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『CHERCHER』
渋谷の大通りに並ぶ喫茶店の店内には心地よい音楽と、香ばしい軽食と、芳醇なコーヒーの香りがたゆたう。
店の奥にある窓側の席。窓から暖かな陽光が差し込んでくるそこは特等席で、俺の指定席。
溢れる光りのカーテンに包まれながら俺は手にしていた文庫本(新進気鋭の小説家が書いた短編集だ)にしおりを挟んで、閉じた。
文庫本の代わりに手に取るのはこの喫茶店の常連になったもうひとつの理由である白磁の陶器のアンティークカップ。カップから上る温かな湯気。カップを口元に持っていくと、それの中で揺れた液体…【皇帝の春摘みダージリン】今年の春摘みダージリンの中でも最高の物を選んだ紅茶で、その香り高さには感服する。ミルクを入れてもさわやかな春の香りが消えないこの紅茶は何杯飲んでも飽きる事はない。
白磁の陶器に口をつけて、喉に流した温かな液体はゆっくりと喉から胸へと落ちていく。それだけで、この一週間の疲れが癒されていくようだ。いや、冗談ではなく本当に。
「莱眞君、おかわりはどうだい?」
耳にノイズ感無く入り込んでくるバリトン。
視線をそちらに向ければ、その年代の男性だけが浮かべられる事のできる紳士的な落ち着いた微笑。
トレーの上に器用に汚れた食器を積み重ねたその中年紳士はこの喫茶店の店長だ。
「じゃあ、お願いしようかな。だけどそれはもちろん、店長の驕りですよね?」
俺は悪戯っぽく店長にウインクする。
彼は苦笑しながらも了承する。
「もちろんだよ。土日は莱眞君が来てくれるおかげで売り上げ率UPだからね」
俺は彼の苦笑塗れのその言葉に、気障っぽく前髪を右手の人差し指で掻きあげながら、
「天は時として器も中身も完璧な人間を生み出してしまう・・・なんて俺は罪な存在なんだろう・・・」
店長は肩をすくめる。
「いや、客の流れはストップするんだけどね」
店長は苦笑いした。
だけどそれはしょうがない。
そう、この店にいる女性の目はすべて俺に集まっている。羨望・憧憬の眼差し。なぜかって? それはそうすべて俺の美しさのせい。日露ハーフの超美形でモデルばりのスタイル。立ち振る舞いだって、その容姿を台無しにせぬように常にカメラ目線で人目を意識した立振舞い。いや、一番の俺が女性を虜にする理由は俺が持って生まれた気品のせいだろう。そう、今こそ俺は神聖都学園食堂で調理師として働いているが、俺のフルネームは『西王寺・エディン・莱眞』。西王寺財閥後継者なのであるが、現在は社会勉強という名目で家を出て放浪中なのだ。
「ふっ。ほんとに店長、美しさとは罪な物ですね」
「言ってなさい」
意地悪そうに笑う店長。
「それにアルバイトの子も使い物にならなくなるから、それは弊害かな」
このお店はお洒落な店内の内装と、若い女性が好む紅茶に、それにあうケーキとが有名であるが、もう一つ有名な物が、メイド服を着込んだ女の子。これは先代マスターの趣味だとか。
「莱眞さん、おかわりですか? だったらあたしが煎れてきます♪」
皇帝の春摘みダージリンよりも春めいた香りを持つ女の子は軽やかなソプラノで、俺に申し出てくれる。俺はそんなかわいい彼女に最高の微笑みを浮かべて、カップを渡す。
「じゃあ、お願い。最高のを煎れてね」
「それはもちろんです」
にこりと頷いて、かろやかにエプロンとメイド服のスカートの裾をワルツを踊るように翻らせた彼女はカウンターに。と、そこで、メイド服を着たアルバイトの女の子たちが、「ちょっと、自分だけズルイ」「今度は私の番ね」などとしゃべりあっている。
