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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


1.ネクロ・カウンター ――vsギルフォード

■柚木・羽乃編【オープニング】

「――探偵。”満月に病める町”から、再びSOSが来ていますよ」
 ゲルニカ内の草間興信所にて。
 机で頬杖をつき、物思いにふけっていた少年探偵――探偵に、青年助手――助手は告げた。その手には、割られたばかりの言霊を持っている。
 探偵は助手に視線を合わせると。
「満月の夜に起こる、狂気的殺人事件?」
 それは以前にもあったことだった。そしてその事件を、探偵は一度解決している。
 助手はYesを飛ばして続けた。
「しかも多発、です。これは明らかに――ネクロ・カウントでしょう」
「ふん」
 探偵は鼻を鳴らして応える。
 ネクロ・カウント――それは死体の数を競うゲームだ。ただしプレイヤーは、自らの手を汚してはならない。あらゆる策を講じて、人を死に追いやってゆくのだ。
「しかし一体誰が”あいつ”と……」
 助手の表情が暗く沈んでゆくのを、探偵はただ眺めていた。
 ネクロ・カウントを楽しもうとする者など、”あいつ”しか考えられない。現に以前ネクロ・カウントが行われた時、それを競っていたのは”あいつ”と――医学探偵だった。しかし医学探偵は、そのゲームに負け既に殺されている。2人は互いの命を賭け、勝負していたのだ。
 助手の視線が、ゆっくりと事務所奥のドアへと移る。その部屋の中には、探偵のために命を賭けて”あいつ”を殺そうとした、医学探偵の遺体が飾られていた。
「――もう、僕のために命を賭けようなどというバカ者は、誰も残ってはいないのだ」
 助手の視線を引き戻すように、探偵は口を開いた。
「だから今回の事件は、本当にただ単純に、楽しんでいるのだろうさ。そしてだとしたら1人、思い浮かぶだろう?」
 探偵と目を合わせた瞬間、助手は閃いたように手を叩く。
「ギルフォード! ……さん、ですか?」
「ご名答」
 嬉しそうな顔をした助手に、探偵は苦笑を返した。
「邪魔をしに行くかね?」
「もちろんです!」
 ネクロ・カウントは、第3者にその策を見破られた時点でゲームオーバーとなる。つまり互いが死体の数を競っているのと同時に、その策の完成度をも競っているのだ。
 それを邪魔するということは、見破ろうとすること。それが狂気的殺人事件の解決にも繋がる。
 そしてこのゲーム自体、”あいつ”が今現在その町に存在しているという何よりの証拠だった。
 探偵は立ち上がり、机上の帽子を手に取った。
「――さあ、追いかけごっこを始めよう」



■旅立ち【都内某ビル:屋上】

 あらかじめ定められた場所。
 そしてあらかじめ定められた――
「――約束の時間ですね」
 以前と同じ言葉で始めたのは、銀時計を片手にした桂(けい)さん。
 それを囲む人々は、以前のちょうど2倍――8人だ。
「これからどこへ行くのか、わかっていますよね?」
 それらの言葉は、桂さんにとって必要な儀式であるのかもしれない。
 それぞれがゆっくりと頷く。
(”満月に病める町”で起きている事件)
 それに関わるために、俺は再びゲルニカへと赴く。
 桂さんは皆が頭を上げるのを待ってから、言葉をつけたした。
「自己紹介はいりませんよね? それも既に、わかっているはずです」
(――わかってる?)
 言われて人の顔を順に見ていくと、確かに桂さんの言うとおり俺は”わかって”いた。ついさっきまでは、知らないと感じていた顔もあったはずなのに……
「確認作業は無駄だというお達しのようです。こうしている間にもゲルニカは動いていますからね。早く、行きましょう」
 俺たちを急かしながら、桂さんは銀時計で空間に穴を開けた。
(わからせたのも、急かしているのも)
 本当は”あいつ”。
 今回の俺は、その”あいつ”と、そして少年探偵を、別の角度から見たいと思っていた。
(俺はこの穴をくぐる)
 2度。
 その時俺の傍にいる人は、この中の誰でもない。
 ぞろぞろと穴の方へ向かう俺たちを、最後に桂さんは振り返って。
「どうしても確認したいなら、後ろの方を見るといいですよ」
 そんなことを告げた。何人かが、後ろを振り返った。



