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<東京怪談ウェブゲーム アトラス編集部>


白物語「傘」

 月刊アトラスに舞い込む投稿記事は、雑誌の特性からどれも奇想天外摩訶不思議である。
 足を棒にしてネタ探しをしなくとも紙面が埋まる、読者に支えられた投稿コーナーは、だがそれだけに止まらない。
 冠するは、編集の編集による読者の為の企画が立ち上がった。
 巷で気になる噂の真否、体験談多数のネタ等、出前迅速落書無用な体当たり取材で確かめようという些か場当たり的な企画、『Yomoyama』なるコーナー…もちろん、担当者は月刊アトラスの愛すべき三下忠雄、その人である。
 発案は我等が碇麗香編集長。
 ちなみに企画書の段階で、担当者に三下を推挙したのは彼女である。
 会議の席で、他にも数人を順番に担当させた方がいいのではないか、という意見も出たが、彼ならどんなネタでも面白くなるだろう、と三下を押し通した…本人はそれを聞き、ついに実力が認められたと感涙したそうだが、
「他人の不幸は蜜の味っていうでしょ」
との、関係者に語られていた真意については、それぞれの優しさから当人には伏せられたままである…斯くして、読者プレゼントのアンケート用紙にひっそりと貴方が知りたい怪奇現象の項目が追加される事となる。
 記念すべき第一回目、読者投稿の中からの選択希望でダントツだったのが、『忘れ物の傘の怪』である。
 曰く。
 終電以降、折から降り出した雨に…ふと、傘立てに一本の傘が残されているのに気付く。
 見回してももう駅に人の姿はなく、どうやら誰かの忘れ物のようだ…また明日返せばいいと、その古風な和傘を差して歩き出した。
 ぽつぽつと続く雨音がふと止む。
 雨が上がったかと傘を下ろせば、変わらずに雨は続いている。
 また傘を翳す、けれど雨音がしないのに、傘を下ろせばまた雨…と、そんな不思議を繰り返しつつ帰宅した。
 その投書を掲載した次号から、同じような体験談が相次いだ。
 借りようとしたけれど、どうしても傘立てから抜けなかった、とか。
 下駄の足音がついて来た、とか。
 果ては、その傘を借りてちゃんと元の駅に返さないと呪われるなど。
 折しも、外は雨…冬のそれらしく、音からして冷たい。
「呪われたら……どうしよう……?」
投稿者達の葉書を前に、三下がぽつりと呟いた…不安を煽られる、その文に反応したのは決してネガティブな思考からではなく、彼が自分というものを正しく認識している為だ。
 おど、と周囲を見渡した目は、怖いから一緒についてきて欲しーな…と、暗に訴えかけていた。


