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<東京怪談・PCゲームノベル>


☆温泉街での2人は?

 とある温泉街。
「はー気持ちいい」
 茜は温泉でのんびり心と体をいやしている。
「よしちゃん。そっちは?」
「ああ、気持ちいいよ」
 柵越しに声をかける茜にのんびりした声で天然剣客の声がする。
「お節介だな、裕ちゃんは」
 小声で、茜は本音を漏らした。
 何故二人っきりなのか? というと……


「温泉街で依頼?」
 長谷神社で、お茶を飲みながら長谷茜は長髪の男に訊いた。
「そうです。養母からの話でね」
 裕介は落ち着いて話す。
 簡単なこと。温泉街に心霊現象が有るためその調査を行い、質の悪いものなら退魔するわけである。
 しかし、義明の姿は見えない。
「ん〜良いけどね……」
 何か調子悪そうな返事をする茜。悩み事でもあるのだろうか?

 裕介と茜はローカル線に乗り、現地に赴く。話しを詳しく聞いたところ、心霊現象でも厄介なポルターガイスト現象らしい。物は飛んで壊れ、ラップ音が激しいとなると、よほどの怪奇現象を好む人間か鋼鉄の心臓でない限り耐え難いものだ。それの元を調べ退治すると言う具合なのだ。
 駅について宿に向かうと、
「よしちゃん!」
「茜? 裕介さんも?」
 ばったり何故か天然剣客織田義明が居たりするのだ。因みに浴衣姿でフルーツ牛乳を飲んでくつろいでいるあたり、仕事ではない感じだ。
 茜は何かあるなーと思っているわけであるが、口にしない。
「あれ? どうして?」
 驚く義明達。
「心霊調査ですよ」
「ふ〜ん。俺も呼ばれて来たんだけど……1日前に」
 あまり何とも思っていない義明。既に気が付いているのか全く考えてないのか分からない顔だった。
「では、3人で作戦でも練りますか」
 と、話をするために部屋に移る事にする。

「わあ、綺麗……」
 窓に広がる自然に感嘆する茜。
「でも、心霊調査でなくオフで来たかったなぁ」
「嘆かない、嘆かない」
「むー」
 地図を広げ、まずどの付近から心霊現象が有るかを確認する三人。色々意見が出る中で、裕介の携帯が鳴る。
「一寸ゴメン」
 電話をとると、裕介は返事をするだけで直ぐに電話を切った。
「だれ? ってあの着メロは裕ちゃんの養母さんでしょ?」
 茜は言う。
「ええ、そうですよ」
「何かあったの?」
「既に、この心霊現象は他の人に解決して貰ったって連絡が」
「そうなのか」
 裕介の言葉で義明が呟く。
「いきなりの仕事なしになったよー」
「俺もだ」
 がっくりして荷物をまとめようとしたとき。
「お詫びに暫く此処に逗留しても良いそうですよ」
 がっくりしている2人に、裕介が養母からの話をすると、
「いいのかな……」
「ま、こんかいは言葉に甘えて、のんびりしよう」
 とまぁ、この神との接触が多い幼なじみは暫く宿に居ることした。
「俺は別の用事があるんで」
 と、裕介は先に帰ってしまう。


 そして今に至るわけである。因みに義明と鉢合わせしたのは正午。会話で一時間程度。大して時間は食っていない。


「裕ちゃんも居れば良かったのに」
 茜は呟く。
「ま、仕事だろうし仕方ないんじゃない?」
 義明は相変わらずだ。
 とは言っても、もうバレバレである。
 此は芝居なのだ。確かに茜は義明のことは好きだが、わざわざセッティングされるとはと思っていなかった。
 義明は義明で、もらえて得になるなら貰おうという感じらしい。
 温泉からあがり、夕食まで2人でゆっくり温泉の周りを散策していた。
「ね、よしちゃん」
「なに?」
「腕組んで良い?」
「良いよ」
 と、仲むつまじく幼なじみは歩いている。
 茜にとっては進展出来るかどうかのチャンス。しかし、何か引っかかっていた。
 義明の目を見るたび思う。誰かを好きになっているのかも、と。見当が付くあたり複雑だ。
 
「何か考え事か?」
「考えてないもん」
「嘘吐け」
「ないったらないー!」
 と、幼なじみの会話で楽しんでいた。

「そうそう、夕食楽しみだね」
「そうだな。あまりろくな物食ってないし」
「久々に“あーん”でもしようか?」
「おい、久々ってなんだよ?! そんなとしてたのガキの頃(〜7歳)じゃないか!」
「あれ? 中学の時にもやったような〜」
「覚えてない……というかしてない」
 
 甘えてくる茜の可愛さもよいと思う義明。ただ、これからどうすべきか自分でも悩む所である。
 いつも支えてくれている幼なじみにが甘えているのだ。

 少し人気がない所。もうすぐすれば東京では見ることのない星空を眺められる。
「茜」
「なに?」
「夕食のあとに又ここに来よう」
 義明は茜の頭を撫でる。
「うん」
 茜は義明にもたれかかるよう腕を組んで、こののんびり屋の幼なじみと共に宿に向かっていった。


 一方、先に帰ると言って、去っていった裕介は、
「気になるな」
 と無人駅で、缶コーヒーを飲んでいた。既に19時になっている。幾ら、義明と茜の仲を取り持つため、養母と一緒に嘘の情報を使い、あの2人を二人っきりにしたのはマズかったと思った。幾ら天然でも気が付くだろう。
「うまくやっているのか?」
 と、ベンチに横になり、窓から空を見る。綺麗な天の川が見えた。
「明日には発とう」
 そう言って、裕介はまどろみの中に入っていった。

 後日、裕介の自宅に一通の手紙が来る。
「ありがとう」と書かれた茜からの感謝状だった。
 

End?

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【1098 田中・祐介 18 男 孤児院のお手伝い兼何でも屋】

【NPC 織田・義明 18 男 神聖都学園高校生・天空剣士】
【NPC 長谷・茜 18 女 神聖都学園高校生・巫女】

※ライター通信ならぬ、NPCから伝達
|Д゚) 砂糖? 砂糖? 
|Д゚) 違うかもかも
|Д゚) よっしーどうする。これじゃ二……(何者かに☆にされる)