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<東京怪談・PCゲームノベル>


エクスプロイト 〜OMR 【3】
●クリエーター
 何処かのオフィス。もちろん、その為にビルの中に用意されたスペースなのだろう。
 しかし、部屋はかなり広いにも関わらず、置かれているのは机と椅子が一組、パソコンが一台だけだった。
 そのパソコンの前には若いサラリーマン風の男が座り、無言でキーボードを叩いている。
 と‥‥彼は、自分に歩み寄るサラリーマン風の更に歳若い男に目をとめ、手をおいた。
「どうだい?」
「ええ、売れてますよ、拡張キット2。筐体のバージョンアップにあわせて、新規のユーザーも手を出し始めたみたいで」
 何をと言わず問いかけてきた机の前の男に答え、今来た、まるで未成年のようにも見える年若い男が答える。
 しかし、机の前の男は軽く首を横に振ってから、若い男に向けて言った。
「いやいや、パーフェクトの件だよ」
 それならそうと言わない方が悪いと思われるが、若い男は何も気にした様子もなく、喜々とした笑顔で答える。
「あれですか‥‥他のゲームセンターでも出始めましたね。いよいよ、ゲートキーパーも大活躍と言うところですか。でも、あの店ではゲートキーパーの出現はまだだったような‥‥」
「そう。待っているんだけどね。これがなかなか‥‥」
 苦笑しながら言う机の前の男。彼に、若い男は聞いた。
「何故、あの店にご執心なんです?」
「良い店じゃないか。気に入ってるんだ」
 笑みで誤魔化す‥‥と、その時、机の上のパソコンが、小さくビープ音を鳴らした後に何やらメッセージを表示した。
「お‥‥来たようだよ」
 言いながら、男は椅子から立ち上がる。その手には、一枚のエントリーカードが握られていた。戦艦とおぼしき絵とヨルムンガンドの名が刻まれたエントリーカードが。
「初のパーフェクトプレイヤーだし、なかなかレベルの高い店みたいだからね。サービスしてあげないと」
「遊びたいだけじゃないですか。それに、ゲートキーパーで参加なんてしたら、遊びどころかイジメになるんじゃないですか?」
 呆れたように言う若い男の前、男はいそいそと歩き出しながら軽い口調で返す。
「あはは‥‥まあ、そうなるかもな。でも、これくらいで負けてたんじゃ、この先はやってられないさ」

●ヨルムンガンド襲来!
『警告! 警告! 祭祀機ノルンが起動しました! 戦場にムーンゲートが出現します!』
「えーと‥‥」
 ゲームセンターの中に鳴り響く、女性の声をした警告音声の中、筐体の席に座ったSHIZUKUは、カードスロットの中に祭祀機ノルンのカードを入れた直後の状態で固まっていた。
 久しぶりにやってきたゲームセンター。ふと思い出して、前にもらったカードを使ってみたのだが‥‥
 それで、いきなりこうなるとは思わなかった。
 エントリーが終了し、バトルフィールドへの機体転送の後に起きた異変。
 場所は、今回の戦場である海上都市ステージ。
 SHIZUKUの機体、飛行型試作お手伝い猫耳幼女ブリュンヒルデの前には、古代西洋の巫女のような姿の女性型SAIPS‥‥祭祀機ノルンが立ち、その手を天にかざしている。
 祭祀機ノルンが見上げる空には、光で出来た魔法陣のような物が描かれていた。
 そして、その真下‥‥海面を割って黒い巨大な影が現れる。
 同時に祭祀機ノルンはその姿を消し、かわって警告音声が空襲警報のようなサイレンを伴いながら、より緊迫した声を上げた。
『警告! ゲートキーパー、超弩級潜水戦艦ヨルムンガンド出現!』
 海中から現れたのは、一隻の巨大な船。
 ヒュージサイズの機体よりもずっと大きい、まさに戦艦クラスの巨体。それは、ムーンゲートの光の下、静かに海上に浮かんでいた。
 そして‥‥戦いが始まる。

●北
 ゲートキーパー、ヨルムンガンドとの戦いは、北の海上から始まった。
 ゲーム開始直後、何もない海上に姿を現した御影・蓮也のSAIPS『スサオウ』。上半身が人型、下半身が龍の姿をしたヒュージ機体は、ヨルムンガンドの姿をその視界に捕らえながら、すかさず海に潜った。
「なんだ‥‥いきなりか」
 御影は呟き、片頬を笑みに歪める。
 最初からゲートキーパー狙いではあった。そんな自分がこの戦場に送られたのは幸運だったのか‥‥それとも、死に神に呼ばれたか。
 とにかく、御影は最初に決めていた通り、通信機を使って他の参加者に呼びかけた。
「とりあえずゲートキーパーを全員で撃破してから、改めてバトロイしないか? 破壊負傷は自分のせいってことで。戦い方は問わないけど見てみたくないかな? このゲームの先を」
 ゲートキーパーを破壊できなければ、この先を見る事は出来ない。プレイヤー機同士のバトルロイヤルに夢中になりすぎて、ゲートキーパーを破壊できなければ元も子もない‥‥
 しかし、その御影の呼びかけに答える者は居なかった。既に、戦場各所で戦いは始まっているのだろう。レーダーでは、入り乱れて動き回る光点が幾つも見えている。
「仕方がない。とにかく‥‥」
 御影はスサオウを動かし、海中に沈降しつつヨルムンガンドに狙いを定めた。
「でかい‥‥けど、動きは遅いか」
 ヨルムンガンドは巨大さは、ヒュージ機体であるスサオウの機体がまるで子供のように見える程だった。
 しかし、その動きは遅い。
 巨体と動きの遅さから言って、攻撃をかわすなどの小器用な真似は出来ない筈。ならば、桁違いだろう耐久力を如何に削るかが勝敗の分かれ目となるはずだ。
「VFミラージュ、VGランサー、VCセプター、全弾斉射!」
 両腰から、バックパックから、龍尾から合計16発のミサイルが撃ち出され、ヨルムンガンドに突き進む。
 遮蔽物のない海中、そしてヨルムンガンドの動きの遅さ。かわすことは絶対に不可能。だが、
「な‥‥」
 ヨルムンガンドの船体から、同時に4本の火線が引かれた。
 船体の各所から伸びる弾丸の奔流が、ミサイルを次々に絡め取って破壊していく。
 そして全てのミサイルを迎撃しきった直後、ヨルムンガンドの前部甲板と艦首から、合計16発のミサイルが撃ち出される。
 そのミサイルがスサオウを目指してくるのを確認しながら、御影はロングライフル『ドーラ』を構えて撃つ。放たれた銛状の弾丸は、ヨルムンガンドに直撃する。しかし、ヨルムンガンドはさほどそれを気に止める様子もなかった。
 その間にも16発のミサイルは、スサオウを目指してくる。御影は回避運動を取りつつ、胸部のマシンキャノンをばらまく。目前に迫っていた4発を撃墜、更にもう1発を落としたところで、マシンキャノンは弾切れ。
 そして、残る11発のミサイルが、次々にスサオウに突っ込んで来た。

●北東
 北東、チーム・エルファーダ‥‥梅田・メイカのマリンエルファーダと、西洋風の鎧を纏い王錫を持った騎士、夜城・将清の白金卿は、砂浜の上に転送された。
 直後、梅田はマリンエルファーダを西へと走らせる。
『良いのか? そっちにはゲートキーパーが‥‥』
「仕方ないですよ。海に入らなければ、このマリンエルファーダの真価は発揮できません。支援、お願いしますね」
 水中戦仕様のマリンエルファーダを海に入れるには、西に行くしかない。南回りだと、他の参加者の戦いの中に入り込む事になってしまう。
 通信機から聞こえた夜城の声に答を返して、梅田のマリン・エルファーダは砂浜に一本引かれた道上を走っていった。
 それを見送りながら、夜城は白金卿をとりあえずは南に向ける。西の戦闘はレーダーで見るに水中戦になっている様で、ほとんど様子が掴めない。
 今、夜城に出来る事は何もないと言えた。

