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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


 代表取締役、失踪中につき(前編)
 
 興信所の扉をくぐり、とりあえず、依頼者でも訪れていたのか場の後片付けをしている零に挨拶をする。そのあとで、草間にも挨拶をと向き直った途端にたじろいだ。
 じーっと草間が自分を見つめている。その難しい表情となんとも言いがたい視線のせいで、一瞬、言葉に詰まってしまう。
「……大学生だったよな?」
「え、ええ……」
 草間は今さらなことを訊ね、確認をしてくる。たぶん、おそらく、間違いなく、何かを頼まれる。自分が大学生だという理由で。
「ここへ訪れたということは、多少の時間はあるということだよな?」
「……なんなりとどうぞ」
 苦笑いに近い笑みを浮かべながら柚品は答えた。そして、付け足す。
「そのかわり、事情はきちんと説明して下さいよ」
「ああ、もちろんだ。実は、少し前にあの半額男がまた依頼を持ちかけてきた」
 家の男だよと草間は付け足す。柚品はああと頷き、またいわくのある安い物件の依頼でも持ちかけてきたのか……だとすると、家、車の次はなんだろう?
「今回の依頼は、あいつが経理を務めるそれはそれは小さい会社の社長が行方不明になったから探してくれというものだ」
「草間さん……」
 そこまで小さいを強調しなくてもいいだろうにと柚品は眉を顰める。
「あいつが言ったんだよ。で、会社は危うい状態なのだそうだ。そこで社長は遺産として受け継いだ祖父の館の売却を考え、整理のために館へと向かった。それから行方が知れないそうだ……」
 そして、草間は深いため息をついた。
「その祖父の館というのは、それなりに有名な怪奇スポットらしい。話によると、庭の石像が月夜に飛び回るとか、肖像画の目が動くとか、鎧騎士が徘徊するとか」
「なるほど、草間さんのところへ依頼が来るわけですね」
 からかい半分に言うと、草間は額に手をあてた。見るからにがっくりしている。
「依頼人の話によると、その社長、東海堂は悪い男ではないらしい。だが、それがかえって問題らしくてな。馬鹿がつくほど正直なうえに、お人好し、しかも、騙されやすいそうだ。さらに、お涙頂戴な話に弱く、そのせいで会社の経営は傾く一方だそうだ……」
 で、これが問題の社長だと草間は写真を差し出す。二十代半ばと思われるネクタイにスーツの青年が写っていた。確かに人がよさそうに見える。が、正直でお人好しはいいとしても、騙されやすいのは問題だ。あまり経営者には向いていないような気がする……というのは個人的な意見なので控えておいた。
「まあ、そういうわけで夜逃げの線はないそうだ。社長の車は祖父の館に放置してあるらしいしな」
「その祖父の館というのは、具体的にどんな館なんですか?」
 話からすれば、洋館。鎧騎士に肖像画があるというのだから。それに、庭には石像。かなり広いように思える。
「確か、扉を入って、すぐにホール……だったかな。正面には階段があって……」
 草間の様子を見る限り、話は聞いたようだが、覚えてはいないらしい。
「扉を入り、ホール。正面に階段。その両脇に廊下があり、左側の廊下から中庭へと出ることが可能。ホールの右手の扉は応接室へ。左手の扉は食堂。そして、その奥に調理場。階段の右側の廊下を真っ直ぐに行くと右側に扉が三つ、途中で廊下は左に折れ、さらに扉がひとつ。廊下の左側には常に中庭の光景を臨むことができる……と言っていました」
 そう言ったのは零だった。草間はそれだというように頷く。
「そう、館自体はコの字型をしているらしいんだ」
「一階の扉のうちひとつが化粧室。ひとつが浴室。ひとつが物置。廊下を左に折れたところにある扉は遊戯室へと続き、二階は客室が四つに書斎と寝室、物置があったとも言っていました」
「そうそう。それと地下室と屋根裏があるらしいが、入口がどこにあるのか覚えていないとも言っていたな」
「行方不明になれるほどに広いとは思えませんね」
 ひとつの部屋がそれこそ馬鹿みたいに広かったとしても、話に聞く限り造りは単純であり、迷うことはできそうにない。そうなると、やはり怪奇スポットであるということが関係してくるのだろうか。とはいえ、とりあえず話に出ている夜に飛び回るという石像や、目が動くという肖像画、徘徊する鎧騎士では、行方不明とは結びつかない。
「そうだな。少し気になるのは、社長の祖父、母はオカルトに傾倒していたらしいということだ」
「オカルト……ですか?」
「ああ。悪魔を呼び出すだか、異界の扉を開く研究だとかなんとか……依頼人もそのあたりはよくわからないそうだ。ただ、反面教師か、社長はオカルトに対し、拒否反応が出るらしい。オカルトに遭遇すると、現実逃避する傾向があるとかなんとか」
 草間はなんとも言えない顔でそう言った。
「そういうわけで、依頼内容は祖父の館に乗り込んだまま戻らない社長の行方を探るというものだ。依頼人は夜逃げはないと断言しているから、夜逃げの線ではなく、あくまで館で行方不明になったという線での調査だ」
「館から逃げだしたとか、その他の事件に巻き込まれたという方面は調べなくていいということですか?」
「そうだな。館の調査が主だろう。もし、館で強盗や誘拐、そういった事件の痕跡が見つけたならば、それはそれでいい。即時、依頼人に連絡、警察に通報だ」
 だが、依頼人はその方面での事件性は考えていないよと草間は付け足した。そうだろうと柚品も思う。
「わかりました」
「助かるよ。実は三人ほど既に現地に向かっているんだ。向かう旨を伝えておく」
 ちなみに調査に向かっている三人とは、田中緋玻、櫻疾風、セレスティ・カーニンガムだと草間は付け足す。了解ですと柚品は頷いた。
「それで、大学生うんぬんというのは?」
「ああ、それなんだけどな。このオカルト万歳な祖父が気になって少し調べてみたんだ。どうやら一時期、大学の講師をしていたらしい」
「だから、大学つながりで俺ですか?」
 こくりと草間は頷き、調べてくれと言う。祖父については調べようと思っていたところだから、べつにそれはそれで構わないが、理由がなんとも言えない。
「これが社長についての資料だ。……気をつけてな」
 やけに神妙な草間の言葉を受け取り、柚品は興信所をあとにした。
 
