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<東京怪談ウェブゲーム あやかし荘>


恵美が入院!?術者を捜せ!

Opening
 管理人因幡恵美が突然倒れ、救急車に運ばれた。
 天王寺綾が急いで119番、「癒しの手」と言われる井ヶ田総合病院に送られた。
 医師の判断によると、過労という。
「学生業と管理人作業で疲れたんです」
 しかし、1人医師は難しい顔をしている。
 綾はその医師が気になった。女医である。
「あんた何か気がついてへん?」
「…わかります?」
 声を聞いただけで綾の心にあった棘が抜けた。
「私は加登脇美雪と言います。表の担当医師は先ほどの内科の方ですが…実は恵美さんは特殊な病にかかっています」
「な、なんやて?」
 綾は驚いた。今まで姿を隠していた嬉璃も現れてくる。
「過労に見えているのはダミーで…呪詛で体力を奪われているようです」
「お願いぢゃ!恵美を!恵美を助けてくれんか!」
「私は呪詛の影響をこれ以上悪化させないようにするしかできません。…ただ…過去にかなり怪奇現象事件に関わってますね」
「サイコメトリーって奴やな。いつ頃か分かるんや先生?」
 綾が訊く。
「読みとって手がかりになるものは…。一振りの剣状の物でした…それ以上は…」
 彼女は答える。
 加登脇の言葉は真実を帯びていた。ただ犯人は特定できないという事を謝罪するように…。

 嬉璃は、
「恵美を……恵美を助けるために!」
 急いで、恵美を助ける事の出来る者に連絡を入れた。


1.縁有るもの:空木崎辰一
 電話で呼び出された空木崎辰一。前にあやかし荘のメイド服騒動ですこし心の傷を負っている。嬉璃から呼ばれたとき、
「メイド服に関わっているのですか?」
と、訊いたら
「ばかもーん!」
 嬉璃は激怒した。
 耳鳴りで苦しむ辰一。幸い、病院の外での話しなので迷惑にはならなかった。
「恵美さんが入院というのは由々しき事態です。術者を探し出します」
「神主の力があると聞いたから頼んだぞ」
「はい」
 と、恵美がいる個室に向かう。
 個室病室には着流し白衣と、恵美の手をしっかり握る少年と白衣の女性がいる。
「こんにちは、空木崎と言います嬉璃さんから呼ばれてきました。色々混み合っているようですね」
「はい、助かります」
 と、事情と状況を説明して貰う。承諾してくれたので、周りに結界を張ることを許可して貰う。
「只手がかりが、剣一振りだけは捜索、難しいですね……」
「ええ、済みません」
 と、約一名の存在を忘れて加登脇と会話している。
「おい、てめぇ、俺のこと忘れてないか?」
 男が怒り口調で辰一に言う。
 そこで間の抜けた一言。
「将ちゃんいたの?」
「あのなぁ見たらわからんのか!」
 門屋家直伝の「うめぼし」を辰一にみまった。
「痛いよ!将ちゃん」
「だまれ!この天然が!」
「喧嘩はよして下さい!」
 少年の声で着流しと天然宮司は沈黙。
 咳一つして、
「僕は、術者を捜すから、将ちゃんそっち任せたから」
 と、言い残し辰一は去っていった。
「楽しい親戚みたいね」
 加登脇は少し笑っていた。