■初めての接触【ゲルニカ:IO2ゲルニカ支部】

「――ここに来れば、アナタに会えると思ってたんだ」
 やけに広い建物の中。アームチェアに腰掛け、煙草をくわえ、目を閉じ、物思いにふける人。
「いきなりだな。一体どこから入ってきたんだ?」
 おそらく俺が声をかける前から、その人は気配に気づいていたのだろう。ゆっくりと目を開けると、俺に訝しげな視線を送った。
「ゲルニカの外から、直接来たんだ」
「! 最初から俺に会いたいと思っていたのか? そりゃあ余程の物好きじゃないか」
「好き好んでこの世界にとどまっている、アナタほどじゃないけどね」
 俺の言葉に、その人――ディテクターは笑った。
(そう)
 ゲルニカにはディテクターという、探偵くん以外に”あいつ”と対立する人物がいる。その情報は、実は最初から与えられていた。ただ俺が利用しようと思っていなかっただけで。
 今回再びゲルニカを訪問するにあたり、彼に会いたいと願ったのは――他でもなく、彼の対応が気になったからだ。
「ネクロ・カウント」
 口にすると、ディテクターの顔は引き締まる。
「やはりそうか」
「探偵くんはゲームの邪魔をしに行くらしいよ」
 そういう情報が、あらかじめ与えられていた。
「それが打倒だろうな」
「アナタはどうする? ディテクター」
 ぽんぽんと言葉を繋げる俺を、ディテクターは不思議そうに見上げた。
「それを訊きに来たのか?」
 本心を隠して、微笑む。
「どんなふうに対応するのかなって、思ったんだ。邪魔しに行くなら俺も付き合うよ?」
 その時。
  ――バタンッ
 大きな音を立てて、部屋のドアが開いた。
「――許可が、下りたようだな」
「え?」
 呟いたディテクターに、訊き返す。
 ディテクターは苦笑を浮かべ。
「実はしばらくの間、ここに閉じ込められていたのさ。――そう、おそらく、ネクロ・カウントが始まった瞬間から」
「?!」

     ★

 おそらく探偵くんも自由には動けなかっただろうと、ディテクターは告げた。だからこそ、俺たちがこうしてゲルニカへやってきた今ですら、事件が解決していないのだと。
(――そうかもしれない)
 ”満月に病める町”からSOSをもらった時、すぐにでも駆けつけていれば、俺たちが来る前に事件は解決していたかもしれないのだ。
(しなかったんじゃなくて)
 できなかった。
 それが正しい答えのように思えた。
「でもどうして、急に……」
「”あいつ”が捜査を始めることを許したのかって?」
 早速”満月に病める町”へ向かいながら、交わされる言葉。
 俺の頷きに、「簡単な図式(こと)だ」と呟いた。
「”あいつ”はゲルニカの外から人が入ってくることを許した。だからこそ、俺たちが決められたエリアから出ることも許したのさ」
 入る者と出る者。規模と対象は違うが、そう書き表せば答えはゼロだ。
「ギブアンドテイク、みたいなもの?」
 他に適当なたとえが見つからず、そう口にした。ディテクターは少し唸ってから。
「近からず遠からずだな。原理はそうだが、”あいつ”にとっては外から人がやってくることも俺たち――特に探偵が捜査に乗り出すことも、プラスだろうからな」
「えーなんでぇ?」
 捜査に乗り出されることが嫌だから、ディテクターや探偵くんの動きを封じていたのではないのか?
 俺はネクロ・カウントについての情報を思い起こしていた。
(確か――)
”第3者にその策を見破られた時点でゲームオーバーとなる”
 そんなルールがあったはずだ。
「それだけ”あいつ”に自信があるってことなのかな」
「それと、おまえたちを使って、探偵を苦しめようとしているからだ」
「! そうか……”あいつ”にとってのプラスは、ゲームに勝つことよりも探偵くんに苦痛を与えることか」
「だがネクロ・カウントである以上、そこには何らかの賭けが発生しているはずだ。その内容いかんでは――」
(一石二鳥?)
 そんなうまい話があるもんか。
「絶対に、”二兎追うもの一兎も得ず”にしよう!」
「ハハ、そうだな。――っと、町が見えてきたぞ」