「取材のお供っスか? 是非ともご一緒させて欲しいっス!」
例によって例の如く、湖影龍之助が元気に名乗りを上げるのに、一度は高々と挙げられた手に視線が集まるも、「また三下絡みか」と淡々と編集員達が各人の仕事に没頭する様は、関係者には慣れた風景である。
 だが、本日初めてこの場に足を踏み入れた久我義雅にとってしては、物珍しい光景のようで、今まさに彼の前に供されようとしていたカップが高々と空を舞い、コーヒー、ミルク、シュガー、の別に放物線を描いて飛ぶ様を軽い拍手と共に見送った。
「あぁぁッ、三下さん大丈夫っスか!?」
愛故か、見事なまでに頭からコーヒーを被った想い人を前に、来客へのお茶出しなどという些事は龍之助の頭からすっかりきっぱり消え去る。
 左手に盆、右手にソーサーを手に、眼鏡にかかる前髪から琥珀の液体を滴らせる三下の元へ駆け寄る現役陸上部員。
 彼の軌跡の通りに、書類が宙を舞った。
「あぁ、気にしないで龍之助くん……いつもの事だから」
ハハ、と三下は力なく笑い、ハンカチで額を拭う様に無駄に胸をときめかせるな、男子高校生。
 そんな心中のツッコミが愛想に反映したワケではないが、御崎月斗は無愛想に龍之助が平らに掲げたソーサーにスティック・シュガーを乗せた。
「おい、砂糖降ってきたぞ」
一杯に背伸びをし、気をつけろよ、と念を押す。
「経費で落ちてるからっても、無料じゃねぇんだぜ」
小学生らしからぬ…どちらかといえば主婦的な経済観念を仄めかせ、染め分けたかのように黒髪の襟足から下、金色の一房が肩にかかるのを払い落とす横から、白い手が伸びた。
「龍ちゃん、ハイ。ミルク飛んできたよ」
そう、降ってきたコーヒー用ミルクを月斗に倣ってソーサーに戻そうと爪先立ちになるのはセシリア・ローズ。
 懸命に手を伸ばしても届かぬ様子に、月斗がミルクを取り上げてソーサーに乗せるのと、龍之助が膝を屈めるのとは同時、両者の気遣いにセシリアは嬉しく笑って頭を下げる。
「どうもありがとう……エリオットも御礼を言って♪」
ふんわりと泡立てたミルクを思わせて白いレースをふんだんに使ったワンピースを纏ったセシリアの胸に抱かれ、テディ・ベアは黒く円らな瞳で龍之助と月斗を見上げた。
「でも龍ちゃん、危ないから気をつけてね」
義務教育期間年齢の二人に念を押されて、恐縮に頭を掻くしかない龍之助に、欠けた最後の一つ…カップを手にして、直弘榎真が立ち上がった。
 彼が座っていたのは部内の簡単な打ち合わせに使われるミーティングテーブル…三下の正面である。
「あやうく俺が被るトコだったろ! それに痛い!」
物が物だけに当たってもダメージの少ない砂糖、ミルクはよしとしても、陶製のカップがあたればそれなりに痛い…それでもカップに苛立ちをぶつける事なく、コト、と丁寧にソーサーに戻す。
 だが、最も最もな榎真の主張は立ちはだかる愛の前に砕けた。
「そんなコトより!」
そんなコトなのか。
 心の声は同一であったが、口に出す者は居なかった為、場を同じくした人々は互いの意見の一致を知る事はない。
「取材の間中、俺がしっかりきっぱりめっきり守るっスから、安心して欲しいっス!!」
「そ、そうかい? 助かるなぁ」
安堵に表情を緩める三下に、龍之助が至福に浸る。
「ダメよ」
だが、それをにべなく一蹴したのは、碇のピンヒールだった。
「何でっスか!?」
愛に力を得た恐れを知らぬ若さの反論に、来客用のソファに腰掛けたまま碇は身を捻って会話に参入した。
「各個人の体験談が違うのよ? 同パターンばかりの取材になる方向性は避けて頂戴……同行は認めるけど、面子が被るのは不可よ」
「え……ッ、編集長、それって一回だけじゃ終らないって事ですかぁ!?」
泣き声を上げた三下に、碇は冷然と微笑んだ。
「最低でも三日。現象と遭遇出来なくなるまで頑張んなさい」
「えぇぇ〜ッ!?」
泣きの入った三下の手を、どさくさに紛れて握る龍之助。
「安心して下さい、三下さん……」
「龍之助くん……」
コーヒーまみれな眼鏡越しに交される瞳と瞳。
「三ちゃんと龍ちゃんは、仲良しさんなのね♪」
セシリアの本気で暖かい視線。
「まぁ、人それぞれだかんな」
ちょっと生暖かく、直視を避ける榎真の眼差し。
「…………」
月斗の半眼は明確に冷たく、『何やってんだこのおっさん等』である。
 龍之助は熱い思いを瞳に込め、三下を見つめ…、
「本当は全日三下さんの側で守ってあげたいっスけど……三下さんがそう言うならしょうがないっスよね……」
 そして断腸の思いを断ち切るように、ぶんと握った両手を離した。
「無理な事しちゃダメっスよ? 三下さん…頑張って下さいねッ!」
勢いのありすぎる…コンクリさえ砕こうかという腕力に振り回された三下の腕が抜けなかったのは幸い以外の何物でもない。
 因みに言った碇は義雅を相手に、
「お見苦しい所をお見せしまして」
「いや、お忙しい時にお邪魔したのは私ですから」
と、社交辞令を交すのに忙しい。
 涙を振り絞って駆け去る龍之助を見送り、セシリアが唇に指をあてて小鳥のように首を傾げる。
「三ちゃん、セシル今夜はオトモダチとお約束があるから……ゴメンね?」
ペコリとエリオットと頭を下げて少女も立ち去る。
「麗香さんもまた、えらい人身御供を選んだもんだ。ま、確かに三下のおっさんに任せれば、なんでもない怪異も面白おかしくなるだろうしな」
他人事のようにそう評し、あっさりと踵を返す月斗。
 兄弟三人の生活をその両肩に担っている彼は、報酬のはっきりしない事件に首を突っ込む気は毛頭無い。
 小学生に見捨てられた三下は胸の前で乙女の祈りに手を組み、残った榎真を見つめた。
「ん? 俺は付き合うよ」
にっこりと。
 その表情は、三下にしてみれば地獄で逢った仏の笑み。
「三下さんの受難見物無料日帰りツアーなんて面白そうじゃん♪ 行く行く♪」
うきうきと続いた言葉に…その満面の笑みは、仏と違う何かに見えた。
 そして当たり障りのない天気などの会話をしながら、そんな会話に興味津々なのは義雅である。
「それにしても面白そうなお話だ……甲斐がお世話になっているのがこんな楽しそうな職場で安心しましたよ」
義雅が本日編集部を訪れたのは雇用関係にある青年の出入りする編集部の視察…というのは体面、実はただの物見遊山である。
「それはよろしかったですわ……ですが、ここは飽くまで情報を取り纏める場所です。間宮くんにお願いしている現場の空気を知られた方がよろしくはなくて?」
対する敏腕編集長は組み替えた足の上に片肘を突いた指先で細い顎を支えて…知る者が見れば底冷えする感情しか覚えない、笑顔を浮かべた。
「……察するに、後ろの彼等の話題に乗ってみてはどうか、という事かな?」
穏やかに義雅はそう笑む。
 立ってる者は親でも使え、まして他人はこき使え。
 先人の偉大なる格言は、碇にとってすれば陰陽師の旧家、久我を率いる当主も他人の一括りに分類される。ちなみに彼女なら、座ってる親でもこき使う。きっと。
「そうですね身体が空けば、是非……詳細は追ってご連絡頂けますか」
「名刺のアドレスにご連絡差し上げたらよろしいかしら?」
にこにこにっこりと、腹の底を見せない笑顔の応酬は室内の体感温度を無駄に下げつつあった。


