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<東京怪談ウェブゲーム 草間興信所>


龍の縛鎖 【第2回/全4回】

●プロローグ

 ――竜穴洞。それは巨大な龍の封じられた地――

 洞穴の最深部。男は巨大な龍を前にして佇んでいた。
 ‥‥龍を戒める無数の黒い鎖‥‥周囲で龍と共に囚われた人々‥‥深き洞窟の中で点在する炎に照らしだされた龍は、見上げてもなお全体を掴み切れない大きさをしており、幾つもの囚われた命はまるで神聖なる儀式の祭壇に捧げられた生贄のように見えた。
 荘厳な空気を破るようにくつくつと嘲笑する男の声がこだましている。
 男の背後から長い黒髪の清楚な少女がやわらかく抱きしめる。

 彼の身体にも絡みつく黒い鎖は、魂までも束縛するような闇色の蛇。
 男の目は、少女の黄金色の瞳に呼応して輝いていた。

「――――罪深き龍に永遠の死を」


 竜洞穴で戦う機械の魔術を使うものたちと、黒き鎖を操る謎の男。
 深遠部で囚われた龍と出会うとき、武彦たちは何を見るのか。


●光と鎖


        ち ゅ っ ど ぉ ぉ ぉ ぉ ん っ っ っ !!!!


 いきなり爆発かい! という無数の突っ込みを受けそうな登場をした 楓希 月霞(ふうき・げっか) は、空を高く高くたかーーく‥‥舞い上がった。んー。ずっと飛ばされていく‥‥落ちてこないんですけど、いいのか?
 まあいいか、と結論されてしまった。だって月霞だし。例え空のお星様になろうときっと彼女も生きているんだトモダチなんだ。得体のしれないなにかと‥‥‥‥。
 ダメじゃん!
 とまあこんな感じで月霞の世界制服計画はまたしても失敗してしまったのであった。
 今回の作戦はというと『巨大ロボ作戦〜!!』
 ――ってそれは前回と一緒だよ‥‥。
 もう一度。
 それは前回と一緒だよ!
「違いますよぅ。今回のロボは掘削ロボ1号といって、地中をごりごりとどこまでも掘り進んでいく画期的な作戦だったんですよー?」
 と空中を飛びながらにこやかに微笑んでいる月霞さんはめげないひとだ、と思った。というよりもどうしてこれでくじけてくれないのですか人間ですかあなたは。
 失敗映像をもう一度再現してみると――。
「ぐおおおおおおおおおおおん!!!」
「やっぱりバーサークポーション飲ませるんじゃなかった〜〜〜!!!」
(モビ●アーマーのヴ●ル・ヴァロのようなロボットが大爆発する映像)
 どーーーーーーーーーん!!!!!
 大爆発。
「みぎゃああああああああ!!!」(月霞)
 以上、結果報告終り。そして彼女は今上空をさらに上昇する羽目に陥っているのだった。しかし物理的な限界はいつか訪れるもので、地平線が見えるくらいの高さでスピードが落ちてゆっくりと停止すると、今度は頂点に達した段階で徐々に下降を始めた。それは加速度的な速さの落下運動となり、墜落状態もとい死のスカイダイビングとなる。
 摩擦熱で流れ星と化しながら山の斜面に激突した月霞は自分のロボが掘っていた穴にそのままホールインワンして(丁度、穴と直下に落ちるように真上に飛ばされていたのだろう)、一番奥まで掘り進んだ最奥の岩盤に直撃するが、遥か上空から蓄積された位置エネルギーは岩盤如きで吸収できる代物ではなかった。そのせいで身体ごとバンカーミサイルのように地中深くに潜っていく月霞。
 ぼこ――ようやく運動が止まったのと、月霞の頭が地中を突き抜けどこかの空洞に頭を突き出した瞬間は同時だった。
「はうぅ〜‥‥頭が痛かったですわー」
 黒い煤だらけ顔でキョロキョロと見回した月霞(なぜ命があるのかはかなり謎だ)は、暗闇を空間を観察すると、かなり広い空洞である事が分かった。大空洞だ。目が慣れるにしたがって空間には張り巡らされたツタのようなものが見えた――。
 それは、黒い鎖――。鎖による蜘蛛の巣の各所には捕らわれた虫のような人間が絡め取られている。
 洞穴の奥には、巨大な長い胴を持った生物が何重にも強靭な鎖で縛り上げられていた。
「あらあら‥‥どうも大当たりしちゃったみたいですねー」
 もっと目が慣れると、龍の前に二人に人影が立っていることが分かった。

                              ○

「侵入者たちは、平気?」
「ああ、気にしなくてもいい‥‥今しばらくは私の傀儡と踊ってもらおう」
 これといって特徴の無い青年と、黒髪の少女というアンバランスな組み合わせだった。
 あなたの半身がもうすぐ消えるな。
 構わないわ。どちらが残ろうと龍の運命よ。
 運命――か。便利な言葉だ。
 最深部の暗闇で囁きあう影絵のような二人だが、男が、唐突に呼びかけた。
「もう出てきたらどうだ? そこにいるのは分かってるんだ」
 男は龍の囚われた大空洞の一角、入り口付近の岩陰で死角になっている個所を凝視する。

 ――――別に隠れてたわけじゃないぜ?