2.手がかりを
 まず、智恵美と蓮也は加登脇に聞きたいことがあった。一枚の写真をみせる智恵美。それは過去通り魔事件の真犯人である「紅一文字」だった。
「こういう形をしていませんでした?しかも紅く」
「いえ、其れではないようです。呪術に使うには不思議で4尺3寸と大きいモノですが」
「ではコレと無関係なんですね」
 まず「紅一文字」と恵美の関係は無くなった。
「何故、剣なのでしょうか?」
「其れが分かれば苦労しないですよ、智恵美さん」
 智恵美、蓮也は唸る。
 亜真知も呪詛の悪化がないか調査しながら、本体の星船で“術者”の手がかりを捜していた。
 恵美がどれだけ怪奇現象に関わっていたのか分からない門屋は、恵美の額に手を添える。するとみるみる彼女の表情が和らいだようだ。
 ――これぐらいか俺に出来るのは。
 遮那は、何か無いか、タロットで「視る」事に。小アルカナも加え、探査の占術を行った。
「“恋人”に“死神”……全て剣?」
 結果は
 ――この呪詛、恋の絆を殺す剣の魔力によるモノなり
「まさか、アレは完全に消滅したはず……」
 遮那は呟いた。
 周りにいる全員は首を傾げる。
「済みません、三下さんを……呼ばなくちゃ」
 電話を借りあやかし荘に電話する。三下も飛び出したかったが、留守番を任されている。
「魔剣の調査していましたよね?」
[え?あ、はい其れが何か?]
「急いで其れを全部井ヶ田総合病院のFAXかメールで送って下さいお願いします!」
[あ、わ、わかりました!待って下さい!]
 遮那の気迫で驚く三下。
 
「何か分かったのか?」
 蓮也が尋ねた。
「恵美さんが剣に関わる事件は一度ありました。魔剣に斬られたという」
「え!?」
 かなり前の話しですと遮那は語る。
 ――ソード・オブ・ラブ・スレイヤー。恋人殺しの魔剣。あやかし荘で行われたクリスマス会に、ある勘違い君が引き起こしたデスマッチで三下が使った剣。遮那が、剣の“良心の魔力”と共に時間を巻き戻し“無かった事”にしたのだ。しかし、其れによって“魔剣がまだ生きている”のではないか?そして、怪奇現象で乱れたこの「世界」に於いて残留魔力か、其れを過去“知っている”術者が悪意で恵美を呪っているのだろうか?
「なるほど……そう言うことがあったのですか」
 亜真知は呟いた。
 ――長時間広範囲の空間と事象を巻き戻すたび、別の平行世界が出来る。
 と、あやかし荘に住んでいる“父様”とからかっている神が言っていた。個に対して巻き戻しはその現象は稀であるが、広範囲で全体を巻き戻し“無かったこと”にすると1以上の“無かったことが実現する”平行世界を構築するきっかけとなると。そして、必ずその出来事が何かの形で再現されるのだ。
「この事実を知っているのは僕しかいないはず……」
 遮那は何故と言わんばかり呟いていた。
 無かったことが、再現されようとしているのか?
 恵美の力になれないのか……、不安になっていた。
 
 一方、辰一は式神勘五郎に匂いを追い、あやかし荘から手始めに術者を捜している。
「なぁ、旦那。わい、犬じゃないんやけど」
「うるさい!何か心当たりあるだろ?」
「こうも、霊的地場が混沌としていると……かぎ取れるモノなど……あれ?」
「どうした?」
「時間の歪みがありまっせ」
「歪み?」
「ま、あやかし荘やさかい、有っても不思議ではないやろうけど」
「う〜ん」
 時間に関しての陰陽道は少ない。あっても“普通”の人間の手には負えないものだ。陰陽師は退魔と霊の使役に長けている部類なので、こう歪な魔力として探知できるとはいえ理解の範疇を越えている。
 連絡した方が良いと判断した辰一は連絡用の式神(コレも猫)を親戚に送り、念入りにあやかし荘を調べることにした。正直、入りたくない辰一であるが……(メイド服事件でトラウマになっている)。
 調べている間に、また連絡式神が戻ってきた。
「え?過去の魔剣?」
 連絡式神はこくこく頷く。そしてペンペン草の間にとことこと向かうのだった。
「一体何があるんだ?」
「わからん。三下はんが術者とは絶対無いやろうし」
 勘五郎は首を振って答える。
 そしてぺんぺん草の間で三下に事情を話して中に入れて貰った。
「先ほど奉丈さんに言われ、過去魔剣を調べていた資料を送っていたんです」
「そうですか……」
 いまは17歳の少年になっている三下が言うことに頷き、資料をみせて貰う辰一。
 様々な忘れ去られた曰く付きの魔剣などが記述されている。連絡式神からではソード・オブ・ラブ・スレイヤーと言うものだと聞いている。何故そうなのかは遮那が突き止めた。単に偶々、三下がコレを調べていただけである(実際は彼が使って恵美を斬った事実が無くなっただけだが。遮那以外は記憶を無くしているのだ)。

