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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


天使の棲む場所ーOnly Holy Specterー


[ ACT:0 ] 始まりはいつも……

部屋の中も冬の外気温とさして違わない、ある日の草間興信所。
 エアコンが壊れていて暖房が効かないこの部屋の、唯一の暖房手段である淹れたての熱いコーヒーを啜りながら、事務所の主である草間武彦はハードボイルドを目指す人間がたかがこれしきのことで動揺してはいけないと、妙なHOWTO本でも読んだのか寒がっていることを悟られぬように、寒さで震える声を抑えながら出来るだけゆっくりと話し始めた。
「……それで、ご相談というのは?」
「人を捜して欲しいんです」
 虚勢を張る草間とは対照的に、『この部屋はかなり寒い』ということを厚手のダッフルコートにマフラー、青ざめた唇という姿でもって主張する依頼人・工藤裕之はコートのポケットから写真を二枚取り出してテーブルに置いた。
 二枚の写真のうち、裕之が女性と一緒に笑いながら写っているほうを手に取り、草間は依頼人に質問をする。
「捜して欲しいと言うのはこの人ですか」
「そうです。俺の恋人です」

* * *

 話の発端は一週間前に遡る。
 裕之の恋人でフリーカメラマンである三好可奈が、一週間前に家を出たきり、今日まで一切連絡が取れなくなっていると言う。
「アイツは何かに集中すると周りが見えなくなるんです。だから仕事に没頭しているときは連絡がないことなんてしょっちゅうなんですが、今回はそれとは違う気がして」
「仕事ではないと」
「ええ。職場にも出ていないようなんです。それに、可奈がいなくなる直前まで喧嘩してたんです、俺達。もしかしたらそれが原因じゃないかと……」
「喧嘩?」
「はい。彼女が……可奈が出て行く前にちょっとした口論になって。それで可奈が『そんなに言うなら証拠を見せてあげる』って言って飛び出してしまって」
 裕之はそう一気に喋ると、はあ、と大きく息を吐いた。
 (ただの痴話喧嘩か)
 真剣な面持ちで裕之の話を聞いていた草間は、内心そっと溜息をついた。
 仲の良さそうな恋人同士の痴話喧嘩の仲裁を兼ねた人捜しなど、ハードボイルドを目指す彼にとっては少々安っぽい依頼かもしれない。が、しかし、いつものアレな依頼よりは全然マシだ。
 ハードボイルドへの道はまずマンサーチから。鉄則である。
「なるほど……で、喧嘩の原因は?それに『証拠を見せてあげる』というのは?」
「そっちの写真、何に見えます?」
 草間の問いに、裕之は先ほど取り出した二枚の写真のうち、可奈が写っていないほうの写真を指し示した。
 それは一面ミルクをこぼしたような真っ白な中に、輪郭のはっきりしない人影が写っているものだった。いや、その影が人かどうかも定かではない。見様によっては両手を大きく広げた人にも、翼を広げた鳥のような生き物にも見える。それほどぼやけているのだ。
 そして、その影の背中には円状の光彩がまるで後光のように差している。
「その写真、可奈が俺達の高校の、あ、俺達高校の同級生だったんですけど、その裏にある山で撮ったものらしいんです。可奈が言うには、昔見た天使の写真らしいんです。でもどう見たってただの影でしょ?そんなわけない、って笑ったら、絶対天使だってすごく怒っちゃって。で、違う違わないって言い合いしてたら、『証拠写真を撮ってきて見せてあげる』って出て行っちゃって……」
 裕之はそう言って少し眉を顰めて俯いてしまった。
「……天使の写真……」
 草間は手にしたその『天使』の写真から視線を外すと、ちらりと部屋の壁を見た。
 『怪奇ノ類、禁止!!』
 いまやそんな張り紙など、故障中のエアコン以上に役に立っていないようだ。
 (天使の証拠写真ってなんなんだよ……)
 折角、久しぶりに普通の探偵らしい依頼だと思ったのに。
 天使という響き自体は何だか綺麗に聞こえるから一瞬錯覚に陥るかもしれないが、カテゴリー的に言って普通の部類には入らないだろう。
 怪奇探偵の名は伊達ではないということだ。
 がっくりと肩を落とす草間のことなど気にせずに、裕之は話を続けた。
「写真1枚のことであんなに怒るとは思ってなかったんです。しかも連絡まで途絶えるなんて……」
 喧嘩のきっかけになった自分の発言を後悔しているらしい裕之は、可奈の写真を手にしてぎゅっと唇を噛んだ。顔が青ざめているのは何もこの部屋が寒すぎるせいだけではないようだ。
「……分かりました。お引き受けしましょう」
 仕方がない。ここは恋人の身を真剣に案じている男のために、また怪奇探偵の汚名を被ることにしよう。草間はそう決めて依頼人の肩をポン、と一つ叩いた。
 今ここで壁の張り紙を指差し、他をあたれなどと言うほど草間武彦という男は冷たくはない。それに、今彼に仕事を選ぶ余裕などあるわけがない。
 依頼の承諾を聞いて顔を輝かせる裕之を前にして、草間はすっかりアイスコーヒーになってしまったカップの中身を飲み干すと、調査員を呼ぶべく机の上のアドレス帳をめくり始めた。