 人脈とコネというものは大切であり、便利でもある……ということを実感する。
「柚品くんだね。話は聞いているよ」
 扉はあっさりと開かれ、部屋へと招かれる。祖父をよく知るというその人物は、四十代後半、いや五十代前半かと思われる壮年の男。こうして話を聞くことができるというのも、知り合いの教授が働きかけてくれたからだ。
「失礼します」
 柚品は頭を下げ、男に続く。男の名は藤村康夫。大学の講義を受け持つこともあるが、主に自宅で己の研究に時間を費やしているという。
「そこへどうぞ。で、何を聞きたいのかな」
 穏やかな気性らしい藤村は柚品を応接室へと案内し、ソファを勧めたあと、自分も腰をおろす。どこまで踏み込んで訊ねて良いものかと躊躇う柚品に気づいたのか、藤村は言った。
「遠慮はいらないよ。たまに、あの人のことを聞きたいという人が訪れる。主に……オカルト関係の雑誌の方々だが」
 そして、穏やかに笑う。
「ええ、実は……そういう方面についてお訊ねしたいことがあります。東海堂さんはオカルトに傾倒していたということですが、具体的にはどういったものを研究していたのかご存じでしょうか?」
「私自身はオカルトといったものに対し、懐疑的であるし、専門でもないことは先に告げておくよ」
 そんな前置きをしてから、藤村は小さく息をつき、続けた。
「晩年の研究は、異界の扉を開くというものだった。この世界の他にも多数の世界が存在し、それへ繋がる通路を作りだす……そんなことを言っていたと思う。彼女も……ああ、あの人の娘もそうだったな……」
 藤村は複雑な表情で言う。そういえば、祖父だけではなく母もオカルトに傾倒していたと言っていたかもしれない。孫はよくもそれに染まらなかったものだ。大抵の場合、親は子に倣う……と考えたところで、ふと父親はどうだったのだろうと疑問を覚えた。祖父と母親はオカルトに傾倒していたとは言っていたが、父親については触れていない。
「今、晩年と仰りましたが、若かりし頃は、また違う研究を?」
 それを問うと、藤村はじっと柚品を見つめた。見定めるような視線を投げかけられるなか、応接室の扉が叩かれた。扉が開き、年齢的には藤村とさほど変わらないだろう女性が姿を現す。柚品に軽く頭を下げ、ローテーブルの上にカップを置いたあと、部屋を出て行った。雰囲気的にみて、藤村の妻だと思われた。
「……屍操術というものを研究していたらしい」
 お茶を勧めながら藤村は答えた。
「痛みも飢えも訴えない寡黙な軍団。既に死しているから死ぬこともない。そんな不死の軍隊を作るための研究をしていたが、戦争は集結、研究は中断されたとか……一度だけそんな話を聞いたことがある」
 それは酒の席での話であるし、自身はその話を信じていないと藤村は付け足した。だが、言葉のとおりであるとは思えなかった。藤村は信じていないと言うが、言葉と心は裏腹に思える。
「東海堂さんの家族のことはご存じですか?」
「あの人の家族か……娘がひとり、妻は早くに亡くしたらしい。それから、娘とその相手との間にできた男の子がひとり」
 その男の子というのが、今回、失踪中の社長ということになる。
「娘さんの相手というのは、やはりオカルトに傾倒していたんでしょうか?」
 そうであれば、まさにオカルト一家ということになるのだが……藤村はゆっくりと横に首を振った。
「違うよ。彼は……それについていけなかった。家を出て、のちに正式に離婚している。幼かった子供は母親のもとに残った……いや、残された」
 その話を聞き、社長のオカルト嫌いが少し理解できたような気がした。それは単なる怖がりというわけではなく、両親が離婚したのはオカルトのせい……そんな幼い頃の思い出によって、受け入れられないに違いない。
「連れだすことができなかった。それから、その子とはそのままだ。彼は子供のことを気にはしていたが……」
 様々な事情から会うことができなかったのだろう。
「もし、いつみに……その子に会うことがあったら……いや、なんでもない」
「伝えておきます……やんわりと」
 柚品が言うと、藤村は微かな笑みを浮かべ、ありがとうと言った。
 