俺と店長は顔を見合わせてお互いにくすりと笑いあう。
「ほらね、莱眞君」
「本当に罪作りな奴です」
俺はぺこりと頭を下げた。「よし、許そう」と、鷹揚に頷く店長。二人でまた笑う。
俺は水の入ったグラスを口に持っていって、そしてそれを飲みながら、カウンターの隅に置かれた年代物のスピーカーから零れてくる音楽に耳を傾ける。
ピアノで奏でられたアップテンポな曲。どこか店長の雰囲気に似ている。
まあ、俺は世間の常識はかなり抜けているが、知識的にはあらゆる分野に造詣が深い。常に本物に触れて生活していた為、物品の目利きは相当なレベル。その俺が認める。このジャズピアノを弾く人物は相当な腕前だ。
「店長。この曲、本当にすごく綺麗な曲だね」
俺がそう言うと、店長はとても嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとう。この曲は恩人の形見なんだよ」
「形見?」
「そう、形見。その恩人が僕に作曲してくれたんだよ。今日はその人の命日でね」
「そうですか」
また俺は耳を傾ける。店内に溢れる音楽に。
そしてそれは彼も一緒。
また新たに知った店長の一面。
この店長という呼び方は彼に強制されたものだ。彼は客に自分をマスターと呼ばせない。また煎れるコーヒーも紅茶も、彼が焼くケーキやクッキーだって、ものすごく美味しくって、こんな街の片隅ではないもっと目立つ一等地でも充分にやっていけるだけの力を持つのに、ずっとこの場所にいる。
前になぜ? って、訊いたけど、彼は笑うだけで答えてはくれなかった。
最高の腕を持ち、バイトの娘にメイド服を着せる年齢不詳のダンディーな店長。まったくもって謎な人だ。
どうやらデッキに入っているカセットテープが終わったようだ。彼はにこりと笑って、紅茶のおかわりを口に含む俺に「ごゆっくり」と告げると、カウンターの方へと戻っていった。
紅茶を口にしながら、窓ガラスの向こうに広がる通りの風景に目をむける。
手を繋いで楽しそうに会話しながら歩くカップルに、幸せそうに並んで歩く家族。小突きあいながら歩いていく友達同士の集団。誰もがそこで今を生きて、とても楽しそうに歩いている。そして俺はそんな幸せで平和な風景を眺める事で力をもらうんだ。
と、俺は眉根を寄せた。
流れていく人込みの中で、ひとりその場に佇んで戸惑ったように周りの風景を見回しているご婦人がいる。歳は60代半ばぐらいの気品のいい女性だ。
俺は窓越しに彼女を眺めながら右手の人差し指で頬をぽりぽりと掻くと、軽くため息を吐いて、手早く文庫本を鞄にしまい、財布から伝票に書かれた金額分のお金を取り出すと、それを持って、レジに行った。
立ち上がり、マスターと軽く会話をして、店を出る。扉につけられた鐘の音に合わせて店内にいた女性陣のため息が聞こえる。ごめんね、皆。
そして、店を出た俺は、
「何かお困りではありませんか、マダム?」
心地よい美声に柔らかな微笑をのせて彼女に声をかけた。
彼女は気品のあるやわらかな美貌にたおやかな笑みを浮かべた。
「まあまあ、とてもお優しいお気遣い、どうもありがとう。でもこれは私にしかわからないことだから」
俺は顔に浮かべた微笑は変えぬまま、心のうちで小首を傾げた。
「ですがとても困っていたようですが? 何かをお探しなのでは?」
俺がそう言うと、彼女はやわらかそうな唇に軽く握った拳をあててくすりと微笑んだ。
「随分と女性の扱い方がお上手いこと。そしてとても観察力もあるようで」
「それは、もう」
彼女は俺に微苦笑を浮かべた。
