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<東京怪談ウェブゲーム 神聖都学園>


調査コードネーム:結成! 絵梨佳クラブ!!
執筆ライター  :水上雪乃
調査組織名   :神聖都学園
募集予定人数  :1人〜3人

------<オープニング>--------------------------------------

 七不思議のない学校はない。
 これは、定説のようなものである。
 学校の建っていた場所は、元々は墓地だったとか。処刑場だったとか。
 すべて本当だったら、たして広くもない日本の国内は墓地と処刑場だらけだが、こういう話は事実を追求するのが目的ではない。
 ようするにニギヤカシだから。
 この神聖都学園も、むろん例外ではない。
 むしろ七つどころか、七〇〇〇個くらい不思議がある。
 曰く付きの学校なのだ。
 なかでも、一番の曰くは、
「にゃははははー☆」
 廊下で奇天烈な笑い声をたてている芳川絵梨佳だろう。
 なにやらでっかい看板なんぞ持っている。
「絵梨佳ちゃん‥‥もっと静かに‥‥」
 たしなめるのは鈴木愛。絵梨佳の一年先輩で高校一年生だ。
 見目麗しい美少女なのだが、この爆弾娘と知り合ってしまったのが運の尽き。
 探偵クラブなどという、わけのわからない団体の旗揚げに付き合わされる事になってしまった。
 この学校では、有志が三人以上いて、正規の手続きを踏めば、クラブとして認定されて部室ももらえる。
 ちなみにもう一人のメンバーは、
「あたし佐伯飛鳥っ! よろしくねっ!!」
 この、ヤケに自己主張の強い少女だ。
 年齢は一〇歳。
 初等部の児童である。
 小中高と、それぞれからメンバーが選出されている。
 もちろん、選挙で選ばれたわけではない。
 絵梨佳と仲が良かったので巻き込まれたのである。
 まあ、べつにふたりとも嫌がっているわけではない。なんだかんだ言いつつも友達なのだ。
「まずは、部員を増やさないとねー」
 彼女好みにレイアウトされた探偵クラブの部室で、絵梨佳が言った。
 どこぞの貧乏探偵の事務所みたいである。
「そうね‥‥それに依頼が来ないと話にならないし‥‥」
「チラシ配ろうーっ」
 愛が小首を傾げ、飛鳥が一応、提案をする。
 もっとも、彼女らは市井の探偵ではないので、チラシにどの程度の効果があるのかは疑問だが。
 だいたい、浮気調査だの潜入捜査だの、学生探偵にできるはずがない。
 と、そのとき、
「あのぁ‥‥」
 部室の扉が開く。
「へいっ! ぃらっしゃい!!」
 勢いよく飛鳥が出迎えた。ハチマキをしていないのが不思議なほどだった。

 こうして探偵クラブの初仕事がきまる。
 内容は、旧校舎近くに時々落ちている白い羽の謎を解く。
 ハトの羽ではなく、どう見てもカラスのものなのだが、何故か真っ白なのだ。
 不気味がるものもたしかにいるが、一部 生徒の間では、幸運の羽とよばれている。
 欲しがって、ケンカ沙汰になったこともあるようだ。
 どこから落ちてくるのか、何の鳥の羽なのか。
「初仕事っ! びしっときめるわよっ☆」
「ぉ〜」
「おーっ!」
 対照的な部員ふたりが唱和した。








※神聖都学園初進出です。
 どうぞよろしくお願いします。
 今回は、部員集めと謎解きの同時進行です。
※水上雪乃の新作シナリオは、通常、毎週月曜日にアップされます。
 受付開始は午後8時からです。

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結成! 絵梨佳クラブ!!