[ ACT:1 ] 甘い言葉にご用心

 穏やかな快晴の日曜日。窓から差し込む日光が部屋をほんのりと暖めるうららかな午後。自宅のベッドの中で心地よいまどろみの中にいた嘉神・真輝は、枕もとで鳴り響く耳障りな電子音に目を瞑ったまま思わず顔を顰めた。
(貴重な休みの貴重な安眠を妨害するヤツなんざ、無視だ無視!)
 そう心の中で呟くと、布団にもぐりこんだ。が、一向に鳴り止みそうもない携帯電話の着信音にたまらず、がばっと飛び起きる。
「あーもう、うるせぇな!休みの日くらい思い切り寝かせろよな!」
 くしゃくしゃと髪を掻きあげ、乱暴に携帯の着信ボタンを押す。
「もしもし?」
『ああ、嘉神君。突然なんだが、頼みたいことがあるんだが』
 電話の向こうから聞こえてきた景気の悪そうな声に真輝は溜息をつきそうになった。
 貧乏と怪奇にこよなく愛されている探偵・草間武彦からの電話である。
「今日は休み。今年一年、身を粉にして働いた俺のささやかなる至福の時間を邪魔すると後でどうなっても知らないからな?じゃ!」
 彼からの電話はろくな事にはならないと、本能が危険信号を発していた。それに、本当に休みを邪魔されるのは嫌だったので、真輝は一気にそうまくし立てると電話を切ろうとした。が、
『あー、待て待て!話だけでも聞いてくれないか?ちょっとした人捜しなんだ。ホント、少し手伝ってくれるだけでいいから』
「ちょっとした、だ?お前のところに来る依頼なんて怪奇がらみの厄介なもんばっかだろ?嫌だね、そんなことに労力使うのは」
『そんなこと言わずに、な?報酬もちゃんと出すし。……実はお歳暮で貰ったヨックモックのパイが残っているんだよ』
 草間の口から出た、似合わない言葉に真輝は思わずぴくりと眉を上げた。
「……それはもしかして……四角いヤツか?」
『そうそう、銀座三越のオリジナル』
「……よし、乗った!絶対残しておけよ!?」
 ヨックモックというのは東京は青山に本店のある有名なパティスリーである。バターをふんだんに使った生地を薄く伸ばし葉巻状に丸めて焼いた焼き菓子なんかが代表的であろう。そのヨックモック銀座三越店オリジナル商品が『四角いパイ』である。ミックスベリー・栗・洋梨と三種類の味があるパイはどれも絶品である。甘い物に目がない真輝にとって、有名店オリジナルのケーキ類は何が何でも食べたいものである。たとえ貴重な休みが潰れるのだとしても、だ。
 真輝は先程までとはうって変わった機嫌の良さそうな表情を浮かべると、出かける準備をするためにベッドから抜け出した。

* * *

 晴れているとはいえ、やはり冬の空気は冷たい。身を切るような冷たい風に、まだ半分眠ったままだった真輝の意識はしっかりと覚醒された。
「寒いし眠いし最低な日曜日だな。でもこれもパイのためだ」
 自分に言い聞かせるように口に咥えたタバコをかみ締めると、真輝は草間興信所へ足を速めた。と、視線の先に緑色の塊を見つけた。近づいてみると、それは緑色の髪の毛に同じ色のマフラーとコートを纏った少年のようだった。道端の途中に出来た陽だまりの中で気持ち良さそうに眠り込んでいる。
「おいおい、こんなところで寝るかよ普通……」
 いくら陽だまりとはいえ寒風吹きすさぶ真冬である。このまま放っておくわけにもいかず、真輝は一つ溜息をついて声をかけてみた。
「おい。おい、コラちびっこ!」
 真輝の声に、ごしごしと目元をこすりながら顔を上げた少年は真輝を認めるとちょこんと首を傾げた。
「んー……誰なのー?」
「こんなところで寝てると風邪引くぞ。さっさと帰りな」
 少年の顔を覗き込み、真輝はぶっきらぼうに話し掛けた。すると、
「まだ帰れないのー。おせーぼ持ってくのー、ここに……」
 少年は胸に抱えていた紙袋を見せてコートのポケットに手を入れて何かを探し始めた。無視して立ち去るわけにもいかず、とりあえずその様子を眺めていたが、なにやらポケットの中に探し物がなかったらしく、あっちこっちのポケットを探ってはおろおろと緑色の髪を揺らしている。
「どうした?」
「地図がないのー……場所が分からないのー」
 はっきりと焦り始めた少年に、たまりかねて声をかけると、彼はズボンや上着を探っていた手を止め、不安そうに真輝を見上げた。
 そして、見る間に瞳を潤ませてか細い声で訴えかけてきた。
「……助けてなの−……」
「!!」
 その捨てられた子犬の如き表情に、真輝は一瞬「しまった」と思った。こんな顔をした子供を見捨てたらかなり後味が悪い。全く厄介なやつに声をかけてしまったものである。
「……そんな目で見るなっつーの……仕方ねぇなあ、もう」
 真輝は咥えていたタバコから煙とともに溜息も一緒に吐くと、くしゃくしゃ、と髪を掻いた。
「で、お前はどこに行きたかったんだ?」
「えっとね、草間さんとこ」
「……すげー偶然じゃん。俺も今から行くところだ。連れてってやるよ」
 ニッコリ笑って手を差し出した真輝に、少年は嬉しそうに笑い返した。
 