そして彼女はハミングをしだした。
それはこの都会の大通りに溢れたノイズに掻き消される事無く俺の耳に届いた。軽やかな春のそよ風のように俺の心の中に入り込んでくる。
とても透明で澄んだメロディー。
優しい労わりに満ちた温かい音色。
まるで誰か愛しい人にぎゅっと両手で抱きしめられているような、そんな温もりと安堵感を感じられるそんな曲。
今日はなんといい日なのだろう。連続でこんないい曲を聴けるなんて。
気づくと俺は泣いていた。
「あ、えっと、俺・・・」
「ありがとう。あなたの涙が何よりも嬉しいわ」
彼女は優しく笑いながらバックから取り出したハンカチで、俺の頬を伝う涙を拭いてくれた。
俺ははにかむように頭を掻きながら、彼女に訊く。
「その曲があなたが探すものなのですか?」
「ええ、そう。これは私の愛しい大切な人が私のために作曲してくれた曲なの。今日、この街のどこかで彼がこの曲を私のために弾いてくれているはずなの。だけど、私には彼がいる場所がわからなくって。だから彼が奏でるこの音楽を探しているの。この音楽が聴こえる場所にあの人がいるから」
「とてもいい人なのですね。わかりました。俺もあなたのためにその人が奏でる音楽を探します」
「でも・・・もう無理よ。そう、無理だわ」
彼女はとても悲しげに微笑んだ。まるで空間にそのまま溶け込んでしまいそうなぐらいに哀しく透明な笑み。
そう、だから俺は微笑むんだ。飛びっきりの笑顔。人を癒す笑み。それが俺の取り得。
「無理、だなんて言わないで下さい。この世には言霊という言葉があるんですよ。そう、言霊。言葉とは不思議な力を持っているんです。想いを言葉にすることで人はその想いの強さを確認し、そしてそれに向かって歩いていける。そしてね、それは事柄も一緒。こちらが強く願えば願うほどにその想いは強くなり、そしてそれは叶う」
奇跡は神が起こすものではない。
奇跡とは、
それを望む人の強い想いが、
引き寄せ、
実現させるモノ。
そう、願いは力。強く願えば願うほどに、
それは形になり、
実現する。
「さあ、言いましょう。絶対に音楽を・・・その人を見つけるって」
「ええ。私は絶対にあの人の音楽を・・・彼を見つける」
ぼそりと言った彼女に俺は微笑む。
「もっと、大きな声で」
「私は、私は絶対にあの人の音楽を・・・彼を見つける。ええ、私は絶対に彼を見つけるわ。ありがとう」
わずかに小首を傾げさせながら上品に微笑んだ彼女に、俺は社交界にデビューする時に親に仕込まれたその礼儀に乗っ取ったお辞儀をした。
「それでは探しましょうか、彼の音楽を。その音楽を俺は絶対に見つけます」
俺は全世界に対して宣言するかのように言い切った。
言霊・・・俺は【言霊使い】意識的に紡ぐ言葉により、様々な対象に影響を与える事が出来る。
と、言っても音楽がある場所とはどこだろうか?
この街には様々な音楽が溢れている。
様々な店の店内に、
路上やライブ場で、
学校とか、
病院でも。
彼女が聴かせてくれた音楽は、とても澄んだ綺麗なメロディー。
そのどこにでもあるようで、
どこにもないような。
ようするにつまり、
「これはいちいち虱潰しに探していくしかないようですね」
俺は前髪を人差し指で掻きあげながら、彼女に微笑んだ。
彼が彼女のために音楽を奏でているとしたら、
そうなら彼はただ音楽を奏でているだけなわけはないのではないのだろうか?
ちゃんと音楽以外のメッセージを彼女に送るのでは?
少なくとも俺ならば願いを込めて、彼女が今日と言う日を迎えるに当たって、自分がどこそこで音楽を流している、という情報を流しているのではないだろうか?