●中央
 不破・恭華の、マットブラックで鋭角なシルエットを持つ機体、シャドウセイバーは戦場中央の島の上に転送された。
「ここ‥‥三分の一を外しましたか」
 港湾施設らしく、倉庫が建ち並んでいる。しかし、ここは不破の望んだ戦場ではない。島はそれほど広くなく、シャドウセイバーの機動性を生かすには足りないのだ。
 もっとも、西の何もない場所に転送されて最初から海の中という状況も有り得た事を考えると、島に転送されたのは最悪な状況ではない。
 敵は、北、北東、東、南西。
 陸地で戦うなら東へ行かなければならないが、中央と東の陸地との間には海が横たわっている。行くならば、一度、北か南かへ移動し、そこから陸地を目指すことになるだろう。では、どちらのコースが相応しいか?
 市街と道路があるのは北東と南東。東は砂ばかりで、舗装された場所はほとんど無い。
 敵がいるのは北東。ならば、北経由で北東を襲うべきか?
 細い道の上‥‥しかもゲートキーパーのいる所を渡る結果になるが、幸いにも北で行われている戦闘は水中らしい。道を高速で抜ければ、察知されないですむかも知れない。
「では‥‥」
 意を決めて呟き、不破はシャドウセイバーを北に走らせた。

●東
 SHIZUKUの飛行型試作お手伝い猫耳幼女ブリュンヒルデと、宮小路・皇騎の機動銃騎士『タケル』が出現したのは戦場東。砂浜の広がる場所だった。
 そして、目視可能な距離に、このゲーセンではおなじみのメイド少女型SAIPSと、見覚えのある黒い三角形の戦闘機が見える。
『マズー、あれブラックバードだ』
 ゲーム開始前にチームを組んだSHIZUKUの声が、通信機から聞こえる。宮小路は、その声の中に嘆息めいた響きを聞き取っていた。
「それって、この間のパーフェクト達成者?」
『その通り。強いわよ〜、あたしが可愛い兎さんだとしたら、あの人は百獣の王ライオンね』
 変な方向に自信たっぷりなSHIZUKU。まあ、SHIZUKUの下手の横好きぶりは、それほど変わっていないのだから仕方がないのかも知れない。
 正直に言うと、SHIZUKUはフォローを必要としこそすれ、期待をよせられるような所は何もないのだ。
「あら、SHIZUKUさん?」
 ブラックバードの中で、隠岐・智恵美もSHIZUKUの事に気付いていた。
「どれくらい強くなったのでしょう?」
 だから、何度も言うようだがSHIZUKUは、ほぼ最弱のままである。人間、そう簡単に強くなれるなら世話はない。
 まあ、ここで仮にその事を噛んで含めるように教え、説明したとしても‥‥だ。結局、敵機として巡り会った以上、戦うより他はない。
 ともかくも隠岐は、自分の配下の機体‥‥樟葉の田中裕介に通信をつないだ。
「裕介ちゃん、じゃあ早速合体しましょう? ほら、貴方がしたいって言ったんだから」
『あ、ああ、よし行くぞ!』
 通信機から高らかに響く嬉しそうな声。
 直後に、隠岐のブラックバードは吸い寄せられるようにSAIPS樟葉に接近、そのまま若干の変形を経た後にセパレートアーマーのように樟葉に装着される。
『合体、スーパーメイド「樟葉」だ!!』
 田中裕介‥‥彼は新装備の合体機構に目を付け、ついでに母親の隠岐がゲーマーなのでこれを幸いとばかりに誘いをかけ、チームエントリーをしていた。
 もっともその際、データを無駄に使ってグラフィックの質向上をさせたメイド型SAIPSを使っている事をカミングアウトする事になり、隠岐を心底呆れさせることになったわけだが
「‥‥どうして、こんなにメイドさんが好きな子になっちゃったのかしら? 昔は、こんな子じゃなかったのに。憶えてる? 昔、貴方ったら‥‥」
『今、ゲーム中なんだから、昔話は無しで!』
 思い出したくもない昔話をされるのを避けようと叫ぶ田中に、隠岐もまあそうだなと思い直し、今は対処すべき相手‥‥SHIZUKU達の方に注意を向け直した。
「さあ、SHIZUKUさん、行きますよ〜」
 通信機を通してSHIZUKUに言いながら、隠岐は操縦桿を倒す。
 スーパーメイド「樟葉」は、格闘戦を仕掛けるべく、砂地を蹴って歩き出した。
『うわ、合体してる!?』
 SHIZUKUの声が、宮小路の通信機から溢れ出す。
「落ち着いて。ここならこっちの方が優位だ」
 早くも浮き足立っているSHIZUKUに、宮小路は自分達の優位を教えた。
 合体機で有る以上、動きは鈍い。更に、砂地は歩行及び走行の機動力を奪う。
 対して、SHIZUKUのブリュンヒルデはもちろん、宮小路のSAIPSのもう一つの形態、飛行砲撃鳥『ヤタ』も飛行は可能。飛べば、砂地は関係ない。
「本当は対ゲートキーパーのつもりだったけど、敵が合体機ならちょうど良い。大威力の攻撃を掛けるから、気をひいておいて」
『わかった。試してみるね』
 答えてからSHIZUKUは行動に移る。
 何も考えずに真っ直ぐに前へ出ると、果敢にも樟葉へと攻撃を仕掛けた。
「ねこたまーっ!」
 ばらまいた卵形爆弾が、スーパーメイド「樟葉」の表面でパチパチと破裂する。しかし、それは何もダメージを与えない。
「次! ハートエイク!」
 次に撃ち出される小さなハート。そこから撃ち出される針のようなレーザーも、やっぱりダメージには繋がらない。
 あと、武器はチャージ攻撃しかないわけだが、流石に悠長に溜めなどしてられないと判じて、SHIZUKUはここで逃げに転ずる。
 しかし‥‥遅い。タイミングとしてかなり遅く、その時には、樟葉はブリュンヒルデをその間合いに捕らえていた。
 ダッシュで急加速。間合いを詰めてドリルを振る樟葉。そのドリルから放たれた衝撃波が、逃げようとしていたブリュンヒルデの背後を突く。
 対空防御用と言っても良いような技だけに威力はないのだが、それでも超軽装甲のブリュンヒルデにはそのダメージは重く響いた。
「いたたた‥‥」
 逃げ出すブリュンヒルデを操りながら、SHIZUKUは情けない悲鳴を上げる。
 と‥‥その時、一筋のプラズマ光が走った。
 それは、樟葉の構えた盾に突き刺さり、貫いて傷を与える。と同時にブリュンヒルデの逃げる時を稼いだ。そして、
「動きが止まったな!」
 離れ行くブリュンヒルデと入れ違いになるように、樟葉に接近するもう一つの機影。倉塚・将之の十六夜。
 十六夜は、その手に日本刀を握りしめながら、一気に肉薄する。
「見たところ格闘戦機! 楽しませて貰う!」
「‥‥あら」
 隠岐は驚くこともなく、十六夜と対した。
 斬りかかる十六夜。その攻撃にあわせて、樟葉は盾受けを行う‥‥しかし、一瞬、遅かった。
 十六夜の鋭い斬撃が樟葉を切り裂く。舞い散った装甲の残骸の下、樟葉の肌と白い水着が垣間見えた。
「うわ‥‥」
 倉塚は、この樟葉の系列の機体と戦った者誰もが感じる微妙な後味の悪さを感じた。そして、それは樟葉を操る隠岐も同じ。
「あのね、裕介ちゃん。あまり良い趣味とは言えないわよ。コレ」
『ま、まあ‥‥‥‥』
 田中も、微妙な後味の悪さを感じて言葉を返す。これは‥‥そう、親にヌードグラビア誌を見つけられた時のような感じだ。
 自分の性癖を他人に知られるのは嫌なものだが、特に肉親に知られるのは嫌なものである。
 微妙な空気が辺りを満たした‥‥