◇一日目◇

「おあつらえ向きにいい天気だよな、三下さん!」
電車から降りるなり、榎真は空を仰いだ…星どころか月明かりすらない。
 が、厚く垂れ込め、雲上の夜の后の姿を思わせて光を含んだ雲の低さは今にも大粒の雫を落としそうだ。
 目的に応じた絶好の日和であると言える。
「榎真くんは元気だね……」
三下は薄いコートを前で合わせ、鞄を抱いてガチガチと歯を鳴らす…今から己が飛び込もうとする虎穴を思っての恐怖…ではなく、ただ寒いだけなのだが。
「風の子だし」
そう余裕綽々と笑う榎真…風雷を操る天狗も、確かにある意味風の子か。
「でもホントにあるのかな……そんな傘」
ぶちぶちと、こちらは火の子な三下はポケットの中、とうに使用時間は過ぎ去った使い捨てカイロを諦め悪く握りながら呟いた。
 今、彼等が居るのは互いに常日頃利用している駅ではない。
 投稿された葉書とネット上の情報から、一番最近に件の傘が出現しただろうと目される、無人駅である。
 三下の呟きには、なければいいな、という万感の思いが籠もっていた…が。
「三下さんが来てるのにない筈ないって!」
どこか…わくわくと、榎真がさくりと真実を突いた。
 そう、その意味でも三下はこの企画向きの男、否、三下あっての企画である。
 トラブルメーカーと呼ぶにはちと質が悪い…蠅取り紙のように不幸を誘き寄せる、という表現が正しいだろうか、それとも不幸という誘蛾灯に自ら飛び込んでいく羽虫か。
 そのどれでも構いはしないが、三下は今日も三下たる面目を存分に躍如した。
 古びた木箱が設置されるのみの改札を出た其処、同じく古びた感触で錆び付いた傘立てに…一本の和傘が無造作に突っ込んであった。
「ホラな?」
榎真が求める明るい同意に、三下は心中に涙を流す…それどもただ一人で怪異の前に突き出されるよりはなんぼかマシだ。
 その心情は行動に表れてか、こそこそと榎真の背後から傘立てを伺う三下に、受験を控えているのにこんな深夜にまで付き合いの良い高校生は無情な一言で、一歩横に移動し、体重の支えを無くした社会人が前につんのめったあたりで元の位置に戻り、前に突き出した。
「じゃ、三下さん、行ってらっしゃい!」
「えぇぇッ!? 榎真くんが行ってくれるんじゃないの!?」
突っ張った足に踵で地面を擦りながらの抵抗も虚しく、押されるままに傘立てとの距離は詰められていく。
「俺はただの付き添いだしー♪ 楽しく見学してお土産話を頂いて帰ります♪」
そしてそれを入試の論文練習がてら記事にし、更にギャランティの獲得は既に麗香に確約済である…深夜に出歩いてる間に勉強すれば、というのは禁句である。
「んじゃ、頑張って〜♪」
傘立ての前まで来るとポンと三下の肩を叩き、榎真は今更ながら物影に隠れて腕時計を見る…まずは手に取るに要した時間まで、出来るだけ克明に記載するつもりだった。
 三下が和傘を前に硬直して、10分が経過…した時点で、くしゃんとひとつ彼はくしゃみをし、洟を啜るとようやく意を決したのか、傘の柄を取った。
 多分、怪異に不幸を見るのと、凍死するのと、碇女史に殺されるのとの三択が彼の背を押したのだと推測される…自分が同じ状況に於かれたとしても生き残る可能性がある方に賭ける。
 榎真の見守る中、三下は恐る恐る和傘の内に手を入れる。
 それはごく普通の、番傘と呼ばれる代物だろう…ただ骨の間に張られた和紙に然したる装飾も何もないシンプルな物だ。
 肩が大きく上がって、三下が覚悟の深呼吸をしたのが見てとれ、開こうとぐ、と力が入る……が、それ以上は動かなかった。
 期待するような如何なる怪異も発生せず、矯めつ眇めつ、傘を検分していた三下は首を傾げて榎真を呼ぶ。
「榎真くん、ちょっと来てみてくれるかな……?」
空いた手で招かれ、榎真は訝しみつつ傘立ての前まで戻った。
「コレ……開かないんだけど」
困惑にハの字にした眉で見上げる三下の手の脇から、どれと中に手を入れる…骨だけで傘を支えるそれを止める留め金などはない。
 磨かれてつるりと節のない竹の手触りに、動きを阻害する物は特に見当たらず、さては噂を聞きつけた誰かのイタズラか、と空振りの気配に榎真が残念そうに、三下が安堵に手を離しかけた…その時、互いの感情に相反する事態が既に彼等を見舞っていた事に漸く気がついた。
「三下さん……」
「榎真くん……」
ひとつの傘を手に見つめ合う目と目。
「「は、離れない……ッ!!」」
異口同音を体現し正反対に退こうとするも、傘にぴたりと張り付いた掌はびくともしない。
『各個人の体験談が違うのよ?』
碇の言葉が耳に蘇る。
 流石です、編集長……こんな事態は予想だにしていませんでした。
 見事に怪異を引き当てた両名は、取り敢えず傘を手から剥がそうと無駄な努力を続けていた。