 木漏れ日が、各所に陽溜まりを作っている。
 学園の森。
 穏やかな午後。
 熱気を孕んだ風は木々の間を吹き抜けるうちに冷まされ、なんともいえない清涼さをプラスされる。
「良い気持ちねぇ」
 シュライン・エマが、大きく伸びをした。
 目前にたたずむのは古い洋館風の建造物。旧校舎である。
 あちこちが傷み、蔦が這い、ちょっとしたお化け屋敷のようだ。
 夜に訪れたら、けっこう怖いだろう。
「廃墟〜〜」
 なんだか楽しそうにしているのは芳川絵梨佳。
 探偵クラブとかいう怪しげな団体のリーダーである。
 この絵梨佳と、鈴木愛、佐伯飛鳥の三人で新しいクラブを立ち上げたのだ。
「許可した学校の勇気に敬意を称するよ‥‥」
 守崎北斗が呟いた。
 まあ、たしかに一理ある意見だが、手続き上はちゃんとしているので、神聖都学園としては許可せざるを得ない。
 まだ顧問がついていないのは、もしかしたら押しつけあっているのかもしれない。教職員同士で。
「あー! なんか北斗さんがしつれーな事を考えてるっ!!」
 んがーっ、と、襲いかかる小学4年生の飛鳥。
 元気がありあまっている。
 絵梨佳の二倍くらいだろうか。
「うにゃっ!?」
 後ろから襟首をつかまえるのは、五降臨時雨。
「にゃー」
 ぢたばた。
 身長差が、なんと八〇センチ近くある。
 捕獲された悪戯子猫みたいだった。
「暴力は‥‥いけない‥‥」
 諭したりして。
 草食獣のような優しげな瞳。大きな手が小学生の頭を撫でる。
 なかなかにアットホームな光景であった。
「アメリカンホームドラマのようである」
 評するのは、亜矢坂9すばる。
 あまりにも奇天烈な名前の少女だが、無頓着を絵に描いてコンピューターグラフィックで動かしたような絵梨佳が、そんなものを気にするはずもなかった。
「どこがアメリカンなんだか‥‥」
 神崎こずえが、げっそりと呟く。
 愛の知り合いだけあって、パーティーの中で数少ないまともな人間である。
 より正確にいうなら、彼女も全然普通ではないが、なにしろ周囲が周囲だ。多少のおかしさは気にならなくなってしまうのだ。
「‥‥人選がどうかしているってのは禁句なのかしらねぇ」
 内心で嘆息するシュラインだった。
 八人も集まって、ツッコミ担当はシュラインとこずえのふたりだけ。
 ハリセンを用意しておくべきだったかしら。
 交わされる視線が、そんなことを語っていた。