●南西
 ニシムラ・ミリのSAIPSキケンな刑事・水中派が転送されたのはフィールド南西の島。
 転送される場所はランダムな訳だが、願っていた場所に転送された事で、ニシムラは自分の幸運を確信する。
 しかし、その幸福を感じられたのも僅かな時間の事だった。
「敵は?」
 レーダーを確認。敵は、同じ戦場に2機‥‥しかも、チームエントリーだ。
 チーム名はチーム・ファルセット。
「多勢に無勢? でも‥‥」
 ニシムラは、キケンな刑事・水中派を島の外‥‥海の中へと走らせる。ニシムラの機体は水中用であるし、可能な限り距離をとった方が戦いやすい。
 その動きをレーダーで追い、チーム・ファルセットのリーダー機、超重量級機体アインランツェを駆るファルナ・新宮は、チームの機体、ツヴァイクヴァルツを動かす、護衛メイド・ファルファに告げた。
「水中ですか‥‥これでは、分離していては戦えませんね。早速ですが、合体しちゃいましょう」
 両機に水中用装備は施されていない。水上から水中を狙い撃つような無駄な戦い方をしなければならない理由もない以上、合体して水中戦も可能な状態にするのがベストと言えた。
 アインランツェとツヴァイクヴァルクが互いの距離を詰める。直後、両機は光り輝くドットに解け崩れ、集まって一つになり、新たな機体として再構築された。
 3本の角を持つ甲虫と城砦が一体化したような姿の巨大兵器、機動要塞ドライシャットン。
 その巨体はそのまま前に進み、海に飛び込んだ。青い世界がドライシャットンを包む。
『敵、ソナーに感。10時方向』
「マイクロミサイル発射。2秒空けてヴァルキュリア。直後、大口径荷電粒子砲を準備」
 ファルファに指示を伝え、ファルナは敵が居ると教えられた方向に機体を向けた。薄青い画面の向こう僅かにキケンな刑事・水中派の姿が見える。
 と‥‥ファルファがトリガーを引いたのだろう、ドライシャットンから放たれたマイクロミサイルが水中を走っていくのが見えた。
「ミサイル!? 来るなぁ!」
 ミサイルの接近に気付いたニシムラは、刑事ライフルを振り回して弾幕を張りながら、回避機動を行う。飛来する4発の内、2発を撃墜。残る2発は回避機動をとるキケンな刑事・水中派を追い切れず、見失い、彼方へと飛んでいく。しかし‥‥
「え!? やられた!」
 次の瞬間、キケンな刑事・水中派を何かの攻撃が襲った。威力は小さいが、超軽装甲ではその威力でも馬鹿には出来ない。
 ニシムラは自機の周囲に、水中を高速で飛び回る自律攻撃兵器を見つける。
「こいつら‥‥」
 刑事ライフルの残弾をばらまいて一機を撃墜。続けざまに刑事手錠投げで手錠型の誘導弾を撃ち、もう一機を追尾させて撃墜する。
 続いてニシムラは、刑事バズーカでもって、もう一機を狙った。しかし、砲撃系武器で近距離を高速飛行する小型の敵を落とすのは難しい。放たれた弾体は、狙った自律攻撃兵器には当たらずに飛び抜ける。
「なら、高速で振り回して!」
 ニシムラは高速で水中を泳ぎ、自律攻撃兵器の猛攻を逃れようとする。刑事ライフルが再使用可能になるか、自律攻撃兵器の寿命が尽きるまでは、こうするより他に術はない。
 自律攻撃兵器の放つビームが、キケンな刑事・水中派を次々にかすめる。
「は‥‥スリルあるわ」
『そこまでですわね』
 笑み混じりの丁寧な言葉が、通信機から届く。
 直後、キケンな刑事・水中派の進路を塞ぐように、ドライシャットンが水底から浮かび上がった。
「しまった‥‥」
 声も間に合わず、ドライシャットンの胸部から、大口径荷電粒子砲が光を溢れさせる。その光はキケンな刑事・水中派を包み込み、そして貫く。一気に耐久力を奪われ、刑事・水中派の機体が揺れた。

●会敵
「‥‥重装甲とヒュージの耐久力が無かったら、最悪、これで終わってたか」
 御影は呟く。ミサイルの飽和攻撃は凌いだ。しかし、状況が絶望的なことに変わりはない。
 戦艦を落とすには、高機動型機体による群狼戦術が効果的なわけだが‥‥
 残念ながら、スサオウはヒュージ型であり、動きが機敏とは言えない。それに、同調して攻撃を仕掛ける機体も無いようだ。
 移動速度で分があると言えど、恐らくはこの火力の差を埋めきれる程ではないだろう。
 流石はゲートキーパー‥‥その戦力の高さは、通常のSAIPSと比較出来る物ではなかった。
 それに、反応が良すぎる。まるで、コンピューターではなく、熟練のゲーマーを相手にしているかのような気さえするほどに。
 しかし、ここで逃げ出すことは意味がない。予想通りなら、この敵は距離を取れば取るほど、こちらが不利になるだけだ。
「‥‥相手が戦艦だというなら、接近しての攻撃には弱いはずだ」
 そう判断した御影は、正しい判断力を持っていると言えた。もっとも今の御影の機体‥‥スサオウでは、その戦い方は難しいのではあるが。
「やるしか‥‥」
 思考をまとめたその時、御影は海面から降りてくる機体と、その機体の撃ち放ったチャージ兵器を見た。それは、ヨルムンガンドを貫通し、スサオウにも迫る。
「うわ‥‥プレイヤーキルなんてしてる場合か!」
 思わず声を上げながら、水中に沈み込むことでその攻撃の射線から逃れるスサオウ‥‥
 入れ替わりに降りてきたマリンエルファーダを駆る梅田は、スサオウが海底近くを移動しながら、体勢を立て直すためか、一度戦線を離脱した事をソナーで確認していた。
「ソナーは‥‥動いてる」
 データ改造して水中での索敵能力を上げておいたのだが、ちゃんと動いているようだった。
 敵の位置を、より明確に掴むことが出来る。とは言え、この戦場には紛いようもなく、敵は二人しかいないのだが。
「両機ともヒュージ以上。なら、大火力で押す戦法が有効‥‥とにかく、今はヨルムンガンドが先。でも‥‥」
 マリンエルファーダの最強の武器、イルマタルの直撃を受けてなお、ヨルムンガンドは健在だった」
 梅田は、通信機で言葉を送る。地上に残った夜城へと。
「支援をお願いします」
『支援‥‥いや、わかった。やってみる』
 一瞬、夜城の言葉が濁った。しかし、夜城は支援の件を引き受ける。
 梅田は無言で頷いてから、ヨルムンガンドにもう一度目を向けた。ヨルムンガンドの巨体はそこに存在し‥‥そして、次の瞬間、その前部甲板と船首脇の魚雷発射口から、16発のミサイルを撃ち放つ。
 それが、マリンエルファーダとヨルムンガンドの戦いの始まりを告げた。

●支援者
 白金卿は、その手の錫から4羽の双頭の鷹を撃ち出す。
 海上の細い道を走っていた不破のシャドウセイバーは、その攻撃を頭部バルカンで落とそうとした‥‥が、当たらない。
 誘導弾である4羽の双頭の鷹は、不破が考えたコースを取らず、海の中に入るとそのまま沈んでいったのだ。
「外してる? いえ、リーダー機の支援ですか」
 レーダーを確認してみれば、目の前の機体は部下。リーダーは恐らく、不鮮明な海中に居る者と思われた。
 果たしてそれはその通りで、夜城は海中のマリンエルファーダに支援攻撃を行い続けている。シャドウセイバーという敵が迫っても‥‥なお。
 自機が破壊されても敗北ではない。しかし、隊長機が破壊されれば終わりだ。
 そして、難局に面しているのは、明らかに梅田のマリンエルファーダであり、自機ではない。例え、目の前に敵機に迫られていたとしてもだ。
 何しろ、マリンエルファーダが戦っているのは、このゲームの名にもなっているムーンロードを守る、ゲートキーパーなのだから。
「命有る限り、支援してやるのが仕事なんだ。遊んでやれなくて悪いな」
「なら、貰います!」
 高速で突っ込む不破のシャドウセイバー。
 対し、白金卿は手の錫から無数の風の刃を生み出して迎撃を試みる。
 不破の対人戦への不慣れさから、シャドウセイバーは被弾。速力を落として停止する。
 しかし、ここで白金卿に打つ手が無くなった。押し込めば、シャドウセイバーを落とすこともできるだろう。しかし‥‥
 夜城は、使用可能になった誘導弾を、シャドウセイバーにではなく海に向けてはなった。
 海中に消えていく4羽の双頭の鷹。
 直後に衝撃。シャドウセイバーのビームライフルが白金卿に直撃していた。そして、間合いに踏み込んできたシャドウセイバーが、ブレードを振るう。
「く‥‥」
 後方に退きながら、夜城はチャージを開始。
 しかし、追ってくるシャドウセイバーの方が速い。とは言え、対人戦には慣れていない様子のシャドウセイバーは、動きが直線的で動きの予想がつけやすい。
 夜城は一瞬の隙を突いてシャドウセイバーから機体を離し、黄金の槍を放った。再び海中に。
『目の前の敵の相手をしてください!』
 通信機から届く不破の声。
 同時に、重い斬撃が白金卿を切り裂いた。そして、振り返る白金卿に更にもう一撃。
 夜城は、白金卿に風の刃を撃たせ、至近距離で刃を振るうシャドウセイバーを撃つ。銃弾を浴びながらシャドウセイバーは、ビームライフルを構えた。
 撃ち出されたビームが、白金卿を貫く。
 白金卿は爆炎に包まれ、画面にはGAMEOVERの文字が浮かんだ。
「く‥‥ここまでか」
 夜城は、ゲームの席を立ち、呟く。
「さて、あいつはどうしてるかな‥‥」

