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傀儡は焔に踊る
〜 序 〜
タ…ケテ
「助けて……欲しい?」
首を小鳥のように傾げ、問う。
応はない。
だがその沈黙を了承の意ととったのか。
「いいよ。私の欲しいモノを貴方がくれるなら、助けてあげる」
闇に響くそれは、愛らしい少女の声。
…シイ……
「苦しい?苦しいよね。痛いよね。大丈夫、もう安心していいよ」
全て分っているから、と優しく語りかけ、己の手を広げた。
「今、楽にしてあげる」
艶やかな紅の唇の端がゆっくりと上がり…
それはニィ、と笑った。
† † †
「忽然と姿を消しちまったんだってさ」
雑然とした事務所の片隅。使い古された事務椅子に座り、物怖じする事なく一人寛ぐ学生服姿の青年は部屋の主に向けて話しかける。
「『神隠し』か?」
ふいに。
机の上に天高く積まれた書類やファイル等の紙の山の向こう、煙草の煙が立ち上るあたりから返る言葉に青年、叶燿(かのう・ひかる)は部屋の主の位置を知る。
大掃除でもしているのかと草間を見ていれば、積み重なった荷物を少し手にとっては別の場所へ移しているだけというそんな状態を見て察するに、どうやらこの状況は日常茶飯事のようだ。
「だがなぁ、現代の神隠しってヤツは大抵家出だの無断外泊だのが多くて信憑性も、神秘的かけらもなにもあったもんじゃないぞ」
苦笑を浮かべる草間の前に、燿は待ってましたといわんばかりに紙袋を差し出した。
「これでも、か?」
墨文字で表面を飾られた袋の中から現れたのは一体の人形。
腰まで届く黒髪に白く透き通る肌。微かに開かれた艶やかな紅の唇は息づいているかのようだ。
眺めていた草間の手からぽとりと落ちた人形の腕。球体の関節のすぐ上にあるものを目にした時、微かに草間の眉が寄せられた。
「黒子?」
精巧に作られた人形に特徴をつけるのはよくある話だ。だが、顔ならまだしも身体的特徴にこだわるというのは世程この人形に愛着があるのか、それとも実在する人物への執着があるのか。
思案に暮れる草間に燿は無言で一枚の写真を手渡す。校舎を背景に教師らしき人物を中心として制服姿の男女が並んでいる。学校のクラスの集合写真のようだが、草間の目が一人の女生徒の上で止まった。
「狩野八重(かりの・やえ)17歳。同じクラスの子なんだよ。失踪する前日、その人形が家の前に置いてあったらしいんだけど……似てるだろ?」
見比べる迄もない。似ているどころか人形は身を小さくした少女そのもののように見える。
「俺、その人形触れないんだよ。最初触った時すごく熱くて……なのにもうどうしようもなく寒気がして鳥肌たっちゃってさ。で、ある人に聞いたら此所ならなんとかしてくれるって。なんか凄腕の怪奇探偵だって誉めてたよ」
「怪奇探偵言うな!」
思わず高校生相手に哀しい突っ込みを入れつつ、草間は新たに煙草を一本取出した。
「報酬は保証するからさ。頼む!この通り!」
ほだされたのは報酬か、それとも情か。
「……仕方ないな」
草間はくわえた煙草に火を灯して立ち上ると紙の山から顔を覗かせ部屋を見渡した。
「と、いう訳なんだが……誰か頼まれてくれないか?」
草間の声が響いた室内の奥、電源をつけたままにその存在を忘れられていたTVの画面が『少女の失踪事件続く』とテロップの入ったニュース画面を大きく映し出していた。
〜 壱 〜
「こんにちは」
少女はいつものように扉を開き、室内に足を踏み入れようとして……首を傾げた。
いたるところに積み重ねられた書類の束は高層ビルのように聳え立ち、小柄な少女の視界を遮っている。これではどこをどう進めば部屋の主の元に辿り着けるのか分からない。
といって、このまま立ち往生している訳にもいかず、どうしたものかと思案する少女を呼ぶ声があった。
「あ!もしかして『シリル』ちゃん?」
声の主を確認しようと視線を移すと山と積まれた書類の影から一人の少年がひょこりと姿を現した。
「草間の兄サンから聞いてるよ。あ、オレ叶燿っての。よろしくね!」
笑顔で迎えた黒髪の少年の名には聞き覚えがあった。彼が今回の依頼主だ。
「柚木シリルといいます」
丁寧におじぎをした少女、柚木・シリルの肩に届く茶の髪がさらりと揺れた。
「草間さんから連絡を受けたんですけど……あの、草間さんは?」
「草間の兄サンならあっち。今、知合いが来たって向こうで話してるけど。すぐ戻ると思うよ?」
おいでおいでと手招きされ、書類の束を崩さぬように気を配りながら、シリルは勧められるまま事務椅子にちょこんと座り……移した視線の先、机の上に座しているものを見て思わず声を漏らした。
「このお人形……」
人形を傷つけぬようにそっと両手で持ち上げ、向き合う。
少女の澄んだ紅玉の瞳が目前の人形を映す。
「見れば見るほど狩野さんにそっくりですね」
草間から携帯に連絡を受けたのはつい30分程前。その際狩野八重と人形の写真をメールで受け取って目にはしていたが、こうして実際に見てみると携帯の画像で見るよりも似ているように思えた。
シリルは少女人形の胸部に耳をあてるとそっと瞳を閉じ、意識を集中させる。
「人形から耳を澄ませて鼓動などが聞こえてこないかどうか……とも思ったんですが」
聞こえるのは何か砂の流れるような乾いた音。
だが鼓動の音は聞こえない。
「ダメ、ですね。触ってみても何も反応はありませんし……」
ゆっくりと眼を開いてシリルはそっと溜息をついた。
「それにしても……」
シリルが人形の次に注目したのは机上に置かれた人形が入っていたとされる紙袋。
(この文字なんだろう?)
