん、とその場に降り立つ。
 学校らしい狭い階段。毎日何人もが触るため輝きを見せる手すりと色落ちのしている壁。
「この階段?」
 教師――響カスミは細かい場所は言っていた筈だが、と首を傾げる。んーっと、とこめかみに指を当ててぐりぐりと…難しいことを考える時、テレビの大人はこうやって居た――と真似をしてみるが、此処だったような他の場所だったような、という答えしか思い浮かばない。
「まあいいや」
 あっさりと考える事を放棄してぐるりと周りを見回し、上、下、と見。
「いるー?」
 見当たらない『誰か』に向かって、呼びかける。

 ――――。

「いないのかな。いもうと、どこー?」

『…呼んだ?』

 手すりの脇から。
 そ、っと神楽を伺う影。
「わっ」
 流石にびっくりした神楽。一瞬人に見つかったのかと思い同じように手すりの陰に隠れようとし、
「あ…かくれなくても、いいんだっけ」
 小さな、小さな。
 小柄な神楽よりも、ずっと小さな、女の子。
 よく見ると所々輪郭がぼやけており、更に身動きするたびに向こう側が透けて見える。
「よんだよー。何で、わるい事するの?」
『……わるい、こと?』
 言葉の意味が分かっていないのか、それとも唐突な質問に戸惑っているのか。
 少女は不思議そうに言葉を返してきた。
「そうだよ。おねえちゃん、怪我しちゃったんだよ?」
 少女が顔を下に向けて、『ごめんなさい』と呟く。
『遊んでほしかったの。声をかけたら、落ちて行っちゃったの』
「そっかぁ。…それじゃ、しょうがないね」
 階段で、突然あらぬ方向から声をかけた人間、という状況が罪があるかどうか、そこまで神楽には分からない。が。
 少なくとも、目の前の少女に悪い印象はない。
「それじゃあ、おねえちゃんが来るまで一緒に遊ぶ?」
『遊んでくれるの?』
 にっこりと。
 少女が、これ以上ないというくらい嬉しそうな笑みを見せる。うんうん、と大きく頷きながら神楽が少女に近寄った。――ところが。
『――ぁ…っ』
 神楽がその手に触れようと手を伸ばした途端、少女が大きく揺らいで悲鳴を上げ、大きく飛びすさる。
「えっ?…え、なに?いまの」
 神楽本人も目をぱちくりさせ、奥で再び元の姿に戻った少女も困った顔をする。
『おにいちゃん、強すぎる』
 そう、言いながら。
「じゃあ、おにごっこしよう」
 気を取り直した神楽が、今度は手を伸ばすことなく提案し。
 少女も其れを嬉しそうに頷いて、ぱたたた、とごく軽い足音で駆け出していった。そのまま、壁の中へすぅっと消えて…直線上の別の場所に走った姿のまま現れる。
「よーし」
 対する神楽はほとんど実際の床の上は移動しない。気が向いた方向へ足を向ければ、廊下を越え、室内に飛び、天井を抜ける。
 時々鬼を交代し、きゃあきゃあ笑いながら学校中を駆け回る2人。
 だが。

 ヘン、だ。
 何がどう変とは上手く言葉にならないが、神楽の頭に奇妙なしこり…違和感が残る。

 だって。

 霊体――それも、あれだけはっきりとした姿、意思を持った存在なら、神楽が無意識にから放出している『力』で消えかけてしまうなんてことはない筈だから。
 これではまるで…
 ――虚像。

 その言葉に思い至った神楽が別の場所に踏み出した、その遠い背後で人の声がした。そのまま廊下の向こうへ行き、角からそっと奥を窺う。

――ガタタンッッ!

「ひぃっっっっっ!!!!」
 まだ人の気配がする教室から音がしたのに。何故か酷く驚いた声を出した教師、カスミがふらぁっと倒れる。
「あっ、駄目だよカスミ、こんな所で寝ちゃ」
「…寝てねえよ。あちゃー…やっちまったか」
 困ったように喋っている2人に、
「なっ、何!?」
 教室に残っていた1人が顔を出す。

「へんなのー」
 ――くす。くすくす。

 楽しげな笑い声が神楽から漏れる。
 そして、校内を見回っていた2人と教師は二手に分かれることになったらしく、面白そう、と神楽が其れを覗き込むことにした。

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・おにごっこ
 神楽と少女の追いかけっこはまだまだ続いていた。
 その合間に、神楽が2人の――鋼とみあおの様子を見に飛ぶ。
 少女も他に誰かいるのが分かっているのか、捕まらないようにぱたぱたと駆け続け、時々止まっては楽しそうに神楽と目を見合わせた。

「早く出てこないかなぁ。せっかくカメラ用意したのに」
 ――ん?
 みあおの声が聞こえる。
 カメラ?
 こっそり覗くと、みあおが手にデジカメを持ちながらぶらぶらと歩き回っていた。
 ――撮ってくれるの?
 神楽の目がきらきらと輝く。

