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<東京怪談ウェブゲーム あやかし荘>


『奴をぎゃふんと言わせるのぢゃ』
 あやかし荘管理人室では今日も因幡恵美と嬉璃がこたつに入りながらテレビとみかんを楽しんでいた。
 と、そこでなんだか気の重そうなドアをノックする音が響いた。
「ん? 誰だろう?」
 恵美がこたつから出て、ドアを開ける。そこに立ってたのは真っ青な顔をした三下忠雄であった。
「あら、三下さん、どうしたんですか?」
「え、あ、いや、あの実はちょっと相談がありまして・・・」
「相談?」
 恵美はちょこんと小首を傾げる。
「ええ、あの・・・」
 三下はこたつに入りながらお気に入りのテレビショッピングを見ている嬉璃を気にしながら言う。
「えっとですね。実は僕の大学時代の友人がテレビ局に勤めてるんですけど、今度お正月明けの特番で超常現象を取り扱った番組をやる事になって。それでW大学の心霊否定派小槻教授対あやかし荘っていうコーナーをやりたい・・・って・・・・・・・・・・・ダメですよね?」
 恵美はものすごく嫌そうな顔をした。嫌そうな顔をしたのだけど・・・
「ふん、面白いではないか。小槻教授とはあの火の玉はブラズマとかって言ってる奴ぢゃろ。あやつはわしらの存在を信じようとはせんからな。前々からぎゃふんと言わせてやりたかったんぢゃ」
 いっひっひっひと笑う嬉璃に恵美は思いっきり眉間に皺を寄せた顔を片手で覆い隠しながらため息を吐き、三下は何かとても怖い物を見たような顔をしたまま固まった。
 こうしてあやかし荘では嬉璃の指揮の下に冥府へと続く数とされる四にちなんだ四つの部屋で心霊否定派の小槻教授をおもてなしする事になった。
 さてさて、どうなることやら。

【お誘い】
 渋谷の109でショッピングを楽しんでいるのは今日は久々のオフであるイヴ・ソマリアだ。普段はこちらの調査をする時の変装をして、気楽にショッピングを楽しんでいる。
 と、彼女のコートのポケットにつこっまれていた携帯電話が震え出した。
「誰よ? 人がせっかく久々の休日を楽しんでいるのに」
 携帯電話の液晶画面に表示されているのは三下忠雄だった。彼女は訝しげに眉根を寄せた。
「はい、もしもし」
『あ、イヴさんですか? どうもお世話になっております。えっとですね〜、実はお願いがあって電話したんですがって、あ、ちょっと嬉璃さ、・・・・・・・あー、もしもし、イヴか? わしぢゃ。嬉璃ぢゃ。実はおんしに頼みがあるんぢゃが』
 嬉璃の頼みとは今度、あやかし荘にテレビ取材があるそうなんだが、実はそれは心霊否定派で有名な小槻教授とあやかし荘との対決であるそうだ。で、常日ごろから彼に不満を抱いていた嬉璃さんは彼をぎゃふんと言わせてやるべく、四人の仲間を集めて、そしてその四人の中に入って欲しいということであった。しかもまだ正式にはオファーはきていないがどうやらその番組の同行ナレーターは自分がやるらしい。
「OK。おもしろそうね。乗ります♪ 乗ります♪ その悪戯」
『ふむ。それぢゃ、任せたぞ』
 携帯電話を切って、それを折りたたんで、ポケットに入れながらイヴはにこりと微笑んだ。面白い。何が面白いって、こういうのは実は望んでいたことだ。だけど望むと言っても嬉璃が計画しているような小槻教授をぎゃふんと言わせてやることではない。彼女の望みとは小槻教授のような心霊否定派がこの世の科学で証明できぬことすべてを否定してくれること。だって彼女の正体は異世界の女王の妹で、異世界調査員。お仕事をスムーズにやるためにも、いつかこの世界にやってくる同胞の移住をスムーズにするためにもこの世界の人々がそういった心霊現象を信じてはいない方が都合がよい。アメリカ政府も実は本物の能力者にマジシャンに扮させて自分の能力を披露させ、この世には超能力者などいないと国民に思わせるプロジェクトを実際に行っているらしい。
「さてさて、でもまあ、嬉璃さんの手前、一応は小槻教授を御もてなしする準備をしにあやかし荘には行かないとね」
 携帯電話にマネージャーから電話がかかってきたのはあやかし荘にて嬉璃と他の三人と打ち合わせをしている最中であった。