 
[ ACT:2 ] 精鋭集合?

 この日、依頼を完遂し、草間興信所に暖を取り戻すべく集められたり偶然居合わせたりしたのは全部で四人。
 いまや興信所の主はこの人ではないのかと噂されている敏腕事務員、シュライン・エマ。
 『おせーぼ』片手に大事なおつかいを完遂したことで誇らしげな笑みを浮かべている少年、藤井・蘭。
 限定スウィーツを餌に貴重な休みを潰す羽目になった嘉神・真輝。
 そして、退屈な日々の暇つぶしを求めてやってきた伍宮・春華。
 お互いに自己紹介をし合っている四人を見て、依頼人である工藤裕之が少し不安そうな顔で草間に耳打ちした。
「あの……大丈夫なんでしょうか。なんか……子供ばかりのような気がするんですが」
「ご安心ください。見た目は子供でも、彼らは我が興信所自慢の精鋭調査員達ですから!」
 自分が直接関わらない草間は、無責任な笑顔を向けて胸を張った。
「とりあえず、もう少し詳しいお話を聞かせてもらえるかしら?」
 そんな草間を横目で見つつ、裕之の向かい側に座ったシュラインがそう言ってメモを取り出した。蘭と春華は顔を寄せ合うようにして裕之の持ってきた写真を眺めている。
 一方は『天使』の写真。白い画面に黒い影と虹色の輪。
 一方は女性がにっこりと笑っている写真。明るい茶色に染めた肩ほどまでのショートボブと、意思の強そうな二重の瞳が印象的な可奈の写真だ。
「こっちが天使さんでこっちが可奈さん?」
「ああ、そうだな。んー、でもこれ天使かあ?」
「きれーなおねーさんなのー」
 写真を見つつ話している蘭と春華の、微妙にかみ合っていない会話を聞きつつ、シュラインが裕之に質問を続けた。
「工藤さんたちが高校生だったのって何年前くらいなのかしら?高校の名前と場所も知りたいわね」
「えっと……俺が今二十四だから、八年前くらいですね」
 裕之が視線を上げながら指を折って答えると、
「へえ、俺と同い年じゃん」
 真輝がタバコに火をつけながら呟いた。すると、
「え?」
「うそ!?」
「ええ?」
 写真から顔を上げた蘭と春華、それにシュラインまでもが驚きの声を上げて真輝の顔を見つめた。
「な、なんだよ、みんな揃って。俺が二十四じゃ悪いのかよ」
「てっきり俺と同じくらいだと思ってた……」
「おにーちゃん、若いのー、顔が」
「今回は子供ばっかりと思ってたんだけど、大人もいたのね。良かったわー、私だけじゃなくて」
「俺がいくつに見えようがどうでもいいだろ。こっちは貴重な休みを割いて協力してるんだ、さっさと知ってる情報全部出せ、こら!」
 初対面の相手が必ずと言っていいほどするいつもの反応に渋面を作りつつ、真輝は怒りの矛先を裕之に向けた。
「あ……えっと。高校は神楽崎高校です。東京の郊外にある、普通の都立高なんですが」
「場所はどの辺り?」
「えーっと……ああ、これです」
 シュラインが質問しつつ広げた地図を裕之が指差した場所は、奥多摩と八王子の間辺りだった。東京の中でも緑が多く、昔ながらの小高い丘陵や山が残っている地区である。
「裏山もこの近くなのよね?」
「そうですね。本当に学校の裏にあるんですよ。通用門から出るとすぐに」
「まあ一番怪しいのはその裏山だろうな。写真もそこで撮ったんだろ?」
「ええ、そう言ってました」
「そうね、じゃあまずは高校付近で聞き込みかしらね。あとは『天使』関係でも少し調べてみたいわね」
「あのさあ……これ天使っつーより後光を背負った仏様みたいじゃねえ?しかもなんでこんなに真っ白なの?」
 先程から写真をためつすがめつしていた春華が、『天使』の写真をひらひらと振りながら言った。
「仏様?子供のくせに言うことがじじくせーな、お前」
 その言葉に真輝が面白そうに笑う。
「んー、だってよお、天使の輪っかってさ、絵とか見ても頭の上にあるじゃん?これ、どう見たって背中に背負ってるよ」
「天使の輪ー、こーいうやつだよねー」
 同じく写真を見ていた蘭が、自分の頭を指差した。綺麗な緑色の髪の毛に光が反射してキューティクルが輪のように煌いている。髪の毛に出来るいわゆるこれも天使の輪だ。
「なるほどね。確かに後光みたいね……」
「白いのは多分、霧かなんかだと思いますけど……」
 四人の話を聞いていた裕之が、その写真を撮ったのは朝だったと言っていたので朝霧じゃないでしょうか、と言い加えた。
 暫く、沈黙が続いた。皆が皆、写真を見つめそれぞれ何かを考え始めていた。
「ま、ここで悩んでてもしょうがねーじゃん。とりあえず俺、その高校の近くに聞き込みに行く」
 パン、と両の手の平を合わせて春華が言うと、
「僕もなのー。周りのみんなに可奈さんを見なかったかどうか聞いてみるのー」
 蘭も同意する。
「学校へ行くなら俺が案内しますよ」
 二人の言葉に裕之が立ち上がった。
「そうね。私は調べ物をして後から行くわ。あなたはどうするの?」
 春華と蘭に賛同の意を示し、シュラインが真輝のほうを振り返った。
「俺もちょっと用があるから後で合流するわ」
「OK。じゃあ、後で神楽崎高校の前で落ち合いましょう」