 藤村宅をあとにし、実際に祖父の館へと向かう。
 郊外の郊外とでも言おうか、町からかなり離れ、橋を渡ったところに家々が並ぶ。そこからさらに少し進み、やっと祖父の館となる。
 社長が行方不明になったという問題の祖父の館は、話に聞くとおり、二階建ての洋館だった。
 蔦の絡まる背の高い壁。開け放したままの門の向こうに前庭があり、そこに背に翼を持つ西洋の悪魔を模したような石像が二つある。その奥に洋館があり、入口の扉が見える。門をくぐり、すぐ右手は背の低い雑草がちらほらとはえた平地で、手入れがされているわけではないが、駐車場というわけでもないそこに、とりあえず停める場所がないので停めておきましたという雰囲気で車が二台ほど停めてある。
 一台は社長のものだと聞いている。一台は既に調査に訪れている三人のうちの誰かのものだろう。
 館内では三人が調査しているのだろうと思いつつ、二台の車の近くに愛車を停める。館を見あげたあと、門をくぐり、洋館をあとにした。ここから少し戻って周辺の住民からこの館についての話を聞いておきたい。
「さて、と……」
 館から離れ、家々が並ぶ方へと戻る。話を聞くならば、どこが妥当だろうか。あまり広くはなく、どちらかと言えば狭い町。見回し、目についたものは、あまり聞いたことがない名前のコンビニとガソリンスタンドだろうか。この区画で店というとその二軒しか見当たらない。
 とりあえず、ガソリンスタンドに行ってみるか……暇そうに見えるし。柚品は客がまるで訪れている様子のないガソリンスタンドへと向かう。
「こんにちは」
 暇そうに欠伸をしている青年に声をかける。
「あ、ああ、こんにちは。えーと、灯油?」
「いえ、ちょっとお聞きしたいことが」
「わかった。洋館だろう? それなら、あっち」
 よく訊ねられるのかもしれない。青年はわかってるよという顔で祖父の館がある方向を指さした。
「いえ、お聞きしたいのは、場所ではなく……この写真の男を知っていますか?」
 柚品は草間から預かった写真を取り出し、青年へと見せた。青年は写真を覗き込み、うんうんと頷く。
「知ってるよ。最近、よくコンビニに買いに来てた奴だよね。館の整理に来たとかで……日に日に疲れた顔になっていったのが印象的」
 社長が館の整理に訪れていたことは間違いないらしい。では、いつ頃からその姿を見なくなったのか。
「最後に彼を見たのはいつですか?」
「んー、一昨日かなぁ。昨日は見てない……うん、見てないよ」
 考えながら青年は答えた。その返答によると、行方不明になったのは、一昨日か昨日、思ったよりも日数は経過していない。
「ありがとうございます。それから、洋館について、月夜に石像が飛ぶだとか、肖像画の目が動くだとか、鎧騎士が動くという話を聞いているんですが、その他に何か妙な話、噂はありませんか?」
 それを問うと、青年は神妙な顔をした。柚品に顔を近づけると声を顰める。
「そういうの、この町の人たち、すごく嫌がるから。何かの取材の人なのかもしれないけど、訊ねない方がいいよ」
「そうですか……」
「俺はこの町の人じゃないから、気にしないけど。バイトで橋の向こうから来てるだけだし。だから、俺でわかる範囲なら答えるけど、町の人には訊ねない方がいいよ。露骨に嫌な顔をされるから。答えてもくれないし」
 青年は苦笑いを浮かべながら言った。
「で、妙な話が知りたいんだっけ。館に関しては、さっきの三つが有名だね。他にも館の持ち主だった老人と若い女の幽霊が出るとか言われているけど、これは根拠のない噂。あとから作られた話みたいだよ」
 なるほど、噂に尾ひれ背びれというものか……よくあることだ。柚品はうんうんと相槌を打ち、青年の話を促す。
「そう、あの洋館の持ち主だった老人って、あの館で行方不明になっているんだって」
「え? 行方不明……ですか? 亡くなったわけではなく?」
 遺産として受け継いでいると聞いているから、亡くなったものと思っていた。が、青年は行方不明だと言う。
「ちょっと気になったから昔の新聞で確認したんだけど。行方不明って書いてあった。行方不明になったのは……かれこれ十年くらい前なのかな。それでさ、」
 青年は周囲を気にしたあと、さらに声を顰めた。
「ここの人たちって、あの館の老人の話になると、やけに神経過敏なんだよね。ちょっと変だと思うくらい。そこで俺は考えた。俺の推理、聞きたいだろう?」
 いや、聞きたくないです……とは雰囲気的に言えなかった。柚品は素直にこくりと頷いておく。
「洋館の老人ってかなり人付き合いが悪いうえに、胡散臭い奴だったみたいで、変な研究をしていたらしいんだ。それで、家畜が死んだとか、農作物が不作だとか……あいつのせいだってことになって……町のみんなでやっちゃったんじゃないかな、と」
「その『やっちゃった』のやるは、殺すという字ですか?」
 青年はそうだと頷いた。物騒な話だ。しかし、それだけの理由で町の人たちが共謀して祖父を殺すだろうか。にわかに信じられる話ではない。
「それで、みんな神経過敏なのかなって。ここに数日いればわかるけど、ちょっとおかしいんだよね、ここの人たち。陽が暮れたら外は出歩かないし。ここも隣のコンビニも陽が暮れたら、店を閉めちゃうんだよ」
「それは随分と……早いですね」
「それに、霧が出る日には、死者が彷徨い歩くから、通りを歩いてはいけないっていう話が伝わっているよ」
 自分がこのガソリンスタンドでバイトを始めてから霧深い日に当たったことはないけどと青年は言う。
「霧の日には死者が彷徨い歩く……死者……」
 ふと藤村が言っていた屍操術の研究が頭を過る。
「ここは……もちろん、火葬ですよね?」
「そうだよ。地方に行くと土葬のところもあるとかいう話だけど……ここは火葬だよ。ちなみに墓場は向こう。そこそこ広い公園墓地があるよ」
 郊外に公園墓地。よくある光景ではある。が、とりあえず墓地に用はない。柚品は青年に丁寧に礼を言い、その場をあとにした。
 コンビニでも聞き込みをしようかと思ったが、あまりいい顔はされないということなので、それはやめておくことにして、とりあえず町を歩いてみた。静かな町で、特別に雰囲気が悪いということはない。わりと区画整備されているのか、ごちゃごちゃした印象は受けず、道は広く、真っ直ぐで入りくんではいない。あまり多くはない家々に混じって、神社があり、今となっては珍しい木造の校舎があった。小学校のようだが、生徒の姿はなく、現在では廃校となっているらしい。あまり大きな建物がないのでとても目立つ。郷愁をそそる光景ではあるが、今は社長を探すという目的がある。あとで余裕があったら、寄ってみるのもいいかもしれない……そんなことを考えながら洋館へと戻ろうとすると、携帯電話が鳴った。
 表示を見ると、草間からだった。
「はい?」
『ああ、草間だけどな』
「ええ。何かありましたか?」
『洋館に電話が繋がらないんだ。呼び出し音は響いているんだが……それと、どうも洋館の辺りは圏外になってしまうらしい。誰にかけても留守番状態だ』
 そういうわけで連絡がつかなかったと草間は言う。
「そうですか……それなら仕方がないですね。少し驚かせてしまうかもしれないですが、自分で事情を話しますよ」
 よろしく頼むと言い、電話は切れた。携帯電話の表示を見ると、アンテナは今にも消えそうだった。
 