 乱雑でいて何者をも恐れていない声は、不敵に笑った。
「こいつが噂の龍か。は、これほどの大きさとは思わなかったな」
 日向 龍也(ひゅうが・タツヤ)。
 影から抜け出るかのように姿を現した青年は、強き気高さを帯びた赤眼がわずかに細むと、彼は無警戒に近づいた。
「‥‥魔術師等もこの洞窟の多重結界も俺にかかればどうということはないさ、はは‥‥そう、どうということもない。無に等しい存在も同然だからな」
 気さくな態度は優越感の現れ。対手に警戒を感じる程度の防衛すらくだらない。絶対的な力と矜持を微塵も揺るがせることなく、自分を中心に世界を回らせる――彼はそういう男だ。
 だが、突然の闖入者にもかかわらず鎖使いも動じる気配を見せなかった。
「――面白い。だが、君自身は一体どういうキャストを望んでいるのか?」
「キャストも何も知るかよ。俺はただ信じる正義を行うだけだぜ」
 これは不遜なもの同士の、不遜な会話だ。
「そうか。ではキャスト(役割)で不服ならポジション(陣営)とでも言い直そうか。君の言う正義とは、誰に味方することを指し示しているのか‥‥俺はその点に興味がある」
「それはゆっくりと見極めさせてもらうぜ? 自分のこの眼でしっかりとな――」
 意味深な笑みを残しながら、龍也は溶け込むように闇の中へ沈んでいった。


 一陣の風が山の緑をざわめかせる。
「この気、この流れ。見過ごすことは出来ないか」
 暗黒の洞穴入口を前にして仁王立ちする影が呟いた。
 オカルト小説家にして仙術気功拳法を使う気法拳士、それが彼―― 雪ノ下 正風(ゆきのした・まさかぜ) だ。
 不吉な前触れを、大きな変事への予感を抱きながら唇を結んだ。
「大地が邪悪な気と龍の気を伝えてくる‥‥お前も感じるのか黄金龍よ、仲間の嘆きを」
 自分を守護する霊獣――黄金龍の子供へ問い掛けた正風に、黄金龍は深い瞳で頷きを返す。
 洞窟の奥から溢れ出す異様な瘴気だろうか。
 すなわち気の澱みは通常値を遥かに越えていて、気法士としては戦慄を覚えずにはいられない。背中を電流が走るようなチリチリとした感覚が不安を一層掻き立てる。
「そうか‥‥敵の都合は知らないが龍を助けねば、な‥‥」
 気法士にとって参戦理由はそれだけで充分である。
 闇の広がる洞穴へと正風は踏み込んだ。