◇二日目◇

「あぁぁぁぁ……」
三下は嘆きの声を母音に込める。
「またあるよ……」
『忘れ物の傘の怪』の調査を初めて二日目。
 初日にして見事、怪異を引き当てたのは昨日の事、その記憶も新しすぎる程に新しい……記念すべき初怪異、三下に同道した直弘榎真と共に手にした傘がどうにも掌にくっついて離れず、三下と榎真は一夜を共に過ごす羽目に陥った。
 両者共に、まんじとしない一夜に朝を迎えて憔悴もしきり、三下はずっとこのままだったらどうしようと不安に脅え、榎真は三下を思い人と定める龍之助になんと申し開きをしようかと……些か心配所を違えてはいたらしいが。
 とはいえ、三下は出社しないワケに行かず、ダメで元々と駅の傘立てに和傘を戻すと同時に手は離れ、二人感激の涙に抱き合って衆目を集めてしまったそんな朝の一コマはまぁ置いておいて。
 本日、三下に同道するメンバーは居ない。
 既に愉快な事態に巻き込まれてしまった榎真が、今回の取材に関して同人の同行を認めないという碇の主張に除外されるは仕方なくも、他の面々まで用事や何やで断りを入れられてしまって寂しい三下である……意外な人望のなさを露呈しつつ、また昨日と同じくまたもや怪異に遭遇した次第である。
 終電ギリギリまで原稿と格闘し昨日から累積された疲れを、ゆっくりと休めたい所…下宿まであと一息、の距離で出会してしまうその運の無さは果たして誰を恨んでいいものやら。
 最も、今朝傘を置いたのが平素の利用駅である為、自然の流れに当然と言えば当然なのだが。
「……見なかった事にしよう……」
くるり、と振り返っては改札に戻ってしまうので、三下はずりずりと出来るだけ傘立てから遠く身を離し、大回りで出口へと向う。
 今なら自分だけ…目撃者が居る訳でなくまた身を守る術もないのなら危うきに近寄らぬのが身の為だ。どことなく、薬をイヤがってタンスの後ろに隠す子供の心理に似ているが。
 背中で壁を掃除しつつ、駅の外へと出る……昨日と変わらず、どんよりとした曇天から注ぐ小雨がしとしとと、ぽつねんと立つ街灯に照らされて光っている。
 当然、手元に自分の傘はない。
「仕方ない……よね」
少しばかり未練がましく、暗い屋内に置かれた和傘を振り返り、三下せめてもの雨除けにと鞄を頭上に掲げて雨の下へと走り出した。
 雨で満たされた世界、パシャパシャと足下で跳ねる水と白く吐き出す呼気のみが音として耳に届く。
 切れた息に足を止め、ぼんやりと地上の灯りを照り返す低さの灰色の雲を見上げた三下の耳が、雨音以外の音を拾った。
 それは彼が歩いてきた……駅に通じる道から。
 遠くからコロコロと響く奇妙な音に、はて、と首を捻る。
 音は大きくなり、ゴロゴロと鳴る。
 徐々に近付いてくる様子にその音に、よせばいいのに振り返ってしまう……三下は何処までも三下だった。
 ゴロゴロゴロゴロッ!
「ひぃぃぃッ!?」
悠に30cm以上、垂直に飛び上がった彼の瓶底眼鏡が映しだすのは、拡げられた傘…当然の如く、件の和傘が手元を軸に露先を支点に自ら自走(?)して来たら、三下でなくとも怖い。
「いやぁぁぁぁッ!?」
何処か乙女のような風情の悲鳴を上げる成人男子、鞄も放り出してここぞとばかりにこれだけは唯一誉められた逃げ足を駆使して紛う方なく自分に向って疾走(?)する傘から逃れようと走る。
 ゴロゴロゴロゴロゴロゴロッ!
「神様仏様編集長ーッ! 誰か助けて〜ッ!」
そう簡単に助けてくれないという共通項に括られる、神と仏と上司を同列に並べて叫ぶその逃走がジクザグなのは、熊や猪の野生動物、直線に走る害獣から逃れる際の常識であり、その生息地域に隣接するものならばよく知る知識を、身体が勝手に再現したものと思われる。
 お前の里は一体何処だ。
 そんな疑問を抱かせつつ、ゴロゴロと勢いのよい音に追われた悲鳴が夜の静寂を遠ざかって行った。