 さて、どうして彼らが学園の森などを訪れたかというと、
「探険ツアー」
「ちがうっ!!」
 さっそく路線を変えようとする絵梨佳に、こずえがびしっと裏拳ツッコミを入れる。
 俯角四五度から、絵に描いたような美しさだ。
「そう。我々は、青い鳥を探して、地上の迷宮へと、足を踏み入れるのであった」
 変なナレーションを入れるすばる。
「青くない青くない。白だって」
 一生懸命、軌道を修正しようとするシュライン。
 怪奇探偵と行動を共にしているときの、四倍くらい疲れる。
 もう年かしら‥‥。
 なんとなく背中を煤けさせるシュライン。
 ぽむぽむ、と、五降臨がその肩を叩いた。
 交わされる視線。漂う哀愁。
 まあ、一〇代に混じった二〇代など、こんなものである。
「でもよー カラスくらいの大きさで白い羽の鳥なんか、いくらでもいるぜー」
 世にも珍しくまともな意見を言う北斗。
 さすが雑食忍者の称号は伊達ではない。
 ともかく、彼らは幸運をもたらすという白い羽の秘密を探りに、旧校舎のある森まで足を運んだのだ。
 ちなみに建物自体は立入禁止である。
 老朽化が激しく、あちこち腐っていて危険だからだ。
 ただまあ、禁止されればやりたくなる、というのは人間の本質のようなモノで、旧校舎を使用した怪奇ツアーなどは、けっこう生徒たちの間でおこなわれている。
 そしてごくたまに、事故などが起きるわけだ。
 学園側としては、さっさと取り壊してしまいたいのだが、いろいろ問題があったりする。
「‥‥取り壊しをしようとすると事故が起こって工事の人が怪我をする、という噂もあります」
 愛が言った。
 しかし、それはしょせん噂である。
 実際に、学園サイドは取り壊し工事の、「こ」の字すらおこなっていない。
 というのも、取り壊し案が出るたびに反対されるからだ。
 卒業生たちに。
 この校舎は、昭和の三〇年代まで使われていたのだが、ようするに、ここを巣立った学生たちが、取り壊しに断固反対するのである。
 署名まで集めたりするのだからタチが悪い。
 大切な思い出を壊さないで、というわけだ。
 思い出が大事なのは判るが、かといって維持するための金を出してくれるわけでもない。
 かくして学校法人神聖都学園は、このうすらでかい金食い虫の旧校舎を保存しているわけである。
 むろん、積極的に維持する意思もないし理由もないから、補修などは最低限度だけ。
 まあ、ゆっくりと時間をかけて朽ちてゆくのに任せている、という言い方の方が印象としては正しいだろう。
 そして、この朽ちかけた校舎にこそ、ミステリーがあるのだ。
「ま、そかな大袈裟なもんでもねーけどなー」
 頭のうしろで腕を組み、両足を投げ出すようにして歩く北斗。
 忍者の割には警戒感も緊張感もない。
「とりゃ」
 みょうに平坦なかけ声とともに、すばるが足を払った。
 顔面スライディングを決める雑食忍者。
 湧き上がる無責任な拍手。
「なんばすっとですかっ!?」
 がばっと身を起こして、噛みつかんばかりにすばるに迫る。
 押したおさんばかりだったら、なかなかヤバ目な光景だ。
「恋占いは乙女の秘密。軽く見ると大怪我をする。と、この本に書いてある」
 すっと小冊子をみせる変な名前の少女。
 神聖都学園の歩き方、と、表紙に書いてあった。
「小道具かよっ! 代田さましかっ! お前はっ!!」
 いきり立つ忍者。
「それは‥‥ちょっとあぶない‥‥と、おもう‥‥」
 ぼそぼそと言う黒ずくめの大男。
 むろん、一顧だにされなかった。
「恋の願掛けなわけね。よーするに」
 こめかみを押さえるこずえ。
 ことあるごとに横道に逸れるせいで、話がまったく先に進んでくれない。
 困ったものである。
 両肩にのしかかる疲労感に耐えながら、こずえが要約してみせる。
 女子学生というのは、占いとかおまじないとかが大好きである。
 まあ、ハシカみたいなもので、誰でも一度くらいは経験があったりするのだ。
 それだけなら放っておいても大過ないのだが、中にはものすごい勢いで熱中する娘もいる。
 大人や男性には、なかなか理解できないことではある。
 いずれにしても白い羽の奪い合いは現実に起こったし、学園内での窃盗やイジメにまで発展したケースもある。さすがに放置しておくのはまずいのだ。
 まして、朽ちかけた旧校舎近辺での羽探しなど危険きわまりない。もし中に入って事故などが起こったら大変だし、さらに、こんな人気のない場所にちょくちょく女の子がやってくるのは違う危険だってある。
 女性を性犯罪の対象としか見ないような下劣な男は、どこにだっているのだ。
「つまり、落とし穴が用意されていたりするのである」
「わけあるかっ!!」
 ところかまわずボケるすばるに、こずえが音速でツッコミを入れた。
 まあ、良いコンビといえるだろう。
「夢を壊すのは可哀相だけどね。なんかあってからじゃ遅いから」
 肩をすくめるシュライン。
 怪奇探偵の相棒として、幾多の難事件怪事件に挑んできた彼女である。
 リスクマネージメントというものを、しっかりと心得ている。
 用心していて何もなかったときは笑い話で済む。だが、油断しているときに何かあったら笑えないのだ。残念ながら。
「実際‥‥御利益なんかない‥‥と思う‥‥」
 ぽそぽそと五降臨が言った。
「そりゃそーだ」
 北斗が応える。
 羽だろうと仏像だろうとサバトの山羊だろうと、そんなものに御利益があるはずがない。あるとすれば、信じる力、というやつである。
 思いこみ、といっても良い。
 人間の場合、これがけっこうバカにならないのだ。
 できないと思っていれば、どんな簡単なことだって失敗する。
 逆に、信じることによって実力以上の力を出せたりもするのである。
 具体的にいうと、野球の守備などで「ボールが飛んできたら嫌だなぁ。僕のところに来ませんように」と考えるタイプの者と、「よっしゃ! 俺んところにこいっ! ナイスプレーを見せてやるぜ」と思っている者、どちらがエラーをしにくいかという話だ。
 必要以上に失敗を恐れたり緊張したりすると、良い結果はなかなか出ない。
「羽にも、そんな思いが込められているのかもね」
 少女期を思い出したのか、くすりとシュラインが微笑した。
 大好きなあの人の前で、上手く話せますように。
 真っ赤になりませんように。
 勇気を出してデートに誘えますように。
 OKしてくれますように。
 乙女の願いはつきないものだし、それがパワーになってどんどんキレイになっていったりする。
「歳を取ると、思い出話が多くなるものであるがぶっ!?」
 余計なことを言ったオロカモノが、瞬殺の踵落としで沈む。
「雉も鳴かずば撃たれないのに‥‥」
 シュラインより一歳だけ年少の五降臨。
 苦笑と微笑の中間のような表情で、地面でぴくぴく動いているすばるを回収した。
「おっ」
「あ‥‥」
 馬鹿なことをやっている面々の頭上。
 青空を白い羽が舞う。
 飛鳥と愛が飛び跳ねつつ手を伸ばす。
 ひらひらと踊る羽。
 まるで天使が落としたように、唐突な出現だった。
「羽音は‥‥聞こえなかったわね‥‥」
 やや緊張した面持ちで、シュラインが周囲に視線を送る。
 こずえが愛を、北斗が絵梨佳を、五降臨が飛鳥を素早くガードする。
 このあたりはさすがの実戦感覚。
 もっとも、
「なにやってんの北斗っち?」
「どうしました?」
「時雨ちゃん邪魔〜〜」
 守られる側はこんなもんだ。
「ひとそれを、性格の不一致というのである」
 どこまでもマイペースなすばるだった。
 哀しいかな、だれもツッコミを入れてくれなかった。
 ふわりふわりと、羽が地面と口づけする。