墨で書かれた文字はシリルにとって見た事のないような文字だ。
ふと、思いついて首をひねって文字を見てみる。
間違いない。
文字の意味する事は分からないが、逆さに書かれていることは分かる。
「逆さ文字、か」
背後からの男の声に反射的に振向く。
気配には人より敏感なシリルだがその男の気配は全く感じる事はできなかった。
だが、彼が草間の知合いというのならなんとなくその意味も分かる気がしてシリルは黒のスーツに身を包んだ長身の男、久我・直親と挨拶を交わした。
「おぅ、柚木も来たか」
久我の後、煙草を口にして現れた草間武彦がシリルに軽く右手を上げて答える。
「草間さん。この袋、なんだか、変……」
「そいつはこっちの専門家に聞いてくれ」
あくまでも自分の管轄でないと主張したいのか、草間は陰陽師である久我に視線を送る。
「この墨文字はある術を形どっている。中の物と外を隔てるようにしてあったのか……いや、中の物を外に出さないように封じていたんだな。一種結界のような役割をしていたらしい。誰か人を呪うといった呪詛の類のものでない事は確かだ」
久我はどこか楽し気に袋を眺め、その漆黒の瞳を細めた。
「ここには何が書かれているんですか?」
よく見れば何やら難しい言葉で書かれているだけでなく、記号や絵のように見えるものも混ざっている。漢文や古文のようなものとは全く違う、シリルにとって馴染みのないものだ。
「術者の使う『真言』だな。それも『逆さ』ときている。なかなか興味深いな」
「逆さま?逆さにすると何か特別な意味でもあるんですか?」
「逆さにする、というのはそれだけで意味がある。『覆す』という意味に通じているからな。今の境遇、状況を変じる。転じて人を呪うという事に繋がる事もある。それにただ『真言』といっても同じ真言を用いて人を救う事も出来れば殺める事もできる」
でも、とシリルが口にするのへ久我は頷いてみせた。
「そうだ。さっき言った通りこれは呪詛を目的としたものじゃない。しかもこれ程に手の内を明かすようなあからさまなものに入れて届けるということは、もしかすると……」
どきん、とシリルの胸が鳴る。
ただの悪戯という訳ではないのだ。少なくとも狩野八重は事件に、それもとても困難な事件に巻き込まれている事は間違いない。
燿を見れば、言葉少なく同じように固い表情で俯いたまま拳を固く握りしめている。
「怪奇探偵への挑戦状かもしれないぞ。どうする、草間?」
「よしてくれ」
少年、少女とは異なり余裕と笑みを含んだ久我の問いにげんなりと草間が答えた。
「ふん、人形ね」
久我はそう口にすると人形を手にとり、目前まで持ち上げた。
「これが怪奇小説ならば魂を奪われた後の抜け殻、と言った所だろうが?」
「どうだ、何か感じるか?」
草間の問いに久我は霊視でもって人形を注意深く調べては見るが、何か違和感を感じる事は出来ても邪気や陰気などそれらしきものは何もでてこない。
「いや。むしろ何もなさすぎてひっかかるといったところか」
「でも……それなら尚更燿さんの感じた寒気と、熱さというのが気になりますね」
シリルが触れても、久我が触れても何の反応を見せない人形に、何故燿には反応してみせたのか。
「確か霊媒体質だとか言っていたな。確かか?」
「自分じゃあんましわかんねーけど、多分。そう言われてるし」
燿が言うには生まれついて霊を寄せやすい体質にあるらしく、昔から人ならざる者の気配に敏感だったらしい。
「それなら無理に人形に触れさせない方がいいか。下手に干渉して厄介な事になっても困る。霊媒体質ともなればそれだけ『引き込み易い』だろうからな。しかし……世程霊的感応力が高いのか、それとも偶然か」
人形をシリルに手渡し、久我は掛けてあった黒のロングコートを手にする。
「いずれにせよこの件に関してもっと調べる必要があるか」
数ある障害物を何の苦もなく器用に避けて歩いた久我は扉の前まで来るとふと、笑みをその口許に刻み振り返った。
「草間、古より続く陰陽師の家柄…その次期長を顎で使った代価は決して安くないと覚えておけよ?」
そのまま扉の向こうへと消える久我に、草間は深いため息をついてがくりと肩を落とした。
〜 弐 〜
室内に仄かな紅茶の香りが広がる。
窓から差し込む冬の陽射しの中、ティーカップから立ち上る湯気が溶けて消えた。
「構いませんよ。丁度手も空いている所でしたし」