                              ○


  ゴオォォォォン‥‥。
                       オォォォン‥‥。

 耳をつんざくように戦闘音が竜洞穴にこだましている。
 潜入を果たした 草間武彦(くさま・たけひこ)たちが、洞窟内で戦う機械の魔術師たちと謎の男の姿を目撃した。
 戦闘する彼らは現在のところ地下水流にそって洞窟奥へと移動を続けているようだが、超常的な両者の戦いはこれからさらに激しさを増していくだろう。しかも、武彦たちの存在はすでに敵に知られてもいた。今は魔術師たちも目前の敵である鎖を操る男との戦闘を優先させているが、いずれこの戦いに参戦しなければならない事は目に見えて分かりきっている。
 封じられし龍に招き寄せられたかのように集まった超常能力者たち――シュライン・エマ(しゅらいん・えま)、寡戒 樹希(かかい・たつき)、雪ノ下 正風(ゆきのした・まさかぜ)、鈴森 鎮(すずもり・しず)、香坂 丹(こうさか・まこと)、桜塚 天風丸(さくらづか・てんぷうまる)、秋元 椋名(あきもと・むくな)、日向 龍也(ひゅうが・タツヤ)、月霞 紫銀(つきかすみ・しぎん)、友峨谷 涼香(ともがや・すずか)、緑皇 黎(りょくおう・れい)、楓希 月霞(ふうき・げっか)――。
 彼らは龍に導かれた選ばれし者か、それとも、火に飛び込もうとしている蛾だろうか。
「案外、蜘蛛の巣に捕まった虫辺りが正解かもしれないな」
 シニカルな笑いを浮かべて煙草に火をつける武彦だが、不安そうに 香坂 丹(こうさか・まこと) が見上げていた。木の棒をきつく握り締めながら――この棒が一応彼女なりの武装なのだ。
「‥‥私たちはここに誘き寄せられた‥‥龍の存在は計画された、罠‥‥ということですか?」
「ああ、その可能性もある。どうもなここまで一連の流れを考えると、不自然な点が多すぎる‥‥ま、勘の範疇を超えない推測だが」
「いいえ。雲行きが怪しいという判断は私も正しいと思うわ、武彦さん」
 草間興信所の事務員である シュライン・エマ(しゅらいん・えま) は同意を示しながら周囲をざっと観察する。
「送りつけられた例のビデオテープといい、私たちとは別の一団がこうまでも同時期にこの洞窟に姿を現している事といい、珍しく武彦さんの言う通り“仕組まれた罠”の要素が皆無とはいえないもの」
「‥‥珍しく、だけは余計だ」
 苦虫を噛み潰した表情をみせる武彦だが、煙草の煙を吐きながら「そうか、古代遺跡の技法か」と不意に呟く。
「ええ、私もそれを考えたの‥‥この洞穴、一応は天然を装ってはいるものの、基礎部分に人の手が加えられて人工的に造られた洞窟という印象がどうしても拭い切れないから‥‥」
「あるいはこの山全てが、まさか――」
「十分にありうる話よ。そういう視点から整理すると、古代遺跡などに見られる霊的な操作を意図した建築様式に酷似している点も納得できるし。結論としてはつまり鍾乳洞を装った人造の巨大建築物よね」
 この広大な洞窟が、いえ、山そのものが、建築物? まさかそんな――。
「あの、霊的な操作ってどういう意味ですか!? それにここが全部、人工の建築物だなんて‥‥」
 丹の質問には武彦が答えた。
「この岩盤はカモフラージュだ。自然な鍾乳石には見えても洞窟としては各所に『不自然な』部分がある。対呪術戦を考慮した岩質、いかに迷わせるかを前提にした迷路状の構造など。また、この通路構造自体が霊的な干渉力を内包している紋様であり、簡単に言えばこの洞窟自体が巨大な魔法陣のようなものさ。非日常的な現象を発生させる為の霊的なテクノロジー、それが呪術だ」
 だが、目的の詳細はまだ判らない。
 ‥‥単なる結界にしては大袈裟すぎるようだし‥‥これ以外にもまだ何かあるのか――。
 武彦の独り言をシュラインは聞き逃さない。
「私が思うに、古代遺跡における儀式としては上位世界へのアクセスや神的存在の召喚の儀式――が相場でしょうね。だけれど大仰な仕掛けほど大抵ろくな結果が待っていないから。どちらにせよ嫌な予感は早めに摘むに越したことはないでしょう?」
「全くだ」
 シュラインは思う。この大げさすぎる古代遺跡級の人工洞穴が喜劇の舞台だとしたら。
「‥‥魔術師の一団と鎖男の戦いが第一幕として、きっとろくでもない第二幕があるわね」
 はあ、と丹は思わずため息をつく。二人の会話をすごいな‥‥と思いながらも隣に視線を移した。
「うー、わー‥‥マジでダンジョン探索になっちまったなー」
 慎重に洞穴の中を進む鎌鼬の三番手 鈴森 鎮(すずもり・しず) のその姿は、どことなくウキウキしているようにも見えた。
 子狼フュリースと一緒にトコトコキョロキョロと人の三倍は動き回っている。
「まあなんだ。何と言うか楽しそうだな」
「そ、そんなことないぞ! 俺も真剣なんだからなッ」
 と武彦の鋭い突っ込みを否定する鎮なのだが、わくわくオーラは消えはしない。
 気になったのか、丹は思い切って質問してみた。
「ねえ鎮くん。その狼さんとはお友達なのかな?」
「ううん、友達じゃなくてマブダチ!」
 訂正されてしまった。
 その時、子狼の足が止まる。
 同時に激しい地響きと爆発音。
 破壊の衝撃が轟き、数秒遅れで洞窟全体が揺るがすかのような激震が全員を襲った。
「これは貴方達の仕業でしょうか。ああ、目障りですね。不確定な要素は先に潰させていただきましょう」
 機械の魔術師たちを指揮する光の魔術師・セロフマージュは、隊を二つに分け、半分を武彦たちに差し向けた。
 乱戦になる――とっさに丹は身構えたが、その顔のすぐ前に一匹の見慣れない使い魔が飛んできた。
「これしきの事で騒ぐでない。私の青龍と騰蛇がこの洞窟を案内するでな」
 冷静にして高貴な声は、竜王の生まれ変わりである陰陽師―― 桜塚 天風丸(さくらづか・てんぷうまる) が発したものだ。
 この事態においてさえ優雅さを失うことなく微塵も動じてはいない、信じられない胆力。
「‥‥この二体にはすでに洞窟内部を調査させ記憶させてある。よって万一はぐれた際には、その後を追うが良かろう。そなたらを龍の元へと導くよう言いつけてあるゆえな」