[ ACT:3-E ] 噂の天使

 草間興信所で一旦皆と別れた後、真輝は自分が勤めている神聖都学園へと足を運んだ。人気のない廊下を歩きつつ、
「一週間行方不明じゃ、飯食ってないかもな」
 そう思った真輝は、食料を持っていこうと学園のとある場所を訪れたのである。家庭科教師である真輝のテリトリー、それは調理実習室である。まさか学校の食料を持ち出すわけにもいかないので食材は実費で調達したが(ただし、後で必要経費として請求はするつもりだが)調理するのにこんなに環境の整った場所はない。それに、学園のパソコンで調べたいこともあった。
 買ってきた食材を手際よく調理し、用意したタッパーに詰めていく。おかずが何品か出来上がったところでご飯を炊く。炊飯ジャーのタイマーをセットし終えると、真輝はもう1つの目的を果たすべく、実習室の奥にある準備室の扉を開けた。
 こじんまりとした事務所の如き準備室の自分の机の上にあるデスクトップパソコンの電源を入れる。立ち上がるまでの数十秒の間にポケットから愛飲しているCOOLの箱を取り出し、中から一本抜き出して口に咥える。火をつけて紫煙を吐き出したところで、パソコンがようやく立ち上がった。
「さて、と。天使、目撃情報……っと」
 検索サイトのホームページを開けると、真輝はいくつかの単語を打ち込んだ。行方不明の可奈がしきりにこだわっていた『天使』について何か情報がないかと調べようと思ったのだった。
 しかし。
「んー……得にそれらしい目撃情報はない、か」
 検索結果は0。出てくるのは宗教や神話関連のホームページばかりで、依頼人の持っていた『天使』の証拠写真や目撃談とは関係のなさそうなものばかりだった。
 真輝はぎしっと椅子の背を鳴らして寄りかかると、口の端から煙を吐いた。
「天使って一体何のことなんだろうなぁ……ま、いっか。とりあえず飯が炊けたら他の奴らと合流して裏山に行くか」
 依頼人の話を聞く限り、可奈が裏山へ行った可能性は高い。というより、その場所以外にないだろうと真輝は確信していた。
「あー、まきちゃんがいるぅ!」
「ホントだー。何してんのー」
 そろそろ炊き上がるかと、腕時計に視線を向けた真輝の耳に甲高い女子生徒の声が聞こえてきた。扉の方を振り返ると、部活の途中なのかジャージ姿の女子生徒が二人、顔を覗かせて手を振っていた。
「冬休みなのになんでいるの、まきちゃん」
「ああ、ちょっと野暮用。それよりお前らこそ何でこんなとこにいるわけ?」
「うちらは部活だよ。なんかいい匂いしてきたから覗いたらまきちゃんいるしー。ねえねえ何してんの?」
 興味津々で部屋の中に入ってくる二人に、愛想笑いを浮かべながら、
「ちょっと調べ物。いいから部活に戻りなさい。それからまきちゃんじゃなくて嘉神先生」
「学校のパソコンでなに調べてるの?やだ、天使ぃ?似合わないー!!」
 パソコンの画面を覗き込んでけらけらと笑い出す女子高生達に大きな溜息をつきつつ、真輝はふと、思いついて聞いてみた。
「お前らさ、神楽崎高校って知ってる?」
「神楽崎……?」
「オナチューの子が行ってるよ、そこ」
 二人のウチの片方がああ、と声を上げて答えた。
「お、ナイス!その学校周辺で天使に関する噂とかあるかどうか聞けないか、その友達に」
「いいよー。メールしてみよっか?」
「悪いな」
 神楽崎高校に中学校の同級生がいるという女子生徒は、ジャージから携帯電話を取り出すとカチカチとメールを打ち始めた。
 そして、待つこと数分。
「あ、きたきたー」
 派手な着信音と共に返信が届いた。
「なんだって?」
「なんかねー、その子地元の子なんだけど、昔近所のおばさんにそんな話聞いたことあるって」
 神楽崎高校の生徒からのメールの内容はこんな話だった。