久我が草間興信所を去った後、入れ代わるように訪れた柔らかな物腰の青年、セレスティ・カーニンガムは穏やかな微笑を浮かべて手にしていたティーカップをソーサーに戻し、依頼を快諾した。
「すまないな。腕はいいが口と性格に多少難ありの悪徳陰陽師に搾り取られそうになってた所でな。お前もかのリンスター財閥の総帥って立場にある人間だからどれだけふっかけられるかと正直ひやひやしてたんだが……」
「お気遣いなく。行方知れずのお嬢さん達の安否も気になりますし、何より興味深い事件ですしね」
「そうか?」
ゆったりと寛いだ姿勢でセレスティは優雅なる所作で両手を組み、微笑を浮かべた。
「報酬は草間さんのお気持ち次第ということで」
気持ち次第、といわれれば聞こえはいいが、かえって試されているような気がするのは草間の気の所為だろうか。
「ところで燿君、とおっしゃいましたか。狩野さんの捜査を依頼して来たというのは何か特別な感情からですか?」
突然話を振られた燿は口にしていたジュースを派手に吹き出しそうになるのをなんとか押さえ込む……まではよかったがその反動で大きく咳込んでしまい、涙目になりながら立ち上がる。
「と、特別っ?!誰が?って、俺が?!」
「そう。キミと狩野八重さんの事です。少々気になったので……」
「私も気になっていました。狩野さんとはどういった間柄なのですか?」
シリルもまた首を傾げて問う。
二人の視線を浴びて燿は戸惑ったような表情を浮かべ、頭を掻いた。
「間柄っていわれても……別にただのクラスメイトだけどさ。あ、特別な感情とかは絶対ない!ありえないからっ。あいつおとなしそうに見えて実は気は強いし、はっきりとした物言いする奴だから結構口喧嘩とかはしたけど」
「なる程。古来より聞くアレですね。実は喧嘩するほど……」
「誰もンな事いってねぇっ!」
恋愛を含む話題に慣れていないのか動揺を隠せず、未だ苦しそうな燿にセレスティは微笑ましいですねと笑みを浮かべ、シリルは心配そうにお茶を差し出した。
「あの、それで狩野さんとは?」
「ん?ああ。だからさ、腐れ縁っての?男友達みたいな奴。まぁ衝突はあったりもしたけど別に怨んだりとか嫌ったりなんかしてないぜ?周囲から頼られるタイプではあるけど特に憎まれたりするような奴でもないし……だから気になるんだよ」
やはり仲が良いんですね。と微笑するセレスティーから悪意は感じられないが、燿はそんな彼を上目遣いに睨む事は忘れない。
「失踪した状況や時間、念の為人間関係のトラブル等がなかったかどうか調べてみましょう」
「あの、セレスティさん。私、狩野さんの足取りを追ってみようかと思っていたんです」
では、一緒に。と手許のステッキに手をかけ、立ち上がろうとしたセレスティを止めた声があった。
「それ、俺に手伝わせてくれないか?俺なら狩野と仲良かった奴とか、同学年の奴とか顔きくし」
燿の申出にシリルとセレスティは顔を見合わせる。
「あの……きっと危険ですよ」
「ん。分ってるけど……放っておけなくて。あんた達が頑張ってくれてるのに俺だけじっとしているなんて……さ。何かせずにいられないんだ。足はひっぱらないようにするから」
そう言った燿の声には固い意志が込められていた。
これより先、危険が伴う事を彼自身十分理解し、彼なりに覚悟を決めているのだろう。
シリルとセレスティはそんな少年の決意をなんとか聞き入れてやりたかった。
「わかりました。では一緒に探しましょう」
シリルが元気付けるように言うと燿は破顔した。
「ではこれだけは約束して下さい。危険だと感じたらすぐに連絡する事。特に一人では行動しないほうがいいでしょう。それから定期連絡を怠らないように……いいですね?」
優しい声で語るセレスティに、燿は嬉しそうにありがとうと応えた。
〜 参 〜
「最近さ、何か話してなかったか?悩みとか。人形の事とか」
「人形?さぁ……聞いてないけど」
「なんでもいいんです。学校でのこと、家でのこと。何か気になるような事聞いていませんか?」
狩野八重の足取りを含めた詳しい話を聞こうとシリルは燿と共に八重と親しい友人の一人、春野という少女に聞き込みをすることになった。
帰宅途中の春野を見つけ、燿の奢りで買って貰った缶ジュースをそれぞれ片手に人気のない路地に入って座る。
「そういえば。悩みごとかどうかわからないけど、ここんとこ寝不足だって言ってたな」
「寝不足?」
「うん。なんか夢見悪いからよく眠れないとか。自分が焼かれる夢を見るとか言ってたっけ」