 嫌な予感がする。
 だからと言うわけではない。
 正風は転がるようにその場から跳躍した。ローブ下から覗き見える金属光沢が危険を予感させたのだ。
 そして、予感は的中した。青輝色の光線が線状に鍾乳石を破壊する。
 魔術師の肩に装着されたその呪文が掘り込まれた装備が怪しい重低音を響き渡らせ、取り付けられた金属棒の先端に再び魔力が集約され、一瞬にして彼の前面に巨大な魔法陣が出現する。
 空間に描かれた光の紋様は異様な漲らせて、数瞬後、殺意の光条をまた放った。
「速い――! しかもこのエネルギーは‥‥!?」
 また別の魔術師は背中から幾本もの鋼鉄の腕を生やして、同時に鉄の呪紋鎧――ミスリル・アーマーを装着した。近接戦闘用の魔術装備だ。
 黒衣の男たちは超人的な速さと身軽さも兼ね備えていた。異常な身体能力による洞窟内の立体移動。いくら洞窟としては広い竜穴洞とはいえども、限定された狭い空間内では行動の範囲が狭くなる事は否めない。
 ――これは身体強化技術か‥‥?
「よくぞ見抜かれましたね。身体の駆動個所を選別的に機械化することで超人的な肉体を得る。私たちが新たに開発した技能の一つ――サイバネティックス・フュージョンの産物ですよ。魔導技術の導入により生体を補強している機械部品の小型化にこうして成功を果たしたのです」
「生体と機械の、融合――」
 武彦の声が聞こえたが、どこで誰がどう戦っているのかさえ分からない。
 正風は気を練ると両掌から練った気を砲弾の如く発射した。
「喰らえ――――『奥義黄龍轟天破』!!!!」
 巨大な気功波が敵を幾人も呑み込んでいく。だが。
「‥‥‥‥今の手応えは何だ」
 怪訝な表情で手を見つめる。威力が落ちていた、といったわけではないが、技の使用に――気の流れに違和感を感じたのだ。

「行くよ、わんこ!! 俺たちも道を開くんだからっ」
 鎮はチビイタチの姿に変化すると、鍾乳石によって出来た複雑な陰影の中を走り抜けた。
 まるで触れると切れる風のように。
 影から影へと駆け抜ける小さな疾風を魔術師たちは捉えることが出来ないでいる。その間、鎮の後を離れすに付き従う子狼フュリースも敵の死角へと潜り込んだ。
「機械化されたこの体でも捉えきれない――!」
 2つの小さな影が走り抜けたすぐ背後を青白色のレーザー光線が一瞬にして薙ぎ払う。鎮とフュリースは勢いのままに壁面を駆け上がり、破壊の光条を回避した。二人のすぐ背後で連続する岩を砕くような爆発音。
 破壊音の反響と鎮の掛け声が同時に響いた。
「3…2…今だ!」
「ぐるうぅー!!」
 鎮とフュリースが共に跳躍した。
 死角から襲いくる弾丸のように動き。黒衣の魔術師は2匹の体当たりを避ける事も出来ず、膝裏のぶつかった子狼によってバランスを崩されると同時に、背中に鎮の体当たりを受けて無様に岩肌へと転がる。
「ぐあッ!!」
「痛ったぁー! ローブの下にも硬い機械をつけてるよコイツら!!」
 頭を抑えて痛みをこらえる鎮へと他の魔術師による幾条ものレーザー光線が集中し、間一髪、フュリースがチビイタチの首元を咥えながら高く跳躍して攻撃を回避した。
 すかさず反撃に転じて鎮とフュリースが素早い動きで次々と影を移動しながら敵を転ばせていく。

「うちもちっこいのに負けられへんな」
 退魔士―― 友峨谷 涼香(ともがや・すずか)は苦笑しつつ退魔刀を抜く。
 ぽりぽりと頬をかいた涼香の表情は、視線をあげると挑発的な笑みに変わっていた。
「まぁ機械いうくらいやから、五行陰陽で言うたら金にあたるんやろうな……金やったら火術の出番や」
 剣を縦に構えて、すばやく印を結ぶ。
「火は金を溶かし流す。術もまた然り、やで」
 彼女の一言が敵の動揺を誘った。
 科学的補助装置を使用することなどから、魔術師たちの機械魔術は陰陽道の五行相克的な『金気』の属性を強く帯びてくる。その相克を理解するその道の“専門家”に自身の本質を見抜かれてしまったのだ.
「火剋金、火気を以って金気を剋す!」
 鋭い言霊は火属性の符が魔術師たちの光魔術に対して見えざる障壁となり、涼香の目前で幾条もの閃光が捻じ曲げられ、湾曲した光線が岩肌の天井を打ち砕いていく。
「――ば、馬鹿な!?」
「楽勝♪ やな♪」
 突破される戦線の一角を眺めて、指揮をとっていたセロフマージュは忌々しく舌打ちをする。
「五行相克か。次からは対策を考慮するよう、この記憶に留めましょう……」