 改めて門をくぐり、館へと歩く。
 館へと向かうには、石像の横を通らなければならない。近づいてみてわかったことだが、台座の上の石像は、どちらも鎖でがんじがらめとなっていた。鎖の先端は重厚な錠前がついている。鍵がなければ鎖は外せそうにない。
「……」
 月夜に飛び回るという話は聞いている。鎖は飛ばないために施されているのだろうか。これが悪戯であるならば、随分と凝った話なのだが……。
 好奇心にかられ、石像へと手を伸ばす。
 石像に思いを同調させ、脳裏に浮かびあがる映像。……飛んでいる。石像が動くという話は、どうやら本当であるらしい。だが、それはかなり昔の話のようで、最近は動かないらしい。
 石像から手を離し、小さくため息をつく。
 気を取り直し、正面の入口へと歩く。
 扉に手をかけ、開く。軋んだ音と共に抵抗なく扉は開き、そっと館のなかを伺う。既に調査を開始している三人はそこにはいないのか、しんと静まり返っている。
「……」
 館のなかへと足を踏み入れる。館内の空気が埃っぽいということはなく、むしろ冷たく、重く、湿っているように思えた。
 零が口にしたとおり、扉を入ったそこはそれなりに広いホールだった。正面には二人で並んで二階へ向かっても、まだ空間に余裕がありそうな階段が見える。
「田中さん、櫻さん、セレスティさん……いませんか?」
 とりあえず、呼びかけ、周囲を見回してみる。
 ホールの左右には扉がひとつずつある。零の話では、右に見える扉は応接室、左に見える扉は食堂。正面の階段の横にはそれぞれ廊下が伸びていて、ホールからではその奥までは確認できないが、左側の廊下の奥は中庭へ通じる扉へ、右側の廊下はかなり真っ直ぐ伸びたあと、途中で左に折れているということだった。
 とりあえず、ホールで気になるものは、階段の左下にある家具調の大きな振り子の時計だろうか。振り子はまるで動いていないから、壊れている可能性は極めて高い。
 それと、もうひとつ気になるものは、階段の右下の床に転がっている黒っぽいものとその近くにやはり転がっている棒のようなもの。まるで捨ててあるかのように、あまりに無造作に転がっていることが気になる。
 近寄り、なんであるのかを確かめてみる。
 黒っぽいものは、今となっては懐かしい黒電話だった。ただし、何か強い力を加えられたようで、正常な形状は保っておらず、見るからに、壊れている。そして、その近くに落ちているものは、水道管のパイプ、所謂、鉄パイプというものだった。
「……」
 近くには電話を置いてあったと思われる台座がある。壁から線が出ているのだが、途中で切断されている。電話から出ている線も途中で切断されていた。
 柚品は屈み、そっと手を伸ばすと壊れた電話に触れてみた。
 ふっと脳裏に浮かびあがった映像は、自分と同じ行動をしている銀髪の男。電話に触れている。次に何度となく電話に出る写真の青年。つまり、行方不明の社長だ。相手は無言なのか、社長は文句のようなものを口にしたあと、叩きつけるように電話を置く。そして、気がついた。……電話線が切れていることに。
 そのあと、鉄パイプが登場。
 目の前の状態となる。
 これでは電話が繋がらないわけだ……柚品はため息をつき、立ち上がった。
 ともかく、社長と三人を探そう。
 まずは、最も近い扉である応接室から。柚品は壊れた電話から離れ、応接室へと向かい、その扉を開く。
 応接室にはソファにローテーブル、飾り棚、わりと大きめのテレビがあった。壁に絵画が掛けられていたらしい跡が見られるのだが、絵画はない。それ以外に変わったところはなく、誰もいない。
 ホールへと戻り、右側の廊下を歩く。話に聞いているとおり、廊下を歩くと左側に中庭を臨むことができた。長い廊下の右側には扉が三つ並んでいる。それを順番に開けてみることにした。
 まずは、手前から。
 扉を開いたそこは、少し埃っぽかった。カーテンによって光が遮られているため、部屋全体が暗い。広さとしては応接室の半分程度で、雑多に物が置かれている。一階にある三つの扉は、浴室、化粧室、物置ということだから、ここは物置なのだろう。
 雑多に置かれている物のなかで気になるものは、壁に重ねて立てかけてある絵画らしきものだろうか。傷つけないように丁寧に扱い、眺める。
