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<東京怪談ウェブゲーム 界鏡現象〜異界〜>


あたらしいいのち〜外の世界〜

------<オープニング>--------------------------------------
リーフの一件から早数日。
まきえの実験についての連絡は一切なく、店に直接赴いて聞いてみても、聡は苦笑で話を濁すだけ。
いい加減イライラが頂点になりかけていた時、台風はやってきた。

―――草間興信所。
相変わらず無駄にけたたましいブザーの音が聞こえ、零が「はーい」と答えて扉を開ける。
…と。
「……」
「…えっと…」
其処に立っていたのは、小さな子供。コートに短パン。子供用スニーカー。肩にはこの体躯にはやや不釣合いな大きめのリュックサック。
キャップの鍔が顔を隠していて性別はよく分からないが、身長から見る限り、年は大体幼稚園〜小学校低学年くらいだろう。
その子供が少しだけ頭を上に上げ、零に声をかけた。
「…草間興信所ってのは、此処であってるな?」
「え?」
完全に確信を持った問いかけ。
そのやけに堂々とした態度に、かえって零の方が戸惑った声を上げてしまう。
その様子を不審に思った草間が、だるそうに零の後ろへとやってくる。
「どうした?零?
 …って…なんだ、このガキ」
その子供の姿を認めて訝しげに眉を顰める草間に、子供がむっと顔を顰めた。
「ガキとはご挨拶だな。
 …こっちは、アンタ達に用があって来たってのに」
「「俺(私)達に?」」
不思議そうに問い返す草間と零に、子供は少しだけ楽しそうに口の端を持ち上げ、頭に乗せていたキャップを取る。
「「…あ―――ッ!!」」
そこから現れた子供の姿を見て、草間と零は思わず大声をあげてしまった。

艶やかな翠色のショートカット。可愛らしい容姿に、大きく丸い翡翠色の瞳。
その頭の上には―――大きな、双葉。

「「……」」
「あ、そうそう。これも見せた方が分かり易いよな」
呆然としている零と草間を尻目に、子供はコートを脱いで見せた。
その中は、ノースリーブのシャツから覗く細く白い腕に絡まる―――緑色の蔦。
「…ま、まさか…」
零が呆然と呟く声に、子供はにっこりと笑い―――片手を上げる。

「御察しの通り。
 オイラはリーフの種から出来た新しい植物人間。
 ―――葉華(ようか)って言うんだ。
 改めてよろしくな、武彦、零ちゃん」
楽しそうに笑う子供――葉華の姿に、零と草間は絶句せざる負えなかった。

いきなり現れたリーフの生まれ変わり―――と言っても過言ではない存在―――の葉華に一時的に混乱に陥った草間興信所が落ち着くまで十数分。
ようやく落ち着いた室内でのんびりと寛ぐ葉華に、草間が呆れたように声をかける。
「―――で。お前、なんで一人で来たんだ?」
「まきえは1週間不眠不休でオイラを作る実験してたせいで今死人みたい爆睡中。
 兄貴…聡はボブと一人&一体で店の切り盛りやってててんてこまいで、とてもじゃないけど出かけられる状態じゃなかったんだよ。
 まぁ、明日からの準備もあるみたいだけど」
なんと言うか―― 一応は結構大変な状況だったようだ。某植物専門店。
少々苦笑気味だった草間が、ふと口を開く。
「……『明日からの準備?』」
「あ、よく気付いたなー。気付かれないようにさりげなく入れたのに」
んなお茶目心出さんでよろしい。とか草間が密かに心の中でツッコミいれたとかいれなかったとか。
「それに関しては、兄貴から手紙預かってるから」
そう言って、葉華はごそごそと封筒をコートのポケットから取り出すと草間に手渡す。
それを受け取った草間は、一瞬微妙な表情になった。
「……何故某ネズミの国のレターセット……」
「おいらが知るかっての。
 とにかく、さっさと読んでよ」
葉華に促され、草間は渋々封筒の封を切った。
…やっぱり中身も同じレターセット…とか妙に切ない気分になりつつ、草間はその手紙の内容を読み上げる。