「夢……か」
暫らくの間黙りこみ、なにか思案する様子の燿をシリルは心配そうに覗き込んだ。
「どうかしたんですか?燿さん」
「……あっ、いや。何でも」
「……?でも、夢っていろんな意味を持つっていいますよね。予知夢とか、前世を見るとか、知合いが夢枕に立つとか。狩野さんもやはり何か……」
かつん。
ふいに響く音にシリルはハッと顔をあげた。
近付いて来る足音は次第に距離を縮め、シリル達に近付いて来る。
だがその人物の顔はビルの影に隠れて伺うことは出来ない。
かつん。
目前まで迫った所ところで足音が止んだ。
「ウソ、だろ?」
掠れるような声を漏らしたのは、燿。
陽光が影を照らし出す。
艶やかな腰まで届く黒髪。鮮やかな赤い唇。
「貴女、狩野さん?」
そこに悠然と立っていたのは間違いなくシリルが写真で見た少女、狩野八重だった。
人形そのままに愛らしく笑う少女の姿は美しく、だがどこか禍々しい気配を纏わせている。
「そうとも言えるし、そうでないとも言える、カナ?」
ふふ、と無邪気に笑って答える少女に何処か違和感を憶えてシリルは少女に意識を向けたまま燿の様子をそっと伺った。
燿は険しい顔をして唇を結んでいるだけで口を開こうとしない。
「ちょっと、どういうこと?八重?あんた無事だったのね?!」
行方不明だった筈の友人を目にして身を乗り出そうとした春野の手首を掴み、燿は無言で止めた。
何かを感じ取っているのだろうか。顔色は悪く、汗をかいている。
「ねぇ、私の欲しいモノをくれるなら許してあげる、だから……」
シリルが目の前に佇む八重から感じていた何か異様な、不吉な気配が次第に色濃く、力を増してゆく。
「だからあなたのその命を……私に頂戴」
紺の制服のポケットから出されたナイフが鈍い銀光を放った。
「ち。例の噂と同じ文句かよ。それにしちゃ現れるの早すぎやしねぇか!」
最近流行っているという噂はやはり無関係ではなかったのか、と燿は呟いた。
「ビンゴ、だぜ。シュラインさん」
「何なのっ!どうしちゃったのよっ!八重ぇ」
待って下さい、と冷静に判断を下したシリルが八重に駆け寄ろうとする春野を止めた。
「確かにあの人からは狩野さんの匂いがする。でも、あの人は八重さんじゃない。そして恐らくあの人は春野さんを標的にしています。早く此所から逃げて下さい」
春野をめがけ飛び込んで来る八重を先に行かせまいと、行手をシリルが塞いだ。
春野は流石に危機を感じたのか、その場を後に走り出す。
「どいて!」
激昂した八重は手にしたナイフでシリルを斬りつける!
瞬間。
シリルの手を引き寄せ体制を変えて庇う影に邪魔され、刃は微かに目標を違えて空を切った。
「燿さん!」
燿の頬、刻まれた傷から紅の血が滲む。
「貴女、誰なんですか?どうしてこんなこと」
燿にかけ寄り、今度はシリルが燿を庇う形で目前の少女に問う。
「狩野さんは何処に……無事なんですか?」
「何処に、なんて決まってるじゃない。貴女達だって気付いているんでしょう?」
くすくすと可笑しそうに笑うと、八重はナイフの刃に残る燿の血を指で拭うと紅をさすように唇にあてた。
「ふぅん?」
鮮やかな赤が陶器のような白い肌に映える。
「そうなの……そうだったのね。あなたが……」
その紅を得た唇が愉悦に歪んだ。
「さっきの娘は逃したけど、いいわ。もしかしたら。貴方なら本当に私の欲しいものをくれるのかもしれない」
ゆらり、と空気が動く。
突如少女の背後に現れた数体の小さな影の正体はそれぞれに細かな特徴まで精巧に造りこまれた、少女人形。
シリルはそれらによく似た人形を既に一度目にしている。
「……まさか、この子達」
行方不明になっている少女達の、人形だとでもいうのだろうか。
「さぁ?でもそれはすぐに分かることよ。貴女達もこの子達のように私のおともだちにしてあげる」
にっ、と少女は嗤った。
息が苦しい。
走り続けてどれくらいたつのだろう。
心臓は早鐘を打ち、目眩が襲った。
だが倒れている暇などない。
誰か呼ばなければ。
通りに出て助けて欲しいと人に縋り付いても、誰も自分の言うことなど信じてくれなかった。
得たのは哀れむような、蔑むような視線。人によっては関わりたくないと視線を反らす者もいる。
「誰か……お願い」
震える手で携帯電話を取り出し、メモリボタンを押そうとしたその時、携帯が震えてメールの着信を告げる。
友人からのメール。
飛びつくようにメールを開く。
『件名:狩野情報求ム!
