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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


嗤うアンティークドール


------<オープニング>--------------------------------------


 はらはらと少女が泣いている。美しい子だった。年は高校生くらいだろうか。
 草間武彦は呆然とそれを眺めていた。目の前で女性が泣いていてもおろおろとしないところに年季を感じさせる。慣れているのか。それとも、そうできないほどの衝撃を受けたからか。
 答えはもちろん後者である。
「……そろそろ泣き止んでくれないと、俺が泣かしているみたいなんだが。」
「すみません。」
 必死に涙を拭うが、白い指先を濡らしただけだった。
「で、何だっけ? アンティークドールだっけ?」
「はい。父がヨーロッパに出張に行ったときにお土産で買ってきたものなんですけど。お姉さんがそれをすごく大事にしてて。マーガレットって名前なんですけど。」
「そいつに取り憑かれてる?」
「はい。別に動くとかじゃないんです。斧振り回したりとかはしなくて。」
「……それは映画だな。」
 ジョークを飛ばせるくらいなら大丈夫だな、と草間は動揺を静めた。少女は相変わらず泣いている。
「でも、お姉さんを怒った母が怪我をしたり、お姉さんが取ろうとしたものが自然と動いたりして。しかも、お姉さんはお姉さんで『すごいわマーガレット、お利口さんね。』って口走ったり。もう怖くて怖くて!」
「お姉さんを守ってるんじゃないのか?」
「笑うんです! お姉さんが見えないところで、にたあって嗤うんですよ?! 見たときは身が凍る思いでした。」
「そうか。」
「お願いです。あの人形をどうにかしてください。」
「……分かった。」
 草間が頷くと、少女――畑中舞はようやく笑みを見せた。



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■ 調査開始。その前に。

 斎・悠也(いつき・ゆうや)が興信所の扉を開いたとき、一番初めに目に飛び込んできたのは、泣いている少女の姿だった。その前で、草間が頭を抱えている。
「武彦さん、また女の子を泣かしているんですか?」
「また、とは何だ。人聞きが悪いな。」
 草間がぶすっとしてそれに答える。悠也は笑って、真っ直ぐキッチンへと向かった。お湯を沸かして、ローズティーを淹れる準備を始める。
「ねえ、泣かないで。僕、女の子に泣かれるのは苦手なんだ。君は笑顔の方がきっと綺麗だよ。」
 相生・葵(そうじょう・あおい)が傍らで、舞を慰めていた。
「今日は一体何の依頼なんですか?」
 悠也は人数分のローズティーを淹れながら、シュライン・エマに尋ねた。
「彼女、畑中舞さんのお姉さんのアンティークドールが嗤うんですって。」
 かくかくしかじかと、シュラインは詳細を説明した。
「人形には魂が宿ることがあるってのは心霊話ではよく聞く話だが、正直、嗤うアンティークドールなんて不気味だな。」
 九重・蒼(ここのえ・そう)は想像してみて、その図のあまりの不気味さに顔を顰めた。
「人の形を模した物には人の想いが宿りやすいですから、曰く付きのアンティークドールは意外と多いのですが、これは少々違うと思いますわ。」
 鹿沼・デルフェス(かぬま・でるふぇす)が頬に手を当てて首を傾げた。デルフェスは調度品や美術品に関しては、高い鑑識眼を持っていると自負している。
 倉田・堅人(くらた・けんと)も宥めるように、舞を覗き込んだ。
「本当に気味の悪い話だね。ねえ、お父さんはヨーロッパの何処で人形を買ったって? おじさんの会社はね、世界と貿易をしているから、もしかしたらルートを辿って何か分かるかもしれない。」
「フランスだったと思います。詳しい場所とかはよく分かりませんけど。あっ、写真を持ってきました。」
 舞は最も重要なことを失念していたことに赤面しつつ、鞄から写真を取り出して、堅人に渡した。
「あら、これはベベじゃありませんかしら。」
 デルフェスが横から覗き込んで、そう言った。
 写真からは別段嫌な感じは受けなかった。可愛らしい人形である。
「うーん。アンティークドールに何かが憑いているのかなぁ?」
「そもそもアンティークドールが本当にやっているのか?」
 葵と蒼が同時に首を傾げた。
「――むう、姉君は、その人形に取り憑かれておるのではないか? 姉君は人形を御しておるつもりだが、人形のほうは悪巧みをしていると見ゆる。妖怪め、拙者が一思いに成敗してくれようぞ!」
 突然暴れだした堅人に、周囲は驚いた。刀を振り回しそうな形相で、ローズティーの入ったカップを振り回そうとする。
 慌てて止めたのは、同じく堅人だった。
「ちょっと待った、辰之真。いきなり荒事もよくない。」
「……二重人格か。」
 蒼がほっと胸を撫で下ろした。
「うん。倉田辰之真っていう武将みたいなんだ。驚かせてごめんね。」
「ところで、お姉さんとそのアンティークドールは別々にいらっしゃるんですか?」
 悠也が驚愕に目を白黒させている舞に尋ねた。
「家の中ではほぼ一緒にいますが、外出するときはさすがに置いて行きます。」
「では、お姉さんと外で話が出来るよう、舞さんの方から連絡をいれてもらっていいでしょうか?」
「僕もお姉さんともお話ししたいな。ほら、女性の知り合いが増えるのは嬉しいし。」
 葵がにっこり笑ってそれに同意した。
「俺はその間人形の方を見たいな。」
「私も人形収集家か雑誌の取材と偽って見せてもらえないかしら。」
 蒼とシュラインは、先にアンティークドールに会うことを望んだ。
「わたくしはアンティークドールについて少々調べたいことがありますわ。」
「あ、私も。」
 デルフェスと堅人は、舞の持ってきた写真を借りることとなった。
 そうして、結局、「人形調査隊」、「人形接触隊」、「お姉さん接触隊」の3グループが編成されることとなった。
「やっぱり怪奇事件なんだな……。」
 草間は、ずずずとローズティーを啜り、やっぱり濃いコーヒーの方がいいなあと思った。