 肖像画だった。
 目が動いて気になるから壁にかけられていたものを外したのだろうか……いや、まさかなと思う反面、石像のこともあるので、そのまさかかもしれないとも思える。
 ふと目の端に鈍く光るものが映った。床に転がっているそれは、通常ならばきちんと立った状態で飾られているはずの鎧騎士……の残骸だった。調べてみると、鎧騎士を構成する部品は揃っているらしく、組み立てればもとに戻るかもしれない。……動くから分解したのだろうか……それとも、格闘した結果なのだろうか……。
 物置をあとにし、隣の扉を開けてみる。
 大きな洗面台にそれに見合う大きな鏡。個室は奥に二つある。洗面台の上にはドライヤーと電気カミソリがあった。触れて調べるまでもないだろう。その場をあとにし、隣の扉、浴室へと向かう。
 わりと広くとってある脱衣所があり、ガラスの引き戸がある。その向こうはタイル張りの浴室になっていて、シャワー、少し古びた感を受けるが洒落た形ではある浴槽がある。水分は完全に乾いているので、少なくとも今朝、そして昨晩に使われたとは思えない。取り立てて珍しいものはなかったので、浴室をあとにした。
 最後は廊下の奥にある遊戯室。コの字型をした館の上の部分に位置する場所にある。扉を開けてみると、そこはかなり広い部屋だった。
 全体的に殺風景ではあるものの、ビリヤード台がふたつ、ルーレット、カードゲームなどを楽しむ設備が整っている。壁にはダーツの的もあり、端には小さなカウンターバーのような場所さえ設けられている。グランドピアノも置いてあった。
 入口から最も近いビリヤード台の上に紙が置いてあり、それにはビリヤード台×2、ルーレット台×1……というように、部屋に置かれているものが記入してある。社長が整理を行った証拠といえるものだ。
 全体的に使用されたという形跡はみられない。カウンターバーにあるグラスは年季を感じさせる埃にまみれていた。いくつか置いてあるボトルも、どれも飲めたものではなさそうに思えた。
 誰の姿もなく、変わったこともないので、部屋をあとにした。社長がそう簡単に見つかるわけはないが、しかし、社長を探している三人の姿もないというのはどういうことだろう。軽く一階をまわってみたが、気配すら感じさせない。それに、探索をしているにしては、館内は静かすぎる。
 ガソリンスタンドの青年の話では、祖父は館で行方不明になったということだった。孫たる社長も館で行方不明になっている。まさか、探しに訪れた三人も行方不明……?
 ほんの少し、不安になる。
 館内探索よりもまず先に三人のうちのひとりでもいいから、顔をあわせておこう。柚品は廊下を戻り、食堂へと向かう。
 壊れた電話、二階への階段、振り子時計の前を横切り、食堂の扉へ。途中、簡単に振り子時計を見てみたが、短針は動いていない。よく見ると、動いていないどころか、長針がない。やはり壊れているのだろう。
 食堂の扉に手をかけ、開ける。
 一般家庭では、まず使われそうにない長方形のテーブルに、椅子がいくつ並んでいるだろうか。かなりの人数で食事ができそうなそこに、社長の姿はない。だが、食事をしたであろう痕跡を見つけた。テーブルの上にはコンビニの袋、そして、菓子パンとカップラーメン、レシートがある。
 コンビニ袋のなかを覗いてみる。……単二と呼ばれるサイズの電池が入っていた。まだ包みを開けてはいない状態で、使われてはいない。菓子パンの賞味期限を見てみると、まだ賞味期限内で食しても問題はない。
 レシートの日付は、一昨日。青年が最後に目撃したというのも一昨日だったか。
 とりあえず、部屋には誰もいないので、隣の調理室へ行ってみることにした。そこそこ広い調理室には、大きめの作業台、わりと大きな水場とやはり大きめな冷蔵庫があった。水場は使われたようだが、作業台は使われた形跡が見られない。食堂にあった菓子パンやカップラーメンといったものから考えても、社長は炊事がまるでできないか、もしくはやる気がない。
 やはり、誰もいないので調理室をあとにする。これで一階には誰もいないということになる。三人は二階にいるのか、それともいないのか……あり得ないと思いつつも、不安にかられながらホールへと戻り、二階への階段をあがった。
 