【挨拶】
「こんにちはー。初めまして。今日、同行ナレーターをさせていただきます、イヴ・ソマリアです」
 桃色の着物を着たイヴはにこりと小槻教授に微笑んだ。明らかにかつらと思われる髪に、黒ぶち眼鏡。ブルドックのような顔に、寸胴短足。イヴは笑いを堪えるのに必死だ。だが、彼女が彼をぎゃふんと言わせる前に、彼女にとって衝撃的で屈辱的な事件が起こる。
「イヴ? ふん、誰だね、君は。見たところ女子アナではなさそうだが」
 と、あからさまにがっかりとした感じで彼に言われてしまったから、イヴの額に青筋が浮かんだ。
(・・・。このクソジジイ。人が猫かぶってご機嫌取りしてやれば調子に乗って)
 今回のイヴの作戦とは小槻教授の側に立ち、他の作戦参加者の能力を科学的に証明させて、自分の活動がしやすくするためのものであったのだが・・・
(いいわ。そっちがその気なら、こっちだって)
 彼女は青い髪に縁取られた美貌にひどくわがままそうな仔猫のような微笑を浮かべた。
 どうやら、小槻教授はイヴを敵に回してしまったようだ。
 そうとも知らずに番組プロデューサーにイヴが今どれほど人気のあるアイドルであるかを講義されている小槻教授にイヴはぺこりと頭を下げる。
「今日は小槻教授がどのようにトリックを見破り、また人々が心霊現象であると騒ぎ立てる現象がどう科学的に証明できるのかをばっちりと勉強させていただくつもりで来ましたのでよろしくお願いします♪」
 ものすごくイイ愛らしい彼女の微笑に、腰に両手を置いた小槻教授は胸をぞんざいに逸らして哄笑をあげた。
「まあ、任せておきたまえ」