■ 人形調査隊(堅人&デルフェス)

「堅人さま、何か分かりましたか?」
 デルフェスは携帯電話を耳に押し当てた。2人は、それぞれの思惑の元、別行動を取っていたのだ。
 写真を持っているのはデルフェスだった。彼女はその写真を元に、そっくりな人形を手に入れていた。これで本物の人形とすり替えようと考えているのである。
 電話口で、堅人はどこか興奮しているようだった。
『アンティークドールだけあって、いろいろ噂はあるみたいなんですが、この人形は以前から悪い噂を持っていたみたいです!』
「堅人さまは今どこにいらっしゃいますか?」
『すぐに合流します。』
 デルフェスが現在地を告げると、意外に近くにいたらしく、すぐに落ち合うことが決まった。
「うわっ、どうしたんですか、その人形?! ――おのれ、現れたな、今すぐ成敗してやる!!」
「これは同じものを見つけてきたんです。」
 集合場所に来た瞬間、切りかかってきそうになった堅人、否、辰之真に、デルフェスは慌てず事実を述べた。
「――そ、そうであったか。すまぬ。早計であった。」
「す、すみません、デルフォスくん。」
「大丈夫ですわ。わたくしはミスリルゴーレムですから、多少のことでは傷つきませんし。」
「そういう問題ではないですよ……。」
 堅人は少しずれたデルフェスに脱力した。
「で、どのような噂を聞いてきたんですか?」
「あ、そうそう。このアンティークドールの以前の持ち主は、呪われたって言ってました。」
「呪われた?」
「子供が動かなくなったみたいなんです。……人形みたいに。」
「ええ?!」
「目は開いていても何も映さず、座らせたらその格好のまま微動だにしない。植物人間というよりはまさしく人形のような状態みたいです。」
 デルフェスは目を見開いて硬直した。
 なんて恐ろしいことが起こっているのだろう。
 堅人は暗い顔をして、更に続けた。
「呪われたって言ってますが、私は違うと思うんですよ。とても悪意に満ちている気がするんです。」
「だったら、お姉さまが危険ですわね。急ぎましょう。」
「ええ。」