軽く二階を見てまわったが、三人の姿は発見できなかった。部屋の探索は敢えて行わず、扉を開けて部屋のなかを順番に見やった。廊下はひとつで、階段はひとつ。行き違いになることなどあり得ない。
 一階のホールへと戻り、ため息をつく。
 ミイラ取りがミイラに……そんな言葉が頭を過る。
 ふと、振り子時計が目の端に映った。
 近づき、短針のみの振り子時計を見つめる。ガラスがなく、文字盤に触れることができる。上から下まで眺め、床に長針が落ちていることに気がついた。
 長針を拾い、文字盤にはめてみる。ぴったりとはまった。
 手を伸ばし、時計の針に触れた。
 脳裏に浮かぶ映像は、長針を動かす指先。五時、一時、三時……そんなふうに長針は動かされた。
 長針をそのとおりに動かしてみる。五時、一時、三時……かちかちという音とともに長針は動き、五時、一時、三時の部分でかちりという音がした。そして、そのあと、階段の左側面からゴゴゴゴゴという低い音が聞こえ、振り子時計が振動で揺れた。
 左側の側面へとまわってみると、壁が動いて通路が現れている。
 なるほど、三人はここを進んだに違いない。
 柚品は躊躇うことなく現れた暗い通路を進む。少し進むと、扉があった。そこを開けてみる。ちょうど階段の下の部分にあたるだろうか。電灯が点いているため、明るい。
「あれ……?」
 狭い空間だった。その床下には赤色で何かが描かれていた。円形に細かな模様のようなもの。魔法陣や魔法円と呼ばれるものに似ている。壁には赤い布、テーブルの上には燭台に蝋燭。そして、ナイフ。怪しげな儀式を連想させる。
 だが、三人の姿は、ない。
「……」
 ここで怪しいものは数多かれど、とりあえず最も怪しいものは……柚品は床に描かれている魔法陣を見つめた。祖父の研究を考えると、どうしてもこれが怪しく思えてしまう。確か、異界への通路を開くとか……これがそれなのかどうか。
 柚品は魔法陣を見つめる。そして、そっと足を踏み入れた。と、何か大きな力が働いたような気がした。が、部屋の様子は変わっていない。
 部屋から通路へと戻り、暗い通路を探る。壁にレバーがあったので、それを引いた。ゴゴゴゴゴという音と共に壁が動く。
 見覚えのある光景を背に、身構えている緋玻、疾風、セレスティの三人がいた。
 