「‥‥なるほど、な」
 警戒を解かぬまま羽を拾った北斗。
 納得と拍子抜けの表情を浮かべて、仲間たちを振り返る。
「見てみなよ。一発で謎が解けるぜ」
 こずえに手渡される白い羽。
 次々とメンバーの手へと旅を続ける。
「幽霊の正体みたり枯れ尾花、か」
「それが‥‥一番おおいから‥‥」
 シュラインの溜息に、五降臨が反応した。
「なになに? なんなの?」
 抗議の声をあげる絵梨佳。
 飛鳥と愛も、小首をかしげている。
 さすがに彼女らには判らないのだ。
「あれよ。白い羽の正体は」
 すっと上を指さすこずえ。
「雲の上では天使たちが自分の羽を使って反物を織っているのである。けっしてこのふすまを開けないでくださいねなのである」
「ちがうわっ!」
 せっかく決めようとしたシーンを邪魔され、こずえがいきり立った。
「それもちがうわっ!!」
 わがままな娘である。
「‥‥‥‥」
 がっくりとうなだれる少女。
 何故か勝ち誇った顔で、すばるが肩を叩いてやった。
 美しい友情である。
「どーでもいいけど、自分でナレーションいれるのはどうかと思うぞ」
 心の底から、北斗が忠告した。
 ちなみに、こずえが指さしたのは雲の上ではなく、旧校舎の屋上だ。
 より正確にいうと、屋上に設置された浄水タンクである。
「ま、そういうことね。確認にいってみる?」
 肩をすくめたシュラインが提案した。
「あまり‥‥いいものはみれない‥‥けど‥‥」
 一応は忠告する五降臨。
 その表情がやや不分明なのは、年少者たちの気持ちを慮ったかもしれない。
「ごーごー☆」
 元気いっぱいの飛鳥。
 彼女がげっそりとするまで、三〇分は要さなかった。
 八人の探偵団は旧校舎に忍び込み、浄水タンクの上に昇って、亀裂から中を覗きこんだのである。
 給水などとっくにストップされているが、ごくわずかに水が残っていた。
 そして、タンクの底にある、数羽の鳥の亡骸。
「カラス‥‥ですよね‥‥?」
 愛が呟く。
 真っ白なのだが、カタチはカラスそのものだ。
「アルビノってわけじゃないわよ」
「塩素で漂泊されちまったんだな」
 シュラインと北斗が言った。
 腐臭は、ほとんどない。
 白骨化しつつある死体から抜け落ちた羽が、入り込んだ風にあおられ、タンク内に舞っていた。
 これが白い羽の正体である。
 知ってしまえば、とても幸運など信じる気にはなれないだろう。
「せめて埋めてあげたいですね‥‥」
 呟いた愛が、補修用の梯子に手をかける。
「まったく愛さんは‥‥」
 その手を止めさせるこずえ。
 愛がそういう人間だということは判っている。だからこそ友情が成立したのだ。
「下にはあたしが降りるから。ここで待ってて」
 にっこり。
「でも‥‥」
「きにしないきにしない」
 するすると降りてゆく。
「‥‥‥‥」
 五降臨もそれに続いた。