 ザッ。
 洞窟に澱む『闇』と戦闘の発する『閃光』が交錯する混乱の中、二人は光の魔術師の前に立った。
 緑皇 黎(りょくおう・れい) と 月霞 紫銀(つきかすみ・しぎん)。
 紫銀は美しい立ち姿で月光を写し取ったような白銀の瞳を細める。
「――――先程の礼を忘れていた。覚悟は出来てるだろうな」
「それはご丁寧に。よくぞ私の場所を的確に掴めたものですね」
「ええ、私の友達が教えてくれたんです」
 オペラ界では通称『玲瓏の貴公子』と讃えられる美しい声で答えると、黎は差し出した指先に洞窟に放った虫の一匹をとまらせた。
 光の魔術師は、その異名に劣らぬ存在感で二人と対峙する。
 機械の魔術師たち――ネオ・ソサエティを自称する彼らの組織における、四大魔術師の一人――それが彼、セロフマージュ。
「私の『前』に立ったことを不運と嘆いてください」
 魔術師の周囲がチカチカと明滅する。
 前回も用いられた深層心理への暗示を与える光催眠だ。この感覚は――不味い‥‥。
 ――深く
 ――沈む
 ――底なしの海へ――。
 必死な声がすぐ耳元から聴こえてきた。
「紫銀、気をしっかりと持ってください!」
 透き通った黎の声が、深層暗示を融解していく。
「黎、か‥‥私は一体‥‥」
「彼の光には気をつけてください。それにしても、戻ってきてくれてよかった‥‥」
 光学暗示を打ち破るほどの精神的繋がりに、光の魔術師は感嘆の声を上げた。
「ほう、我が暗示は抜け出るとはなかなかの精神力‥‥しかし最早あなた方は私の術中の内にありますから」
 光の魔術師の姿がぼやける。
 ぶれた魔術師の像は何体もの実像として分裂して、取り囲む。紫銀は攻撃に備えて姿を銀毛の狼へと変貌させた。黎の盾となって飛び掛り肩口に噛みつくが、切り裂かれた体ごと光の粒子と化して、光がうねり結びつくと、体は完全に再生していた。
「なんだこれは‥‥手応えはあった‥‥しかし、この違和感は‥‥!?」
「音だけに集中するのよ。この現象を作っている装置があるはず――」
 洞窟の向こうから呼びかけるシュラインに気がついて、紫銀は音と匂いだけに意識を集中させた。確かにあった。違和感の発生源を感じ取る。
 セロフマージュのいくつもの姿を無視して、違和感の場所だけを攻撃する。
 小さな装置が破壊された。
「‥‥仕掛けを、見抜かれましたか。まあいいでしょう‥‥」
 魔術を破られた反動か、口の端から血を流しながら彼は姿を消していった。


●青き龍との邂逅

 香坂丹は、木の棒を握りしめる。
「とにかく皆に迷惑かけない様に、足を引っ張らないようにしなくちゃ」
 自分の身くらい自分で守れる‥‥はず‥‥。
 ついさっきまでそう思っていた。
 だけど、今は。
「――はぁ、はぁ‥‥」
 ここまで自分にしてはかなり進んできたはずだ。木の棒を杖代わりにして、体を引きずるように、少しずつ歩き続ける。それでも痛みと疲労は限界を訴えている。傷ついた体の重さがうっとうしい。
 ガツ。木の棒が折れて、丹は岩場に崩れ落ちた。
「‥‥私じゃ‥‥ダメなのかな、やっぱり‥‥」
 それでもよろけるように壁に手をつきながら立ち上がったところを、背後からの爆風に煽られ、再び岩肌を転がる。
「仕留めたか!」
「とりあえず捕らえろ。女といっても能力者だからな。抵抗しそうなら始末しても構わん」
 ‥‥無茶しすぎたかな、私‥‥戦い向きじゃ、ないのに‥‥。
 丹は頬に熱さを感じた。涙の滴だと気づく。そう、戦える力なんて自分にはない。守ることにも攻めることにも役に立たないから。
 自分の無力さが、ただ悔しかった。
 倒れたまましばらくの時間が流れ――その時はなかなかやってこない。
「あ〜〜くそッ‥‥やっぱり来るんじゃなかった‥‥。テメェの面倒はテメェで
見ろよ? 樹希」
「あはは、そう連れないこと言わないの。男が細かいこと言うと嫌われるわよ?」
 誰かが覗き込んでいる。
「気がついた? あ〜〜なんだろう‥‥大丈夫?」
 屈託なく笑う 寡戒 樹希(かかい・たつき) とその後ろでムスッとした 秋元 椋名(あきもと・むくな) のふたりだった。
「とりあえず、残りの雑魚を片付けるぜ。かったるいな‥‥」
 剣を握った金属の6本の腕で襲いくる魔術師を剣一本で捌くと、数手合わせた瞬間、男を気絶させる椋名。
「やっぱり機械は相性がいいな。伝導性が違う」
 電流を操る椋名が剣を通して電撃を叩き込んだのだ。
 一人を倒した椋名の背後を、別の魔術師が六本の剣を振り下ろした。
「ったく、椋名。油断しすぎ」
 が、そこには当たり前のように樹希が待ち構えている。
 剣の一本を樹希が手にした鉄扇で受けた刹那、魔術師の体は大きく宙を一回転して、地面に転がされていた。
 合気道と鉄扇の合わせ技だ。
 しかし、遠距離からの魔導レーザー攻撃が降り注ぐ。直接戦闘はともかく、樹希も椋名も魔法攻撃への対処は不得手なため、逃走もとい戦術的撤退へと方針を切り替えた。
「‥‥ってゆーか、がっつり物理攻撃だったらやりあう自信有るんだけどな‥‥魔法は反則だな〜」
「で、この人はどうすんだ?」
 じーっと二人は丹を見つめる。
「背負いなさいよ、椋名。チャンスじゃない」
 とんでもないことを言った。
「‥‥何のチャンスだよ」
 あの、私は結構です――と慌てる彼女を無視して話は進んで、結局ちょこんと背負われることになった丹。
「ご、ごめんなさい‥‥手間をかけさせちゃうね」
「気にしないで、乗りかかった船なら皿まで!!」
「お前が背負ってるわけじゃないだろ。‥‥そのまぁ、一応痛かったら言ってくれ。樹希、俺を見て意味不明にニンマリすんな。何が楽しいんだか」
 邪険に扱われた樹希は逆にネズミをいたぶる猫のように、カラカラと笑う。
「わかってないなぁ〜。女の子に免疫のない椋名がこんなに可愛いひとをおんぶしちゃって、内心慌てふためいてる様をじっくり眺めるのが楽しいんじゃないか」
 走りながら椋名は5秒ほど沈黙した。
「あー。なんだ‥‥。馬鹿かお前は。超が付くくらい」
「女の子にバカっていうな」
「お前は女じゃねえ」
 喧嘩の仲裁に入りたくて(ケンカじゃないけど)も入れずに丹が背中でオロオロしていると、前方で視界が広がった。
 ――――通路部分を抜けた先には、見上げるほどに巨大な青い龍が囚われていた。