 ――ぱたぱた。
 タイミング良く、別の場所へ向かう少女の足音が聞こえ、みあおがカメラを構えてそーっと移動するのが見えた。
「流石に、何もないかぁ」
 つまらなさそうに呟いてくるりと振り返る。
「なーに、してるの?」
 神楽が、我慢できずに声をかけた――目を、きらきらと輝かせて。

 何か言おうとしているのだろうか、口を開けたまま呆然としているみあお。そのまま少し待つ。が、質問に答えてくれそうもなく、また、手に持っているデジカメで神楽を撮影しようとする気配もない。
「つまんないのー」
 遊びに行こうっと。
 そう呟くと、少女を追いかけようと背を向けた。その背に、小さな音がしたが。

 ――もう、遅いよ。

 呟いて、飛んだ。

「俺も見たぞ、変なのを」
「鋼も?」
「ああ」
 ――変?
 移動し続ける神楽の耳に届いた言葉。
「――2人居るの?」
「…かもしれないな」

「なんだ。やっと気付いたんだ…おそいよねぇ」
『――うん』
 話し合っている2人の近くに、寄ってみることにする。少し、距離を空けながら。

「それじゃ、どうやって探せばいいのよ…って、あれ!」
 みあおがこっちに気付いたか、指差して来た。鋼が其れを聞いて慌てて此方を向く。
「おねえちゃん、じゃ、ないんだねー。ざんねーん」
 まだ来ない。
 近くにいる少女がこくん、と頷いて神楽を見上げた。
「やっぱり、ちがうよねぇ。どうする?」
『――待ってる』
 その言葉を聞いてにっこりと向こうの2人に笑いかけると、
「それじゃあ、おにいちゃんたちでもいいや。――あそぼうよ。おにごっこねー」
 実に楽しそうにそう告げて、そのまま、ふぅっと2人の目の前から消えた。それに合わせてか少女もゆらっと揺らめくと、こちらはぱたぱたと軽い足音を立てながら廊下の向こうへ走って行く。
「あっ、ま、待ってよ」

「待たないよー」

 くすくす笑いながら、呟いて別の場所へ飛ぶ。

「――っく、捕まえられねえよこんなのっ」
 神楽は、走らずに、行く先々で現れては消える。少女は、向こう側が透けて見える身体で楽しそうに走っている。
「あはっ。たのしいねー」
「こら待てっっ」
「…あ…来たみたいだよー?」
 校舎に向かう、2人の人間。其れに気付いた神楽が立ち止まって窓から外を見つめた。2人共、高校生くらいの女性。『おねえちゃん』の条件に合う。そして、何より嬉しそうに外を見つめる少女の表情でも分かる。
「よーし、行こうか」
『…ううん。教室で、待ってる』
「ん?まってるの?…うん。わかった。それじゃあ、あとでね」
 言うと、玄関に近寄ってくる2人を呼ぶために神楽が動き出した。

「待てーっ」
 後ろからそんな声が聞こえ、後ろを振り返りながらその場に足を付く。
「――きゃはっ」
 突然現れた神楽に、背後の2人が立ち竦んだ気配がした。
「――くすくすくす」
 そして、走る2人を見てからあらたに来た2人――シリルと初めて見る少女に向き直り、
「あ、やっぱりおねえちゃんだ。きょうしつに、おいでよ」
 そのまま壁に向かって駆け出し――教室へ足を踏み入れる。
「くるよー。それまでなにしてる?」
 待っていた少女が悩むのを見て、そうだ、と思いつくままに教室内の机を一気に全部持ち上げ、
「お手玉ー」
 手に触れることなくぐるぐると机を回転させるのをお手玉と言っていいものか。だが、神楽がそう宣言している限りはそのつもりでいるのだろう。
 楽しそうに目を輝かせてその動きを見ている少女。それが嬉しくて、サービス、とばかりに今度は机を立体パズルよろしく組み立てていく。まるで、それは卵のような…机の塊。どん、と教室中央に置いてご満悦。
「…かくれんぼでも、する?」
 それでもまだ来ない。少女がうんっ、と頷いて教壇の裏に隠れていく。
「それじゃすぐ見つかっちゃうよ。そうだ、かーくん別の場所に行ってるから、その間に隠れててね?」
 もーいーかーい、と言いながら神楽は別の場所へと移動した。

 すっかり暗くなった屋上へと。

 屋上はやっぱり寒かったが、散々校内を移動していた神楽には心地よかった。
 ふと見上げると、空にたくさんの星が煌いている。
「わぁ…」
 ふわっ、と神楽は宙に浮いた。そこから手を伸ばせば、届きそうな気がして。

 ―――――?