■情報収集【ゲルニカ:満月に病める町――町長の家】

 ”満月に病める町”へ入ると、ディテクターはまず町長の家に向かった。何故それが町長の家であるのかわかったかというと――何故だろう? もしかしたらそれも、”あいつ”のせいなのかもしれない。
「お久しぶりです、町長」
「おお、ディテクターさん。よくいらして下さいました。何度か言霊を出したのですが、言霊屋が何故か『届けられない』と言うので心配していたのですよ」
(ナルホド)
 探偵くんが動けないながらもディテクターより有利だったのは、町長からの言霊があったからだ。たとえ動けなくとも、言霊のやりとりで多分ある程度のことは把握できるだろう。
 その点ディテクターは外との接触は許されていなかった。それでも俺が「ネクロ・カウント」と告げた時「やはり」という3文字が出てきたのだから、その推理力に脱帽する。
 自分にはどうしようもなかった事象に、ディテクターは苦笑しながら。
「すみません。一時的に建物が密閉されていたもので」
「まあ何にせよよかった。事件を解決しに来て下さったんでしょう? あ、どうぞおかけ下さい。そちらの学生さんも」
「どうも」
 ディテクターがさっと座ったので、俺も隣に腰かける。
(”学生さん”、か)
 こんな所まで来て、まさかそんなふうに呼ばれるとは思っていなかった。
(でもそういえば――)
 ゲルニカでは一度も、名前を確認されたことがないような気がする。というか、ゲルニカの人は外の者を誰も名前で呼ばない傾向にあるようだった。
(探偵くんは桂さんを)
 ”時計”って呼んでたな。
 ディテクターだってまだ、俺の名前を確認しない。それでも不自由はしていないようだった。いざとなればきっと、町長と同じように職業(肩書き?)で呼ぶのだろう。
「解決したいのは山々なんですがね。情報がほとんどないので、こうして訊きに来たんですよ」
「そうですかそうですか。でしたら何でも訊いて下さい。わたしが知っていることでしたらお教えしますよ」
 俺たちの向かいのソファに腰かけながら、町長は早くも身を乗り出した。
(まだ何も訊いてないって)
 逆にこちらが引き腰になる。
 ディテクターはこの対応に慣れているのか、ごく普通に。
「では早速お訊きしますよ。まずは現在の町の状況から教えて下さい。町に人がまったく見えませんでしたが、既にほとんどの住民が殺されてしまった――というわけではありませんよね?」
 ぎょっとしてディテクターの横顔をまじまじと見つめてしまった。
(さすがにそれは――)
 ないだろう。
 だとしたらすべてが遅すぎる。
 町長に視線を移すと、町長は神妙な顔で頷いた。
「ええ。ただ次の満月が明日なので、皆警戒しておるのです。逆に明日になれば、外が騒がしくなると思いますよ」
 「明日か……」とディテクターの呟きが聞こえた。きっと長期間閉じこめられていたせいで、日にちの感覚がおかしくなっているのだろう。
「折角家の中に隠れてるのに、出てきちゃうんですか?」
 俺が何気なくそれを問うと、町長の神妙が苦笑に変わった。
「隠れていることに、耐え切れなくなって飛び出してくるんです。あの情景を見れば――人の精神がいかにもろいものか、思い知らされますよ」
 それはかなりの惨劇を予感させる言葉だった。
「それで? 生き残っているのはどれくらいですか」
「以前の事件が起きた時、かなりの数が増やされましたからね。まだ5分の4くらいは……」
(意外と多い)
 そう感じてしまっている時点で、俺はゲルニカに染まってしまっているのかもしれない。
「増やされた……というのは、”あいつ”によって?」
「今思うと、もう一度遊ぶための準備であったのかもしれませんね」
「!」
 YesもNoもなかったけれど、答えとしては十分すぎた。
「まあ利用されやすいのは、この町の名前のせいでもあると思いますよ。この事件が解決したら、変えてみてはどうでしょうか?」
”満月に病める町”
 確かに”病める”とついている時点で、良くないことが起こりそうな気がする。
(なんでそんな名前なんかで……)
 ちょっと前なら、俺はそう思っていたかもしれない。けれど徐々にわかってきたんだ。
(ゲルニカでは、名前そのものが大きな意味を持つ)
「そうですね……そう簡単には変えられないと思いますが、ケントウしてみます」
 前向きな返事に、ディテクターは力強く頷いた。
(そのためにも)
 この事件の早期解決を目指さねばならない。