聞いた?なんか今インタビューやってるらしいよ!もしかしたらゴチになれるかも?とにかくなんでもいいから情報もってるヤツはこの人に連絡すること!』
助けて貰えるか分からない。けれど話を聞いてくれる事は確かだ。
躊躇する間もなく、春野は祈るようにその電話番号に電話をかけた。
「もしもし、シュライン・エマさんですか?おねがい、助けて!」
〜 肆 〜
ヒュン!
飛来する人形がシリルと燿の体を掠める。
(逃げ切れない?)
だが、人形はそれ以上二人を襲う事はなかった。
「あなた達……」
シリルは目を目を瞬かせた。
何処からともなく現れた犬が数匹、それぞれに牙を剥き人形と対峙している。
人形に体当たりをしてシリルを守った犬は低く唸り、人形達を牽制しながらシリル達の前に立つ。
「守ってくれるの?」
一匹の犬が心配ないと言いたいのか、嬉しそうにシリルに顔を擦り付けた。
「素敵。それが貴女のお友達なのね。でもいつまでもつのかしら?」
人形が周囲を囲む。
襲いくる人形を犬達は爪先で払い、体をはって弾き返したりと善戦をみせてはいるが人形の動きは衰えを見せない。かといって人形達が行方不明の少女達に何か関係している以上、下手に手を出すわけにもいかなかった。
きりがない、そう思った時、ゆらりと蠢く気配があった。
「いけない、逃げて!」
咄嗟に叫び、犬達はシリルの声に応じたように四方に散らばった。
「そろそろ飽きちゃったわ。もう、おしまいにしましょうよ」
錯覚などではない。
そこには深紅の炎を身に纏い、少女が悠然と佇んでいた。
八重は手を天にかざす。
ごうっ!
どこからともなく現れた炎が瞬時に周囲を取り巻き、退路を塞いだ。
周囲を染める紅蓮の炎。
焦げた匂い。
炎は生命と意志を得たように蠢き、そのまま勢いを増しシリル達に襲いかかろうとして……寸前で弾けた。
「!」
己の意志を裏切り、突如制御を失った炎に八重はきり、と唇を噛んだ。
「子供の火遊びにしては悪戯が過ぎるな」
「火気厳禁、ですか。暫く禁煙願いますね、久我さん」
炎の壁が裂かれ、現れたのは二人の男。
「久我さん、セレスティさんっ!」
そのうちの一人の男が手にしていた符をひらりと飛ばした。
「急急如律令」
刀印を切ると符が消失すると同時、今度はシリル達の後方の炎を掻き消しそこに居た二人の女性へと道を開いた。
「シリルちゃん、燿君、大丈夫?!」
「シュラインさん、ウィンさんも」
「良かった。二人とも無事ね」
駆け寄ったウィンとシュラインがシリル達の無事を確認し、ほっと安堵の息をついた。
少し離れていろ、と指示を出すと久我は印を結び真言を唱える。
「オン・マユラキ・ランディソワカ」
空気が湿り、大気に水の精霊の気配が満ちるのをセレスティは肌で感じた。
ぽつり、ぽつりと頬に触れるのは雨。
久我の呼び寄せた雨水に触れ、セレスティは静かに告げた。
「恵み深き水の精霊、我等に加護を」
雨はセレスティの手許に集い、余す事なく全て収束すると一つの大きな波となって炎の壁を撃ち破る。
衝撃と共に、水と炎がぶつかり水蒸気となって周囲を白く染めあげた。
「気は進まないが、子供の躾はきちんとしておかないとな」
「お手柔らかに。相手が子供であるという事をお忘れなく」
揶揄するような久我の口調にセレスティは微笑を浮かべ答えてみせる。
「お友達勢揃いってわけ?」
皮肉を含んで八重は忌々しいと言わんばかりに口にした。
「どうして、彼女達を襲ったんですか」
シリルの問いに八重は肩をすくめてみせる。
「自分が過ごす筈だった12年間、そしてこれから過ごすであろう未来への羨望と妬み、か?」
「そうよ。何が悪いの?だって狡いじゃない。私にないものをあの子達は持ってるんだもの」
久我の問いにも少しも悪びれる様子はない。
「彼女はただ、友達が欲しかっただけなのかもしれないわ。誰かに自分がここにいるという事をちゃんと認めてもらいたかっただけなのかもしれない」
サイコメトリという能力によって人形を通して八重の中に居る少女に触れたウィンはやるせない思いを胸に八重を見つめる。
「でも。もっと他に方法はなかったんでしょうか」
シリルの言葉にウィンは困ったように微笑を浮かべ、シュラインもまた同じような表情を浮かべた。
「今の彼女の姿に気づいてあげることの出来る人は多くはないわ。淋しかったのよ。そうでしょう?奥菜式子ちゃん」
シュラインが少女、奥菜式子(おくな・のりこ)の名を口にした時、今迄八重と呼ばれていた少女はぴくり、と身を震わせた。
「よく分ったわね。そうよ。誰も私のことなんかみてくれない、気付いてもくれない。でも分ったの。この子なら私の声を聞ける。この子の身体を手に入れれば今迄出来なかった事も出来るようになれる。私は生まれかわれるんだって!」
八重の姿をした式子は勝ち誇ったように両手を広げた。
「見て!私はこの手にしたの、取り返したのよ。私が生きる為の体を、命を、時間を、すべてを!」