「何々…『拝啓:草間興信所様』…って俺等は場所で1括りか」
「ツッコミはいいからさっさと読んでください」
「……。
 …『母の一週間の寝ずの実験(「実験」に斜線が引いてあるがバレバレ)…品種改良がこの度無事に成功し、3日前に葉華が産まれました。
   どんな子かは…まぁ、会って頂いてる時点で大分判ったかと思います。
   葉華共々、これからもよろしくお願いします』
 ……結構普通の手紙だな」

手紙から目を離して呟いた草間に、葉華が呆れたように溜息を吐く。
「何言ってんの。本題はその下だよ、その下」
「下?」
よく見てみると、その文面の下に数行(結構広く間を)開けて、更に文章が続いていた。
草間は不思議そうにそれを読み上げる。

「『…で。物は相談なんですが。
  実は僕と母、この前気紛れで贈った雑誌の懸賞で「6日間ハワイの旅」を引き当ててしまいまして。
  しかも出発日が明日から。6泊7日の旅なんです。
  葉華が予想以上に早く生まれたのもあり、時間的にも余裕がありません。
  植物達の管理はボブに任せているのですが…葉華は少々特殊なのであそこの中で生活させるのも忍びないんです。
  ……ぶっちゃけます。今日から八日間、葉華を預かってください。
  よろしくお願いします。それでは。
  草々』
 ……」

しーん……。
草間興信所に、何だかいやーな沈黙が落ちる。
「…ってなワケで。これから7泊8日、世話になるぞ」
「ちょっと待て。俺達に拒否権は!?」
「無いに決まってんじゃん」
きっぱりはっきり、とんでもない宣告かます葉華。
「じゃあ、その荷物は…」
「お泊りセット。まぁ、衣類は4日分しかないから洗濯必須だけど」
零の質問にリュックを持ち上げながら笑う葉華。
がっくりと肩を落とす草間の耳に、更なる災難の声。

「あっれー?葉華じゃん」
「よっ、希望。やっぱ此処に来たか」
お約束の如く窓から侵入してきた希望にしゅたっと片手を上げて挨拶する葉華。
「……希望……」
「あれ?希望さん、葉華ちゃんと知り合いなんですか?」
ぐったりする草間と対称的に、零が不思議そうに問いかける。
それに答えたのは、希望。
「ん。まーな。コイツが生まれた直後にすぐ会ったし。
 気が合ったからちょくちょく寄ってたんだよ、一応」
…それもそれでどうかと。
とか草間が思う傍らで、葉華はなんだか嫌そうな顔。
「…葉華…『ちゃん』…?」
「え?」
きょとんとした零に対し、葉華は不本意そうに言葉を続ける。
「…女の子扱いはされたくない…」
「え?あ、もしかして男の子…でした?」
はっと口を抑えてごめんなさいと謝る零に、葉華は小さく返す。

「…や。別に男でも女でもあるからそう言う呼び方も間違ってはないんだけど…」
「「は?」」
また不可解な事を。とか草間が思ってると、希望が笑いながら付け足す。
「コイツ、両性具有ってヤツだよ。
 別に女扱いされても仕方ない性別してるんだけど、本人は男扱いして欲しいらしいぜ」
「「……」」
あぁ、何だかどんどんややこしい生態が発覚していく…。
「言っとくけど!おいらを女の子みたいに蝶よ花よとか扱ったらキレるからな!!」
だんっ!と机に足を乗せて叫ぶ葉華に、草間は眩暈がしまくるのだった。