【風の間】
 玄関に入ると、そこにはイヴと同じように橙色の着物を着た健康美人さんが立っていた。青い目を悪戯好きそうに細めた彼女は小槻教授にぺこりと頭を下げる。小槻教授は無視。
 そんな彼にその玄関に佇む美人さん、風祭真と見合わせた顔にイヴは苦笑いを浮かべた。
「小槻教授」
 イヴは彼ににこりと嫣然に笑いかけ、
「古来より四という数字は冥府に通じる数とされています。ですから今回、このあやかし荘で起こる心霊現象を調べに来た小槻教授には四つの部屋を見ていただきます。四つの部屋。四。四つ目の部屋は死界に続くかもしれませんね」
 イヴのその言葉に小槻教授は嘲るように鼻で笑った。
「それは陰陽道の考えだな。陰陽道とはさもおどろおどろしい物のように言われているが、私たち科学者に言わせればあれも立派な科学だよ。心理学に、暦学って。統計の理論もあるな」
 すらすらと述べる彼にイヴは大仰に胸の前ですらりとした両手をあわせて、声をあげる。
「まあ、頼もしい。それでは、さっそくその調子で、解いてくださいましね」
「ささ、私の部屋に行くわよ、小槻教授」
 真はにこりと笑いながら、そう言うがしかし、その青い色の瞳に宿る光はどこかものすごく挑戦的な光だった。
 腕組みしながらイヴはうんうんと頷く。さあ、一発目の部屋では何が起こるのだろうか? イヴは楽しくってわくわくしてきた。
「ふ、ふむ。わかっておる」
 ぞんざいな声でそう答えた小槻教授はふんと鼻を鳴らして、足を前に動かそうとする。が、しかしどうしたことだろうか? 前を歩く真に続いて歩くイヴが後ろを振り返ると、自分についてきているはずの小槻教授がまったく前に動いていない。
「どうしたのかしら、小槻教授。ささ、早く行きましょうよ」
 振り返る真。
 小槻教授は「わかっとる」と叫ぶ。
 しかしイヴが見るに明らかに彼は狼狽しまくっていた。
(どうなってるのかしら?)
 イヴは首を傾げる。
 一生懸命足を前に動かしているのにしかし、彼の身体は前には動かない。これではまるで・・・
「ルームランナーで走ってるようね」
 彼女はよく会員になっているスポーツジムにあるルームランナーで走ってるのだが、一生懸命足を前に動かしているのにしかしまったく全然前に進まないあの様子はまるでそれのようだと彼女は想った。そして実はそれは正解なのだ。
 風祭真。彼女は風を操る。古神である彼女のおもてなしは実はもう始まってるのだ。教授の足下と廊下間にごくわずかな隙間を風で作り出し、ルームランナーのごとく歩いても歩いても前に進まない廊下を作り出しているのだ。
 それをこっそりと耳打ちで教えてもらったイヴはぱちんと手を叩いて、喜んだ。そして挑戦的な小悪魔のような笑みで教授に話し掛ける。
「小槻教授、いかがいたしました?」
 部屋の扉の前にまで行っていたイヴはわざわざ小槻教授の前まで戻ってきて、小首を傾げる。その時はもう腰を曲げてはあはあ肩を揺らして荒い息をついていた小槻教授は、生来の負けず嫌いと、こんなのは認めたくないという想いとで、顔をあげて、ふんと鼻を鳴らした。
「どうもしとらん。ただ、足の運動をしておっただけだ」
 そう言いながら彼は足を前に恐る恐る動かした。足を大きく前に踏み立たせて、そしてつま先を恐る恐る床につける。今度は前に進めた。
「どうしました? なんだかとても不思議そうな表情をしてますけど? まるで初めて火を見たブルドック・・・ああ、違う。サルみたいに」
「ブ、ブルドックとは何だねぇ? ブルドックとはぁ?」
 サルよりもブルドックに反応するところを見ると、学生にもブルドックとかって悪口を叩かれているのかもしれない。
 怒鳴る小槻教授にイヴは笑いを堪える表情を浮かべながら、謝る。
「す、すみません」
 案外、大学の出席表に彼の事をよく想っていない学生から担当教諭欄にブルドックとかと悪口を書かれたのかもしれない。小さな長方形の紙(大学の出席表)をくしゃくしゃに握り締めながら顔を屈辱に真っ赤に染めている彼を想像して、イヴはぷっと吹き出してしまった。
 むぅっと顔をしかめさせた彼にイヴは部屋の前で自分たちを待つ真と見合わせた顔に最高のイイ笑みを浮かべた。
「ささ、小槻教授。最初の部屋はここですよー」
 小槻教授はふんと鼻を鳴らして、手招きする真がいる部屋の前まで歩いていった。
「【風の間】か」
 小槻教授はにこにこと笑いながらなぜか扉から一歩横にどいた真と、彼女に手を引かれたイヴになんの訝しみも持つ事無く、無造作に扉を開けた。転瞬、
「おわぁーーー」
 まるでストローでグラスの中身を吸い込むかのように彼の身体はものすごい勢いで部屋の中に吸い込まれんとする。
「な、なんじゃこれはぁーーーーー?????」
 小槻教授は本能で部屋の扉にしがみついた。もちろん、部屋の扉は閉まろうとするから、彼は短い足を懸命に伸ばして部屋の出入り口に足を引っ掛けなければならない。そうなると彼の体勢という奴は弓なりになる。ぐきぐきと彼の腰が鳴るが、しかし手を離せば、彼の身体は部屋の中心でぐるぐると回っている机や椅子、タンスにテレビといった物たちと同じ運命をたどることになるのだから、だから彼は体裁など気にせずに懸命に堪えた。
 そんな彼の様子を見ながら、イヴと真は形のいい口に軽く握り締めた拳をあててふむと頷く。
「あら、結構頑張るのねー。でもそろそろ扉にしがみつく手が疲れてきたんじゃないかしら? 足も腰も限界でしょうに」
「ほんとにほんとに」
 意地悪く笑いながらイヴは右手を、真は左手担当で扉にしがみつく彼の指を一本一本剥がしていく。
「お、おわぁ、こら、やめろ。やめなさい」
 小槻教授が悲鳴をあげるも、イヴも真も聞く耳を持たない。ああ、哀れなり。小槻教授の手の指すべてが扉から離れた。
 彼の身体は部屋の中に吸い込まれる。
「ぎゃふん」
 イヴと真が部屋を覗くと、踏まれた雄豚そっくりの声をあげた小槻教授は畳の上に転がっていた。
 イヴと真、二人はくすくすと笑いながら部屋に入ってくる。
 プライド高い小槻教授はいつまでもそんなみっともない姿を見せるなど我慢できない。何とか立ち上がろうとするが、しかし・・・
「どうしたんですか?」
 真がちょこんと小首を傾げる。
 そんな彼女の様子にイヴはにんまり。この彼女、もう既にまた新たな悪戯を仕掛けているようだ。
 小槻教授は、
「うっるさい」
 と、金切り声をあげる。
 そんな彼の顔には渋面が浮かんでいた。
 彼は自分の身に起こっている事がわからない。いったいどんな事が彼に起こっているのかと言うと、実は・・・
「ふふん。動く訳が無いわよね。だって、私の調合した痺れ薬をたっぷりとそのお鼻から吸い込んでもらったんだから」
「ああ、なるほど。痺れ薬。それはいい案だわ」
 くすくすと意地悪く笑う真は仕上げに、ぱちんと指を鳴らした。
 転瞬、彼が、
「ぎゃぁーーーー」
 と、悲鳴をあげて、その自分の大きく開いた口から迸らせる声がうるっさいわけでもないのだろうが、耳を押さえて、畳の上をごろごろと転がり出す。
「なになに、何が起こっているの?」
 きゃっきゃと騒ぎながら訊くイヴに、真はウインクして、そっと耳打ちした。
 イヴは教えられた小槻教授の身に起こった事に腹を両手で押さえて体をくの字に曲げて、けたけたと笑った。