<天使の棲む山>
 昔、天界に住む天使たちは三日間だけ地上で過ごすことを許された。
 天上と地上を繋ぐ山の頂に降り立った天使たちは、天の神から必ず三日後の日の出までに戻って来るように言い渡された。
 思い思いの生活を地上で楽しんだ天使たちは約束どおり、三日後に山の頂に戻り朝日が昇りきる前に天上への道を羽ばたいていった。
 順番を待っていたそのうちの一人がふと向かいの山を見ると、自分と同じ姿がこちらを見ていることに気付いた。
「もう帰らなければいけないのに何をしているの?」
 尋ねた天使に、もう一人の天使は答えずに昇る朝日を見つめていた。つられて振り返った天使は太陽の美しさに思わず目を奪われ、その場に立ち尽くしてしまった。
 気が付けば朝日は昇りきり、帰る道を閉ざされてしまったその天使は以後その山に棲みついて、いつの日か天上へ帰る日を待っているという。
 
「天使の棲む山……やっぱり裏山でビンゴだな」
 にやりと笑い、携帯メールをパソコンに転送し内容をプリントアウトすると、真輝は急いで荷物を取りまとめた。
「サンキューな。助かった」
 炊き上がった白飯で綺麗な三角を速攻で結ぶと、真輝は彼女らに礼を言って学園を後にした。


[ ACT:4 ] いざ冬山登山へ

 真輝が神楽崎高校へ着くと、なにやら不服そうな春華と、安堵の表情を浮かべる裕之を促してシュラインが校内から出てくるところだった。真輝とほぼ同じタイミングで蘭も裏山から戻ってきた。
 再び顔を合わせた各人はそこで各々の持ってきた情報を照らし合わせてみる。
「可奈さん、山に登っていったってみんなが言ってたのー」
「そのようね。写真の謎と合わせてみれば可奈さんは裏山ね」
「写真の謎って?」
 首を傾げる真輝にシュラインは、ブロッケン現象の説明をかいつまんで話した。
「ははあ、なるほど。それが天使の正体ってわけか。……俺が聞いた天使にまつわる話と繋がるか?」
 真輝はそう言うと、先程生徒から聞いた『天使の棲む山』の話を印刷した紙束を見せた。
「あ、これ俺も聞いたぞ!購買のおばちゃんが言ってた。地元の人しか知らないような話だって」
「なるほど……この話の中に出てくる天使が見た『もう一人の仲間』というのを霧か雲に映った自分の姿だと考えると、合うわね」
「そのブロッケン何とかっつーのをもう一回写真に撮ろうとして、山に登ってるんだろ。分かってんだからさっさと捜しに行こうぜ」
 春華がその場に突っ立って話をしているのがわずらわしいと言う風に声を上げると、
「もう遅いけど……そう時間に余裕があるわけでもないしね」
 シュラインがそう言い、皆を見回した。特に異議もなく、一同は裏山へと向かった。