―――そんなこんなで、草間は「一週間も世話できるか―――ッ!!」と言う叫びと共に、顔見知り達に助けを求めるのであった。


●3日目:お菓子を作ろう☆
草間から連絡を受けた愛華は、嬉々として興信所へやってくる。
そして葉華を見つけるなり本当に嬉しそうに破顔し、隣に座って話し始めた。
「リーフちゃんから生まれた新しい命、か…vv
 なんだか、リーフちゃんが生まれ変わったみたいで嬉しいなぁ♪」
「そうだな。リーフの記憶を受け継いでるわけだし、『生まれ変わった』って言っても間違いじゃないかもしんないな」
ふむ、と納得したように頷く葉華を見て、
「(…とはいえ、性格は全然違うみたいだけど…)」
と愛華がひっそり苦笑していたのは…まぁ、リーフを知る者からすれば当然のリアクションだろう。
しかし心の中ですぐ「まっ、それもありかな」とすぐに折り合いをつけると、葉華ににこりと笑いかける。
「何して遊ぼうか?」
「んー…。…愛華に任せる」
愛華の問いかけに一瞬悩む葉華だったが、すぐに考えるのをやめて愛華に全部任せることにした。意外と無責任だ、この子供。
「そっかぁ…あ、そうだ!とにかく一回愛華のお家においでよ!!」
「家に?」
「そ♪折角だからボブも誘っちゃおv」
「ボブも?
 …巨大な空飛ぶジャック・オ・ランタンが侵入しても大丈夫なのか?愛華の家って」
「…え゛?」
ボブの名前を聞いて葉華が不思議そうに首を傾げて言った問いに、愛華が固まる。
暫しの沈黙の後、愛華はこう言った。
「…………た、多分大丈夫だよ!うん、きっと平気!!」
「今の長い間が物凄く気になるんだけど。しかもどもってたし」
「と、とにかく!早くボブを迎えに行こっ!!」
「うわっ!?ちょ、引っ張るなって…!!」
これ以上突っ込まれたら折角ボブを誘おうと思っていた気持ちが消えてしまいそうなので、愛華は慌てて葉華の手を掴み、草間興信所を飛び出すのだった。
…結構無茶苦茶やるね、おぜうさん。

「…ふふ」
ボブを迎えに行く道中、愛華は隣の葉華を見て急に笑った。
「?」
「あ、べ、別に葉華が面白くて笑ったわけじゃないんだよ!?」
訝しげに此方を見上げる葉華に愛華は慌てて顔の前で手を振る。
「あのね…『葉華』と『愛華』って…名前、似てるじゃない?
 …なんだか姉弟みたいだな…って」
「……あぁ、そう言う事か」
愛華の言葉に納得したように頷く葉華に、愛華はほっとしたように話を続ける。
「愛華一人っ子だから、妹と弟が一度に出来たみたいでなんだか嬉しいな」
「そう言うモンなのか?」
「そう言うものなの!」
不思議そうに首を傾げる葉華にぐっと拳を握りながら言った後、愛華は急にもじもじしだし、小さな声でぽつりと呟いた。
「…お姉ちゃん…って…呼んでくれない…?」
「へ?」
きょとんとする葉華に、愛華は顔を真っ赤にして慌てて喋る。
「よ、呼んでくれるわけないよね?あ、あははっ…」
顔が物凄く引き攣っている愛華を、葉華はじっと見つめてから、不意に俯いてしまう。
「…よ、葉華…?……もしかして…気を、悪くしちゃったとか…」
おろおろと葉華を見る愛華の言葉の合間に、ぽつりと、小さな声が聞こえてきた。
「……愛華…姉ちゃん……」
「え…?」
愛華が目を丸くすると、顔を真っ赤にした葉華が、顔を少しだけ上げ、上目遣いで愛華を見る。
「…お姉ちゃんは…ちょっと…だけど、姉ちゃん、なら…別に……」
慣れてないのか単に恥ずかしいだけなのか、すぐに愛華から視線を外し、あちこちを彷徨わせながら呟く葉華。
暫く呆然としていた愛華だったが、すぐにぱぁっと言う効果音がしそうな程顔を輝かせると、ぎゅぅっと葉華を抱きしめる。
「あ、愛華姉ちゃんっ!?」
「もー葉華ったら可愛すぎーっvvホントに愛華の弟にしたいっ!!」
顔を真っ赤にして焦る葉華ときゃいきゃいと騒ぐ愛華。
傍から見たら微笑ましい事この上ないが、葉華はかなり必死だ。
そんな2人…もとい愛華の肩を、『誰か』がぽんぽんと叩いてきた。
「え…?誰?」
不思議そうに愛華が振り返ると…視界いっぱいに広がるオレンジ色と、黒い逆三角形。
―――愛華、一瞬思考停止。
オレンジ色の物体と愛華の間に落ちる、長い沈黙。
「…………ボブ?」
その沈黙の後、愛華がぽつりと呟いた名前に、そのオレンジ色の物体はこくりと頷くようにオレンジ色の部分を上下させた。
言うまでもなく、ボブ、その人(?)
「あれこれ話してるうちに、何時の間にかついてたみたいだな」
何時の間にか抱きしめから抜け出していたらしい葉華の声にふと周りを見渡して見る愛華。
「……ほんとだ」
気付いてみれば、自分達が立っている場所はボブが管理を行っている『危険な温室』の真正面ではないか。
愛華は不思議そうに首を傾げ(カボチャ部分を横倒しにし)ているボブに微笑みかけ、ちゅっと頬にキスをする。
『…愛華殿に葉華殿、一体何用で御座るか?』
相変わらずの侍口調に渋い声。
始めて聞いて驚いている葉華をさらりと流し、愛華はにこりとボブに笑いかけた。
「あ、うん。一緒に愛華のお家に来ない?って誘いにきたの」
『拙者を?』
「そ。ボブをv」
『…今は薔薇殿に見張りを任せている所だし…まぁ、いいで御座るよ』
「ホント!?やったぁ!!」
両手を上げる愛華と(多分)楽しそうにしているボブを見て、葉華は呆然と呟いた。
「……ボブって…喋れたんだ……」
実は愛華殿が拙者にキスすると愛華殿の能力の影響で喋れるようになるので御座るよ、葉華殿(BYボブ)