【快楽の間】
「それでは、さっそく次の部屋に行きましょうか、小槻教授♪」
 まだぐったりとしている小槻教授に、イヴは笑いを噛み殺しながら、手招きする。
「わ、わかっとる」
 どこかよそよそしい…Hな雑誌を読んでるところを母親に見られた息子かのような感じでそう言って、小槻教授はイヴに続いた。
「次の部屋はこっちですわ」
 と、イヴが藤咲愛の担当する第二の部屋を紹介しようとした瞬間、
「ん? この歌は・・・」
 どこかからかとても綺麗な歌声が聴こえてきた。しかしそれはその透き通るような美しい声とは裏腹にとても哀しくなる歌詞で・・・。
「レクイエムですわね、これは」
 イヴは人差し指で前髪を掻きあげながら、言った。
 どうやら歌声は愛の部屋の2つ隣の部屋から聴こえてきている。
「この部屋からか?」
 小槻教授は部屋のドアに耳をあてながら、言った。
 と、その彼の声がドア越しに中に聞こえたのであろうその瞬間に、部屋の中から聴こえてきていた歌声が途切れた。
 がちゃりと部屋のドアが開く。
 中から出てきたのは同じく濃紺色の着物を着た妖艶な女であった。そして彼女を見た小槻教授はとても驚いた表情を浮かべる。
「き、君は藤咲君」
「どうも小槻教授。お久しぶりです」
 小槻教授はそのブルドックによく似たいかつい顔に懐かしそうな笑みを浮かべた。
「中から歌が聴こえてきていたようだけど・・・」
 再会の喜びを妨げられた小槻教授はむぅっとこちらには愛想の欠片も無い表情を浮かべ、それに同じく両目を細めて不服げな表情を浮かべたイヴに、愛はにっこりとしかし、その赤い髪に縁取られた妖艶な美貌に陰のある表情を浮かべながら髪を耳の後ろに流した。
「まあ、ちょっとあったのよ」
 と、言って、そして彼女は訝しげに眉根を寄せる小槻教授ににこりと微笑む。
「小槻教授。実は次の部屋はあたしが担当する部屋なんですのよ」
「ほぉー、君がかね? この私の講義でAAAの成績を前期・後期考査で続けて取得した君がいったいどんな物を見せてくれるのか実に楽しみだよ」
 イヴが片眉の端をあげたのはそう言われた愛がにんまりと今まで浮かべていた知的な表情から、女王の表情を浮かべたからだ。これが漫画なら彼女の赤い両目はきらりーんと光っているに違いない。
 そしてなんと彼女は何かを押さえているような声で囁きながら、
「あたしの部屋は見る、じゃなくって、体感する、って感じかしら〜、小槻教授ちゃん♪」
 にこりと笑うと、愛は着物の帯を外し始めた。これにはイヴも驚いてしまう。なになに、こちらの世界では弟子は師匠に柔肌を見せるものなの?
「な、なな」
 それに驚くのは小槻教授も一緒。だけど彼はそれ以上にあらわになっていく愛の白い肌やたわわな胸に興奮しだしたようだ。ごくりと生唾を飲み込む。
「い、いかんぞ、藤咲君。き、君は私の教え子だ。聖職たる教師という身分についている以上、元とはいえ教え子とそんな関係になどなるつもりはない」
 くるりと半ターンして、そう彼は毅然と言い切った。声は実に残念そうだが・・・いや、
「あー、でも、なんだ。君がどうしてもというのなら・・・私も男だから君に恥をかかせる訳にもいかないから・・・」
 イヴはその言いように呆れ、愛はくすりと笑う。
 同時に部屋に響いたぱしんと、鞭がしなる音。
 鞭がしなる音?
 小槻教授は不思議そうに振り返った。そして大きく顎を落とす。
「な、ななな、なんじゃその格好は?」
 肩にかかる赤い髪を後ろに払いながら、赤いルージュが塗られた唇を妖艶な舌使いでぺろりと舐めた愛は挑戦的に逸らした美貌に営業用の女王様スマイルを浮かべる。
「お仕事の格好ですわ」
「お、お仕事ぉ?」
「そう、お仕事。あたし、藤咲愛は誰が呼んだか今では歌舞伎町にあるSMクラブ『DRAGO』のナンバー1女王様、ひと呼んで夜の赤い蝶。さあ、小槻教授。あんたの理論、正しいかどうか、この女王様がためしてやるから、こっちにおいで」
 完全に表情も口調も営業用に変えて、愛は今まで触れた事の無い世界にびびりまくる小槻教授の手を引っ張って、自分の部屋に連れ込んだ。イヴはこちらの世界での新たな価値観に触れて、胸を期待と好奇心に躍らせて、二人に続いた。
「な、なななななぁぁぁ」
 そこには今まで時折、バラエティー番組などで見るSMの道具が所狭しと置かれている。
「さあ、まずは木馬に乗りな」
 いつの間に履いたのか、愛にヒールの高い靴で尻を蹴られた小槻教授。イヴは自分の事の様に痛そうな顔をするが、しかし小槻教授はとても気持ち良さそうな表情を浮かべた。
「な、なぜかしら? あんなとても痛そうな物に乗せられて、しかも鞭であんなにばしばしと叩かれているのに???」
 イヴは両手で口元を隠しながら興味津々の表情で目の前で繰り広げられる愛と小槻教授の営みを観察する。
「女王様とお呼びぃぃーーーー」
 愛はサディスティックに笑いながら、鞭で叩き続ける。
 そしてすっかりと新たな快感に目覚めた小槻教授は、ロープで縛られ、正座した腿の上に重石を乗せられ、最後には自分からかつらを取って、剥げ頭に蝋燭を置いてもらった。
 すっかりと愛のSぶりにMに目覚めた小槻教授はメロメロだ。
 剥げ頭の頂点に蝋燭の蝋を垂らしながら、愛は囁く。
「小槻教授。このあたしの能力。わかってもらえたかしら?」
「あ、あああ。わかった。わかったから、今度は背中を鞭で叩きながら、ブタと罵って」
「女王様、お願いします。を忘れてるわ」
「じょ、女王様、お願いします」
 すっかりと下僕に成り下がった小槻教授に愛は満足そうに微笑みながらご自慢の鞭を振るった。
 そしてとてもイイ充実した笑みを浮かべながら愛はイヴを振り返り、鞭を差し出す。
「どう、あんたもやる?」
 もちろん、イヴはこくこくと頷く。
「あんたも好きね。イヴのそういうところ好きよ。さあ、いい声で彼を詠わせてあげな」
 そして、
「イヴ様ぁとお呼びぃ♪」
 イヴは新たなスキルを人間界にて学んだ。