 星船で調べている亜真知は、あやかし荘の開かずの間に異常空間を発見した。其れを眺めてみる。
「え?この世界?」
 1人の男が剣を持って、数ある親しい(?)友人達を斬り殺している。場所はあやかし荘。その中には嬉璃や歌姫、もちろん今まで出会った人々……つまりは自分も含まれていた。
 その男は三下忠雄だった。狂戦士として鍛え上げられた肉体になっているが、目は虚ろ……周りは荒野。手には遮那が教えてくれた魔剣だ。しかし、恵美の死体がなかった。
「父様が言っていた通りの……呪詛と言うより……“事象再現”でこの世界と今の世界がリンクしているの?」
 仮の肉体である現世の亜真知は、皆の前で転移術に姿を消しあやかし荘に向かった。
「異空間……平行世界に犯人を見つけました!」
 と、言い残して。

3.運斬(さだぎり)と……智恵美の言葉
「要するに、魔剣は恵美を斬る運命にあると……言うことか?」
 と、蓮也が呟く。
 遮那がコクリと頷いた。
「ならば、その“時間的運命”を此で断つ」
 傘から小太刀を出してきた。
「運斬(さだぎり)……運命という糸は無数にあるんだ」
「其れで、過去の忌まわしい出来事を完全に“無”に出来るんだ?」
「ああ、しかし、下手をすれば彼女の運命……命の道筋さえ斬りかねない危険な事だ」
「……」
 遮那はまだ本当に恵美の力になっていない気がする。
「僕がなんとか、その道筋を調べてみます。夢見を使って」
 遮那は簡易ベッドを借りて、能力「夢見」を使うため深い眠りに落ちた。
 そのリンクは加登脇がしてくれると言う。
 智恵美と門屋はもしもの為に治療班として残っている。
 只智恵美は別の何かを視ているようだ。
 

 夢の中に入った遮那は驚きを隠せなかった。
 まさに、あの時の再現が彼女の夢で起こっている。
 魔剣を持って襲いかかる凶暴化した三下に逃げる恵美。周りは止めようとした者の死体。
 血生臭く、荒野で剣を振るう三下だ。其れは三下であるが、決定的に違う点がある。
 ――年齢と体格だった。
 筋骨隆々の三下なんて滑稽すぎる。此は術者の作り出している純粋な魔力ではないだろうか?
 時間流をコントロールしたときまだ残留魔力が残っていたのだろうか。それがこのような結果になったのか?それとももしもの世界に術者がこの世界まで干渉しているというのか?
 ――奉丈遮那さん……己を責めちゃだめですよ。
「?」
 ――今はあのもしもの世界からの力を止めることです。
 どこかで訊いた女性の声だった。
 遮那は真剣な顔つきでタロットの1枚を取り出す。
「世界を意のままに!」
 “世界”のカードを掲げ唱える。夢見の中でもこの術は作用できる。其れは想い人のためなれだ。
 しかし、そう長時間支配できる事ではない。急いで、糸口を探すために、凶暴化している三下に近寄る。
 世界で“操作”することで全ての動きは止まっている。現実の方はどうか分からない。
 やはり、“死神”のカードが魔剣に反応していた。
 この夢を運命の糸に変換する……
 しかし、まるで時限爆弾のようにかなり複雑に絡み合っている。下手に
現実世界では其れを見た蓮也が唇を噛んでいた。後継者といえど、これほどまでの絡んだ運命の糸から魔剣自身の呪詛を切り離すのは初めてだった。
 不意に智恵美が一言。
「右から5番目……D−014とT−999をゆっくりほどいて遮那君」
 と……。
 夢の中にいる遮那は智恵美の声を聞いて、従う。
「そこから、“剣の1”で剣を作って、A−001とB−365を斬るの。其れは全く運命に関わらないダミーだから」
「智恵美さん?」
 驚きの声を上げるその場の者たち。まるで全てを知っているような口ぶりだ。
 遮那が従った方法で斬る。するとそこから大きな2本の漆黒の糸が飛び出してきた!
 同時に遮那の結界が解ける。
「しゃ……遮那君!」
「恵美さん!」
 彼は冷静になって……暴れる2本の糸から恵美の手を取り逃げる。
 ……恵美を襲う魔剣の糸。1つはこの世界のもの。もう一つが……別の世界の“術者”だと分かった。
「今です!御影さん」
「此なら“斬れる”!」
 蓮也は集中し、糸を更にイメージする。既に絡みは遮那がほどいてくれていた。いや、智恵美があの呪詛が必ずほどけるように教えたのだ。
「此処だ!」
 運命の糸を斬るため……恵美の胸に運斬を突き刺した。
 一気に呪詛のエネルギーがほとばしる。其れを智恵美が術で抑え込んだ。
「平行世界からの干渉ですね……修羅とかした三下さん……いえ覚醒した魔剣が居る世界……しかしその世界には斬るべき人がいなかった。だから隣接したこの世界の恵美さんを……」
 と、智恵美が呟いた。
 恵美の顔色は良くなっていく。胸に刺されたはずの運斬の傷は全くない。
 そして遮那も夢の世界から戻ってきて起きた。
 ――あとは、現地に向かった者が無事であることを祈るしかない。