 不意に。
 校内で、何かが――弾けた。
「あ」
 それは、校内の隅々に拡散していく。…もともと、在った場所に落ち着いて、その場の『力場』と融合して、溶ける。
 屋上から『見て』いると、それが良く分かった。
 もともと、不安定な寄り集まりだったから。
 『器』を――分かりやすい器を与えられて、其処に集まってきていたモノだったから。
 拡散は、有り得た話だったのだろう。だが、それは消滅ではない。
 ただ、散っただけ。再びあの姿を現すことはないだろうが。

 詳しいことは神楽には良く分からなかったけれど。
 無理に繋ぎとめられていた何かが、元々のわだかまっている『場』に戻った――普通の、あるべき状態に戻ったことだけは感じられた。だから、満足げな笑みが唇に浮かんでいた。

 空も綺麗で。

 すっきりしなかったしこりも消えて。

 神楽は、満足していた――そして、教室へ戻った。

「あれー?さっきの子はー?」
 遊んでいた少女の姿はなく。突如現れた神楽が積み上げた机の上に座るのを見上げる人ばかり。
 先程の弾けたモノと少女を結びつけられずに、戸惑う。だが、その戸惑いも、『戸惑う事が変』という別の意識に溶けて行き、納得する。
 ――ああ、そうか、と。
「消えたよ。…それはいい。お前誰だ?」
 訝しげな鋼の言葉にも警戒することなく、机の上で足をぶらぶらさせながら楽しそうににっこりと笑いかけ、
「かーくんは、かーくんだよ。お兄ちゃんたちは、だーれ?」
 見た目に合わない幼さに、皆が戸惑いを見せながら何を言おうかと顔を見合わせている。
「ん〜?」
 ――あ。そろそろ帰らないと怒られる…。
「あ。かーくん、帰らないと。じゃーねー」
「え?あ、ちょっと待って…」
 誰かが何か言ったみたいだったが、神楽にはもう興味のない話だった。それよりも心を占めているのは、
 ――今日のごはん、なにかなぁ。
 ただ、それだけ。

 こうして、神楽の長い散歩は終わりを告げた。

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・エピローグ
「ぷぅ」
 夕食の時間に遅れた神楽が怒られ、散歩を禁じられて数日。ようやく禁を解かれた神楽が膨れた顔のまま、更に寒さが厳しくなった外へお出かけする。今日は家族に着せられたダウンコートでもこもこの姿。あったかいから外でも平気。
「んーと…どこ、いこうかな」
 とりあえず、自分の足でとことこと家の外に出て空を見上げる。今にも振り出しそうな重い雲。
 ――あの上は、どうなってるんだろう?
 気になるが、ちょっと遠い。
 あ、そうだ。
「このあいだのおねえちゃんは…」
 ん〜〜〜っ、と目を閉じ、アンテナを一気に広げる。こればかりは無意識には出来ない、が、蛇口を捻るのと同じ位の感覚で辛さはない。
「びょういん?」
 白い壁、他にも人がいる病室、カーテン。
「たいくつそう。あそびにいこうかな」
 今は1人で暇そうに本を読んでいる。他に人影はない。
「よーし」
 にっこりと笑って、軽く飛んだ。
 ――廊下から、顔を覗かせる。
 とことこと近寄って、
「おねえちゃん」
 声をかけると、びくっっと顔を上げ…そして固まった。
「え…あ?」
「かーくん、あそびにきたの。…なんで、けがしてるの?」
 この間見た時には、それでも歩けていた筈だ。不思議そうにこっくりと首を傾げた神楽に、マユリが強張った顔のまま、
「あ、の…転んだ、の」
「おねえちゃん…どじ?」
「だっ、誰がっ」
 一気に顔を赤くするマユリ。だが、完全否定も出来ないらしく言葉は最後まで続かない。
「悪かったわね…」
「ん〜ん。わるくないよ。…でも、そのかっこうだといっしょにあそべないね。…かーくん、帰る」
「あっ、ま、待って」
「なーに?」
 くるりと振り返った神楽の笑みに、マユリがええっと、と呟きながらじっと神楽の顔を見つめ、
「あなたは…生きてるのよね?」
「あたりまえじゃない。かーくん、ふつうのオトコノコだもん」
 えっへん。
「そ、そう…うん。ありがとう。それが知りたかったの」
「うん。じゃあねー」
 とことこ。
 人が来そうな気配があり過ぎて、下手に力を使うことも出来ずに廊下へ出て行く。
 あっさりこの間のように消えてしまうのかと思っていたマユリの不思議な視線を感じてくすっと笑いながら。
「ふぁー…さむいなぁ」
 病院から一歩外へ出て、寒さの原因を知る。

 …ちらちらと、吐く息よりも白いものが音もなく舞い降りてきていた。


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【1415/海原・みあお/女性/13/小学生          】
【2036/御崎・神楽 /男性/12/小学生          】
【2239/不城・鋼  /男性/17/元総番(現在普通の高校生)】
【2409/柚木・シリル/女性/15/高校生          】

NPC
山根マユリ

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■         ライター通信          ■
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お待たせしました。「いもうとごっこ」をお届けします。
今回は時間の関係もあり、4人で締め切らせていただきました。

そして、参加してくださった皆様ありがとうございました。
今回のお話では、行動をほぼ共にしている海原さんと不城さんの2人がほぼ共通の内容になっており、柚木さんは途中から、御崎さんに到ってはほとんど独立した話になっています。
参考にさせて頂いた各プレイングから、この様な作りになりましたが、どうでしたでしょうか。
楽しんでいただければ幸いです。

それでは、ご縁があればまた別の場所、別の時間でお会いしましょう。