                              ○

 青龍の囚われた天然の大広間に一迅の花吹雪が舞う。
「機械の魔術を使うものたちと、黒き鎖を操る謎の男が闘っているなら、戦闘は
そちらに任せておけば良いものを‥‥」
 舞う花びらの中から典雅に現れると、桜塚天風丸は前を見据えた。
 巨大な、見上げてもなお足りないほどの青龍。
 そして暗黒の空間から。
「ようこそ、龍の間へ――」
 これといって特徴のない男が一人、現れた。
 穏やかな笑顔で迎えながら。
「無貌を装うか。人間風情がくだらんことよ」
「これは手厳しいですね。竜王」
「そなた等の欲に私は何ら興味はない。ただ龍の解放を望んでいるまで。私を本気で怒らせるな」
 猶予を与える、という意を男は察した。
「ふふ、それは御慈悲ですか」
「‥‥いかに愚かな人間とは言え消失させてしまうは忍びないのでな」
 最奥の大広間に辿り着いたシュラインも鎖の男を視界に捉えた。同時に思い出す出発前の武彦との会話――。

「ただ‥‥気になる事があるの」
「気になること?」
「ええ、事務所に来たビデオの途切れ方と金瞳の男の能力が繋がらない気がして。一応繋がれた人達や陰陽師等、元々‥‥もしくは操られた金瞳側の人間か、第三者が居るかもしれない事念頭に置いておきましょ」
「そういうことか」
「‥‥何らかの儀式の為に能力者を集める必要があったなら“うちの興信所はうってつけ”だもの」

 見上げた空間には、龍を囚える幾本もの黒い鎖と、鎖に囚われた幾人もの人間の身体――。
 ここへ来て気になってくる。私たちは、正しい行動を取っているのだろうか。
「酷い事をされるのですね。彼らは解放させていただきます」
 黎が虫に命じて人間たちを救出させた。
 まだ息があるが衰弱が激しい。
「構わないですよ。どうせそれら天羽家の能力者は、もう『用済み』ですから」
「それと、実はですね、虫を放ち先に何匹かこの最深部に潜入させてもいたのですが――あなた、“何と会話をしていらっしゃったのですか”?」
 黎の質問に天風丸がいまさら、という風に指差した。
「もう分かっておろう。そこなおなごよ、姿を見せるがよい」

 ――気を研ぎ澄ます。男の背後に、何かいる――。

 うっすらと滲み出るように姿を見せる何か。
 それは、長い黒髪の少女のカタチをしていた。
 武彦が写真を懐から取り出して見比べる。
「あれは天羽家‥‥龍使いの双子の巫女の、片割れ‥‥精神体か――」
 黎は言葉を続けた。
「『罪深き龍に永遠の死を』との言葉が気になったのですが、この青き龍の命を奪おうとでの言うのですか?」
「龍の命は失われるかもしれませんね‥‥“こちらの龍”かは判りませんが」
「どちらかは知らぬが、龍を殺めようなどと大それた事を。許される罪ではないな」
 鋭い視線を向ける天風丸に、少女は言った。
「‥‥龍は殺されるのではなく、天命によって失われるのです。この今の状態はいびつですから‥‥」