■ 人形接触隊(シュライン&蒼+舞)

「何か変な感じだわ。」
「どうかした?」
 シュラインの難しそうな顔を蒼が覗き込んだ。前方には舞がおり、家まで案内してくれている。
「舞さんが綺麗過ぎる、と言う点で気になっていたんだけど。」
「どういう意味?」
「マーガレットの様に依頼人自身も人形って事じゃないかって。」
「え?!」
 蒼は驚いて舞の後姿を見つめた。別におかしいところは見受けられない。
「鼓動とか、呼吸音とか……ちゃんとするんだけど、普通の人間ではないような……。」
「冗談だろぉ。」
「気のせい、かもしれないけど。」
 シュラインは慌てて自分の考えを振り払った。
「どうかしましたか?」
 揉めているような様子の2人に気付いて、舞が振り返ってきた。
「なんでもないわ。着いたの?」
「ええ。ここです。どうぞ。」
 舞に案内され、家の中に入る。両親は仕事でいないらしい。
「マーガレットは?」
「お姉さんの部屋にいます。ちょっと待っててください。持ってきますね。」
 リビングルームにシュラインと蒼を残し、舞は2階へと上がっていった。しばらくしてアンティークドールを抱いて降りて来る。
「どうぞ。自由に見てください。私はお茶を淹れてきますね。」
 シュラインにマーガレットを手渡し、舞は部屋を出て行った。シュラインはまず人形を引っくり返し、後頭部を調べた。銘が入っているだけで、別に呪いの言葉のようなものは書かれていないようだ。
「お前、何で人に怪我をさせたりしてるんだ?」
 蒼がずばり問い掛けてみるが、マーガレットから反応はない。突然喋りだされても驚いただろうから、こんなものかと蒼は思う。
「どっちにしろ、持ち主まで交えて、そんなことするのは行き過ぎだぞ。」
「こんなに可愛らしい人形なのに。……何が目的なの?」
 シュラインはフランス語でマーガレットに尋ねてみた。シュラインの耳はいい。人形の言葉も聞き分ける自信はあった。
「…………だんまりか。」
 こうして見ると、本当にただの人形にしか見えない。話し掛けている自分たちが端から見ればおかしいくらいだ。
 やっぱり人形のせいではないのではないかと思いながら、蒼はマーガレットを覗き込もうとして、背筋を悪寒が走った。
「な、何だ?!」
「……嫌な気配よね。」
 シュラインも眉を顰める。
 マーガレットは自分を邪魔しに来た相手だと思ったのだろう。カタカタとテーブルが揺れる。
「本当にこの人形の仕業なのか?」
 断定が出来ず、蒼はマーガレットの動かない瞳を見た。そこで、にたあと嗤うマーガレットの表情と鉢合わせた。ぎょっと身体を強張らせる。
「きゃあああっ!!」
 ちょうどお茶を持って帰ってきた舞が悲鳴を上げてお盆を取り落とした。
「伏せてっ!」
 シュラインの手元から、マーガレットが浮かび上がっていた。髪が宙に広がり、目が怪しく光りだす。
 びりびりびりと空気が振動し、窓ガラスにヒビが入った。



■ お姉さん接触隊(葵&悠也)