そうよ、と式子と呼ばれた少女が呟く。
「それでもまだ、足らない。満たされない。だからこの子達を攫ったの!でももういらないわ。だって本当に私が欲しかったものはその子が私にくれるもの」
式子の視線の先、燿が辛そうに目を伏せた。
「その子を殺せば私は更なる『力』を得る事が出来る。完璧な『人』になれる。未来だって手に入るわ!」
「我侭なお嬢様だな」
久我は苦笑混じりに懐から一枚の符を取り出した。
欲しいものを欲しいといい、思うままに行動するのは善悪の区別がつかない子供故の行動。
迸る思いを止める術を知らない未熟な子供なのだ。
「仕方ありませんよ。彼女は外見はともかくとして中身は子供ですから。それにないものねだりをするというのは子供の特権でもあります。ただ……行き過ぎてしまっても困りますけれどね」
セレスティもまた苦笑して、久我の横に並ぶ。
「でも貴方達は嫌い。骨まで燃やして全部灰にしてあげる!」
式子の瞳が剣呑な光りを宿して妖しく輝く。
「我、水をもって火を克す」
「我友、水の精霊よ」
水と炎が乱舞し、新たに衝撃を生んだ。
「ごめん。足ひっぱらないって約束したのに……俺、役立たずだ」
張り巡らされた久我の結界の内、燿は力なく呟いて握る拳に力を込めた。
「そんな事ないです。燿さん、狩野さんの為に一生懸命やりましたよ。私も、皆さんも、狩野さんだってちゃんと分ってます。それに、貴方にしか出来ない事だってある筈です」
シリルの言葉に俯いていた燿の顔が上がる。
「お願い。恐がらないで。人形の手を握ってあげて下さい。危険なのは分っています。でも今、頑張らないといけない気がするんです。だから、一緒に励ましてあげて」
「燿君が自我をしっかりと保てば大丈夫。八重さんにも気持ちは届くはずよ」
サイコメトリ能力を保持するウィンには燿の恐れる気持ちも、これからしようとしている事の危うさもよく分っている。分っているからこそ燿にはその恐怖に打ち勝って欲しいと願った。
ウィンは優しく微笑んで腕に抱いていた人形の手を燿へと向ける。
「狩野さん、必ず助けます。頑張って!」
躊躇わず、まっさきにその手をとったのはシリルだ。
「もう少しだから頑張って」
シュラインもまた人形の反対側の手をとって励ます。
「狩野、お前こんな事でどうにかなる奴じゃないだろ?」
そっと、燿の指が人形に触れた。
稲妻が走るような衝撃に襲われながらもなんとかそれをこらえ、燿は声の限りに叫んだ。
「眼を、覚ませ!」
ぽぅ、と柔らかな淡い光が燿と人形を包み込み……
覚醒は訪れた。
「狩野さん!」
二度、三度瞬きをし……人形の姿で狩野八重は口を開いた。
「……あの子達を、燃やして」
八重の言葉にはっとして周囲を見渡す。
いつの間にか数体の少女人形がとり囲むようにしてじりじりと迫ってきている。
「狩野さん。彼女達を救う方法を貴女は何か知っているのね?」
こくり、と人形は頷いてみせた。
「人形に魂を封じ込まれた子達は無事よ。魂を人形と本体の二つに分けられてはいるけれど身体は別の場所で眠りについているだけ。人形の器を捨てれば元の身体へと戻るわ」
「お喋りね!私の邪魔をするの?!」
かっ、と目を見開いた式子の指先から八重に向け走った炎は久我の符に弾かれて止まる。
「仮染めの依代を無くせば意識は本体に戻り、目を覚ますという事か」
「やって!彼女達は大丈夫だから!」
「彼女達は……って……」
ウィンの手の上にぽん、と己の手を重ね、八重はその顔を覗き込む。
「貴女達なら気付いているでしょう?見たでしょう?あの時、何があったのか。私の姿をした彼女の正体が何なのか」
躊躇うウィンにセレスティは諭すように頷いてみせた。
「彼女の言う通りかもしれません。あの子は既に狩野さん自身ではないんです。いえ、狩野さん自身だったとしてあの姿でいられる筈がない。その理由はルクセンブルク嬢、貴女も知っている筈」
「確かに私達は見たわ。八重さんの身体が炎に包まれて灰と化してしまった時のこと……」
式子の生み出した炎によって死を迎えた八重。高温の炎は骸さえ残さず、後に残されたのは一握りの灰だけ。
「それを集めて出来たのが今、あそこにいる式子ちゃんの姿なのね」
「そうです。今の狩野さんの姿は人形ですが、本体であるべきあの少女の身体もまた、灰から作られた傀儡なのです」
だからこそ。彼女を元の姿に返し、最後まで見届けなくてはならないのだとセレスティは静かに語る。
「彼女達に同じ思いはしてほしくないの。彼女達ならまだ間に合う。だからお願い!」
叫びにも似た八重の声に、久我は不動明王呪を唱えながら数枚の符を人形へ向けて飛ばした
「ナウマクサマンダバサラダンカン」
符が発火し、人形を紅蓮の炎で彩る。
穢れを払う、不動明王の浄化の炎。
「きゃあぁぁぁ」
悲鳴を上げたのは人形達ではなく、式子だった。
「熱いのは、いや。でも、独りはもっと、いや。どうして……」
淋しい。おともだちまでどうして消してしまうの?