* * *

 そろそろ夕日が地平線に隠れようとしている。青かった空が茜色に染まり、また濃紺へと変わろうとしている冬の夕方。
 捜し人である可奈がいる裏山へ登っている五人に、容赦なく風が吹き付けてくる。
「うー、寒いのー」
 顔に当たる寒風に思わず首を竦めて、蘭がマフラーを握り締めた。
「山っつーか丘って感じだよなー」
 がさがさと落ち葉を踏み鳴らしながら春華が前方を見上げた。
 確かに神楽崎高校の裏山はさほど標高があるわけではなく、ちょっと見上げれば頂上が見えそうな小高い丘のようなものだ。
「全く、この寒いのによく山登りなんかする気になるよな、お前の彼女」
 時折吹く山頂からの風に身を振るわせつつ、傍らの裕之に声をかけたのは真輝だ。裕之は少し困った様に笑うと、
「昔からそうなんですよ。自分がこうだと思ったら絶対引かなくて。その代わり、確信がなければいい加減なことは言わない奴だから、今回の写真もきっと何かあるんだろうと思うんです」
 そう言って、先程シュラインから返された『天使』の写真に目を落とした。
「その『ブロッケンの怪物』とかいう現象の写真だったら最初からそういうはずなんです。でも可奈は『絶対に天使だ』って言ってたから……」
 裕之の言葉にシュラインが疑問を投げかけた。
「ただ単にブロッケン現象のことを自分なりの表現で天使と言っているわけではない、ということかしら?」
「ええ」
「じゃあ、何か。そいつは本当に天使と会って、その天使の写真を撮ったってか?」
 シュラインと裕之の言葉を受け、真輝が自分の推測を述べる。
「……そうじゃないかと、思うんですけど……」
「じゃあさ、やっぱり本当に天使がいるかもしれないんだな!?」
 単なる自然現象でしかないと分かってつまらなそうだった春華が、本物の可能性もあるかも、と急に目を輝かせた。
「あの昔話もあながちただの作り話じゃないかも知れないってことか」
「天使に関して特に目撃情報がなかったのは、ただの自然現象だと思っているからだったのね、きっと」
「きっと可奈さんは天使さんに会ったのー。みんなも『いる』って言ってるのー」
 真輝とシュラインの間にひょこっと蘭が顔を出した。
 蘭の言う『みんな』を見上げつつ、真輝は呟いた。
「ま、本人に会えば分かるだろ」


[ ACT:5 ] 天使の棲む山

 日もすっかり暮れ、辺りは生い茂った草木に覆われ真っ暗闇だ。しかし、上空は上手い具合に開けており月明かりが煌々と歩く人影を照らしていた。
 月に照らされた夜の山中は静かだった。歩く彼らの吐く息と衣擦れ、踏みしめる落ち葉の乾いた音しか聞こえない。そんな静寂の中にいるとまるで別世界に放り出されたような感覚に陥るが、時折遠くのほうで微かに響く電車の音だけが、ここは東京の街だということを気付かせてくれる。
 大して高くはないとはいえ、山は山である。冬山の登山にそろそろ疲労が溜まり始めた頃、先頭を進んでいた春華が突然大きな声を出した。
「頂上だー!一番乗りー!!」
 春華に続いて蘭、シュライン、裕之、最後に真輝が頂上へと立った。
「お月様が綺麗なのー」
 両手を空に伸ばしてぴょんぴょんと跳ねる蘭と、あまり広くはない頂上の展望広場を走り回る春華を見て、シュラインは思わず苦笑を浮かべた。
「子供って元気ねえ……」
「あー、やっと一服できる。疲れたー……ん」
 その横で真輝がポケットからタバコを取り出して咥えた。白い息とともに紫煙を吐き出しながら首を巡らすと、広場の一角、丁度登ってきたのとは真反対の降り口近くにテントのようなものが見えた。
「おい、あれ」
「誰かいるぞー!」
 真輝が顎でその方向を指すと同時に、すでにそこへ行き着いていた春華が皆を手招いた。
 近づくとそれは簡易テントで、外には三脚やカメラバッグなどが並べられていた。そして、その横では春華と後から来た他の人間に囲まれて小柄な女性が呆気に取られている。彼女は見知らぬ顔の中に自分の恋人の姿を見つけると口に手を当てて驚きの声を上げた。
「……裕之!?」
「可奈!お前何で連絡寄越さないんだよ!心配かけやがって」
 一週間ぶりに見る恋人の顔にほっとして緊張が緩んだ途端、心配が怒りとなって口に出てしまった裕之が怒鳴りつけるようにして可奈に詰め寄る。その言葉に可奈もむっとした表情で言い返した。
「なによ、心配してくれなんて言ってないわよ!第一、悪いのはどっちなのよ?」
「なんだと!?」
 今にもつかみ合いの喧嘩になりそうな二人の間に慌てて割って入るのは、依頼を受けて寒くて辛い冬山登山を終えた四人だ。
「まあまあまあまあ、そう興奮するなって」
「二人とも落ち着いて!折角無事に見つかったんだから、ね」
「喧嘩はダメなのー!」
「心配で捜しに来たんだから怒るなよな」
 大人二人と子供二人に総出で宥められ、やっと我に返った裕之と可奈は四人に向かって軽く頭を下げた。
「すみません、お見苦しいところを……」
「あの、何だか私を捜しに来てくださったみたいで、ゴメンなさい」
 その後、四人は可奈のテントへと誘われより詳しい話を聞くことにした。