●キケンな刑事・水中派 殉職
「ふふ‥‥」
 ファルナは、仕掛けた罠が狙い通りに決まった事を喜び、小さく笑みを浮かべながら、機体を後退させる。
「楽しいですか? ファルファ」
『‥‥マスターが楽しんでおられるなら』
 意味のない問いかけに答える声。ファルナは熱に浮かされた様に顔を紅潮させ、呟く。
「もちろん‥‥」
『まだよ!
 その呟きを消し去ろうとするかのごとく、荷電粒子砲の残光の中から、キケンな刑事・水中派が姿を現した。
『ファイナルブースター始動! もっとキケンな刑事・水中派!!』
 そして、その手の刑事バズーカをドライシャットンに向ける。
「ファルファは攻撃に専念してください。私は防御に回ります」
『はい‥‥』
 言葉少なな答えを聞きながら、ファルナはドライシャットンに3枚のシールドを構えさせる。
 これだけの防御力が有れば、大概の攻撃は無効化出来るだろう。チャージ攻撃を受けても、小揺るぎ一つしない自信があった‥‥だが、撃ち放たれた刑事バズーカの砲弾は、シールドに触れた所で巨大な火球になって膨れあがる。
「グレネード並の爆風!?」
 広範囲の爆風は、シールドでは防ぐ事が出来ない。このゲームでの爆風とは、広がるものではなく、包み込むものだからだ。
 大威力の爆風に包まれ、ドライシャットンはその巨体を揺らした。
 しかし、その姿を見るニシムラは、喝采するではなく苦笑を浮かべている。
「一発じゃダメ‥‥か」
 流石に、一発ではどうと言う事もない。大威力の攻撃だが、装甲防御力で威力を殺がれている。
「でも、確実に削れる武器は手に入れた。まだ、大丈夫!」
 ニシムラは、ドライシャットンから距離をとるべく動いた。
 その動作の最中にも、手錠投げで牽制しておく事を忘れない。その攻撃は、ドライシャットンがばら撒いたパルスビームバルカンの前に爆発、霧散する。
「でも、距離は取れてる」
 ファイナルブースターにより限界を超えたキケンな刑事・水中派とは、速度が違う。
 見る間に距離を離していくキケンな刑事・水中派に、ドライシャットンは荷電粒子砲のチャージを開始した。
「ファルファ。機体は固定しますから、お願いね」
 ファルナはファルファに命じてから機体を止めた。
 水中に停止したドライシャットンに、ニシムラのキケンな刑事・水中派は、移動しながら刑事バズーカによる攻撃を浴びせ始める。
「この速度には対応できないはず!」
 ニシムラは、その速度‥‥ゲーム中最高と言われる速度を超えた速度に勝利を確信する。
 しかし、その速度は、諸刃の剣でもあった。
 ドライシャットンの耐久力は削られていく。
 そんな中、ファルナは冷静に言った。
「相手の速度と移動方向から、1秒後の予想位置を算出。そこに射撃です」
『了解』
 キケンな刑事・水中派の動きは速い。しかし‥‥その速さは、制御できない速さでもある。
 勢い、動きは直線的となり、その行く先の予測もしやすい。では、そこに攻撃を置いておけばどうなるか‥‥
 ドライシャットンの荷電粒子砲が撃ち放たれる。海中に描かれる破壊の線。その線の中に、キケンな刑事・水中派は飛び込んで行かざるを得なかった。
 直後、キケンな刑事・水中派は、爆発炎上して海に沈む。
「あららららら‥‥」
 破壊された自機を見ながら、敗北を悔しがるニシムラ。
「うぅ‥‥逮捕失敗‥‥じゃなくて、撃墜失敗。もう一度修行のし直しだわ、コレは」
 言いながら筐体から出るニシムラ‥‥ニシムラはゲームの結果を見るために、モニターの前へと歩いていった。

●メイド墜つ
 戦場に満ちた微妙な空気。それを裂いたのは、再度樟葉めがけて飛来したプラズマバスターキャノンの一撃。そして、続けて飛来したお盆が、偶然にも樟葉の頭部に命中した。
 見た印象はギャグでしかないが、やはりダメージはそれなりに入ってくる。
 さらにそこに、十六夜が再び切り込んできた。
 再び、樟葉が切り裂かれる‥‥が、今度はただ切られて終わることはなく、樟葉はドリルで素早く突き返した。
 十六夜に、決して軽くはない傷が刻まれる。そこに、狙い澄ましたかのような攻撃が来た。
『ねこたまーっ! にゃりーん!!』
 全周波通信と共に降り注ぐ卵爆弾。幾つもの爆発が樟葉と十六夜を包んだ。
「攻撃で止まったところを狙った!? やってくれる!」
 倉塚に、自機の隙を突いて攻撃を仕掛けたSHIZUKUへの賞賛の念がわく。
 なるほど、このゲームはバトルロイヤル。味方ではない以上、敵でしかない。同じ敵を攻撃していても、隙は見せられないと言う事か‥‥
 しかし、実際は違った。
『あ、ごめーん。誤爆った』
 通信機から届くSHIZUKUの本気で謝る声。どうも、十六夜を巻き込むとか、巻き込まないとか考える前に適当に撃ったらしい。
『いや、謝る必要なんか無いって。敵だし』
 宮小路の声が通信機から届く。まあ、それはその通りなのだが。
「謝らなくていいよ。そっちの言う通り、敵同士なんだから」
 倉塚はそう言って、再び樟葉に注意を向けた。
 例えSHIZUKU達が敵だとしても、優先的に倒すべきはこちらだと判断して。
 そんな倉塚の機体、十六夜に隠岐は攻撃を仕掛けた。走り、ドリルで突きかかる。
 籠手受けを選んでタイミングを見計らう倉塚の前、SAIPS樟葉は、ドリルを振るった。ただし、ドリルの先から爆風を放つやり方で。
「フェイント!?」
 籠手‥‥シールドでは、爆風系の攻撃は防げない。威力は小さいが、十六夜には効果がある。
「つ‥‥!」
 反射的に斬りかかる攻撃が、樟葉の衣装を引き裂く。気にせず、ドリルを振るう樟葉の攻撃が、十六夜の籠手に受け止められた‥‥が、直後にドリルは引かれ、渾身の重い一撃が振り上げられる。
 しかし、それが振り下ろされることはなかった。
 一瞬早く飛んできたビームが樟葉を貫き、そしてお盆が樟葉を掠めて飛び去る。その二つの攻撃を受けて樟葉の攻撃に一瞬の遅延を発した。
 そこに倉塚は、もう一度斬撃を叩き込む。重い一撃‥‥“兜割り”を。
「てぇい!」
 その斬撃は、樟葉を正面から叩き割り、外装として装備されていた衣服を全て剥ぎ取るほどの威力見せる。
 そんなくだらない事に機体容量を費やす息子を見‥‥隠岐は溜め息をついた。
「‥‥育て方を間違えたかしら」
『そ、そんなことよりも反撃を‥‥』
 気まずい思いで声を上げる田中。しかし、隠岐はゆっくり首を横に振った。
「もう、お終いよ」
 その言葉が終わるか終わらないか‥‥見覚えのあるプラズマ光が白い水着姿の樟葉を貫き、爆散させる。宮小路のSAIPS、飛行砲撃鳥『ヤタ』に装備されたプラズマバスターキャノン『イカズチ』。その直撃であった。
「格闘戦だけじゃここまで。ゴメンね? 射撃武器とかも有れば良かったんだけど」
『いや‥‥良いよ。つきあってくれてありがとう』
 田中は、特に惜しむ様子もなく言った。それに少し安堵し、隠岐は続けて聞く、
「でも、本当に良かったの? 何もして無いじゃない?」
 隠岐は田中に聞いた。田中は、確かに戦闘中、何もやっていない。レーダーを見ていただけだ。
 もちろん、ガンナーなのだから、射撃戦武装がついていなければレーダーを見る以外にすることはなくなる。
 もっとも、樟葉には変形能力があり、射撃戦武装も備えたもう一形態があったのだが‥‥
「射撃戦しても、多分当たらないからなぁ」
 田中は呟いた。
 やってみればわかるが、他人が操縦している機体から射撃して当てるのは、余程の熟練を要する。誘導弾や連射兵器などの撃ちっぱなしな武器なら別だが、照準をあわせる必要のある武器‥‥チャージ系や単発系はまず当たらない。
 だから、射撃兵器のある形態は、動きの鈍いゲートキーパーに対抗する為の物という認識でしかなかった。
「何にしても、今日はここまで‥‥遠くからありがとう」
『良いのよ。裕介ちゃんの事、本当によくわかって良かったわぁ』
 隠岐の笑み‥‥そして、通信は切れる。
 彼女がエントリーしたのは、東京から遙か遠く鎌倉から‥‥まあ、コレはむしろ幸いと言えた。何故なら‥‥
「あああああああ‥‥良く考えたら、何か重大なことを親に知られた気が」
 田中は、僅かな後悔と共に席を立つ。
 本物のメイドさん好きまでは既にばれてるだろう。しかし、こんなゲームでまでその趣味を貫く男だと親が知った‥‥コレは気拙い。
 田中は筐体から出て歩き出す。
 幸いなのは、隠岐が鎌倉にいるため、当面は今回さらけ出した諸々にツッコミを入れられる事が無さそうだと言う事だった。