「こっちに来てください」
さんざん虱潰しに色んな場所を探しまくったが結局はわからずに、途方にくれていた夕暮れ時。俺はようやくそれに気がついた。
そうとわかれば、動かないわけがない。俺はちょうどタイミングよく通りかかったタクシーを呼び止めて、約5時間前に俺たちが出会った場所に舞い戻った。
からーん。
扉につけられた鐘が澄んだメロディーを鳴らす。
普段ならば俺はその音色の余韻を楽しむ、もしくはその音色に合わせて歌うように店長に注文をするのだが、今日はそんな暇はない。そう、今日という時間はあと2時間38秒で終わってしまうのだから。
「おや、莱眞君。・・・君のストライクゾーンは本当に大きいのだね」
にこりと笑う店長。
俺は相手にしない。
なにやら頬を赤く染めている彼女の手を引いて、俺は店の奥に行く。そこにはこの店で俺と同じように常連になっている彼女がいた。
「やあ、電脳の女神」
それが彼女の名前。
彼女は常にノートパソコンを操っていて、金さえ出せばハッキングやメールアドレスを下にその人物の住所や名前を調べてくれる。
「あら、莱眞。どうしたの? 探し物は見つかったのかしら?」
彼女は捕まえたネズミを弄ぶ仔猫そっくりの笑みを浮かべると、セミロングの赤い髪を掻きあげながら、悪戯っぽい翡翠色の瞳で俺を上目遣いに眺めた。
俺は肩をすくめる。
「さすがは電脳の女神。なんでもその情報力を持ってしてお見通しですか」
「ええ。そしてあなたは気づくのが遅すぎ。そう、最初からあたしに任せておけばいいのよ」
頬杖ついた彼女は何を勘違いしているのか勝ち誇った笑みを色っぽく浮かべた。
だけど別に俺はそれを否定はしない。俺の魅力になびかない思いっきりかわいげのない彼女でも、女性である限りは俺は紳士的に接する。それが俺のスタイルであり、そして、
「その通りです、電脳の女神。ぜひともキミの力を借りたい」
彼女はとても満足そうに微笑むと、伝票を俺のほうに差し出した。今日一日分の代金は喫茶店で女の子ひとりが出すような金額ではなかった。
「ちょっと、待ってて」
戸惑うマダムを席に座らせて、俺は伝票を持って、店長がいるレジに向かう。そう、彼女の情報力がとても必要なのだ。
「どうしたの、莱眞君。なにごと?」
「え、あー、ちょっと厄介な探し物をね」
俺は肩をすくめる。
まさか、あの電脳の女神に頼ることになるとは思わなかったが、その金額は思ったよりも小額で済んだ。彼女への依頼料は彼女の気分で変わるから、それはもうピンからキリまで。今日は幸運にもキリの方。神様に感謝感謝。
「それにしても・・・」
「どうしたんです、店長?」
「いや、あのご婦人、どこかで見た気がしてね・・・」
まさか、店長がマダムの探し人って事はないよな?
俺はまさかとは想いながらも、
「店長はこのフレーズを知ってますか?」
ハミングをする。
すると、店長の顔の表情が見る見る変わっていった。ただしそれは好意的な物ではなく、
「莱眞君、どこでそれを」
「どうしたの、店長、怖い顔をして?」
「いいから、答えて」
「あ、いや、あのマダムに」
俺が戸惑いながらもそう言うと、彼は、マダムの方にいつもよりも早い歩調で向かっていた。
そして、彼女の傍らに立つと、訝しげに眉を寄せる電脳の女神は無視して、マダムに強い口調で言う。
「あんたはマスターの恋人か?」
いつもと違う雰囲気。口調。詰問するような感じ。
「あなたは・・・」
驚いた様子を見せる彼女に店長はセピア色になった写真を見せた。
それを見て彼女は大きく両目を瞠って、口元を手で覆った。
「やはりあなたはマスターの・・・」
何かを言いかけて、それを飲み込んで、また2,3口を開きかけては結局はそれを飲み込んだ店長は顔を横に振ると、
そのまま黙って、閉じられたままになっているピアノの方へ行った。
そして彼はゆっくりと古いピアノを弾き始める。
俺はその音を聴いて二つ驚いた。
ひとつは店長が弾く曲がマダムがハミングした曲だったこと。
ひとつはずっと閉じられたままのピアノがちゃんと調律されていたこと。
「綺麗な曲」
電脳の女神がぽつりと言う。
マダムはただ黙ってぼろぼろと泣いていた。
それからピアノを弾き終わった店長は彼がマスターと呼び、マダムの探し人であった人の事についていつもと同じ口調で話し始めた。