 舞の姉の名前は、由比と言うらしい。舞に電話をしてもらい、葵と悠也は、外で彼女と話す機会を得た。
 由比は舞と同じく美しい女性だった。年は彼女より3つほど上くらいだろうか。
「どうも、初めまして、斎・悠也と言います。」
「相生・葵だよ。女の人とお知り合いになれるなんて嬉しいな。」
 にっこりと微笑むかっこいい男性2人に、由比は頬を赤らめて頭を下げた。
「初めまして。舞がマーガレットのことでお話があるって言ってましたけど。」
「ええ。よろしければ、お話していただけませんか?」
 もしものときのために喫茶店には入らず、近くの公園に誘った。そろそろ立春を迎えようとしており、昼間はぽかぽかと暖かいので風邪を引くことはないだろう。
 悠也が自販機に飲み物を買いに行っている間に、葵が先に話を始めた。
「マーガレットの写真を見せてもらったよ。可愛い人形だねえ。」
「ええ。とても可愛らしいんですよ。いろんな洋服も買ってあげたんです。喜んで着てるの。」
「へえ。……でも、少し凶暴だって聞いたけど?」
「そんなことないわ。過剰に反応しちゃうだけなの。でも、それはみんながマーガレットを苛めるのが悪いのよ。」
「どんな風にマーガレットを苛めるの?」
「気味が悪いって悪口言ったり、私のことを不当に叱ったりするの。」
「へえ。でも、怖いねえ。」
 葵が笑いかけると、由比もにこっと笑う。それを遠目から眺めていた悠也はふと違和感を感じた。
 由比の笑顔、それが全て同じものに見えるのだ。そう、それはまるで人形の笑顔のようなぎこちなさだった。
「まさか……。」
 マーガレットは人間と入れ替わろうとしているのだろうか。
 脳裏を過ぎった考えを振り払い、悠也は葵と由比の元へ戻った。
「何を話していたんですか?」
「マーガレットは優しいいい子なんだって。」
「ええ。私のことを1番考えてくれる、とてもいい子なんです。嫌いな子は私の前から消してくれるって言ってくれたこともあるわ。」
「え……。」
 物騒な言葉に、悠也は鋭い視線を向けたが、由比は自分の言っている意味すら分かっていないかのように微笑んでいる。
 葵は怖ぁい〜、と話を合わせていた。



■ 人形調査隊、お姉さん接触隊に合流

 舞の家に行こうとしていたデルフェスと堅人はちょうど公園を通りかかり、悠也と葵と合流した。
「まあ、マーガレット!」
 由比がデルフェスの持つ同じタイプのアンティークドールを見て、驚きの声をあげる。
「舞さまから借りたんですわ。どうぞ。」
 デルフェスがその人形を由比に渡した。
「可愛い女の子にアンティークドール。いいねえ、絵になるねえ。」
 手を叩いて葵が絵画のような風景を喜ぶ。
「あれはデルフェスくんが手に入れてきたニセモノです。」
 堅人が素早く悠也にそう耳打ちした。咄嗟に身構えていた悠也はほっと肩の力を抜く。
「でも、この案はいいですね。マーガレットが知ったら怒り狂うでしょう。上手くこちらに矛先が向いてくれればいいんですけど。」
 むしろ悠也自身に攻撃の先を向けてくれた方がこの先がやりやすい。
「あら、おかしいわ。」
 アンティークドールを抱いて揺すっていた由比が眉を顰めた。
「これはマーガレットじゃないわ!!」
 悲鳴と共に空気が揺れた。
「来ます!!」
 悠也の感覚がその気配を捉えた。
 黒い渦を巻いて、突如と現れたそれは、真っ直ぐ由比の腕へと降りてくる。
「マーガレット、淋しくなって来たのね。」
 由比が全く驚いた様子もなく、手を伸ばしてそれを受け取ろうとした。
「――おのれ、悪霊めっ!!」
「由比さん!」
 辰之真が公園にあった遊具を刀に変えて、マーガレットと由比の間を切りつけた。葵が由比の身体を抱き寄せて庇う。
 マーガレットが更に怒りに震えたのが、悠也には感じられた。