●巨獣の咆哮
「効果は薄いですね‥‥」
 梅田は、海上から落ちてきた黄金の槍がヨルムンガンドに当たり‥‥そして、たいした効果を発揮しないままに終わったのを確認して呟く。
 やはり、水中で威力の半減した攻撃では、ヨルムンガンドの圧倒的耐久力の前に効果が薄いらしい。
 そんなことを考えながら梅田も、マリンエルファーダのイルマタルで必殺の一撃を打ち込むが、その攻撃を持ってしても劇的な効果は起こらない。しかし、確実に大量の耐久力を削ってはいる。
 このままならまだ押し切れる‥‥そう思ったその時、海上の白金卿が撃破されたとのメッセージが画面に表示された。
「え‥‥‥‥」
 驚愕に、一瞬だけ動きの鈍るマリンエルファーダ。その隙を見たためか、ヨルムンガンドはここで新たな牙を剥き、攻勢に転じた。
 ヨルムンガンドに装備された砲塔。その3連主砲が、海中で轟然と火を吹いたのだ。
 放たれた砲弾が、海中で炸裂して巨大な爆風効果の球体を創り出す。無論、その中に入ればひとたまりもない。
 逃げ回ることは可能だが、それだけをしていても意味はないだろう。隙を探して海中を彷徨うマリンエルファーダ
 その時、梅田に通信が届いた。
『続きを見るために、捨て石になってやる! だから、誰かきっとこいつを倒してくれ!』
 御影は通信機に向けて声を上げ、それからヨルムンガンドめがけて機体を加速した。
 砲はマリンエルファーダに向けられているので間に合わない。ヨルムンガンドは、CIWSを起動させた。
 スサオウに向けられた対空砲火が、見る間に耐久力を削っていく。
「ミサイルも零距離で撃ち込めば!」
 撃ち放った16発のミサイルが、迎撃の時間を与えずにそのままヨルムンガンドに着弾した。
 直後に、スサオウの耐久力も限界を迎え、爆炎の塊となった。
「やったか?」
 中威力から大威力のミサイルが全弾当たったのだ。これで効果がないと言う事はないだろう。
 期待しながら画面を見守る御影‥‥しかし、爆炎の消えた画面に姿を現したのは、さほど損傷を負ったようにも見えないヨルムンガンドの姿。その船首に開いた砲口には、黒いエネルギー球がくわえ込まれていた。
 狙いは、マリンエルファーダ。
「!? そんな‥‥」
 直後、撃ち放たれた黒いエネルギーの奔流がマリンエルファーダを包み込む。それは、HPの全てを一瞬で奪い去っていった。
 通常のチャージ武器は、細い線状の攻撃を発する物であり、敵を貫通するという表現が正しい。しかし、ヨルムンガンドのチャージ兵器が放ったビームは、ヒュージ型SAIPSをゆうに包み込めるだけの太さがあった。
「バケモノだな‥‥」
 いつから覗き込んでいたのか、筐体の外に夜城の姿を見つけ、梅田は憮然として立ち上がりながら言った。
「効果範囲、連続照射時間共に常識外。推定火力レベル6以上‥‥インチキ以外の何物でもありません」
「さすがは、ゲートキーパーだ」
「惜しかったなぁ。せっかくのゲートキーパー戦だったんだが」
 筐体から出た梅田に、夜城が答える。と、そこに御影が声をかけた。
 そして、御影は続けて言う。
「やっぱりあいつは‥‥協力しないと倒せない。例え敵とでもね」

●壊滅
 周辺に敵がいなくなったヨルムンガンドは、まるで一息つくかのように静かに海の中を漂っていた。
 そして‥‥それは、何の前触れもなく始められる。
 ゆっくりと旋回した砲塔が、水中で火を吹き、破滅の力を宿した砲弾を撃ち放つ。
 その砲弾は、真っ直ぐに敵‥‥戦場北東に位置する不破のシャドウセイバーを目指していた。
 着弾。そして広がる爆風。その効果範囲を見て、不破は驚愕に震える。
「長距離砲撃! この威力は何なの!?」
 まるで、最強クラスのグレネードをくらったかのような‥‥しかし、グレネードの射程は中距離、届くはずはない。ならば、やはりこの攻撃は砲撃なのだろう。どれほど、効果範囲が広くとも‥‥だ。
 効果範囲内の物全てにダメージを与える爆風効果の前には、遮蔽物など全く意味はない。陸地にいる機体は、ヨルムンガンドにとって等しく的でしかなかった。
 降り注ぐ砲弾の雨の中、逃げ場を失った不破のシャドウセイバーは、瞬く間に爆発の中に呑まれてしまう。
 GAMEOVERの文字が煌めく画面を見て、不破は溜め息をついた。
 どうも‥‥甘く見たらしい。ヨルムンガンド=ゲートキーパーと言う存在を。
 しかし、バトルロイヤル初参加で一機撃破。まあ、戦績としては華々しいスタートを切ったと言えよう。