マスターという人は元はとんでもない札付きの不良であった店長を更生させ、ピアノの弾き方と、調律の仕方、それに美味しいコーヒーや紅茶の煎れ方、ケーキにクッキーの焼き方を教えてくれた恩人なのだそうだ。
そのマスターは毎年・・・俺がこの店の常連になる前の年・・・彼が亡くなる日まで、ずっとこの日にあの曲を弾いていたそうだ。
店長はマスターに訊いたそうだ。「どうして、毎年この日にその曲を弾くんです?」って。
そしてマスターはただ寂しげに笑うだけだったそうだ。ただ、彼が病気に倒れ、そして亡くなる前の日に、店長にこう頼んだそうだ。自分の恋人だった人のためにこれからも今日と言うこの日に、自分が弾いていた曲を弾いてくれと。
そして店長は、その日にだけピアノを弾くのだそうだ。マスターのピアノで、マスターの曲を。
俺がそれを知らなかったのは、ただ俺が店にいるのが、これまでの間ずっとその時間からずれていたから。そしてそれはなんとも運命的な話で、マスターが死んだ時間が…店長がピアノを弾く時間が、俺とマダムが出会った時間なのだそうだ。そう、俺がマダムのハミングしている曲を聴いているその時に、すぐそこのこの店でもその曲はピアノで弾かれていた。
本当にすべてが美しく完璧な俺にしては間が抜けた話だ。
そして今度は彼女が訥々と語った。
彼女はある財閥の令嬢であった。彼女には祖父と父親が決めた婚約者がいた。
だが、彼女はとある偶然で出会ってしまったマスターを愛していた。
そして二人は駆け落ちを決めた。
だけどそれを彼女の両親に知られてしまった。
そして彼女は屋敷の蔵に閉じ込められてしまった。
しかし彼女はその日の夜に、二人の恋の橋渡しをかってでていたお付のメイドにマスターからの手紙をもらった。その手紙にはこう書かれていたそうだ。
これからもずっと約束の場所で、あなたを待っています、と。
そして約束の日から、数十年が経った今日、彼女はここにやってきた。
店長はマダムにマスターの思い出話を語った。
彼がマスターに習った紅茶(この店自慢のオリジナルレシピ。スパイスとフルーツをまじえたもの)を出し、彼がマスターに習ったクッキーを出し、そして最後にまたピアノを弾いた。
彼女はただ黙ってそれを聴いていた。
「ありがとう」
彼女はたおやかに微笑むと、俺の頬にキスをした。
そして彼女は、
「なぜに今日、私の魂があの蔵から出る事ができたのかわかったわ。それはきっと、私があなたに出会えることができたからね。本当にありがとう。莱眞さん」
そう微笑みながら言った彼女の姿はおもむろに、若き容姿となった。
そして彼女の背に純白の翼が現れ、
夜空に輝く満月から降り注ぐ一筋の蒼銀色の光の中を純白の翼を羽ばたかせて、彼女は幸せそうに上っていた。果たして蒼銀色の満月の模様が抱き合う二人の姿に見えたのは俺の気のせいだろうか?
そして、俺は重大な事に気がついた。
「ははは、これはしまった。俺としたことが麗しいご婦人のお名前を尋ね損なうとは」
俺はそう独りごち、家路へとついた。
マスターが彼女に贈った曲を口ずさみながら。
**ライターより**
こんにちは、西王寺莱眞さま。はじめまして。
今回担当させていただライターの草摩一護です。
まずは最初にお詫びを。
すみません。お話の設定上、プレイングではマダムは女神になっていたのですが、天使(幽霊とも言いますね。でも、天使の方向でお願いいたします)に変えさせていただきました。すみません。ご了承してくださると、幸いです。
莱眞さんは現時点ではノベルが幸運にも僕が初めてだったので、設定とプレイング、イラストを何度も見させていただいて、こういうキャラクターになりました。また文体も彼に相応しい感じにしてみたのですが、PLさまのイメージとあっていましたら、嬉しい限りです。
何分プレイングが本当に彼に相応しい設定になっていましたので、莱眞さまのイメージを壊さぬように書いていこうと緊張いたしました。^^
どうでしょうか、今回のお話、お気に召していただけましたでしょうか?
もしもお気に召していただけていたら、作者冥利に尽きます。
それでは本当にご依頼ありがとうございました。
また書かせていただけましたら、幸いでございます。その時は誠心誠意書かせていただきます。
それでは失礼します。
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