* * *

 一人用の簡易テントに、いくら子供が混ざっているとはいえ総勢六人が入るのはかなり窮屈だったが、とりあえず身を寄せ合って何とか座ると、まずは自分たちが何故ここにいるのかを説明した。
「そうだったんですか。すみません、お騒がせして。本当はすぐに帰るつもりだったんですけど、どうしてももう一度天使の写真が撮りたくて」
 それに携帯電話の電池が切れちゃって連絡したくてもできなくなっちゃったんです。可奈はそう言うとばつが悪そうに笑った。
「なんにせよ、無事で何よりだわ。それよりもあなたがこだわってる『天使』について聞かせて欲しいのだけれど」
 シュラインの言葉に頷くと、可奈は何かを思い出すようにテントの天井を見つめて話し出した。
「私の実家、ここからすごく近いんです。だから子供の頃からよくこの山には遊びに来ていたんですよ」
 小学生の頃、可奈はある日家族と喧嘩して家を飛び出した後、この山の頂上で一夜を明かしてことがあるという。
「そのときなんです、私が初めて『天使』を見たのは。……すごく綺麗でした。朝もやの中に虹に囲まれて……でも一瞬しか見えなくて、そのときは錯覚だと思っていました。……あの話を知るまでは」
「天使の棲む山とかいう、昔話か?」
 周りの煙たそうな顔にも負けずにCOOLを吹かしていた真輝が言った。
「そうです。私、そのとき確信したんです。やっぱりあのとき見たのは間違いじゃないって。それで最近、またここに来てその写真撮ったんです」
 そう言うと可奈は天使の写真を愛しそうに見つめた
「……でもこの写真、ブロッケン現象だと言われたのだけれど……?」
 シュラインの問いに、可奈は少し笑って、
「その写真自体はそうですね。でも、映っているのは私が昔見た天使です」
「そう断言する根拠は?」
「ブロッケン現象で見える虹の輪って、自分の影を中心に見えるんです。だから隣の人の影には虹の輪って見えないんですよ」
「えっと、それはつまり、誰かと並んで立っていて一緒に見たとしても、自分の影にしかその現象は見えないってことかしら?」
「ええ。だからブロッケン現象の写真を撮るときは自分の影に向かってシャッターを切らないと意味ないんです。でも」
 可奈はそこで一旦言葉を切ると、真剣な眼差しで一同を見た。
「その写真、私の影じゃないんですよ」
 狭いテントの中を一瞬、沈黙が支配した。
 可奈の言う天使の写真。
 自分の影にしか見ることの出来ない現象が、第三者の影に見えたという証拠の写真。
 それはつまり……
「やっぱり、天使っているんだ!」
 嬉しそうに叫んで身を乗り出したのは春華だ。続いて蘭も、
「天使さんに会ってみたいのー!」
 もぞもぞとみんなの間から顔を覗かせながら手を上げた。
「みなさん、お時間ありますか?もし良かったらこのままもう一日お付き合いいただけませんか?……明日の朝なら、きっと会える気がするんです……!」
「んーまあ、依頼に関してはあんたを見つけた時点で一応終わりなんだが……」
「見たい見たい!天使見たい!!」
「見たいのー!」
「私も興味があるわね。この暗くて寒い中を帰るのも危ないし。とりあえず今日はここで夜明かししましょうか?」
 全員の賛同の意を得て可奈が嬉しそうに笑うのを見て、裕之にもやっと笑顔が戻る。
 そんな一同の様子を見て、よし、と真輝が持っていた包みをテントの真中へ差し出した。
「そうと決まればとりあえず、腹ごしらえだな。嘉神先生特製のスペシャルBOXだぞ。ご賞味あれ!」
 その言葉と共に広げられた数々の料理に、テント内に感嘆の声が上がった。
「あら、美味しそう」
「一週間も行方知れずだって言うから腹減ってんじゃないかと思って作ってきたんだが。まあ、その心配はなかったみたいだからみんなで食ってくれ」
「やったー!いただきまーす!!」
 俄かにキャンプか合宿のような様相になってきた小さなテントの中で、夜は騒々しく更けてゆくのであった。