独りは嫌なのに。
「やっと、手にいれたのに。どうして邪魔するの?」
「本当に貴女の欲しいものは手にはいったの?入らなかったでしょう?だってそれは貴女自身のものではないもの。偽りを手に入れてもそれは脆く儚いものよ」
ウィンの言葉に式子は激しくかぶりを振った。
「ちがう、ちがう。わたしのよ!だってくれたんだもん!わたしがもらったんだもん!」
小さく、幼く見えたその姿は、式子本来の姿に重なって見えた。
「ねぇ、いけないの?いけないことなの?だって皆やってるのにっ、平気で人を殺したりしてるのに」
「噂を聞いたの。火事で亡くなった少女の話だったわ」
シュラインが静かに語る。
その話を聞いたならば数人に同じ話をする事。それが出来なければ呪いを受け、数日後には少女の霊が現れて体の一部を奪ってゆくという。
「呪いから逃れる方法は二つあったの。一つは自らの髪を断ち、その髪を用いて自分に似せた『身代雛』と呼ばれる人形を作り、災いを避けること。そしてもう一つの方法は……」
時に噂は虚偽だけでなく真実を告げる事もある。
シュラインが得た『噂』という情報が真実であるという可能性を信じて。
「少女の好きだった子守り唄を唄って聞かせること」
シュラインの声が優しく奏で始めたのは、子守り唄。
音色は炎のパチパチと弾ける音も全て呑込んでゆく。
そこに残るのは優しい音階と暖かな旋律。
(声よ。彼女の許へ届いて)
音を重ね、想いを重ね。
シュラインの声が温かく響き、少女を温かく包み込む。
シリルははっと息を呑んだ。
少女の頬に涙が零れる。
それを合図ととったかどうか。久我はその手で印を組んだ。
「センダマカロシャナソワタヤウンタラタカンマン」
久我の不動明王呪により少女の足許に生じた浄化の炎はあっという間に少女を包み込む。
「ふしぎ。あつくない」
ふふ、と少女は微笑んだ。
夢を見ていた。ずっと、長い間。
おとぎの国や見知らぬ国での冒険、人形達との楽しいお喋り。
きらきらと輝き、心が弾む様々な夢。
けれど自分が一番幸福である事を感じ、心から求めていた夢はそんな夢物語ではなく。
当り前の生活、ごくありふれた見慣れた日常の景色だったのだということに気付く。
そしてそこにはいつもきまって、自分を優しく迎えてくれる人がいた。
「あったかい。まるで……」
……おかあさん。
呟きは最後まで声にならず、それでも笑顔を残して。
少女は炎に抱かれて、消えた。
「彼女はもう、あの炎の中で躍らなくてよくなるのね」
そう零した人形の睫が微かに震えたように思えた。
人でなくなってしまった人形の身体ではもう、涙を流すことすら許されない。
ウィンは思わず人形を抱く腕に力を込めそうになったが、思い直してその艶やかな黒髪に触れ、優しく頭を撫でた。
「全ては灰に帰す、ですか」
ぽつり、とセレスティが呟いた。
「灰には死者を浄化する働きがあると言う。古く遡れば古事記にも灰は心願成就や航海安全の捧げものとされていたとある。無病息災のお守りや薬、魔除けなどにも用いられ神聖視されてきた。事実、偉人の骨と灰を土に練りこみ、像にした物も実在する位だしな」
「私も聞いた事があるわ。それじゃあ式子ちゃんは……」
シュラインの声に久我は苦笑を浮かべる。
「さぁな。子供がそこまで考えてやった事とは思えないしな」
「西洋にはその灰から誕生するという話もあります。不死鳥と呼ばれる彼等は死を迎えると灰になり、そこからまた新たな命として再生するという伝承があります。彼女もこれで炎という束縛から逃れ、自由になって生れ代わることが出来るのはないでしょうか。少なくとも、私はそう信じますよ」
「そうね。私も信じるわ」
セレスティの言葉にウィンが答え、シリルもこくりと頷いた。
想いを馳せていたシュラインの肩を久我がぽん、と軽く叩く。
「ええ、きっとね」
シュラインはふ、と軽く息を吐き出すと、みんなお疲れさま。と笑顔を浮かべた。
同じ頃。テレビでは行方知れずになっていた少女達が姿を現したというニュースが流れ、一部では『現代の神隠か?』なる報道がされていた。
古びたテレビの前、ニュースを眺めながら煙草に火を灯し、草間武彦は一人笑みを浮かべて煙を吐き出した。
〜 五 〜
「あら、そんな顔しないで。貴女達には感謝してるの」
なんとか依頼を果たした形で集った調査員達がそれぞれ別れを告げた後。
時間も遅くなったから、とシリルを最寄の駅まで送る事になった燿の腕に納まった人形、狩野八重はシリルを見上げて言った。
「あの時。式子ちゃんに炎で焼き殺された時ね、もうこれでお終いなんだって思ったわ」
けろりととんでもないことを、何事もなかったように話す八重に少々戸惑い、シリルは思わず歩みを止めた。