【酒池肉林の間】
 完全に快楽によって毒気を吸い取られた小槻教授はぐてぐて状態で後ろ髪を引かれるような感じで部屋を出た。
「小槻教授。次はお昼ご飯を食べながら検証していただきますね」
 イヴはにこりと笑った。
「ふむ、気がきいとるな」
 傲慢な大学教授の表情を取り戻した小槻教授は鷹揚に頷いた。
 こんこんと第三の部屋をノックすると、
「はい、どうぞ」
 きっちり30秒後に清楚な声で返された丁寧な返事がした。
 ドアを開けると、藍色の着物を着た異国和風美女が三つ指ついて出迎えてくれた。
「これはこれは、小槻教授。ようこそ、この私、モーリス・ラジアルが担当する部屋へおこしくださいました。ささ、昼食の準備ができあがっております」
 金髪に縁取られた美貌に清楚な笑みを浮かべて、だらしなく鼻の下を伸ばしている小槻教授の手を恥ずかしげに取って彼を部屋の中に案内しているモーリスを見て、イヴは噴出しそうになった。
(まったく。モーリスも罪作りな奴よね)
 親友である彼女はモーリスの性格を知ってるので、ここは黙ってモーリス流の接待を見物する事にした。
 その部屋は畳張りの純和風の部屋であった。いぐさの良い香りが鼻腔をくすぐる。
「良い部屋だな」
 彼はしみじみと言った。
 アロマテラピーという言葉を知っているだろうか?
 当然、モーリスはその手の事についてもプロであった。計算され尽くした香りは小槻教授の疲れた心を癒した。
 イヴは口元に拳をあててくすりと笑う。
(そう。落ち着きなさい。心の奥底からゆったりと落ち着いて、今までの何もかも忘れてしまいなさい。人は絶望に麻痺した状態で不幸に見舞われても、心を満たす絶望と諦め、投げやりな想いがその不幸をなんとも思わせない。かえって不幸に浸って、不幸な自分に幸福を感じてしまう。それではつまらない。だけど幸福の頂点にいる時に奈落の底に落とされるような悲劇に見舞われたら? その時は、人は本当に心底ダメージを受けて、立ち直れない。その表情を私に見せて)
「ささ、小槻教授。お座りくださいな」
 モーリスは小槻教授に席を勧めた。
 そして彼を上座に座らせると、
「さあ、グラスを」
 組んだ指の上に形のいい顎を乗せてイヴはにこにこと笑いながら勧められるままに持たされたグラスにビールを注がれる小槻教授を眺める。
「おととと」
 グラスから溢れそうになるビールの泡を慌ててグラスにつけた口で啜る小槻教授。
 そして彼は横目でちらりと自分の太ももに白くしなやかで小さい手を乗せるモーリスを見ながら、ビールをいっきにあおった。
「わぁー、すごい。すごい」
 モーリスは手をぱちぱちとさせて、声をあげた。そして「ささ、もっともっと飲んでくださいまし」
 と、彼のグラスにビールを注ぐ。小槻教授は調子に乗って、どんどんとビールを喉に流した。
「うん、美味いなこのビールは」
「はい。私の勤めている所の主が作らせている最高級のビールですのよ」
「ほぉー。こだわっているのですな」
 彼はごくごくとまた注がれたビールを飲んだ。
 イヴがにこにこと微笑みながら見ている前で、モーリスは彼に艶っぽい微笑を浮かべながら訊く。
「そうそう、小槻教授。実はそのうちの上司が最近、なぞなぞが大好きになりまして今、私、彼に宿題を二つ出されていますの」
「ほほう。なぞなぞですか」
 小槻教授はモーリスに豪快に胸を叩いて請け負って見せた。
「まあ、そのなぞなぞという奴を私に出してください。解いてみせますよ」
「まあ、嬉しい」
 胸の前で両手を合わせてそう言ったモーリスにでれっとした笑みを浮かべる小槻教授の隣でイヴは噴出しそうになった。
「それでは問題。車とゴルフにはあって、バイクと卓球には無い物はなんでしょう?」
「な、なな?」
 どうやらわからないようだ。
(やーね。口先だけ?)
 くすりと悪戯っぽく笑うイヴに小槻教授は不機嫌そうに鼻を鳴らす。
「モーリスさん。次の問題を」
「では、次は5−3=2 8−9=11 9+6=3 さて、では、8+6=? ?には何が入るでしょう?」