* * *

 数時間後。真っ暗だった空が少しだけ青みを帯びてきた頃、狭いテントから這い出た一同はその冷たい空気に思わず身震いした。
「……寒っ!」
「うひゃー、顔が寒いっつーか痛ぇ!!」
「息が真っ白なのー」
「山の朝は冷えるわねー」
 口々に言うと、各々自分の体を抱き締めた。
 そう言っている間にも東の空から顔を出し始めた太陽の僅かな熱で大気が暖められ、一面真っ白く、霧がかかり始める。
「すげー、息より白いや」
 急激に変わり始める周りの景色に驚嘆の声を上げながら、皆はいつ天使が現れるのかと知らず四方に視線を巡らせていた。
 一層白くなる視界の中、地平線からオレンジ色の太陽が静かに昇り始めた。
 いつしか青い空は瑠璃色と白とオレンジの階層に分かれ、白い霧も輝かしい朝日に彩られ始める。澄んで冷たい冬の大気が緩やかに温度を上げてゆき、枝や草が纏っていた氷の粒がきらきらと反射する。
 眩しすぎるほど鮮やかなオレンジの光は、目に痛いほどなのになぜか心が安らぐような、優しく澄んだ光だった。
「綺麗ね……」
「すごい鮮やかだな……」
「うわー……」
「すごいのー……」
 神々しいまでの日の出に目を奪われる一同に、可奈が真反対を指差した。
「……来たわ!」
 その声に振り返った一同は、更に声を失った。
 目の前に広がる霧と雲の白いキャンバスに、自分たちの影がぼうっと浮かび上がっている。突如空中に出現した自分たちの分身に、言い様のない不思議な高揚を感じる。
 そして、背負うのは虹色のリング。
「これが……ブロッケン現象なのね」
「確かに横の影には見えないな、虹の輪っか」
 左右を見て、呟いたのは真輝だ。
「お!すげえ、影が動くと一緒に動くのな、あの輪」
 春華が面白そうに手を振っている。
「一、二、三、四……あれえ、一つ多いよ、影」
 春華と同じように手を振っていた蘭が、影の数を数えて首を傾げた。その言葉に一瞬顔を見合わせて、一同はそれぞれ影の数を数え始める。
 シュライン、真輝、春華、蘭、裕之、そして可奈。計六人分の影の少し離れたところにもう一人分の影があった。
 そして、その影は誰が見ても明らかに―――――誰の目にも映る虹の光を背負っていた。
「やっぱり会えた……!」
 嬉しそうな表情を浮かべ可奈は夢中でシャッターを切っていた。
「て、天使か、マジで?」
「影が映ってるって事は……いるのよね」
「どこ、どこ?!」
 パッと振り返った途端、今にも昇りきろうとしている太陽の光をもろに浴びて、思わず皆一斉に目を閉じた。
 閉じたまぶたの裏でオレンジ色の明滅を見、体全体で朝日の暖かさを感じながら、一同は天使の棲む山での夜明けを無事に迎えたのであった。


[ ACT:6 ] 遠い記憶と天使の囁き

「ご苦労さん、ご苦労さん。いやあ助かったよ」
 可奈と共に山を降り、草間興信所に戻ると、約束の報酬、と言って草間が菓子折りを一つ差し出した。
「ご苦労なんてもんじゃなかったぞ、全く。冬に山登りなんてもう絶対しないからな」
 口では不服そうに言いながらも、真輝は手にした限定オリジナルスウィーツに顔を綻ばせた。

* * *

 興信所を後にし、さっさと帰って休みの続きを満喫しようと大きく伸びをする。
 まぶしく照り返した太陽に思わず目を瞑ると、朝方のことを少し思い返した。
 影を見て、本体を確かめようと振り返ったあのとき。
 朝日の眩しさに目を瞑ってしまった真輝の耳に、天使の囁きが聞こえたのだ。
 ―――懐かしいわ。仲間の匂いがする……
「!」
 その囁きにパッと目を開けたときには、朝日はその丸い顔を全てさらけ出し、白い霧も晴れて影もなかった。もちろん、天使の姿を見ることもなく。
「あれは一体なんだったんだ……」
 天使なんぞに仲間呼ばわりされる筋合いなどないはずだ。しかし、何だか気にかかるのも確かだ。
「んー……ま、いっか別に。今日は帰ってパイ食って寝よう」
 天使の囁きから手元の菓子折りに意識を移すと、真輝は一つ欠伸をして歩き始めた。
 ―――また、会いましょう。
 あの山の上から、天使がまたそっと囁いた。


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

0086/シュライン・エマ/女性/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員

2163/藤井・蘭/男性/1歳/藤井家の居候

2227/嘉神・真輝/男性/24歳/高校教師(家庭科)

1892/伍宮・春華/男性/75歳/中学生

※以上、受注順に表記いたしました。

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■         ライター通信          ■
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皆様、あけましておめでとうございます。初めまして、佐神スケロクと申します。
大変お待たせしたうえに、正月早々山登りなんぞさせてしまって申し訳ございません(^^;)
ACT:1、3、6は一応個別になっております。他PCさんと絡んでいたりする部分もありますので、よろしければあわせてお読みくださいませ。
ちなみに、ACT:3はそれぞれの行動の時間軸順にA〜Eに分かれております。
未熟者ゆえ至らない点が多々あるとは思いますが、少しでも楽しんでいただければ幸いです。
ご意見、ご感想、クレーム等々お気軽にお寄せくださいませ。

今回は依頼へのご参加、有難うございました!
また皆様とお会いできる機会があれば嬉しいです。

今年も皆様にとって良い年であることを祈りつつ……

佐神 拝


>嘉神・真輝様
初めまして。ご参加有難うございます。
家事の出来る男性はとても素敵だと思います。羨ましいです、ハイ。
報酬のヨックモックのパイ、喜んでいただけるといいのですが(笑)
次の機会にお会いすることがありましたらば、そのときはまたよろしくお願いいたします。