4.決戦
 平行世界の荒野
 ――なんて事だ……。
 三下……いや魔剣は苛立った。呪詛が“解呪”されたからだ。
 ――この者が想い焦がれる者を斬り刻むことができぬとは。
 呪詛を行使した平行世界の魔剣“ラブ・スレイヤー”。三下という肉体はあくまで剣を振るうための道具。
 ――ならば、あの世界に向かって。
「そうはさせませんわ!」
「全く、はた迷惑な魔剣ですね……正直此処とは関わりたくないのに」
「おとなしく成仏しろや、剣」
 あやかし荘に向かっていた、亜真知と辰一、式神の勘五郎だ。残留魔力を頼りに開かずの間を見つけたのだ。
 ――ち……来たか。お前達から始末してやる。
 魔剣・三下は常人では考えつかない速さで間を詰める。勘五郎が迎え撃った。
「魔剣自身に知恵があるのは存じてましたが、過去に聞いた“紅一文字”以上のポテンシャルですわ」
 亜真知は理力結界を行使し、この“世界”を崩壊することを決めた。もし、魔剣が自分の世界に入ってくれば、自分たちが住む世界も荒野と化してしまうだろう。
 勘五郎の戦闘力を辰一がフォローする。強化、幻影、四神召還と。
呪詛を長く使っていた魔剣は弱くなる一方だ。しかし、此処は魔剣の世界故、疲れ知らず。徐々に此方の体力が削られてしまいそうである。
「本体が剣なのに!」
 辰一は焦った
「旦那!危ない!」
 式神が、猫パンチで主人を吹っ飛ばした。
「え?こら〜!」
 その直後、式神猫が魔剣に斬られる。
「いったー!なにすんねん!」
 事前対応で傷は治っていく式神猫。
 ――猫の分際で!
 魔剣は怒り心頭だ。勘五郎は如何にも魔剣をバカにしている態度をとり続け相手している。
 それが、亜真知にとって助かった。
「森羅万象!」
 この世界を書き換える奥の手を発動させた。
 即ち……魔剣の支配下の世界を一時的に占領し法則を書き換え「魔剣の力の供給源」を勘五郎に移し替えたのだ。
 ――な、この小娘ぇ!
「邪悪なる者にそんなこと言われたくないですわ。恵美さんを呪い殺そうなんて平行世界の住人でも許せない!」
 亜真知は本気で怒っていた。因みに書き換えは元の5倍である。
「おおきに嬢ちゃん!」
 勘五郎はめきめきと強くなる。
そして、弱くなった魔剣を猫がじゃれるがごとく(猫なのだが)痛めつけ、魔剣をかみ砕いた。
 ――!!
「まずっ……っぺ」
 勘五郎の仕留めぜりふ。
魔剣の存在が無くなったが世界はそのままのようにみえる。しかし……繋がりと、亜真知の術の歪みで徐々に消え去ろうとしていた。
 いや…世界が離れていくのだ。遠いどこか。交わらない所へ。
「世界さえも此処まで移動させるとは……怖い魔剣ですわ」
 亜真知は六畳間になった部屋で呟いた。
 辰一はと言うと、一仕事おえたので勘五郎を小さくし、さっさっとあやかし荘から出て行った。彼は、あやかし荘の住民と関わり合いたくないらしい。