「警察の方は、どうなっていますか?」
「犯人逮捕と死体処理とその身元確認で大忙しですよ」
 ここで言う”犯人”とは、”あいつ”やギルフォードのことではなく実際に殺人を犯した人のことだ。
(――あ)
「ギルフォード!」
 探偵くんは確か、”あいつ”とネクロ・カウントしているのはギルフォードだと予想していたのだ。
 思い出して口にした俺に、驚きの表情を見せる町長。
「彼が関わっていることはご存知でしたか。そう、ギルフォードも殺人犯として追われています」
「! ――”殺人犯”として?」
 ディテクターがくり返した意味を、すぐには気づけなかった。
「殺された町民の4分の1ほどが、彼に直接……」
「バカな。初めからルールを無視していると言うのか?」
「あっ」
 そこまで聞いた時、思い出した。
”ネクロ・カウントのプレイヤーは、自らの手を汚してはならない”
 それもルール。
 だから本来ならば、ギルフォード自身が殺人犯として追われることなどないはずなのだ。
「――残念ながら、それ自体はルール違反ではありませんよ」
「?!」
 不意に割り込んできた声。それはごく最近聞いた――
「桂さん?」
「さっきぶりですね。キミがすごいトコ飛んだから、ボクびっくりしちゃった」
 にこやかな笑顔の桂さんが、ドアの前に立っていた。
「――おまえがカウンターなのか?」
 その表情とは裏腹に、鋭い声を飛ばしたディテクター。桂さんは表情を変えないまま。
「さすがディテクターさん。理解が早いですね」
「カウンターって?」
 まさか反撃やテーブルのことではないだろう。
「ネクロ・カウンターといえばネクロ・カウントのプレイヤーを。カウンター単体ではカウントする者――つまり審判を指すんだ」
「!」
 丁寧に説明してくれたディテクターに、桂さんは満足な様子で頷く。
「完全中立――傍観者となったボクに、回される役目はこんなものばかりですよ」
 茶化すように告げる桂さんを、ディテクターは逃さない。
「桂。プレイヤー自身が手を汚してもルール違反ではないというのは、どういう意味だ?」
 桂さんの表情が、不意に引きしまる。
「言葉どおりの意味ですよ? 本人が直接手を下した死体はカウントしない。それだけで、ゲームは続行されます。ちなみにギルフォードはカウントされた死体とカウントされなかった死体が同じだけ存在するんです」
「は?! そんなに無駄に殺してるの?」
「待て、それは明らかに反則負けじゃないか」
「えぇ?!」
 俺は話についていくので精一杯だった。町長に至っては、ついてさえきていない。
「そうですよ」
 ディテクターの言葉を、あっさりと肯定する桂さん。
(一体どっちだ?!)
「自分の手を汚すこと自体は確かにルール違反ではない。けれどそれ以前に、彼はルールを1つ無視している」
「俺か探偵が見れば、一目瞭然か」
「――残念ながら、アナタの命は保証されていませんよ、ディテクターさん」
「そんなものいらないさ」
「ちょちょちょちょっとストップ! 今の何? まるで探偵くんは命が保証されてるみたいな……」
 そろそろ俺もやばくなってきた。ディテクターと桂さんの顔を交互に見やると、2人は同時に息を吐く。
「ギルフォードが何故反則負けなのかは明日わかるとして――」
 ディテクターの続きを桂さんが繋ぐ。
「探偵は対ギルフォードに関しては安全なんですよ。もし探偵が殺されるとしたら、それは”あいつ”によってでしかありえない。つまりギルフォードが探偵を殺そうとしても、”あいつ”の妨害が入るはずなんです」
「はっ……”あいつ”が探偵くんを守るって?」
 思わず鼻で笑った。それはこれまでと真逆な事象。
「だから保証なんかいらないって言ったんだ。探偵はそのせいで、ギルフォードに手出しできない」
「なんで? 本当にそうなら”あいつ”を利用してやればいいんだ」
 俺が言い切ると、2人は不意をつかれたような表情をして、互いに顔を見合わせた。残された俺は意味もなく町長を見る。――と、町長は思い切り居眠りをしていた。
(見なきゃよかった……)
 思い切り後悔する俺の。
「探偵がそこまで大人になれれば、いいんだがな」
 頭をぐりぐりと掻き回しながら、ディテクターはそう告げた。
「やーめーろ〜」
「でも最も憎い相手に助けられるなんてやっぱり屈辱ですよ。素直に感謝ができるとは思えません」
「だったら俺たちに、任せてもらおうか」
「だからやめろって」
「どうかな? 探偵側にも頼もしい助っ人がついていますしね。――まあボクは、どちらが彼をとめるのか、楽しみにしていますよ。どうやらオプションもつきそうですし」
「オプション?」
「俺の話聞いてよ!」
「ああ、すまん。おまえの髪の毛、意外と触りごこちがよくてな」
「おかげでこっちはボサボサだよ……」
「男なら気にするな。俺なんかいつもボサボサだぞ」
「自慢げに言うことじゃないって。――あ」
「ん?」
 ディテクターの気がそれた、一瞬の出来事だった。
「桂さんいないや」
「逃げられたか」
「結局何しに来たのかな?」
「明日のためのシサツ――とかな」
「?!」
 物騒な世界にいるせいか、自然と”刺殺”と変換してしまった自分がなんか嫌だ。
「? どうした?」
「いや……町長をどうやって起こそうかなって」
 ごまかし気味に告げると、ディテクターは気づかずに笑った。
「まったくだ」