●撃滅
 戦場。続く戦いの中、ヨルムンガンドの放つ砲弾は、ファルナとファルファのSAIPS、ドライシャットンを狙っていた。
「え‥‥敵!? 北から?」
 突然画面を揺らした衝撃と、機体を包んだ爆風に、ファルナはその攻撃に気付く。
『敵の攻撃。長距離砲撃、ヨルムンガンドです』
「‥‥わかりました」
 ファルファの報告に言葉を投げ返しながら、ファルナは機体を泳がせる。
 ドライシャットンを包み込むように、次々に炸裂する砲弾。その一発一発が大威力を持つと同時に、広範囲の爆風効果を伴っており、シールドや装甲で防ぐことは出来ない。
 あるいは、高速で移動できる機体‥‥ニシムラのキケンな刑事・水中派のような機体であったなら、その速度で逃げ切る事が出来たのかも知れない。しかし、鈍重なドライシャットンには、それをする事は不可能だった。
 爆風の満ちた海中で、ドライシャットンの耐久力はどんどん削られていく。
「チャージ。完了次第、敵に向けて発射」
 ファルファに命じつつ、ファルナは砲火から少しでも逃れようと必死で操縦する。
 と‥‥その時、砲撃が止んだ。しかし
『ミサイル接近。チャージを中断して、撃墜しますか?』
「‥‥チャージは続行。完了したら教えてください」
 指示を下し、ファルナは後方に退きながら回避をすべく機体を横に走らせた。
 ミサイルは、その後を追ってその向きを変えてくる。やはり、走行速度中速でミサイルを振り切るのは難しい。
 しかし、現状では少しでも時間が稼げればそれで良い。反撃の一撃を放つ時間を‥‥
『チャージ完了』
「!」
 ファルナは、ファルファからの通信があると同時に、敵に対して真っ直ぐ後方に、敵に対しては正面を向けたまま、バックで機体を走らせた。
 その動きに対して、ミサイルは律儀に追尾を行う。そしてミサイルは、ドライシャットンの眼前に迫った。
 そのことは、ドライシャットンとヨルムンガンドを結ぶ線の上に、ミサイルの群が乗った事を示す。
「発射」
『発射』
 ファルナの指示に一瞬遅れてファルファが答える。直後に撃ち出された荷電粒子砲が、ミサイルを巻き込みながら海中に一筋の線を描いた。
 しかし‥‥その時、ファルナは信じられない物を見る。
 それは、自機の放った荷電粒子砲を呑み込みながら迫ってくる黒いエネルギーの奔流だった。
「‥‥‥‥」
 ダッシュの直後。動いて回避することは出来ない。とっさにファルナは、シールドを前方に展開する。
 次の瞬間、衝撃がドライシャットンを襲った。
 圧倒的なエネルギーの前に耐えきれず、ドライシャットンは崩壊していく。
「ああ‥‥」
 GAMEOVERの文字が輝く画面に、ファルナは溜め息をついた。
 敵との相性‥‥最大の問題はそれだった。
 超長距離での正面切っての削りあいになれば、耐久力と火力に勝る敵に勝てるはずがない。
『マスター申し訳ありません』
「え‥‥いえ、良いんですよファルファ」
 ファルナはファルファからの通信に驚きの表情を見せ、その後に微笑んで続ける。
「ゲームでは勝ち負けが有るのは当然です。次は勝てば良いんですし、何より戦いを楽しめたなら、それで良いんです」
『‥‥‥‥』
 ファルファは、少しの沈黙の後に答えた。
『私には良くわかりません。でも、マスターが楽しめたなら、私はそれで満足です』

●殲滅
「行け!」
 宮小路の駆る機動銃騎士『タケル』が、高出力プラズマライフル『ホノカグツチ』を放つ。追いすがるプラズマ光の先には、走る十六夜。
 しかし、十六夜は足を止めて振り返り、籠手内臓のバルカンをばらまいていた。
 火線に捕らえられ、プラズマ光は爆発する。
「まだ‥‥」
 呟く倉塚は、その状態で直上にグレネード×5を放つ。それは、上空から「ねこたま」を降らせようとしていたブリュンヒルデを巻き込んで次々に炸裂した。
 爆風の中で、金の光が発せられる。ファイナルブースターの発動。
 しかし、倉塚はその下でチャージの準備を始めた。もちろん、ブースター発動後のブリュンヒルデを撃つためである。
 ブリュンヒルデを落とせば、チームを一つ潰せる。現状の不利を打開するにはこれしかない。
 しかし、宮小路もそれを易々と許すつもりはなかった。
「させないぞ!」
 ビームマシンガンで弾幕を張りながら、機動銃騎士『タケル』が前進する。
 十六夜は、盾を構えてその攻撃を受け止めつつ、場を離れるためにダッシュした。直後、上空から10発のねこたまが撃ち下ろされる。十六夜の元いた場所へ。
「うわ、外れ!」
『連携、とれてませんね』
 宮小路の苦笑。二人は、あまり連携がとれていない。もっとも、にわかチームである上に、互いの上下が決まってないのだから仕方がないだろう。
 便宜上、SHIZUKUがリーダーだが、実際の上級者は宮小路‥‥そんなアンバランスさが出ているのかも知れない。
「と‥‥とりあえず、じゃ、こっちが支援に回るから」
 SHIZUKUは宮小路に言って高度を上げた。負傷したリーダーの自分が前線に立つより、負傷のない宮小路が前に出た方が良い。それは、出て当然の発想ではあったが。
「じゃあ‥‥行く!」
 宮小路に反論の意味など有るはずもなく、機動銃騎士『タケル』は真っ直ぐに倉塚の十六夜を追って走る。
 倉塚は機体を止めた。そして、盾がわりの籠手を構えて機動銃騎士『タケル』を待つ。接近戦で片を付けようと言う意志が見えた。
 一方、機動銃騎士『タケル』の方は、プラズマライフルをもう一度発射。そして、ビームマシンガン『ツブテ』を連射しながら十六夜に突っ込んでいく。
 両者の決着の時が迫った‥‥しかし、それよりも早く、破滅の時が訪れる。
 突如、2機の居た辺りが3発の巨大な爆炎の中に呑み込まれた。それが、ヨルムンガンドの砲撃によるものと気付く間もなく、倉塚は画面に『GAMEOVER』の文字を見る事になる。
 十六夜の方は、その初撃には耐えた。しかし、あくまでも初撃にのみ。次々と砲弾が飛び込み、巻き起こる爆炎の乱舞。
 その中で、機動銃騎士『タケル』も為す術もなく焼却される。
 空を飛んでいたブリュンヒルデは、彼らよりも僅かに長く生き延びていた。
「これが、ヨルムンガンドの砲撃‥‥まるで世界を焼き尽くすよう」
 北から飛んでくる砲弾が、次々に地上で炸裂し、そこを破壊の炎で包み込む。その圧倒的な破壊は、神の怒りによるものとも思えた。
 そして、SHIZUKUは自機を目指して飛んでくる、超高エネルギーの奔流と言うべき黒き重力波を見る。それが、SHIZUKUが画面で見た最後の光景となった‥‥

●GAME OVER
 画面の中で、天を貫く柱、ムーンロードは細くなって消えていく。
「‥‥‥‥」
 そして、道は消えた。

●クリエーター
「さあってと‥‥面白かった!」
 社に備え付けの筐体から帰ってきた男が、背筋を伸ばして身体をほぐす。
 一人残り、部屋で仕事をしていた若い男は、苦笑混じりに男に言った。
「やっぱり、危なげなく勝てましたね」
「まあね。でも、かなり喰らったよ。もう1〜2機、高機動大火力の機体か、いっそ格闘戦機に張り付かれてたら拙かったね」
 ゲームのことを思い出して男が言う。
 もし今日、戦ったのが男ではなくCPUだったならば、プレイヤー達は勝てたかもしれない。その程度には接戦だった。
 男は満足げな表情で、そこに立っていた。と、彼を笑顔で見ていた若い男が、不意に何か思いだしたように言葉を発した。
「ああ、そうそう。ところで、面白いデータが出ましたよ」
「何だい? もったいぶらずに教えてくれ」
 男に促され、若い男は笑顔を悪戯っぽい表情へと変えた。まるで、話す事が楽しくてたまらない事であるかのように。
「ムーンロードの向こう側でも、こちらに気付いてます。ムーンロードが半開きになった事で、何か感じたみたいですね」
「‥‥なるほど。そうでなければな。こいつは、面白くなってきたぞ」
 男の笑みも変化を見せる。だがその笑みは、若い男の笑顔ように楽しげな物ではなく、何処か不敵な笑顔であった。

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■          登録機体           ■
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2165/梅田・メイカ/15歳/女性/高校生
機体名:マリンエルファーダ
説明:人型デザインのメイカの愛機を水中戦用に特化した。
【A】格闘戦能力
[格闘戦能力無し]
【B】射撃戦能力
[i:長射程/超超大威力/チャージ+貫通]フィン展開式パワードランチャー:イルマタル
[c:中射程/低威力/連射]55ミリ近接防御機関砲:アウローラ
[f:長射程/低威力/自律攻撃兵器×2]自律式ディバイドポッド:ブラスシーカー
【C】移動速度[超高速歩行]
【D】ジャンプ[ジャンプ不能]
【E】装甲防御力[超軽装甲]
【F】特殊[e1:局地戦仕様(水中)]
 [不正改造] データエラー
(A0B5icfC5D0aE1Fe1?3)