■ マーガレット乱入

 シュラインと蒼が公園にたどり着いたとき、すでに戦闘は始まっていた。微妙な時間帯であったため、周囲に子供などはおらず、人通りもほとんどなかったのが幸いだった。
 蒼は高い動体視力を生かし、マーガレットが飛ばしてくる破片を避けながら、他のメンバーの元へ駆け寄った。
「なあに? 彼女が舞さんのお姉さんなの?」
 由比を見て、シュラインが驚きに目を見開く。
「どうかしましたか?」
 危なっかしいシュラインを身体が頑丈なデルフェスが庇った。
「心音がおかしいわ。舞さんも少しおかしかったけど、彼女に比べれば全然まし。なんなの? 呼吸音も小さいし。まるで人形みたいだわ。」
「えっ?!」
 堅人がびっくりしたようにシュラインを見やる。
「あのアンティークドールは以前の持ち主を人形みたいに動かなくしてしまっているみたいなんです。」
「人形みたいに、ではないわ。人形にしてしまっているのよ!」
 由比を庇っていた葵は、彼女を無言で見下ろした。肌は血が通ってないかのように白い。瞼はあまり閉じられることがなく、瞬きをほとんどしていなかった。
「マーガレットさまに悪魔が取り憑いているんでしょうか?」
「いえ、悪魔なんかじゃありません。人形自身の意思ですよ。」
 デルフェスの懸念を悠也が否定した。
「腕力にものを言わせたって本当の解決になるとは思わないが、こっちの言葉を聞いてくれるとも思えないな。」
 蒼の傍らを鋭い木の枝が飛んでいった。
「悪意の感情しか聞こえてこないわ。」
 シュラインはそのあまりにの悪意に耳を塞いだ。そのシュラインを背に庇い、デルフェスはマーガレットを睨み据えた。
「一体何があったのか分かりませんが、止めるのが先ですね。」
「じゃあ、僕が。」
 葵が放った水の檻がマーガレットを縛った。一瞬弱まった風に便乗して、悠也が護符を放った。
 マーガレットが悲鳴を上げる。その場から逃げるような素振りを見せた。
「逃がすか!」
 蒼が跳躍し、マーガレットの襟首を捕まえて地面に引き摺り下ろした。
「――とうっ!」
 刀を使い、辰之真が地面にマーガレットを縫い付ける。
「きゃああああああっ!!!」
 由比が絶叫して気を失った。



■ 事件終了。その後で。

 慌てて舞の家に戻ったとき、舞も気絶して倒れていた。
 由比よりも影響の浅かった舞はほどなくして目を覚ました。
「すぐすぐに抜けるようなものじゃないけど、大分と人間らしい鼓動が戻ってきたわ。」
 シュラインはほっと胸を撫で下ろした。
「まさかマーガレットが人間を人形にしているなんて。」
 曰く話を聞いた悠也は、やれやれと大きく息を吐いた。
「マーガレットさまはお店の方で保管したいと思います。代わりにこの人形を置いていきますね。」
 護符で抑えられたと言っても、完全に浄化したとは言い切れない。デルフェスはこのアンティークドールを引き取ると宣言した。
「はい……。」
 怖い目にあった舞としては、同じアンティークドールというだけで、傍に置かれたくないという表情をしていたが、次いで起きた由比が何も気にせずに、その人形をマーガレットだと認識したので、黙って受け入れることになった。
「今回はバイト代、ちょっと多めに請求しよう。」
 危険な目にあったしな、と蒼は草間への対応を考えている。
「女の子のお友達が増えて嬉しいなあ。」
 葵は暢気にそう言って笑った。
 堅人は、子供のお土産にアンティークドールを買っていくのは絶対にやめようと、心に決めたのだった。



 * END *


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【0086 / シュライン・エマ / 女性 / 26歳 / 翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
【2479 / 九重・蒼(ここのえ・そう) / 男性 / 20歳 / 大学生】
【1072 / 相生・葵(そうじょう・あおい) / 男性 / 22歳 / ホスト】
【2498 / 倉田・堅人(くらた・けんと) / 男性 / 33歳 / 会社員】
【0164 / 斎・悠也(いつき・ゆうや) / 男性 / 21歳 / 大学生・バイトでホスト】
【2181 / 鹿沼・デルフェス(かぬま・でるふぇす) / 女性 / 463歳 / アンティークショップ・レンの店員】
(受注順で並んでいます。)

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■         ライター通信          ■
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お久しぶりの方も、初めましての方も、こんばんは。龍牙 凌です。
プレイングに参加して頂いてありがとうございました。
全員全てのプレイングを反映することが出来ませんでしたが、如何でしたでしょうか?
実はこれ、龍牙が見た夢でした。
理由もなく、襲い掛かってくるホラーという雰囲気を出したかったのですが。
楽しんでいただけたら幸いです。
それでは、またお会いしましょう。