 最深部への入り口が騒がしくなってくる。機械の魔術師たちもようやくこの場所へと辿り着いたようだ。
「これが龍か‥‥龍の力か――ああ、素晴らしい、素晴らしい量の力の凝縮です!」
 計測器を見て歓声を上げる魔術師たちの目前を、水源から操られた水の壁が高噴出で遮った。険しい顔で天風丸が腕を突き出している。
「やれ、無粋な輩はそこでじっとしていてもらおうか。この龍を解き放つまでな」
 激しさを増す水音。
 洞窟の水流の源泉からごうごうと水が湧き出し、奔流となって襲い掛かる。高圧の水は渦巻き、轟き、凶器と化して魔術師たちを数名飲み込みながら押し流していった。
「解き放つだと! 愚か者が、それは私たちのものです!」
 この新しい術の開発のために――セロフマージュが瞬時に魔法陣を描き呪文を唱え、数メートルもの光の龍を召喚させた。
「あなた方は機械化を差別されているようですが、私たちは自分に非があるとは思いません。我々を敵視してやまないようですが、魔導との融合とはいっても科学技術化を進めることは時代の流れ‥‥錬金術や神秘学など、先進的な知識は常に遅れた時代に迫害されるもの。いずれ私たちの先見性が時代に認められるでしょう。――まずは、この龍の巨大なエネルギーを取り込み私の術を完成させます」
「そんな理由で龍を求めるって言うのか! お前は!」
 樹希が鉄扇で光の龍の立ち向かった。
 青龍とは比べものにならないがそれでも人の何倍もある光の龍は、合気の技でも敵わず逆に弾き飛ばされる。飛ばされた先で椋名がクッションとなって受け止める。
「‥‥この際、減量を考えてもいいんじゃねーの?」
 一方、樹希たちと辿り着いていた丹は、龍の前に立った。
 龍を前にして丹の決心は決まっていた。
「私が蓄えてる霊力をあげるよ。意味が無い事かもしれないけど少しくらいは元気になって」
「その龍は我々の物だ!」
 光の龍と共に水壁を越えた何名かの魔術師が取り押さえようと飛びかかるが、彼女に触れた瞬間、まばゆい閃光に包まれた。
「――――邪魔するなら根こそぎ霊力を吸い取ってやる!」
 魔術師たちの力を吸収して龍に流し込む。
 シュラインは自分の中の違和感を拭おうと、必死で状況を考える。
「龍は‥‥ココまで力のあるモノならその本質を隠すと言う事もないでしょうし、囚われたわけや理由や、理性があるのか狂暴なのか穏やかなのか怒りに満ちているのか‥‥判断出来ればと思ってたけれど‥‥」
 だけれど、この青い龍はおかしい。
 普通の命ある異生物としてだけの龍ではない――のかもしれない。
「ん〜、なんでこんな風になってんの?」
 ちょんちょんと龍をつつきながら(!)鎮が訊ねる。
 かなり堅い。
「つつくな!」
「えー、いいじゃんケチー」
 鎮は武彦に注意されて耳を伏せた。
 その時、龍の眼が開いた。
「‥‥さて、満腹になったようだな」
「キャアッ!!」
 丹が光の龍に弾き飛ばされていた。光の龍を構成する圧倒的なエネルギーは彼女ではその場で吸収しきることが出来なかったのだ。
 光の龍が青龍に取り付こうとした瞬間、紅蓮の爆炎が光龍を吹き飛ばした。
「よう持ちこたえたな! 後はうちに任しときや!」
 動揺する魔術師たちを尻目に、ようやく到着した退魔士の涼香が15枚もの符を取り出すと悠然と歩み出る。
「皆ちょっと下がっときや、危ないさかい」
「わ! やばそ――!」
 凄腕の退魔士による攻勢の準備――その危険に気がついた鎮は、逃げ出すように光の龍から離れた。
 涼香は腕の一振りで周囲に符を規則正しく張り付け、そのまま火術の結界を展開した。光の竜が一瞬にして包囲される。

 ‥‥天地より万物に至るまで気をまちて以って生ぜざる者無き也‥‥邪怪禁呪悪業を成す精魅‥‥天地万物の正義をもちて微塵とせむ‥‥

「――――死爆!!」
 衝撃。破壊。轟音。爆煙。
 光の龍は粉微塵に粉砕された。

 予感がする。
 巨大なものが解き放たれる。
 人は巨大な力を前にした時、その動向の善悪を判断できない。それは不遜だ。人は小さい自然の一存在物にすぎないのだ。
 正風が最深部に辿り着いた時、一人の男が青い龍の頭に立っていた。
「いいぜ――俺が大空を羽ばたかせてやるよ。飛び立ちな!」
 龍也は腕を上げると、龍の頭上の岩盤が脆くも崩れ、破壊されていく。一点の小さな傷口を中心にひび割れ、崩れ落ち、幾層もあった結界と岩盤を貫いて、地上の空とつながった。
 龍は咆哮を上げると鎖を巻きつけたまま大空へと飛び立った。
 青い龍は、その身に宿す無秩序なエネルギーを撒き散らしながら空を翔ける。
「馬鹿な‥‥あんな力が無軌道に放たれたら、地上は混乱じゃすまない」
 正風は今更ながらに気づく。この洞窟の幾重もの結界は、龍の力に対しても作用していたのか‥‥。

「ひとつ、誤解をしているようだが‥‥」
 張りつけたような微笑の男に、もはや恭しさはない。

「――――この龍を戒めているのは俺ではない」

 巨大な、凡てを覆い隠すような青く輝く龍が、黒い鎖を巻きつけながら大空へと昇っていく。
 光の魔術師が笑っていた。
「ははは! これは素晴らしい! これ程とは! お前たちだけでアレを止められますか? 龍を捕捉したいという目的を同じとするなら、力を貸さないではありませんよ」