Ending
 恵美の体調は徐々に良くなっていった。遮那は退院まで付き添いたいと言う。加登脇はにっこりと一緒に泊まって看病したらと特別許可をくれた。赤面する遮那。
「え?え?」
「大事な人が側にいた方が回復早いのよ」
 加登脇がクスリと笑う。
 何故?分かったのかな?と疑問に思う遮那だが……直ぐに分かって更に赤面する。
 人の心を癒す精神科医の加登脇や、臨床心理士の門屋にとって分かるものだ。
「門屋君、智恵美さん此処は二人っきりにしてあげましょう」
「ええ、そうですね」
「そ、そうですね先生」
 と、女性二人はにっこりと、門屋と御影はニヤリと笑って去っていく。
 ――ああ!もう!皆冷やかすんだ!
 心の中で叫ぶ遮那。
 丁度恵美が目覚めた。
「また、遮那君に助けられちゃった。ありがとう」
「いいえ、恵美さん。僕だけではどうしようもなかった」
「ううん、遮那君が必死に私を助けてくれたの」
 恵美は遮那の手を握って離さなかった。
「恵美さん」
 ――今の2人に言葉は要らなかった。

 智恵美は息子の電話で「仕事が終わったなら急いで戻ってきて下さい。先生の所やゲームセンターによっては駄目ですよ!」と怒られたので渋々帰ることに。
「では皆さん又今度〜」
 ――何が今度だよと突っ込みはなしで。
 病院の入り口には門屋と加登脇しかいなかった。野猫が通り過ぎるぐらいである。
 夕日が綺麗で。明日は晴れだなと思っている
「あのさ、あんた……だいぶ昔……俺がガキの頃に会ってねぇ?」
 と、憧れの女医に訊いた。
 加登脇は、クスリと笑った。門屋は覚えているこの印象的な笑顔。
「ええ、会ってるわよ。将ちゃん」
 加登脇の言葉だった。
「え?将ちゃん……其れは親戚かあの人ぐらいしか……」
「まぁ普通なら50歳ぐらいになりますからね♪」
「じゃーえーとっ……えぇ!」
 少し混乱する着流し白衣。
「やっと、思い出してくれたのね。将ちゃん」
 自分より背の高くなった能力制御治療した少年の頭を撫でる女医。
 不死ではないが不老の不思議女医。何年生きているのか分からない謎多き人。
「あ、先生、俺……今更だけど……」
 どもる着流し。
 何を言うのか待っている加登脇。
「お久しぶりです。先生に会いたかった」
「はい、お久しぶり」
 2人は本当の再会を果たし、強く握手した。

End

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【0506 奉丈・遮那 17 男 高校生・占い師】
【1522 門屋将太郎 28 男 臨床心理士】
【1593 榊船・亜真知 999 女 超高位次元知的生命体・・・神さま!?】
【2029 空木崎・辰一 28 男 神職/門屋心理相談所事務員】
【2276 御影・蓮也 18 男 高校生 概念操者】
【2390 隠岐・智恵美 46 女 教会のシスター】


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■         ライター通信          ■
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滝照直樹です。
「恵美が入院!?術者を捜せ!」に参加して下さりありがとうございます。
皆さんかなり能力を持っていたり、コネがあったりと、どう纏めるか悩みました。

 犯人は本文のように、初めての仕事だった「あやかし荘のクリスマス」に出てきた魔剣「ソード・オブ・ラブ・スレイヤー」でした。私の作品で因幡恵美が関わったものでは、この一振りの魔剣と思います。
本文中でも述べていますが、パラレル世界が生成される事、時間を巻き戻したとき、その事柄は何かの形で再現されるものでした。
 
 皆様、今回お疲れ様です。
 又機会が有ればお会いしましょう。

滝照直樹拝