■決戦は明日【ゲルニカ:満月に病める町――道端】

 結局は町長を叩き起こして、残りの情報を聞き出した。それからそのうち探偵くんがやってくるという話を聞いたので、早々に移動することにする。
(共通の敵を持つ者が)
 仲間とは限らない。
 ディテクターと探偵くんは、互いに意識しながらも微妙な距離を保っているようだった。
「最終的な目標に、明らかなズレがあるからな」
 ディテクターはそう説明する。けれどそのズレがどんなものであるかは、教えてくれなかった。
「そんなことより、子供の件を考えろ。これはギルフォードの仕業ではありえないぞ。同時に、まだ事件が続いている所から見ても、ネクロ・カウンターはもう1人以上存在しているはずだ」
 一息でそこまで告げると、逆に今度はひとり考えこみ始めた。
(まったく……)
 自由奔放な様は、草間・武彦さんとあまり変わらないようだ。
「子供の神隠し、かぁ」
 聞いた話を思い出しながら呟く。
”満月の夜の狂気的殺人に紛れて、子供たちが消えている”
 町長はそんなふうに話した。そして子供たちが消える時には必ず、何か金属と金属が擦れ合うような不思議な音がするのだという。
 もしかしたらその子供たちも、殺人犯の餌食となっているかもしれないのだが、他の犯行と違って何故か死体はひとつも出てこないのだ。
「――あ。それが”あいつ”の仕業という可能性はないの?」
 それならばプレイヤーは、やっぱり2人。
 しかし考えこんでいたディテクターはあごに手を当てると。
「俺はありえないと思うね。子供に手を出す可能性がないわけではないが、死体を隠すということはまずないだろう。殺されたのかどうかやきもきさせるより、いっそ死体をばら撒いて思い切り衝撃を与える方が、”あいつ”の好みだと思う」
「好み、ねぇ……」
 半ば呆れて告げた俺に、ディテクターはクスリと笑った。
「どのみちこの問題も明日だな。子供たちの動向をしっかりと見張っていればわかるはずだ」
「大人たちは見てなかったってこと?」
「子供が外へ飛び出したら、大抵の親は追うことはできないさ。そこまで情の深い親子はそうそういない」
「え……」
「ゲルニカに存在する”親子”の大半が、元他人だからな。――そう、探偵の助手をしている青年の故郷でだけ、生まれながらの親子が存在するはずだ」
「…………明日、頑張ろう」
 俺にはそれしか言えなかった。



 それから俺は一度ディテクターと別れて、本当の目的を果たしに行った。
(とりあえずは)
 居場所確認、かな?



■vs ギルフォード&...【ゲルニカ:満月に病める町――道端】

 翌日。
 俺たちは子供を捜しながら町の中を歩き回っていた。午前中やお昼頃はまだほとんど人が見られなかったけれど、夕方になるにつれ人が多くなっていった。
『隠れていることに、耐え切れなくなって飛び出してくるんです』
 そんな人がいることを考えれば、これからもっと増えるのだろう。
(その中で起きる殺人事件)
 確かに、捕まらないはずはない。
 それでも殺してしまうのはどうして?
 一体何が、人に人を殺させるんだろう……



「――ぎゃーっはっはっはっは!」
「まだまだ〜〜ッ」
 町の遠くから、下品な笑い声が聞こえてくる。もう夕方。所により、既に事件は始まっていた。
 俺たちは見つけ次第取り押えながら――そして子供たちがいないかどうか確かめながら進んでいたけれど、その声にはさすがに足をとめた。
「もしかしなくとも、ギルフォードだな」
 ディテクターが呟く。
「でも、ひとりじゃないみたいだ」
 俺がそう口にしてから、多分2人とも気づいた。顔を合わせて。
「「”オプション”?!」」
 昨日桂さんが、そんなことを言っていた。
「行くぞ。戦えるか?」
「いい物持ってきましたから」
 俺の返事に、ディテクターは頷く。俺たちは進路を変え、声のする方へと走った。

     ★

 俺の武器は、向こうの――現実の胡弓堂から持ち込んだ瓢だ。これはペンダント状になっていて、一度投げると相手に危害を加えるまで鎖が伸び続けるという、特殊な構造をしていた。
(他には何もない)
 ディテクターのようにパワードプロテクターもなければ、銃も持っていない。
(それでも立ち向かわねばならないのは)
 ここで食いとめることが、俺の目的に繋がるからだ。



「よぉディテクターじゃねーか。相変わらずしけた顔してんね」
「お前は相変わらず楽しそうだな」
 ギルフォードにディテクターが返した。けれど俺の目は、ギルフォードよりもその隣の人物(?)に向いている。
「W・1105――スカージさん?」
「けっ。どいつもこいつも俺の名前知っていやがって……ったくヤになるぜ」
 そういうスカージさんも、俺が誰だかわかるのだろう。ゲルニカへ来る前までは、一緒にいたのだから。
「ギルフォード。お前は反則負けだ。今すぐ一切の殺人をやめるんだ」
「冗談だろっ?! まだ決着はついていないはずだぜ。俺と”あいつ”のじゃない。”あいつ”と誰かのな」
「お前はその誰かを知っているのか?」
「知るかよ! ”あいつ”が勝手に誘ったんだろ。だから俺も勝手にやらせてもらうことにしたのさ」
「それで――」
 ディテクターはスカージさんに視線を移した。
「こいつか」
「新ネクロ・カウントだ。純粋に死体の数を競っている! なぁ? 面白そうだろう?! ぎゃははははっ」
(ダメだ――)
 彼は狂っている。言葉ではどうやってもわかってくれそうになかった。
「なら一戦お相手願おうか」
 ディテクターが態勢を整える。
「いいが、”一戦”だぜ?」
 ギルフォードも右腕を上げた。その横から、スカージさんが。
「俺にも殺させろ」
「タッグ戦、行くか?」
 ギルフォードが俺を見た。
「――望むところだ」
 怖くないわけじゃない。でも守りたいものがあるならば、強くなれるのだ。
 「ぴゅ〜♪」と、ギルフォードが口笛を吹いた。
「俺たちにはやることがあるんでな。ルールを決めようぜ?」
「どうせ破るんだろう?」
 すぐに告げたディテクターには、答えない。
「地面に身体がついたら終わりだ」
「生ぬるくないか?」
 スカージさんが問う。
「意外と強いんだぜ、こいつ。そっちの坊やはどうか知らないがな。時間かけてたら本命逃がしちまうぞ?」
「なら――いい」
 どうやら話がまとまったようだ。
(いよいよ)
 俺の戦いが始まる――