◇三日目◇

「やぁ、待たせてしまったかな?」
バタン、と見るからに高級な……そして胡散臭げな黒光る外車の扉を閉め、暗さにどこかうら寂しさを感じる駅前に立った義雅を迎えたのは少年一人、少女一人に青年一人に成年一人。
「たいして待ってねぇよ」
ぶっきらぼうにコートのポケットに手を突っ込んで、月斗が向けた強い眼差しを義雅は微笑みで受けた。
「コンバンハ、ホラ、エリオットもご挨拶♪」
追加、ペコリと頭を下げる熊のぬいぐるみ一頭。
 たたっと軽い足音で駆け寄り、利用者に応じた広くはない施設、張りだした屋根の下に置かれた市バスの停留所に設けられたベンチへとセシリアは義雅を招いた。
 半ば魂が抜け出した様子でぐってりとベンチに座り込む三下に、スポーツタオルを丸めて背の後ろにあてがってやったりと甲斐甲斐しい龍之助を見、義雅は周囲を見回すと、目的の物を発見して少年少女青年成年熊を手招きで呼び寄せた。
「君達、何か暖かいものでもどうだい? 待たせてしまったお詫びにね」
商品ディスプレイを白々とした光で照らし出す自動販売機を示しての義雅の誘いに、セシリアはふわりと白いワンピースの裾を揺らせて月斗の手を取る。
「行こ、エリオット。月ちゃん♪」
「月……ちゃん?」
年下の呼びかけに、月斗は複雑な心中をそのまま表情に出し、手を引かれるまま義雅の元へと向う。
 義雅の誘いに応じなかった龍之助と三下は一方的な二人の世界を構築している様子で、恋しい人の弱り切った姿を龍之助は心痛めた風情で見つめる。
「三下さん、こんなにやつれて……でも大丈夫、今日は俺が守りきってみせるっス!」
止める者が居ないのを幸いと、龍之助はどさくさに紛れて三下の肩を抱いた。
 保護欲を駆り立てる、と表現すれば可憐な印象を与えるが、その対象である三下は抜け出しかけた魂が何処か違う世界へ逃避しているらしく「ちょ〜う〜ちょ〜、ちょ〜う〜ちょ〜♪」と虚ろに口ずさむ様に間違っているように見える。
 それでも、恋というフィルターを越せばその様も愛らしいのか、龍之助は何故だか頬を染めて思い人の虚ろ〜な横顔を見つめる。
 そのささやかな一時を破ったのは、セシリアの呼び掛け。
「ハイ、龍ちゃんもコーヒーどうぞ♪」
「お、ありがとセシルちゃん♪」
器用に抱えたエリオットが差し出す熱い缶コーヒーを、龍之助は一旦指の先で抓むように支えてから、コートの袖でくるむように受け取った。
「久我さんの奢り?」
「ん〜ん」
セシリアはふるふると首を振る。
「月ちゃんの♪」
なんとも太っ腹な小学生…と思いきや。
「普通、奢りだと思うだろ! この状況なら!」
「自動販売機はカードが使えないんだね、初めて知ったよ」
知ってろよ、と怒りに震える月斗…どうやら財布を持ち歩く必要のないブルジョアジーの常識の無さに翻弄されているらしい。
 年下の女の子に出資させる訳に行かず、上記の理由に現金を持ち合わせていた月斗が立て替えたのである…財布の中に入っていたレシートの裏に、唐突な出費を書き付けているのが何処か涙を誘う。
「後でちゃんと返せよな」
ちゃっかりとホットコーヒーを手にしている壮年の男性に念を押し、月斗はコーンスープをポケットに突っ込みながら、三下の頭におしるこドリンクを乗せた。
「冷めないウチに飲めよ」