「あ、皆さん。やっと合流できましたね……」
 柚品はほっと息をつき、言った。浮かべる笑みが苦笑いになってしまうのは仕方がないだろう。
「あなた、どうして……?」
 明らかに驚いた表情の緋玻に問われ、少し困ったような顔で柚品は答える。
「ええ、実は……草間さんに話を聞いて、少し調べることがあったので遅くなったわけなんですが……」
 柚品は事情を説明する。草間から遅れて柚品が訪れるという連絡が入るはずだったのだが、ここの電話は壊れているし、携帯は圏外。結局、連絡のつけようがなかったというとなるほどとすぐに納得してくれた。
「ここへ訪れてみたら、社長さんだけではなく、皆さんもいなくなっていたので、少し、慌てましたよ」
 柚品は言い、改めてよろしくお願いしますと軽く頭を下げた。
「確かに、それは慌てるかもしれませんね。……あ、どこへ行くんですか?」
 お疲れさまでしたという労いの微笑みを見せたセレスティは、挨拶もそこそこに正面の入口へと歩いて行く疾風に気づき、声をかける。
「なんか扉が開いてるから、ちゃんと閉めておこうかなって……あれ、車がない……」
 疾風はそう呟くと扉を大きく開けて外へと出て行く。その言葉を聞き、顔を見あわせたあと、扉口から門の方向を眺める。確かに、車はなかった。自分の愛車もなかった。
「盗まれた……とは思いがたいわよね……」
 緋玻は呟く。確かに、盗まれたとは思いがたい。魔法陣に足を踏み入れたときに働いた力。祖父の研究。それらを考えるとここは似て異なる場所。ふと見れば、石像に鎖はついていない。庭の草はかなり背が高くなり、正面の門は錆びて、片方が外れている。
「足跡があるけど、社長さんのもの……かなぁ?」
 湿りけを帯びた土の上には靴の跡がしっかりと付いていた。いくつか乱雑についてはいるが、どれも同じ靴のものであるような気がする。その足跡のひとつを辿ると門の外へと続いていた。顔を見あわせたあと、お互いにこくりと頷いた。そのまま足跡を辿るうちに、陽は完全に落ちて周囲は薄暗くなり、そして、うっすらと霧のような、もやのようなものを感じるようになった。
 霧……ふと、霧の日に彷徨う死者の話を思い出す。
「社長さん、民家のある方へ歩いて行ったみたいだけど……携帯が使えればなぁ」
 楽なのにと疾風は呟く。それを聞き、柚品は言葉を返した。
「洋館の辺りは圏外ですが、町は圏外ではないので……おそらく、この辺りならば使えるかと……」
 もう少し歩かないと無理かなと柚品は付け足す。疾風は携帯を取り出し、眺めた。
「んー、微妙なところ。アンテナ、一本立ったかなー、いや、消えちゃったかなーというカンジ」
 そのまましばらく歩くと、周囲の霧は濃くなり、行く手が見えづらくなってきた。まとわりつくようなその霧は、ただの霧なのだろうが……どうにも鬱陶しい。
「もうかなり町の近くですよね? 先がまるで見えませんが……」
 周囲の霧は一層、濃くなった。乳白色のそれに遮られ、視界が悪い。周囲五メートル程度がなんとか確認できる程度で、距離のある建物は朧気に形がわかる程度だった。
「じゃあ、社長さんに電話をしてみよう」
 その言葉に緋玻は手帳を取り出し、疾風に見せる。と、疾風は番号を軽やかに押した。呼び出し音が幾度か響く。
『はい……』
 落ちついた声が疾風の携帯から聞こえてくる。だが、社長が出たということよりも、この状況で携帯が使えるということの方が不思議に思えた。
「あ! 社長さん?! よかった、助けにきましたよ。ああ、そう、経理さんから頼まれました。今、どこにいるんですか?」
 明るい声で疾風は言う。
『経理……ああ、彼に頼まれて……そうか、よかった、霧が深いから迷ってしまって……それに、なんだかここは……なっ、なんだ、あなたたちは……うわっ』
「え? しゃ、社長さん? 落ちついて、そういうときこそ、落ちついて……せめて、現在位置……あ。切れちゃった……」
 疾風はわりとさらりと言うが、今のその電話の切れ方は、あまり一般的ではない。どう見ても、どう考えても何かあったとしか思えない。
「もう一度、電話をかけてみては?」
 出るとは思えないが、念のため。柚品の言葉に頷き、疾風はリダイヤルを押す。呼び出し音が響くが、社長は出ない。雰囲気からすると何かが現れたと思われる。その何かとは……霧の日に彷徨い歩くという死者だろうか。
「……こちらの方から音楽が聞こえてくるようです」
 不意にセレスティは言い、方向を示した。耳を澄ますと、確かに微かな音楽が聞こえてくる。その音色を頼りに霧のなかを進む。微かな音楽は次第に明確になっていく。携帯の着信メロディであることは間違いない。
「おかしいですよね」
 柚品は呟く。民家らしきものの影は伺える。だが。
「もう陽が暮れたというのに……灯が点かない……この辺りには民家がそれなりにあるはずなのに。それに、コンビニも、ガソリンスタンドも……」
 霧でよくは見えないが、それでも朧気に位置はわかる。コンビニやガソリンスタンドが近くにあるはずだ。
「あ、誰かいる……」
 音楽がかなりはっきりとしてきたところで、疾風が呟いた。霧のなかに背中が見えてきた。それは地面に転がっている携帯を見つめている。近づくにつれ、同じように背中を屈めて携帯を覗き込んでいる存在が複数であることがわかってきた。
 それは、あまり一般的な光景ではない。地面に落ちて、転がっている携帯電話。危険物ではないのだから、拾ってもいいはずだ。なのに、何も言わずにじっと見つめている。
 やはり、これは。
 柚品は自分でも気づかないうちに身構えていた。
 不意に落ちている携帯が留守番電話に切り替わる。疾風の持つ携帯から留守番電話に切り替わった旨を告げる女声が響いた。
 途端。
 携帯を覗き込んでいた背中がゆっくりと、だが、示し合わせたように振り向いた。
「……」
 生きている……とは思えなかった。それぞれ違う方向を見ているような眼差し、どこかぎこちない動き。血の気のない肌の色。そして、彼らの人数は、自分たちよりも多い。
 この場は退いた方がいい。
 他の三人もそう思ったようで、くるりと背を向けている。
 