■神隠しの謎【ゲルニカ:満月に病める町――神社】

 結論から言えば、俺は負けた。
(戦って負けたのではない)
 どうしても追わねばならぬものがあったのだ。
 ――そう、子供が、いた。
 俺たちはあの2人と対等に渡り合っていた。心配だった俺自身の戦闘も、妙に強い風に助けられて、しっかりと成り立っていた。持ってきた瓢は何度も2人を捉えた。
 しかし気を抜いた一瞬、俺はギルフォードの左腕をよけきれずに数メートル吹っ飛ばされた。
(このまま地面に着いたら負けだ!)
 そう思った瞬間、強風が俺の身体を反転させてくれた。うまく地面に着地する。
 ――と。
(偶然にも)
 道端の草むらに隠れている子供が、ちらりと見えたのだ。
「ディテクター! 子供が……っ」
「何?」
 そんな会話をしてる間にも、2人の攻撃は続いている。
「悪いが、子供を追いかけてくれ。ここはとりあえず俺ひとりで大丈夫だ」
「でもっ」
「見失うぞ。早く!」
「は、はいっ」
 命令口調で言われると、つい返事をしてしまうのは学生のサガなのかもしれない。
 そこで俺は戦線離脱して、草むらに隠れたままどこかへか向かう子供のあとをつけたのだった。



 そうしてやってきたのが、この神社。ざっと見たところ、普通の(現実の)神社とさほど変わらないように見えるけれど……。
(――ん?)
 なんか奥に続く道がある……
「ちょっとああた! どこへゆくつもりですか?!」
「え?」
 無意識にそちらへ行こうとした俺を、いかにもおばちゃんな声のおばちゃんが呼び止めた。
「そちらは神聖なる巫女様がいらっしゃる、神聖なる神殿ですっ。一般人立ち入りはかた〜く禁止されています!」
 妙な迫力に圧されて、俺は2・3歩あとずさってしまう。
「あ、あの……今ここに子供が来ませんでした?」
 それでも訊かなければと質問を投げかけるけれど――
「ああた、何言ってるんです? こんな満月の夕方に、子供が出歩くはずもないでしょ?!」
「そ、そうなんですけど……」
 子供が消える所を誰も見ていない以上、子供は確実に家の外で消えているはずなのだ。
(それに)
 俺は確かに子供を追ってここまできた。
「……他の場所を捜してみます。ありがとうございました」
 俺は丁寧にお礼を述べると、その場を離れようとする。
(もちろん)
 戻るのではない。
 こっそりと調べようと思ったのだ。
(子供たちが隠れながらやってきていたのも)
 きっとこの人のせいなのだろう。
「行くんですかえ?」
「え、ええ」
 しかしその人は俺の考えを見透かしているのか、放っておいてはくれなかった。
「まだ行かないでおくれよ」
「は?」
「折角私がこんな所まで来たんだから」
「――誰も、頼んでいませんけど?」
 思わずそう言ってしまってから、機嫌を損ねたかもしれないと思った。しかしおばちゃんは顔色ひとつ変えず。
「来たものの、まさか本当に人がいるとは思わんかったねぇ」
「俺も思いませんでしたよ」
「悪いけど、ああたに決めたから」
「え?」
 かみ合っているかのような会話は、実はどこもかみ合っていなかった。
「――わ?!」
 突然おばちゃんが襲い掛かってくる。手にはずっと隠し持っていたのだろうか、出刃包丁が握られていた。
(しゃ、しゃれにならないって……!)
「お、おばちゃん?」
「私ゃ知りたいんだよ! そのためには殺さなきゃいけないだよ! おとなしく死んどくれよぅ〜」
  ――ブンっ
 また振り回す。
(ダメだ)
 俺はギルフォードに感じたものとまったく同種のものを、感じた。
(このおばちゃん、狂ってる)
 何を望んでいるのかはわからないけれど、きっとそれが誰かの撒いた罠なのだろう。
 俺は手加減をしておばちゃんを気絶させると、そのまま奥へと走っていった。