2331/夜城・将清/25歳/男性/国家公務員・導師
機体名:白金卿
説明:美しい西洋風の鎧を纏いし騎士、手には王錫、周囲には金とか銀の粉が舞っている。
【A】格闘戦能力
[格闘戦能力無し]
【B】射撃戦能力
[d:長射程/大威力/誘導×4]錫を振るうと双頭の鷹が4匹飛んでいきます。
[c:中射程/低威力/連射]武器は錫を振ると連射の方は風の刃が発現する。
[i:中射程/超大威力/チャージ+貫通]錫を振るうと黄金の槍(周囲の塵が集まる)が出現する。
【C】移動速度[中速歩行/高速ダッシュ]
【D】ジャンプ[ジャンプ不能]
【E】装甲防御力[超重装甲/低威力攻撃無効]
【F】特殊[c:ファイナルブースター]
(A0B5dciC3D0E5F2c)

3198/ニシムラ・ミリ/17歳/女性/警察官(巡査)
機体名:キケンな刑事・水中派
説明:水中に潜んで、他機の逮捕(撃破)を目論む危険なデカ。ブースターで『もっとキケンな刑事』に!
【A】格闘戦能力
[a:格闘戦能力無し]−
ブースト時に追加[b:低威力/中]防弾チョップ 防弾仕様の籠手でツッコミチョップ☆
【B】射撃戦能力
[b:長射程+狭範囲/大威力/砲撃]刑事バズーカ 刑事がバズーカなんて反則だ!
[c:中射程/低威力/連射]刑事ライフル その連射射撃からは誰も逃れられない?
[d:長射程/大威力/誘導]刑事手錠投げ 手錠をイメージした誘導弾♪
【C】移動速度[超高速歩行]
【D】ジャンプ[ジャンプ不能]
【E】装甲防御力[超軽装甲]
【F】特殊
[b:スモール]
[e1:局地戦仕様(水中)]
[c:ファイナルブースター]
(A0B5bcdC5D0E1F4be1c)

0461/宮小路・皇騎/20歳/男性/大学生(財閥御曹司・陰陽師)
機体名:機動銃騎士『タケル』(変形形態1)
説明:通常。接近戦では、攻撃の受け流し程度の対応は可能。
【A】格闘戦能力
[c:低威力/速]
[b:低威力/中]
[b:低威力/中]
【B】射撃戦能力
[d:長射程/大威力/誘導]高出力プラズマライフル『ホノカグツチ』
[c:短射程/低威力/連射]ビームマシンガン『ツブテ』
[c:短射程/低威力/連射]ビームマシンガン『ツブテ』
【C】移動速度[中速歩行/高速ダッシュ]
【D】ジャンプ[b:低高度/滞空]
【E】装甲防御力[超軽装甲]
【F】特殊[f:変形機構]
人型『タケル』:
(A2cbB4dcC3D2bE1F3f)

機体名:飛行砲撃鳥『ヤタ』(変形形態2)
説明:鷹形。対ゲートキーパー戦の切り札。
【A】格闘戦能力
[格闘戦能力無し]
【B】射撃戦能力
[f:長射程/低威力/自律攻撃兵器×6]羽根型ゴーレムビット『ハゴロモ』
[i:中射程/超大威力/チャージ+貫通]プラズマバスターキャノン『イカズチ』
[i:中射程/超大威力/チャージ+貫通]プラズマバスターキャノン『イカズチ』
【C】移動速度[低速歩行]
【D】ジャンプ[c:高々度/飛行]
【E】装甲防御力[超軽装甲]
【F】特殊[f:変形機構]
鷹型『ヤタ』:
(A0aB5fiiC1D5cE1F3f)

2276/御影・蓮也/18歳/男性/大学生 概念操者
機体名:スサオウ
説明:水中ユニット上半身が人型、下半身が龍という機体。うねり翔ける様は海龍皇。うねる変則的な泳ぎが可能。
【A】格闘戦能力
[格闘戦能力無し]
【B】射撃戦能力
[d:長射程/大威力/誘導×4]VFミラージュ 両腰に装備された大型ミサイル4門
[e:中射程/中威力/誘導×8]VGランサー バックパックに内蔵された8連ミサイルランチャー
[a:中射程/大威力/単発]ドーラ 強力ロングライフル。水中用に弾装を爆発する銛に改装
[c:中射程/低威力/連射]マシンキャノン 胸部バルカンユニット
[e:中射程/中威力/誘導×4]VCセプター 龍尾に装備されたミサイル4門
【C】移動速度[中速歩行/高速ダッシュ]
【D】ジャンプ[ジャンプ不能]
【E】装甲防御力[重装甲]
【F】特殊
[e1:局地戦仕様(水中)]
[d:ヒュージ]
(A0B5deaceC3D0E4F3e1d)

1098/田中・裕介/18歳/男性/孤児院のお手伝い兼何でも屋
プレイング:
機体名:放浪のお手伝いさん「樟葉」
説明:特殊3合体前の機体。メイド服は紺色
【A】格闘戦能力
[格闘戦能力無し]
【B】射撃戦能力
[射撃戦能力無し]
【C】移動速度[中速歩行/高速ダッシュ]
【D】ジャンプ[b:中高度/滞空]
【E】装甲防御力[超軽装甲]
【F】特殊
[i:合体機構]
(A0B0C3D3bE1F5i)

2390/隠岐・智恵美/46歳/女性/教会のシスター
プレイング:
機体名:高機動戦闘機「ブラックバード」(BB)
説明:合体前の機体。
【A】格闘戦能力[格闘戦能力無し]
【B】射撃戦能力[射撃戦能力無し]
【C】移動速度[高速歩行/超高速ダッシュ]
【D】ジャンプ[c:中高度/飛行]
【E】装甲防御力[軽装甲]
【F】特殊
[i:合体機構]
(A0B0C4D4cE2F5i)

機体名:スーパーメイド「樟葉」
説明:BBと合体した姿。樟葉にBBのパーツがセパレートアーマー見たく装着される。近接戦闘用。右手に盾のついたドリルを装備逆手に大きな盾。両方ともBBのパーツ。メイド服は黒。特殊3はいつもの通りグラフィック向上&服破けで。服の下には白ビキニの水着で。:
【A】格闘戦能力
[c:超大威力/速]
[e:威力3ランクダウン/盾]
[a:超超大威力/重]
[e:威力2ランクダウン/盾]
[g:低威力/短射程+180扇形]
【B】射撃戦能力
[射撃戦能力無し]
【C】移動速度[中速歩行/高速ダッシュ]
【D】ジャンプ[ジャンプ不能]
【E】装甲防御力[超重装甲/低威力攻撃無効]
【F】特殊
[f:変形機構]
(A5ceaegB0C3D0E5F1e13f特殊3)

機体名:
説明:高機動型右手に超ロングレンジライフル装備背中にBBのウイング。メイド服は白。特殊3はいつもの通りグラフィック向上&服破けで。服の下には白ビキニの水着で。:
【A】格闘戦能力
[格闘戦能力無し]
【B】射撃戦能力
[g:中射程+広範囲/大威力/砲撃]
[i:長射程/超超大威力/チャージ+貫通]
[c:中射程/低威力/連射]
[e:中射程/中威力/誘導×4]
[e:中射程/中威力/誘導×4]
【C】移動速度[中速歩行/高速ダッシュ]
【D】ジャンプ[c:中高度/飛行]
【E】装甲防御力[軽装甲]
【F】特殊
[f:変形機構]
(A0B5giceeC3D4cE2F3f特殊3)

0158/ファルナ・新宮/16歳/女性/ゴーレムテイマー
機体名:超重量級機体アインランツェ
説明:射撃:
【A】格闘戦能力
[格闘戦能力無し]
【B】射撃戦能力
[i:長射程/超超大威力/チャージ+貫通]大口径荷電粒子砲 腹部発射口から放たれる最終兵器。
[c:中射程/低威力/連射]パルスビームバルカン 左右の肩の発射口から無数のビーム弾を放つ。
[c:中射程/低威力/連射]パルスビームバルカン 左右の肩の発射口から無数のビーム弾を放つ。
【C】移動速度[低速歩行]
【D】ジャンプ[ジャンプ不能]
【E】装甲防御力[重装甲]
【F】特殊
[i:合体機構]
(A0B5iccC1D0E4F5i)