「…で。きたはいいけど…台所で一体何をやるんだ?」
『拙者も気になるで御座るよ』
愛華の家につき、愛華に案内されるまま真っ直ぐ台所に連れてこられた葉華とボブが問いかける。
当の愛華は、必要な道具や材料を取り出しながら、葉華に置いてあるをエプロンを着るように指示し、こう言った。
「愛華の得意分野を活かして、お菓子作りしよっ!!」
『「お菓子作り??」』
「うん、そう♪クッキーでもいいし」
「…クッキーはこの前別の奴に教わったぞ」
エプロンを身につけながら葉華の言葉に愛華はくすりと笑う。
「うーん…別にクッキーだけって訳じゃないから。
 ケーキでもいいし…ん?」
楽しそうに話していた愛華の視線が、不意にボブでぴたりと止まる。
『ど…どうしたで御座るか?愛華殿…』
あまりにもじーっと見つめられて居心地悪そうにボブが問いかけると、愛華がぽつりと呟いた。
「……パンプキンパイ?」
『!!』
ボブがびくぅっ!と大きく跳ねて後じさる。愛華ははっとして顔の前で大きく手を振りながらくしょうした。
「じょ、冗談だよ冗談!流石にボブを使おうだなんて思わないし…!!」
パンプキンパイを作る場合は使うつもりだったのだろうか、ボブ(頭部)。
「…別にいいんじゃない?パンプキンパイでもさ」
「へ?」
葉華の唐突な言葉に、愛華が間抜けな声をあげる。
そして振り返って…目を見開いた。
「そ、そのカボチャ…!?」
葉華の手の中にあったのは…巨大な、カボチャ。
「折角こんなでっかいカボチャがあるんだし、使わなきゃ勿体ないだろ」
そう言って台所に巨大なカボチャを置くと、包丁(何故か異様にデカイ)を掴んで振り上げる。
「えっ、ちょっ、あ―――――ッ!?!?!?」
ドスンッ、と大きな音を立てて、カボチャが一刀両断。
葉華の腕力が凄いのか、それとも単にこのカボチャが柔らかいのか。
どちらにしても、綺麗に真っ二つになったことには変わりはない。
「ぼっ…ぼ、ぼ、ボブがっ…!!!」
真っ二つになったカボチャを見て顔を真っ青にする愛華。
少し叩けばそのままぱたりと倒れてしまいそうなくらい顔色が悪い。
……が。
『…愛華殿…拙者は此処で御座る』
「……え?」
後ろから聞こえた声に振り向くと、其処には……ボブ。
「え?ぼ、ボブ?…じゃあ、これは…」
「ただの巨大カボチャだよ。愛華姉ちゃん。
一回こう言うのやってみたかったからさー前もってボブに持ってこさせてたんだ」
『すまぬで御座る…愛華殿…葉華殿がどうしてもと言うので…』
ビビッた?と楽しそうに笑う葉華に、愛華は肩を震わせ…叫んだ。
「葉華――ッ!!!ボブ――――――ッ!!!!!」
その怒鳴り声に驚いて、親が一旦家に戻ってきてしまうと言う事件もあったが…まぁ、それはそれ。