     ★

”神聖な巫女のいる神聖な神殿がある”
 おばちゃんはそう語っていた。けれどどうやらおばちゃん自身は、この神社と何の関係もないようだった。
(セリフから推測するに――)
 神社なら人が少ないから、殺してもバレないだろう。そう思ったんじゃないだろうか。
 その予想は確かに的中していて、俺以外その辺りにはいなかった。けれど逆に、もし俺がこうして子供を追ってこなかったら、誰もいなかったことになる。
(そうしたら――)
 あのおばちゃんも、狂わずに済んだのだろうか?
 必要のない罪悪感を覚えてしまって、俺はそんなことを考えてしまった自分に後悔した。
 神殿との距離は、大して離れていなかった。
(なんだ、神殿ってこんなのか……)
 俺はギリシアとかにあるデカイ神殿を思い浮かべてしまっていたけれど、実際に神殿と呼ばれている所は、どうやらずいぶんとこじんまりした建物のようだった。
 けれど入り口には、しっかりと見張りが立っている。
(さて……)
 俺は学習して、今度は最初から草むらの影に隠れていた。そのまま、神殿の周りを1周してみる。
「お」
 思わず口に出してから、抑えた。ここからは見張りは見えないが、こちらへやってくる足音が聞こえないのできっと気づかれなかっただろう。
 神殿の側壁の下の方。おそらく注意してみなければわからない場所に、壁そのものにカモフラージュされた扉があった。
(子供はここから入ったのか?)
 手を伸ばして、引いてみる。
「?!」
 開かなかった。
(――違うのか?)
 それとももう、閉ざされてしまったのだろうか。
(時間制があったりするかも、な)
 少し粘ってみたが、その扉は開きそうにない。俺はそう折り合いをつけると、一度ディテクターと合流してみることにした。
(――とは言うものの)
 実際にディテクターが今どこにいるかなんて、捜してみなければわからないのだった。
(さっきの場所に、いればいいけど)