 にこりと笑うモーリスに小槻教授はしかめっ面。酸素不足の魚のように口をぱくぱくとさせている。イヴも同様でわからない。だけどきっと訊ねてもモーリスは答えてはくれないことはわかっているので、イヴは肩をすくめるだけで、そのストレスは?の海で溺れる小槻教授を笑う事で解消した。
 だけど次にモーリスが小槻教授に出したなぞなぞはわかった。
「これは私からの問題です。私は実は小槻教授に隠し事をしています。それは何でしょう?」
「ふ、ふむむ?」
 小槻教授は眉根を寄せながらモーリスを見るも、その目はモーリスの美貌と、豊かな胸を見るうちにまったく違うものになっていた。
 イヴはものすごく不快そうに顔をしかめるが、モーリスはにこにこと笑いながら鯛のお刺身を箸で摘まんで、気にせずにそれを小槻教授の口に運ぶ。
「まあ、時間はまだまだありますわ。美味しいお食事を食べながら考えてくださいまし。このお料理は【丼亭・花音】の雇われ店長さんである風祭真さんと藤咲愛さんが拵えてくださったんですよ。さあ、どうぞ」
「うむ。美味い」
「まあ、見てください。教授。この海老、まだ生きてますわ」
 モーリスはぴちぴちと動く海老を手で取って、頭をもぐと、慣れた手で、皮を剥ぎ、足をもいだ。
「さあ、あーんしてくださいな、小槻教授」
 勧められる度に顔をだらしなく崩しながら、それを食す小槻教授。
 モーリスもよくやると、イヴは苦笑い。
 そしてデザート。
 モーリスは着物の懐からメスを取り出すと、それを華麗に指先でくるくると回しながら、ケーキを切った。
「あらあら、口の周りにクリームが」
 着物の袖を押さえながらモーリスはもはやどうしようもないほどにだらしなく崩れまくった小槻教授の口の周りをハンカチでふいた。
「ふむ。しかし、この企画はどうしようもなくくだらない企画だったが、この部屋は別格。別格。モーリスさんは美人だし、料理もお酒も美味い。花の香りも良いし。まるで天国かのようですね」
 帰り際、部屋の扉を開けた小槻教授は人差し指の先で眼鏡のブリッジを押し上げながら、にこりとご機嫌そうに笑った。
「それで、あの、モーリスさん。もしもよろしければこの後に今度は私が常連になっているホテルのバーに行きませんか?」
 その後に何を期待しているのか、小槻教授は鼻の穴を広げて、モーリスを誘った。
 これにモーリスは微笑んで、
「ええ、私が出したなぞなぞに答えられたらね。それで先ほどの3つはわかりました?」
「ふむ。わかりましたぞ。しかし、どうも最後のなぞなぞの答えがわかりません」
 鬼の首を取ったかのように最初の二問に答えた小槻教授はしかし、最後の問題が解けなかったと、とても残念そうな表情を浮かべた。それはまるで飴を取られた子どもの表情だ。しかし、イヴが意地悪く笑っているのはその表情がおかしいからではなく、
「ああ、OK。いいですよ、別に。答えはこういう事です」
 小槻教授の眉根が怪訝そうに寄せられたのは今までたおやかで清楚な微笑を崩さなかったモーリスがにんまりと微笑んだからだ。その笑みは彼にイヴに知恵の実を食べるように勧めたヘビは絶対にこんな笑みを浮かべていたに違いないと確信させるような笑みであった。
 彼はすっかりとその笑みにノミの心臓を再びばくばくさせながら、
「モーリスさん?」
 と、彼女を呼んだ。彼女? いや・・・
「はあ? えっと・・・」
 イヴは大笑いし、小槻教授は大きく口を開けた。なぜなら、彼が瞬きしたその一瞬に、
「最初に出したなぞなぞ二問の答えはわかっても、ずっと私があなたに仕掛けていた悪戯にはとうとう気づけなかったようですね♪」
 スーツを着込んだモーリスはどこからどうみても男であった。そう、リライト=彼は自身の姿を思うままに変化可能なのだ。
「罰ゲームです」
 ぱちんとモーリスが指を鳴らした瞬間に、アークが発動する(アーク=霊的・有機・無機に関わらず閉じこめる檻を創造。視界内なら可能)。
 実は小槻教授は先ほどまでの女であったモーリスに惚れていた。惚れていたからこそ、彼は絶望のどん底のまたそのどん底に陥れられた。
 檻の中の彼を見つめるモーリスはにこりと微笑んだ。悪魔が天使を装って人の前に現れるというのなら、それは今のモーリスにそっくりであろうとイヴは心底想った。