  エピローグ

「いやー けっこー簡単だったねー」
 とあるカラオケルーム。
 乾杯の音頭を取ったあと、暢気に絵梨佳が笑った。
「ほとんど何にもしてないけどな。お前は」
 北斗が頭を小突く。
「にゃはははー 気にしない気にしない」
「少しは気にした方がよいという説も、なきにしもあらずである」
「‥‥お前もな‥‥」
「まあまあ‥‥ふたりとも‥‥」
 険悪になりかけるすばるとこずえをたしなめながら、五降臨がジュースを差し出す。
 なんだか召使いのようにこき使われる大男であった。
 まあ、女性軍の中に入った男性など、だいたいはこんな扱いである。
「でもまあ、何事もなくて良かったわ」
 安堵の息を吐くシュライン。
 じつは絵梨佳のことをロンドンにいる父親から頼まれているである。草間興信所は。今回は怪奇探偵の名代として、また親代わりとして、いろいろ気をつかった蒼眸の美女であった。
 無事にこうして打ち上げまでたどり着けたのは、喜ばしい限りである。
 ただ、解決の度に宴会をするのは、どこぞの探偵の良くない影響かもしれない。
「あ、つぎは私ですね〜」
 歌の順番が回ってきた愛が立ちあがる。
 イントロを聴いて愕然とする仲間たち。
「ほーりーさーんだーふぉーす‥‥」
 誰かが呟いた。
 ばりばりのハードロックである。
 人は見かけによらない、ということであろうか。
 初夏の夜が、賑やかに更けてゆく。



 白い羽の伝説が、その後、神聖都学園で囁かれることはなかった。
 旧校舎の学園の森。
 片隅にいくつかの石が並んでいる。
 まるで墓標のように。
 しかし、誰を慰めるための墓であるのか、それを知るものはいない。














                       おわり


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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】

0086/ シュライン・エマ /女  / 26 / 翻訳家 興信所事務員
  (しゅらいん・えま)
0568/ 守崎・北斗    /男  / 17 / 高校生
  (もりさき・ほくと)
2748/ 亜矢坂9・すばる /女  /  1 / 特務機関特命生徒
  (あやさかないん・すぱる)
1564/ 五降臨・時雨   /男  / 25 / 殺し屋?
  (ごこうりん・しぐれ)
3206/ 神崎・こずえ   /女  / 16 / 退魔師
  (かんざき・こずえ)

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■         ライター通信          ■
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お待たせいたしました。
「結成! 絵梨佳クラブ」お届けいたします。
神聖都学園での初執筆ということになりました。
いかがだったでしょう。
楽しんでいただけたら幸いです。

それでは、またお会いできることを祈って。