●決断の時

「自由意志というものについて、あなたはどう思う?」
 鏡の中の私が尋ねた。
 瓜二つの姿を持った全く別の、もう1人の私。
「自由であることは素晴らしいわ」
「そう? ‥‥そうかしら」
 もう1人の私は疑問を呈する。
「だって、自由であると心が広がるし、思い通りに動けるし――自分らしくいられるのよ?」
「でも、力あるものの自由は、人を潰せるし、夢を喰らえるし――自分だけを愛せるのよ?」
 彼女と私は、どこまで行っても平行線。
「あなたが言うのは自由じゃない。力に自由を見失い奪われているだけ」
「あなたが言うのは現実じゃない。力の正体を知らないで踊らされているだけ」
 二つに引き裂かれた同じ魂。
 力こそが自由で束縛は足枷で、だからこの螺旋をうたいながらも無限に続く命題は‥‥決して交わる事はないのかもしれない。
 そして、金属の鎖で縛られながら、鏡の中の私は笑っていた。


                              ○

 解き放たれた巨大な龍は、東京タワーへと向かう。
 内に秘めた無尽蔵なエネルギーを驚異的な嵐へと変えながら。
 そこには、機械の魔術師たちも龍を捕らえようと罠を張って待ち構えていた。
 鎖使いと少女も青き龍を追う。

 東京タワーの場所に何があるというのか。
 天羽家に伝わる龍の秘術の正体とは。

「さあ、私たちもいきましょう。破滅の龍が待っている彼の地へ――」


【to be continued [The chain of Closed Dragons]Part3】

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■   登場人物(この物語に登場した人物の一覧)  ■
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【0086/シュライン・エマ(しゅらいん・えま)/女性/26歳/翻訳家&幽霊作家+草間興信所事務員】
【0391/雪ノ下 正風(ゆきのした・まさかぜ)/男性/22歳/オカルト作家】
【1692/寡戒 樹希(かかい・たつき)/女性/16歳/高校生】
【2320/鈴森 鎮(すずもり・しず)/男性/497歳/鎌鼬参番手】
【2394/香坂 丹(こうさか・まこと)/女性/20歳/学生】
【2894/桜塚 天風丸(さくらづか・てんぷうまる)/男性/19歳/陰陽師・竜王】
【2912/秋元 椋名(あきもと・むくな)/男性/16歳/高校生】
【2953/日向 龍也(ひゅうが・タツヤ)/男性/27歳/何でも屋:魔術師】
【3012/月霞 紫銀(つきかすみ・しぎん)/男性/20歳/モデル兼、美大講師】
【3014 /友峨谷 涼香(ともがや・すずか)/女性/27歳/居酒屋の看板娘兼退魔師】
【3026/緑皇 黎(りょくおう・れい)/男性/21歳/オペラ歌手兼私立探偵】
【3279/楓希 月霞(ふうき・げっか)/女性/18歳/使用人】

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■         ライター通信          ■
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 こんにちは、雛川 遊です。
 シナリオにご参加いただきありがとうございました。
 またもやノベル作成が大幅に遅れてしまい申し訳ありませんでした。大変ご迷惑をおかけしています‥‥。9月中を目処にシリーズを完結させられたらと思います。
 【龍の縛鎖】第3回の募集は、8月30日を予定しています。

 それでは、あなたに剣と翼と龍の導きがあらんことを祈りつつ。



>鎮さん
一応、竜の鱗をつつきましたのでー(真剣な調査描写がよかったなら申し訳ないです/汗)
>紫銀さん
応援メールありがとうです。‥‥と、せっかくいただいてまたも大遅刻‥‥本当にごめんなさい。正直、運気も体調も絶不調です‥‥(泣)
>黎さん
今回は戦闘は紫銀さんにお任せして、主に囚われた人々の救出していただきました。
>天風丸さん
第一回でも書いたのですが、龍と一口で書いても色々あるので、天風丸さんと青い龍の違いを考えいてみるのも一興かもしれないです。
>涼香さん
光の魔術師から天敵認定された模様。どうかお気をつけください。
>シュラインさん
謎解き、というより解説的なポジションになってしまったかもしれません。意味深な言葉をいわせたり、と。
>月霞さん
最近、西尾維新にハマっているせいか一部(?)お見苦しい文章になってしまいました。みたいなー(こら)
>丹さん
かよわさを前面に描写してみました。痛そうでしたらごめんなさい‥‥。
>正風さん
一応、武彦と合流した形で話を進めてみました。後、見上げるような龍の頭に乗っていた人が見えたとかいう突っ込みについては考えないでください‥‥。
>龍也さん
凄い量の設定ですね。ノベル作成の規則上、OMC内の設定だけで執筆させていただきました。ちなみに雛川は運命より月姫派だったり。
>樹希さん
女の子をバカいうなあたりは、なんとなく流れでああなって。女の子扱いされたくないんですよね。
>椋名さん
だるそうにノリのいい突っ込みってどんな感じ――本文のような雰囲気でよかったでしょうか(汗)