【故郷の間】
「ふむ。最後はこの部屋かね」
 すっかりと落ち込んだ小槻教授にイヴはにこにこと答える。この部屋こそ、最後の部屋。
「死界に繋がるかもしれない最後の部屋」
 イヴの目論見としては超常現象が世に知れ渡るのは好ましくないってんで、小槻教授にすべてを否定させることだったのだが、しかし彼女はいい加減この男にムカツイていた。
「それでは最後の部屋を小槻教授に見てもらいましょう。でも、その前に、小槻教授。この世界には理解も説明もできない事ってあると想いませんか? 実は異世界からこの世界を調べに来ている者がいるとか?」
 小槻教授は鼻を鳴らした。
「ふん。何が異世界だね。そんな物はありはしないよ。ん、今度、映画か何かでそんな物でもするのかね、君は? そんな物はくだらん漫画や小説を書いている人間の頭の中だけに存在するものだよ。そんな低レベルな事を言っていたら、いい役者にはなれんぞ。ほれ、この私の書いた『どーんとこい、超常現象』を読みたまえ。他の人間がきゃーきゃーと騒いでいる超常現象のトリックについて書いてあるから。異世界なんぞありはしないよ」
 異世界など無いと言う小槻教授の発言はもちろん、イヴの逆鱗に触れた。
(あー、わたしも修行が足りないわね。キレちゃった、わたし)
 自分でさんざん家族の悪口を言っておいて、それに同調した聞いていた人間に目の前で自分の家族の悪口を言われた時かのようなにっこりとした笑みを浮かべて、イヴはドアノブを手で指し示した。
「これは【故郷の間】でございます。ささ、ここは小槻教がお開け下さいな」
 ちょっと小槻教授はむっとしたような表情を浮かべながら、ドアノブに手を触れて、
「あ、ちょっと待って下さい。バックドラフト現象があるやもしれませんので、慎重にお開け下さいね」
 にこりと笑ったイヴに小槻教授は小馬鹿にしたように鼻を鳴らして、ドアを勢いよく何の躊躇いも無しに開いた。
 せっかくの忠告に対する小槻教授のあまりもの態度の報いはやはり世の常で悲惨な物であった。
 その転瞬、
「おわぁぁあぁあああーーーーーー」
 ドアを開いた部屋の中に溜まっていた水が勢いよく滝のようにへ? と鳩が豆鉄砲でも食らったかのような顔で立っていた小槻教授を直撃したのだ。迸る水の中で左手で頭を押さえながら彼は悲鳴をあげながら、右手で苦労しながらすぐさまドアを閉めた。
 いったいどこから出したのか、開いた傘を身体の前に広げていたイヴはにこりと笑う。
「ああ、大雨注意報でしたわね♪」
 小槻教授は口の中に入った小魚(あまりにも慌てすぎて、その小魚がこの世界では発見されていない未知の種である事に彼は気づけていないようだ)を咳といっしょに吐き出しながら、目を白黒させた。
「な、なんなんだ、この部屋は水道管が壊れているのかぁ?」
 しかし、イヴはまったくもって相手にしない。
「あらあら、服がびしょ濡れ。乾かさないとね。今度こそ、バックドラフトにお気を付けてくださいましね♪」
 にこりと笑ったイヴは小槻教授が何かを言おうと口を開きかけた瞬間に部屋の扉を開けた。
 瞬間、扉を開けた部屋から飛び出したのは肌が焼けるような熱風だ。それだけで全身ずぶ濡れだった小槻教授の服は乾くが、
「おわぁーーー。火事ぃだーーーー」
 今度は部屋の中が火の海だった。小槻教授は焦りまくった声で叫びながらドアを閉めた。爆ぜる炎の火の粉はまるで生きているかのように閉まるドアの隙間から小槻教授の黒々とした豊かな頭の毛に舞い飛ぶ。
 イヴはわざとらしくにこりと笑いながら、
「あら、なんか焦げ臭くありません、小槻教授?」
「焦げ臭い? それよりも私は頭が熱いよ」
 その場に腰が抜けたようにぐったりと座り込んでいた小槻教授は何気なしに頭に手をやった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・やって、
「ぎゃぁーーーーー」
 悲鳴をあげた。なんと彼の頭が燃えているのだ。
「まあ、大変。小槻教授の髪が燃えているわ。これはまた部屋のドアを開けねば」
 イヴはわざとらしく狼狽しまくった声をあげながら、部屋の扉を開けようとして、それを見た小槻教授は悲鳴をあげながら、手が焼けどするのもかまわずになんと燃える髪の毛を手で掴んだ。そう、彼はかつらだ。
「ま、待てぇ! 早まるな。もう頭は燃えておらん」
 燃えるかつらを放り投げて、小槻教授は叫んだが、イヴはにこりと笑って、
「水道管が破裂してるんですよね?」
 と、ドアを開けた。
「ま、待てぇーーーー。水道管が破裂した部屋の後に部屋が燃えていただろぉぉぉーーーー」
 それはつまり部屋のドアを開けるたびに部屋の中が変わっていたことを認めたという説明で、そして、
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
 彼は大きく口を開けたまま固まった。
 ドアが開けられた部屋の中から漏れてくるのは鼻が曲がりそうな獣臭。しかも飽和しきれぬほどにその臭いが満ちた空気を揺さぶって耳朶に届くのは、地獄の底から届いて来るような低い獣の唸り声。果たして三度ドアが開けられた部屋の中にいたのは・・・
「ケ、ケルベロス」
 ケルベロスの三つの顔それぞれにべろりと焼けどした手と頭を舐められながら小槻教授はギリシャ神話に出てくる地獄の番犬ケルベロスの名前を口にすると、ゆっくりとその場に泡を吹いて倒れこんだ。
「ご苦労様、ケン」
 イヴはケンの頭それぞれを撫でてやりながらにこりと微笑んだ。