 …間。

 じりじりと頭を焼いているだろう熱にも微動だにしない三下。
「重症だね」
のんびりと告げる義雅。
 やはりこの場合は救急車を呼ぶべきだろうが、どの科を指定するかが悩み所か。
 鎮痛な表情で龍之助が言い添える。
「昨日、一人で調査に出掛けたせいでこーなってみたいで……」
イヤ、彼はただ単に帰宅しようとしただけなのだが。
 だが、お人好し…基、心強い味方は何処にもいるもので、セシリアは三下を力づけるように自信に満ちた微笑みを向けた。
「だいじょーぶ三ちゃんセシルがいるから安心して! 何があってもセシルとエリオットで守ってあげる!」
セシリアがドンと…というには軽く、ポンとエリオット胸及び腹、を叩いた。
「だからヤカタ船に乗った気で安心して!」
そんな期間限定な船で安心出来るかは知らないが、幼い自信はそれでも三下の魂を引き戻す事に成功はしたらしい。
「セシルちゃん……」
うるうると、目を潤ませる三下。
「一応、麗香さんに頼まれた手前、仕事はきちんとしないとな」
セシリアに続く形で月斗も肩の位置まで手を上げる。
「月斗くん……、ありがとう、ありがとうぅぅッ」
噎び泣く三下に、果たしてこの男の身に何があったのか聞き質したい心持ちに襲われる面々。
「傘と言えば蝙蝠傘を思い出すけれど……そういえば、最近知り合った蝙蝠傘にそっくりな子が居てねぇ」
どんな人類だそれは。
 漸く、小学生にたかるのではなく本来の調査に来たのだと思い出したのか、ふとした調子で義雅が口にした。
「傘怖い傘怖い傘怖い傘怖いぃッ!」
ホントに一体何があったんだ。
 あからさまな脅えにベンチの下に潜りこまん勢いの三下、昨夜一晩中、傘とおっかけっこだったのは今は関係のない話である。
「アンタのこったから、麗香さんがどう言っても三下のおっさんに張り付くつもりだと思ってたけどな」
見苦しく脅える三下に些かげんなりと、月斗が龍之助に水を向ける。
「いやぁ、ホラ……一日目より二日目、二日目より三日目……って感じに、不幸の度合いも相乗効果ッつーか……ねぇ?」
すっげ朗らかな笑顔でそんな聞かれても。
 人間、こーやって大人になって行くんだろうか、と未来に暗澹たる影を感じるにはまだ年若い自分に、月斗は光輝かんばかりの龍之助の笑顔から目を逸らした。
「普通の傘に見えるけれど」
逸らした視線の先に、いつの間にやら和傘を手にした義雅が居る。
「あーッ、いつの間に見つけたんスか!?」
龍之助の最もな問いに、義雅はうん、と頷く。
「エリオットくんが教えてくれてね」
彼処、と指差す先には、空の傘立てが据えられている。
「スゴイねエリオット♪」
いいコいいコと、セシリアはテディ・ベアの頭を撫で、ベンチに座らせると月斗に買って貰ったココアをその前に据えた。
「ご褒美にエリオットにあげるね♪」
微笑ましい風景だが、その前に義雅に色々と聞きたい。
 その思いに一旦、龍之助、月斗、ついでに三下は和傘を持つには些か重厚感のあるスーツ姿の男に視線を集めていたのだが、
「美味しかった? よかったね、エリオット♪」
の言葉に何気なく振り返った事を後悔した。
 その一瞬の間に、消失したココアの缶は何かのマジックか。セシリアの笑顔にそれを問う気を削がれて、彼等はぎこちなく視線を和傘に戻す。
「傘の付喪神って言ったら、やっぱ有名なのはからかさお化けだよナ」
平静を装った月斗の言はかなりの労力を要した努力に反して、語尾が裏返ってしまった。
「セシルも知ってる♪ 前に読んでもらったご本の中に似たお話しがあったような…カラカサ? おめめが一個で足が一本でゲタをはいてるの! とっても可愛いの!」
共通の知識が嬉しく、エリオットを胸に抱いたセシルがタタと駆け寄るのを、月斗は両手で制しそうになる…円らに害のない筈の熊の瞳がなんだかイヤだ。
 ふと、義雅は空を見上げて屋根の下から掌を差し出した…ぽつ、ぽつと掌を打つ雨粒は大粒のそれとなり、直ぐに雨音に満たされる。
 義雅は面々を見回すと、何の躊躇もなく傘を広げ、目的の人物の上に差し掛けた。
「濡れるよ?」
「濡れねーよ」
この面子ならば、セシリアに差し掛けてしかるべき…最も、それが怪異の傘でなければ、の前提がつくが、龍之助、三下の横を越えてわざわざ月斗に差し掛けるその意味は計り難い。
 だが、追求される程にその行動に固執するつもりはないのか、義雅は残念、と小さく肩を竦めると振り返った。
「で、誰が差すのかな? 三下くんは……」
よく判らない何かに祈りを捧げてベンチの下に潜り込んでしまった三下には到底無理だろう。
「あ、ハイハーイッ! 俺、俺に任せて欲しいっス!」
自らを指差しつつ勢い良く挙手しての龍之助のアピールが全てを圧倒する。
「えー、セシルとエリオットもカラカサお化けさんと仲良ししたかったのにな」
異論を申しつつも、三下にいいトコ見せたい龍之助からその役を奪うつもりはないのか、セシリアが愛らしく口を尖らせる。
「お前、怖くないのかよ?」
怖かったら最初からこんな調査に首を突っ込んではいまいが、月斗は綿菓子のような西洋の少女を意外の面持ちで見た。
 それにセシリアはコクンと頷いて、微笑みを月斗に向ける。
「それにこのお化けさん、雨で困った人を助けてはくれてるよ?悪戯好きなんだよきっと」
「……そんなモンかね」
ただの悪戯好きにしては何か、深刻な精神的外傷を受けた男が其処に転がっているが。
「でもあんまり悪戯しすぎても皆が困るからね。もっと住みやすい所教えてあげなきゃ」
「どっちにしろ、害がなければ放っておけばいいさ。下手に突ついてやぶ蛇になったらどうするんだ」
肩を竦める月斗の冷めた意見に、「そうかな〜?」とエリオットを覗き込むセシリアに、その黒い無機物の瞳がきらりと街灯の光を反射する。
「そ、そう言われてみればそうだな、うん、きっとそうだな」
月斗の顔を背けた肯定に、不思議そうなセシリアと、何処かほのぼの風味である……飽くまでも表向きは、だが。
「取り敢えず、こーしてても始まらないっしょ。俺が行きますから……三下さん、見てて下さいねーッ♪」
湖影龍之助、愛の為に散る!
「散るな」
不穏な台詞に傘を受け取った龍之助の背に、すっかりツッコミ担当となった月斗の声が飛ぶ。
「それじゃあ、私達は後からついて行くから」
「龍ちゃん、頑張ってねー♪」
ふりふりと手を振るセシリアとエリオットに同じ動作で挨拶を返し、4人と一匹の期待を一身に背負って龍之助は軒下から足を踏み出した。