■ゲーム・セット【ゲルニカ:IO2ゲルニカ支部】

(どうせすぐ会えるだろう)
 そんな考えは甘かった。
 結局俺がディテクターと合流できたのは、IO2のゲルニカ支部――つまり俺が最初に来た場所に戻った時だった。
「ったく、これは合流とは言わない!」
 散々捜し回ったのはお互い様だろうけれど、俺はつい文句を口にしてしまう。
「ハハ、まあ仕方がないさ。あんな町でもかなり広いからな」
 笑うディテクターの表情が、少し淋しそうなのが気にかかった。
「で? 結局あのあと、どうなった?」
「スマンな。かっこつけたこと言って、俺の完敗だった」
「いや……当たり前だと思うよ」
 2対2で善戦していたのだから、1対2で不利になるのは当然だ。
(そんな状況でディテクターを残してきたのに)
「……ごめん」
 謝るのは俺の方だった。
「ん?」
「子供を追いかけてさ、神社の奥の、神殿までは行けたんだけど……中に入れなかった」
「それは別に、お前のせいじゃないだろ?」
 俯いた俺を慰めるように、ディテクターははっきりと告げる。
「神殿に関係があったというだけで、ずいぶんと構図が楽になる」
「……どうして?」
「神殿には警察も入れない。だとしたら子供たちは神殿内に閉じ込められている可能性が高い――つまり、その”巫女様”が怪しいってワケさ」
「!」
 そこまでは、考えなかった。
  ――トン トン
 不意にドアがノックされる。
 ディテクターが返事をするより早く、それが開いた。
「桂さん……」
「まったくお前も、忙しい奴だな」
 入ってきた人物にそれぞれ声をかける。
「たまには正規の入り口から入るのもいいでしょう?」
「何をしに来た」
「ゲームの結果を伝えに」
「!」
 それはつまり、この満月で事件は終了したということだ。
「――”あいつ”が勝った?」
 ディテクターの低い問いに、桂さんはこくりと頷く。
「そして医学探偵の死体が殺されました」
「……は?」
 一瞬何を言われたのかわからなかった。
「死体が? 殺された? だって……死んでるから死体なんでしょ?」
「それでも。少年探偵にとっては殺されたも同然に、哀しかっただろうな」
「あの遺体は、本当に美しかったですから」
 ディテクターに桂さんが続けた。
(つまり……)
 キレイな死体を傷つけられたことを、殺されたと表現しているのだろう。そういえば現実の世界でも、遺体を傷つけることは死者への冒涜だという。
「ギルフォードの”方法”は、ご覧になりましたか?」
(見ればわかる、と言ってたやつか)
「いや、今日のギルフォードは、お前の言っていた”オプション”と違う遊びをしていたからな」
 そう、見たところで、わからなかった。ただ2人は楽しそうに、人を殺していただけだ。
 すると桂さんは、”方法”についての説明を始める。
「ギルフォードのやり方は、まずターゲットを定め、”誰かを殺さねばお前を殺す”と脅すことから始まります。本当はその連鎖でカウントを稼いでいくつもりだったのでしょうが、実際には当人が殺人の欲望を抑えきれず、殺した人物を殺してしまいました」
「うは……」
 それを聞いて、俺は少し呆れてしまった。
(それなら)
 確かに見ればわかるはずだ。
 ただ、逆に見なくてよかったかもしれない。
 ディテクターは当然そのことを知っていたから、次の問いを振った。
「子供の件は? 神殿に関係があるんだろう?」
「ええ。ただ子供たちは自分の意思で集まっていたんですよ。そうして騙された。それだけのことです」
「それだけのことって……」
 ずいぶんと淡白なことをいう。
 俺が顔をしかめたのがわかったのか、ディテクターは苦笑を浮かべて。
「子供は全員無事だった、ということだろ?」
「え?」
「そのとおりです。全員無事に保護されました」
「なんだぁ。でもよかったね」
 安心した。
 俺が見つけることができなかったせいで、あの時追いかけた子供が死んでしまったなんてことになっていたら、それはとても哀しいことだ。
「それで――”あいつ”の方法は?」
 ディテクターの声がいつになく緊張していた。ゲームが終わったから、それを教えてもらえるのだろうか?
 しかし桂さんは首を振り。
「他の2つは方法が見破られたことにより失格となりました。だからこうして教えることができるんです。”あいつ”はまだ見破られていませんから……」
「なるほどな」
 小さく息をつく。
(残念)
「でも――」
 桂さんの言葉は、まだ続いていた。
「羽乃さんは、ヒントを掴んだはずですよ」
「へ?」
「じゃあボクはこれで」
「あ、ちょっと……!」
 引き止める声を無視して、桂さんはツカツカと出て行ってしまった。俺の右手が虚しく宙に浮いている。
「――おい、何か覚えはあるか?」
「ちょっと待って。今考える!」
(俺がヒントを掴んでいる?)
 俺だけが?
 だとしたらそれは、ディテクターと分かれた時にもたらされたはずだった。
(俺がディテクターと離れたのは)
 あの時と、あの時。
 「ハッ」と、思い出した。
(もしかして……あのおばちゃん?)
『私ゃ知りたいんだよ! そのためには殺さなきゃいけないだよ! おとなしく死んどくれよぅ〜』
 そんなことを口走っていた。狂っているのだろうと、思っていた。
 その言葉は。
「何かを知るために、殺さなければならない――」
 口にした俺の言葉を、ディテクターが推測する。
「つまり”あいつ”は何らかの知識と引き換えに殺させていた? ――しかしおかしいな。それだと大量殺人には発展しない。ノルマがあったのか」
 人に見つかることを恐れて、ひと気のない神社へとやってきたおばちゃん。つまり何人も殺す必要があったということだ。
(そう、ノルマか。あるいは――)
「最後の1人にならなければならなかった、とか?」
「! ……ありうるな」
 ディテクターは煙草を取り出して、吸い始めた(考えをめぐらす時は、いつもそうだ)。
(人を殺してでも、得たい知識)
 知りたいこと。
 それは一体なんなのだろう?
 ディテクターも俺も、だがその疑問を口にすることはなかった。
(わかるはずがない)
 そう、予感していたからかもしれない。

■終【1.ネクロ・カウンター】



■登場人物【この物語に登場した人物の一覧:先着順】

番号|P C 名
◆◆|性別|年齢|職業
2151|志賀・哲生(しが・てつお)
◆◆|男性|30|私立探偵(元・刑事)
2086|巽・千霞(たつみ・ちか)
◆◆|女性|21|大学生
0164|斎・悠也(いつき・ゆうや)
◆◆|男性|21|大学生・バイトでホスト
1883|セレスティ・カーニンガム
◆◆|男性| 725|財閥統帥・占い師・水霊使い
2525|アイン・ダーウン
◆◆|男性|18|フリーター
2266|柚木・羽乃(ゆずき・はの)
◆◆|男性|17|高校生
1286|ヨハネ・ミケーレ
◆◆|男性|19|教皇庁公認エクソシスト(神父)
2457|W・1105
◆◆|男性| 446|戦闘用ゴーレム
2430|八尾・イナック(やお・いなっく)
◆◆|男性|19|芸術家(自称)



■ライター通信【伊塚和水より】

 この度は≪闇の異界・ゲルニカ 1.ネクロ・カウンター≫へのご参加ありがとうございました。
 今回は皆さんの行動の幅が広く、人によってはまったく違う行動をとっていらっしゃる方もおりますので、長くて読むのが大変かもしれませんが、他の方のノベルも読んでみるとより楽しめると思います。
 さて、柚木・羽乃さま。前回に引き続きのご参加、ありがとうございます。ディテクターが登場したのでびっくりしたんですが、かなり書きやすく楽しく書けました♪ なんだか微妙に軽い彼ですけど、気に入っていただけたら嬉しいです。
 それではこの辺で。またこの世界で会えることを、楽しみにしています。

 伊塚和水 拝