【ラスト】
 結局、あやかし荘対小槻教授はお蔵入りになったそうだ。
 嬉璃は茶の間に彼の情けない姿が放送されなかった事にたいそう腹を立てたが、それぞれの部屋で彼をおもてなしした四人は大変楽しめたので、それでよかった。
 三下が友人から調達してきたそのビデオを皆で見た後にすっかりとご機嫌のイヴは、ご自慢の歌を皆に披露した。




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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

 1548 / イヴ・ソマリア / 女性 / 502歳 / アイドル歌手兼異世界調査員


 1891 / 風祭・真 / 女性 / 987歳 / 『丼亭・花音』店長・古神


 0830 / 藤咲・愛 / 女性 / 26歳 / 歌舞伎町の女王   


 2318 / モーリス・ラジアル / 男性 / 527歳 / ガードナー・医師・調和者

 

 
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■         ライター通信          ■
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こんにちは、イヴ・ソマリアさま。
今回担当させていただいたライターの草摩一護です。
今年もよろしくお願いいたします。

さてさて、今回のあやかし荘では初の集合型草摩作品だったのですが、いかがでしたでしょうか?
少しでも楽しんでいただけていたら、作者冥利に尽きるのですが。^^

イヴさんVS小槻教授。
小槻教授の横暴さに最初からイヴさんにはキレていただきました。
確かに小槻教授のような科学では証明できない事柄も無理やりに科学に結びつけて納得させてしまおうという人はイヴさんのような人にとっては貴重な人ですよね。
それだけにイヴさん、最初はものすごく好意的だったのですが。。。^^;

そして空間転移能力を扱った部屋のトリック、ありがとうございました。
部屋に出現させた空間はすべてイヴさんの故郷にある空間です。
小槻教授は無いと言い切った異世界の水を飲み、炎にかつらを燃やされ、そしてケルベロスの洗礼を受けたのですが、しかし彼は、それでもそれを認めないのでしょうね、異世界の存在を。^^;

集合型ならではの他のキャラさんの能力、トリックも楽しんでいただけましたでしょうか?
微妙に隠してある能力・エピソード・なぞなぞの答えはそのキャラさんのノベルにてわかるようにしてありますので、また他のキャラさんのノベルでもお楽しみくださいね。

それでは今回も本当にありがとうございました。
また次もよろしければご依頼してくださいませ。
失礼いたします。