こうして、途中で色々紆余曲折があったものの、愛華・葉華・ボブの3人(?)は、葉華の持ってきた巨大カボチャを使い、2つの大きなパンプキンパイを完成させたのだった。

完成したうちの1つはこの場でできるだけ食べるとして…流石にもう1個は興信所に持って帰っても全部食べるのは骨だろう、と言う事で、更に2つに分け、愛華と葉華達で分ける事にした。
「ん〜…美味しいv」
「結構美味いな、コレ」
『…拙者は共食いしている気分で御座る…』
幸せそうな愛華と葉華と、食べてはいるものの複雑そうな声。
「…そういや、愛華姉ちゃん」
「ん?なーに?」
「…おいら達と分けたこの片割れ、誰かにあげるのか?」
「ふえっ!?」
『おお、それは拙者も気になるで御座るよ』
「ぼ、ボブまでっ!?」
愛華は葉華の問いかけに引っ繰り返った声を上げ、更に同意の声を上げるボブに焦って叫ぶ。
その様子を見て、葉華はにやりと笑い、小声で囁いた。
「……彼氏、とか?」
「…っ!?!?ちっ、ちちちちちちち違うよっ!そ、そんなワケないじゃないっ!!」
『そのどもりっぷりが妙に怪しいで御座るよ…愛華殿…』
「だ、だから違うんだってば!!葉華もボブも変なこと言わないでよっ!!!」
焦ってわたわたと言い返す愛華に、葉華はにやにやと笑って「仕方がないからそう言う事にしておいてやるよ」と楽しそうに言ってから、またパンプキンパイをもぐもぐ食べ始める。
ボブも流石にこれ以上問い詰めるのは失礼だと思ったのか、それ以上は何も質問してこない。
「結構美味いパンプキンパイが出来てよかったなー、ボブ♪」
『そうで御座るな。これならきっと草間殿と零殿も喜んでくれるで御座るよ』
「甘い物嫌いな奴でもこれくらいなら食えそうだしなー♪」
『そうで御座るな。程よい甘味が丁度いいで御座るよ』
「…あうぅ…」
こう言う時、妙に鋭い子供(とカボチャ)と言うのはややこしいものだ…と痛感せずにはいられない愛華であった。
結局、愛華の手に渡ったパンプキンパイが誰の腹の中に収まったかは…不明である。

―――後日。
葉華から「彼氏にパンプキンパイあげたんだろ?どうだった?」と書かれた手紙が届き、飲んでいた飲み物を盛大に噴出して咳き込む愛華の姿が、自宅で見かけられたそうだ。


終。

●●登場人物(この物語に登場した人物の一覧)●●
【2155/桜木・愛華/女/17歳/高校生・ウェイトレス】
【NPC/葉華】
【NPC/ボブ】

○○ライター通信○○
大変お待たせいたしまして申し訳御座いません(汗)異界第五弾、「あたらしいいのち〜外の世界」をお届けします。
前回の「いっしゅうかんのいのち」の続編ということでしたが…いかがだったでしょう?
どうぞ、これから葉華のことをよろしくお願いします(ぺこり)

愛華様:前回に引き続き、御参加どうも有難う御座いました。ノリが凄くギャグですが…如何でしょう?(汗)
    今回は敢えて「やめておこうかな」と書かれたパンプキンパイ作りに挑戦させたと言う事で(笑)とは言っても、肝心な料理シーンは省いてしまいましたが。
…その代わりと言ってはなんですが、愛華様の恋ネタを少々…(オイ)

色々と至らないところもあると思いますが、楽しんでいただけたなら幸いです。
他の方のエピソードも見てみると面白いかもしれません。
それでは、またお会いできることを願って。