 そして、ある意味誰の期待も裏切る事なく、怪異は目に見える形で彼等の前にあった。
「こう来るとはね」
感慨深げな義雅に、月斗が軽く肩を竦め、セシリアは度々後ろを振り返っては案じる様子に眉を顰めた。
 雨は変わらず降り続いている…三下の、頭上限定で。
 今、頭上に拡がる雨雲の内包したそれを一所に集めた為か雨量は滝の如く、更には呼吸を確保する為に俯き気味な三下の姿は哀れを誘う。
「三下さん……」
龍之助の案じる口調に、三下は水の膜の向こうで力なく笑う。
「うん、いいんだよ龍之助くん……こんな気がしてたさ、アハハハハハ……」
乾いた笑いが虚しく響く。
「危なくなったら雷撃で始末してやろうかとも思ってたけどよ……」
差し迫った命の危険もなさそうで、月斗は悩む。
 三下が一身に雨を引き受けていれば、濡れずに済むという胸算用もあるのだが。
 ふ、と正面を向いたままで目を眇めた義雅、一瞬、放った式神と視界を同期させるに、鳥瞰の位置から自分達を見守る位置となって周囲の様子を探り出す。
「後をつけて来る者もいないようだ」
「仲間はいねぇみたいか」
投稿にあった下駄の足音に着目していたらしい陰陽師達の危惧が空振りに終ったようだ。
「三ちゃん、可哀想……」
笑い続ける三下に、セシリアはうん、と大きく頷いた。
「カラちゃん、三ちゃんにイジワルはやめなさい! でないと……」
小柄な少女の果敢な宣戦布告…は、只今現在、和傘の持ち手も含まれるらしい。
「え? 俺!?」
己を指差す龍之助に、セシリアはエリオットの背に縫い込まれたチャックを開くと、中からどう考えても、エリオットの体積より大きな投網を引きずり出した。
「こうしちゃうんだから!」
有言実行。
 セシリアは投網の端に結ばれた縄でぶんと振り回すと、遠心力に多少よろめきつつ、それを高く頭上に放った。
 中空でいい具合に拡がった網は、龍之助ごと和傘をすっぽりと包み込んだ。
「カンネンしてお縄につきなさいッ」
イヤ、誰も逃げてないし。
 愉快に細切れになった視界の内側で、龍之助がちゃうちゃうと手を振っている。
 それでも三下のみを中心とした雨は止まずに居る。
「コレでもダメかぁ……」
しゅん、とエリオットを抱き直すセシリアの頭を、義雅が撫でてやってみたりしているが、セシリアが果たしてどんな効果を期待していたのかは、誰も問わないでいた。
「流石にこのままじゃぁ、三下のおっさん壊れねぇ?」
身体より先に精神が参りそうだ、と人並の心配をしてみる。
「アハハ、大丈夫だよ月斗くん……ホラ、修行僧になったと思えばね。アハハハハ」
水の向こうで笑う三下、何か既に手遅れっぽいが。
「ダメだッ、もう俺には耐えられないッ!」
唐突に叫んだ龍之助が傘をうっちゃった。
 セシリアの投じた網に絡まって落ちる傘を一顧だにせず、龍之助は情熱の赴くままにタックルをかました。
「三下さんだけにそんな思いさせせないっスよ! 俺達は身も心も一緒っスーッ!」
達、でさり気なく括られて、呆気なくすっ飛ばされる三下は、勢い、アスファルトを背に押し倒される形になり、月斗は咄嗟セシリアに目隠しをし、セシリアはエリオットを取り落としかけて抱き直す動作に腕がぬいぐるみの目隠しになっている。
「若いっていいねぇ」
しみじみと、青春の暴走を見守りつつ、義雅は拡がったまま転がる傘を拾い上げ、網を取り払った。
 そのまま、何気ない動作で傘を閉じた…途端、三下及び龍之助に降り注いでいた雨が止んだ。