2885/護衛メイド・ファルファ/4歳/女性/完全自立型メイドゴーレム
機体名:ツヴァイクヴァルツ
説明:クワガタモチーフの日本刀装備の人型機体。
【A】格闘戦能力
[a:超超大威力/重]Dブレード 白柄の日本刀
[b:大威力/中]小太刀
[c:中威力/速]小太刀
【B】射撃戦能力
[射撃戦能力無し]
【C】移動速度[超高速歩行]
【D】ジャンプ[ジャンプ不能]
【E】装甲防御力[超軽装甲]
【F】特殊
[i:合体機構]
(A4abcB0C5D0E1F5i)

チーム名:チームファルセット
機体名:機動要塞ドライシャットン
説明:3本の角を持つ甲虫と城砦が一体化したような姿の巨大兵器。
【A】格闘戦能力
[c:超大威力/速]Dブレード 白柄の日本刀。
[c:超大威力/速]Dブレード 白柄の日本刀。
[e:威力2ランクダウン/盾]フリーラウンドシールド 両肩に装備された可動盾。
[e:威力2ランクダウン/盾]フリーラウンドシールド 両肩に装備された可動盾。
[e:威力2ランクダウン/盾]フリーラウンドシールド 両肩に装備された可動盾。
【B】射撃戦能力
[f:長射程/低威力/自律攻撃兵器×6]ヴァルキュリア 純白の甲虫型自立兵器。
[i:長射程/超超大威力/チャージ+貫通]大口径荷電粒子砲 腹部から放たれる最強兵器。
[c:中射程/低威力/連射]パルスビームバルカン 左右の肩の発射口から無数のビーム弾を放つ。
[c:中射程/低威力/連射]パルスビームバルカン 左右の肩の発射口から無数のビーム弾を放つ。
[e:中射程/中威力/誘導×4]マイクロミサイル 背部コンテナより発射されるミサイル。
【C】移動速度[低速歩行/中速ダッシュ]
【D】ジャンプ[ジャンプ不能]
【E】装甲防御力[超重装甲/低威力攻撃無効]
【F】特殊
[e1:局地戦仕様(水中)]
(A5cceeeB5ficceC2D0E5Fe1)

1555/倉塚・将之/17歳/男性/高校生兼怪奇専門の何でも屋:
機体名:十六夜
説明:カラーは黒、通常のより大きい籠手をつけた腕と通常の刀より1回り以上刃が大きい日本刀が特徴の高速戦機体。
【A】格闘戦能力
[c:超大威力/速]連続斬り
[a:超超大威力/重]兜割り
[e:威力2ランクダウン/盾]籠手でガード
【B】射撃戦能力
[c:中射程/低威力/連射]左腕籠手内臓バルカン
[h:中射程+狭範囲/低威力/砲撃×5]グレネードキャノン×5
[i:中射程/大威力/チャージ+貫通]荷電粒子砲
【C】移動速度[高速歩行/超高速ダッシュ]
【D】ジャンプ[ジャンプ不能]
【E】装甲防御力[超軽装甲]
【F】特殊
[e1:局地戦仕様(水中)]
(A5caeB4chiC4D0E1F1e1)

2983/不破・恭華/18歳/女性/大学生
機体名:シャドウセイバー
説明:どんな距離でも戦えることを目指してはいるが、恭華の好みによる改造の結果、かなりピーキーな機体となった。外観はマットブラックで、鋭角なシルエット。
【A】格闘戦能力
[b:大威力/中]高振動ブレード
[a:大威力/重]高振動ブレード
[c:低威力/速]高振動ブレード
【B】射撃戦能力
[a:中射程/大威力/単発]ビームライフル
[b:長射程+狭範囲/低威力/砲撃]ビームライフルに付属
[c:短射程/低威力/連射]頭部固定式マシンガン
【C】移動速度[高速歩行/超高速ダッシュ]
【D】ジャンプ[b:低高度/滞空]
【E】装甲防御力[超軽装甲]
【F】特殊
(A3bacB4abcC4D2bE1)

NPC/SHIZUKU
機体名:飛行型試作お手伝い猫耳幼女ブリュンヒルデ
説明:メイド服型装甲に猫耳猫尻尾パーツをつけた、ワルキューレの系列機。小型化されているので敵の攻撃が当たりにくい。更にブースターで一発逆転を狙う。なお、ブースター発動時は、装甲が金色に変わる。
【A】格闘戦能力
[a:格闘戦能力無し]−
ブースト時に追加[a:低威力/重]ねこみゃーぱんち 猫の手型グローブによるパンチ
【B】射撃戦能力
[f:長射程/低威力/自律攻撃兵器×2]ハートエイク ピンクのハートを飛ばして敵を攻撃する。
[i:中射程/大威力/チャージ+貫通]お盆くるくるにゃ 丸いお盆状の物を高速回転させてから投げて攻撃。
[h:中射程+狭範囲/低威力/砲撃×5]ねこたまにゃよ 卵型の爆弾をばらまく。
【C】移動速度[a:中速歩行/高速ダッシュ]
【D】ジャンプ[b:中高度/飛行]
【E】装甲防御力[a:超軽装甲]
【F】特殊[b:スモール][c:ファイナルブースター]
(A0B4fihC3D4bE1F1b2a)

NPC/???
機体名:超弩級潜水戦艦ヨルムンガンド
説明:ゲートキーパーの一機。水中、水上を移動する、戦艦型SAIPS。規格外に巨大で、桁外れの耐久性を持ち、更にその巨体の内に強大な火力を秘める。
 ただし、動きはヒュージ型SAIPS以上に鈍い。
【A】格闘戦能力
[a:格闘戦能力無し]−
【B】射撃戦能力
[c:中射程/中威力/連射]CIWS 前部甲板左舷
[c:中射程/中威力/連射]CIWS 前部甲板右舷
[c:中射程/中威力/連射]CIWS 後部甲板左舷
[c:中射程/中威力/連射]CIWS 後部甲板右舷
[d:長射程/大威力/誘導×4]長距離ミサイル発射口左舷 甲板前部左に直上に向けて発射口が有る。
[d:長射程/大威力/誘導×4]長距離ミサイル発射口右舷 甲板前部右に直上に向けて発射口が有る。
[e:中射程/中威力/誘導×8]魚雷 発射口が前方左舷に4、右舷に4装備されている。外見は魚雷ではあるが、対空対地攻撃可能。
[b:長射程+広範囲/大威力/砲撃]三連装砲 前部甲板砲塔(前)
[b:長射程+広範囲/大威力/砲撃]三連装砲 前部甲板砲塔(後)
[b:長射程+広範囲/大威力/砲撃]三連装砲 後部甲板砲塔
[i:長射程/超超大威力/チャージ+貫通+狭範囲]ハイパーグラビティキャノン 船体正面に発射口有り。
【C】移動速度[低速歩行]
【D】ジャンプ[ジャンプ不能]
【E】装甲防御力[重装甲]
【F】特殊
[e1:局地戦仕様(水中)]
[?:バトルシップ級]

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【整理番号 / PC名 / 性別 / 年齢 / 職業】
2165/梅田・メイカ/15歳/女性/高校生
2331/夜城・将清/25歳/男性/国家公務員・導師
3198/ニシムラ・ミリ/17歳/女性/警察官(巡査)
0461/宮小路・皇騎/20歳/男性/大学生(財閥御曹司・陰陽師)
2276/御影・蓮也/18歳/男性/大学生 概念操者
1098/田中・裕介/18歳/男性/孤児院のお手伝い兼何でも屋
2390/隠岐・智恵美/46歳/女性/教会のシスター
0158/ファルナ・新宮/16歳/女性/ゴーレムテイマー
2885/護衛メイド・ファルファ/4歳/女性/完全自立型メイドゴーレム
1555/倉塚・将之/17歳/男性/高校生兼怪奇専門の何でも屋
2983/不破・恭華/18歳/女性/大学生