 声もなく無言で追いかけてくる彼らをどうにか振り切り、町から館の方へと続く道へと戻る。
 追いかけてきた彼らは音には敏感のようだが、それほどに動きは早くはない。それに、執念深いと思えるほどに追いかけてはこなかった。霧を抜ける手前くらいで追いかけて来るのをやめたような気がする。
 携帯の傍らに誰かが倒れているということはなかったから、社長はどうにかあの場から逃げだしたのだろう。
「なんか、よく顔を確認できなかったけど……生きているという雰囲気ではなかったような気がするな……」
 疾風は呟く。
「そうですね……生気というものが感じられませんでした……」
 大きく息をつきながら、セレスティは同意した。
「……」
 生きている雰囲気ではなかった。
 生気というものが感じられなかった。
 そうなると考えられるものは、やはり……。
「どうしたものかしら……ね」
 緋玻は霧に覆われている町を見やる。
 確かにどうしたものだろうか。
 同じように町を見やり、柚品は小さく息をついた。

 −前編・完−


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

【2558/櫻・疾風(さくら・はやて)/男/23歳/消防士、錬金術師見習い】
【1883/セレスティ・カーニンガム(せれすてぃ・かーにんがむ)/男/725歳/財閥総帥・占い師・水霊使い】
【2240/田中・緋玻(たなか・あけは)/女/900歳/翻訳家】
【1582/柚品・弧月(ゆしな・こげつ)/男/22歳/大学生】

(以上、受注順)

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■         ライター通信          ■
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依頼を受けてくださってありがとうございました。
まずはぎりぎりですみません。本当にすみません。それ以外の言葉がないです。
相関図、プレイング内容、キャラクターデータに沿うように、皆様のイメージを壊さないよう気をつけたつもりですが、どうなのか……曲解していたら、すみません。口調ちがうよ、こういうとき、こう行動するよ等がありましたら、遠慮なく仰ってください。次回、努力いたします。楽しんでいただけたら……是幸いです。苦情は真摯に、感想は喜んで受け止めますので、よろしくお願いします。

こんにちは、柚品さま。
三度目のご参加ありがとうございました。遅くてすみません……。深く反省しております(来月は「質を下げずに速度を上げろ」を標語にしたいと思っていますので)
能力についてのお気遣いありがとうございます^^
館の調査にはあとから参加ということでしたので、それならば! と今回、敢えてぎりぎりまで合流せず、ああいうかたちでの登場とさせていただきました。

今回もありがとうございました。予告したとおり前後編となりましたので、よろしければ後編もおつきあい下さい(後編は4/2の22時頃に開ける予定です)
願わくば、この事件が柚品さまの思い出の1ページとなりますように(とはいえ、前編なのでなんだか途中なのですが)