 そして、ふわりと。
 白い一片の雪が、セシリアの鼻先に止まってす、と溶ける。

「おや」
義雅の声に月斗の手が外れ、セシリアが感歎の声を洩らす。
「うわぁ……」
頭上を見上げれば、雪に変わった雨が羽根の軽さでこんこんと降り注ぐ。
「……今夜は冷えそうだぜ」
しんと凍り付き始める空気に、月斗が白い息を吐き出した。
「三下さん、雪っすよ! ロマンチックな夜っすねー♪」
ずぶぬれながら元気な龍之助は組み伏せた思い人にそう朗らかな笑みを向けるが、当の三下は急激に下がり始めた気温にガチガチと歯の根が合わず。
「ぶぇっくしょん!」
とロマンチシズムの欠片もなく盛大なくしゃみをかました。


「イヤねぇ、まだ風邪治らないの?」
マスクで顔の半分を隠し、顔も赤い三下から原稿を受け取り、碇は眉を顰めた。
「だ、だいじょぶでず……」
取材から二日、しっかりきっぱり風邪を引き込んだ三下は一日こそ寝込んだものの、後はなけなしの気力と根性、そして多大なる恐怖心を動員して出社し、〆切間近の職場を病欠して永遠に出社しなくていい憂き目を回避する。
 パラパラと原稿を繰り、内容にざっと目を通す碇に緊張の面持ちの三下を横目に、取材に関わった面々がお茶を前にくつろぐ。
「結局なんだったワケだよ、アレは」
月斗が誰ともなく問う。
「さあねぇ。でもまぁ、取材の目的は果たせたんだから、無理な原因究明なんてしなくてもいいんじゃないかな?」
不思議は不思議のままに、とやんわりとした義雅の意見に、ホントは面倒臭いだけなんじゃねぇの?と月斗は辛口な評をコーヒーと共に飲み下す。
「んー、でもセシルはカラちゃんと仲良しになりたかったのになぁ」
足をぶらつかせて、セシリアは少し残念そうだ…雪に気を取られていつの間にか、傘は姿を消していた。
「後の方が面白かったかなー、ちぇ、ちょっと失敗したなー」
喉元過ぎてなんとやら。榎真が軽い伸びをしながら述べた感想は呑気なものだ。
 あれから三下は怪異に遭遇できていない。
 どちらにしろ、碇が提示した最低条件は満たし、原稿もなんとか纏まった為、調査はこれにて終了、である。
「……まぁいいわね。手直しする所は後で指示するわ」
碇の裁定にホッと胸を撫で下ろしたのは三下だけでなく、関わった面々も何故か安堵する。
「三下さんッ、取材が終わったなら、デート……げふげふっ。どっか一緒に寄って帰らないっスか?」
終電を狙ってしこたま雑務をこなさなくてもよくなった三下を、すかさず誘い出そうとする龍之助。
 だが、三下の返答を碇が遮った。
「……で、ちょっと気になったんだけど」
それは面々へ向けての発言で、視線は碇に集中する。
「傘って普通、電車の中まで持ち込むわよね。傘立てって何処にでも置いてある物かしら?」

「あ」

全員の心は、その一声に集約された。



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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【0231/直弘・榎真/男性/18歳/日本古来からの天狗/学生】
【0778/御崎・月斗/男性/12歳/陰陽師】
【0218/湖影・龍之助/男性/17歳/高校生・アトラスアルバイター】
【1174/セシリア・ローズ/女性/11歳/情報提供業】
【0804/久我・義雅/男性/53歳/陰陽師】

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■         ライター通信          ■
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大変、お待たせ致しました<m(__)m>平伏
ボリュームだけは沢山、ネタもみっしり詰めてのお届けとなりました…遅いですけれども(爆)←それが大問題だろうが
ひとつなりと、笑い所があればいいなと願いつつ、ご参加ありがとうございました…どうぞこれに懲りないで頂ければと切に願う所存で御座います。

それではまた、時が遇う事を祈りつつ。