「熱くて、苦しくて、痛くて……もう駄目だって思った。あのまま消えてたら、私もあの子みたいになってたと思う。やりたい事も残して、自分でも何がなんだか分からない内に死ぬなんて……やっぱり死んでも死にきれないでしょうしね」
うんうん、と頷いた少女人形はだが一瞬、言葉を呑み込む。
「でもね。確かにこんな姿にはなっちゃったけど、生きてるなんていえないかもしれないけど。それでも良かったって思ってる。哀しいには哀しいけど……」
はい、とシリルは返事をする。
「あの子の哀しみもここにね、少し残ってる」
八重は自分の胸にそっと手をあてた。
「私の中に、あの子も生きてるのよね。だから、このままで。もう少しこの世界を一緒に見ていきたいの。いろいろ見せてあげたい。あの子の知らない、そして私もまだ知らないことをいっぱい見て、感じて。そしていつか私も眠るわ。でもその時は納得して眠れると思う。だからそれまでは………」
シリルも燿も何も口にせず少女が話すのを待った。
「図太く生きることに決めたわ!しばらく叶の家に居候させてもらう事に決めたし!」
「はァ?!」
思いも寄らぬ人形の提案に燿は素頓狂な声を出し暫し呆然とする。
「俺そんな事きいてね……」
びしり、と指をつきたて名案よね、と胸を張る少女人形に反論が許される筈もなく。
シリルはぱん、と手を打って喜んだ。
「え?そうだったんですか?それなら安心ですね」
「そうなのよ。ほら、叶ってあんなだし弟みたいで放っておけないのよね。それにどうせなら人生楽しまなくっちゃ!」
「私も応援します」
明るく笑う二人の少女達にすっかりその存在を忘れ去られた少年は深いため息を吐くと共に頭を抱えこんで、唸った。
「……もぅ勝手にしてくれ」
少女達は顔を見合わせ、そしてまた笑顔を浮かべた。
〜 傀儡は焔に踊る / 了 〜
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■ 登場人物(この物語に登場した人物の一覧) ■
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【0086/シュライン・エマ(しゅらいん・えま)/女/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
【0095/久我・直親(くが・なおちか)/男/27歳/陰陽師】
【1588/ウィン・ルクセンブルク(うぃん・るくせんぶるく)/女/25歳/万年大学生】
【1883/セレスティ・カーニンガム(せれすてぃ・かーにんがむ)/男/725歳/財閥総帥・占い師・水霊使い】
【2409/柚木・シリル(ゆずき・しりる)/女/15歳/高校生】
-NPC-
【叶(十七夜月)・燿(かのう・ひかる)/男/17/学生】
【狩野・八重(かりの・やえ)/女/17/傀儡】
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■ ライター通信 ■
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はじめまして。新人ライターのひたきと申します。
依頼に参加頂きありがとうございました!
そして大変お待たせしてしまい、申し訳ありませんっ。
今回の依頼ですが幾つかのパートに別れておりまして、他の話と繋がって一本の話になっているというリンク形式となっております。他の方の所でも名前が出ていたり、違う視点から全体像が見えたりという事もありますので、もし宜しければ通して読んで頂けると嬉しいです。
一部の個別文章ではなにやら続きものらしきニュアンスもありますが、今回の依頼は皆様のお陰で大成功を収め無事完結となりました。ありがとうございます!
もしかしたらそのうち、何か別の形で伏線なぞ勃発するかもしれませんが…おつき合い下さる方寛容な方、お待ちしております(笑)
ご意見・ご感想等ありましたら頂けると嬉しいです。今後の参考にし、より精進するよう努力いたします。
それではお買い上げありがとうございました。
■シリル様
燿と八重に対する真摯な姿勢に心を打たれました。ありがとうございます。
実はシリルちゃんのプレイングにより、先延ばしにしようかと考えていたNPCのとある伏線がいきなり一回目にして発生してしまい驚くやら、嬉しいやら(笑)
燿に関して記述がありましたので行動をご一緒させて頂きましたが如何でしたでしょうか?
もし機会がありましたら、こりずにかまってやって下さいませ。
それではまたお逢い出来ることを願いつつ。
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